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JP5569230B2 - ロック装置 - Google Patents

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JP5569230B2 JP2010174536A JP2010174536A JP5569230B2 JP 5569230 B2 JP5569230 B2 JP 5569230B2 JP 2010174536 A JP2010174536 A JP 2010174536A JP 2010174536 A JP2010174536 A JP 2010174536A JP 5569230 B2 JP5569230 B2 JP 5569230B2
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Description

本発明は、シートバック等のシート構成部を車両の所定位置に固定するようにロックするロック装置に関する。
自動車等の車両には、乗員が着座する車両用シートが設置されている。このような車両用シートにあっては、車両に適宜設定される固定位置にて、例えばシートバック等のシート構成部をロックする、ロック装置が配設されるものが知られている。
このロック装置は、ストライカを嵌め受けるフックと、このフックにより嵌め受けられたストライカを収容するベース部材と、このように収容されたストライカの収容を保持あるいは解除するポールとを備える。このように構成されるロック装置は、ストライカをベース部材に対して収容保持する係合状態とすることができ、シートバック等のシート構成部を、車両の適宜設定される固定位置にロックすることができる。なお、ストライカがベース部材に収容されるにあたっては、ベース部材に設けられた凹部にて収容される。
ところで、この種のロック装置にあっては、上記したように、ストライカをベース部材に対して収容保持する係合状態としている場合に、さらにフックを回動させるように追込み作用する追込みプレートが設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この追込みプレートが設けられたロック装置にあっては、ストライカを係合状態としている場合に、さらにフックを回動させることによって、凹部に収容保持されるストライカを凹部の内周端に向けて押圧することができ、この収容されるストライカの凹部内の遊び(ガタ)を解消することができる。
国際公開 WO2006/095517
ところで、フックを回動させるための追込みプレートの追込み作用力は、取り付けられた付勢ばねの付勢力によるものとなっている。ここで、付勢ばねの弾性変形の変位量は、フックが凹部の内周端に近づくにつれて小さくなるので、付勢ばねによる付勢力も、フックが凹部の内周端に近づくにつれて小さくなる。このため、フックが凹部の内周端に近づいて外径の小さいストライカを押圧する場合には、外径の大きいストライカを押圧する場合と比較して、小さい押圧力にてストライカを押圧することとなる。
そうすると、ストライカが凹部に上手く押圧されなくなって、このストライカが凹部の内部でガタついてしまう恐れがある。このため、このようなフックが凹部の内周端に近づいた状態でストライカを押圧する場合でも、このフックのストライカを押圧力が小さくなり過ぎてしまわないようにしておきたいという要請がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、シートバック等のシート構成部を車両の所定位置に固定するようにロックするロック装置において、付勢ばね自体の大きさを変更することなく、フックが凹部の内周端に近づいた状態でストライカを押圧する場合でも、このフックの押圧力が小さくなり過ぎてしまわないようにストライカをフックにより押圧できるようにすることにある。
上記した課題を解決するにあたって、本発明に係るロック装置は次の手段を採用する。
なお、このロック装置は、車両に移動可能に装備されるシート等の移動構成要素と、該移動構成要素の移動範囲に位置し該移動構成要素を固定するための車両室内形成部材等の固定構成要素との、一方の要素にストライカが配設され、他方の要素に該ストライカと係合してこれら両要素を固定ロック状態とするものである。
すなわち、本発明の第1の発明に係るロック装置は、上記したように、車両に配設される二部材の一方に設けられるものであり、該二部材の他方に設けられたストライカと係合して該二部材同士を固定ロック状態とするロック装置であって、前記ストライカを受け入れ可能な凹部を具備するベース部材と、前記ベース部材に回動自在に軸支されて該ベース部材が具備する前記凹部との間で前記ストライカを挟み込んで挟持状態とするフックと、前記ベース部材に固定された回動支持軸により回動自在に軸支されて前記挟持状態の前記フックに対して該挟持状態を保持するように係合して固定ロック状態とするポールと、前記ポールの前記回動支持軸により回動自在に軸支され且つ前記固定ロック状態となった前記ストライカを更に挟持する方向に該挟持状態の該フックを更に回動させるように追込み作用する追込みプレートと、前記追込みプレートを前記フックに追込み作用させるように該追込みプレートを付勢するスパイラルスプリングと、を備え、前記スパイラルスプリングは、該スパイラルスプリングの中心位置が前記追込みプレートの回動中心軸となる前記回動支持軸に対してずらされた回動偏心位置に位置するように、内側端側が該回動支持軸に支持されつつ外側端側が前記追込みプレートに係止して、前記追込みプレートを付勢していることを特徴とする。
この第1の発明に係るロック装置によれば、スパイラルスプリングの付勢力によって、追込みプレートは、挟持状態のフックを更に回動させるようにフックに追込み作用する。この追込みプレートを付勢するスパイラルスプリングは、内側端側が回動支持軸に支持されつつ、外側端側が追込みプレートに係止することにより追込みプレートを付勢する。ここで、このスパイラルスプリングは、スパイラルスプリングの中心位置が、追込みプレートの回動中心軸となる回動支持軸に対してずらされた回動偏心位置に位置するようになっているので、この渦巻状のスパイラルスプリングが付勢する付勢方向は、追込みプレートの回動方向からずらされた方向に設定されることとなる。つまり、このスパイラルスプリングの弾性変形の変位方向は追込みプレートの回動方向に沿ったものではならなくなる。このため、スパイラルスプリングの弾性変形の変位量の減少は、追込みプレートの回動に対応して減少しないものとすることができる。
これによって、追込みプレートが回動することによるスパイラルスプリングの弾性変形の変位量の減少は、追込みプレートの回動に対応して変位量が減少する従前の状態と比較して、減少変化の勾配を小さくすることができる。
したがって、フックを更に回動させるように追込みプレートが回動していく場合でも、スパイラルスプリングの付勢力の低下を低減することができて、追込みプレートのフックへの追込み作用力の低下の低減を図ることができることとなる。
もって、この第1の発明に係るロック装置によれば、付勢ばね自体の大きさを変更することなく、フックが凹部の内周端に近づいた状態でストライカを押圧する場合でも、追込みプレートのフックへの追込み作用力の低下を低減できて、このフックの押圧力が小さくなり過ぎてしまわないようにストライカをフックにより押圧することができる。
第2の発明に係るロック装置は、前記第1の発明に係るロック装置において、追込み作用前状態では、前記スパイラルスプリングの中心から該スパイラルスプリングの外側端側までの距離は、前記回動支持軸の中心から該スパイラルスプリングの外側端側までの距離よりも長くなるように設定されており、追込み作用状態では、前記スパイラルスプリングの中心から該スパイラルスプリングの外側端側までの距離は、前記回動支持軸の中心から該スパイラルスプリングの外側端側までの距離よりも短くなるように設定されていることを特徴とする。
この第2の発明に係るロック装置によれば、追込み作用状態では、追込み作用前状態とは反対に、スパイラルスプリングの中心からスパイラルスプリングの外側端側までの距離は、回動支持軸の中心からスパイラルスプリングの外側端側までの距離よりも短くなるように設定されているので、追込みプレートが回動することによるスパイラルスプリングの弾性変形の変位量の減少変化の勾配を効果的に小さくすることができる。
これによって、スパイラルスプリングの付勢力の低下を少なくすることができて、追込みプレートのフックへの追込み作用をストライカのガタつきが無くなるまでストライカを確実に押圧することができる。
第1の発明に係るロック装置によれば、付勢ばね自体の大きさを変更することなく、フックが凹部の内周端に近づいた状態でストライカを押圧する場合でも、追込みプレートのフックへの追込み作用力の低下を低減できて、このフックの押圧力が小さくなり過ぎてしまわないようにストライカをフックにより押圧することができる。
第2の発明に係るロック装置によれば、スパイラルスプリングの付勢力の低下を少なくすることができて、追込みプレートのフックへの追込み作用をストライカのガタつきが無くなるまでストライカを確実に押圧することができる。
ロック装置が配設される車両用シートを示す側面図である。 追込み機構を外したロック装置の内部を示す内部拡大図である。 追込み機構を装着したロック装置の内部を示す内部拡大図である。 追込み前の追込み機構を示す拡大図である。 追込み後の追込み機構を示す拡大図である。 スパイラルスプリングを拡大して示す正面拡大図である。 角度変位に対するトルクの変化を示す比較表である。 角度変位に対するトルクの変化を示す比較グラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1は、ロック装置20が配設される車両用シート10を示す側面図である。図1に示す車両用シート10は、車両としての自動車内部に設置されるものであり、乗員が着座するものである。図1における車両用シート10は、前倒しされたものが示されており、シートクッション11と、シートバック13と、ヘッドレスト14とを備える。また、このシートクッション11は骨組みをなすクッションフレーム111を備え、シートバック13はシートクッション11に対して連結装置12を介して連結されている。
この車両用シート10は、シートクッション11の前後(着座姿勢に対しての前後)個所を車体フロアFと結合させることにより、車体フロアFに対して固定して設置される。具体的には、クッションフレーム111の前方下部は、車体フロアFに固定して設置されるブラケット部材16に対して回動可能に軸支結合されている。また、クッションフレーム111の後方下部には、車体フロアFに固定して設置されるストライカTと係合するロック装置20が設けられている。つまり、本発明に係る二部材の一方に相当するクッションフレーム111の後方下部にはロック装置20が設けられている。また、本発明に係る二部材の他方に相当する車体フロアFにはストライカTが設けられている。そして、ロック装置20は車体フロアFに設けられたストライカTと係合し、車両用シート10(クッションフレーム111)は車体フロアFに対して固定ロック状態とすることができる。なお、ストライカTは、適宜に折曲された円柱状に形成され、車体フロアFに対して上方に突出するように配設されている。
つまり、車両用シート10を固定するための固定構成要素となる車体フロアFには、この車両用シート10の移動範囲に位置するように、ストライカTが配設されている。ここで、車両に移動可能に装備される移動構成要素となる車両用シート10には、次に詳述するロック装置20が配設されている。このロック装置20は、ストライカTと係合して、車体フロアFに対して車両用シート10を固定ロック状態とするようになっている。
次に、ロック装置20について説明する。図2は、ロック装置20の内部を示すにあたって、追込み機構60を外したロック装置20を示す拡大図である。図3は、ロック装置20の内部を示すにあたり、追込み機構60を装着している状態のロック装置20を示す拡大図である。このため、図2では、図3にて描かれる追込み機構60により隠れた部分が見えるようになっている。
図2に示すように、ロック装置20は、概略、ベース部材としてのベースプレート21と、このベースプレート21にて支持される第1軸支部材31および第2軸支部材35と、第1軸支部材31によって回動可能に軸支されるフック40と、第2軸支部材35によって回動可能に軸支されるポール50と、ポール50とを嵌合して略一体化するレバー部材90と、フック40とレバー部材90とに掛けられるコイルスプリング95とを備える。なお、ロック装置20は、図2に示す各種部材に図3に示す追込み機構60が加えられて構成される。
ベースプレート21に配設される回動支持軸について図2を参照しながら説明する。このベースプレート21には、上記したフック40、ポール50、レバー部材90、追込み機構60等を配設するにあたって、これらをベースプレート21に対して回動可能に軸支するための回動支持軸としての第1軸支部材31および第2軸支部材35が、固定して取り付けられる。このため、ベースプレート21には、これらの第1軸支部材31および第2軸支部材35を固定状態で配設するための2つの軸支持孔が設けられている。なお、ベースプレート21は、図1に示すように、上記したクッションフレーム111に対して不図示の螺子止め部材にて取り付けられる。
第1軸支部材31は、フック40を回動可能に軸支するものであり、上記したようにベースプレート21に固定されている。また、第2軸支部材35も、ポール50、レバー部材90、追込み機構60の追込みプレート61を回動可能に軸支するものであり、ベースプレート21に固定されている。なお、ポール50、レバー部材90、追込みプレート61は、この第2軸支部材35に対して互いに重畳するように隣接配置されて軸支されている。この第2軸支部材35には、後に説明するスパイラルスプリング71の内側端部分となる係止内端72を係止するためのスプリング係止溝37が設けられている。なお、このスプリング係止溝37は、後に詳述するスパイラルスプリング71の係止内端72が係止する部分となっており、スプリング係止溝37の中央部分は、追込みプレート61が回動する際の回動中心と一致している。
このベースプレート21には、ストライカTを受け入れ可能とする凹部25が設けられている。この凹部25は、内周端26が円弧形状に形成されつつ、切り欠き範囲が開口側に向かうにしたがって拡大した形状に形成されている。ここで、凹部25の内に配置され円弧形状の最内(図示最上方の位置)部分となる内周端26にあっては、ストライカTの挟持における対向面としての円弧が形成されるものとなっている。このため、フック40にてストライカTを凹部25の内周端26に押圧すると、この凹部25の内周端26に向けてストライカTを押圧することとなる。つまり、この凹部25の内におけるストライカTのガタが無くされるように、ストライカTのガタつき移動が規制される。
次に、フック40について説明する。フック40は、回動することによりベースプレート21の凹部25とともにストライカTを挟み込んで挟持する挟持状態と、回動することによりストライカTの挟持を解除してストライカTをフリーにする挟持解除状態とに状態を切り替え可能に構成される。具体的には、フック40は、図2および図3に示すように、概略、内顎部材41と、外顎部材43とを備える。ここで、この内顎部材41と外顎部材43との間には、ベースプレート21の凹部25とともにストライカTを挟持するための挟持凹部45が形成されるものとなっている。
内顎部材41は、挟持凹部45の内側部分を構成するものであり、第1軸支部材31により回動可能に支持されている。また、この内顎部材41は、外顎部材43と連動するように一体化する遊嵌用ボス42が設けられている。外顎部材43は、挟持凹部45の外側部分を構成するものであり、内顎部材41と同様、第1軸支部材31により回動可能に支持されている。この外顎部材43は、上記した内顎部材41と連動するように、上記した内顎部材41の遊嵌用ボス42が嵌め込まれるボス孔44が設けられている。このようにして内顎部材41と外顎部材43とは、これらの間に挟持凹部45が形成されつつ、連動可能に一体化されてフック40を構成する。
また、このように構成されたフック40は、コイルスプリング95により常時付勢されるものとなっている。具体的には、内顎部材41には、上記した挟持凹部45配設側とは反対側位置において、コイルスプリング95の一端が掛けられる引掛け部46が形成されている。この内顎部材41の引掛け部46には、コイルスプリング95の一端が掛けられるものとなっている。なお、コイルスプリング95の他端は、後に説明するレバー部材90の引掛け部96に掛けられる。このため、内顎部材41を含むフック40は、コイルスプリング95の弾性収縮力によって図示左回り方向に付勢されている。なお、これに対してレバー部材90は、コイルスプリング95の弾性収縮力によって図示右回り方向に付勢されるようになっている。
ところで、上記した挟持凹部45は、ストライカTを受け入れ可能とする凹形状にて形成されるものであり、開口方向がベースプレート21の凹部25の開口方向と交差する方向に向いている。このため、ベースプレート21の凹部25とフック40の挟持凹部45との開口方向が同方向に向いている場合には、ストライカTの挟持を解除してストライカTをフリーにする挟持解除状態となり、これらの開口方向が交差方向に向いている場合には、ストライカTを挟持する状態となる。
また、このように構成されたフック40は、上記したストライカTを挟持する状態となっている場合に、ポール50にてフック40の回動を規制するように構成されている。具体的には、フック40を構成する外顎部材43にあっては、ストライカTを挟持する状態となっている場合に、この状態のフック40の回動を規制するようにポール50と当接するものとなっている。具体的には、外顎部材43は、ストライカTを挟持する状態となっている場合のフック40の回動を規制するためのポール当接受け部47が設けられている。このポール当接受け部47は、フック40の回動径方向外側に適宜に突出した形状を有して形成されており、フック40の回動方向に沿ってポール50の当接端部55と面当接することができるように形成されている。このため、このように外顎部材43のポール当接受け部47がポール50の当接端部55と面当接している場合には、コイルスプリング95による回動付勢によるフック40の回動は規制されて、ストライカTを挟持する状態は維持されることとなる。また、この外顎部材43にあっては、後に説明する追込み機構60(図3参照)の追込みプレート61による追込み作用を受けるための追込み用ボス49が設けられている。なお、後に詳述するが、追込み用ボス49には、追込み機構60の追込みプレート61の傾斜当接面65が当接する。つまり、傾斜当接面65のうち追込み用ボス49が当接する個所は、追込みプレート61の回動に沿って傾斜当接面65上を移動するものとなっており、この当接する個所の移動によってフック40に対して追込み作用を受けさせるものとなっている。
次に、ポール50について図2を参照しながら説明する。ポール50は、上記した第2軸支部材35により回動可能に支持されるものであり、ストライカTを挟持する状態(挟持状態)のフック40の回動を規制するように機能する。つまり、ポール50は、ストライカTを挟持する状態のフック40に対して、このフック40の挟持する状態を保持するように係合して、上記した固定ロック状態とするように機能する。このため、ポール50は、回動中心位置に第2軸支部材35を挿通するための挿通孔51が設けられており、回動径方向外側の外端部分にポール当接受け部47に面当接するための当接端部55が形成されている。ここで、ポール50は、このポール50の当接端部55がフック40のポール当接受け部47と面当接している場合に、フック40の挟持する状態を保持するように固定ロックしたものとなる。なお、このポール50には、レバー部材90と連動させるように、レバー部材90の遊嵌用ボス92が嵌め込まれるボス孔54が設けられている。また、このポール50には、後に説明する追込みプレート61のEA孔63に内に遊嵌される遊嵌用凸部52も設けられている。
レバー部材90について図2を参照しながら説明する。レバー部材90は、乗員のロック解除操作によってポール50を強制的に回動させるものである。なお、このレバー部材90も、ポール50と同様に上記した第2軸支部材35により回動可能に支持されている。また、レバー部材90は、乗員のロック解除操作によって引っ張られる操作ケーブル97(図2においては一部のみ図示)が連結されている。このレバー部材90にあっては、ポール50と連動するように、ポール50のボス孔54に嵌め込まれる遊嵌用ボス92が設けられている。つまり、レバー部材90は、操作ケーブル97からの乗員のロック解除操作を受けることによって、ポール50も連動させることができるようになっている。つまり、乗員のロック解除操作を受けることによって、ポール50は強制的に回動させられて、ポール当接受け部47に対する当接端部55の面当接を解除し、フック40のストライカTを挟持する状態は解除される。なお、このレバー部材90にあっては、上記したようにコイルスプリング95の他端を掛ける引掛け部96が設けられている。
次に、追込み機構60について図3〜図5を参照しながら説明する。なお、図4は、追込み前の追込み機構60を示す拡大図である。図5は、追込み後の追込み機構60を示す拡大図である。すなわち、図4および図5に示すように、追込み機構60は、ポール50により固定ロック状態となったストライカTを挟持するフック40を更に挟持する方向に更に回動させるように追込み作用するように機能するものである。
追込み機構60は、図4に示す状態から図5に示す状態に変化するように、更にストライカTを挟持する方向に挟持状態のフック40を回動させるものとなっている。この追込み機構60は、概略、追込みプレート61と、スパイラルスプリング71とを備える。なお、追込みプレート61は、フック40を更に挟持する方向に更に回動させるように追込み作用するように機能する直接的な部材であり、スパイラルスプリング71は、このようにフック40に追込み作用させるにあたって追込みプレート61を付勢する部材である。
追込みプレート61は、図3に示すように、上記したポール50を回動可能に支持する第2軸支部材35によって回動可能に支持されている。このため、図4および図5に示すように、追込みプレート61の回動中心S1位置には、第2軸支部材35を挿通する挿通孔62が設けられている。また、追込みプレート61の外周部分には、上記したフック40の追込み用ボス49に当接する傾斜当接面65が形成されている。この傾斜当接面65は、追込みプレート61が図示右回りした場合に、当接するフック40の追込み用ボス49を追込みプレート61の回動中心S1位置から遠ざける傾斜形状にて形成されている。なお、この追込みプレート61による回動中心S1位置から追込み用ボス49を遠ざける作用が追込み作用となっている。また、傾斜当接面65は、追込み用ボス49への追込み作用が限界端位置には、追込み作用を限界規制する規制用凸部66が設けられている。また、この追込みプレート61にあっては、挿通孔62から傾斜当接面65との間が、中抜き(いわゆる肉抜き)されたEA(Energy Absorb)孔63として形成されている。さらに、上記した追込みプレート61のうち、傾斜当接面65が形成される側とは反対側の部分には、次に説明するスパイラルスプリング71の外側端部分となる係止外端73が係止するスプリング係止部68が形成されている。このスプリング係止部68は、追込みプレート61の回動中心位置から回動径方向外側に腕状に突出した形状を有して形成されており、次に説明するスパイラルスプリング71の係止外端73が係止するものとなっている。
スパイラルスプリング71は、図3に示すように、偏心形渦巻状に形成されており、係止内端72が第2軸支部材35のスプリング係止溝37に係止しており、係止外端73が追込みプレート61のスプリング係止部68に係止している。なお、このスパイラルスプリング71は、内側端部分となる係止内端72をスプリング係止溝37に係止させ、外側端部分となる係止外端73をスプリング係止部68に係止させるにあたっては、自然長となっているスパイラルスプリング71を渦巻きの巻き方向に引っ張った状態で互いを係止させるようにしている。ここで係止内端72が係止するスプリング係止溝37は第2軸支部材35によって固定状態となっているので、スパイラルスプリング71が自然長に戻ろうとする付勢力は、係止外端73が図示右回りに移動させようとする動きとして付勢するものとなっている。つまり、上記した係止内端72および係止外端73が係止するスパイラルスプリング71は、追込みプレート61を図示右回りに回動させるように追込みプレート61を付勢するものとなる。
次に、スパイラルスプリング71の具体的な形状について説明する。なお、図6は、スパイラルスプリング71を拡大して示す正面拡大図である。図6に示すように、スパイラルスプリング71は、広く利用される通常のスパイラルスプリングとは異なり、偏心形渦巻状に形成されるものとなっている。すなわち、特に図示しないが、広く利用される通常のスパイラルスプリングは螺旋状に形成された渦の中心位置に係止用内側端となる係止内端が位置するようになっているが、この実施の形態におけるスパイラルスプリング71の係止内端72は螺旋状に形成された渦の中心S2位置から変位した偏心位置(回動中心S1)に位置するように設定されている。具体的には、図6に示すように、スパイラルスプリング71の係止内端72は、追込みプレート61の回動中心S1となる第2軸支部材35に配設されるスプリング係止溝37に対して係止するものとなっている。ここで、このスパイラルスプリング71の中心S2位置は、この追込みプレート61の回動中心S1となる第2軸支部材35に対してずらされた追込みプレート61の回動偏心となる渦中心S2の位置に位置するように設定されるものとなっている。なお、この追込みプレート61の回動中心S1と、回動偏心となる渦中心S2との間の偏心長(ずらし長さ)は、スパイラルスプリング71の大きさや巻き量を鑑みて、適宜に設定されるものとなっている。
ここで、内側端側となる係止内端72が上記したように渦中心S2から変位した偏心位置となる回動中心S1に設定されてスプリング係止溝37に係止するのに対して、外側端側となる係止外端73は次にように設定されている。
すなわち、図4に示すように、スパイラルスプリング71による追込み作用前状態にあっては、図6に示すように、スパイラルスプリング71の自然長(図示符号731)に対する角度変位は70度〜120度の間に設定されている。ここで、図6に示すように、スパイラルスプリング71の渦中心S2から係止外端733(73)までの距離l2は、追込みプレート61の回動中心S1から係止外端733(73)までの距離L2よりも長くなるように設定されている。つまり、追込み作用前状態では、スパイラルスプリング71は「l2>L2」が成立するように配設されている。
これに対して、図5に示すように、スパイラルスプリング71による追込み作用状態にあっては、スパイラルスプリング71の自然長(図示符号731)に対する角度変位は70度以下の範囲に設定されている。ここで、図6に示すように、スパイラルスプリング71の渦中心S2から係止外端732(73)までの距離l1は、追込みプレート61の回動中心S1から係止外端732(73)までの距離L1よりも短くなるように設定されている。つまり、追込み作用状態では、スパイラルスプリング71は「L1>l1」が成立するように配設されている。
ここで、図6にて示すように、『追込みプレート61を[回動させるトルク]=スパイラルスプリング71の[ばねトルク]×L÷l』となっている。なお、L=[回動中心S1から係止外端73までの距離]であり、l=[渦中心S2から係止外端73までの距離]である。このため、追込み作用状態における追込みプレート61を[回動させるトルク]は、、l=[渦中心S2から係止外端73までの距離]の変位量を、L=[回動中心S1から係止外端73までの距離]の変位量と比較して相対的に小さく変化勾配とすることができる。
このため、この実施の形態におけるロック装置20によれば、次のような作用効果を奏することができることとなる。
すなわち、このロック装置20によれば、スパイラルスプリング71の付勢力によって、追込みプレート61は、挟持状態のフック40を更に回動させるようにフック40に追込み作用することができる。つまり、この追込みプレート61を付勢するスパイラルスプリング71は、係止内端72が第2軸支部材35に支持されつつ、係止外端73が追込みプレート61に係止することにより追込みプレート61を付勢することとなる。ここで、このスパイラルスプリング71は、スパイラルスプリング71の(渦の)中心S2の位置が、追込みプレート61の回動中心S1となる第2軸支部材35の中心位置に対してずらされた回動偏心位置に位置するようになっているので、この渦巻状のスパイラルスプリング71が付勢する付勢方向は、追込みプレート61の回動方向からずらされた方向に設定されることとなる。つまり、このスパイラルスプリング71の弾性変形の変位方向は追込みプレート61の回動方向に沿ったものではならなくなる。このため、スパイラルスプリング71の弾性変形の変位量の減少は、追込みプレート61の回動に対応して減少しないものとすることができる。
これによって、追込みプレート61が回動することによるスパイラルスプリング71の弾性変形の変位量の減少は、追込みプレート61の回動に対応して変位量が減少する従前の状態と比較して、減少変化の勾配を小さくすることができる。したがって、フック40を更に回動させるように追込みプレート61が回動していく場合でも、スパイラルスプリング71の付勢力の低下を低減することができて、追込みプレート61のフック40への追込み作用力の低下の低減を図ることができることとなる。もって、上記したロック装置20によれば、このスパイラルスプリング(付勢ばね)自体の大きさを変更することなく、フック40が凹部25の内周端26に近づいた状態でストライカTを押圧する場合でも、追込みプレート61のフック40への追込み作用力の低下を低減できて、このフック40の押圧力が小さくなり過ぎてしまわないようにフック40がストライカTを押圧することができる。
図7は、スパイラルスプリング71の角度変位に対するトルクの変化を示す比較表である。また、図8は、スパイラルスプリング71の角度変位に対するトルクの変化を示す比較グラフであり、図7の比較表に基づき作成したものである。なお、図7および図8において行う比較は、広く利用される通常のスパイラルスプリングを利用していた従前のロック装置と、係止内端72が偏心位置に設定されるスパイラルスプリング71を利用した実施の形態のロック装置20との間におけるものである。
すなわち、上記したロック装置20によれば、追込み作用状態における追込みプレート61を[回動させるトルク]は、L=[回動中心S1から係止外端73までの距離]の変位量と比較して、l=[渦中心S2から係止外端73までの距離]の変位量を相対的に小さくすることができる。つまり、追込み作用状態では、追込み作用前状態とは反対に、スパイラルスプリング71の渦中心S2からスパイラルスプリング71の係止外端73までの距離lは、第2軸支部材35の回動中心S1からスパイラルスプリング71の係止外端73までの距離Lよりも短くなるように設定されている。これによって、図8に示すように、追込みプレート61が回動することによるスパイラルスプリング71の弾性変形のトルクの変化勾配は、従前の広く利用される通常のスパイラルスプリングを利用した場合と比較して効果的に小さくすることができる。もって、スパイラルスプリング71の付勢力の低下を少なくすることができて、追込みプレート61のフック40への追込み作用をストライカTのガタつきが無くなるまで、凹部25の内に配置され円弧形状の最内となる内周端26に向けてストライカTを押圧することができる。
なお、本発明に係るロック装置にあっては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、次のように適宜個所を変更して構成するようにしてもよい。
すなわち、上記したロック装置20にあっては、車両用シート10のクッションフレーム111の後方下部にて配設されるものについて説明するものであった。しかしながら、本発明に係るロック装置は、例えば車両の後部のバックドアに対して配設されるものであってもよく、車両に移動可能に装備される移動構成要素と該移動構成要素を固定するための固定構成要素との何れか一方の構成要素に対して配設されるものであれば、適宜の車両構成要素に対して配設することができるものである。
また、本発明に係るロック装置を構成するにあたっての、ベース部材、フック、ポール、追込みプレートにあっては、上記した実施の形態における構成に限られるものではなく、適宜の部分を変更して構成されるものであってもよいものである。例えば、上記した実施の形態におけるフックにあっては、分割構成されるものであった。しかしながら、これが一部材でフックとして構成されるものであってもよい。
10 車両用シート
11 シートクッション
111 クッションフレーム
12 連結装置
13 シートバック
14 ヘッドレスト
16 ブラケット部材
20 ロック装置
21 ベースプレート(ベース部材)
25 凹部
26 内周端
31 第1軸支部材(回動支持軸)
35 第2軸支部材(回動支持軸)
37 スプリング係止溝
40 フック
41 内顎部材
42 遊嵌用ボス
43 外顎部材
44 ボス孔
45 挟持凹部
46 引掛け部
47 ポール当接受け部
49 追込み用ボス
50 ポール
51 挿通孔
52 遊嵌用凸部
54 ボス孔
55 当接端部
60 追込み機構
61 追込みプレート
62 挿通孔
63 EA孔
65 傾斜当接面
66 規制用凸部
68 スプリング係止部
71 スパイラルスプリング
72 係止内端(スパイラルスプリングの内側端)
73(731,732,733) 係止外端(スパイラルスプリングの外側端)
90 レバー部材
92 遊嵌用ボス
95 コイルスプリング
96 引掛け部
97 操作ケーブル
F 車体フロア
T ストライカ
S1 回動中心
S2 渦中心

Claims (1)

  1. 車両に配設される二部材の一方に設けられるものであり、該二部材の他方に設けられたストライカと係合して該二部材同士を固定ロック状態とするロック装置であって、
    前記ストライカを受け入れ可能な凹部を具備するベース部材と、
    前記ベース部材に回動自在に軸支されて該ベース部材が具備する前記凹部との間で前記ストライカを挟み込んで挟持状態とするフックと、
    前記ベース部材に固定された回動支持軸により回動自在に軸支されて前記挟持状態の前記フックに対して該挟持状態を保持するように係合して固定ロック状態とするポールと、
    前記ポールの前記回動支持軸により回動自在に軸支され且つ前記固定ロック状態となった前記ストライカを更に挟持する方向に該挟持状態の該フックを更に回動させるように追込み作用する追込みプレートと、
    前記追込みプレートを前記フックに追込み作用させるように該追込みプレートを付勢するスパイラルスプリングと、を備え、
    前記スパイラルスプリングは、該スパイラルスプリングの中心位置が前記追込みプレートの回動中心軸となる前記回動支持軸に対してずらされた回動偏心位置に位置するように、内側端側が該回動支持軸に支持されつつ外側端側が前記追込みプレートに係止して、前記追込みプレートを付勢しており、
    追込み作用前状態では、前記スパイラルスプリングの中心から該スパイラルスプリングの外側端側までの距離は、前記回動支持軸の中心から該スパイラルスプリングの外側端側までの距離よりも長くなるように設定されており、
    追込み作用状態では、前記スパイラルスプリングの中心から該スパイラルスプリングの外側端側までの距離は、前記回動支持軸の中心から該スパイラルスプリングの外側端側までの距離よりも短くなるように設定されており、
    前記追込みプレートが係止される前記スパイラルスプリングの外側端部分の付勢方向が、該追込みプレートの前記回動中心軸から該スパイラルスプリングの前記中心位置に向かうようにされてあることを特徴とするロック装置。


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