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JP3654413B2 - 鉄系黒色複合粒子粉末及びその製造法、該鉄系黒色複合粒子粉末を用いた塗料並びに該鉄系黒色複合粒子粉末で着色したゴム・樹脂組成物 - Google Patents

鉄系黒色複合粒子粉末及びその製造法、該鉄系黒色複合粒子粉末を用いた塗料並びに該鉄系黒色複合粒子粉末で着色したゴム・樹脂組成物 Download PDF

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JP3654413B2 JP30379198A JP30379198A JP3654413B2 JP 3654413 B2 JP3654413 B2 JP 3654413B2 JP 30379198 A JP30379198 A JP 30379198A JP 30379198 A JP30379198 A JP 30379198A JP 3654413 B2 JP3654413 B2 JP 3654413B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、粒子表面から脱離するカーボンブラック微粒子粉末が少ないことにより、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が優れており、且つ、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色度を有しているとともに、耐酸性に優れた塗膜を得ることのできる塗料や耐老化性に優れた樹脂組成物を得ることのできる鉄系黒色複合粒子粉末を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
カーボンブラック微粒子粉末やマグネタイト粒子粉末は、代表的な黒色顔料であり、塗料用、印刷インク用、化粧品用、ゴム・樹脂組成物用等の着色剤として古くから汎用されている。
【0003】
カーボンブラック微粒子粉末は、各種黒色顔料の中では最も黒色度が優れており、カーボンブラック微粒子粉末を用いて得られた塗膜や樹脂組成物は耐酸性や耐老化性にも優れているが、一方、粒子サイズが平均粒子径0.005〜0.05μm程度の微粒子であるため、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散が困難であり、また、かさ密度が0.1g/cm程度とかさ高い粉末であるため、取り扱いが困難で、作業性が悪いものであった。また、発ガン性等の安全、衛生面からの問題も指摘されている。
【0004】
即ち、カーボンブラック微粒子粉末は、使用量が多量になるほど黒色度も優れる傾向にあるが、使用量を多量にするとビヒクル中や樹脂組成物中への分散が益々困難となって作業性が悪くなり、また、安全、衛生上からも好ましくない。
【0005】
一方、マグネタイト粒子粉末は、カーボンブラック微粒子粉末に比べ、適当な粒子サイズ、殊に、平均粒子径0.08〜1.0μm程度を有しているためビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が優れており、取り扱いやすいものであり、しかも、無害であるという特徴を有しているが、一方、黒色度は未だ不十分であり、マグネタイト粒子粉末を用いて得られた塗膜や樹脂組成物の耐酸性や耐老化性も不十分であった。
【0006】
また、マグネタイト粒子粉末は磁性を有しているため、磁気的な凝集を生じやすいので、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性改良の点から、磁性を有しない鉄系黒色粒子粉末としてマンガン含有へマタイト粒子粉末やマンガン含有含水酸化鉄粒子粉末が知られているが、これらは黒色度の点においてマグネタイト粒子粉末よりも劣るものである。
【0007】
近年、着色剤としての黒色粒子粉末の諸特性向上が望まれており、カーボンブラック微粒子粉末の有利な特性とマグネタイト粒子粉末及びMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末等の黒色酸化鉄粒子粉末やMn含有黒色ゲータイト粒子粉末等の黒色含水酸化鉄粒子粉末の有利な特性とを兼ね備えた黒色粒子粉末が強く要求されている。
【0008】
特に、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散が困難であり、取り扱い性等の作業性が悪く、更に安全、衛生上の問題があるカーボンブラック微粒子粉末の使用量を少量にしても、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色を有しているとともに、耐酸性に優れた塗膜を得ることのできる塗料や耐老化性に優れた樹脂組成物を得ることができ、且つ、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性に優れている黒色粒子粉末が強く要求されている。
【0009】
これらの要求に応えて、カーボンブラック微粒子粉末とマグネタイト粒子粉末とを複合化して両者の優れた特徴をあわせもつ黒色粒子粉末を得ることが種々試みられており、例えば、1)水溶液中から析出したマグネタイト粒子を含む水懸濁液中にカーボンブラック微粒子粉末を含む水性分散液を添加した後、混合攪拌してマグネタイト粒子粉末の粒子表面にカーボンブラック微粒子粉末を吸着させる方法(特公昭50−13300号公報)、2)糖蜜等の高分子量有機物質を溶解した鉄含有廃スラッジとカーボンブラックを含む熱ガスとをスプレー反応器中に温度450〜850℃で導入し、鉄塩からマグネタイト粒子を生成すると同時に該マグネタイト粒子表面に糖蜜を結合促進剤としてカーボンブラックを結合させる方法(特開昭49−48725号公報)、3)鉄塩水溶液にカーボンブラックを懸濁させた後アルカリを添加してカーボンブラックと四三酸化鉄とを共沈させることにより表面がカーボンブラックで被覆されている共沈物を得る方法(特公昭55−39580号公報)、4)微小板状粒子の粒子表面にカーボンブラック等が被着されているとともに、該カーボンブラック等をアニオン性又はカチオン性の界面活性剤、非イオン性の界面活性剤及び有機官能性のオルガノシラン化合物で固定化する方法(特開平6−145556号公報、特開平7−316458号公報)等が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
カーボンブラック微粒子粉末の有利な特性と黒色酸化鉄粒子粉末や黒色含水酸化鉄粒子粉末の有利な特性を兼ね備えた黒色粒子粉末は、現在最も要求されているところであるが、前出公知の方法による場合には、これらの諸特性を十分満足する黒色粒子粉末は得られていない。即ち、前出公知の1)の方法による場合には、後出の比較例6に示す通りカーボンブラック微粒子粉末の脱着率が高く、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散に際してカーボンブラック微粒子粉末が脱離するため、ビヒクル中や樹脂組成物中での均一な分散が困難であるとともに、得られる塗料や樹脂組成物の黒色度が十分改善できない。
【0011】
前出公知の2)の方法による場合には、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合に比べ同等又は遜色のない黒色度を得るためには、カーボンブラック微粒子粉末をマグネタイト粒子粉末100重量部に対し280重量部程度と多量に使用する必要がある。前出公知の3)の方法による場合も、同様にカーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合に比べ同等又は遜色のない黒色度を得るためには、カーボンブラック微粒子粉末をマグネタイト粒子粉末100重量部に対し100〜400重量部程度添加する必要があり、しかも、共沈物の表面に付着しているカーボンブラック微粒子は脱離しやすいものである。前出公知の4)の方法による粒子粉末は、黒色度が劣っており、しかも、カーボンブラック微粒子粉末が脱離しやすいものであり、この方法によって得られた粒子粉末は黒色粒子粉末ではない。
【0012】
そこで、本発明は、粒子表面から脱離するカーボンブラック微粒子粉末が少ないことにより、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性に優れており、且つ、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色度を有しているとともに、耐酸性に優れた塗膜を得ることのできる塗料や耐老化性に優れた樹脂組成物を得ることのできる鉄系黒色複合粒子粉末を得ることを技術的な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0014】
即ち、本発明は、平均粒子径0.08〜1.0μmの黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末、必要により、該粒子の粒子表面にアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆されている黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末のいずれかの粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物が被覆され、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物の被覆量はアルコキシシラン被覆黒色酸化鉄粒子粉末又はアルコキシシラン被覆黒色含水酸化鉄粒子粉末に対し、Si換算で0.02〜5.0重量%であり、該オルガノシラン化合物被覆の表面に平均粒子径0.005〜0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末が付着している鉄系黒色複合粒子粉末からなり、上記カーボンブラック微粒子粉末の付着量が前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする鉄系黒色複合粒子粉末である。
【0015】
また、本発明は、平均粒子径0.08〜1.0μmの黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末、必要により、該粒子の粒子表面にアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆されている黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末とアルコキシシランとをエッジランナーを用いて混合攪拌して前記粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランを被覆させた後、前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して平均粒子径0.005〜0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末1〜30重量部を添加して、混合粉末を得、次いで、該混合粉末をエッジランナーを用いて混合攪拌した後乾燥乃至加熱処理して上記アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆にカーボンブラック微粒子粉末を付着させることを特徴とする前記鉄系黒色複合粒子粉末の製造法である。
【0016】
また、本発明は、前記いずれかの鉄系黒色複合粒子粉末を塗料構成基材中に配合したことを特徴とする塗料である。
【0017】
また、本発明は、前記いずれかの鉄系黒色複合粒子粉末を用いて着色したことを特徴とするゴム・樹脂組成物である。
【0018】
本発明の構成を詳しく説明すれば、次の通りである。
【0019】
先ず、本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末について述べる。
【0020】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末の粒子形状や粒子サイズは、芯粒子である黒色酸化鉄粒子や黒色含水酸化鉄粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子にほぼ相似する粒子形態を有し、芯粒子よりも若干大きい粒子サイズを有している。
【0021】
即ち、本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末は、粒状の酸化鉄粒子や含水酸化鉄粒子を芯粒子とした場合には、粒子サイズが平均粒子径0.082〜1.05μm、好ましくは平均粒子径0.1〜0.7μm、より好ましくは平均粒子径0.1〜0.5μmであり、針状又は紡錘状の酸化鉄粒子や含水酸化鉄粒子を芯粒子とした場合には、平均粒子径(長軸径)が0.082〜1.05μm、好ましくは0.1〜0.7μm、より好ましくは0.1〜0.5μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が2〜20、好ましくは3〜15、より好ましくは3〜10である。板状酸化鉄粒子や板状含水酸化鉄粒子を芯粒子とした場合には、平均粒子径(板面径)が0.082〜1.05μm、好ましくは0.1〜0.7μm、より好ましくは0.1〜0.5μmであって、板状比(板面径/厚み)が2〜50、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10である。
【0022】
平均粒子径が0.082μm未満の場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により、ビヒクル中や樹脂組成物中における分散が困難となる。平均粒子径が1.05μmを越える場合には、大粒子化に伴い、ビヒクル中や樹脂組成物中における均一な分散が困難となる。
【0023】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末の黒色度は、上限値がL値で18である。L値が18を越える場合には、明度が高くなり、黒色度が十分とは言えない。黒色度のより好ましい上限値はL値が17.8である。下限値はL値が15程度である。
【0024】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末のカーボンブラックの脱着率は20%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。カーボンブラックの脱着率が20%を越える場合には、塗料や樹脂組成物の製造時において、脱離したカーボンブラックによりビヒクル中や樹脂組成物中での均一な分散が阻害される場合がある。
【0025】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末は、BET比表面積値が1〜200m/g、好ましくは2〜150m/g、より好ましくは、2.5〜100m/gである。BET比表面積値が1m/g未満の場合には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、ビヒクル中や樹脂組成物中での分散性に悪影響を与えるので好ましくない。BET比表面積値が200m/gを越える場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により、ビヒクル中や樹脂組成物中における分散が困難となる。
【0026】
また、本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末は、粒子径の幾何標準偏差値が1.8以下であることが好ましい。幾何標準偏差値が1.80を越える場合には、存在する粗大粒子のため、ビヒクル中や樹脂組成物中における均一な分散が困難となる。ビヒクル中や樹脂組成物中における均一分散を考慮すれば、1.7以下が好ましい。工業的な生産性を考慮すれば、粒子径の幾何標準偏差値の下限値は1.01である。
【0027】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末における黒色酸化鉄粒子粉末は、マグネタイト粒子粉末、マンガン含有ヘマタイト粒子粉末に対し5〜40重量%のマンガンを含有するマンガン含有ヘマタイト粒子粉末であり、黒色含水酸化鉄粒子粉末はマンガン含有ゲータイト粒子粉末に対し5〜40重量%のマンガンを含有するマンガン含有ゲータイト粒子粉末である。
【0028】
黒色酸化鉄粒子及び黒色含水酸化鉄粒子には各種形状の粒子があり、球状、粒状、八面体状、六面体状、多面体状等の粒状粒子、針状、紡錘状、米粒状等の針状粒子及び板状粒子等がある。
【0029】
粒子サイズは、球状、粒状、八面体状、六面体状、多面体状等の粒状粒子の場合は、平均粒子径が0.08〜1.0μm、好ましくは、0.098〜0.68μm、より好ましくは0.098〜0.48μmであり、針状、紡錘状、米粒状等の針状粒子の場合は、平均粒子径(長軸径)0.08〜1.0μm、好ましくは0.098〜0.68μm、より好ましくは0.098〜0.48μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が2〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10である。
【0030】
板状粒子の場合は、平均粒子径(板面径)が、0.08〜1.0μm、好ましくは0.098〜0.68μm、より好ましくは0.098〜0.48μmであり、板状比(板面径/厚み)が、2〜50、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜10である。
【0031】
芯粒子粉末としての黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の黒色度は、マグネタイト粒子粉末の場合、通常L値の下限値が18を越え、上限値は25、好ましくは24である。マンガン含有ヘマタイト粒子粉末の場合、通常L値の下限値が18を越え、上限値は28、好ましくは25である。マンガン含有ゲータイト粒子粉末の場合、通常L値の下限値が18を越え、上限値は30、好ましくは28である。
【0032】
値が上限値を越える場合には、黒色度が十分とは言い難く、本発明の目的とする黒色度に優れた鉄系黒色複合粒子粉末を得ることが困難となる。
【0033】
芯粒子粉末としての黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末のBET比表面積値は、1〜200m/g、好ましくは2〜150m/g、より好ましくは、2.5〜100m/gであり、粒子径の幾何標準偏差値は1.8以下、好ましくは1.7以下である。粒子径の幾何標準偏差値の下限値は1.01である。
【0034】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子におけるアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物(以下、オルガノシラン化合物という。)は、化1で表わされるアルコキシシランから、乾燥乃至加熱工程を経て生成するオルガノシラン化合物である。
【化1】
SiX4−a
R:−C,−(CHCHCH,−n−C2m+1
X:−OCH,−OC
m:1〜18の整数
a:0〜3の整数
【0035】
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0036】
カーボンブラック微粒子粉末の脱着率及び付着効果を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物が好ましく、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランから生成するオルガノシラン化合物が最も好ましい。
【0037】
アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物の被覆量は、アルコキシシラン被覆黒色酸化鉄粒子粉末又はアルコキシシラン被覆黒色含水酸化鉄粒子粉末に対し、Si換算で0.02〜5.0重量%であることが好ましい。より好ましくは、0.03〜2.0重量%、更により好ましくは0.05〜1.5重量%である。
【0038】
0.02重量%未満の場合には、黒色度を改良できる程度にカーボンブラック微粒子粉末を十分付着させることが困難である。
【0039】
5.0重量%を越える場合には、カーボンブラック微粒子粉末を十分付着させることができるが、必要以上に添加する意味がない。
【0040】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末におけるカーボンブラック微粒子粉末は、市販のファーネスブラック、チャンネルブラック等を使用することができ、具体的には、MA−100、MA7、#1000、#2400B、#30、MA8、MA11、#50、#52、#45、#2200B、MA600等(商品名:三菱化学株式会社(製))シースト9H、シースト7H、シースト6、シースト3H、シースト300、シーストFM等(商品名、東海カーボン株式会社(製))等が使用できる。オルガノシラン化合物との親和性を考慮すれば、MA−100、MA7、#1000、#2400B、#30が好ましい。カーボンブラック微粒子粉末の平均粒子径は0.005〜0.05μm程度、より好ましくは0.010〜0.035μm程度である。
【0041】
0.005μm未満の場合には、カーボンブラック微粒子粉末があまりに微細となるため、取扱いが困難となる。
【0042】
0.05μmを越える場合には、カーボンブラック微粒子の粒子サイズが芯粒子である酸化鉄粒子又は含水酸化鉄粒子の粒子サイズに比較して大きくなりすぎるため、アルコキシシラン被覆への付着強度が不十分となり、カーボンブラック微粒子の脱着率が増加し、その結果、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が低下する。
【0043】
黒色酸化鉄粒子又は黒色含水酸化鉄粒子の平均粒子径とカーボンブラック微粒子の平均粒子径との比は2以上であることが好ましい。2よりも小さくなると、カーボンブラック微粒子の粒子サイズが芯粒子である黒色酸化鉄粒子又は黒色含水酸化鉄粒子の粒子サイズに対して大きくなりすぎるため、アルコキシシラン被覆への付着強度が不十分となり、カーボンブラック微粒子の脱着率が増加し、その結果、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が低下する。
【0044】
カーボンブラック微粒子粉末の付着量は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対し1〜30重量部である。
【0045】
1重量部未満の場合には、カーボンブラック微粒子粉末の付着量が不十分であり、十分な黒色度が得られない。
【0046】
30重量部を越える場合には十分な黒色度が得られるが、カーボンブラック微粒子粉末の付着量が多いためカーボンブラック微粒子粉末が脱離しやすくなり、その結果、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が低下する。
【0047】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末は、必要により、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面があらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上(以下、「アルミニウムの水酸化物等による被覆」という。)で被覆されていてもよく、アルミニウムの水酸化物等で被覆しない場合に比べ、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が向上する。
【0048】
アルミニウムの水酸化物等の被覆量は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末に対しAl換算、SiO換算、又はAl換算量とSiO換算量との総和で0.01〜50重量%が好ましい。
【0049】
0.01重量%未満である場合には、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性改良効果が得られない。
【0050】
50重量%を越える場合には、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性改良効果が十分に得られ、必要以上に被覆する意味がない。
【0051】
アルミニウムの水酸化物等で被覆されている本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末は、アルミニウムの水酸化物等で被覆されていない鉄系黒色複合粒子粉末の場合とほぼ同程度の粒子サイズ、幾何標準偏差値、BET比表面積値及び黒色度L値を有している。
【0052】
次に、本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末の製造法について述べる。
【0053】
本発明における芯粒子である粒状マグネタイト粒子は、第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリとを反応して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化する、所謂、湿式法により得られる。
【0054】
針状マグネタイト粒子や紡錘状マグネタイト粒子は、第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリ、炭酸アルカリ又は水酸化アルカリ・炭酸アルカリとを反応して得られる水酸化第一鉄コロイド、炭酸鉄及び鉄含有沈殿物のいずれかを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化する、所謂、湿式法により針状ゲータイト粒子や紡錘状ゲータイト粒子を生成し、該ゲータイト粒子を濾別、水洗後、還元性雰囲気下、300〜500℃で加熱還元することにより得られる。
【0055】
本発明における芯粒子である粒状のマンガン含有ヘマタイト粒子は、上記湿式法により生成した粒状マグネタイト粒子を全Feに対し8〜150原子%のマンガン化合物で被覆した粒子又は粒状マグネタイト粒子を生成する上記湿式法においてマンガンの存在下で反応させて全Feに対し8〜150原子%のマンガンを含有するマグネタイト粒子を生成し、次いで濾別、水洗、乾燥して得られたマンガン含有マグネタイト粒子のいずれかを、空気中750〜1000℃で加熱することにより得られる。
【0056】
このマンガン含有ヘマタイト粒子は非磁性であるため、磁気的な凝集が生じにくいので、分散性の点からすれば好ましいものである。
【0057】
針状又は紡錘状のマンガン含有ヘマタイト粒子は、後出の方法により得られる全Feに対し8〜150原子%のマンガンを含有する針状又は紡錘状のゲータイト粒子を空気中400〜800℃で加熱することにより得ることができる。
【0058】
本発明における針状又は紡錘状のマンガン含有ゲータイト粒子は、針状又は紡錘状ゲータイト粒子を生成する前記湿式法において、マンガンの存在下で反応させて全Feに対し8〜150原子%のマンガンを含有させることにより得られる。
【0059】
本発明における黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末のアルコキシシランによる被覆は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末とアルコキシシランの溶液とを機械的に混合攪拌したり、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末にアルコキシシラン溶液を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加したアルコキシシランは、ほぼ全量が黒色酸化鉄粒子又は黒色含水酸化鉄粒子の粒子表面に被覆される。
【0060】
アルコキシシランを均一に粒子表面に被覆するためには、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の凝集をあらかじめ粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。混合攪拌のための機器としては、エッジランナー、ヘンシェルミキサー等を使用することが出来る。
【0061】
混合攪拌時における条件は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランができるだけ均一に被覆されるように、量割合、線荷重、混合攪拌時間等を適宜調整すればよく、処理時間は20分間以上が好ましい。
【0062】
アルコキシシランの添加量は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して0.15〜45重量部が好ましい。0.15重量部未満の場合には、黒色度を改良できる程度にカーボンブラック微粒子粉末を十分付着させることが困難である。45重量部を越える場合には、カーボンブラック微粒子粉末を十分付着させることができるが、必要以上に添加する意味がない。
【0063】
次いで、アルコキシシランを被覆した黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末に、カーボンブラック微粒子粉末を添加し、引き続き、混合攪拌してアルコキシシラン被覆の表面にカーボンブラック微粒子粉末を付着させた後、乾燥乃至加熱処理する。
【0064】
カーボンブラック微粒子粉末は、少量ずつを時間をかけながら、殊に5〜60分間程度をかけて添加するのが好ましい。
【0065】
混合攪拌時における条件は、カーボンブラック微粒子粉末が均一に付着する様に、量割合、線荷重、混合攪拌時間等を適宜調整すればよく、処理時間は20分間以上が好ましい。
【0066】
カーボンブラック微粒子粉末の添加量は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部である。1重量部未満の場合には、カーボンブラック微粒子粉末の付着量が不十分であり、十分な黒色度が得られない。30重量部を越える場合には、十分な黒色度は得られるが、カーボンブラック微粒子粉末の付着量が多くなるため粒子表面からカーボンブラック微粒子粉末が脱離しやすくなり、その結果、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が低下する。
【0067】
乾燥乃至加熱工程における加熱温度は、通常40〜200℃が好ましく、より好ましくは60〜150℃であり、処理時間は、10分〜12時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。アルコキシシランは、この乾燥乃至加熱工程によりオルガノシラン化合物となる。
【0068】
黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末は、必要により、アルコキシシランの溶液との混合攪拌に先立ってあらかじめ、粒子表面をアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる1種又は2種以上で被覆しておいてもよい。
【0069】
アルミニウムの水酸化物等による被覆は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる1種又は2種以上を被着し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を施してもよい。
【0070】
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩やアルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩やアルミナゾル等が使用できる。
【0071】
アルミニウム化合物の添加量は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末に対しAl換算で0.01〜50.00重量%である。0.01重量%未満である場合には、粒子表面に十分な量のアルミニウムの水酸化物等を被覆することが困難であり、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性改良効果が得られない。50.00重量%を越える場合には、被覆効果が飽和するため、必要以上に添加する意味がない。
【0072】
ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、コロイダルシリカ等が使用できる。
【0073】
ケイ素化合物の添加量は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末に対しSiO換算で0.01〜50.00重量%である。0.01重量%未満である場合には、粒子表面に十分な量のケイ素の酸化物等を被覆することが困難であり、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性改良効果が得られない。50.00重量%を越える場合には、被覆効果が飽和するため、必要以上に添加する意味がない。
【0074】
アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併せて使用する場合には、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末に対し、Al換算量とSiO換算量との総和で0.01〜50.00重量%が好ましい。
【0075】
次に、本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末を含む塗料について述べる。
【0076】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末を含む溶剤系塗料は、塗膜にした場合、黒色度L値が15〜19.5であることから、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色度を有している。また、光沢度は、85%以上であって、耐酸性はΔG値が10.0以下、ΔL値が1.0以下である。黒色度を考慮すれば、L値は15〜18.5が好ましく、15〜18がより好ましい。光沢度は87%以上が好ましく、88%以上がより好ましい。耐酸性はΔG値が9.5以下が好ましく、9.3以下がより好ましい。ΔL値は0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。
【0077】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末を含む水系塗料は、塗膜にした場合、L値が15〜20であることから、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色度を有している。また、光沢度は、80%以上であって、耐酸性はΔG値が10.0以下、ΔL値が1.0以下である。黒色度を考慮すれば、L値は15〜19が好ましく、15〜18がより好ましい。光沢度は83%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。耐酸性はΔG値が9.5以下が好ましく、9.0以下がより好ましい。ΔL*値は0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。
【0078】
本発明に係る塗料中における鉄系黒色複合粒子粉末の配合割合は、塗料構成基材100重量部に対し1.0〜100重量部の範囲で使用することができ、塗料のハンドリングを考慮すれば、好ましくは2.0〜100重量部、更に好ましくは5.0〜100重量部である。
【0079】
塗料構成基材としては、樹脂、溶剤、必要により消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等が配合される。
【0080】
樹脂としては、溶剤系塗料用として通常使用されるアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂等を用いることができる。水系塗料用としては、通常使用される水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂を用いることができる。
【0081】
溶剤としては、溶剤系塗料用として通常使用されるトルエン、キシレン、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルアルコール、脂肪族炭化水素等を用いることができる。
【0082】
水系塗料用溶剤としては、水に加えて水系塗料で通常使用されるブチルセロソルブ、ブチルアルコール等を使用することができる。
【0083】
消泡剤としては、ノプコ8034(商品名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフォーマー5013(商品名)、SNデフォーマー247(商品名)、SNデフォーマー382(商品名)(以上、いずれもサンノプコ株式会社製)、アンチホーム08(商品名)、エマルゲン903(商品名)(以上、いずれも花王株式会社製)等の市販品を使用することができる。
【0084】
次に、本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末で着色されたゴム・樹脂組成物について述べる。
【0085】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末で着色したゴム・樹脂組成物は、L値が15〜21であることから、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色度を有している。また、分散性の目視観察の結果は、4又は5であった。耐老化性は、190℃で90分間加熱した際の変色部分の割合が15%以下である。黒色度を考慮すれば、L値は15〜20が好ましく、15〜19.5がより好ましい。耐老化性は10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
【0086】
本発明に係るゴム・樹脂組成物中における鉄系黒色複合粒子粉末の配合割合は、構成基材100重量部に対し0.5〜200重量部の範囲で使用することができ、ゴム・樹脂組成物のハンドリングを考慮すれば、好ましくは1.0〜150重量部、更に好ましくは2.5〜100重量部である。
【0087】
本発明に係るゴム又は樹脂組成物における構成基材としては、鉄系黒色複合粒子粉末とゴム又は周知の熱可塑性樹脂とともに、必要により、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合される。
【0088】
添加剤の量は、鉄系黒色複合粒子粉末とゴム又は樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添加剤の含有量が50重量%を越える場合には、成形性が低下する。
【0089】
本発明に係るゴム又は樹脂組成物は、ゴム又は樹脂原料と鉄系黒色複合粒子粉末をあらかじめよく混合し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強いせん断作用を加えて、鉄系黒色複合粒子粉末の凝集体を破壊し、ゴム又は樹脂中に鉄系黒色複合粒子粉末を均一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用する。
【0090】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
【0091】
黒色酸化鉄粒子、黒色含水酸化鉄粒子、カーボンブラック粒子及び鉄系黒色複合粒子の各粒子の平均粒径は、電子顕微鏡写真(×20000)を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個について定方向径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0092】
軸比は、平均長軸径と平均短軸径との比で示した。
【0093】
粒子径の幾何標準偏差値は下記の方法により求めた値で示した。即ち、上記拡大写真に示される粒子径を測定した値を、その測定値から計算して求めた粒子の実際の粒子径と個数から、統計学的手法に従って、対数正規確率紙上の横軸に粒子径を、縦軸に所定の粒子径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数( 積算フルイ下) を百分率でプロットした。そしてこのグラフから粒子の累積個数が50%及び84.13%のそれぞれに相当する粒子径の値を読み取り、幾何標準偏差値=(積算フルイ下84.13%における粒子径)/(積算フルイ下50%における粒子径(幾何平均径)に従って算出した値で示した。幾何標準偏差値が小さいほど、粒度分布が優れていることを意味する。
【0094】
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
【0095】
黒色酸化鉄粒子、黒色含水酸化鉄粒子及び鉄系黒色複合粒子の内部や表面に存在するMn量、Al量、及びSi量並びにアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物に含有されるSi量のそれぞれは「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業(株) 製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
【0096】
鉄系黒色複合粒子に付着している炭素量は「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」((株) 堀場製作所製)を用いて測定した。
【0097】
鉄系黒色複合粒子に付着しているカーボンブラックの脱着率(T%)は、下記の方法により求めた値で示した。T(%)が0に近いほど、粒子からのカーボンブラックの脱離量が少ないことを示す。
【0098】
鉄系黒色複合粒子粉末3gとエタノール40mlを50mlの沈降管に入れ、20分間超音波分散を行った後、120分静置し、比重差によって鉄系黒色複合粒子粉末と脱離したカーボンブラックを分離した。次いで、この鉄系黒色複合粒子粉末に再度エタノール40mlを加え、更に20分間超音波分散を行った後120分静置し、鉄系黒色複合粒子粉末と脱離したカーボンブラックを分離した。この鉄系黒色複合粒子粉末を100℃で1時間乾燥させ、前述の「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定し、下記式に従って求めた値をカーボンブラックの脱着率(T%)とした。
【0099】
T(%)={(Wa−We)/Wa}×100
Wa:鉄系黒色複合粒子粉末のカーボンブラック付着量
We:脱着テスト後の鉄系黒色複合粒子粉末のカーボンブラック付着量
【0100】
黒色酸化鉄粒子粉末、黒色含水酸化鉄粒子粉末及び鉄系黒色複合粒子粉末のそれぞれの黒色度は、試料0.5gとヒマシ油0.7ccとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に6milのアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、 該塗料片について、多光源分光測色計MSC−IS−2D(スガ試験機(株)製)を用いてJIS Z 8729に定めるところに従って表色指数L値を測定した値で示した。
【0101】
黒色粒子粉末を用いた塗料の黒色度は、後述組成の塗料を塗布して得られた塗布膜の黒色度を、黒色粒子粉末を用いたゴム・樹脂組成物の黒色度は、後述組成から成る樹脂プレートの黒色度を、それぞれ多光源分光測色計MSC−IS−2D(スガ試験機(株)製)を用いてJIS Z 8729に定めるところに従って表色指数L値を測定した値で示した。
【0102】
ここでL値は、明度を表わし、L値が小さいほど黒色度が優れていることを示す。
【0103】
塗料ビヒクル中への分散性は、発明の実施の形態と同様にして作製した塗膜の光沢度を測定することにより評価を行った。
【0104】
光沢度は、「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機(株)製)を用いて20°光沢度を測定して求めた。光沢度が高いほど、粒子の分散性が良いことを示す。
【0105】
塗料粘度については、後述の処方によって調製した塗料の25℃のおける塗料粘度をE型粘度計(コーンプレート型粘度計)EMD−R((株)東京計器製)を用いて、ずり速度D=1.92 sec−1における値を求めた。
【0106】
樹脂組成物中への分散性は、 得られた樹脂組成物表面における未分散の凝集粒子の個数を目視により判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態が良いことを示す。
【0107】
1: 1cm当たりに50個以上
2: 1cm当たりに10個以上50個未満
3: 1cm当たりに5個以上10個未満
4: 1cm当たりに1個以上5個未満
5: 未分散物認められず
【0108】
耐酸性は、下記のようにして求めた。
【0109】
黒色粒子粉末を用いて得られた塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G 3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製造した塗膜を有する試料片を用意し、光沢度及び黒色度を測定しておく。
【0110】
次に、1000ccのビーカーに5重量%硫酸水溶液を入れ、上記試料片を糸でつるして、約120mmの深さまで浸し25℃で24時間静置する。
【0111】
次に、試料片を酸液から取り出して流水で静かに洗い、水を振り切った後、試料片の中心部分の光沢度及び黒色度を測定する。そして、試料片の酸液への浸漬前後の光沢度変化(ΔG)、及び黒色度変化(ΔL値)を測定し、これの大小で耐酸性を評価した。ΔG及びΔL値がともに小さいほど耐酸性に優れている事を示す。
【0112】
耐老化性は、黒色粒子粉末を練り込んだ着色樹脂プレート(縦1.5cm×横1.5cm×厚み1mm)を190℃で加熱したときに、変色して樹脂が劣化した部分の面積Sと加熱前の着色プレートの表面積S(1.5×1.5=2.25cm)との比S/Sを5%刻みで定量することにより求めた。
【0113】
即ち、(S/S)×100が0%のときは劣化が無い状態を示し、(S/S)×100が100%のときは樹脂が完全に劣化した状態を示す。
【0114】
<鉄系黒色複合粒子粉末の製造>
特開平4−144924号公報に記載の製造方法で得られた図1の電子顕微鏡写真(×20000)に示すMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末(粒子形状:粒状、平均粒子径0.30μm、幾何標準偏差値1.46、BET比表面積値3.6m/g、Mn含有量13.3重量%、黒色度L値22.6)20kgを、凝集を解きほぐすために、純水150lに攪拌機を用いて邂逅し、更に、「TKパイプラインホモミクサー」(製品名、特殊機化工業(株) 製)を3回通してMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。
【0115】
続いて、このMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを横形サンドグラインダー「マイティーミルMHG−1.5L」(製品名、井上製作所(株) 製)を用いて、軸回転数2000rpmにおいて5回パスさせて、Mn含有黒色ヘマタイト粒子粉末を含む分散スラリーを得た。
【0116】
得られたMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末を含む分散スラリーの325mesh(目開き44μm)における篩残分は0%であった。この分散スラリーを濾別、水洗して、Mn含有黒色ヘマタイト粒子粉末のケーキを得た。このMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末のケーキを120℃で乾燥した後、乾燥粉末11.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、(株)松本鋳造鉄工所製)に投入して、30kg/cmで30分間混合攪拌を行い、粒子の凝集を軽く解きほぐした。
【0117】
次に、メチルトリエトキシシラン110gを200mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら粒子の凝集を解きほぐした上記Mn含有黒色ヘマタイト粒子粉末に添加し、引き続き60kg/cmの線荷重で60分間混合攪拌を行った。
【0118】
次に、図2の電子顕微鏡写真(×20000)に示すカーボンブラック微粒子粉末(粒子形状:粒状、粒子径0.022μm、幾何標準偏差値1.68、BET比表面積値134m/g、黒色度L値16.6)990gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に60kg/cmの線荷重で60分間、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上にカーボンブラック微粒子粉末を付着させて、鉄系黒色複合粒子粉末を得た。
【0119】
得られた鉄系黒色複合粒子粉末を、乾燥機を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、残留している水分、エタノール等を揮散させた。この鉄系黒色複合粒子粉末は、図3の電子顕微鏡写真(×20000)に示す通り、粒子径が0.31μmの粒状粒子粉末であった。幾何標準偏差値は1.46であり、BET比表面積値は9.1m/g、黒色度L値は17.6、カーボンブラック脱着率は6.6%であり、メチルトリエトキシシランから生成したオルガノシラン化合物の被覆量はSi換算で0.16重量%であった。図3に示す電子顕微鏡写真には、カーボンブラック微粒子粉末がほとんど認められないことから、カーボンブラック微粒子粉末のほぼ全量がメチルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆に付着していることが認められた。
【0120】
比較のため、メチルトリエトキシシランを被覆することなく、Mn含有黒色ヘマタイト粒子粉末とカーボンブラック微粒子粉末とを同様にエッジランナーで混合攪拌して得られた処理粒子粉末の電子顕微鏡写真(×20000)を図4に示す。図4の電子顕微鏡写真に示される通り、カーボンブラック微粒子粉末がMn含有黒色ヘマタイト粒子の粒子表面に付着しておらず、両粒子粉末が別々に混在していることが認められた。
【0121】
<鉄系黒色複合粒子粉末を含む溶剤系塗料の製造>
上記鉄系黒色複合粒子粉末10gとアミノアルキッド樹脂及びシンナーとを下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90gとともに140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0122】
鉄系黒色複合粒子粉末 12.2重量部
アミノアルキッド樹脂 19.5重量部
(アミラックNo.1026:関西ペイント(株)製)
シンナー 7.3重量部
【0123】
上記ミルベースを用いて、下記割合となるようにアミノアルキッド樹脂を配合してペイントシェーカーで更に15分間混合分散して、鉄系黒色複合粒子粉末を含む塗料を得た。
【0124】
ミルベース 39.0重量部
アミノアルキッド樹脂 61.0重量部
(アミラックNo.1026:関西ペイント(株)製)
【0125】
この塗料を用いて製造した塗膜の光沢度は89%、塗膜の黒色度L値は17.4であった。塗膜の耐酸性テストに基づく光沢度変化ΔG値は5.6%、明度変化ΔL値は0.6であった。
【0126】
<鉄系黒色複合粒子粉末を含む水系塗料の製造>
上記鉄系黒色複合粒子粉末7.62gと水溶性アルキド樹脂等とを下記割合で3mmφガラスビーズ90gとともに140mlのガラスビンに添加し、次いでペイントシェーカーで45分間又は90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0127】
鉄系黒色複合粒子粉末 12.4重量部
水溶性アルキド樹脂 9.0重量部
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製)
消泡剤 4.8重量部
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製)
水 4.8重量部
ブチルセロソルブ 4.1重量部
【0128】
上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記割合で配合してペイントシェーカーで更に15分間混合分散し水溶性塗料を得た。
【0129】
ミルベース 30.4重量部
水溶性アルキッド樹脂 46.2重量部
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製)
水溶性メラミン樹脂 12.6重量部
(商品名:S−695:大日本インキ化学工業(株)製)
消泡剤 0.1重量部
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製)
水 9.1重量部
ブチルセロソルブ 1.6重量部
【0130】
この塗料を用いて製造した塗膜の光沢度は、87%、塗膜の黒色度L値は17.4であった。塗膜の耐酸性テストに基づく光沢度変化ΔG値は、5.1%、明度変化ΔL値は0.6であった。
【0131】
<樹脂組成物の製造>
前記鉄系黒色複合粒子粉末2.5gとポリ塩化ビニル樹脂粉末103EP8D(日本ゼオン(株)製)47.5gとを秤量し、これらを100mlポリビーカーに入れ、スパチュラでよく混合して混合粉末を得た。
【0132】
得られた混合粉末にステアリン酸カルシウムを0.5g加えて混合し、160℃に加熱した熱間ロールのクリアランスを0.2mmに設定した後、上記混合粉末を少しずつロールにて練り込んで樹脂組成物が一体となるまで混練を続けた後、樹脂組成物をロールから剥離して着色樹脂プレート原料として用いた。
【0133】
次に、表面研磨されたステンレス板の間に上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレス内に入れ、1トン/cmの圧力で加圧成形して厚さ1mmの着色樹脂プレートを得た。得られた着色樹脂プレートの黒色度L値は17.9、分散状態は5であった。
【0134】
着色樹脂プレートを1.5cm角に裁断した試験片3枚を190℃に加熱されたギヤオーブン中に入れ、30分毎に1枚ずつ取り出し、樹脂劣化の状態を調べた所、30分後の樹脂劣化程度(S/S×100)は0%、60分後の樹脂劣化程度は5%、90分後の樹脂劣化程度は5%であった。
【0135】
【作用】
本発明において最も重要な点は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末、必要により、該黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上の化合物が被覆されている黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物が被覆されており、該オルガノシラン化合物被覆に平均粒子径0.005〜0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末が付着している鉄系黒色複合粒子粉末からなり、上記カーボンブラック微粒子粉末の付着量が前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部である鉄系黒色複合粒子粉末は、粒子表面から脱離するカーボンブラック微粒子粉末が少ないことにより、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性に優れており、且つ、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色度が得られるという事実である。
【0136】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末の粒子表面から脱離するカーボンブラック微粒子粉末が少ない理由について、本発明者は、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子内部や粒子表面に含有されているSi、Al、Fe等の金属元素とカーボンブラック微粒子粉末が付着しているアルコキシシランが有しているアルコキシ基との間で、メタロシロキサン結合(≡Si−O−M(但し、MはSi、Al、Fe等の鉄系黒色粒子に含まれている金属原子である。))が形成されることにより、カーボンブラック微粒子粉末が付着しているオルガノシラン化合物が黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に強固に結合するためと考えている。
【0137】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末のビヒクル中や樹脂組成物中における分散性が優れている理由について、本発明者は、鉄系黒色複合粒子粉末の粒子表面から脱離するカーボンブラック微粒子粉末が少ないことに起因して、カーボンブラック微粒子粉末によって系内の分散が阻害されないとともに、鉄系黒色複合粒子粉末の粒子表面にカーボンブラック微粒子粉末が付着していることにより粒子表面に凹凸が生じ、粒子相互間の接触が抑制されるためと考えている。
【0138】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末の黒色度が優れている理由について、本発明者は、微粒子であることに起因して、通常は凝集体として挙動するカーボンブラック微粒子粉末が、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物を介することによって均一且つ緻密に付着されているため、1次粒子近くまで分散された状態で存在し、カーボンブラック微粒子粉末の個々がより効果的に機能しているためと考えている。
【0139】
そして、上記鉄系黒色複合粒子粉末を用いて得られた塗膜は耐酸性が優れており、また、得られた樹脂組成物は耐老化性が優れているという事実である。
【0140】
本発明に係る塗膜の耐酸性及び樹脂組成物の耐老化性が優れている理由について、本発明者は、耐酸性や耐老化性に優れているカーボンブラック微粒子粉末を、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物を介して付着させたことにより、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末が本来有している酸化しやすく表面活性が高いという特性が打ち消され、カーボンブラック本来の特性が発揮されたことによるものと考えている。
【0141】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0142】
芯粒子1〜7
公知の製造方法で得られた各種の黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒子粉末を準備し、上記発明の実施の形態と同様にして凝集が解きほぐされた黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒子粉末を得た。
【0143】
この黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒子粉末の諸特性を表1に示す。尚、芯粒子1及び2は、特開平4−144924号公報に記載の方法により、芯粒子3は特公昭44−668号公報に記載の方法により、芯粒子4は特公平3−9045号公報に記載の方法により、芯粒子5は特公昭55−6579号公報に記載の方法により針状ゲータイト粒子を得、該針状ゲータイト粒子を空気中340℃で加熱脱水した後、水素気流下400℃で加熱還元することにより、芯粒子6及び7は、特開平6−263449号公報に記載の方法により得た。
【0144】
【表1】
Figure 0003654413
【0145】
芯粒子8
芯粒子1の凝集が解きほぐされたMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末20kgと水150lとを用いて、発明の実施の形態と同様にしてMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。得られたMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末を含む再分散スラリーのpH値を10.5とした。次に、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/lに調整した。このスラリー150lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのNaAlO溶液2722ml(Mn含有黒色ヘマタイト粒子粉末に対してAl換算で0.5重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されているMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末を得た。
【0146】
得られた粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されているMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末は、粒子径が0.32μmの粒状粒子粉末であった。また、粒子径の幾何標準偏差値は1.47であり、BET比表面積値は3.8m/g、黒色度L値は22.6であった。蛍光X線分析の結果、Mn含有量は13.0重量%、Al量は0.49重量%であった。
【0147】
芯粒子9〜14
芯粒子の種類、表面処理工程における添加物の種類、量を種々変えた以外は芯粒子1と同様にして表面処理済黒色酸化鉄粒子粉末及び表面処理済黒色含水酸化鉄粒子粉末を得た。
【0148】
この時の主要処理条件を表2に、得られた表面処理済芯粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0149】
【表2】
Figure 0003654413
【0150】
【表3】
Figure 0003654413
【0151】
実施例1〜7、比較例1〜5
黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒子粉末の種類、アルコキシシラン添加の有無、種類及び添加量、アルコキシシラン被覆工程におけるエッジランナー処理条件、カーボンブラック微粒子粉末の種類及び添加量、カーボンブラック微粒子粉末の付着工程におけるエッジランナーによる処理条件を種々変えた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして鉄系黒色複合粒子粉末を得た。実施例1〜7の各実施例で得られた鉄系黒色複合粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、カーボンブラック微粒子粉末がほとんど認められないことから、カーボンブラック微粒子粉末のほぼ全量がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆に付着していることが認められた。
【0152】
使用したカーボンブラック微粒子粉末A乃至Cの諸特性を表4に示す。
【0153】
【表4】
Figure 0003654413
【0154】
この時の主要処理条件を表5に、得られた鉄系黒色複合粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0155】
【表5】
Figure 0003654413
【0156】
【表6】
Figure 0003654413
【0157】
実施例8
芯粒子8で得られた粒子表面がアルミニウムの水酸化物で被覆されているMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末11.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」((株)松本鋳造鉄工所製)に投入して、30kg/cmで30分間混合攪拌を行い、粒子の凝集を解きほぐした。
【0158】
次に、メチルトリエトキシシラン220gを400mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら、粒子の凝集を解きほぐした粒子表面がアルミニウムの水酸化物で被覆されている上記Mn含有黒色ヘマタイト粒子粉末に添加し、引き続き60kg/cmの線荷重で30分間混合攪拌を行った。
【0159】
次に、1100gのカーボンブラック粒子Aをエッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に75kg/cmの線荷重で30分間、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆にカーボンブラック微粒子粉末を付着させて、鉄系黒色複合粒子粉末を得た。
【0160】
得られた鉄系黒色複合粒子粉末を、乾燥機を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、残留している水分、エタノール等を揮散させた。この鉄系黒色複合粒子粉末は、粒子径が0.32μmの粒状粒子であり、幾何標準偏差値は1.44、BET比表面積値は4.6m/g、黒色度L値は16.5、カーボンブラック脱着率は4.8%であり、メチルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物の被覆量はSi換算で0.31重量%であった。尚、電子顕微鏡観察の結果、カーボンブラック微粒子粉末がほとんど認められないことから、カーボンブラック微粒子粉末のほぼ全量がメチルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆に付着していることが認められた。
【0161】
実施例9〜14
黒色酸化鉄粒子粉末及び黒色含水酸化鉄粒子粉末の種類、アルコキシシランの種類及び添加量、アルコキシシラン被覆工程におけるエッジランナー処理条件、カーボンブラック微粒子粉末の種類及び添加量、カーボンブラック微粒子粉末の付着工程におけるエッジランナー処理条件を種々変えた以外は、前記実施例8と同様にして鉄系黒色複合粒子粉末を得た。実施例9〜14の各実施例で得られた鉄系黒色複合粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、カーボンブラック微粒子粉末がほとんど認められないことから、カーボンブラック微粒子粉末のほぼ全量がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆に付着していることが認められた。
【0162】
この時の主要処理条件を表5に、得られた鉄系黒色複合粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0163】
比較例6(特公昭50−13300号公報記載の方法)
芯粒子3のマグネタイト粒子粉末(ブラック酸化鉄)を含む水懸濁液(マグネタイト粒子粉末68.3gを含有する懸濁液1000ml)を調整し、冷水で5回洗浄した。
【0164】
次に、カーボンブラック微粒子粉末Bの水性分散液(乾燥カーボンブラックB1.75gを含有する5gの水分散液)を冷水で500mlに希釈した。
【0165】
このカーボンブラック懸濁液を攪拌しながら、上記マグネタイト粒子粉末を含む水懸濁液に5分間に亘って添加し、添加完了後、混合懸濁液を更に10分間に亘って攪拌を続け、次いで放置した。
【0166】
約4時間後、得られた黒色沈殿物を常法により、水で濾別洗浄を5回繰り返した後、100℃で空気中で乾燥した。
【0167】
得られた黒色粒子粉末の黒色度L値は20.2、カーボンブラック脱着率は50.2%であり、芯粒子粉末であるマグネタイト粒子粉末の黒色度とほとんど変わらない値であった。
【0168】
<溶剤系塗料の製造>
実施例15〜28、比較例7〜21
黒色粒子粉末の種類を種々変えたこと以外は、前記発明の実施の形態と同様にして溶剤系塗料を製造した。
【0169】
この時の主要製造条件及び塗膜の諸特性を表7及び表8に示した。
【0170】
【表7】
Figure 0003654413
【0171】
【表8】
Figure 0003654413
【0172】
<水系塗料の製造>
実施例29〜42、比較例22〜36
黒色粒子粉末の種類を種々変えた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして水系塗料を製造した。
【0173】
この時の主要製造条件及び塗膜の諸特性を表9及び表10に示した。
【0174】
【表9】
Figure 0003654413
【0175】
【表10】
Figure 0003654413
【0176】
<樹脂組成物の製造>
実施例43〜56、比較例37〜51
黒色粒子粉末の種類を種々変えた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして着色樹脂プレートを製造した。
【0177】
この時の主要製造条件及び着色樹脂プレートの諸特性を表11及び表12に示す。
【0178】
【表11】
Figure 0003654413
【0179】
【表12】
Figure 0003654413
【0180】
【発明の効果】
本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末は、粒子表面から脱離するカーボンブラック微粒子粉末が少ないことにより、ビヒクル中や樹脂組成物中における分散性に優れており、且つ、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色度を有しているとともに、該鉄系黒色複合粒子粉末を用いて得られた塗膜の耐酸性及び樹脂組成物の耐老化性が優れているので、塗料用、印刷インク用、化粧品用、ゴム・樹脂成形物用等の黒色顔料として好ましいものである。
【0181】
上記鉄系黒色複合粒子粉末を用いて得られる本発明に係る塗料は、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合の塗膜の黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色度を有しているとともに、得られた塗膜の耐酸性が優れているので、黒色塗料として好適である。
【0182】
上記鉄系黒色複合粒子粉末を用いて得られる本発明に係るゴム・樹脂組成物は、少ないカーボンブラック量で、カーボンブラック微粒子粉末のみを使用した場合のゴム・樹脂組成物黒色度に比べて同等又は遜色のない黒色度を有しているとともに、耐酸性が優れているので、黒色のゴム・樹脂組成物として好ましいものである。
【0183】
そして、本発明に係る鉄系黒色複合粒子粉末は、ビヒクル中や樹脂組成物中への分散性が優れており、取り扱いやすく作業性に優れているので、工業的及び経済的に有利である。
【0184】
また、カーボンブラック微粒子粉末の使用量が少ないので、安全上、衛生上からも好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態で使用したMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20000)である。
【図2】 発明の実施の形態で使用したカーボンブラック微粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20000)である。
【図3】 発明の実施の形態で得られた鉄系黒色複合粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20000)である。
【図4】 比較のために示したMn含有黒色ヘマタイト粒子粉末とカーボンブラック微粒子粉末との混合粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20000)である。

Claims (6)

  1. 平均粒子径0.08〜1.0μmの黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物が被覆され、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物の被覆量はアルコキシシラン被覆黒色酸化鉄粒子粉末又はアルコキシシラン被覆黒色含水酸化鉄粒子粉末に対し、Si換算で0.02〜5.0重量%であり、該オルガノシラン化合物被覆に平均粒子径0.005〜0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末が付着している鉄系黒色複合粒子粉末からなり、上記カーボンブラック微粒子粉末の付着量が前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする鉄系黒色複合粒子粉末。
  2. 平均粒子径0.08〜1.0μmの黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に下層としてアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆され、上層としてアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物が被覆され、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物の被覆量はアルコキシシラン被覆黒色酸化鉄粒子粉末又はアルコキシシラン被覆黒色含水酸化鉄粒子粉末に対し、Si換算で0.02〜5.0重量%であり、該オルガノシラン化合物被覆に平均粒子径0.005〜0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末が付着している鉄系黒色複合粒子粉末からなり、上記カーボンブラック微粒子粉末の付着量が前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする鉄系黒色複合粒子粉末。
  3. 平均粒子径0.08〜1.0μmの黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末とアルコキシシランとをエッジランナーを用いて混合攪拌して上記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシランを被覆させた後、前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して平均粒子径0.005〜0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末1〜30重量部を添加して混合粉末を得、次いで、該混合粉末をエッジランナーを用いて混合攪拌した後乾燥乃至加熱処理して上記アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆の表面にカーボンブラック微粒子粉末を付着させることを特徴とする請求項1記載の鉄系黒色複合粒子粉末の製造法。
  4. 粒子表面にアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆されている平均粒子径0.08〜1.0μmの黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末とアルコキシシランとをエッジランナーを用いて混合攪拌して上記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシランを被覆させた後、前記黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末100重量部に対して平均粒子径0.005〜0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末1〜30重量部を添加して混合粉末を得、次いで、該混合粉末をエッジランナーを用いて混合攪拌した後乾燥乃至加熱処理して上記アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆の表面にカーボンブラック微粒子粉末を付着させることを特徴とする請求項2記載の鉄系黒色複合粒子粉末の製造法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の鉄系黒色複合粒子粉末を塗料構成基材中に配合したことを特徴とする塗料。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の鉄系黒色複合粒子粉末を用いて着色したことを特徴とするゴム・樹脂組成物。
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