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JP3045172B2 - Il―6レセプターを利用したヒトil―6の化学的測定法及びそのためのキット - Google Patents

Il―6レセプターを利用したヒトil―6の化学的測定法及びそのためのキット

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JP3045172B2
JP3045172B2 JP2128150A JP12815090A JP3045172B2 JP 3045172 B2 JP3045172 B2 JP 3045172B2 JP 2128150 A JP2128150 A JP 2128150A JP 12815090 A JP12815090 A JP 12815090A JP 3045172 B2 JP3045172 B2 JP 3045172B2
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JP
Japan
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receptor
human
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sample
labeled
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JP2128150A
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貴司 齋藤
清 保川
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Tosoh Corp
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Tosoh Corp
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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒトIL−6の化学的測定方法及びそのための
キットに関するものである。
〔従来の技術〕
インターロイキン−6(BSF2/以下IL−6と略す)
は、種々の重要な生理活性を有し、広く細胞の増殖分化
に関与しているタンパク質である。さらにIL−6の異常
産生が種々の自己免疫疾患の病因因子である可能性が報
告されている(岸本、Blood,74,pl,1989年参照)。
生体内で多様な生理活性を強く発揮するIL−6の生理
的濃度を知ることは、各種疾患の新しい診断マーカーと
して期待されている。IL−6の生物活性測定法として
は、100fg/mlのIL−6が測定可能な高感度のものが報告
されている(T.Matsudaら、Eur.J.Immnunol.,18,p951,1
988年参照)。しかしながらこの方法は、多数の検体を
迅速、かつ簡単に測定することができないという欠点を
有する。一方、これまで報告されたIL−6の免疫化学的
測定では、組換え体(リコンビナント)IL−6を各種動
物に免疫して得た抗体を用いている。従って、血液中の
IL−6がα2−マクログロブリンと結合して存在してい
るという報告(T.Matsudaら、J.Immnunol.,142,p148)
にあるようにリコンビナントIL−6と異なる形状で存在
すると予想される生体試料中のIL−6の濃度を高い精度
で測定できない危険性がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って本発明は、生物活性を有する限り、すなわちIL
−6レセプターと結合する性質を有する限り、いかなる
形状のIL−6にも適用できるIL−6の化学的測定法、及
びその方法に使用するためのキットを提供しようとする
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記の課題を解決すべく種々検討した結
果、IL−6レセプターを用いることにより、リコンビナ
ントIL−6を動物に免疫して得た抗体を用いずに、数百
pg/mlの濃度のヒトIL−6を測定することができるとい
う新しい知見を得、これに基いて本発明を完成した。
従って本発明は、ヒトIL−6レセプターを固定した固
体支持体を標識されたヒトIL−6及び分析検体と接触せ
しめ、そして該ヒトIL−6レセプターを介して固体支持
体に結合した標識されたヒトIL−6の量又は固体支持体
に結合しなかった標識されたIL−6の量を測定し、この
測定値に基いて検体中のIL−6の存否又は量を決定する
ことを特徴とする検体中のIL−6の検出又は測定方法を
提供する。
本発明はさらに、ヒトIL−6レセプターを固定した固
体支持体を分析検体と接触せしめることにより該分析検
体中のヒトIL−6を該IL−6レセプターを介して固体支
持体に結合せしめ、そして固体支持体に結合したIL−6
を測定することを特徴とするヒトIL−6の検出又は測定
方法を提供する。
本発明はまた、前記第一の方法を実施するためのキッ
トであって、ヒトIL−6レセプターを固定した固体支持
体及び標識されたヒトIL−6を含むことを特徴とするキ
ットを提供する。
本発明はさらに、前記第二の方法を実施するためのキ
ットであって、ヒトIL−6レセプターを固定した固体支
持体及び抗ヒトIL−6抗体を含むことを特徴とするキッ
トを提供する。
〔発明の具体的な説明〕
1. IL−6の化学的測定法 IL−6の化学的測定法は、ヒト血清、尿、その他例え
ば関節液等中に含まれるIL−6の生理的濃度、ヒト細胞
を培養したときの培養上清中のIL−6濃度を正確かつ迅
速に測定することを目的としている。
本発明の測定方法には、固体支持体に固定されたIL−
6レセプターと、IL−6との特異的結合反応を用いる種
々の方法が含まれる。その第一の態様においては、固体
支持体に固定されたIL−6レセプターに、標識されたIL
−6と分析検体中のIL−6とを競争的に結合せしめ、固
体支持体にIL−6レセプターを介して結合した標識化IL
−6の量又は結合しないで反応溶液中に残った標識化IL
−6の量を測定し、この測定値に基いて検体中のIL−6
の量(又は濃度)を決定する。第二の態様によれば、固
体支持体に固定されたIL−6レセプターに分析検体中の
IL−6を結合せしめ、この結合したIL−6の量を常法に
より測定する。
いずれの態様においても、まずIL−6レセプターを固
体支持体に固定する。この固体支持体としては、マイク
ロタイタープレート、各種のビーズ状の例えばポリスチ
レン、ポリプロピレン等のプラスチック製、金属セラミ
ックス等の無機物質製等の免疫測定法において常用され
ている支持体を用いることができる。IL−6レセプター
の固体支持体への固定に際しては、IL−6レセプターを
直接固定してもよいし、IL−6レセプターと結合する物
質、例えばIL−6レセプターに対する抗体をまず固定
し、それからIL−6レセプターを結合させてもよい。IL
−6レセプターやIL−6レセプターに対する抗体の固定
は常法に従って行うことができる。例えば、PBS溶液に
これらの蛋白質を例えば2μg/mlの濃度で溶解し、プレ
ートのウエルに100μずつ加え、一晩静置しておけば
よい。
次に、前記第一の態様によればこの固定されたIL−6
レセプターに、分析検体と標識されたIL−6とを一定の
割合で混合したものを接触せしめる。IL−6の標識とし
ては、125I,35S等が例示できる。分析検体中のIL−6と
標識されたIL−6は競争的にIL−6レセプターに結合す
るので、IL−6レセプターに結合した標識化IL−6の量
又は結合しなかった標識化IL−6の量を測定することに
より、分析検体中のIL−6濃度を測定するのが本発明の
特徴である。上記標識IL−6の測定方法としては、125I
標識IL−6の場合は、一定時間のIL−6とIL−6レセプ
ターの結合反応後に支持体を通常の溶液で洗浄し、支持
体の放射能をγカウンターで測定することが例示でき
る。35S標識IL−6の場合も同様に測定することができ
る。
第二の態様においては、IL−6レセプターを固定した
固体支持体を分析検体と共にインキュベートし、検体中
に存在するIL−6を固体支持体上のIL−6レセプターに
結合させる。次に固体支持体に結合したIL−6の量を常
法に従って測定する。この測定は種々の方法により行う
ことができる。例えばIL−6に対するウサギ由来抗体
を、固体支持体に結合したIL−6に結合せしめ、次に、
ウサギイムノグロブリンに対するヒツジ由来抗体であっ
て標識されているものを、固体支持体に結合したウサギ
由来抗体IL−6抗体と結合せしめる。ヒツジ由来抗体を
標識する物質としては、例えばアルカリホスファター
ゼ、西洋ワサビパーオキシダーゼ、β−D−ガラクトシ
ダーゼ等の酵素、ビチオン等を用いることができ、これ
らの標識の検出のためには標識の種類に応じて既知の検
出方法を用いることができる。これらの標識物質をその
検出方法としては、例えば免疫測定法において知られて
いる任意の手段を用いることができる。
2. IL−6レセプター IL−6レセプターは、生体内でIL−6と特異的に結合
し、IL−6のシグナル伝達に関与する細胞膜上のタンパ
ク質である。本発明に適当なIL−6レセプターは、ヒト
由来の細胞等から生化学的方法で精製してもよいし、遺
伝子工学的に製作することもできる。該タンパク質は、
IL−6との結合に寄与するアミノ酸配列部分以外のアミ
ノ酸配列部分が置換、欠損、挿入により変化を受けたも
のであってもよい。このようなIL−6レセプターとし
て、細胞膜から離脱した可溶性IL−6レセプター、すな
わちIL−6レセプター細胞外部分が例示できる。なお、
IL−6レセプターについては特願平1−9774号明細書に
そのアミノ酸一次構造、DNA等が詳細に開示されてお
り、さらにその具体的な製造方法についても特願平1−
271862号明細書に詳細に開示されている。
3. 測定キット 本発明の第一の態様の方法を実施するためのキットは
適当な方法でIL−6が固定された固体支持体及び標識さ
れたIL−6を含む。このキットはさらに検体稀釈用緩衝
液等を含むことができる。
また、第二の態様の方法を実施するためのキットは適
当な方法でIL−6が固定された固体支持体及びウサギ、
ラット等の動物由来の抗IL−6抗体を含む。このキット
はさらに、該動物抗体に対する第二の抗体であって標識
されたものを含むことができる。しかしながらこの第二
抗体はユニバーサルな標識抗体として別途入手すること
が容易であるから、キットに含める必要はない。このキ
ットにさらに、検体の稀釈用等の緩衝液、標識を検出す
るための試薬等を含むことができる。
〔実施例〕
以下本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示
すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
実施例1. ビーズを用いたヒトIL−6の化学的測定法 抗マウスイムノグロブリン抗体の結合した、TBS緩衝
液に懸濁されたSPAビーズ(アマーシャム)500mgに、マ
ウス由来抗ヒトIL−6レセプター・モノクローナル抗体
であるMT18(Y.Hirataら、J.Immunol.,143,p2900,1989
年参照)を20μg加えて、2℃で一晩回転させた。翌
日、PBSで洗浄して未結合のMT18を除去した後、ビーズ
を10mlのPBSに懸濁した。次に、20μgの可溶性IL−6
レセプター(平成1年特願第271865号参照)を加え、2
℃で4時間放置した。続いて、アッセイ用の緩衝液(PB
S/0.1%BSA)でビーズを洗い、未結合の可溶性IL−6レ
セプターを除去した後、10mlの同緩衝液に懸濁した。50
μの125I−IL−6(30000cpm)、50μの濃度既知の
IL−6溶液、100μの上記の処理をしたビーズ、100μ
のアッセイ用緩衝液を混合し、そして125I−IL−6結
合によりSPAビーズより生じた光をβ−シンチレーショ
ンカウンターで測定した。
第1図は、検体中のIL−6濃度の増加に伴い、結合し
125I−IL−6が減少すること、すなわち、本方法によ
り検体中のIL−6濃度が測定できることを示す。
実施例2. プレートを用いたヒトIL−6の化学的測定法
(抗IL−6抗体を使わない方法) 1μg/mlの上記MT18抗体を含むPBSを96穴のマイクロ
タイタープレートに1ウエルあたり100μ加え、1晩
4℃で放置した。洗浄後、100μの1%BSAを加え、2
時間室温で放置した。BPS/0.05%Tween20により洗浄
後、IL−6レセプターを分泌しているCHO細胞の培養上
清を加え、2時間室温で放置した。PBS/0.05%Tween20
により洗浄後、50μの125I−IL−6(30000cpm)、及
び50μの濃度既知のIL−6溶液を混合したものを各ウ
エルに加え、2時間室温で放置した。PBS/0.05%Tween2
0により洗浄後、各ウエルの放射能をγ−カウンターで
測定した。
第2図は、検体中のIL−6濃度の増加に伴い、プレー
トの残存放射能が減少すること、すなわち、本方法によ
り検体中のIL−6濃度が測定できることを示す。
実施例3. プレートを用いたヒトIL−6の化学的測定法
(抗IL−6抗体を使う方法) 2μg/mlの上記MT18抗体を含むPBSを96穴のマイクロ
タイタープレートに1ウエルあたり100μ加え、1晩
4℃で放置た。PBS/0.05%Tween20により洗浄後、100μ
の1%BSAを加え、2時間室温で放置した。PBS/0.05
%Tween20により洗浄後、IL−6レセプターを分泌して
いるCHO細胞の培養上清を加え、2時間室温で放置し
た。PBS/0.05%Tween20により洗浄後、濃度既知のIL−
6溶液を加え、2時間室温で放置した。洗浄後、5μg/
mlのウサギ由来抗IL−6ポリクローナル抗体を1ウエル
あたり100μ加え、2時間室温で放置した。PBS/0.05
%Tween20により洗浄後、1000倍稀釈したアルカリフォ
スフォターゼ結合ヒツジ由来抗ウサギイムノグロブリン
抗体(コスモバイオ)を1ウエルあたり100μ加え、
2時間室温で放置した。洗浄後、1mg/mlのアルカリフォ
スフォターゼ基質(コスモバイオ)を1ウエルあたり10
0μ加え、37℃で約30分間放置した後、405nmの発色を
測定した。
第3図は、検体中のIL−6濃度の増加に伴い、強く発
色すること、すなわち、本方法により検体中のIL−6濃
度が測定できることを示す。
〔発明の効果〕
本発明で提供されるIL−6の化学的測定法は、生物活
性を有する限り、すなわちIL−6レセプターと結合する
性質を有する限り、いかなる形状のIL−6をも高感度で
迅速に、しかも多検体を同時に測定することを可能にし
た。この方法は、各疾患でのIL−6の生理的濃度を調べ
たり、IL−6の疾患における役割を解明したり、他の薬
剤の効果を調べるのに有用である。さらにこの方法は、
IL−6とIL−6レセプターの結合を阻害する物質を、高
感度で迅速に探索することに用いることも可能であり、
IL−6の阻害剤開発にも有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、IL−6を含まない検体を実施例1に示す方法
で測定したときにSPAビーズに結合した125I−IL−6量
を100として、大腸菌由来リコンビナントIL−6を各種
濃度で含む検体を同方法で測定したときのSPAビーズに
結合した125I−IL−6量を示す。 第2図は、IL−6を含まない検体を実施例2に示す方法
で測定したときにプレートに残存した125I−IL−6量を
100として、大腸菌由来リコンビナントIL−6を各種濃
度で含む検体を同方法で測定したときのプレートに残存
した125I−IL−6量を示す。 第3図は、大腸菌由来リコンビナントIL−6を各種濃度
で含む検体を実施例3に示す方法で測定したときの、プ
レートの発色を示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−3198(JP,A) 特開 昭59−108959(JP,A) 特開 昭63−40858(JP,A) 特開 平2−103465(JP,A) Saence Vol.241,No. 5867(1988)P.825−828 J CLIN INVEST,Vo l.84,No.6(1989)P.2008− 2011 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/53 G01N 33/566

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトIL−6レセプターを固定した固体支持
    体を標識されたヒトIL−6及び分析検体と接触せしめ、
    そして該ヒトIL−6レセプターを介して固体支持体に結
    合した標識されたヒトIL−6の量又は固体支持体に結合
    しなかった標識されたIL−6の量を測定し、この測定値
    に基いて検体中のIL−6の存否又は量を決定することを
    特徴とする検体中のIL−6の検出又は測定方法。
  2. 【請求項2】ヒトIL−6レセプターを固定した固体支持
    体を分析検体と接触せしめることにより該分析検体中の
    ヒトIL−6を該IL−6レセプターを介して固体支持体に
    結合せしめ、そして固体支持体に結合したIL−6を測定
    することを特徴とするヒトIL−6の検出又は測定法。
  3. 【請求項3】固体支持体に結合したIL−6の測定を抗IL
    −6抗体を用いて行うことを特徴とする請求項2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法を実施するためのキ
    ットであって、ヒトIL−6レセプターを固定した固体支
    持体及び標識されたヒトIL−6を含むことを特徴とする
    キット。
  5. 【請求項5】請求項2又は3に記載の方法を実施するた
    めのキットであって、ヒトIL−6レセプターを固定した
    固体支持体及び抗ヒトIL−6抗体を含むことを特徴とす
    るキット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
J CLIN INVEST,Vol.84,No.6(1989)P.2008−2011
Saence Vol.241,No.5867(1988)P.825−828

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