WO2024053441A1

WO2024053441A1 - スプライス装置および方法

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Publication number: WO2024053441A1
Application number: PCT/JP2023/030874
Authority: WO
Inventors: 飛鳥南
Original assignee: 株式会社瑞光
Priority date: 2022-09-05
Filing date: 2023-08-28
Publication date: 2024-03-14

Abstract

本発明のスプライス装置は、先行のウェブ１１Ｌの終端部Ｅに待機中のウェブ１１Ｒの始端部Ｓを重ね合わせてウェブ同士を継ぐスプライス装置であって、第１カッタ２１Ｌの下流において、第１カッタ２１Ｌに平行に斜めに延び第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅを保持する第１パッド３１Ｌと、第２カッタ２１Ｒの下流において、第２カッタ２１Ｒに平行に斜めに延び第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓを保持し、第１パッド３１Ｌとの間で両ウェブを挟んで接合する第２パッド３１Ｒと、第１ウェブ１１Ｌの第１パスライン１Ｌと第２ウェブ１１Ｒの第２パスライン１Ｒとが互いに平行となるように排出ロール６の位置を変位させることができるように構成されている変位装置６０を備える。

Description

スプライス装置および方法

　本発明は（原反）ウェブのスプライス装置および方法に関する。

　原反ウェブを連続的に加工ラインに供給するために、旧原反ウェブの終端部に新原反の始端部を重ね合わせて接合する、スプライスが行なわれる（特許文献１）。

一方、非伸縮性のウェブに伸縮性を発現させるために、一対のギヤ状の延伸加工機にウェブを挟んで延伸させる場合がある（特許文献２）。この場合に、両ウェブが重なる継ぎ部がウェブの幅方向に平行に延びていると、継ぎ部の境目が破断することがある。

ＪＰ２００５－２９８１６２Ａ（要約）ＪＰ２０１９－２６９４２Ａ（図２，図３）

　前記継ぎ部の破断を防止するために、両原反を接続する際に、原反ウェブの端部を原反の幅方向に対して斜めに原反ウェブを切断し、その斜めに切断した端部をテープ等により接続する場合がある。

従来、例えば前記特許文献１の発明では、新旧の原反ウェブは、それぞれの供給ロールから共通の１つの排出ロールに搬送されるため、互いに傾斜している。この傾斜した原反ウェブに幅方向からパッドでウェブを吸引・挟持する際に、パッドがウェブに平行に接触しないため、ウェブに皺が生じるという問題があった。

　したがって、本発明の目的は、スプライスする際にウェブに皺が生じにくいスプライス装置および方法を提供することである。

本発明のスプライス装置は、先行のウェブ１１Ｌの終端部Ｅに待機中のウェブ１１Ｒの始端部Ｓを重ね合わせてウェブ同士を継ぐスプライス装置であって、
　第１供給ロール５Ｌから排出ロール６に沿って第１ウェブ１１Ｌが搬送される第１パスライン１Ｌと、
　第２供給ロール５Ｒから前記排出ロール６に沿って第２ウェブ１１Ｒが搬送される第２パスライン１Ｒと、
　前記第１パスライン１Ｌ上の前記第１ウェブ１１Ｌの幅方向に斜めに横断するように延びる第１カッタ２１Ｌと、
　前記第２パスライン１Ｒ上の前記第２ウェブ１１Ｒの幅方向に斜めに横断するように延びる第２カッタ２１Ｒと、
　前記第１カッタ２１Ｌの下流において、前記第１カッタ２１Ｌに沿って斜めに延び前記第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅを保持する第１パッド３１Ｌと、
　前記第２カッタ２１Ｒの下流において、前記第２カッタ２１Ｒに沿って斜めに延び前記第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓを保持し、前記第１パッド３１Ｌとの間で前記両ウェブを挟んで接合する第２パッド３１Ｒと、
前記第１パスライン１Ｌと前記第２パスライン１Ｒとが互いに平行となるように前記排出ロール６の位置を変位させることができるように構成されている変位装置６０を備える。

一方、本発明のスプライス方法は、先行のウェブ１１Ｌの終端部Ｅに待機中のウェブ１１Ｒの始端部Ｓを重ね合わせてウェブ同士を継ぐスプライス方法であって、
　第１供給ロール５Ｌから排出ロール６に沿った第１パスライン１Ｌを第１ウェブ１１Ｌが搬送される第１搬送工程と、
　第２供給ロール５Ｒから前記排出ロール６に沿った第２パスライン１Ｒを第２ウェブ１１Ｒが搬送される第２搬送工程と、
　前記第１パスライン１Ｌ上の第１ウェブ１１Ｌを第１ウェブ１１Ｌの幅方向に斜めに横断するように切断する第１切断工程と、
　前記第２パスライン１Ｒ上の第２ウェブ１１Ｒを第２ウェブ１１Ｒの幅方向に斜めに横断するように切断する第２切断工程と、
　前記第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓを第２パッド３１Ｒに保持させる始端部保持工程と、
　前記第１搬送工程後に前記第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅと前記第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓとを第１パッド３１Ｌと前記第２パッド３１Ｒとの間で挟んで前記終端部Ｅと前記始端部Ｓとを重ね合わせる第１の重ね合わせ工程と、
　前記始端部Ｓと前記終端部Ｅとを接合して第１ウェブ１１Ｌに第２ウェブ１１Ｒを継ぐ第１の継ぎ工程と、
前記第１の重ね合わせ工程および前記第１の継ぎ工程の後に前記第１パスライン１Ｌに平行な前記第２パスライン１Ｒにウェブのパスラインを変更させるように前記排出ロール６を第１のロール位置Ｐ１から第２のロール位置Ｐ２に変位させる第１変位工程とを備える。

本発明によれば、第１パスラインと第２パスラインとが互いに平行となるように、排出ロールの位置を変位させる。そのため、第１ウェブおよび第２ウェブを各パッドで保持して切断する際に、各パッドの表面（吸着面）が各ウェブに平行となった状態で正対（真正面から向き合う）し、ウェブをパッドで吸着する際に、ウェブに皺の生じるおそれがない。

なお、本発明において、パスラインとはウェブが通る経路を意味する。

図１は本発明のスプライス装置の一実施形態を示し、第１ウェブを加工ラインに供給している状態の同装置の正面図である。図２は同装置の左側のユニットを示す側面図である。図３は左右のユニットが閉じた状態で示すスプライス装置の正面図である。図４は一対のパッドで一対のウェブを挟んだ状態を示す同装置の正面図ある。図５は第１ウェブの切断後に排出ロールが第１のロール位置から第２のロール位置に移動した状態を示す同装置の正面図である。図６は第２ウェブを加工ラインに供給している状態の同装置の正面図である。

図７Ａ、図７Ｂおよび図７Ｃは、それぞれ、閉じた状態の左右のユニットを一部断面して示す正面図である。図８Ａは延伸加工装置を示す概略正面図、図８Ｂは延伸加工の方法を示す同延伸加工装置の拡大断面図である。図９Ａはスプライス前の第１および第２ウェブを示す斜視図、図９Ｂはスプライス後の第１および第２ウェブを示す平面図である。図１０は従来のスプライス装置の一例を示す正面図である。図１１Ａおよび図１１Ｂは従来の継ぎ方法の一例を示す拡大正面図である。

以下、本発明の実施形態の説明に先立って、公知のスプライス装置の一例を図１０、図１１Ａおよび図１１Ｂを参照して説明する。

スプライス装置１０は、図１０に示すように、第１ウェブ１１Ｌがロール状に巻回された第１の巻回部１２Ｌと、第１ウェブ１１Ｌの予備となる第２ウェブ１１Ｒがロール状に巻回される第２の巻回部１２Ｒと、第１および第２の巻回部１２Ｌ，１２Ｒを支持するブラケット部１３と、第１および第２の巻回部１２Ｌ，１２Ｒ近傍のブラケット部１３に取り付けられた残量検出部１４Ｌ，１４Ｒと、第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒを第１および第２の巻回部１２Ｌ，１２Ｒから引き出し所定速度で走行させる駆動ローラ１５Ｌ，１５Ｒと、駆動ローラ１５Ｌ，１５Ｒの下流に設けられ第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒを切断する切断部２０と、第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒを接合するスプライス部３０と、スプライス部３０の下流側に設けられ、走行するウェブのテンションを制御するテンション制御部４０と、最下流に設けられ、使用中のウェブを蓄積する蓄積部５０と、第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒの走行をガイドする多数のガイドローラとを備える。

第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒは、例えば、不織布のような可撓性を有するウェブであり、第１ウェブ１１Ｌは、第１の巻回部１２Ｌに巻回され、第２ウェブ１１Ｒは、第２の巻回部１２Ｒに巻回されている。第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒの先端部には、予備のウェブと接合するための接着テープが貼り付けられている。また、ここで使用されるウェブは、例えば、紙おむつに使用されるトップシート、バックシート、ギャザーシート等の不織布である。

第１および第２の巻回部１２Ｌ，１２Ｒは、回転軸を有し、巻芯に巻回されたロール状の第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒが設置されている。第１および第２の巻回部１２Ｌ，１２Ｒは、第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒが互いに接触しない程度に離間してブラケット部１３に設けられている。

残量検出部１４Ｌ，１４Ｒは、第１および第２の巻回部１２Ｌ，１２Ｒに巻回された第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒの残量を検出して、所定の状態で使用する巻回部を切り換えるための検出信号を出力する。

第１および第２駆動ローラ１５Ｌ，１５Ｒは、図示しない駆動モータによって回転駆動される。各駆動ローラ１５Ｌ，１５Ｒには、近接してニップローラ１６Ｌ，１６Ｒが設けられている。各駆動ローラ１５Ｌ，１５Ｒは、第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒをニップローラ１６Ｌ，１６Ｒとで挟持して搬送する。各駆動ローラ１５Ｌ，１５Ｒは、図示しない駆動制御機構によって、それぞれ第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒの走行速度を検出し、所定速度になるよう第１および第２の巻回部１２Ｌ，１２Ｒのそれぞれのエアブレーキを制御する。第１駆動ローラ１５Ｌは、第１供給ロール５Ｌの上流側に設けられている。第２駆動ローラ１５Ｒは、第２供給ロール５Ｒの上流側に設けられている。　　　

切断部２０は、第１および第２供給ロール５Ｌ，５Ｒの下流側において、第１ウェブ１１Ｌのパスライン（第１パスライン）に近接する位置に設けられた第１カッタ２１Ｌと、第２ウェブ１１Ｒのパスライン（第２パスライン）に近接する位置に設けられた第２カッタ２１Ｒを備える。第１および第２カッタ２１Ｌ，２１Ｒは、それぞれ、第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒを切断することができるように、第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒの幅よりも大きな幅を有している。第１カッタ２１Ｌは、図示しないが駆動機構であるエアシリンダ機構に接続されており、第１ウェブ１１Ｌを切断するとき、第１ウェブ１１Ｌに接近する方向に移動する。また、第２カッタ２１Ｒも、図示しないが駆動機構であるエアシリンダ機構に接続されており、第２ウェブ１１Ｒを切断するとき、第２ウェブ１１Ｒに接近する方向に移動する。

スプライス部３０は、切断部２０近傍の下流側に設けられ、第１ウェブ１１Ｌのパスラインに沿うような位置に設けられた第１パッド３１Ｌと、第２ウェブ１１Ｒのパスラインに沿うような位置に設けられた第２パッド３１Ｒと、第１パッド３１Ｌを移動させる第１駆動機構３２Ｌと、第２パッド３１Ｒを移動させる第２駆動機構３２Ｒとを備えている。第１および第２パッド３１Ｌ，３１Ｒは、第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒを吸引保持するため吸着手段を備えている。また、第１および第２駆動機構３２Ｌ，３２Ｒは、エアシリンダ機構等で構成され、第１および第２パッド３１Ｌ，３１Ｒを互いに接近する方向に移動させる。第１および第２パッド３１Ｌ，３１Ｒは、第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒを接合するとき、それぞれのウェブ１１Ｌ，１１Ｒを吸引保持しながら互いに近接する方向に移動し、圧接させ、予備のウェブの先端部に設けられている接着テープを介して両者を接合する。

テンション制御部４０は、スプライス部３０の下流側でガイドローラを介して設けられ、走行するウェブのテンションを制御するテンションローラ４１と、一端部にテンションローラ４１が取り付けられた回動アーム４２とを有する。テンション制御部４０は、揺動することによって、走行する第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒのテンションを一定にする。

蓄積部５０は、テンション制御部４０の下流側に設けられている。蓄積部５０は、複数の固定ローラ５１と、固定ローラ５１に対して近接離間する複数の可動ローラ５２と、可動ローラ５２を移動させる駆動機構５３とから構成されている。固定ローラ５１は、略一列に並んで配設されている。可動ローラ５２は、固定ローラ５１から離間して設けられている。可動ローラ５２は、エアシリンダ機構で構成された駆動機構５３によって固定ローラ５１に近接離間する方向に揺動する。蓄積部５０は、使用中のウェブが固定ローラ５１と可動ローラ５２に交互に巻き掛けられている。

蓄積部５０は、第１の巻回部１２Ｌ、第２の巻回部１２Ｒの一方からウェブが供給されているとき、可動ローラ５２が固定ローラ５１から離間する方向に移動しており、走行する第１ウェブ１１Ｌ又は第２ウェブ１１Ｒを蓄積する。一方、切断部２０が第１ウェブ１１Ｌ、第２ウェブ１１Ｒの何れかを切断しスプライス中であるとき、すなわち下流側のラインにウェブが供給されていないとき、可動ローラ５２が固定ローラ５１に近接する方向に移動し、下流のラインに、図示しない駆動手段によってウェブを供給する。

上述のような構成をしたスプライス装置１０を用いた第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒを連続的に送給できるようにするスプライス方法について説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、第１ウェブ１１Ｌが使用されており、予備のウェブである第２ウェブ１１Ｒを第１ウェブ１１Ｌに接合する場合について説明する。

通常運転中、第１ウェブ１１Ｌは、駆動ローラ１５Ｌ、テンション制御部４０により、第１ウェブ１１Ｌの張力や走行速度が制御されながら、経路に沿って蓄積部５０の下流側の製造（加工）ラインに送給される。このとき、切断部２０の第１および第２カッタ２１Ｌ，２１Ｒや第１パッド３１Ｌは、パスラインの第１および第２ウェブ１１Ｌ，１１Ｒから離間している。また、蓄積部５０は、可動ローラ５２が固定ローラ５１から最も離間した状態で、使用中の第１ウェブ１１Ｌを蓄積した状態にある。さらに、第２ウェブ１１Ｒは、その始端部が第２パッド３１Ｒにより吸引保持されている。

次に、残量検出部１４Ｌが第１ウェブ１１Ｌの残量が所定量以下になったことを検出すると、第１の巻回部１２Ｌと左側の駆動ローラ１５Ｌは、第１ウェブ１１Ｌの走行を停止する。第１の巻回部１２Ｌからの第１ウェブ１１Ｌの供給を停止した状態にあるとき、蓄積部５０は、可動ローラ５２を固定ローラ５１に近接する方向に移動させ、巻回されているウェブを緩め下流側にウェブを供給し続ける。

一方、スプライス部３０の第１パッド３１Ｌは、走行が停止している第１ウェブ１１Ｌを吸引保持する。そして、切断部２０の第１カッタ２１Ｌは、図１１Ａに示すように、第１パッド３１Ｌによって保持された第１ウェブ１１Ｌに接近する方向に移動し、第１ウェブ１１Ｌを切断する。切断された第１ウェブ１１Ｌを保持した第１パッド３１Ｌと、第２ウェブ１１Ｒを保持した第２パッド３１Ｒとは、図１１Ｂに示すように、互いに接近する方向に移動し、第１ウェブ１１Ｌに予備の第２ウェブ１１Ｒの始端部を、接着テープを介して接合する。

その後、第２ウェブ１１Ｒへのスプライスが完了すると、図１０の右側の駆動ローラ１５Ｒは、第２ウェブ１１Ｒの搬送を開始する。また、蓄積部５０は、可動ローラ５２を固定ローラ５１から離間する方向に移動し第２ウェブ１１Ｒの蓄積を開始する。

かかる従来のスプライス装置および方法では、図１０から把握できるように、第１パッド３１Ｌで吸着する前の第１ウェブ１１Ｌが第１パッド３１Ｌの吸着面に対し傾斜した非平行の状態となる。そのため、第１パッド３１Ｌで第１ウェブ１１Ｌを吸着する際に、第１ウェブ１１Ｌにシワが生じ易い。

つぎに、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。図１～図９Ａは同実施形態を示す。

本スプライス装置１０は、図１、図３～図７Ｂに示すように、先行のウェブ１１Ｌの終端部Ｅ（図７Ｂ）に待機中のウェブ１１Ｒの始端部Ｓ（図７Ｂ）を重ね合わせてウェブ同士を継ぐスプライス装置であって、左右一対の第１および第２ユニットＵ１，Ｕ２と中央の第１および第２受け部２２Ｌ，２２Ｒとを備える。

図３に示すように、一対の第１および第２ユニットＵ１，Ｕ２は互いに面対称（鏡対称）の構造を有しており、また、各ユニットを駆動するアクチュエータ等の機器も左右に面対称に配置されている。

図１および図６に示すように、第１および第２ユニットＵ１，Ｕ２は交互に直立して、各々、第１および第２ウェブを搬送する。一方、第２および第１ユニットＵ２，Ｕ１は交互に傾斜して開いて第２および第１ウェブの始端部等をセットできるように構成されている。

図６において、第１供給ロール５Ｌ、第１カバー２３Ｌ（図７Ａ）、第１カッタ２１Ｌ、第１パッド３１Ｌおよび第１回動フレーム２Ｌとで、第１ユニットＵ１が構成されている。一方、図１において、第２供給ロール５Ｒ、第２カバー２３Ｒ（図７Ａ）、第２カッタ２１Ｒ、第２パッド３１Ｒおよび第２回動フレーム２Ｒとで、第２ユニットＵ２が構成されている。

図１の第１または第２受け部２２Ｌ，２２Ｒの一方に対し、第１または第２カバー２３Ｌ，２３Ｒの一方が対面して第１または第２ユニットＵ１，Ｕ２の一方が閉じた状態と、図６の第１または第２受け部２２Ｌ，２２Ｒの他方に対し、第１または第２カバー２３Ｌ，２３Ｒの他方が離れて第１または第２ユニットＵ１，Ｕ２の他方が開いた状態とに設定することができるように構成されている。

また、図３～図５および図７Ａに示すように、第１および第２受け部２２Ｌ，２２Ｒに対し、それぞれ、第１および第２カバー２３Ｌ，２３Ｒが対面した状態となるように設定することができるように構成されている。

図１において、固定フレーム１は第１受け部２２Ｌおよび第２受け部２２Ｒを固定した状態で支持する。第１回動フレーム２Ｌは、第１供給ロール５Ｌ、第１カバー２３Ｌ、第１カッタ２１Ｌおよび第１パッド３１Ｌを支持する。第２回動フレーム２Ｒは、第２供給ロール５Ｒ、第２カバー２３Ｒ、第２カッタ２１Ｒおよび第２パッド３１Ｒを支持する。

図６に示すように、第１供給ロール５Ｌが第２供給ロール５Ｒから離れ、かつ、第１回動フレーム２Ｌが開くように第１ヒンジ３Ｌを中心に第１回動フレーム２Ｌを第１アクチュエータ４Ｌが回転させる。
一方、図１に示すように、第２供給ロール５Ｒが第１供給ロール５Ｌから離れ、かつ、第２回動フレーム２Ｒが開くように第２ヒンジ３Ｒを中心に第２回動フレーム２Ｒを第２アクチュエータ４Ｒが回転させる。

本スプライス装置１０は、図１の第１供給ロール５Ｌから排出ロール６に沿って第１ウェブ１１Ｌが搬送される第１パスライン１Ｌと、図６の第２供給ロール５Ｒから前記排出ロール６に沿って第２ウェブ１１Ｒが搬送される第２パスライン１Ｒとを備える。

図２に示すように、第１カッタ２１Ｌは第１パスライン１Ｌ上の前記第１ウェブ１１Ｌの幅方向に斜めに横断するように延びる。また、図示していないが、第２カッタ２１Ｒも第２パスライン１Ｒ上の第２ウェブ１１Ｒの幅方向に斜めに横断するように延びる。なお、第１カッタ２１Ｌと第２カッタ２１Ｒとは、互いに同じ方向に傾斜している。

図２において、第１パッド３１Ｌは第１カッタ２１Ｌの下流において、第１カッタ２１Ｌに沿って平行に斜めに延び、図７Ｂの第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅを吸着して保持する。同様に、図示していないが、第２パッド３１Ｒも第２カッタ２１Ｒの下流において、第２カッタ２１Ｒに沿って平行に斜めに延び、図７Ａの第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓを保持し、図７Ｂのように、第１パッド３１Ｌとの間で前記両ウェブを挟んで接合する。なお、第１パッド３１Ｌと第２パッド３１Ｒとは互いに合掌することができるように同じ方向に同じ角度傾斜で対面している。

図７Ｂにおいて、第１受け部２２Ｌは第１カッタ２１Ｌが第１ウェブ１１Ｌを切断する際に第１カッタ２１Ｌの刃を受ける。一方、図７Ｃにおいて、第２受け部２２Ｒは第２カッタ２１Ｒが第２ウェブ１１Ｒを切断する際に前記第２カッタ２１Ｒの刃を受ける。

図７Ａの第１受け部２２Ｌと第１カッタ２１Ｌとの間には第１パスライン１Ｌが設定されている。一方、第２受け部２２Ｒと第２カッタ２１Ｒとの間には第２パスライン１Ｒが設定されている。

図７Ａにおいて、第１カバー２３Ｌは第１カッタ２１Ｌが第１ウェブ１１Ｌの非切断位置Ｐに退避した状態で第１ウェブ１１Ｌが第１カッタ２１Ｌに接触するのを防止する。同様に、第２カバー２３Ｒは第２カッタ２１Ｒが第２ウェブ１１Ｒの非切断位置Ｐに退避した状態で第２ウェブ１１Ｒが第２カッタ２１Ｒに接触するのを防止する。

本例の場合、第１カバー２３Ｌと第１受け部２２Ｌとの間を第１ウェブ１１Ｌが通過するように第１パスライン１Ｌが形成されている。一方、第２カバー２３Ｒと第２受け部２２Ｒとの間を第２ウェブ１１Ｒが通過するように第２パスライン１Ｒが形成されている。

本スプライス装置１０は、図１の第１ウェブ１１Ｌが通る第１パスライン１Ｌと図６の第２ウェブ１１Ｒが通る第２パスライン１Ｒとが互いに平行（図７Ａ参照）となるように排出ロール６の位置を変位させることができるように構成されている変位装置６０を備える。本例の場合、第１パスライン１Ｌおよび第２パスライン１Ｒは、共に鉛直面に沿って互いに平行に設定されている。

図１の変位装置６０は例えば流体圧シリンダで構成され、排出ロール６を図１の第１のロール位置Ｐ１と図６の第２のロール位置Ｐ２とに選択的に配置できる。図１の排出ロール６が第１のロール位置Ｐ１にある場合、第１ウェブ１１Ｌは１つの鉛直面に沿った第１パスライン１Ｌを通る。一方、図６の排出ロール６が第２のロール位置Ｐ２にある場合、第２ウェブ１１Ｒは別の鉛直面に沿った第２パスライン１Ｒを通る。

このように、排出ロール６の位置が変位されるので、図７Ａのように、第１ウェブ１１Ｌを第１パッド３１Ｌで吸着する以前（ウェブの搬送中）においても、また、図７Ｂおよび図７Ｃのように各ウェブが両パッドで挟まれている場合においても各ウェブに対し各パッドの吸着面３１ｆは平行である。

すなわち、各パッドの吸着面３１ｆが各ウェブを吸着する直前から吸着した瞬間に至るまで、各パッドとこれに対面する各吸着面３１ｆは平行である。したがって、吸着時にウェブに皺などが生じにくい。
たとえば、図１の第１ウェブ１１Ｌは第１供給ロール５Ｌから第１パッド３１Ｌに至るまで、第１パッド３１Ｌの吸着面３１ｆ（図７Ａ）に平行な面に沿って延びている。したがって、第１パッド３１Ｌが第１ウェブ１１Ｌを吸着する際に第１ウェブ１１Ｌに皺などが生じにくい。

本例のように、図７Ａおよび図７Ｂに示す第１カッタ２１Ｌおよび第２カッタ２１Ｒは、共にメインの刃２１Ｍおよびサブの刃２１Ｓを有していてもよい。各刃２１Ｍおよび２１Ｓは、第１または第２カバー２３Ｌ，２３Ｒの貫通孔２３Ｏを通って、第１または第２受け部２２Ｌ，２２Ｒの貫通孔２２Ｏに達するまで突出する。

図１の排出ロール６の下流には前述の公知例の蓄積部５０と同様の蓄積部（図示せず）が設けられていてもよい。また、当該蓄積部の下流の加工ラインには、第１ウェブ１１Ｌおよび／または第２ウェブ１１Ｒに延伸加工を施す図８Ａおよび図８Ｂに示す周知の延伸加工装置７が設けられていてもよい。

つぎに、図９Ａおよび図９Ｂのように、先行のウェブ１１Ｌの終端部Ｅに待機中のウェブ１１Ｒの始端部Ｓを重ね合わせてウェブ同士を継ぐスプライス方法について説明する。

ウェブの継ぎ、つまりスプライスは図１の第１供給ロール５Ｌから排出ロール６に沿った第１パスライン１Ｌを第１ウェブ１１Ｌが搬送される第１搬送工程と、図６の第２供給ロール５Ｒから排出ロール６に沿った第２パスライン１Ｒを第２ウェブ１１Ｒが搬送される第２搬送工程との間において行われる。

以下、ウェブの継ぎについて、図１の第１ウェブ１１Ｌの搬送後に第２ウェブ１１Ｒを継ぐ場合を代表して説明する。

図９Ａの第１ウェブ１１Ｌを第２ウェブ１１Ｒに継ぐためには、第１パスライン１Ｌ（図１）上の第１ウェブ１１Ｌの終端を第１ウェブ１１Ｌの幅方向に斜めに横断するように切断する第１切断工程と、第２パスライン１Ｒ（図６）上の第２ウェブ１１Ｒの始端を第２ウェブ１１Ｒの幅方向に斜めに横断するように切断する第２切断工程とが実行される。図７Ｂにおいて、前記第１切断工程に先立って第１パスライン１Ｌ上の第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅを第１パッド３１Ｌが吸着保持する。

　本例では以下のようにウェブの継ぎを行う。
　図１の第１搬送工程において第１ウェブ１１Ｌが第１パスライン１Ｌで搬送されている状態で、図１のように第２ユニットＵ２を開く。当該開いた第２ユニットＵ２において、第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓ（図７Ａ）を第２パッド３１Ｒに吸着保持させる保持工程を実行する。前記始端部Ｓには第１ウェブ１１Ｌと対面する側に接着テープが設けられている。
　その後、図３のように、第２ユニットＵ２を閉じる。
　その後、搬送中の第１ウェブ１１Ｌの残量が所定量よりも少なくなった時点で、第１パスライン１Ｌにおける第１ウェブ１１Ｌの移動（搬送）を止める。この際、前記蓄積部５０に蓄積されたウェブを放出する。
　その後、図７Ａの第１パッド３１Ｌにより第１ウェブ１１Ｌを吸着保持し、図７Ａの第１カッタ２１Ｌにより第１ウェブ１１Ｌを切断する。
　第１ウェブ１１Ｌの切断後、図７Ｂの第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅと第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓとを第１パッド３１Ｌと第２パッド３１Ｒとの間で挟んで終端部Ｅと始端部Ｓとを重ね合わせる第１の重ね合わせ工程と、始端部Ｓと終端部Ｅとを接合して第１ウェブ１１Ｌに第２ウェブ１１Ｒを継ぐ第１の継ぎ工程とを行う。具体的に、第１の重ね合わせ工程および第１の継ぎ工程は以下のように実行する。

図７Ｂのように、第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅと第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓとを重ね合わせる工程においては、第２パッド３１Ｒが第１パッド３１Ｌに向って変位することで、第１パッド３１Ｌの吸着面３１ｆと第１パスライン１Ｌ上の第１ウェブ１１Ｌとが互いに平行な状態のまま、第１パッド３１Ｌと第２パッド３１Ｒとの間に両ウェブが挟まれて前記第１の継ぎ工程が実行される。

　本例では、第１および第２パッドの吸着面は、常に鉛直面に沿っており、互いに平行で、かつ、第１または第２パスライン上のウェブに対しても、共に平行である。
　両パッド３１Ｌ，３１Ｒはウェブに直交する水平軸に沿って往復移動し、ウェブとの上記幾何学的関係が維持されたまま、両ウェブを挟み付ける。
本例では、図９Ａのグレーで着色した始端部Ｓに接着剤が設けられており、前記ウェブの挟持により、両ウェブが接合される。

第１の重ね合わせ工程および第１の継ぎ工程の後に、図４の第１パスライン１Ｌに平行な図５の第２パスライン１Ｒに変更させるように、図４の排出ロール６を第１のロール位置Ｐ１から図５の第２のロール位置Ｐ２に変位させる第１変位工程を実行する。なお、この第１変位工程に先立って図７Ｂの各パッドの吸着を解除すると共に第２パッド３１Ｒは第２パスラインから退避した原点位置に戻る。

図３および図４の第１の重ね合わせ工程および第１の継ぎ工程において、第１ウェブ１１Ｌを第１パスライン１Ｌ上に保持するように排出ロール６が第１のロール位置Ｐ１に配置される。一方、図６の第２搬送工程において、排出ロール６が第２ウェブ１１Ｒを第２パスライン１Ｒ上に保持するように第２のロール位置Ｐ２に配置される。このように、各ウェブは鉛直面に沿った各パスラインに保持されるので、ウェブは各パッドの吸着面３１ｆに対し、常に平行であり、そのため、吸着時にウェブに皺の生じるおそれはない。

以上は第１ウェブ１１Ｌに第２ウェブ１１Ｒを継ぐ場合について説明した。第２ウェブ１１Ｒに第１ウェブ１１Ｌを継ぐ場合は、上述した場合と同様であるが、以下、簡単に説明する。

この場合、図７Ｃのように、前述の第２搬送工程後に第２ウェブ１１Ｒの終端部Ｅと第１ウェブ１１Ｌの始端部Ｓとを第１パッド３１Ｌと第２パッド３１Ｒとの間で挟んで終端部Ｅと始端部Ｓとを重ね合わせる第２の重ね合わせ工程と、始端部Ｓと終端部Ｅとを接合して第２ウェブ１１Ｒに第１ウェブ１１Ｌを継ぐ第２の継ぎ工程とが実行される。

第２の重ね合わせ工程および第２の継ぎ工程の後に図６の第２パスライン１Ｒから第１パスライン１Ｌに変更させるように排出ロール６を第２のロール位置Ｐ２から図１の第１のロール位置Ｐ１に再び変位させる第２変位工程が実行される。

第２の重ね合わせ工程および第２の継ぎ工程において、図６の第２ウェブ１１Ｒを第２パスライン１Ｒ上に保持するように排出ロール６が第２のロール位置Ｐ２に配置される。その後、図１の第１搬送工程において、第１ウェブ１１Ｌを第１パスライン１Ｌ上に保持するように排出ロール６が第１のロール位置Ｐ１に配置される。

図７Ｃにおいて、第２ウェブ１１Ｒの終端部Ｅと第１ウェブ１１Ｌの始端部Ｓとを重ね合わせる工程において、第１パッド３１Ｌが第２パッド３１Ｒに向かって変位することで、第２パッド３１Ｒの吸着面３１ｆと第２パスライン１Ｒ上の第２ウェブ１１Ｒとが互いに平行な状態のまま、第１パッド３１Ｌと第２パッド３１Ｒとの間に両ウェブが挟まれる。

なお、スプライス装置１０は、切断工程と継ぎ工程の順序は限定されず、最終的にウェブ同士をスプライスできればよく、例えば、切断工程と接合工程とを同時に行い、または、継ぎ工程の後にウェブを切断するものであってもよいし、切断工程後に継ぎ工程を行ってもよい。
但し、先行のウェブを切断する前に、当該ウェブの終端部をパッドで吸着保持するのが好ましいだろう。例えば、図７Ａの第１ウェブ１１Ｌが第１パスライン１Ｌ上で停止した直後に、第１パッド３１Ｌで当該第１ウェブの終端部Ｅとなる部位を吸着保持し、その後、図７Ｂの第１カッタ２１Ｌで第１ウェブ１１Ｌを切断するのが好ましい。

これらの吸着保持および切断の際に、図１の排出ロール６が第１のロール位置にあることで、第１ウェブ１１Ｌは第１パスライン１Ｌ上に維持される。すなわち、第１供給ロール５Ｌから排出ロール６に至るまで、第１ウェブ１１Ｌは第１パッド３１Ｌの吸着面に平行な面に沿って延びている。
そのため、第１パッド３１Ｌの図７Ｂの吸着面３１ｆに対し第１ウェブ１１Ｌは、常に平行に配置されており、第１パッド３１Ｌによる第１ウェブ１１Ｌの吸着時に不用意に第１ウェブ１１Ｌに皺が生じるのを防止できる。

一方、排出ロール６の移動のタイミングは、先行のウェブの吸着後であれば、いずれのタイミングでもよい。例えば、図７Ａの第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅとなる部位を吸着した後であれば、第１ウェブ１１Ｌの切断前に図１の第１のロール位置Ｐ１から第２のロール位置Ｐ２に変位させてもよい。また、この吸着後であれば、図７Ｂの重ね合わせおよび継ぎ工程の前に前記排出ロール６の変位を実行してもよい。

こうした場合、第１パッド３１Ｌは既に第１ウェブ１１Ｌを吸着保持しており、終端部Ｅに皺の生じる可能性は低いと考えられる。

その他の構成については、前述の公知例と同様であり、相当部分について同一符号を付して、その説明および図示を省略する。

以上の実施形態から把握される発明には、以下の実施態様が含まれる。

本スプライス装置において、好ましくは、前記第１カッタ２１Ｌが前記第１ウェブ１１Ｌを切断する際に前記第１カッタ２１Ｌの刃を受ける第１受け部２２Ｌと、
　前記第２カッタ２１Ｒが前記第２ウェブ１１Ｒを切断する際に前記第２カッタ２１Ｒの刃を受ける第２受け部２２Ｒとを更に備え、
　前記第１受け部２２Ｌと前記第１カッタ２１Ｌとの間に前記第１パスライン１Ｌが設定され、
前記第２受け部２２Ｒと前記第２カッタ２１Ｒとの間に前記第２パスライン１Ｒが設定されている。

このように受け部を設けた場合、ウェブを所期の形状に正確に切断することができる。

より好ましくは、前記第１カッタ２１Ｌが前記第１ウェブ１１Ｌの非切断位置Ｐに退避した状態で前記第１ウェブ１１Ｌが前記第１カッタ２１Ｌに接触するのを防止する第１カバー２３Ｌと、
　前記第２カッタ２１Ｒが前記第２ウェブ１１Ｒの非切断位置Ｐに退避した状態で前記第２ウェブ１１Ｒが前記第２カッタ２１Ｒに接触するのを防止する第２カバー２３Ｒとを更に備え、
　前記第１カバー２３Ｌと前記第１受け部２２Ｌとの間を前記第１ウェブ１１Ｌが通過するように前記第１パスライン１Ｌが形成され、
前記第２カバー２３Ｒと前記第２受け部２２Ｒとの間を前記第２ウェブ１１Ｒが通過するように前記第２パスライン１Ｒが形成されている。

このように、第１および第２パスラインが受け部とカバーとの間に形成されていることで、一対のウェブのパスラインが安定する。

より好ましくは、前記第１および第２受け部２２Ｌ，２２Ｒに対し、それぞれ、前記第１および第２カバー２３Ｌ，２３Ｒが対面した状態となるように設定することができるように構成されている。

この場合、受け部とカバーとが対面しているので、パスラインにおけるウェブの流れ等が安定する。

更に好ましくは、前記第１受け部２２Ｌおよび前記第２受け部２２Ｒを固定した状態で支持する固定フレーム１と、
　前記第１供給ロール５Ｌ、前記第１カバー２３Ｌ、前記第１カッタ２１Ｌおよび前記第１パッド３１Ｌを支持する第１回動フレーム２Ｌと、
　前記第２供給ロール５Ｒ、前記第２カバー２３Ｒ、前記第２カッタ２１Ｒおよび前記第２パッド３１Ｒを支持する第２回動フレーム２Ｒと、
　前記第１供給ロール５Ｌが前記第２供給ロール５Ｒから離れ、かつ、前記第１回動フレーム２Ｌが開くように第１ヒンジ３Ｌを中心に前記第１回動フレーム２Ｌを回転させる第１アクチュエータ４Ｌと、
前記第２供給ロール５Ｒが前記第１供給ロール５Ｌから離れ、かつ、前記第２回動フレーム２Ｒが開くように第２ヒンジ３Ｒを中心に前記第２回動フレーム２Ｒを回転させる第２アクチュエータ４Ｒとを更に備える。

この場合、スプライスのオペレーションが容易になる。

更に好ましくは、前記第１供給ロール５Ｌ、前記第１カバー２３Ｌ、前記第１カッタ２１Ｌ、前記第１パッド３１Ｌおよび前記第１回動フレーム２Ｌとで、第１ユニットＵ１が構成され、
　前記第２供給ロール５Ｒ、前記第２カバー２３Ｒ、前記第２カッタ２１Ｒ、前記第２パッド３１Ｒおよび前記第２回動フレーム２Ｒとで、第２ユニットＵ２が構成され、
　前記第１または第２受け部２２Ｌ，２２Ｒの一方に対し、前記第１または第２カバーの一方が対面して第１または第２ユニットＵ１，Ｕ２の一方が閉じた状態と、
第１または第２受け部の他方に対し、第１または第２カバーの他方が離れて第１または第２ユニットＵ１，Ｕ２の他方が開いた状態とに設定することができるように構成されている。

この場合、スプライスのオペレーションが更に容易になる。

好ましくは、前記第１パスライン１Ｌおよび前記第２パスライン１Ｒは、共に鉛直面に沿って互いに平行に設定されている。

この場合、ウェブの吸着や切断が安定して行なわれ、皺が生じるのを確実に防止し得る。

好ましくは、前記第１カッタ２１Ｌおよび前記第２カッタ２１Ｒは、共にメインの刃２１Ｍおよびサブの刃２１Ｓを有する。

この場合、ウェブを確実に切断できる。

本発明においては、前記排出ロール６の下流には前記第１ウェブ１１Ｌおよび／または前記第２ウェブ１１Ｒに延伸加工を施す延伸加工装置７が設けられていてもよい。

延伸加工装置７でウェブが加工されても、斜めに切断された終端部および始端部は、加工により継ぎ部分が破断しにくい。

本スプライス方法において、好ましくは、前記第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅを前記第１パッド３１Ｌで保持する終端部保持工程を更に備え、
　前記終端部保持工程において、前記第１ウェブ１１Ｌが前記第１パスライン１Ｌ上に維持されるように前記排出ロール６が前記第１のロール位置Ｐ１に配置され、
前記第２搬送工程において、前記第２ウェブ１１Ｒが前記第２パスライン１Ｒを通るように前記排出ロール６が前記第２のロール位置Ｐ２に配置される。

この場合、各ウェブを継ぐ前および継ぐ際に、各ウェブが各々のパスラインに沿っており、そのため、各ウェブと各パッドの表面（吸着面）とが互いに正対した平行な状態となる。したがって、吸着時にウェブに皺の生じるおそれがない。

更に好ましくは、前記第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅと前記第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓとを重ね合わせる工程において、前記第２パッド３１Ｒが前記第１パッド３１Ｌに向って変位することで、前記第１パッド３１Ｌの吸着面３１ｆと前記第１パスライン１Ｌ上の第１ウェブ１１Ｌとが互いに平行な状態のまま、前記第１パッド３１Ｌと前記第２パッド３１Ｒとの間に前記両ウェブが挟まれる。

この場合、スプライス時にウェブに皺が生じるのを更に確実に防止できる。

好ましくは、前記第２搬送工程後に前記第２ウェブ１１Ｒの終端部Ｅと前記第１ウェブ１１Ｌの始端部Ｓとを第１パッド３１Ｌと前記第２パッド３１Ｒとの間で挟んでこれらの終端部Ｅと始端部Ｓとを重ね合わせる第２の重ね合わせ工程と、
　これらの始端部Ｓと終端部Ｅとを接合して第２ウェブ１１Ｒに第１ウェブ１１Ｌを継ぐ第２の継ぎ工程と、
前記第２の重ね合わせ工程および前記第２の継ぎ工程の後に前記第２パスライン１Ｒから第１パスライン１Ｌにウェブのパスラインを変更させるように前記排出ロール６を前記第２のロール位置Ｐ２から前記第１のロール位置Ｐ１に変位させる第２変位工程とを備える。

第２ウェブに第１ウェブを継ぐ際にもウェブに皺が生じにくい。

好ましくは、前記第２ウェブ１１Ｒの終端部Ｅを前記第２パッド３１Ｒで保持する終端部保持工程を更に備え、
　この終端部保持工程において、前記第２ウェブ１１Ｒが前記第２パスライン１Ｒ上に維持されるように前記排出ロール６が前記第２のロール位置Ｐ２に配置され、
前記第１搬送工程において、前記第１ウェブ１１Ｌが前記第１パスライン１Ｌ上を通るように前記排出ロール６が前記第１のロール位置Ｐ１に配置される。

この場合、前述と同様に、各ウェブを継ぐ前後において各ウェブと各パッドの吸着面とが互いに正対した平行な状態となり、そのため、吸着時にウェブに皺の生じるおそれがない。

更に好ましくは、前記第２ウェブ１１Ｒの終端部Ｅと前記第１ウェブ１１Ｌの始端部Ｓとを重ね合わせる工程において、前記第１パッド３１Ｌが前記第２パッド３１Ｒに向かって変位することで、前記第２パッド３１Ｒの吸着面３１ｆと前記第２パスライン１Ｒ上の第２ウェブ１１Ｒとが互いに平行な状態のまま、前記第１パッド３１Ｌと前記第２パッド３１Ｒとの間に前記両ウェブが挟まれる。

第２ウェブに第１ウェブを継ぐ場合においても、ウェブに皺が生じるのを更に確実に防止できる。

１つの実施態様または好ましい各実施形態に関連して説明および／または図示した特徴は、１つまたはそれ以上の他の実施態様において同一または類似な形で、および／または他の実施態様と組み合わせて、または、その代わりに利用することができる。

　以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
　たとえば、本装置は着用物品以外の製造ラインに組み込まれていてもよい。
　したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。

　本発明はオムツ型およびパンツ型の使い捨て着用物品などのウェブのスプライスに適用し得る。

１：固定フレーム
１Ｌ：第１パスライン　１Ｒ：第２パスライン
１０：スプライス装置
１１Ｌ：第１ウェブ　１１Ｒ：第２ウェブ　
１２Ｌ：第１の巻回部　１２Ｒ：第２の巻回部　１３：ブラケット部
１４Ｌ，１４Ｒ：残量検出部　１５Ｌ，１５Ｒ：駆動ローラ　１６Ｌ，１６Ｒ：ニップローラ
２Ｌ：第１回動フレーム　２Ｒ：第２回動フレーム
２０：切断部
２１Ｌ：第１カッタ　２１Ｒ：第２カッタ　２１Ｍ：メインの刃　２１Ｓ：サブの刃
２２Ｌ：第１受け部　２２Ｒ：第２受け部　２２Ｏ：貫通孔
２３Ｌ：第１カバー　２３Ｒ：第２カバー　２３Ｏ：貫通孔
３Ｌ：第１ヒンジ　３Ｒ：第２ヒンジ　３０：スプライス部
３１Ｌ：第１パッド　３１Ｒ：第２パッド　３１ｆ：吸着面
３２Ｌ，３２Ｒ：駆動機構
４Ｌ：第１アクチュエータ　４Ｒ：第２アクチュエータ
４０：テンション制御部　４１：テンションローラ　４２：回動アーム
５Ｌ：第１供給ロール　５Ｒ：第２供給ロール
５０：蓄積部　５１：固定ローラ　５２：可動ローラ　５３：駆動機構
６：排出ロール　　６０：変位装置　７：延伸加工装置
Ｅ：終端部　Ｓ：始端部　
Ｐ：非切断位置　Ｐ１：第１のロール位置　Ｐ２：第２のロール位置
Ｕ１：第１ユニット　Ｕ２：第２ユニット

Claims

　先行のウェブ１１Ｌの終端部Ｅに待機中のウェブ１１Ｒの始端部Ｓを重ね合わせてウェブ同士を継ぐスプライス装置であって、
　第１供給ロール５Ｌから排出ロール６に沿って第１ウェブ１１Ｌが搬送される第１パスライン１Ｌと、
　第２供給ロール５Ｒから前記排出ロール６に沿って第２ウェブ１１Ｒが搬送される第２パスライン１Ｒと、
　前記第１パスライン１Ｌ上の前記第１ウェブ１１Ｌの幅方向に斜めに横断するように延びる第１カッタ２１Ｌと、
　前記第２パスライン１Ｒ上の前記第２ウェブ１１Ｒの幅方向に斜めに横断するように延びる第２カッタ２１Ｒと、
　前記第１カッタ２１Ｌの下流において、前記第１カッタ２１Ｌに沿って斜めに延び前記第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅを保持する第１パッド３１Ｌと、
　前記第２カッタ２１Ｒの下流において、前記第２カッタ２１Ｒに沿って斜めに延び前記第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓを保持し、前記第１パッド３１Ｌとの間で前記両ウェブを挟んで接合する第２パッド３１Ｒと、
　前記第１パスライン１Ｌと前記第２パスライン１Ｒとが互いに平行となるように前記排出ロール６の位置を変位させることができるように構成されている変位装置６０と、を備える、スプライス装置。
　請求項１において、
　前記第１カッタ２１Ｌが前記第１ウェブ１１Ｌを切断する際に前記第１カッタ２１Ｌの刃を受ける第１受け部２２Ｌと、
　前記第２カッタ２１Ｒが前記第２ウェブ１１Ｒを切断する際に前記第２カッタ２１Ｒの刃を受ける第２受け部２２Ｒとを更に備え、
　前記第１受け部２２Ｌと前記第１カッタ２１Ｌとの間に前記第１パスライン１Ｌが設定され、
　前記第２受け部２２Ｒと前記第２カッタ２１Ｒとの間に前記第２パスライン１Ｒが設定されている、スプライス装置。
　請求項２において、
　前記第１カッタ２１Ｌが前記第１ウェブ１１Ｌの非切断位置Ｐに退避した状態で前記第１ウェブ１１Ｌが前記第１カッタ２１Ｌに接触するのを防止する第１カバー２３Ｌと、
　前記第２カッタ２１Ｒが前記第２ウェブ１１Ｒの非切断位置Ｐに退避した状態で前記第２ウェブ１１Ｒが前記第２カッタ２１Ｒに接触するのを防止する第２カバー２３Ｒとを更に備え、
　前記第１カバー２３Ｌと前記第１受け部２２Ｌとの間を前記第１ウェブ１１Ｌが通過するように前記第１パスライン１Ｌが形成され、
　前記第２カバー２３Ｒと前記第２受け部２２Ｒとの間を前記第２ウェブ１１Ｒが通過するように前記第２パスライン１Ｒが形成されている、スプライス装置。
　請求項３において、
　前記第１および第２受け部２２Ｌ，２２Ｒに対し、それぞれ、前記第１および第２カバー２３Ｌ，２３Ｒが対面した状態となるように設定することができるように構成されている、スプライス装置。
　請求項４において、
　前記第１受け部２２Ｌおよび前記第２受け部２２Ｒを固定した状態で支持する固定フレーム１と、
　前記第１供給ロール５Ｌ、前記第１カバー２３Ｌ、前記第１カッタ２１Ｌおよび前記第１パッド３１Ｌを支持する第１回動フレーム２Ｌと、
　前記第２供給ロール５Ｒ、前記第２カバー２３Ｒ、前記第２カッタ２１Ｒおよび前記第２パッド３１Ｒを支持する第２回動フレーム２Ｒと、
　前記第１供給ロール５Ｌが前記第２供給ロール５Ｒから離れ、かつ、前記第１回動フレーム２Ｌが開くように第１ヒンジ３Ｌを中心に前記第１回動フレーム２Ｌを回転させる第１アクチュエータ４Ｌと、
　前記第２供給ロール５Ｒが前記第１供給ロール５Ｌから離れ、かつ、前記第２回動フレーム２Ｒが開くように第２ヒンジ３Ｒを中心に前記第２回動フレーム２Ｒを回転させる第２アクチュエータ４Ｒとを更に備える、スプライス装置。
　請求項５において、
　前記第１供給ロール５Ｌ、前記第１カバー２３Ｌ、前記第１カッタ２１Ｌ、前記第１パッド３１Ｌおよび前記第１回動フレーム２Ｌとで、第１ユニットＵ１が構成され、
　前記第２供給ロール５Ｒ、前記第２カバー２３Ｒ、前記第２カッタ２１Ｒ、前記第２パッド３１Ｒおよび前記第２回動フレーム２Ｒとで、第２ユニットＵ２が構成され、
　前記第１または第２受け部２２Ｌ，２２Ｒの一方に対し、前記第１または第２カバーの一方が対面して第１または第２ユニットＵ１，Ｕ２の一方が閉じた状態と、
　第１または第２受け部の他方に対し、第１または第２カバーの他方が離れて第１または第２ユニットＵ１，Ｕ２の他方が開いた状態とに設定することができるように構成されている、スプライス装置。
　請求項１～６のいずれか１項において、
　前記第１パスライン１Ｌおよび前記第２パスライン１Ｒは、共に鉛直面に沿って互いに平行に設定されている、スプライス装置。
　請求項１～６のいずれか１項において、
　前記第１カッタ２１Ｌおよび前記第２カッタ２１Ｒは、共にメインの刃２１Ｍおよびサブの刃２１Ｓを有する、スプライス装置。
　請求項１～６のいずれか１項において、
　前記排出ロール６の下流には前記第１ウェブ１１Ｌおよび／または前記第２ウェブ１１Ｒに延伸加工を施す延伸加工装置７が設けられている、スプライス装置。
　先行のウェブ１１Ｌの終端部Ｅに待機中のウェブ１１Ｒの始端部Ｓを重ね合わせてウェブ同士を継ぐスプライス方法であって、
　第１供給ロール５Ｌから排出ロール６に沿った第１パスライン１Ｌを第１ウェブ１１Ｌが搬送される第１搬送工程と、
　第２供給ロール５Ｒから前記排出ロール６に沿った第２パスライン１Ｒを第２ウェブ１１Ｒが搬送される第２搬送工程と、
　前記第１パスライン１Ｌ上の第１ウェブ１１Ｌを前記第１ウェブ１１Ｌの幅方向に斜めに横断するように切断する第１切断工程と、
　前記第２パスライン１Ｒ上の第２ウェブ１１Ｒを前記第２ウェブ１１Ｒの幅方向に斜めに横断するように切断する第２切断工程と、
　前記第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓを第２パッド３１Ｒに保持させる始端部保持工程と、
　前記第１搬送工程後に前記第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅと前記第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓとを第１パッド３１Ｌと前記第２パッド３１Ｒとの間で挟んで前記終端部Ｅと前記始端部Ｓとを重ね合わせる第１の重ね合わせ工程と、
　前記始端部Ｓと前記終端部Ｅとを接合して第１ウェブ１１Ｌに第２ウェブ１１Ｒを継ぐ第１の継ぎ工程と、
前記第１の重ね合わせ工程および前記第１の継ぎ工程の後に前記第１パスライン１Ｌに平行な前記第２パスライン１Ｒにウェブのパスラインを変更させるように前記排出ロール６を第１のロール位置Ｐ１から第２のロール位置Ｐ２に変位させる第１変位工程とを備える、スプライス方法。
　請求項１０において、
　前記第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅを前記第１パッド３１Ｌで保持する終端部保持工程を更に備え、
　前記終端部保持工程において、前記第１ウェブ１１Ｌが前記第１パスライン１Ｌ上に維持されるように前記排出ロール６が前記第１のロール位置Ｐ１に配置され、
　前記第２搬送工程において、前記第２ウェブ１１Ｒが前記第２パスライン１Ｒを通るように前記排出ロール６が前記第２のロール位置Ｐ２に配置される、スプライス方法。
　請求項１０もしくは１１において、
　前記第１ウェブ１１Ｌの終端部Ｅと前記第２ウェブ１１Ｒの始端部Ｓとを重ね合わせる工程において、前記第２パッド３１Ｒが前記第１パッド３１Ｌに向って変位することで、前記第１パッド３１Ｌの吸着面３１ｆと前記第１パスライン１Ｌ上の第１ウェブ１１Ｌとが互いに平行な状態のまま、前記第１パッド３１Ｌと前記第２パッド３１Ｒとの間に前記両ウェブが挟まれる、スプライス方法。
　請求項１０において、
　前記第２搬送工程後に前記第２ウェブ１１Ｒの終端部Ｅと前記第１ウェブ１１Ｌの始端部Ｓとを第１パッド３１Ｌと前記第２パッド３１Ｒとの間で挟んでこれらの終端部Ｅと始端部Ｓとを重ね合わせる第２の重ね合わせ工程と、
　これらの始端部Ｓと終端部Ｅとを接合して第２ウェブ１１Ｒに第１ウェブ１１Ｌを継ぐ第２の継ぎ工程と、
前記第２の重ね合わせ工程および前記第２の継ぎ工程の後に前記第２パスライン１Ｒから第１パスライン１Ｌにウェブのパスラインを変更させるように前記排出ロール６を前記第２のロール位置Ｐ２から前記第１のロール位置Ｐ１に変位させる第２変位工程とを備える、スプライス方法。
　請求項１３において、
　前記第２ウェブ１１Ｒの終端部Ｅを前記第２パッド３１Ｒで保持する終端部保持工程を更に備え、
　この終端部保持工程において、前記第２ウェブ１１Ｒが前記第２パスライン１Ｒ上に維持されるように前記排出ロール６が前記第２のロール位置Ｐ２に配置され、
　前記第１搬送工程において、前記第１ウェブ１１Ｌが前記第１パスライン１Ｌ上を通るように前記排出ロール６が前記第１のロール位置Ｐ１に配置される、スプライス方法。
　請求項１３もしくは１４において、
　前記第２ウェブ１１Ｒの終端部Ｅと前記第１ウェブ１１Ｌの始端部Ｓとを重ね合わせる工程において、前記第１パッド３１Ｌが前記第２パッド３１Ｒに向かって変位することで、前記第２パッド３１Ｒの吸着面３１ｆと前記第２パスライン１Ｒ上の第２ウェブ１１Ｒとが互いに平行な状態のまま、前記第１パッド３１Ｌと前記第２パッド３１Ｒとの間に前記両ウェブが挟まれる、スプライス方法。