JPH11326322A - イヌインスリン測定用キットおよびそれを用いたイヌインスリン測定方法 - Google Patents
イヌインスリン測定用キットおよびそれを用いたイヌインスリン測定方法Info
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- JPH11326322A JPH11326322A JP16276098A JP16276098A JPH11326322A JP H11326322 A JPH11326322 A JP H11326322A JP 16276098 A JP16276098 A JP 16276098A JP 16276098 A JP16276098 A JP 16276098A JP H11326322 A JPH11326322 A JP H11326322A
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Abstract
ることができるイヌインスリン測定用キットおよびそれ
を用いた測定方法を提供することを目的とする。 【解決手段】イヌインスリン測定用キットは、標準イヌ
インスリン溶液と、不溶性担体と、標識剤結合抗インス
リン抗体と、酵素複合体と、基質液と、反応停止液と、
必要に応じて使用される発色剤とからなる。このイヌイ
ンスリン測定用キットは、イヌインスリンをより正確に
かつ迅速に測定することができる。
Description
診断するためにイヌインスリンを測定するためのイヌイ
ンスリン測定用キットおよびそれを用いたイヌインスリ
ン測定方法に関するものであり、更に詳細には、イヌの
糖尿病を診断するために、酵素免疫測定法(Enzym
e−Linked Immunosorbent As
say:ELISA法)を用いたモノクローナル抗体を
使用するサンドイッチ法によるイヌインスリンを測定す
ることからなるイヌインスリン測定用キットおよびその
イヌインスリン測定用キットを使用してイヌインスリン
を測定するイヌインスリン測定方法に関するものであ
る。
たり、またはその抗原性物質の濃度を測定する方法とし
て、免疫学的測定法が近年ますます利用されてきてい
る。かかる方法は周知の方法であって、たとえば、抗原
性物質または抗体を放射性物質で標識し、かかる抗原性
物質と抗体との間に錯体を形成させ、標識成分を測定す
ることによって、測定すべき抗原性物質を検出したり、
その濃度を測定することから構成されている。
が変化して、食事にしてもペットフードを中心となり、
高脂肪でかつ高栄養価のある餌が給餌されることが多く
なると共に、運動不足により糖尿病の発生が多く見られ
るようになっているのが現状である。そこで当然のこと
ながら、糖尿病を診断するためにイヌインスリンを測定
する必要性が生じている。ところが、イヌインスリンの
測定に、ヒトインスリン測定試薬を使用して、イヌイン
スリンを測定しているのが現状である。しかしながら、
このような測定法には欠点がある。つまり、この測定法
においては、標準物質としてイヌインスリンを使用して
いないので、イヌとヒトとのインスリンでは、アミノ酸
配列が異なる為、抗体との反応性に違いが見られ、正確
な値が測定不能であるとともに、現行のヒトインスリン
測定用試薬を使用する測定方法では、放射能を利用して
いるので、放射能汚染による環境汚染の心配があり、か
つ、測定後の廃棄物質の処理という大きな問題がある。
更には、イヌインスリンがヒトインスリン測定用試薬で
しか測定できない現状では、糖尿病イヌの診断は、観
察、血糖値ならびに尿糖検査のみで行われている。かか
る現状においては、糖尿病イヌの原因が果たして臓器機
能に問題があるのか、または血液中のインスリンキャリ
ヤもしくはインスリン受容体機能に原因があるかを診断
することができない。したがって、現在の診断方法で
は、糖尿病イヌの正確な原因を把握できないので、適切
な治療が施せないという重大な問題を有している。
は、イヌインスリンを測定するためにヒトインスリン測
定用キットならびにその測定用キットを用いた測定方法
の欠点に改良すべく、イヌインスリン測定用キットなら
びにイヌインスリン測定方法を鋭意研究した結果、ラッ
トインスリンに対するモノクローナル抗体を使用したイ
ヌインスリン測定用キットを用いることによってイヌイ
ンスリンをより正確にかつ迅速に測定することができる
ことを見出して、この発明を完成するに至った。したが
って、この発明は、イヌインスリンをより正確にかつ迅
速に測定することができるイヌインスリン測定用キット
を提供することを目的としている。 また、この発明
は、かかるイヌインスリン測定用キットを用いて、イヌ
インスリンをより正確にかつ迅速に測定することができ
るイヌインスリン測定方法を提供することを別の目的と
している。
ために、この発明は、1つの実施態様として、標準イヌ
インスリン溶液と、不溶性担体と、標識剤結合抗インス
リン抗体と、酵素複合体と、基質液と、反応停止液と、
必要に応じて使用される発色剤とからなっているイヌイ
ンスリン測定用キットを提供する。また、その好ましい
実施態様として、この発明は、標準イヌインスリン溶液
と、不溶性担体と標識剤結合抗インスリン抗体とを結合
した固相試薬と、酵素複合体と、基質液と、反応停止液
と、必要に応じて使用される発色剤とからなるイヌイン
スリン測定用キットを提供する。また、別の好ましい実
施態様として、この発明は、標準イヌインスリン溶液
と、該固相試薬と酵素複合体との複合体、基質液と、反
応停止液と、必要に応じて使用される発色剤とからなる
イヌインスリン測定用キットを提供する。その上、別の
実施態様として、この発明は、上記構成からなるイヌイ
ンスリン測定用キットを用いてイヌインスリンを測定す
ることからなるイヌインスリン測定方法を提供する。
って、標準イヌインスリン溶液と、不溶性担体と、標識
剤結合抗インスリン抗体と、酵素複合体と、基質液と、
反応停止液と、必要に応じて使用される発色剤とからな
っているイヌインスリン測定用キットが提供されること
により、イヌインスリンを従来の手法に比べてより正確
にかつ迅速に測定できるという効果が得られる。また、
その好ましい実施態様ならびに別の好ましい実施態様と
して、この発明がイヌイヌインスリン測定用キットを提
供することにより、従来の手法に比べて、イヌインスリ
ンをより一層正確にかつ迅速に測定できるという効果が
得られる。更に、別の実施態様として、この発明によっ
て、上記構成からなるイヌインスリン測定用キットを用
いてイヌインスリンを測定することからなるイヌインス
リン測定方法が提供されることによって、イヌインスリ
ンを従来の手法に比べてより正確にかつ迅速に測定でき
るという効果が得られる。
定用キットは、1つの実施態様においては、上記したよ
うに、標準イヌインスリン溶液と、不溶性担体と、標識
剤結合抗インスリン抗体と、酵素複合体と、基質液と、
反応停止液と、必要に応じて使用される発色剤とからな
っている。また、この発明に係るイヌインスリン測定用
キットのその好ましい実施態様においては、上記不溶性
担体と上記標識剤結合抗インスリン抗体とが固相試薬と
して結合した構成になっている。更に、この発明に係る
イヌインスリン測定用キットの別の好ましい実施態様に
おいては、上記固相試薬と上記酵素複合体とが固相試薬
−酵素複合体として結合した構成になっている。これら
の構成からなるイヌインスリン測定用キットは、イヌイ
ンスリンを従来の手法に比べてより正確にかつ迅速に測
定できるという大きな利点がある。また、この発明の別
の実施態様におけるイヌインスリンの測定方法は、上記
したイヌインスリン測定用キットを用いてイヌインスリ
ンを従来の手法に比べてより正確にかつ迅速に測定でき
る構成からなっている。
れる標準イヌインスリン溶液は、当業者に周知の手法に
よって調製することができる。例えば、イヌインスリン
は、イヌの膵臓から、文献(例えば、Biochem.
J.(1964),91,491)に記載されているブ
タインスリンの精製法の常法に準じて作製することがで
きる。このようにして作製したイヌインスリンを用いて
標準イヌインスリン溶液を調製する。標準イヌインスリ
ン溶液は、上記手法にて得た原液を緩衝液で希釈して所
定の濃度に希釈して得ることができる。
X線(log側)にインスリン濃度(ng/ml)を、
Y軸にそれぞれの吸光度をとり、標準インスリン濃度に
対して得られた吸光度をプロットして標準曲線を作成
し、この標準曲線から、検体の吸光度に対応するインス
リン濃度を読みとることによって、インスリン濃度を算
出することができる。
ル抗体は、常法に従って、例えば、ケーラー・ミルシュ
タイン法(Nature,vol.256,pp.49
5−497,1975)に従って、インスリンを免疫抗
原として免疫した免疫動物の脾臓細胞と、同種動物由来
のミエローマ細胞とを細胞融合して得られた融合細胞
(ハイブリドーマ)から製造することができる。この発
明において使用する免疫原としてのインスリンを免疫す
る免疫動物としては、例えば、マウス、ヌードマウス、
ラットなどが挙げられる。免疫原の免疫量は、免疫動物
の種類、免疫注射部位などにより適宜決められるが、例
えば、マウスの場合には、1匹当たりの1回の免疫注射
量は0・1μgないし5mgの免疫原を含むように免疫
注射するのが好ましい。また、免疫原の免疫注射は、フ
ロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバ
ントなどの公知のアジュバントを添加混合して行うのが
好ましい。このように免疫動物に初回免疫した後、免疫
原を2回ないし6回追加免疫注射した。追加免疫注射
も、初回免疫の場合と同様に、公知のアジュバントを添
加混合して行うのが好ましい。初回免疫の後、免疫動物
の血清中の抗体価の測定をELISA法などによって繰
り返し行って、抗体価がプラトーに達したら、免疫原を
生理食塩水(0・9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解し
た免疫原の水溶液を免疫動物に注射して、最終免疫とす
る。この最終免疫後適当な時間が経過した後、免疫動物
の脾細胞、リンパ節細胞または末梢リンパ球などの抗体
産生能を持つ細胞を取得する。このようにして取得した
かかる抗体産生能を有する細胞を、同種哺乳動物由来の
骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)と細胞融合される。かか
るミエローマ細胞としては、例えば、ヒポキサンチン・
グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(GP
RT)またはチミンキナーゼ(TK)などの酵素欠損細
胞株などが挙げられる。この細胞融合は、各種分子量の
ポリエチレングリコール、リポゾーム、センダイウイル
スなどの融合促進剤を用いてまたは電気融合法により行
うことができる。これらの細胞融合法についても当業者
にとっては周知の手法であり、ここで別段説明する必要
はないので、その説明は省略する。そのミエローマ細胞
がヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トラン
スフェラーゼ(GPRT)欠損株またはチミンキナーゼ
(TK)欠損細胞株由来である場合には、ヒポキサンチ
ン・アミノプテリン・チミジンを含む選択用培地(HA
T培地)を用いることにより、抗体産生能を有する細胞
とミエローマ細胞との融合細胞(ハイブリドーマ)のみ
を選択的に培養し、増殖させることができる。このよう
にして得られたハイブリドーマの培養上清をELISA
法、ウエスタンブロット法などの免疫学的測定法により
測定することにより、変性もしくは修飾されてないイン
スリンとは結合してなくて、変性もしくは修飾されたイ
ンスリンと特異的に結合する抗体を産生するハイブリド
ーマを選択することができ、この方法と、限界希釈法な
どの公知のスクリーニング法とを組み合わせることによ
って、この発明に使用するモノクローナル抗体の産生細
胞株を単離して得ることができる。このモノクローナル
抗体産生細胞株を、無血清培地などの適当な培地で培養
して、例えば、その培養上清から、この発明に使用する
モノクローナル抗体を常法により得ることができる。
体の製造 次いで、上記のようにして得られた抗インスリンモノク
ローナル抗体は標識剤と結合される。結合の方法は常法
に従って、例えば、「続生化学実験講座5免疫生化学研
究法」(東京化学同人発行:1986年発行、102−
112頁)に記載された方法に従って行うことができ
る。使用される標識剤としては、例えば、β−ガラクト
シダーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファター
ゼ、グルコースオキシダーゼ、などの酵素、、ビオチ
ン、ヘムなどの補酵素、補欠分子族などが挙げられる。
抗体は次いで不溶性担体に固相化して固相試薬が製造さ
れる。使用される不溶性担体としては、例えば、ポリ塩
化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリアク
リルアミド、フッ素樹脂、架橋デキストラン、ポリサッ
カライドなどの高分子物質、紙、ガラス、金属、アガロ
ースおよびこれらの組み合わせなどが挙げられる。ま
た、かかる不溶性担体の形状にしても、特に限定された
ものではなく、例えば、マイクロタイタープレート、デ
イスクなどの平板状、ビーズなどの粒子状、試験管など
の管状、繊維状、膜状、ラテックス粒子などの微粒子
状、セルなどの種々の形状であってもよく、測定条件に
より適宜変えることができる。また、上記抗インスリン
モノクローナル抗体を上記不溶性担体に固相化して固相
試薬を得る方法にしても、当業者に周知の方法が使用で
きる。
複合体の生成 次いで、上記のようにして調製された固相試薬を検体も
しくは標準インスリン溶液と標識剤結合抗インスリンモ
ノクローナル抗体とを反応させる。この反応により、検
体もしくは標準インスリン溶液に存在する抗原としての
インスリンを固相試薬標識剤結合抗インスリンモノクロ
ーナル抗体に結合して、サンドイッチ型抗原−抗体複合
体を生成する。
識物質とを一定の温度で一定の時間反応させて、抗体−
標識物質複合体が生成される。標識物質としては、酵
素、発光物質、蛍光物質などが一般的に使用される。酵
素としては、例えば、ペルオキシダーゼ(HRP)、ア
ルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼな
どが挙げられる。発光物質としては、例えば、イソルシ
ノール、ルシゲニンなどが挙げられ、また蛍光物質とし
ては、例えば、フルオレッセインイソチオシアネート、
フィコビリプロテインなどが挙げられる。
その活性を測定するためには基質を使用するのが好まし
いが、必要に応じて発色剤も使用することができる。例
えば、酵素としてペルオキシダーゼ(HRP)を使用す
る場合には、基質としては過酸化水素、ペルオキシダー
ゼーアビジンなどを使用し、発色剤としては2,2′−
アジノジ−[3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸]
アンモニウム塩(ABTS)、5−アミノサリチル酸、
θ−フェニレンジアミン、4−アミノアンチピリン、
3,3′,5,5′−テトラメチル−ベンジジンなどを
使用するのが好ましい。また、酵素としてアルカリフォ
スファターゼを使用する場合には、基質としてはθ−ニ
トロフェニルフォスフェートなどを使用するのが好まし
く、更に酵素としてβ−D−ガラクトシダーゼを使用す
る場合には、基質としては,p−ニトロフェニルーβ−
D−ガラクトピラノシド、フルオレッセイン−ジ−(β
−D−ガラクトピラノシド)、4−メチルウンベリフェ
リル−β−D−ガラクトピラノシドなどを使用するのが
好ましい。
標識物質複合体に基質液を反応させる。この反応を所定
時間行って、反応が進行した段階で、その反応を停止さ
せるために、反応停止剤が添加される。使用する反応停
止剤としては、例えば、硫酸などの酸など当業者にとっ
て周知の薬剤を使用することができる。得られた反応液
は、所定の波長でその吸光度が測定されて、該抗体−標
識物質複合体中における該標識物質としての酵素の活性
を測定する。例えば、上記のようにして得られた抗原−
抗体複合体に、ストレプトアビジン複合体を作用させて
抗体−酵素複合体を形成させ、該複合体にp−ニトロフ
ェニル−β−D−ガラクトピラノシドを反応させて、遊
離したp−ニトロフェノールを、波長415nmで比色
定量することによって、該複合体中のβ−D−ガラクト
シダーゼ活性を測定することができる。同様に、該複合
体にペルオキシダーゼーアビジン結合体を反応させる場
合には、θ−フェニレンジアミンでは波長412nm、
テトラメチルベンチジンでは波長450nmで比色定量
することによって、該複合体中のペルオキシダーゼ活性
を測定することができる。
ン測定用キットは、1つの実施態様として、上記したよ
うに、標準イヌインスリン溶液と、不溶性担体と、標識
剤結合抗インスリン抗体と、酵素複合体と、基質液と、
反応停止液と、必要に応じて使用される発色剤とから構
成されている。また、この発明に係るイヌインスリン測
定用キットは、その好ましい実施態様として、上記不溶
性担体と上記標識剤結合抗インスリン抗体とが固相試薬
として結合した構成からなっている。更に、この発明に
係るイヌインスリン測定用キットは、別の好ましい実施
態様として、上記固相試薬と上記酵素複合体とが固相試
薬−酵素複合体として結合した構成になっている。
スリンの測定方法には、上記のような構成からなるイヌ
インスリン測定用キットを用いることが明らかである。
かかるイヌインスリン測定用キットを用いて、イヌイン
スリンの測定を行うには、抗原抗体反応を利用すること
を特徴としている。この抗原抗体反応を利用したインス
リンなどのタンパク質を測定する手法も種々開発されて
いるが、この発明に利用できるかかる測定手法は特に限
定されるモノではなく、タンパク質を測定するために一
般的に採用されている手法であればいずれでもよく、特
に酵素免疫測定法(EIA法)を使用するのが好まし
い。また、このEIA法には、競合法と非競合法とがあ
るが、この発明にかかる測定方法は特に限定されるもの
ではなく、競合法と非競合法とのいずれも利用すること
ができる。
して、非競合法のサンドイッチ法を利用した手法につい
て説明をする。当然のことながら、この発明の測定方法
は下記の例示した測定手法に何ら限定されるものではな
いことは明らかである。まず、精製した抗インスリン抗
体をリン酸生理食塩水緩衝液(PBS)で一定量に希釈
し、この抗体溶液の一定量を十分に洗浄した96穴マイ
クロタイタープレートの各ウエルに添加して、一定温度
で一定時間反応させた後、過剰の抗体液を除去する。そ
の後、そのプレートの各ウエルに、安定化剤、例えば、
ウシ血清アルブミン(BSA)を含むPBSを一定量添
加して、一定温度で一定時間反応させることによって抗
インスリン抗体固相化プレートを得ることができる。上
記のようにして得られる抗インスリン抗体固相化プレー
トの各ウエルに、ビオチン結合抗インスリン抗体などの
標識抗インスリン抗体をPBS含有溶液を一定量添加す
る。更に、このプレートの各ウエルに、検体または標準
インスリン溶液を一定量添加して、一定温度で一定時間
反応する。この反応完了後、各ウエル中の溶液を除去し
て、洗浄液で洗浄する。洗浄した後、ペルオキシダーゼ
ーアビチン結合体などや、3,3′,5,5′−テトラ
メチル−ベンジジン塩酸塩と過酸化水素との混合物など
の酵素液や基質液を各ウエルに一定量添加して、一定温
度で一定時間反応させる。この反応を停止させるため
に、一定時間反応させた後、硫酸などの反応停止液を添
加する。このようにして得られた反応液を分光光度計を
用いて所定の波長における吸光度を測定する。この測定
値を、別に作成した標準インスリン溶液の検量曲線にプ
ロットすることにより検体サンプルに含まれるインスリ
ン濃度を測定する。また、この発明に係るキットは、例
えば、発色測定系、定量測定系または半定量測定系、つ
まり、イムノリーダーを使用せずに、必要に応じキット
に添付する色見本により濃度を読みとる方法などによっ
て測定することができる。
る。 (実施例1) 標準イヌインスリン溶液の調製 健康なビーグルイヌ3頭の膵臓から、前記文献に記載さ
れているブタインスリンの精製法の常法に準じて標準イ
ヌインスリン溶液を調製した。標準イヌインスリン溶液
は、上記手法にて得た原液を緩衝液(リン酸生理食塩水
緩衝液(PBS))で希釈して所定の濃度に希釈して得
た。 標準イヌインスリン濃度の検量曲線の作成 標準イヌインスリン濃度の算出は、片対数グラフ用紙の
X線(log側)にインスリン濃度(ng/ml)を、
Y軸にそれぞれの吸光度をとり、標準インスリン濃度に
対して得られた吸光度をプロットして標準曲線を作成し
た。図1に標準イヌインスリン濃度の標準曲線を示す。
この標準曲線から、イヌインスリンの濃度は、検体の吸
光度に対応するインスリン濃度を読みとることによって
算出した。 抗インスリン抗体の作製 ラットインスリン抗原をマウスに免疫して下記のような
限界希釈法の常法によってモノクローナル抗体を作製し
た。ラットインスリン抗原を滅菌蒸留水に溶解し、イン
スリン濃度10mg/mlとした抗原液を調製した。こ
の溶液にフロイント完全アジュバントを等量混合し、油
性エマルジョンとした。これにBALB/cマウス(7
週齢、雌)の背部に0.2mlづつ初回免疫として皮下
注射した。初回免疫後、7日目と16日目に追加免疫を
し、更に細胞融合の3日前に最終免疫として抗原液を
0.25mg/0.2mlづつ腹腔内に注射した。最終
免疫後3日してマウスの脾臓を摘出して、その脾細胞を
ミエローマ細胞(P3x63−Ag8−6,5,3)と
10:1の割合になるように混合して、50%ポリエチ
レングリコール4000を用いて細胞融合させ、HAT
培地を用いて選択した。細胞融合後14日目に、培養上
清中のラットインスリンに対する活性をEIA法によっ
て測定した。つまり、ラットインスリンを100μlの
タンパク濃度で固相化した96穴EIAプレートの各ウ
エルに融合細胞の培養液を200μlづつ添加し、37
℃で1時間反応させた。反応後、洗浄して、ペルオキシ
ダーゼ標識抗マウスIgG(1:500)200μlを
添加した。洗浄後、基質液として、0.1Mθ−フェニ
レンジアミンと0.012%過酸化水素水との混合液を
各ウエルに200μlづつ添加し、室温で15分間反応
させた。その後、4N硫酸を各ウエルに50μlづつ添
加して酵素反応を停止させた。次いで、492nmにお
ける吸光値を測定して、ラットインスリンのみに対して
陽性のクローンを限界希釈法により2回クローニングを
した。このクローニングによって腹水として得られたモ
ノクローナル抗体を次のようにして精製した。つまり、
得られたそれぞれの腹水1mlに対して、PBS1ml
で2倍に希釈し、飽和硫酸アンモニウム2mlを滴下
し、4℃で4時間放置した後、3000rpmで20分
間遠心分離をし、得られた沈殿をPBS2mlで浮遊さ
せて透析後、0.2μmのフィルターで濾過して精製抗
インスリンモノクローナル抗体を得た。この抗インスリ
ンモノクローナル抗体のクローンのイムノグロブリンサ
ブクラスはIgGlであることが判明した。 抗体固相化プレートの作製 抗体固相化96穴プレートの各ウエルに、上記のように
して得た抗インスリン抗体を100μlづつ分注してコ
ーテイングして、抗体固相化96穴プレートを作製し、
4回洗浄液で洗浄した。 抗原−抗体複合体の生成 上記のようにしてビオチン結合抗インスリン抗体を固相
化した上記抗体固相化96穴プレートの各ウエルに、診
断すべきイヌから採血したインスリン含有検体サンプル
を50μlづつ分注した。その後、各ウエルに分注した
ビオチン結合抗インスリン抗体と検体サンプルとを室温
(20−25℃)で2時間反応させて、次いで該抗体固
相化プレートを洗浄液で4回洗浄した。 抗体−酵素複合体の生成 上記のようにして反応させた後洗浄した該抗体固相化プ
レートの各ウエルに、ペルオキシダーゼ−アビジン結合
体を100μlづつ分注し、室温で30分間反応させ
た。その後、該抗体固相化プレートを洗浄液で4回洗浄
した。 吸光度の測定 発色液として、θ−フェニレンジアミンを100μlず
つ該抗体固相化プレートの各ウエルに分注し、30分間
発色させた。その後、反応停止液として2N硫酸を10
0μlづつ抗体固相化プレートの各ウエルに分注し、酵
素反応を停止させた。得られた反応液をプレートリーダ
で492nmの波長を測定した。グルコース負荷試験 体重11.1kgの雌ビーグル犬(NED BEAGL
E)2匹を用いてグルコース負荷試験を行った。グルコ
ース負荷試験は、2匹のビーグル犬それぞれに0.5g
/kg(トレーランG50)の割合でグルコースを投与
して、投与後一定時間経過して、測定試薬として、グル
コースにはイアトロメイトGLU(A)/ヤトロン、イ
ンスリンにはレビスインスリン(イヌ用)/シバヤギを
用いて、グルコースとインスリンの量を測定した。その
結果を下表に示す。 (実施例2)検体サンプルの代わりに、標準インスリン
溶液を使用する以外は、実験例1と同様にしてインスリ
ン濃度をプレートリーダを用いて492nmの波長で測
定した。
スリン測定用キットは、1つの実施態様において、標準
イヌインスリン溶液と、不溶性担体と、標識剤結合抗イ
ンスリン抗体と、酵素複合体と、基質液と、反応停止液
と、必要に応じて使用される発色剤とからなる構成にな
っているので、標準物質としてイヌインスリンを使用し
ていることから、従来のヒトインスリン測定試薬を使用
しているイヌインスリン測定に比べてイヌインスリンを
より正確にかつ迅速に測定することができるという大き
な利点がある。また、このキットは、酵素免疫測定法に
基づいてイヌインスリンを測定するものであるので、放
射能物質を一切使用することがない。更に、放射能によ
る環境汚染という問題も、また放射能物質の廃棄という
問題も一切考慮する必要がないという利点もある。更に
は、このイヌインスリン測定用キットを使用すると、糖
尿病イヌの診断において、糖尿病イヌの原因が臓器機能
の障害にあるのか、または血液中のインスリンキャリヤ
もしくはインスリン受容体機能の障害にあるのかを診断
することができ、適切な治療が施せるという更に大きな
利点がある。また、この発明に係るイヌインスリン測定
用キットは、その好ましい実施態様においては、上記不
溶性担体と上記標識剤結合抗インスリン抗体とが結合し
て固相試薬を構成されているので、上記の実施態様にお
いて発揮される種々の利点に加えて、イヌインスリンの
測定が更に一層正確に、迅速にかつ簡便にできるという
利点がある。また、この発明に係るイヌインスリン測定
用キットは、その好ましい別の態様においては、上記固
相試薬と上記酵素複合体とが結合して固相試薬−酵素複
合体を構成していることから、上記の好ましい実施態様
におけるイヌインスリン測定用キットと同様の効果を奏
することができる。更にまた、この発明に係るイヌイン
スリン測定用キットにおいては、上記標識剤結合抗イン
スリン抗体の抗インスリン抗体がラットインスリン抗原
をマウスに免役して得られたモノクローナル抗体である
ことから、上記利点に加えて、イヌインスリンを特異的
に認識することができるので、イヌインスリンをより一
層正確に、迅速にかつ簡便に測定できるという利点もあ
る。その上、この発明に係るイヌインスリン測定方法
は、上記イヌインスリン測定用キットを用いて、イヌイ
ンスリンをサンドイッチ法による酵素免疫測定法によっ
てイヌインスリンを測定することができるので、この発
明に係るイヌインスリン測定用キットによって奏される
効果をより正確に、迅速にかつ簡便に奏することができ
るという大きな利点もある。
フ。
Claims (5)
- 【請求項1】標準イヌインスリン溶液と、不溶性担体
と、標識剤結合抗インスリン抗体と、酵素複合体と、基
質液と、反応停止液と、必要に応じて使用される発色剤
とからなることを特徴とするイヌインスリン測定用キッ
ト。 - 【請求項2】請求項1に記載のイヌインスリン測定用キ
ットにおいて、前記不溶性担体とイヌインスリンと前記
標識剤結合抗インスリン抗体とが結合して固相試薬を構
成していることを特徴とすること。 - 【請求項3】請求項1または2に記載のイヌインスリン
測定用キットにおいて、前記固相試薬と前記酵素複合体
とが結合して固相試薬−酵素複合体を構成していること
を特徴とすること。 - 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
イヌインスリン測定用キットにおいて、前記標識剤結合
抗インスリン抗体の抗インスリン抗体がラットインスリ
ン抗原をマウスに免役して得られたモノクローナル抗体
であることを特徴とすること。 - 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
イヌインスリン測定用キットを用いて、イヌインスリン
をサンドイッチ法による酵素免疫測定法によってイヌイ
ンスリンを測定することを特徴とするイヌインスリン測
定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16276098A JPH11326322A (ja) | 1998-05-06 | 1998-05-06 | イヌインスリン測定用キットおよびそれを用いたイヌインスリン測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16276098A JPH11326322A (ja) | 1998-05-06 | 1998-05-06 | イヌインスリン測定用キットおよびそれを用いたイヌインスリン測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11326322A true JPH11326322A (ja) | 1999-11-26 |
Family
ID=15760716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16276098A Pending JPH11326322A (ja) | 1998-05-06 | 1998-05-06 | イヌインスリン測定用キットおよびそれを用いたイヌインスリン測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11326322A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007000832A1 (ja) | 2005-06-29 | 2007-01-04 | Shibayagi Co., Ltd. | 検体中の内分泌物質測定方法。 |
-
1998
- 1998-05-06 JP JP16276098A patent/JPH11326322A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007000832A1 (ja) | 2005-06-29 | 2007-01-04 | Shibayagi Co., Ltd. | 検体中の内分泌物質測定方法。 |
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