JPH11213109A - カード防犯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クレジットカードやキャッシュカード等のカ
ードにおいて、あるカードに他のカードの磁気情報を書
き込んだ状態で不正使用することを防ぐカード防犯装置
を提供する。 【解決手段】 照合機内に挿入されカード走行面１を走
行するカードの磁気情報を磁気ヘッド２が読み、カード
にエンボス或は印刷された特定記号を読み取り機３が読
み取り、読まれた磁気情報に含まれる会員番号、および
読み取り機が読み取った特定記号に含まれる会員番号が
一致するか或は正しい組み合わせであるか否かを判断
し、会員番号が不一致或は正しい組み合わせでないと判
断した時には、磁気情報が電磁石４によって破壊され、
不正マーク刻印機によってカードへ刻印され、会員番号
が一致する場合に行われる通常の処理を行わずにカード
をカード走行面から排出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、クレジットカー
ドやキャッシュカードなどのカードの不正な使用を防ぐ
カード防犯装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、カードを商店や銀行などで使用す
る場合に、照合機である端末機と例えばカード管理会社
のコンピュータとの間でオンラインによって、磁気スト
ライプに記憶された磁気情報による照合のみが行われ
る。この磁気照合のみによる照合によって、カードの有
効性がチェックされ、有効であると認められたカードの
みが使用を許される。無効と認められた場合には、例え
ば端末機において、無効である旨が特定のジャーナルに
打ち出されて、処理が終了する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一般にクレジットカー
ドやキャッシュカード等のカードには、図１と図２に示
したように、カードＡの表面にエンボス加工又は印刷さ
れた会員を特定するための番号の組み合わせから成特定
情報Ｂが設けられている他に、カードＡの裏面に設けら
れた磁気ストライプＣへこの特定情報の特定番号と同じ
特定番号が磁気情報としてエンコードされている。勿
論、これは代表的な例であり、カードの表面或は裏面の
どちらかの面にエンボス加工又は印刷された会員の特定
情報と磁気ストライプの双方が設けられているものもあ
る。磁気ストライプＣは読み書き可能であり、この磁気
ストライプＣを読み取ったり、新たに書き込んだりする
ことのできる読み取り装置や書き込み装置も入手可能と
なっている。

【０００４】したがって、以上のような磁気情報のみに
よる照合では、以下のような不正使用が防ぐことができ
ないという問題が生じている。すなわち、拾ったカー
ド、盗んだカード、あるいは手持ちのカードの磁気スト
ライプに、勝手に他人の特定情報（例えばクレジットカ
ードの場合の会員番号）を含む磁気情報をエンコードさ
せ（書き込み）、不正使用することが防ぐことができな
い。

【０００５】また、拾ったカード、あるいは盗んだカー
ドの磁気ストライプから特定番号を含む磁気情報を、読
み取り装置によって読み取り、書き込み装置によって他
のカードの磁気ストライプへ大量にエンコードさせ、不
正使用することも防ぐことができない。なお、これらの
場合に、暗証番号も外部から知りうる。

【０００６】以上のような場合に、拾ったカード、或は
盗んだカードをそのまま使用することは、一つの犯罪で
あるが、拾ったカード、或は盗んだカードの磁気ストラ
イプに記憶されている他の会員を特定する特定番号を読
み取り、これを自分のカードの磁気ストライプへエンコ
ードして使用した場合に、その犯罪の立証は極めて困難
になる。

【０００７】また、拾ったり、盗んで来たカードの特定
番号を読み取り、これを自分のカードの磁気ストライプ
へエンコードさせて、一人が一度に一定の場所で大量に
商品を購入すると怪しまれるが、同じ特定番号の複数の
カードを造り、複数の人が複数の場所で別々に使用すれ
ば、短時間の間に怪しまれることなく、大量の商品の詐
取が可能となる。

【０００８】この発明は、以上の問題点を解決するため
になされたもので、あるカードに他人のカードの磁気情
報を書き込んだ状態で不正使用することを防ぐカード防
犯装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、第一の発明は、照合機内に配置されるカード走行
面に設けられカードの磁気情報を読むための磁気ヘッド
と、前記カード走行面に設けられカードにエンボス加工
または印刷された特定の番号の組み合わせである特定情
報を読み取る読み取り機と、前記磁気ヘッドからの磁気
情報に含まれる特定番号、および前記読み取り機が読み
取った特定情報に含まれる特定番号が一致或は正しい組
み合わせであるか否かを判断する判別手段と、特定番号
が不一致或は正しい組み合わせでないと前記判別手段が
判断した時に機能する不正カード対応手段と、を有する
ことを特徴とするカード防犯装置である。

【００１０】第二の発明は、前記不正カード対応手段
が、特定番号が一致或は正しい組み合わせである場合に
行われる通常の処理を行わずにカードをカード走行面か
ら排出する機構、前記走行面に設けられ前記磁気情報を
破壊するための電磁石、および、前記走行面に設けられ
カードへ刻印または穿孔するための不正マーク刻印機の
うち、ひとつ、または任意に組み合わされたふたつ、あ
るいは全てであることを特徴とするカード防犯装置であ
る。

【００１１】第三の発明は、前記カードはクレジットカ
ードであり、前記特定番号は会員番号であることを特徴
とするカード防犯装置である。

【００１２】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態に係るカー
ド防犯装置を備えた照合機を、図３に示す。

【００１３】この照合機は、クレジットカード用のもの
である。図示してないが、この種のクレジットカードの
表面には図１と図２に示したように磁気ストライプが設
けられ磁気情報が書き込まれている。また、同じく図１
と図２に示したように、盛り上がった状態で特定情報が
エンボス加工によって施され、これによってカードを特
定する特定番号としての会員番号が表示されている。

【００１４】照合機のカード走行面１には、カード挿入
口（図中左側）からカード排出口（図中右側）へかけて
順に、磁気情報を読みとるための磁気ヘッド２、カード
表面にエンボス加工された特定情報としての特定番号を
読みとる読み取り機３、磁気情報を破壊するための電磁
石４、カードへ刻印するための不正マーク刻印機５、カ
ードストッパ６およびストッパ駆動部６Ａが配置され
る。

【００１５】読み取り機３は例えば圧電式であり、カー
ドにエンボスされた特定情報の部分に相当する面積を有
するベースに対し、多数の圧電素子を平面上に配置した
構造を有する圧電ヘッドと、停止した状態のカードに前
記圧電ヘッドを押圧する押圧機構とを有する。

【００１６】磁気ヘッド２からの磁気情報と、読み取り
機３からの文字情報の読み取り信号は、判別手段７に入
力され、両者の特定番号が一致した場合には通信回線８
を使って、カード管理会社のコンピュータへ送られ、照
合が行われる。判別手段７により両者の特定番号が不一
致とされた場合には、通信回線８を使ってのカード管理
会社への照会は行われず、判別手段７からの制御信号を
受けて、制御回路９は、ＣＰＵ１０を介して各ドライバ
１１，１２，１３により、電磁石４、不正マーク刻印機
５、カードストッパ６の駆動部６Ａを駆動する。

【００１７】さて、カードをカード走行面１に挿入する
と、カードに設けられた磁気ストライプに書き込まれた
磁気情報を磁気ヘッド２が読み、カードにエンボス加工
された特定情報を読み取り機３が読み取る。この時、読
み取り機３は圧電ヘッドを押圧機構により、カードに押
圧し、エンボスされた会員番号の部分に強く押圧された
圧電素子が、電圧を発生させることで、会員番号を読み
取ることができる。

【００１８】そして、磁気ヘッド２からの磁気情報と、
読み取り機３からの特定情報の読み取り信号は、判別手
段７に入力され、判別手段７により両者の特定番号が一
致した場合には、通信回線８を使って、カード管理会社
のコンピュータへ送られ、照合が行われる。この照合の
際に、磁気情報によってカードの有効性がチェックさ
れ、有効であると認められた場合には、カード管理会社
のコンピュータから判別手段７へ、有効である旨の信号
が送られ、カードの使用が許される。そして、判別手段
７からの制御信号を受けて、制御回路９は、ＣＰＵ１０
を介してドライバ１３により、カードストッパ６を下げ
て、正式の処理位置に送られ通常の処理が行われる。

【００１９】無効と認められた場合、例えばその磁気情
報によって特定されるカードに対し紛失届けや盗難届が
出ている場合には、無効である旨の信号が判別手段７へ
送られ、この判別手段７からの制御信号により磁気情報
を破壊するための電磁石４、およびカードへ刻印するた
めの不正マーク刻印機５などの不正カード対応手段が機
能する。

【００２０】即ち、この照合の際に、磁気情報に含まれ
る特定番号と読み取られたエンボス加工の特定情報とし
ての特定番号が一致するか否かが、判別手段７によって
判断され、一致しない場合には、偽造或は変造された不
正カードであるとして、判別手段７からの制御信号によ
り不正カード対応手段が機能する。

【００２１】この場合、判別手段７からの判別信号を受
けて、制御回路９は、ＣＰＵ１０を介してドライバ１３
により、カードストッパ６を駆動して上げカードを停止
させ、停止させた状態で、ドライバ１２により電磁石４
を働かせカードの磁気情報を破壊する。更に、ドライバ
１１により不正マーク刻印機５を働かせ、カードに例え
ば「使用できません」と刻印する。そして、カードは、
正式の処理位置を通過して通常の処理を行わずにカード
走行面から排出される。

【００２２】尚、以上の説明は、カードの表面にエンボ
ス加工された特定番号或は情報と、磁気ストライプにエ
ンコードされた特定番号或は情報とが同じものである場
合について説明した。この場合には、特定番号或は情報
の不一致を判別手段７で判別できるので、カード管理会
社へいちいち問い合わせなくとも良いことを前提として
いるが、カード管理会社へ問い合わせても良い。この場
合には、通信回線８及びカード管理会社のコンピュータ
が判別手段に含まれる。

【００２３】しかし、カード表面にエンボス加工された
会員を特定する特定情報と、磁気ストライプにエンコー
ドされている磁気情報とが、最初より有効なままで同じ
特定番号或は情報ではないカードの場合は、後述するよ
うな何らかの判別手段を照合機側が持っていないと、直
ちに判別手段７で判別することは困難であるから、これ
をカード管理会社へ問い合わせることが必要となろう。
しかし、この場合でも、本願発明のものはカード防犯装
置として機能するものであるから、このものも含んでい
る。

【００２４】以上のように、この実施形態によれば、磁
気ヘッド２が読みとった磁気情報に含まれる特定番号と
しての会員番号と、カードにエンボスされ読み取り機３
が読みとった特定情報の特定番号としての会員番号と
が、一致するか或は正しい組み合わせであるかを判別手
段７かカード管理会社のコンピュータが判断することに
より、一致或は正しい組み合わせでない場合には、ある
カードに他のカードの磁気情報を書き込んだ偽造或は変
造された不正カードと考えられ、磁気情報を破壊し将来
にわたる不正使用を防ぐことができ、また、不正マーク
刻印機によりカードへ刻印することで、不正カードであ
ることを明らかにできる。

【００２５】（他の実施形態）以上の実施形態では、カ
ードはクレジットカードであり、特定番号は会員番号で
あったが、他の実施形態では、カードはキャッシュカー
ドであり、特定番号は口座番号とすることができる。

【００２６】また、以上の実施形態では、不正マーク刻
印機はカードへ刻印するためのものであったが、他の実
施形態ではカードへ穿孔するためのものとすることがで
きる。

【００２７】また、以上の実施形態では、不正カード対
応手段が、カードをカード走行面から排出する機構、磁
気情報を破壊するための電磁石、および、カードへ刻印
するための不正マーク刻印機であったが、他の実施形態
では、これらのうち、ひとつ、または任意に組み合わさ
れたふたつとすることができる。

【００２８】また、以上の実施形態では、照合の際に、
磁気情報に含まれる特定番号の信号と、読み取られたエ
ンボス加工の特定情報としての特定番号の信号が一致す
るか或は正しい組み合わせであるか否かが、制御ユニッ
ト７またはカード管理会社のコンピュータによって判断
されたが、他の実施形態では、磁気情報に含まれる特定
番号の信号と読み取られたエンボス加工の特定番号の信
号を制御回路９に送り、制御回路９の何らかの方法によ
り、ＣＰＵ１０で判断するように構成することも可能で
ある。

【００２９】また、以上の実施形態では、カードの表面
にエンボス加工された特定番号を読み取る読み取り機３
は、圧電式であったが、他の実施形態では、他の種々の
ものが採用されうる。すなわち、 （１）まず、機械式のものが採用されうる。例えば、複
数本のセンサーバーを縦方向の姿勢でそれぞれ独立して
上下に移動可能に設け、各センサーバーは下方に自重ま
たはバネにより付勢され、下先端が滑らかに仕上げられ
る。各センサーバーの下先端が特定情報の特定番号とし
ての会員番号のエンボス加工の凹凸と滑らかに接触する
ことで各センサーバーが上下動すると、この上下動が電
気的に検出され、会員番号を読み取るものとできる。

【００３０】（２）また、光学式のものが採用されう
る。光をエンボス加工の部分に斜めに照射し、反射光を
ＣＣＤカメラに受ける。エンボス加工の縁の部分は影に
なるので、会員番号を読み取ることができる。

【００３１】（３）更には、レーザー光線式のものが採
用されうる。レーザー光線をエンボス加工の部分を走査
して会員番号を読み取る。

【００３２】また、以上の実施形態では、カードの表面
に表示される会員番号はエンボス加工されたものであっ
たが、他の実施形態では、印刷された文字、数字、或は
記号、バーコード等のものであっても良い。この場合に
は、読み取り機は、例えば、光学式のもので、光反射型
センサー、赤外線センサー、或はイメージスキャナー等
が採用されうる。

【００３３】また、以上の実施形態では、カードの有効
性はオンラインでチェックされる場合があった。すなわ
ち、磁気ヘッド２からの磁気情報は、判断手段７に入力
され、通信回線８を使って、カード管理会社のコンピュ
ータへ送られ、照合が行わ、カードの有効性がチェック
された。しかし、他の実施形態では、カード管理会社の
コンピュータから予め、照合機である端末機へまとめて
送信され記憶されているチェックデータに基づいてチェ
ックを行うものとしても良い。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、第一、第二、また
は第三の発明によれば、磁気ヘッドが読みとった磁気情
報に含まれる特定番号と、カードにエンボスまたは印刷
され読み取り機が読みとった特定情報に含まれる特定番
号とが、一致するか或いは正しい組み合わせであるか否
かを判断することにより、不一致或は正しい組み合わせ
でない場合には、あるカードに他のカードの磁気情報を
書き込んだ状態で不正使用と考えられるので、不正カー
ド対応手段により不正使用を防ぐことができる。

【００３５】第二の発明によれば、更に、特定番号が不
一致或は正しい組み合わせでない場合には、一致或は正
しい組み合わせである場合に行われる通常の処理を行わ
ずに、カードをカード走行面から排出することで、カー
ドの不正使用を防ぐことができ、あるいは、電磁石によ
り磁気情報を破壊し将来にわたる不正使用を防ぐことが
でき、また、不正マーク刻印機によりカードへ刻印する
ことで、不正カードであることを明らかにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】カードの表面図である。

【図２】カードの裏面図である。

【図３】この発明の一実施の形態に係るカード防犯装置
を示すブロック図である。

【符号の説明】

Ａ カード Ｂ 特定情報 Ｃ 磁気ストライプ １ カード走行面 ２ 磁気ヘッド ３ 読み取り機 ４ 電磁石 ５ 不正マーク刻印機 ６ カードストッパ ７ 判別手段 ８ 通信回線 ９ 制御回路 １０ ＣＰＵ １１，１２，１３ ドライバ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 照合機内に配置されるカード走行面に設
   けられカードの磁気情報を読むための磁気ヘッドと、前
   記カード走行面に設けられカードにエンボス加工または
   印刷された特定情報を読み取る読み取り機と、前記磁気
   ヘッドからの磁気情報に含まれる特定番号、および前記
   読み取り機が読み取った特定情報に含まれる特定番号が
   一致或は正しい組み合わせであるか否かを判断する判別
   手段と、特定番号が不一致或は正しい組み合わせでない
   と前記判別手段が判断した時に機能する不正カード対応
   手段と、を有することを特徴とするカード防犯装置。
2. 【請求項２】 前記不正カード対応手段が、特定番号が
   一致或は正しい組み合わせである場合に行われる通常の
   処理を行わずにカードをカード走行面から排出する機
   構、前記走行面に設けられ前記磁気情報を破壊するため
   の電磁石、および、前記走行面に設けられカードへ刻印
   または穿孔するための不正マーク刻印機のうち、ひと
   つ、または任意に組み合わされたふたつ、あるいは全て
   から構成されていることを特徴とする請求項１記載のカ
   ード防犯装置。
3. 【請求項３】 前記カードはクレジットカードであり、
   前記特定番号は会員番号であることを特徴とする請求項
   ２、または３記載のカード防犯装置。