JPH084856B2 - ピストンロッドの製造方法 - Google Patents
ピストンロッドの製造方法Info
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- JPH084856B2 JPH084856B2 JP3293956A JP29395691A JPH084856B2 JP H084856 B2 JPH084856 B2 JP H084856B2 JP 3293956 A JP3293956 A JP 3293956A JP 29395691 A JP29395691 A JP 29395691A JP H084856 B2 JPH084856 B2 JP H084856B2
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- small
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空状のピストンロッ
ドに係り、詳しくはパイプ材からピストンロッドを製造
する方法に関する。
ドに係り、詳しくはパイプ材からピストンロッドを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最も古くからこのピストンロッドを製造
する方法として、鋳造によって製造されていたことは、
よく知られているところでもある。しかしながら、鋳造
は公害や鋳造後の機械加工等、価格的にもコスト高にな
ることから、近来はあまり利用されていない。
する方法として、鋳造によって製造されていたことは、
よく知られているところでもある。しかしながら、鋳造
は公害や鋳造後の機械加工等、価格的にもコスト高にな
ることから、近来はあまり利用されていない。
【0003】それに代って、鋼材を機械加工する方法に
よって、ピストンロッドが製造されている。その機械加
工は、例えば溶接・切削あるいは穿孔などの加工作業に
よって完成されている。この機械加工したもの、および
前記鋳造加工したピストンロッドは、中実体で加工され
ていた。しかし、中実体は強度的には充分な強さと剛性
を有するが、中実体であるためピストンロッドとして使
用するには、エネルギー損失が大きく、改善を要求され
た。
よって、ピストンロッドが製造されている。その機械加
工は、例えば溶接・切削あるいは穿孔などの加工作業に
よって完成されている。この機械加工したもの、および
前記鋳造加工したピストンロッドは、中実体で加工され
ていた。しかし、中実体は強度的には充分な強さと剛性
を有するが、中実体であるためピストンロッドとして使
用するには、エネルギー損失が大きく、改善を要求され
た。
【0004】その結果として、パイプ材を使用したピス
トンロッドが開発された。例えば、特開昭57−314
25号公報によって開示されているように、管状のピス
トン棒の両端に固定ピンをプレス嵌めして、さらに、コ
ールドニーディングされている。管状のピストン棒、即
ちパイプ材の両端に丸棒が嵌込まれ、丸棒には段部が形
成されているので、コールドハンマーで嵌込んだ丸棒に
対して、パイプ材を圧縮して結合する方法が採られてい
る。
トンロッドが開発された。例えば、特開昭57−314
25号公報によって開示されているように、管状のピス
トン棒の両端に固定ピンをプレス嵌めして、さらに、コ
ールドニーディングされている。管状のピストン棒、即
ちパイプ材の両端に丸棒が嵌込まれ、丸棒には段部が形
成されているので、コールドハンマーで嵌込んだ丸棒に
対して、パイプ材を圧縮して結合する方法が採られてい
る。
【0005】さらには、ロッド(以下、ピストンロッド
を単にロッドと称する)の重量を軽くする目的で、素材
をパイプ材として、その軸端で閉鎖部材(ピンもしくは
球体)を挿入し、パイプ材とともにシェービング加工し
て一体化する技術が、特開昭57−103948号公報
によって開示されている。
を単にロッドと称する)の重量を軽くする目的で、素材
をパイプ材として、その軸端で閉鎖部材(ピンもしくは
球体)を挿入し、パイプ材とともにシェービング加工し
て一体化する技術が、特開昭57−103948号公報
によって開示されている。
【0006】上記したように、ロッドをパイプ材とし、
該パイプ材の両端もしくは一端にピンを固着することは
公知である。ところが、パイプ材内径よりもかなり細い
ピンを締付けるようにして固定することは、内径側にし
わを発生させる原因にもなる。そしてまた、パイプの両
端にピンを固く固定すると、中空のロッドの内径側に
は、パイプ材のときから付着していた防錆油や上記加工
のさいに使用した油脂、水分が残留して密閉されてしま
うので、これが熱処理されるときに熱せられて気化し、
爆発を起こす虞れがある。
該パイプ材の両端もしくは一端にピンを固着することは
公知である。ところが、パイプ材内径よりもかなり細い
ピンを締付けるようにして固定することは、内径側にし
わを発生させる原因にもなる。そしてまた、パイプの両
端にピンを固く固定すると、中空のロッドの内径側に
は、パイプ材のときから付着していた防錆油や上記加工
のさいに使用した油脂、水分が残留して密閉されてしま
うので、これが熱処理されるときに熱せられて気化し、
爆発を起こす虞れがある。
【0007】また、特開昭63−119938号公報
で、パイプの成形方法及び装置が開示されている。この
成形方法によれば、絞り成形後にパイプがダイから離脱
するのに応じて、外周を非拘束の状態でしごきパンチに
よって内周をしごくようにしているので、該内周の寸法
は一定となる。従って、絞り成形したパイプ外周側を押
し拡げるように変形するので、外周の寸法を無視できる
製品の成形には適している。
で、パイプの成形方法及び装置が開示されている。この
成形方法によれば、絞り成形後にパイプがダイから離脱
するのに応じて、外周を非拘束の状態でしごきパンチに
よって内周をしごくようにしているので、該内周の寸法
は一定となる。従って、絞り成形したパイプ外周側を押
し拡げるように変形するので、外周の寸法を無視できる
製品の成形には適している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】パイプの両端もしくは
一端に、ピンを嵌込みコールドニーディングによって中
心方向に縮径圧搾するから、母材であるパイプ材の厚さ
よりもその肉厚は薄くなり、強度的に見て好ましいこと
ではない。
一端に、ピンを嵌込みコールドニーディングによって中
心方向に縮径圧搾するから、母材であるパイプ材の厚さ
よりもその肉厚は薄くなり、強度的に見て好ましいこと
ではない。
【0009】また、シェービング加工しながらピンを挿
入、ピンをパイプ材の縮径とともに固く固定する場合、
シェービング加工によるしわが内径側に集中し、しわが
寄った状態でピンを保持してしまい、この端部から材料
破壊を促進する結果を招く虞れがある。
入、ピンをパイプ材の縮径とともに固く固定する場合、
シェービング加工によるしわが内径側に集中し、しわが
寄った状態でピンを保持してしまい、この端部から材料
破壊を促進する結果を招く虞れがある。
【0010】そこで、この発明はパイプ材を使用し、ま
た、スエージング加工によって縮径する内径側にしわを
発生させることなく、かつ、該加工によって端部及びコ
ーナー部を肉厚になるように加工し、軸端にプラグを挿
嵌するロッドの製造方法を提供しようとするものであ
る。
た、スエージング加工によって縮径する内径側にしわを
発生させることなく、かつ、該加工によって端部及びコ
ーナー部を肉厚になるように加工し、軸端にプラグを挿
嵌するロッドの製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の事情に鑑みなされ
た本発明は、長尺のパイプ材を一定の長さに切断して第
一素材(1 a )とし、該第一素材の一端側から該第一素
材(1 a )の孔内径よりもやや細いマンドレル(10)
を挿入して第一絞りを行なう第二工程と、該二工程で得
た第二素材(1 b )の孔内径よりやや細いマンドレル
(11)を挿入して第二絞りを行なう第三工程と、さら
に、該第三工程で得られた第三素材(1 c )の孔内径よ
りやや細いマンドレル(12)を挿入して第三絞りを行
なう第四工程とからなり、前記第一絞り及び第二絞り並
びに該第三絞りの三工程によって軸端を細径部(3)に
縮径するスエージング加工し、該軸端にプラグを固着す
るピストンロッドの製造方法において、前記第三絞り終
了後に前記細径部(3)とした該軸端を高周波熱処理す
るとともに、該軸端に前記プラグを焼嵌め固着したこと
を特徴とするピストンロッドの製造方法にある。
た本発明は、長尺のパイプ材を一定の長さに切断して第
一素材(1 a )とし、該第一素材の一端側から該第一素
材(1 a )の孔内径よりもやや細いマンドレル(10)
を挿入して第一絞りを行なう第二工程と、該二工程で得
た第二素材(1 b )の孔内径よりやや細いマンドレル
(11)を挿入して第二絞りを行なう第三工程と、さら
に、該第三工程で得られた第三素材(1 c )の孔内径よ
りやや細いマンドレル(12)を挿入して第三絞りを行
なう第四工程とからなり、前記第一絞り及び第二絞り並
びに該第三絞りの三工程によって軸端を細径部(3)に
縮径するスエージング加工し、該軸端にプラグを固着す
るピストンロッドの製造方法において、前記第三絞り終
了後に前記細径部(3)とした該軸端を高周波熱処理す
るとともに、該軸端に前記プラグを焼嵌め固着したこと
を特徴とするピストンロッドの製造方法にある。
【0012】
【作用】上述のように、スエージングによる絞り加工を
三工程で、その絞り加工にさいして、素材(1)の孔内
径よりやや細いマンドレル(10、11、12)を挿入
して行なっており、そのマンドレル(10、11、1
2)は、加工工程の順次に従い段階的に細くしたものを
使用しているので、素材(1)から細径部(3)を成形
する内径方向への圧搾・縮径に対して、しわの発生を防
止する。そして、マンドレル(10、11、12)は内
径及び外径の真円度を保つように働き、内径が極度に縮
径されることを阻止する。さらには、最も顕著なものと
しては、パイプ素材(1)を滑らかに端部になるに従っ
て肉厚が厚くなるように変化させるから、ロッドのよう
に突き出す、或は押し出す軸にあっては、常に荷重は座
屈荷重を受けることになるが、その荷重を受担する縮径
したコーナー部分の肉厚が厚く形成されるので、荷重負
担を分散させるように働く。したがって、そのロッドの
使用状態からみて軸方向荷重であり、該荷重による振動
減衰にはより効果的に作用する。
三工程で、その絞り加工にさいして、素材(1)の孔内
径よりやや細いマンドレル(10、11、12)を挿入
して行なっており、そのマンドレル(10、11、1
2)は、加工工程の順次に従い段階的に細くしたものを
使用しているので、素材(1)から細径部(3)を成形
する内径方向への圧搾・縮径に対して、しわの発生を防
止する。そして、マンドレル(10、11、12)は内
径及び外径の真円度を保つように働き、内径が極度に縮
径されることを阻止する。さらには、最も顕著なものと
しては、パイプ素材(1)を滑らかに端部になるに従っ
て肉厚が厚くなるように変化させるから、ロッドのよう
に突き出す、或は押し出す軸にあっては、常に荷重は座
屈荷重を受けることになるが、その荷重を受担する縮径
したコーナー部分の肉厚が厚く形成されるので、荷重負
担を分散させるように働く。したがって、そのロッドの
使用状態からみて軸方向荷重であり、該荷重による振動
減衰にはより効果的に作用する。
【0013】以下、実施例を図面に沿って説明する。
【0014】まづ、図1ないし図3で、ロッドの端部に
二段状に細径部2、3を形成した実施例1の場合を、そ
の絞り工程順に示しているが、長尺のパイプ素材1を一
定長さに切断して、第一素材1aを得る。この実施例に
おいては、素材1の外径D0は25,2mm、厚さT0
は3,5mmのパイプ材を使用している。
二段状に細径部2、3を形成した実施例1の場合を、そ
の絞り工程順に示しているが、長尺のパイプ素材1を一
定長さに切断して、第一素材1aを得る。この実施例に
おいては、素材1の外径D0は25,2mm、厚さT0
は3,5mmのパイプ材を使用している。
【0015】第一素材1aの一端から、磨棒鋼もしくは
丸棒を加工したマンドレル10を挿入し、図示していな
いが、スエージングマシンで第一素材1aを中心方向に
圧搾して絞り加工する。このマンドレル10の太さM1
は、9mmのものを使用した。縮径した細径部2bの外
径D1は18mmで、肉厚T1は4,5mmとなってい
る。そして細径部2bともとの素材1との連接部4
b(図1ではテーパー状になっている部分)は、その厚
さにおいて点E付近では3,6mm、点F付近では3,
7mmの厚さに変化し、もとの厚さT0よりも幾分か厚
くなっている。これは絞り加工によって第一素材1aが
長さ方向に伸びるだけでなく、絞り込みによって形成さ
れる連接部4bにも、塑性変形による肉移動があったも
のと考えられる。マンドレル10は、第一絞りが終了す
ると引き抜かれ、第二素材1bとなり、次の工程へと送
られる。
丸棒を加工したマンドレル10を挿入し、図示していな
いが、スエージングマシンで第一素材1aを中心方向に
圧搾して絞り加工する。このマンドレル10の太さM1
は、9mmのものを使用した。縮径した細径部2bの外
径D1は18mmで、肉厚T1は4,5mmとなってい
る。そして細径部2bともとの素材1との連接部4
b(図1ではテーパー状になっている部分)は、その厚
さにおいて点E付近では3,6mm、点F付近では3,
7mmの厚さに変化し、もとの厚さT0よりも幾分か厚
くなっている。これは絞り加工によって第一素材1aが
長さ方向に伸びるだけでなく、絞り込みによって形成さ
れる連接部4bにも、塑性変形による肉移動があったも
のと考えられる。マンドレル10は、第一絞りが終了す
ると引き抜かれ、第二素材1bとなり、次の工程へと送
られる。
【0016】第二素材1bには、マンドレル11が挿入
され、前記第一素材1aを絞り加工したと同様に、スエ
ージングマシンで第2の細径部3cを中心方向に圧搾し
て絞り加工される。このときのマンドレルの太さM2は
6mmのものを使用した。細径部3cの外径D2は13
mm、肉厚T2は3,5mmとしている。この肉厚T2
は、挿入されるマンドレル11の太さM2と、スエージ
ング加工する金型の内径D2によって決定される。同様
に、第一絞りまたは後記する第三絞りにおいても、組合
されるマンドレル10もしくは12とスエージング加工
の金型によって決定される。
され、前記第一素材1aを絞り加工したと同様に、スエ
ージングマシンで第2の細径部3cを中心方向に圧搾し
て絞り加工される。このときのマンドレルの太さM2は
6mmのものを使用した。細径部3cの外径D2は13
mm、肉厚T2は3,5mmとしている。この肉厚T2
は、挿入されるマンドレル11の太さM2と、スエージ
ング加工する金型の内径D2によって決定される。同様
に、第一絞りまたは後記する第三絞りにおいても、組合
されるマンドレル10もしくは12とスエージング加工
の金型によって決定される。
【0017】この第二絞りでは、連接部4cにおける点
E部付近では厚さ3,6mm、点F付近では厚さ3,7
mm、連接部5cの点K付近および点L付近では厚さは
それぞれ約4,6mm、細径部2cのほぼ中央部の厚さ
T1で変りなく、平均して変化している。この細径部3
cの厚さT2を3,5mmとなるようにしたのは、マン
ドレル11を挿入して縮径するにあたり、元の厚さT0
よりも薄くならないようにするためであり、また、内径
側にしわが寄らないようにするのにシゴキ加工を施すよ
うに配慮したためである。そして、細径部2cが厚くな
らなかったのは、細径部3cを押えるスエージング加工
金型において、素材1部、連接部4cおよび細径部2c
と連接部5cならびに細径部3cの外輪郭をそれぞれ形
成して、圧搾・縮径して材料の流れを外端方向になるよ
うにしたためで、第二素材1bは細径部3cの外端方向
に伸びている。この第二絞り後、マンドレル11は抜き
取り、第三素材1cが得られる。
E部付近では厚さ3,6mm、点F付近では厚さ3,7
mm、連接部5cの点K付近および点L付近では厚さは
それぞれ約4,6mm、細径部2cのほぼ中央部の厚さ
T1で変りなく、平均して変化している。この細径部3
cの厚さT2を3,5mmとなるようにしたのは、マン
ドレル11を挿入して縮径するにあたり、元の厚さT0
よりも薄くならないようにするためであり、また、内径
側にしわが寄らないようにするのにシゴキ加工を施すよ
うに配慮したためである。そして、細径部2cが厚くな
らなかったのは、細径部3cを押えるスエージング加工
金型において、素材1部、連接部4cおよび細径部2c
と連接部5cならびに細径部3cの外輪郭をそれぞれ形
成して、圧搾・縮径して材料の流れを外端方向になるよ
うにしたためで、第二素材1bは細径部3cの外端方向
に伸びている。この第二絞り後、マンドレル11は抜き
取り、第三素材1cが得られる。
【0018】さらに、第三素材1cには、太さM3を4
mmとしたマンドレル12を挿入する。そして、スエー
ジング金型の細径部3の内径D3を11,1mmとし
て、スエージングマシンで圧搾絞り加工する。この時の
肉厚は、連接部4における点E、Fおよび細径部2にお
けるほぼ中央のJ点では、ほとんど前記第二絞りで得ら
れた測定値と変りは見られなかった。連接部5における
K点は4,0mm、L点では4,0mmと、第二絞りと
比較して若干薄くなっていた。そして、細径部3ではそ
の外端方向に伸び、厚さT3においては、スエージング
加工金型に基づく内径D3とマンドレル12との差、す
なわち約3,55mmであることが確認された。
mmとしたマンドレル12を挿入する。そして、スエー
ジング金型の細径部3の内径D3を11,1mmとし
て、スエージングマシンで圧搾絞り加工する。この時の
肉厚は、連接部4における点E、Fおよび細径部2にお
けるほぼ中央のJ点では、ほとんど前記第二絞りで得ら
れた測定値と変りは見られなかった。連接部5における
K点は4,0mm、L点では4,0mmと、第二絞りと
比較して若干薄くなっていた。そして、細径部3ではそ
の外端方向に伸び、厚さT3においては、スエージング
加工金型に基づく内径D3とマンドレル12との差、す
なわち約3,55mmであることが確認された。
【0019】結果的には、成形されたロッドは第三絞り
工程において、挿入したマンドレル12によってその内
径は決定され、マンドレル12に馴染み、外径はスエー
ジング金型に馴染んで、換言して、マンドレル12とス
エージング金型に圧搾されて外端方向に、しかも、しわ
を発生させないように挟持縮径している。そして、連接
部5の肉は、細径部3を中心方向へ圧搾縮径するから、
第二絞り工程のマンドレル11と第三絞り工程のマンド
レル12との差分(M2−M3)を内径方向へと、連接
部5cの肉とともに移動させている。そのため、第三絞
りでは細径部3の肉厚T3が厚く形成され、材料が外方
向に流れ易くするために、該細径部3における金型の内
径D3を、第二絞りのマンドレル11と金型の内径D2
との差よりもやや大きくしてある。
工程において、挿入したマンドレル12によってその内
径は決定され、マンドレル12に馴染み、外径はスエー
ジング金型に馴染んで、換言して、マンドレル12とス
エージング金型に圧搾されて外端方向に、しかも、しわ
を発生させないように挟持縮径している。そして、連接
部5の肉は、細径部3を中心方向へ圧搾縮径するから、
第二絞り工程のマンドレル11と第三絞り工程のマンド
レル12との差分(M2−M3)を内径方向へと、連接
部5cの肉とともに移動させている。そのため、第三絞
りでは細径部3の肉厚T3が厚く形成され、材料が外方
向に流れ易くするために、該細径部3における金型の内
径D3を、第二絞りのマンドレル11と金型の内径D2
との差よりもやや大きくしてある。
【0020】第三絞りが終了すると、マンドレル12は
抜き取り、製品を放出する。この製品は、細径部3の外
端方向に材料が伸びており、長さを揃えること、およ
び、外周縁の不揃いを修正するため、切削またはプレス
押圧して揃えることもある。さらには、使用上の都合に
より、細径部3軸周には、雄ねじを刻設加工することも
ある。
抜き取り、製品を放出する。この製品は、細径部3の外
端方向に材料が伸びており、長さを揃えること、およ
び、外周縁の不揃いを修正するため、切削またはプレス
押圧して揃えることもある。さらには、使用上の都合に
より、細径部3軸周には、雄ねじを刻設加工することも
ある。
【0021】ついで、図4ないし図6に示すように、細
径部3が素材1とテーパー状の連接部5で連なっている
実施例2を説明する。
径部3が素材1とテーパー状の連接部5で連なっている
実施例2を説明する。
【0022】本実施例2では、前記実施例1と同じ第1
素材1aを用い、絞り工程におけるマンドレル10、1
1、12の太さも同一、スエージング金型における細径
部3を圧搾する内径寸法も同一としたので、同一部分は
同じ符号および同一名称を使用して、要部を説明するこ
ととする。
素材1aを用い、絞り工程におけるマンドレル10、1
1、12の太さも同一、スエージング金型における細径
部3を圧搾する内径寸法も同一としたので、同一部分は
同じ符号および同一名称を使用して、要部を説明するこ
ととする。
【0023】第一工程で、長尺のパイプ材を切断して得
られる第一素材1aに対して、太さM1のマンドレル1
1を挿入し、細径部3bを圧搾絞り加工する。このとき
のスエージング金型の内径側には、素材1の一部と連接
部5bおよび細径部3bの外輪郭を形成してある。この
金型の圧搾成形によって、連接部5bにおけるE点付近
は3,8mm、F点付近では4,5mmとなって成形さ
れていた。細径部3bの厚さT1は4,5mmになって
いる。
られる第一素材1aに対して、太さM1のマンドレル1
1を挿入し、細径部3bを圧搾絞り加工する。このとき
のスエージング金型の内径側には、素材1の一部と連接
部5bおよび細径部3bの外輪郭を形成してある。この
金型の圧搾成形によって、連接部5bにおけるE点付近
は3,8mm、F点付近では4,5mmとなって成形さ
れていた。細径部3bの厚さT1は4,5mmになって
いる。
【0024】第二絞り工程では、第一絞り工程で得られ
た第二素材1bに太さM2のマンドレル11を挿通し
て、再びスエージング加工する。このとき、マンドレル
11を細くしてある分だけ材料を引っ張り、細径部3c
への材料移行とともに、連接部5cのE点では3,8
mm、L点においては4,2mmと、やや薄くなった。
当然ながら、細径部3cの中央部付近のG点の厚さT2
は3,5mmであった。
た第二素材1bに太さM2のマンドレル11を挿通し
て、再びスエージング加工する。このとき、マンドレル
11を細くしてある分だけ材料を引っ張り、細径部3c
への材料移行とともに、連接部5cのE点では3,8
mm、L点においては4,2mmと、やや薄くなった。
当然ながら、細径部3cの中央部付近のG点の厚さT2
は3,5mmであった。
【0025】また、第二絞り工程で得られた第三素材1
cには、太さM3のマンドレル12を挿入して、さらに
スエージング加工する。この場合も、前記した第二絞り
と同様であるが、マンドレル12を細くしたものを使用
しているので、連接部5cは前記連接部5bよりも薄く
成形される。すなわち、連接部5におけるE点では3,
8mmと変りはないが、L点では4,0mm、細径部3
のほぼ中央の厚さT3は約3,5mmとなっている。こ
れは細径部3を縮径圧搾したとき、連接部5の肉をある
程度引っ張って細径部3に移行させたことを示してお
り、細径部3は長手方向に伸びている。かつ、細径部3
での縮径と同時に、材料の移行を容易にさせるため、マ
ンドレル12の太さM3とスエージング金型の内径D3
との差は、第二絞りのマンドレル11とスエージング金
型の内径D2との差よりも幾分か大きくして、余裕をも
たせてある。
cには、太さM3のマンドレル12を挿入して、さらに
スエージング加工する。この場合も、前記した第二絞り
と同様であるが、マンドレル12を細くしたものを使用
しているので、連接部5cは前記連接部5bよりも薄く
成形される。すなわち、連接部5におけるE点では3,
8mmと変りはないが、L点では4,0mm、細径部3
のほぼ中央の厚さT3は約3,5mmとなっている。こ
れは細径部3を縮径圧搾したとき、連接部5の肉をある
程度引っ張って細径部3に移行させたことを示してお
り、細径部3は長手方向に伸びている。かつ、細径部3
での縮径と同時に、材料の移行を容易にさせるため、マ
ンドレル12の太さM3とスエージング金型の内径D3
との差は、第二絞りのマンドレル11とスエージング金
型の内径D2との差よりも幾分か大きくして、余裕をも
たせてある。
【0026】以上のように、連接部4、5のある実施例
1と連接部5をを形成した実施例2とは、絞り工程およ
び絞り加工後の工程では大差がないので、まとめて詳述
する。
1と連接部5をを形成した実施例2とは、絞り工程およ
び絞り加工後の工程では大差がないので、まとめて詳述
する。
【0027】上述のように、絞り加工仕上げをしたロッ
ドは、その細径部2及び3を高周波熱処理・調質して、
細径部3の軸端にプラグ(図示していない)を挿嵌・焼
嵌めする。炉中で熱処理することもできるが、炉に入れ
て熱処理調質するときは容器を工夫しないと、折角真直
に成形したロッドの曲がりや反りを発生させてしまうた
め、その歪を除去する必要性が生ずる。また、このプラ
グを挿嵌するのは細径部3の軸端での強度を増すため、
および端部の接触面積を増加させる目的で、プラグを打
ち込むのであり、高周波熱処理と同時に、プラグを焼嵌
め固着する。高周波熱処理は、炉中熱処理よりも曲がり
を防止して部分的な熱処理ができ、かつ、プラグを加工
硬化した細径部3の調質と同時に固着できるとともに、
プレス打ち込みや嵌合による結合よりも固い結合ができ
る。
ドは、その細径部2及び3を高周波熱処理・調質して、
細径部3の軸端にプラグ(図示していない)を挿嵌・焼
嵌めする。炉中で熱処理することもできるが、炉に入れ
て熱処理調質するときは容器を工夫しないと、折角真直
に成形したロッドの曲がりや反りを発生させてしまうた
め、その歪を除去する必要性が生ずる。また、このプラ
グを挿嵌するのは細径部3の軸端での強度を増すため、
および端部の接触面積を増加させる目的で、プラグを打
ち込むのであり、高周波熱処理と同時に、プラグを焼嵌
め固着する。高周波熱処理は、炉中熱処理よりも曲がり
を防止して部分的な熱処理ができ、かつ、プラグを加工
硬化した細径部3の調質と同時に固着できるとともに、
プレス打ち込みや嵌合による結合よりも固い結合ができ
る。
【0028】実施例1では細径部2、3を素材1の両端
に、実施例2では細径部3を素材1の両端にそれぞれ設
けて、ロッドとすることもあり、ときには、一端に実施
例1による細径部2、3を、他端には実施例2による細
径部3を1本のロッドに形成することもある。また、一
端にのみ細径部を形成することもあるが、このような何
れの場合であっても、軸端の細径部3から素材1にかけ
て肉厚を滑らかに変化させ、特に、細径部3から連接部
5へのコーナー部分で厚さが肉厚となるので、その使用
上から見て中央部の素材1部へと素早く荷重を伝播す
る。そして、中央部分では細径部3よりもその直径が大
きく、コーナー部分での肉厚が厚くなっていることと相
まって、振動を減衰する役目をする。
に、実施例2では細径部3を素材1の両端にそれぞれ設
けて、ロッドとすることもあり、ときには、一端に実施
例1による細径部2、3を、他端には実施例2による細
径部3を1本のロッドに形成することもある。また、一
端にのみ細径部を形成することもあるが、このような何
れの場合であっても、軸端の細径部3から素材1にかけ
て肉厚を滑らかに変化させ、特に、細径部3から連接部
5へのコーナー部分で厚さが肉厚となるので、その使用
上から見て中央部の素材1部へと素早く荷重を伝播す
る。そして、中央部分では細径部3よりもその直径が大
きく、コーナー部分での肉厚が厚くなっていることと相
まって、振動を減衰する役目をする。
【0029】また、上記のような製造方法を利用して、
素材1の両端に細径部3を形成して、一般の機械に使用
される軸や、車両における軸に応用できることは言うま
でもない。
素材1の両端に細径部3を形成して、一般の機械に使用
される軸や、車両における軸に応用できることは言うま
でもない。
【0030】
【発明の効果】上述した本発明による製造方法は、素材
をパイプ材とし、該素材の端部をスエージング加工によ
る絞り加工を施したものであるが、その絞り加工におい
て、少なくともマンドレルを3回入れ替えて細径部を圧
搾加工しているので塑性加工特有の加工面の緻密さが得
られ、加工硬化した細径部を調質と同時にプラグを挿嵌
して焼嵌めができ、固着させることができるからピスト
ンロッドのように激しい直線運動を繰り返す場合には、
細径部と連接部とのコーナー部分で肉厚が厚くなってい
るのと相まって、細径部に伝達される荷重を逸早く太い
直径の素材部へと分散伝達し、中央では伝播された荷重
を減衰してしまう結果、中空パイプではあるが中実軸と
同等の強さがある。さらには、軸端における細径部にプ
ラグを焼嵌めするので、該プラグを嵌込む細径部の肉厚
を薄くすることなく、かつまた、該細径部の外周寸法を
変化させることなく、固い固着ができる。
をパイプ材とし、該素材の端部をスエージング加工によ
る絞り加工を施したものであるが、その絞り加工におい
て、少なくともマンドレルを3回入れ替えて細径部を圧
搾加工しているので塑性加工特有の加工面の緻密さが得
られ、加工硬化した細径部を調質と同時にプラグを挿嵌
して焼嵌めができ、固着させることができるからピスト
ンロッドのように激しい直線運動を繰り返す場合には、
細径部と連接部とのコーナー部分で肉厚が厚くなってい
るのと相まって、細径部に伝達される荷重を逸早く太い
直径の素材部へと分散伝達し、中央では伝播された荷重
を減衰してしまう結果、中空パイプではあるが中実軸と
同等の強さがある。さらには、軸端における細径部にプ
ラグを焼嵌めするので、該プラグを嵌込む細径部の肉厚
を薄くすることなく、かつまた、該細径部の外周寸法を
変化させることなく、固い固着ができる。
【図1】本発明に係る実施例1における第二工程を模写
した部分断面図。
した部分断面図。
【図2】本発明の実施例1における第三工程を模写した
部分断面図。
部分断面図。
【図3】同様に、実施例1における第四工程を模写した
部分断面図。
部分断面図。
【図4】本発明の実施例2における第二工程を模写した
部分断面図。
部分断面図。
【図5】同様に、実施例2における第三工程を模写した
部分断面図。
部分断面図。
【図6】同じく、実施例2における第四工程を模写した
部分断面図。
部分断面図。
1 素材 1a 第一素材 1b 第二素材 1c 第三素材 2 細径部 3 細径部 10 マンドレル 11 マンドレル 12 マンドレル
Claims (1)
- 【請求項1】 長尺のパイプ材を一定の長さに切断して
第一素材とし、該第一素材の一端側から該第一素材の孔
内径よりもやや細いマンドレルを挿入して第一絞りを行
なう第二工程と、該第二工程で得た第二素材の孔内径よ
りやや細いマンドレルを挿入して第二絞りを行なう第三
工程と、さらに、該第三工程で得られた第三素材の孔内
径よりやや細いマンドレルを挿入して第三絞りを行なう
第四工程とからなり、前記第一絞り及び第二絞り並びに
該第三絞りの三工程によって軸端を細径部に縮径するス
エージング加工し、該軸端にプラグを固着するピストン
ロッドの製造方法において、前記第三絞り終了後に前記
細径部とした該軸端を高周波熱処理するとともに、該軸
端に前記プラグを焼嵌め固着したことを特徴とする、ピ
ストンロッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3293956A JPH084856B2 (ja) | 1991-08-20 | 1991-08-20 | ピストンロッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3293956A JPH084856B2 (ja) | 1991-08-20 | 1991-08-20 | ピストンロッドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0550166A JPH0550166A (ja) | 1993-03-02 |
JPH084856B2 true JPH084856B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=17801363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3293956A Expired - Fee Related JPH084856B2 (ja) | 1991-08-20 | 1991-08-20 | ピストンロッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH084856B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018144063A (ja) * | 2017-03-03 | 2018-09-20 | 株式会社三五 | スピニング加工方法及び載頭円錐部を端部に有する筒状体 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4573090B2 (ja) * | 2003-08-29 | 2010-11-04 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 管の加工方法および平行スエージ加工装置 |
KR102032261B1 (ko) * | 2017-11-20 | 2019-11-08 | 이엠코리아주식회사 | 축압기 하우징 제조방법 |
KR102125666B1 (ko) * | 2020-01-29 | 2020-06-22 | 강동율 | 진공펌프 샤프트 가공방법 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63119938A (ja) * | 1986-11-07 | 1988-05-24 | Honda Motor Co Ltd | パイプの絞り成形方法および装置 |
-
1991
- 1991-08-20 JP JP3293956A patent/JPH084856B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018144063A (ja) * | 2017-03-03 | 2018-09-20 | 株式会社三五 | スピニング加工方法及び載頭円錐部を端部に有する筒状体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0550166A (ja) | 1993-03-02 |
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Legal Events
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