JPWO2008132973A1 - ロック装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような異音を防止する技術として、例えば特許文献1に開示されたドアロック装置がある。このドアロック装置は、ドア側に設けられたラッチ機構と、車体側に設けられたストライカーとを備えている。ラッチ機構には、ストライカーを受け入れて互いに係合するラッチが設けられている。このラッチの表面には樹脂コーティングが施され、ストライカーが当たる箇所の樹脂コーティングには弾性による反力を発揮する形状の当接部が形成されている。これにより、ラッチとストライカーとの接触による異音が低減される。
本発明は、この課題を解決しようとするもので、その一つの目的は、ロック機構のロック状態において、フックとポールとの間で異音が発生するのを防止することである。
本発明における他の一つの目的は、フックの係合面とポールとの係合力を強化させることである。
さらに、本発明における他の一つの目的は、ロック機構をロック操作したときのフックとストライカーとの金属接触などによる異音の発生を抑えることである。
互いに係止される二部材の一方に設けられたロック機構と、二部材の他方に設けられたストライカーとからなるロック装置であって、ロック機構は、ストライカーを受け入れ可能な凹部を有するロックベースと、このロックベースに回転可能に軸支され、その回転によりロックベースの凹部との間でストライカーを挟持したロック状態、あるいはストライカーから離れたアンロック状態を形成するフックと、ロックベースに回転可能に軸支され、フックの係合面に対して係合する位置に回転することにより、フックをロック状態に保持するポールとを備えている。そして、フックに対し、その係合面において弾性反発部を構成する樹脂コーティングが設けられている。この弾性反発部は、ロック状態におけるフックの係合面とポールとの間で弾性による反力を発揮する形状に設定されている。
この構成においては、樹脂コーティングの弾性反発部により、ロック状態におけるフックの係合面とポールとの間で異音が発生することを防止できる。
これにより、フックの係合面に樹脂コーティングの弾性反発部が位置しているにもかかわらず、フックの係合面とポールとの係合力が強化される。したがって、ロック状態においてフックをロック解除方向へ回転させる大荷重が生じた場合でも、フックの係合面とポールとの係合が外れるのを防止でき、ロック機構のロック強度が高められる。
このように弾性反発部の当接面において、最も突出した中央部を境とし互いに反対向きに傾斜した斜面を設定することにより、ロック操作時における弾性反発部の当接面とポールとの係合性がよく、かつ、相互の係合力が強化されてロック機構のロック性能がさらに向上する。
これにより、ロック機構をロック操作したときのフックとストライカーとの金属接触などによる異音の発生を抑えることができる。
14 フロア(二部材の他方)
20 ロック機構
22 ロックベース
23 凹部
30 フック
32 係合面
34 樹脂コーティング
35 弾性反発部
40 ポール
50 ストライカー
図1に示されているシートは、例えば三人掛け用のリヤシートであり、この形式のシートを格納するには最初にリクライニング機構13を操作し、図1で示すようにシートクッション10側へシートバック12を倒し込む。これと併行して、シートクッション10のリヤ側下部とフロア14側とを係止しているロック装置のロック解除操作を行う。この後、シートクッション10を、そのフロント側端部を支点として回転させ、シート全体をフロントシート(図示省略)の背面に立てかける。
そのための構造として、シートクッション10のフロント端部は、フロア14に固定されたヒンジブラケット16に対し、回転軸18によって連結されている。シートクッション10のリヤ側下部とフロア14側とを係止しているロック装置の構成は、シートクッション10のリヤ側下部(二部材の一方)に設けられたロック機構20と、フロア14(二部材の他方)に固定されたストライカー50とに大別される。なお、ヒンジブラケット16と回転軸18とによる連結構造およびロック装置は、シートの両サイドにそれぞれ配置される。
ロックベース22は二枚一組であり、両ロックベース22が所定の間隔をもって結合され、それらの間に解除レバー46を除く他の構成部品が挟み込まれた状態で組み付けられている。このロックベース22が、二部材の一方であるシートクッション10のリヤ側下部に対し、支持軸27によって回転可能に支持される。
ロックベース22は、その下部において下向きに開放した凹部23を備えている。この凹部23は、その開放側からストライカー50を受け入れることが可能である。また、凹部23の全縁部は、樹脂コーティング26で被われている。この樹脂コーティング26は、後で説明するロック操作時においてロックベース22とストライカー50との金属接触による異音発生を防止するためのものである。
なお、ロックベース22を付勢しているスプリングの弾性力は、このロックベース22を図2の状態に保つ程度の比較的小さい力に設定されている。
ポール40および解除レバー46は、ロックベース22に回転可能に支持されたポール軸44の軸上にそれぞれ固定されている。ポール40は、フック30の係合面32に接触して受け止めることが可能な係合端面42を有する。解除レバー46には、ロック機構20にロック解除の操作力(引っ張り力)を伝えるケーブル(図示省略)が結合される。この解除レバー46がロック解除の操作力を受けてポール軸44と共に回転し、該ポール軸44を通じてポール40が回転する。なお、フック30と解除レバー46(ポール40)との間には、引っ張りコイルバネを用いたロックスプリング(図示省略)が掛けられており、フック30が図2および図3において反時計回り方向へ付勢され、同時に解除レバー46が時計回り方向へ付勢されている。
同じく樹脂コーティング34において係合面32を被っている部分には、この係合面32とポール40の係合端面42との間で弾性による反力を発揮させるための弾性反発部35が形成されている。すなわち、ポール40の係合端面42は弾性反発部35を介してフック30の係合面32を受け止めることになる。
なお、弾性反発部35の当接面35aが山形状に設定されていることで、この当接面35aがポール40の係合端面42に接触したときに弾性反発部35が変形し易い。また、弾性反発部35の両側部には凹部35bがそれぞれ設けられ、両凹部35bの間にはリブ形状の肉薄部分が残されているだけである(図5)。この構造によっても弾性反発部35が変形しやすく、弾性反発部35の変形に伴う反力でフック30とポール40との間で生じる異音を防止する。
いま、ロック機構20は図2で示すアンロック状態にあるものとする。既に説明したようにフック30は反時計回り方向へ付勢され、その一部がロックベース22のストッパー(図示省略)に当たることで図2の回転位置に保持されている。一方、ポール40は時計回り方向へ付勢され、その先端部がフック30の外周に当たることで図2の回転位置に保持されている。
ロック機構20のロック操作により、ロックベース22の凹部23にストライカー50が相対的に進入し、この進入に伴ってフック30のフック凹部31における一方の端部31aにストライカー50が当たり、フック30をフック軸36の軸心回りに回転させる力が働く。これにより、フック30が前述した付勢力に抗して時計回り方向へ回転し、フック凹部31にストライカー50が係合するとともに、フック凹部31における他方の端部31bと凹部23の奥部との間でストライカー50が挟持される。
図3で示すロック機構20のロック状態において、ロック解除のための操作が行われると、ケーブルを通じて解除レバー46がポール40と共に反時計回り方向へ回転操作される。このため、ポール40の係合端面42がフック30の係合面32から外れ、フック30が前述した付勢力によって反時計回り方向へ回転する。これにより、フック30のフック凹部31がストライカー50から離れ、ロック機構20は再び図2で示すアンロック状態になる。
これらの斜面35a1,35a2の機能について説明すると、ポール40の係合端面42が弾性反発部35の当接面35aに係合する初期段階では、係合端面42が一方の斜面35a1の傾斜によって抵抗なく係合方向へ移動する。そして、係合端面42が当接面35aの中央部を超えた段階では、他方の斜面35a2の傾斜によって係合端面42が係合方向へ導かれるとともに、その係合が保持される。この結果、弾性反発部35の当接面35aとポール40の係合端面42との係合性が良好となり、かつ、相互の係合力が強化される。
すなわち、図6においてポール軸44の軸心44Cを中心として係合面32と係合端面42との接触点を通る円弧の接線L1を係合面32の傾斜としたとき、該接触点を通る法線L2がフック軸36の軸心36Cとポール軸44の軸心44Cとの間にあれば、係合面32(接線L1)は係合端面42に噛み込む方向へ傾斜していることになる。この係合面32の傾斜により、ポール40係合端面42との間に弾性反発部35が位置しているにもかかわらず、相互の係合力が強化される。したがって、ロック状態のフック30をロック解除方向へ回転させる大荷重が生じても、フック30の32からポール40の係合端面42が外れることなく、ロック機構のロック強度が高められる。
なお、ロック機構20とストライカー50との組み付け公差等により、相互の位置にバラツキが生じる。このような場合でも、前述した付勢力を受けているロックベース22が切り込み部28とストッパーピン11とによる規制の範囲内において支持軸27の軸心回りに回転することにより、凹部23にストライカー50を受け入れることができる。つまり、前述のバラツキを吸収してロック性能が維持される。
Claims (4)
- 互いに係止される二部材の一方に設けられたロック機構と、二部材の他方に設けられたストライカーとからなるロック装置であって、
ロック機構は、ストライカーを受け入れ可能な凹部を有するロックベースと、
このロックベースに回転可能に軸支され、その回転によりロックベースの凹部との間でストライカーを挟持したロック状態、あるいはストライカーから離れたアンロック状態を形成するフックと、
ロックベースに回転可能に軸支され、フックの係合面に対して係合する位置に回転することにより、フックをロック状態に保持するポールとを備え、
フックに対し、その係合面において弾性反発部を構成する樹脂コーティングが設けられ、この弾性反発部は、ロック状態におけるフックの係合面とポールとの間で弾性による反力を発揮する形状に設定されているロック装置。 - 請求項1に記載されたロック装置であって、
フックの係合面を、ロック状態のポールに対して噛み込む方向へ傾斜させているロック装置。 - 請求項1又は2に記載されたロック装置であって、
樹脂コーティングの弾性反発部におけるポールとの当接面は、その中央部が最も突出しているとともに、該中央部を境とした両側が互いに反対向きに傾斜した斜面になっているロック装置。 - 請求項1,2又は3に記載されたロック装置であって、
フックの係合面において弾性反発部を構成している樹脂コーティングが、ロックベースの凹部との間でストライカーを挟持する箇所を被っているロック装置。
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