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JPH115137A - 中空軸を有する鍛造品の製造方法 - Google Patents

中空軸を有する鍛造品の製造方法

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Publication number
JPH115137A
JPH115137A JP17105497A JP17105497A JPH115137A JP H115137 A JPH115137 A JP H115137A JP 17105497 A JP17105497 A JP 17105497A JP 17105497 A JP17105497 A JP 17105497A JP H115137 A JPH115137 A JP H115137A
Authority
JP
Japan
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shaft portion
finishing
yoke
punch
deep hole
Prior art date
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Pending
Application number
JP17105497A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiji Hirose
明次 広瀬
Satoshi Konuma
智 小沼
Yasuhiro Tashiro
安宏 田代
Shinji Takeda
伸二 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aichi Steel Corp filed Critical Aichi Steel Corp
Priority to JP17105497A priority Critical patent/JPH115137A/ja
Publication of JPH115137A publication Critical patent/JPH115137A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、仕上げ鍛造の際に用いる上型の寿
命を長くし、同時に仕上げ鍛造の際のストロークを短く
でき、更に製造の一時的中断を減らすことができる、耳
部をもつ鍛造品の製造方法を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 第1荒地材製造工程において、軸部31
とヨーク部32と浅孔33とを備えた第1荒地材3を得
る際に、ヨーク部32の形状を製品形状にまで加工して
おく。その後、第2荒地材製造工程において、後方押出
により該軸部31を伸長して、深孔43を有する伸長軸
部41を備えた第2荒地材4を得る。次いで、仕上鍛造
工程において、深孔43の底部に達しない長さを有する
仕上ポンチを該深孔43に挿入しつつ、ヨーク部42を
仕上げ加工して、中空軸を有する鍛造品5を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スリーブヨーク又
はステアリングヨーク等の、二股U字状、二股V字状又
はカップ状等のヨーク部と孔つき軸部とをもち、中空軸
を有する鍛造品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スリーブヨークを例にとって従来技術に
ついて以下で説明する。 (1)前方押し出し成形により軸部を伸長する鍛造方法 従来、スリーブヨークを鍛造する工程においては、ま
ず、丸棒材を鍛造して図10に示すような第1荒地材3
を製造する。この第1荒地材3は、軸部31と、軸部3
1の一端部に設けられ二股U字状をなすヨーク部32
と、ヨーク部32の股部に軸方向に形成された浅孔33
とを備えている。
【0003】そして、次に、図11に示す工程でその第
1荒地材3を鍛造して、図12に示すような第2荒地材
4を得る。この工程においては、図11に示すように、
熱間状態の第1荒地材3の軸部31を鍛造型のキャビテ
ィに挿入した状態でヨーク部を仕上成形すると共に、浅
孔33内にポンチ型C3Pを押入し、これにより浅孔3
3を深く変形させると共に、軸部31を押入れ方向(図
11の矢印方向)に伸長させる。この工程により、図1
2に示すような深孔43をもつ伸長軸部41を備えた第
2荒地材4を得る。そしてその後、ヨーク部外周のバリ
を除去すると共に、上記深孔43を上気伸長軸部41の
端部付近において貫通させることによりスリーブヨーク
を製造する。
【0004】しかし、この鍛造方法では、浅孔33内に
ポンチ型C3Pを押入し、軸部31を引張って伸長させ
る際に、鍛造条件によっては、引張り力により軸部31
にくびれやちぎれが発生することがあった。そのため伸
長軸部41の鍛流線も破断する問題があり、スリーブヨ
ークの強度確保上不利であった。
【0005】更に、従来の鍛造方法では、ポンチ型C3
Pを浅孔33内に挿入する際に、浅孔33、軸部31の
芯ズレがあると、深穴成形時に偏肉が助長されると共
に、ポンチ型C3Pに曲げの力がかかり、ポンチ型C3
Pが折れるという問題があった。よってこの鍛造方法に
おいては、伸長軸部41の偏肉及びポンチ型の折れを少
なくしようとすると深孔43の深さに限界があり、伸長
軸部41の長さが長くなると、図12に示すように深孔
43の反対側にも逆孔44を設ける必要があった。
【0006】(2)後方押し出し成形により軸部を伸長
する鍛造方法 上記の問題を解決した鍛造方法として、特開平2−18
7230号公報に示すような鍛造方法がある。即ち、ポ
ンチ型C3Pにより浅孔33を深く変形させると同時に
軸部31を伸長させる工程において、図13に示すよう
に、第1荒地材3のヨーク部32を非拘束状態とし、下
型C3Lのキャビティ(凹部)により軸部31の端部3
1bを拘束状態として、ポンチ型C3Pを浅孔33内に
押し入れると同時に、軸部31の素材を下型のキャビテ
ィの開口方向(ポンチ型C3Pの押入方向と反対の方
向、図13の矢印方向)へ後方押出しする鍛造方法であ
る。
【0007】本鍛造方法によれば、軸部31の素材は下
型C3Lのキャビティの底部から開口に向かって押し出
され、これにより軸部31の伸長が達成される。このた
め、本方法においては、伸長軸部41のちぎれ、偏肉の
問題は発生しない。そして、浅孔33を深く変形させ軸
部31を伸長した後、図14に示すように、第2荒地材
4を仕上げ鍛造する点は、上記の前方押し出し成形によ
る鍛造方法と同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】第2荒地材4を仕上げ
鍛造する工程において使用する仕上上型は、図14に示
すように、ヨーク部等を仕上げ成形する仕上上型C5U
と、深孔43の変形を防止し深孔43内を仕上げ成形す
る仕上ポンチ部C5Pとからなる。そして、通常、図1
4に示すように、仕上ポンチ部C5Pは仕上上型C5U
に固定され、挿入時は深孔43の底部に達している。
【0009】しかし、この仕上ポンチ部C5Pは、仕上
げ鍛造時に、深孔43の底部からの反力である圧縮力
や、深孔43の側部からの反力である曲げ力を受けるこ
ととなる。このため、仕上ポンチ部C4Pが仕上上型C
5Uから突出している基部に応力が集中することとな
り、仕上ポンチ部C5P及び仕上上型C5Uの寿命が短
くなっている。
【0010】また、最近、伝達トルクの向上のために製
品(スリーブヨーク)の伸長軸部41の長さが長くなっ
てきており、その分、仕上ポンチ型C5Pの長さも長く
なっている。このため、一層、曲げ・圧縮により仕上ポ
ンチ型C5Pや仕上上型C5Uが受ける応力が大きくな
っており、その結果、割れや折損が多くなっている。
【0011】更に、仕上ポンチ部C5Pの長さの長さが
長いと、第2荒地材4の設置及び仕上鍛造後の仕上鍛造
材5の取り出しをするための仕上ポンチ部C5Pと仕上
下型C5L間の隙間が小さくなり、上記設置及び仕上鍛
造材5の取り出しがしにくくなる。また一方で、仕上ポ
ンチ部C5Pを仕上鍛造材5の深孔53から引き抜き、
仕上鍛造材5と干渉しない十分な間隔を空けて持ち上げ
られるだけの、大きな隙間をつくることができるストロ
ークの長い鍛造機(いわゆる、ロングストロークタイプ
のプレス)が必要とされることとなる。このため、汎用
の鍛造機を用いることができなくなってしまう。また、
第2荒地材4の深孔43内に挿入された仕上ポンチ部C
5Pが長いため、仕上鍛造後に仕上ポンチ部C5Pが深
孔53内に張りついてしまい、型抜きができずに製造作
業の一時的中断(いわゆる「チョコ停」)が頻発するこ
とにもなる。
【0012】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、仕上げ鍛造の際に用いる上型の寿
命を長くし、同時に仕上げ鍛造の際の必要ストロークを
短くでき、更に製造の一時的中断を減らすことができ
る、中空軸を有する鍛造品の製造方法を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
中空軸を有する鍛造品の製造方法であって、以下のよう
な工程を有することを特徴とするものである。まず、第
1荒地材製造工程において、軸部と、該軸部の一端に設
けられたヨーク部と、該ヨーク部の股部に軸方向に設け
られる浅孔とを備えた第1荒地材を得る。この工程にお
いて、該ヨーク部の形成時に該ヨーク部の形状を製品形
状にまで加工する。ここで、「軸方向」とは、軸部の長
手方向のことである。「製品形状にまで加工する」と
は、仕上工程で加工される角部のアールやフラッシュア
ール等を除いて概略、形状を仕上形状にまで加工するこ
とである。
【0014】その後、第2荒地材製造工程において、上
記第1荒地材の該軸部を荒地下型に設けられた荒地凹部
に挿入することにより該軸部の先端及び側外周を略拘束
状態とし、該第1荒地材の該ヨーク部を非拘束状態とす
ると共に、該浅孔にポンチ型を軸方向に押入することに
より、該浅孔を深く変形させ、同時に、該軸部の素材を
該荒地凹部の開口方向に後方押出して、該軸部を伸長し
て、該第1荒地材の浅孔を有する軸部を深孔を有する伸
長軸部とすることにより、深孔を有する伸長軸部を備え
た第2荒地材を得る。
【0015】次いで、仕上鍛造工程において、該第2荒
地材の該伸長軸部を仕上下型に設けられた仕上凹部に挿
入することにより該伸長軸部の先端及び側外周を略拘束
状態とし、該伸長軸部の該深孔の内壁を略拘束状態とす
る断面形状を有し且つ該深孔の底部に達しない長さを有
する仕上ポンチを該深孔に挿入しつつ、仕上上型及び仕
上下型により該ヨーク部を仕上げ加工して、中空軸を有
する仕上鍛造品を得る。
【0016】また、請求項2記載の発明は、上記第1荒
地材製造工程と、上記第2荒地材製造工程と、仕上鍛造
工程と、を備え、更に、該仕上鍛造工程の後に上記深孔
を上記伸長軸部の端部において貫通させる軸孔貫通工程
とを備えることを特徴とする中空軸を有する鍛造品の製
造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる鍛造品の製
造方法をスリーブヨークに適用した一実施例について図
1〜図9を参照して説明する。 (1)中間材の製造 まず、図4に示す直径約60mm、長さ約80mmの丸
棒材1を用い、その丸棒材1をすえこみ鍛造して図5に
示す軸部21と大径頭部22とからなる中間材2を得
る。この工程は、従来と同様、軸部前方押出成形であ
り、ヨーク部と軸部のボリューム配分を行うものであ
る。尚、丸棒材1の材質は、例えば炭素鋼、合金鋼等で
ある。しかし、本発明の加工対象の材質は適宜選択で
き、鍛造可能なものであればよい。
【0018】(2)第1荒地材の製造 次に、中間材2を熱間状態で荒地鍛造し、図6に示すよ
うな第1荒地材3を得る。第1荒地材3は、軸部31
と、軸部31の端部31aに設けられ二股U字状をなす
厚肉状のヨーク部32と、ヨーク部32の股部に軸方向
に形成された浅孔33とを備えている。尚、第1荒地材
3の浅孔33は、第2荒地材製造工程におけるポンチ型
D3Pの挿入を案内する役目がある。また、この浅孔3
3の孔深さは、第2荒地材製造工程の後方押出しの際に
下型D3Lの上面よりも深く成形するように設定する。
【0019】この工程においては、ヨーク部32の形成
時にヨーク部32の形状を、角部のアールやフラッシュ
アール等を除いて概略、形状を仕上形状にまで加工して
おく。即ち、従来はこの工程において軸部の浅孔あけと
ヨーク部の荒成形を行っていたものであるが、本実施例
においては、従来と同様の浅孔33あけと、ヨーク部3
2の概略仕上形状にまで成形を行うものである。
【0020】この工程で、ヨーク部32の形状を、概
略、形状を仕上形状にまで加工しているため、後述する
仕上鍛造工程においては、第2荒地材を大きく変形させ
ることなく仕上げ加工をすることができる。ここで、本
実施例では、軸部31の他端部31bの端面からヨーク
部32の中間位置までの寸法L1は125.6mm前後
(124mm〜127mm)であり、ヨーク部32の幅
寸法L2は76mm前後(74mm〜78mm)であ
る。
【0021】(3)第2ヨーク荒地材の製造(第2荒地
材製造工程) 次に、第2荒地材製造工程では、図1及び2に示すよう
に、第1荒地材3の軸部31を下型D3Lのキャビティ
D3L1内に挿入して、粗形材3の軸部31の端部31
bの端面を下型D3Lの底型面D3Laに接触させて拘
束する。この時、軸部31の側外周面31dは下型D3
Lの側型面D3Lbに所定のクリアランスを介して対面
している。
【0022】そして、第1荒地材3のヨーク部32は、
図1に示すように、いずれの型面にも接触しておらず非
拘束状態である。この工程における下型D3Lが、特許
請求の範囲記載の「荒地下型」に相当するものであり、
キャビティD3L1が、「荒地凹部」に相当するもので
ある。
【0023】その状態で、プレス装置を作動させて、熱
間状態の第1荒地材3の浅孔33内に、ポンチ型D3P
を浅孔33の深さ方向に強制的に押入する。この結果、
浅孔33を囲む軸部31の側外周面31dが押し出さ
れ、下型D3Lの側型面D3Lbに圧接すると共に、浅
孔33が深く変形される。
【0024】更に、ポンチ型D3Pを囲む軸部31の素
材がキャビティD3L1内でポンチ型D3Pの押入方向
と反対の方向、つまり図2に示す矢印方向へ後方押出さ
れる。この場合、軸部31の他端部31bの端面が下型
D3Lの底型面D3Laに拘束されているので、ポンチ
型D3Pの押し込み量は、軸部31がポンチ型D3Pの
押入方向と反対の方向へ後方押出される後方押出量にほ
ぼ相当する。この工程におけるポンチ型D3Pが、特許
請求の範囲記載の「ポンチ型」に相当する。
【0025】その結果、図2に示すように、軸部31は
長さ方向に伸長してポンチ型D3Pの外面を外側から囲
むようになり、この結果図7に示すような深孔43をも
つ伸長軸部41を備えた第2荒地材4が得られる。尚、
図7に示す第2荒地材4において、伸長軸部41の端部
41bの端面とヨーク部42の中間位置までの寸法L4
は145.1mm前後(144mm〜147mm)であ
り、ヨーク部42の幅寸法L5は76mm前後(74m
m〜78mm)である。
【0026】この工程では、第1荒地材3のヨーク部3
2を非拘束状態としつつポンチ型D3Pを浅孔33内に
押入して、軸部31の素材を後方押出しする方式を採用
しているため、軸部31には引張り力が作用せず、従っ
て、伸長軸部41を形成する際にくびれやちぎれが発生
することを回避できる。更に、伸長軸部41の鍛流線
は、軸方向に一様に流れるため製品強度も向上する。
【0027】またこの工程では、ポンチ型D3Pを浅孔
33内に押入して軸部31の素材を後方押出しする際
に、ヨーク部32を非拘束状態とする方式を採用してい
るために、後方押出し部分は後方へ逃げることができ、
後方押出し現象を効果的に行うことができる。従って、
後方押出しの際にポンチ型D3Pに過剰な荷重が作用す
ることを回避でき、後方押出しの際のポンチ型D3Pの
偏心を軽減又は回避できる。このため、第2荒地材4の
伸長軸部41の偏肉の抑制に有利である。
【0028】尚、図9にポンチ型D3Pの側面図を示
す。図9に示すようにポンチ型D3Pはつば部D3P1
と大径部D3P2と円錐部D3P3と棒部D3P4とで
形成されている。棒部D3P4の先端部には、棒部D3
P4の胴部D3P4aの端部から突出した膨出部D3P
4bが形成されている。また、膨出部D3P4bは第2
荒地材鍛造時における第2荒地材への張り付き及び焼き
付きを防止するため、棒部D3P4より外径を小さく設
定している。
【0029】(4)仕上鍛造工程 上記のような第2荒地材製造工程を終了後、図3に示す
ような仕上鍛造工程を行う。仕上鍛造工程では、図3に
示すように、仕上下型D5LのキャビティD5L1内に
第2荒地材4の伸長軸部41を挿入し、その端部41b
を仕上下型D5Lの底型面D5Lbで拘束する。そし
て、その状態で、仕上上型D5Uを仕上下型D5Lに近
づけて、第2荒地材4のヨーク部42を、ヨーク上型面
D5Ua及びヨーク下型面D5Laで拘束すると共に、
深孔53内に仕上ポンチ型D5Pを挿入する。その際、
仕上ポンチ型D5Pの先端D5Paは、深孔53の底部
に達していないものである。
【0030】本工程により、第2荒地材4のヨーク部4
2及び伸長軸部41を仕上鍛造し、以てヨーク部42及
び伸長軸部41の寸法を所定値に調整して、ヨーク部5
2及び伸長伸部51の仕上鍛造材5に成形する。即ち、
本工程においてはコイニングによるヨーク部成形と軸部
のサイジングを行うものである。本工程が特許請求の範
囲記載の「仕上鍛造工程」に相当するものである。そし
て、この工程における仕上下型D5Lが、特許請求の範
囲記載の「仕上下型」に相当するものであり、キャビテ
ィD5L1が「仕上凹部」に相当するものである。ま
た、仕上鍛造上型D5Uが「仕上上型」に、仕上ポンチ
型D5Pが「仕上ポンチ」に、それぞれ相当するもので
ある。
【0031】本実施例の鍛造工程においては、第1荒地
材3のヨーク部を形成した製造工程で、ヨーク部の形状
はほぼ仕上状態にまで成形されている。このため、本仕
上げ工程においては、角部のアールやフラッシュアール
等の仕上げ加工のみ行えばよく、仕上げ加工において第
2荒地材4は大きく変形加工されることがない。よっ
て、仕上げ加工の際に、第2荒地材4の深孔53の先端
近辺にまで加工による変形が及ぶことがなく、仕上ポン
チ型D5Pで深孔53の内面を先端(底部)まで拘束す
る必要がないものである。このような理由から、仕上ポ
ンチ型D5Pは、その先端が深孔53の底部に達してい
なくとも、その目的を十分達成するものである。
【0032】本工程においては、仕上ポンチ型D5Pの
先端D5Paは、深孔53の底部に達していないもので
あるため、仕上ポンチ型D5Pは、型打ちの際に底部か
らの反力を直接受けず、先端からの圧縮力を受けること
がない。また、先端が深孔53の底部に達している場合
に比べてその長さが短いため、曲げ応力や押し込みの際
の圧縮応力もより受けにくいものである。更に、深孔5
3内に押し入れられる仕上ポンチ型D5Pの長さが短い
ため、仕上ポンチ型D5Pが深孔53に張りついてしま
う可能性も解消することができる。
【0033】尚、仕上ポンチ型D4Pの長さは、本実施
例においては、孔深さから25mm短い長さとしたが、
仕上ポンチ型D5Pの長さは、深孔53の底部に達して
いない程度であればよく、深孔53内の変形を防止する
ことができるものであれば更に短いものであってもよ
い。また、製品の形状が加工の難しいものであれば、本
工程においてもある程度の変形加工を施すものとして、
仕上ポンチ型D4Pの長さを、深孔43の底部に近づけ
ることで解決できる。
【0034】(5)その後の加工工程 仕上げ工程を経た後、図3に示す仕上鍛造材5の伸長軸
部51の端部51bに、軸孔が深孔53と連通させて形
成される。そして、図8に示すように、その後機械加工
によりスプラインが深孔63の周縁部に形成され、ヨー
ク部62及び伸長軸部61を有する成形品6となる。
【0035】(6)本実施例の鍛造工程の効果 以上説明したように本実施例の鍛造方法では、第2荒地
材4の深孔43内に押入する際に先端が深孔43の底部
に達しない仕上ポンチ型D5Pを採用しているため、従
来のように仕上ポンチ型D5Pには先端から強い圧縮力
が作用することがない。また、仕上ポンチ型D5Pの長
さが短いため、深孔43に押し入れる際に仕上ポンチ型
D5Pに作用する圧縮力、曲げ力等を低くすることがで
きる。このため、仕上げ上型D5Uから仕上ポンチ型D
5Pが突出している部分(仕上上型D5U、仕上ポンチ
型D5Pそれぞれの部分)に作用する応力等も低くする
ことができる。
【0036】よって、仕上ポンチ型D5Pの折れや仕上
上型D5Uの割れを低減することができ、仕上ポンチ型
D5P及び仕上上型D5Uの寿命を長くすることができ
る。具体的には、従来2000回の製造で仕上ポンチ型
D5P及び仕上上型D5Uを交換していたものが、60
00回以上使用できるようになった。
【0037】また、仕上ポンチ型D5Pが短いことか
ら、型打ち荷重が小さく且つ接触面積も小さくなるた
め、深孔53に押し込んだ仕上ポンチD5Pが深孔53
部分が張りつくことがなくなる。よって、仕上ポンチD
5Pに深孔53部分が張りつくことによる作業の一時的
中断(いわゆる「チョコ停」)を解消することができ
る。
【0038】更に、本実施例の鍛造方法では、仕上ポン
チ型D5Pが短いため、仕上ポンチ型D5Pに邪魔され
ることなく、容易に第2荒地材4を仕上下型D5Lのキ
ャビティD5L1に設置することができ、加工後も容易
に取り出すことができる。即ち、本実施例のような鍛造
工程においては、ワーク(製造物)は後工程になるほど
長く(高く)なるものである。よって、最終工程(仕上
鍛造工程)においてワークと向かい合う仕上ポンチ型の
長さを短くし、両者の隙間を大きくすることで、より大
きなワークを設置・取り出しすることができるようにな
り、鍛造工程全体の製造可能範囲(ワークのサイズ)を
広げることができるものである。
【0039】更に、鍛造工程においては軸部及び伸長軸
部の孔は貫通しておらず、鍛造工程の後に伸長軸部の深
孔を貫通させることとしているため、後方押し出し成形
による軸部の伸長が可能となっている。よって、軸部の
伸長に際して後方押し出し成形を行うことにより、くび
れやちぎれが生ずることなく軸部の伸長が可能である。
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに
限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変
更した実施例とすることができる。上記した実施例では
スリーブヨークに適用した場合であるが、これに限らず
ステアリングヨーク等の中空軸を有する鍛造品の製造に
適用してもよいことは勿論である。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る中空軸を有する鍛造品の製
造方法によれば、予めヨーク部の形状を仕上形状にまで
加工しておき、仕上鍛造工程においては、深孔の底部に
まで達しない仕上ポンチを用いるため、仕上ポンチに強
い圧縮力、曲げ力が作用せず、仕上ポンチ及び仕上上型
の寿命を長くすることができる。また、仕上ポンチが短
いことから、深孔に押し込んだ仕上ポンチに深孔の部分
が張りつくことがなく、作業の一時的中断(いわゆるチ
ョコ停)を解消することができる。
【0041】そして、仕上ポンチが短いため、容易に第
2荒地材を仕上下型の仕上凹部に設置することができ、
加工後も容易に取り出すことができる。また、仕上ポン
チが短いため、鍛造機における第2荒地材の仕上金型へ
の設置及び仕上鍛造後の仕上鍛造品の取り出しに必要な
ストロークを短くすることができ、従来汎用の鍛造機で
は製造が困難であった伸長軸部の長い鍛造品も、汎用の
鍛造機で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1荒地材の浅孔内にポンチ型を押入している
状態を示す断面図である。
【図2】軸部の素材を後方押出ししている状態を示す断
面図である。
【図3】仕上鍛造工程を示す断面図である。
【図4】丸棒材の斜視図である。
【図5】中間材の斜視図である。
【図6】第1荒地材の断面図である。
【図7】第2荒地材の断面図である。
【図8】機械加工後のヨークの断面図である。
【図9】ポンチ型の側面図である。
【図10】従来の工程を示す断面図である。
【図11】従来の工程を示す断面図である。
【図12】従来の工程を示す断面図である。
【図13】従来の工程を示す断面図である。
【図14】従来の工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1;丸棒材、2;中間材、21;軸部、22;大径頭
部、3;第1荒地材、31;軸部、31a;軸部31の
端部、31b;軸部31の端部、31d;軸部31の側
外周面、32;ヨーク部、33;浅孔、4;仕上鍛造
材、41;伸長軸部、41b;伸長軸部41の端部、4
2;ヨーク部、43;深孔、44;逆孔、5;仕上鋳造
品、51;伸長軸部、52;ヨーク部、D3P;ポンチ
型、D3P1;つば部、D3P2;大径部、D3P3;
円錐部、D3P4;棒部、D3P4a;胴部、D3P4
b;膨出部、D3L;下型、D3L1;キャビティ(凹
部)、D3La;下型D3Lの底型面、D3Lb;下型
D3Lの側型面、D4U;仕上上型、D4Ua;ヨーク
上型面、D5P;仕上ポンチ型、D5Pa;仕上ポンチ
型D4Pの先端、D5L;仕上下型、D5L1;キャビ
ティ(仕上凹部)、D5La;ヨーク下型面、D5L
b;仕上下型D5Lの底型面、C3P;ポンチ型、C3
L;荒地下型、C4U;荒地上型、C4P;仕上ポンチ
部、C4L;下型、L1;端部31bの端面からヨーク
部32の中間位置までの寸法、L2;ヨーク部32の幅
寸法、L4;端部41bの端面とヨーク部42の中間位
置までの寸法、L5;ヨーク部42の幅寸法。
フロントページの続き (72)発明者 武田 伸二 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部と、該軸部の一端に設けられたヨー
    ク部と、該ヨーク部の股部に軸方向に設けられる浅孔と
    を備えた第1荒地材を得る工程において、該ヨーク部の
    形成時に該ヨーク部の形状を仕上形状にまで加工する第
    1荒地材製造工程と、 その後、該第1荒地材の該軸部を荒地下型に設けられた
    荒地凹部に挿入することにより該軸部の先端及び側外周
    を略拘束状態とし、該第1荒地材の該ヨーク部を非拘束
    状態とすると共に、該浅孔にポンチ型を軸方向に押入す
    ることにより、該浅孔を深く変形させ、同時に、該軸部
    の素材を該荒地凹部の開口方向に後方押出して、該軸部
    を伸長して、該第1荒地材の浅孔を有する軸部を深孔を
    有する伸長軸部とすることにより、深孔を有する伸長軸
    部を備えた第2荒地材を得る第2荒地材製造工程と、 次いで、該第2荒地材の該伸長軸部を仕上下型に設けら
    れた仕上凹部に挿入することにより該伸長軸部の先端及
    び側外周を略拘束状態とし、該伸長軸部の該深孔の内壁
    を略拘束状態とする断面形状を有し且つ該深孔の底部に
    達しない長さを有する仕上ポンチを該深孔に挿入しつ
    つ、仕上上型及び仕上下型により該ヨーク部を仕上げ加
    工して、ヨーク部を有する鍛造品を得る仕上鍛造工程と
    を備えることを特徴とする中空軸を有する鍛造品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 上記第1荒地材製造工程と、上記第2荒
    地材製造工程と、仕上鍛造工程と、を備え、更に、該仕
    上鍛造工程の後に上記深孔を上記伸長軸部の端部におい
    て貫通させる軸孔貫通工程とを備えることを特徴とする
    中空軸を有する鍛造品の製造方法。
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