JPWO2020213168A1 - 靴のアウトソール構造 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、スポーツをするときには、足に過大な衝撃が加わるために、屈曲性、クッション性などが重要視される(特許文献1参照)。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の欠点を解消し、足に加わる衝撃から足を十分に保護できるアウトソール構造を提供することにある。
図1において、1はアウトソール本体を示している。
尚、図1は、左足のアウトソールを示し、右足のアウトソールは左右対称となっているため、その図示は省略している。
アウトソール本体1は樹脂により一体成形されており、革製のアッパー50に接着(又は溶着)され、一体化されることにより靴が構成される。本実施形態のアウトソール本体1は、サッカースパイクシューズのアウトソールである。
アウトソール本体1は、図2及び図3Aに示すように、底部の全域を構成する樹脂製の本体部2と、本体部2の表面に配置され、該本体部2の樹脂よりも硬質材料による硬質部3と、の2種類の樹脂により一体成形されている。本構成では、本体部2の厚さが、ほぼ2mmであり、硬質部3の厚さが、ほぼ3mmである。
一般に、足の骨格部分には、図3Aに示すように、母趾球X、小趾球Y、踵Zがある。本明細書では、足の骨格の各部に対応した、アウトソール本体1の相当部分を、母趾球相当部10、小趾球相当部11、踵相当部12などと呼称する。
硬質部3は、母趾球相当部10と小趾球相当部11とを結ぶ線Lから、足の踵相当部12に至るまでのほぼ全域に配置されている。硬質部3の表面には、縦に延びる複数の凹み溝のリブ4(図2参照。)が形成され、強度が高められる。
本実施形態では、厚さの薄い本体部2の裏面に対して、本体部2の厚さのほぼ半分程度の深さ1mm〜2mmの凹み溝を設けることで、以下に詳述するように、アウトソール本体1の厚さを薄くした第1〜第6屈曲部が形成される。第1〜第6屈曲部は、上にも下にも凸の状態で屈曲するが、屈曲角は、ほぼ90°以下である。ここで上、下は、アウトソール本体1の表面側から見ての、上、下である。
アウトソール本体1は、図3Aに示すように、足の親指と人差し指の中間相当部13に、足指の動作に関連して屈曲する第1屈曲部14を備えている。第1屈曲部14は、アウトソール本体1の裏面に対し、図3Bに示すように、凹み溝25を設け、アウトソール本体1の厚さを薄くすることにより形成される。凹み溝25は、一端25Aがアウトソール本体1のつま先先端に開放し、他端25Bが中間相当部13を縦方向に延びて、アウトソール本体1の奥に行くにつれて、幅が狭くなるように略三角形状に形成されている。凹み溝25の溝底には、複数条の細かい溝25Cが、縦方向に延びて形成されている。
この構成では、第1屈曲部14を境界として、アウトソール本体1の左右部分が、足指の動作に関連して屈曲可能である。
この構成では、第2屈曲部16を境界として、アウトソール本体1の前後部分が、足指の動作に関連して屈曲可能である。
この構成では、第3屈曲部18を境界とした、アウトソール本体1の前後部分が、足指の動作に関連して屈曲可能である。第3屈曲部18と、第2屈曲部16とが協働して、第3屈曲部18、第2屈曲部16を境界として、アウトソール本体1の前後部分が、足指の動作に関連して屈曲可能にもなっている。
一般に、足は地面に対して常に平行な状態にあるわけではなく、外側や内側から傾いた状態でも着地することがある。
この構成では、薬指のつま先相当部17に第3屈曲部18を備えるので、指を使えやすくなる、という効果が得られる。
この構成では、第4屈曲部20を境界とした、アウトソール本体1の前後部分が、足指の動作に関連して屈曲する。
この構成では、第5屈曲部22を境界とした、アウトソール本体1の前後部分が、足指の動作に関連して屈曲する。第5屈曲部22と、第4屈曲部20とが協働して、第5屈曲部22、第4屈曲部20を境界とした、アウトソール本体1の前後部分が、足指の動作に関連して屈曲可能にもなっている。
凹み溝30は、一端30Aがアウトソール本体1の側縁部に開放(図1参照。)し、他端30Bがアウトソール本体1のほぼ横方向に延びて、アウトソール本体1の奥に行くにつれて、幅が狭くなるように形成される。凹み溝30は、第4屈曲部20の凹み溝28とほぼ一直線上に配置される。
この構成では、第6屈曲部24を境界とした、アウトソール本体1の前後部分が、足指の動作に関連して屈曲する。第6屈曲部24と、第4屈曲部20とが協働して、第4屈曲部20、第6屈曲部24を境界とした、アウトソール本体1の前後部分が、足指の動作に関連して屈曲可能にもなっている。
上述した硬質部3は、6本の後部のスタッド37〜42の配置の領域にすべて跨って配置されている。硬質部3の存在により、アウトソール本体1の母趾球相当部10、小趾球相当部11、踵相当部12を結ぶ三角形の領域内での硬度が高まるため、スポーツ競技者の運動状態が安定する構成である。
足の骨は脚部を除き片足で26個(種子骨は含まず)、両足52個で構成されており、各骨は靭帯により結合され、骨格が形成されている。靭帯のあるものは骨格の基本的な形を弾力的に保持し、またあるものは骨間にできた関節に自由な動きを与え、あるいは複数の骨で構成される足弓(アーチ)を支え、補強している。
足には骨格が作る4つのばね(足弓)がある。このばねは着地時の衝撃吸収や足底部のなめらかな重心の移動や安定に貢献している。
薬指のつま先相当部17には、アウトソール本体1が上にも下にも凸の状態で屈曲する第3屈曲部18を備える。そのため、薬指で踏ん張る際などに自由度が増す。
第2屈曲部16、第3屈曲部18を境界として、アウトソール本体1の前後部分が、上にも下にも凸の状態で屈曲可能である。そのため、当該境界の足の相当部で踏ん張る際などには、自由度が増すため、運動性が安定する。
小趾球相当部11に、アウトソール本体1が上にも下にも凸の状態で屈曲する第5屈曲部22を備える。従って、小趾球相当部11で踏ん張る際などに、動作性が安定する。
第4屈曲部20、第5屈曲部22を境界として、アウトソール本体1の前後部分が、上にも下にも凸の状態で屈曲する。そのため、足の母趾球相当部10及び小趾球相当部11で踏ん張る際などに、その動作性が安定する。
従って、スポーツ競技者の足の様々な動きに対し、アウトソール本体1が上に凸の状態でも下に凸の状態でも屈曲するため、運動性が格段に安定する。そして、スポーツ競技者の足への負担が大幅に軽減される。
そして、第1〜第6スタッド31〜36は、第1〜第6屈曲部14、16、18、20、22、24の間に配置されている。
本実施形態では、第1〜第6スタッド31〜36、及び、第7〜第12スタッド37〜42は、足裏の力を地面に伝えており、その間に、第1〜第6屈曲部が位置するため、アウトソール本体1が足の動きに応じて、効率よく屈曲する。
従って、スポーツ競技者の足の様々な動きに対し、アウトソール本体1が上に凸の状態でも下に凸の状態でも屈曲するため、運動性が格段に安定する。そして、スポーツ競技者の足への負担が大幅に軽減される。
上述した実施形態では、アウトソール本体1は、ソールとヒールが一体になっており、足の裏の自然なカーブを下から支える構造となっている。本発明は、これ限定されず、アウトソール本体1は、ソールとヒールが別体でもよい。
アウトソール本体1は、サッカーシューズに限定されず、ランニングシューズや、テニス靴や野球靴などのスポーツ専用靴、パンプスやローファーズなどの一般用革靴、スニーカーや、介護靴や、リハビリ靴などにも適用できる。
2 本体部
3 硬質部
10 母趾球相当部
11 小趾球相当部
12 踵相当部
13 中間相当部
14 第1屈曲部
15 親指のつま先側関節相当部
16 第2屈曲部
17 薬指のつま先相当部
18 第3屈曲部
20 第4屈曲部
22 第5屈曲部
24 第6屈曲部
25〜30 凹み溝
31〜42 スタッド
Claims (8)
- アッパーと一体化されて靴を構成する靴のアウトソール構造であって、
アウトソール本体が、足の親指と人差し指の中間相当部、親指のつま先側関節相当部、及び、薬指のつま先相当部に、足指の動作に関連して屈曲する屈曲部を備えた、
ことを特徴とする靴のアウトソール構造。 - 前記アウトソール本体が、足の母趾球相当部、及び、小趾球相当部に、足指の動作に関連して屈曲する屈曲部を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載の靴のアウトソール構造。 - 前記アウトソール本体が、前記薬指のつま先相当部と前記小趾球相当部との間に、足指の動作に関連して屈曲する屈曲部を備えた、
ことを特徴とする請求項2に記載の靴のアウトソール構造。 - 前記屈曲部が、前記アウトソール本体の裏面に凹み溝を形成して構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の靴のアウトソール構造。
- 前記凹み溝が、前記アウトソール本体の側縁部に開放されることを特徴とする請求項4に記載の靴のアウトソール構造。
- 前記アウトソール本体が、底部全域を構成する本体部と、前記本体部の樹脂よりも硬質材料による硬質部と、により一体に樹脂成形され、
前記硬質部は、前記母趾球相当部と前記小趾球相当部とを結ぶ線から、足の踵相当部に至るまでのほぼ全域に配置されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の靴のアウトソール構造。 - 前記アウトソール本体が、スパイクシューズのアウトソール本体であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の靴のアウトソール構造。
- 前記アウトソール本体の前記屈曲部の間にスタッドが配置されていることを特徴とする請求項7に記載の靴のアウトソール構造。
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