WO2004042249A1

WO2004042249A1 - 防振装置

Info

Publication number: WO2004042249A1
Application number: PCT/JP2002/011532
Authority: WO
Inventors: Hikofumi Yamamoto; Yoshio Ihara
Original assignee: Toyo Tire & Rubber Co., Ltd.
Priority date: 2002-11-05
Filing date: 2002-11-05
Publication date: 2004-05-21
Also published as: US20060071380A1

Abstract

防振基体の上方及び水平方向への過大変位に対するストッパ機構を持つ防振装置を軽量かつ低コストに提供するために、内筒（16）とこれを取り囲む開口部（24）を備える取付部材（12）とをゴム状弾性体の防振基体（14）で結合し、開口部（24）から下方に筒状部（32）を延設し、この筒状部と内筒（16）との間にストッパゴム（36）を設けるとともに隙間（38）を確保して、内筒（16）の水平方向における変位を制限する第１のストッパ部（40）を設け、また、内筒（16）の下端から外方に延びる延設部（46）を設け、この延設部と筒状部（32）の下端との間にストッパゴム（48）を設けるとともに隙間（50）を確保して、内筒（16）の上方への変位を制限する第２のストッパ部（52）を設ける。

Description

明細書防振装置〔技術分野〕

本発明は、主として自動車エンジン等の振動体を防振的に支承するのに用いられる防振装置に関するものである。

〔背景技術〕

自動車エンジン等の振動体を、その振動を車体等の支持体に伝達させないように支承するマウントなどの防振装置においては、ゴム弾性体である防振基体の一定限度以上の変形を防止するためにストッパ機構が設けられており、従来より種々の構造が提案されている（例えば、日本国特開平 1 0— 9 3 3 0号参照）。

図 8に従来の防振装置の一例を示している。この防振装置は、振動体であるエンジン側に取り付けられる上側取付部材 1 0 1と、支持体である車体側に取り付けられる下側取付部材 1 0 2と、上側取付部材 1 0 1と下側取付部材 1 0 2との間に介設されて両部材を結合するゴム状弾性体からなる防振基体 1 0 3 とを備えてなり、防振基体 1 0 3により上側取付部材 1 0 1を下側取付部材 1 0 2に対して上下方向に弾性支持するように構成されている。上側取付部材 1 0 1の上部には、ストヅパゴム 1 0 4で包被された外方に突出するストヅパ用突部 1 0 5が設けられている。また、このストッパ用突部 1 0 5の上面及び左右両側面に対し所定の隙間をおいて被せるように略 Ω状をなすストッパ金具 1 0 6が設けられており、このストツパ金具 1 0 6は下側取付金具 1 0 2とともに車体に対して固定されるようになっている。

この従来の防振装置において、上側取付部材 1 0 1と下側取付部材 1 0 2との水平方向、より具体的には車両前後方向における過大変位に対しては、ストヅパ用突部 1 0 5の側面がストッパ金具 1 0 6の側壁 1 0 6 Aに当接することにより、一定以上の変位が規制される。また、上側取付部材 1 0 1の上方への過大変位に対しては、ストッパ用突部 1 0 5の上面がストッパ金具 1 0 6の上壁 1 0 6 Bに当接することにより、一定以上の変位が規制される。

近年、自動車においては低燃費化、低コスト化の要請が強く、そのため、自動車メーカーからの車両用部品に対する軽量化、低コスト化の要求も日毎に厳しくなつている。このような状況下、上記従来の防振装置では、上方及び水平方向への過大変位に対するストッパ作用を、 Ω型のストッパ金具により発揮させているため、軽量化及び低コスト化の要求に十分に応えることができない。

〔発明の開示〕

本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、防振基体の上方及び水平方向への過大変位に対するストッパ機構を持つ防振装置を軽量かつ低コストに提供することを目的とする。

本発明の防振装置は、振動体を支持体に対して防振的に結合する防振装置であって、軸方向を上下方向に向けて配される軸部を備えて前記振動体側に取り付けられる第 1取付部材と、前記軸部を取り囲む開口部を備えて前記支持体側に取り付けられる第 2取付部材と、前記第 1取付部材の軸部と前記第 2取付部材の開口部との間に介設されて両者を結合することで前記第 1取付部材を前記第 2取付部材に対して上下方向に弾性支持するゴム状弾性体よりなる防振基体とを備え、前記開口部の内周縁から下方に筒状部が延設され、この筒状部と前記軸部との間に第 1ストッパゴムが設けられるとともに軸直角方向に所定の隙間が確保されることで、前記第 1取付部材と前記第 2取付部材との水平方向における変位を制限する第 1のストツパ部が設けられ、前記軸部の下端から前記筒状部の下方を外方に向けて延びる延設部が設けられ、この延設部と前記筒状部の下端との間に第 2ストッパゴムが設けられるとともに軸方向に所定の隙間が確保されることで、前記第 1取付部材の前記第 2取付部材に対する上方への変位を制限する第 2のストッパ部が設けられたものである。

本発明の防振装置によれば、第 1取付部材の軸部とこれを取り囲む第 2取付部材の筒状部との間に防振基体の水平方向への過大変位を規制する第 1のストツパ部を設けるとともに、該軸部の下端から延びる延設部と該筒状部の下端との間に防振基体の上方への過大変位を規制する第 2のストッパ部を設けたので、もはや従来のような Ω型のストッパ金具を設ける必要がなくなり、従って、防振装置の軽量化及び低コスト化が図られる。

本発明の防振装置においては、前記第 1ストッパゴムを前記防振基体から連なるゴムにより前記筒状部の内周面を被覆して設け、また、前記第 2ストッパゴムを前記第 1ストッパゴムから連なるゴムにより前記筒状部の下面を被覆して設けてもよい。このように第 1ストツパゴムと第 2ストツ.パゴムを防振基体から連なる一体のゴムで形成することにより、更なる低コスト化が図られる。本発明の防振装置においては、また、前記第 2取付部材における前記開口部近傍の上面に第 3ストッパゴムを設けるとともに、前記第 1取付部材にこの第 3ストツパゴムに対して所定の隙間を介して対向するストツパ受け部を設け、これにより前記第 1取付部材の前記第 2取付部材に対する下方への変位を制限する第 3のストツバ部を設けてもよい。

本発明の防振装置においては、また、前記第 1取付部材が前記軸部である内筒と該内筒を振動体側に連結するブラケットとからなり、該ブラケットが前記内筒の内側に揷通されたボルトにより内筒の上端に固定され、前記内筒の下端には前記ボルトにより板状のストッパ部材が固定され、該ストッパ部材により前記延設部が設けられてもよい。この場合、内筒は、金属板のプレス加工により、前記ボルトを所定の隙間をおいて取り囲む筒状をなし、その下端に前記ボルトのための貫通孔を備える底板部と、上端に前記ブラケットの下面に当接される外向きのフランジ部とを備えて形成されてもよく、これにより防振装置の更なる軽量化が図られる。

本発明の防振装置においては、また、前記第 1取付部材が前記軸部を振動体側に連結するブラケットを備え、前記軸部が、前記防振基体を介して前記第 2 取付部材に結合される第 1内筒と、前記第 2取付部材の筒状部との間で前記第 1のストッパ部を形成するとともに下端に前記延設部を備える第 2内筒とで構成され、前記第 1内筒の内側に挿通されたボルトにより前記第 1内筒の上端に前記ブラケットが固定され、該ボルトにより前記第 1内筒の下端に前記第 2内筒が固定されてもよい。この場合、前記第 1内筒が、金属板のプレス加工により、前記ボルトを所定の隙間をおいて取り囲む筒状をなし、その下端に前記ボルトのための貫通孔を備える底板部と、上端に前記ブラケッ卜の下面に当接される外向きのフランジ部とを備えて形成されてもよく、これにより、防振基体の更なる軽量化が図られる。

〔図面の簡単な説明〕

図 1は、本発明の第 1の実施形態に係る防振装置の平面図、

図 2は、図 1の II— I I線断面図、

図 3は、図 1の矢印 II I方向から見た側面図、

図 4は、図 1の矢印 IV方向から見た側面図、

図 5は、第 2の実施形態に係る防振装置の断面図、

図 6は、第 3の実施形態に係る防振装置の断面図、

図 7は、第 4の実施形態に係る防振装置の断面図、

図 8は、従来の防振装置の断面図である。

〔発明を実施するための最良の形態〕

以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面に基づいて説明る。 (第 1の実施形態）

第 1の実施形態について図 1〜4に基づいて説明する。

この実施形態の防振装置は、 F F車のエンジンの右側部分を車体側のメンバ一に対して防振的に支承するエンジンマウントであり、図 1において矢印 IIIで示す方向が車両前方である。

この防振装置は、振動体であるエンジンに取り付けられる金属製の第 1取付部材 1 0と、支持体である車体メンバーに取り付けられる金属製の第 2取付部材 1 2と、第 1取付部材 1 0と第 2取付部材 1 2との間に介設されて両者を防振的に結合するゴム状弾性体からなる防振基体 1 4とを備えてなる。

第 1取付部材 1 0は、上下方向に立設された軸部である内筒 1 6と、内筒 1

6とエンジンとを連結するブラケット 1 8とからなる。内筒 1 6は、金属製の筒体からなり、その軸方向を上下方向に向けて配されており、下方からボルト 2 0が挿入されている。そして、そのボルト 2 0により内筒 1 6の上端にブラケット 1 8が固定されている。ブラケット.1 8は、内筒 1 6との結合部から軸直角方向に外れた位置にエンジンへの取付部 2 2を備える。

第 2取付部材 1 2は、平板状をなし、中央部に上記の内筒 1 6が上方から差し入れられる略円形の開口部 2 4が設けられ、その径方向に相対する 2箇所に車体への取付面部 2 6が設けられている。第 2取付部材 1 2の周縁部 2 8は、補強のために上方に折曲されたフランジ状に形成されている。

第 2取付部材 1 2の開口部 2 4は、内筒 1 6を略同軸に取り囲んでおり、その開口縁部は内側ほど下方に傾斜したテ一パ面状に形成されている。そして、このテーパ面部 3 0の下端から下方に向けて短筒状の筒状部 3 2が延設されており、更に筒状部 3 2の下端は外側に折曲されたフランジ部 3 4として形成されている。

振基体 1 4は、略傘形状をなして、上記した内筒 1 6と第 2取付部材 1 2 の開口部 2 4とを結合しており、これにより第 1取付部材 1 0を第 2取付部材 1 2'に対して上下方向に弾性的に支持している。詳細には、防振基体 1 4は、第 2取付部材 1 2のテーパ面部 3 0と、これよりも上側の内筒 1 6の周面との間を結合している。防振基体 1 4は、この実施形態では内筒 1 6と第 2取付部材 1 2の双方に加硫接着手段により固定されているが、圧入などの手段により固定することもできる。

図 2に示されるように、第 2取付部材 1 2の筒状部 3 2と内筒 1 6との間には、ストッパゴム 3 6が設けられるとともに、軸直角方向に所定の隙間 3 8が確保されることで、内筒 1 6と第 2取付部材 1 2との水平方向における過大変位を制限する第 1のストッパ部 4 0が設けられている。ストッパゴム 3 6は、この実施形態では、内筒 1 6の外周面と、これに相対する筒状部 3 2の内周面との双方を被覆して設けられており、これらはともに防振基体 1 4から連なるゴムにより形成されている。そのため、この実施形態では、防振基体 1 4の下面に軸方向に陥没する凹部 4 2が全周にわたって設けられており、この凹部 4 2の幅（軸直角方向における寸法）によりストッパクリアランスである上記隙間 3 8が設定されている。

内筒 1 6の下端にはストッパ金具 4 4が上記ボルト 2 0により固定されている。ストッパ金具 4 4は、図 1に示すように半円板状をなし、図 2に示すように筒状部 3 2下端のフランジ部 3 4よりも下方において外方に延びる延設部 4 6を備える。そして、この延設部 4 6とフランジ部 3 4との間には、ストッパゴム 4 8が設けられるとともに、軸方向に所定の隙間 5 0が確保されており、これにより、内筒 1 6の第 2取付部材 1 2に対する上方への過大変位を制限する第 2のストヅパ部 5 2が設けられている。ストヅパゴム 4 8は、この実施形態では、筒状部 3 2の内周面を被覆するストツパゴム 3 6から連なるゴムによりフランジ部 3 4の下面を被覆して設けられている。

なお、図 2は、エンジンの荷重が負荷されていない未荷重の状態が示されており、上記隙間 5 0はエンジンの荷重が負荷されたときに所定の寸法確保されるように設定すればよい。従って、未荷重時においてはストッパゴム 4 8と延設部 4 6とは当接していてもよい。また、本実施形態では、第 2のストヅパ部 5 2は、筒状部 3 2の周方向における略半分の領域のみに設けたが、全周にわたって設けることもできる。

図 1 , 3及び 4に示されるように、第 2取付部材 1 2における開口部 2 4近傍の上面には、プロック状のストツバゴム 5 4が設けられている。このストッパゴム 5 4は、第 2取付部材 1 2の開口部 2 4からその外側の 2箇所の車体への取付面部 2 6に至る領域にそれそれ設けられている。ストッパゴム 5 4は防振基体 1 4から連なるゴムにより設けられており、徒って、第 2取付部材 1 2 の上面に加硫接着手段により固定されている。第 1取付部材 1 0のブラケヅト 1 8には、上記ストヅパゴム 5 4に対して所定の隙間を介して対向するストッパ受け部 5 6が下方に突出して設けられている。そして、このストヅパゴム 5 4とストッパ受け部 5 6とで、第 1取付部材 1 0の第 2取付部材 1 2に対する下方への変位を制限する第 3のストツパ部 5 8が設けられている。なお、この第 3のストッパ部 5 8においても、図 3 , 4 はエンジンの荷重が負荷されていない未荷重の状態が示されており、ストツパゴム 5 4とストッパ受け部 5 6との隙間はエンジンの荷重が負荷されたときに所定の寸法確保されるように設定すればよい。

以上よりなる本実施形態の防振装置は、その組付け状態においては、ェンジンの荷重が負荷されることによって、第 2のストヅパ部 5 2の隙間 5 0と第 3 のストツパ部 5 8の隙間が所定寸法だけ確保される。例えば両隙間を 7 mm程度ずつに設定することができる。なお、第 1のストッパ部 4 0の隙間 3 8は凹部 4 2の幅によって設定されるため、エンジンの荷重の有無でほとんど変化はなく、例えば 5 mm程度に設定することができる。

この防振装置は使用状態において、エンジンまたは車体からの通常の振動に対しては防振基体 1 4によりその振動を減衰することができる。

そして、内筒 1 6に対して水平方向に過大変位が生じたときには、第 1のストヅパ部 4 0において内筒 1 6がストツパゴム 3 6を介して外方の筒状部 3 2 に当接することによりストッパ作用が果たされ、それ以上の変位が制限されるその際、第 1のストッパ部 4 0は内筒 1 6の全周にわたって設けられているため、上記従来のような車両前後方向の過大変位だけでなく左右方向の過大変位に対してもストッパ作用を果たすことができる。

また、内筒 1 6に対して上方への過大変位が生じたときには、第 2のストツパ部 5 2において内筒 1 6下端のストヅパ金具 4 4の延設部 4 6がストヅパゴム 4 8を介して上方のフランジ部 3 4に当接することによりストヅパ作用が果たされ、それより上方への変位が制限される。

- 更に、内筒 1 6に対して下方への過大変位が生じたときには、第 3のストツパ部 5 8においてブラケヅト 1 8のストッパ受け部 5 6がその下方のストッパゴム 5 4に当接することでストッパ作用が果たされ、それより下方への変位が制限される。

以上説明した本実施形態の防振装置であると、第 2取付部材 1 2に設けた簡易な構造により水平方向における過大変位を制限するストツパ作用を発揮させることができるとともに、第 1取付部材 1 0の内筒 1 6に設けたコンパクトなストッパ金具 4 4により上方への過大変位を制限するストッパ作用を発揮させることができる。そのため、従来の構造に比べてはるかにコンパクトで軽量化された構造により防振基体 1 4の上方及び水平方向への過大変位に対するストッパ作用を発揮させることができる。

(第 2の実施形態）

図 5に示すように、第 2の実施形態は、第 1取付部材 1 0における内筒 1 6 の構成が上記した第 1の実施形態とは異なり、その他の構成は第 1の実施形態と同じであるので説明を省略する。

第 2の実施形態では、内筒 1 6に金属板のプレス加工品を使用している。すなわち、内筒 1 6は、その内側に揷通されるボルト 2 0を所定の隙間 6 1をおいて取り囲む筒状本体部 6 0と、該本体部 6 0の下端に設けられたストッパ金具 4 4に対する取付面である底板部 6 2と、本体部 6 0の上端に設けられたブラケヅト 1 8に対する取付面である外向きの全周のフランジ部 6 4とを備え、これらが金属板のプレス加工により一体に形成されている。底板部 6 2は、中央部にボルト 2 0によって挿通される貫通孔 6 6を備える。

このように、内筒 1 6を金属板のプレス加工により形成し、筒状本体部 6 0 とボルト 2 0との間に隙間 6 1を設けたので、防振装置の一層の軽量化が図られる。また、この場合、防振基体 1 4の上端部 1 4 Aがフランジ部 6 4の下面まで延在して当該下面に取着されているため、エンジンによる下方への荷重をフランジ部 6 4で受けることができる。

(第 3の実施形態）図 6に示すように、第 3の実施形態は、第 1取付部材 1 0の構成が上記した第 1の実施形態とは異なり、その他の構成は第 1の実施形態と同じであるので説明を省略する。

第 3の実施形態においては、第 1取付部材 1 0の軸部が、防振基体 1 4を介して第 2取付部材 1 2に結合される上側の第 1内筒 7 0と、第 2取付部材 1 2 の筒状部 3 2とともに上記第 1のストッパ部 4 0を形成する第 2内筒 7 2との 2部材で構成されている。

第 1内筒 7 0は、その内側に揷通されたボルト 2 0により上端がブラケット 1 8の下面に固定されており、下端が第 2取付部材 1 2のテ一パ面部 3 0付近の高さで終端している。第 1内筒 7 0は、下端部 7 4の外径が小さく設定されており、軸方向中央部分と下端部 7 4の間に設けられたテーパ部 7 6は、上記テ一パ面部 3 0の傾斜面と略平行な傾斜面を持つように下方ほど外径が漸次に小さく設定されている。

第 2内筒 7 2は、第 2取付部材 1 2の筒状部 3 2の内周に対向して配された筒状本体部 7 8と、該本体部 7 8の上端に設けられた第 1内筒 7 0に対する取付面である上板部 8 0と、本体部 7 8の下端に設けられた上記第 2のストッパ部 5 2を構成する延設部 4 6とを備え、これらが金属板のプレス加工により一体に形成されている。従って、この第 2内筒 7 2は、第 1のストヅパ部 4 0を構成する軸部としての役割とともに、第 1の実施形態におけるストッパ金具 4 4の役割も兼用している。第 2内筒 7 2は、上記ボルト 2 0により第 1内筒 7 0の下端に固定されている。

このように第 3の実施形態では、第 1取付部材の軸部を上下 2部材に分け、上側の第 1内筒 7 0を防振基体 1 4との結合部とし、下型の第 2内筒 7 2を第 1及び第 2のストヅパ部 4 0， 5 2を構成するストヅパ金具としている。そのため、防振基体 1 4の下面側におけるゴムの自由長を確保してゴムの耐久性を向上することができる。すなわち、第 1の実施形態では、第 1のストッパ部 4 0の隙間 3 8を確保するために防振基体 1 4の下面に凹部 4 2を設けており、この隙間 3 8を所定の寸法にするために凹部 4 2底部の曲率半径を小さくせざるを得ず、そのためこの底部近傍でのゴムの自由長が短く、ゴムの耐久性に問題が生じる可能性がある。これに対し、第 3の実施形態では、軸部を 2部材化することにより、第 2内筒 7 2の外径に関係なく、従って第 2内筒 7 2で第 1 のストッパ部 4 0のための所定寸法の隙間 3 8を確保しつつ、第 1内筒 7 0の下端部 7 4を小径にして防振基体 1 4下面側のゴムの自由長を長くすることができる。

(第 4の実施形態）

図 7に示すように、第 4の実施形態は、第 1取付部材 1 0における第 1内筒 7 0の構成が上記した第 3の実施形態とは異なり、その他の構成は第 3の実施形態と同じであるので説明を省略する。

第 4の実施形態では、第 1内筒 7 0に金属板のプレス加工品を使用している c すなわち、第 1内筒 7 0は、その内側に揷通されるボルト 2 0を所定の隙間 8 2をおいて取り囲む筒状本体部 8 4と、該本体部 8 4の下端に設けられた第 2 内筒 7 2に対する取付面である底板部 8 6と、本体部 8 4の上端に設けられたブラケット 1 8に対する取付面である外向きの全周のフランジ部 8 8とを備え、これらが金属板のプレス加工により一体に形成されている。底板部 8 6は、中央部にボルト 2 0によって揷通される貫通孔 9 0を備える。

このように、第 1内筒 7 0を金属板のプレス加工により形成し、筒状本体部 8 4とボルト 2 0との間に隙間 8 2を設けたので、防振装置の一層の軽量化が図られる。また、この場合、防振基体 1 4の上端部 1 4 Aがフランジ部 8 8の下面まで延在して当該下面に取着されているため、エンジンによる下方への荷重をフランジ部 8 8で受けることができる。

なお、第 4の実施形態では、第 1内筒 7 0の下端部が第 3の実施形態のような小径部とはされていないが、軸部を 2部材化したことにより、防振基体 1 4. の内周側下端部 1 4 Bを、第 1の実施形態のように内筒 1 6の外周面に沿わせて下方に折り返した断面形状とする必要がなく、そのまま内向きに水平に延在させることができるので、防振基体 1 4の下面側のゴム耐久性を向上することができる。

〔産業上の利用可能性〕

本発明の防振装置であると、防振基体の上方及び水平方向への過大変位に対するストッパ機構を持つ防振装置を軽量かつ低コストに提供することができ、自動車における低燃費化、低コスト化に寄与することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 振動体を支持体に対して防振的に結合する防振装置であって、

軸方向を上下方向に向けて配される軸部を備えて前記振動体側に取り付けられる第 1取付部材と、

前記軸部を取り囲む開口部を備えて前記支持体側に取り付けられる第 2取付部材と、

前記第 1取付部材の軸部と前記第 2取付部材の開口部との間に介設されて両者を結合することで前記第 1取付部材を前記第 2取付部材に対して上下方向に弾性支持するゴム状弾性体よりなる防振基体とを備え、

前記開口部の内周縁から下方に筒状部が延設され、この筒状部と前記軸部との間に第 1ストッパゴムが設けられるとともに軸直角方向に所定の隙間が確保されることで、前記第 1取付部材と前記第 2取付部材との水平方向における変位を制限する第 1のストッパ部が設けられ、

前記軸部の下端から前記筒状部の下方を外方に向けて延びる延設部が設けられ、この延設部と前記筒状部の下端との間に第 2ストッパゴムが設けられるとともに軸方向に所定の隙間が確保されることで、前記第 1取付部材の前記第 2取付部材に対する上方への変位を制限する第 2のストッパ部が設けられた

ことを特徴とする防振装置。

2 . 前記第 1ストッパゴムが前記防振基体から連なるゴムにより前記筒状部の内周面を被覆して設けられ、前記第 2ストツパゴムが前記第 1ストツパゴムから連なるゴムにより前記筒状部の下面を被覆して設けられた

ことを特徴とする請求項 1記載の防振装置。

3 . 前記第 2取付部材における前記開口部近傍の上面に第 3ストッパゴムが設けられるとともに、前記第 1取付部材にこの第 3ストッパゴムに対して所定の隙間を介して対向するストッパ受け部が設けられ、これにより前記第 1取付部材の前記第 2取付部材に対する下方への変位を制限する第 3のストッパ部が設けられた

ことを特徴とする請求項 1記載の防振装置。

. 前記第 1取付部材が前記軸部である内筒と該内筒を振動体側に連結するブラケットとからなり、該ブラケットが前記内筒の内側に揷通されたボルトにより内筒の上端に固定され、前記内筒の下端には前記ボルトにより板状のストツパ部材が固定され、該ストツパ部材により前記延設部が設けられたことを特徴とする請求項 1記載の防振装置。

. 前記内筒が、金属板のプレス加工により、前記ボルトを所定の隙間をおいて取り囲む筒状をなし、その下端に前記ボルトのための貫通孔を備える底板部と、上端に前記ブラケットの下面に当接される外向きのフランジ部とを備えて形成された

ことを特徴とする請求項 4記載の防振装置。

. 前記第 1取付部材が前記軸部を振動体側に連結するブラケットを備え、前記軸部が、前記防振基体を介して前記第 2取付部材に結合される第 1内筒と、前記第 2取付部材の筒状部との間で前記第 1のストツバ部を形成するとともに下端に前記延設部を備える第 2内筒とで構成され、

前記第 1内筒の内側に揷通されたボルトにより前記第 1内筒の上端には前記ブラケットが固定され、該ボルトにより前記第 1内筒の下端には前記第 2 内筒が固定された

ことを特徴とする請求項 1記載の防振装置。

. 前記第 1内筒が、金属板のプレス加工により、前記ボルトを所定の隙間をおいて取り囲む筒状をなし、その下端に前記ボルトのための貫通孔を備える底板部と、上端に前記ブラケットの下面に当接される外向きのフランジ部とを備えて形成された

ことを特徴とする請求項 6記載の防振装置。