JPH11189461A - 高耐食性溶融シリカ含有耐火物 - Google Patents
高耐食性溶融シリカ含有耐火物Info
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- JPH11189461A JPH11189461A JP9358468A JP35846897A JPH11189461A JP H11189461 A JPH11189461 A JP H11189461A JP 9358468 A JP9358468 A JP 9358468A JP 35846897 A JP35846897 A JP 35846897A JP H11189461 A JPH11189461 A JP H11189461A
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Landscapes
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- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 Al2O3−SiO2−黒鉛系耐火物の耐ス
ポール性を低下することなくスラグに対する耐食性を向
上し、これによって鋳造にさいしての安定性と耐用性と
の両方が改善された鋳造用ノズルを得ること。 【解決手段】本発明は、粒子径0.1mm以上の溶融シ
リカを含有するAl2O3−SiO2−黒鉛系耐火物にお
いて、溶融シリカをジルコニア、マグネシアのような高
耐食性耐火性原料によって被覆した。これによって、溶
融シリカの持つ低熱膨張性という特長を保ちながら耐食
性の改善が達成できる。この溶融シリカを使用したAl
2O3−SiO2−黒鉛系耐火物をロングノズルや浸漬ノ
ズルに適用することによって耐用性を格段に向上でき
る。
ポール性を低下することなくスラグに対する耐食性を向
上し、これによって鋳造にさいしての安定性と耐用性と
の両方が改善された鋳造用ノズルを得ること。 【解決手段】本発明は、粒子径0.1mm以上の溶融シ
リカを含有するAl2O3−SiO2−黒鉛系耐火物にお
いて、溶融シリカをジルコニア、マグネシアのような高
耐食性耐火性原料によって被覆した。これによって、溶
融シリカの持つ低熱膨張性という特長を保ちながら耐食
性の改善が達成できる。この溶融シリカを使用したAl
2O3−SiO2−黒鉛系耐火物をロングノズルや浸漬ノ
ズルに適用することによって耐用性を格段に向上でき
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼などの金属の連
続鋳造において取鍋からタンディッシュへの金属溶湯の
注入に使用されるロングノズル、タンディッシュからモ
ールドへの溶融金属の注入に使用する浸漬ノズル、溶鋼
の流量を制御するロングストッパー等に好適なA1203
−Si02−黒鉛系耐火物に関する。
続鋳造において取鍋からタンディッシュへの金属溶湯の
注入に使用されるロングノズル、タンディッシュからモ
ールドへの溶融金属の注入に使用する浸漬ノズル、溶鋼
の流量を制御するロングストッパー等に好適なA1203
−Si02−黒鉛系耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の連続鋳造においては、取鍋からタ
ンディッシュへの金属溶湯の注入にはロングノズルが、
タンディッシュからモールドへの溶鋼の注入には浸漬ノ
ズルが一般に使用されている。これらのノズルは溶鋼を
整流化し、大気との接触による酸化を防止し、また溶鋼
の飛散を防止して安全に鋳造を行うなど重要な役割を担
っている。
ンディッシュへの金属溶湯の注入にはロングノズルが、
タンディッシュからモールドへの溶鋼の注入には浸漬ノ
ズルが一般に使用されている。これらのノズルは溶鋼を
整流化し、大気との接触による酸化を防止し、また溶鋼
の飛散を防止して安全に鋳造を行うなど重要な役割を担
っている。
【0003】ところで、浸漬ノズルやロングノズルは必
ずしも十分な予熱を受けずに溶鋼が注入されるため内孔
側が急激に加熱されて熱応力が発生し、これがしばしば
ノズルに亀裂を生じさせて漏鋼に至り、操業上大きな問
題となる場合があった。そこで、特公昭47−4940
9公報では熱膨張が小さい溶融シリカをA1203−黒鉛
系耐火物に添加することによって耐スポール性を改善
し、これら操業トラブルの減少が図られている。
ずしも十分な予熱を受けずに溶鋼が注入されるため内孔
側が急激に加熱されて熱応力が発生し、これがしばしば
ノズルに亀裂を生じさせて漏鋼に至り、操業上大きな問
題となる場合があった。そこで、特公昭47−4940
9公報では熱膨張が小さい溶融シリカをA1203−黒鉛
系耐火物に添加することによって耐スポール性を改善
し、これら操業トラブルの減少が図られている。
【0004】このAl203−黒鉛系耐火物に溶融シリカ
を添加したA1203−Si02−黒鉛系耐火物は、浸漬
ノズルの本体、ロングノズル、ロングストッパー等に広
く適用されており、ロングノズルでは予熱温度が低くな
りがちな未浸漬部には大量のシリカを添加し、予熱が比
較的良好で耐食性が重視される浸漬部にはシリカの添加
量を減少させるなどの使い分けされている。
を添加したA1203−Si02−黒鉛系耐火物は、浸漬
ノズルの本体、ロングノズル、ロングストッパー等に広
く適用されており、ロングノズルでは予熱温度が低くな
りがちな未浸漬部には大量のシリカを添加し、予熱が比
較的良好で耐食性が重視される浸漬部にはシリカの添加
量を減少させるなどの使い分けされている。
【0005】しかし、溶融シリカを添加したA1203−
Si02−黒鉛材質は耐スポール性は大幅に改善された
ものの、溶融シリカ自身が溶鋼あるいはスラグに対して
溶損しやすいため、A1203−Si02−黒鉛系耐火物
も溶融シリカの添加量が増大するに従って耐食性は低下
する。
Si02−黒鉛材質は耐スポール性は大幅に改善された
ものの、溶融シリカ自身が溶鋼あるいはスラグに対して
溶損しやすいため、A1203−Si02−黒鉛系耐火物
も溶融シリカの添加量が増大するに従って耐食性は低下
する。
【0006】一方、特開平4−127944公報におい
ては、アルミナを被覆させたシリカを使用することが開
示され、これによって耐食性の改善が図られている。し
かしながら、スラグとの接触がほとんどない浸漬ノズル
の本体や浸漬部に対しては有効であるが、スラグと接触
しているロングノズルやロングストッパーのスラグライ
ンには十分な効果が発揮されない。
ては、アルミナを被覆させたシリカを使用することが開
示され、これによって耐食性の改善が図られている。し
かしながら、スラグとの接触がほとんどない浸漬ノズル
の本体や浸漬部に対しては有効であるが、スラグと接触
しているロングノズルやロングストッパーのスラグライ
ンには十分な効果が発揮されない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、A1203−
Si02−黒鉛系耐火物の耐スポール性を低下すること
なくスラグに対する耐食性を向上し、これによって鋳造
にさいしての安定性と耐用性との両方が改善された鋳造
用ノズルを得ることをその解決課題とする。
Si02−黒鉛系耐火物の耐スポール性を低下すること
なくスラグに対する耐食性を向上し、これによって鋳造
にさいしての安定性と耐用性との両方が改善された鋳造
用ノズルを得ることをその解決課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融シリカの
表面にジルコニア、マグネシアのような高耐食性の耐火
性原料を被覆することによって、溶融シリカの持つ低熱
膨張性という特長を保ちながら耐食性も改善できるとい
う知見に基づいて完成した。
表面にジルコニア、マグネシアのような高耐食性の耐火
性原料を被覆することによって、溶融シリカの持つ低熱
膨張性という特長を保ちながら耐食性も改善できるとい
う知見に基づいて完成した。
【0009】すなわち、本発明は、粒子径0.lmm以
上の溶融シリカを含有するA1203−Si02−黒鉛系
耐火物において、溶融シリカがジルコニア、マグネシア
のような高耐食性耐火性原料によって被覆されているこ
とを特徴とする。
上の溶融シリカを含有するA1203−Si02−黒鉛系
耐火物において、溶融シリカがジルコニア、マグネシア
のような高耐食性耐火性原料によって被覆されているこ
とを特徴とする。
【0010】溶融シリカを含有するA1203−Si02
−黒鉛系耐火物においては、主として溶融シリカがスラ
グに選択的に溶損していくことで溶損が進行する。そこ
で、溶融シリカの表面を耐食性に優れた耐火性原料で被
覆する。すると、溶融シリカが稼働面でスラグと接触し
た場合、スラグはまず被覆した耐火性原料と反応するた
め溶損速度が小さくなる。また、被覆層の厚みが小さけ
れば溶融シリカの熱膨張への影響は小さく低熱膨張性が
維持される。
−黒鉛系耐火物においては、主として溶融シリカがスラ
グに選択的に溶損していくことで溶損が進行する。そこ
で、溶融シリカの表面を耐食性に優れた耐火性原料で被
覆する。すると、溶融シリカが稼働面でスラグと接触し
た場合、スラグはまず被覆した耐火性原料と反応するた
め溶損速度が小さくなる。また、被覆層の厚みが小さけ
れば溶融シリカの熱膨張への影響は小さく低熱膨張性が
維持される。
【0011】被覆する高耐食性耐火性原料としては、溶
融シリカより耐食性に優れたものであれば特に制限はな
いが、特にジルコニア、マグネシアが経済性や耐食性の
点で好適である。さらにこれらの成分を含有する化合物
も適用可能であり、例えばジルコン、スビネル、ジルコ
ニア・ムライト、アルミナ・ジルコニア等が挙げられ
る。
融シリカより耐食性に優れたものであれば特に制限はな
いが、特にジルコニア、マグネシアが経済性や耐食性の
点で好適である。さらにこれらの成分を含有する化合物
も適用可能であり、例えばジルコン、スビネル、ジルコ
ニア・ムライト、アルミナ・ジルコニア等が挙げられ
る。
【0012】被覆される溶融シリカの粒度については
0.lmm以上が好ましい。0.lmm以下の粒度の溶
融シリカをA1203−黒鉛系耐火物に添加しても耐スポ
ール性改善の効果は非常に小さいため溶融シリカを添加
する必要性がなくなるためである。
0.lmm以上が好ましい。0.lmm以下の粒度の溶
融シリカをA1203−黒鉛系耐火物に添加しても耐スポ
ール性改善の効果は非常に小さいため溶融シリカを添加
する必要性がなくなるためである。
【0013】被覆する高耐食性耐火性原料の厚みは、
0.02mm以上0.2mm以下が好ましい。0.02
mm未満では被覆層の溶損が早く、耐食性の改善効果が
小さくなり、また逆に0.2mmを越えると熱膨張の大
きな被覆層の影響で被覆した溶融シリカの熱膨張が大き
くなり耐スポール性の改善効果が小さくなるためであ
る。
0.02mm以上0.2mm以下が好ましい。0.02
mm未満では被覆層の溶損が早く、耐食性の改善効果が
小さくなり、また逆に0.2mmを越えると熱膨張の大
きな被覆層の影響で被覆した溶融シリカの熱膨張が大き
くなり耐スポール性の改善効果が小さくなるためであ
る。
【0014】本発明は、粒径0.lmm以上の溶融シリ
カ全てついて高耐食性の耐火性原料を被覆することが好
ましいが、一部にのみ適用してもその適用割合に応じて
効果を発揮することができる。また、被覆厚みについて
も一部が0.02mm以上0.2mm以下の範囲外にあ
ったとしても同様に問題はない。
カ全てついて高耐食性の耐火性原料を被覆することが好
ましいが、一部にのみ適用してもその適用割合に応じて
効果を発揮することができる。また、被覆厚みについて
も一部が0.02mm以上0.2mm以下の範囲外にあ
ったとしても同様に問題はない。
【0015】また、本発明は、溶融シリカと接触してい
る被覆層すなわち1層目の被覆層が重要である。粉末原
料の混練工程によっては、2層以上の被覆層が形成され
ることもあるが、本発明の効果が顕著に現れるのは1層
目の被覆層による。
る被覆層すなわち1層目の被覆層が重要である。粉末原
料の混練工程によっては、2層以上の被覆層が形成され
ることもあるが、本発明の効果が顕著に現れるのは1層
目の被覆層による。
【0016】溶融シリカの表面にのみ所定の耐火性原料
を被覆させるためには、例えば最初に溶融シリカと耐火
性原料に適量のバインダーを添加してあらかじめ混練し
ておき、次に残りの原料を添加して再度混練する方法を
採用することができる。あるいは、被覆させる耐火原料
をスラリー状にして溶融シリカの表面にコーティング
し、乾燥させたものに残りの原料とバインダーを添加し
て同様に混練する方法もある。これらの混練の形態で、
溶融シリカの被覆層は1層のみあるいは複数層に任意形
成できる。
を被覆させるためには、例えば最初に溶融シリカと耐火
性原料に適量のバインダーを添加してあらかじめ混練し
ておき、次に残りの原料を添加して再度混練する方法を
採用することができる。あるいは、被覆させる耐火原料
をスラリー状にして溶融シリカの表面にコーティング
し、乾燥させたものに残りの原料とバインダーを添加し
て同様に混練する方法もある。これらの混練の形態で、
溶融シリカの被覆層は1層のみあるいは複数層に任意形
成できる。
【0017】なお、本発明のA1203−Si02−黒鉛
系耐火物においては、SiC、B4C、Si、A1等を
少量添加することによって酸化防止や強度向上が期待で
きる。
系耐火物においては、SiC、B4C、Si、A1等を
少量添加することによって酸化防止や強度向上が期待で
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて発明の実
施の形態を具体的に説明する。
施の形態を具体的に説明する。
【0019】実施例1 本発明の実施例の耐火物の特性を比較例とともに表1に
示す。同表においては、前混練用原料と後混練用原料の
配合割合、得られた被覆層の厚み、これを配合原料とし
て得た耐火物の特性を示している。
示す。同表においては、前混練用原料と後混練用原料の
配合割合、得られた被覆層の厚み、これを配合原料とし
て得た耐火物の特性を示している。
【0020】
【表1】 同表における試料のNo.1〜No.3は比較例を示
し、No.4〜No.7は本発明の実施例を示す。比較
例である試料No.1は従来の一般的なA1203−Si
02−黒鉛系耐火物を、同じくNo.2はNo.1に超
微粉ジルコニアを均一に混合した例を、同じくNo.3
は溶融シリカにアルミナを被覆した従来例を示す。N
o.1とNo.2については、表1に示す配合割合の全
量を混合し適量のフェノールレジンを添加して混練し、
配合物を得た。
し、No.4〜No.7は本発明の実施例を示す。比較
例である試料No.1は従来の一般的なA1203−Si
02−黒鉛系耐火物を、同じくNo.2はNo.1に超
微粉ジルコニアを均一に混合した例を、同じくNo.3
は溶融シリカにアルミナを被覆した従来例を示す。N
o.1とNo.2については、表1に示す配合割合の全
量を混合し適量のフェノールレジンを添加して混練し、
配合物を得た。
【0021】比例例であるNo.3と実施例であるN
o.4からNo.7の試料の場合、それぞれ、溶融シリ
カヘ所定の耐火性原料を被覆させるため最初に前混練用
の原料にバインダーとして適量のフェノールレジンを添
加してあらかじめ混練して造粒子を作製し、これに後混
練用の原料を加えてさらに混練し配合物を得た。得られ
た配合物は1000kg/cm2の圧力でノズル形状に
CIP成形し、コークス中に埋め込んで最高温度100
0℃にて還元焼成を行った。
o.4からNo.7の試料の場合、それぞれ、溶融シリ
カヘ所定の耐火性原料を被覆させるため最初に前混練用
の原料にバインダーとして適量のフェノールレジンを添
加してあらかじめ混練して造粒子を作製し、これに後混
練用の原料を加えてさらに混練し配合物を得た。得られ
た配合物は1000kg/cm2の圧力でノズル形状に
CIP成形し、コークス中に埋め込んで最高温度100
0℃にて還元焼成を行った。
【0022】焼成後の試料の断面を顕微鏡で観察すると
溶融シリカの周囲に1層あるいは2層の被覆層を確認す
ることができ、1層目の被覆層の厚みは表1の計算値と
ほぼ一致するものであった。
溶融シリカの周囲に1層あるいは2層の被覆層を確認す
ることができ、1層目の被覆層の厚みは表1の計算値と
ほぼ一致するものであった。
【0023】焼成したノズルの、曲げ強度、弾性率、熱
膨張率および耐食性を調査した。測定結果及び耐スポー
ル性を表す熱衝撃抵抗係数の結果を表1に示す。曲げ強
度は3点曲げ法により、弾性率は超音波法により、熱膨
張率は市販の熱膨張計で測定し1500℃までの平均線
膨張係数を示した。熱衝撃抵抗係数はポアソン比がほぼ
一定のため次式により算出した。数字は大きいほど耐ス
ポール性に優れていることを示す。
膨張率および耐食性を調査した。測定結果及び耐スポー
ル性を表す熱衝撃抵抗係数の結果を表1に示す。曲げ強
度は3点曲げ法により、弾性率は超音波法により、熱膨
張率は市販の熱膨張計で測定し1500℃までの平均線
膨張係数を示した。熱衝撃抵抗係数はポアソン比がほぼ
一定のため次式により算出した。数字は大きいほど耐ス
ポール性に優れていることを示す。
【0024】 (曲げ強度)/[(弾性率)×(熱膨張率)] 耐食性は、炭素含有量が0.01重量%の鋼を1600
℃にて溶解し、表面にCaOを40%、SiO2を30
%、Al2O3を10%、マグネシアを10%、二酸化マ
ンガンを7%含有するスラグを浮遊させ、1辺が20m
mの角柱状試料を30分間浸漬し、最大溶損部分の溶損
量を測定した。表1に示した数字はNo.1の溶損速度
を100として指数化しており、数字が小さいほど耐食
性に優れていることを示す。
℃にて溶解し、表面にCaOを40%、SiO2を30
%、Al2O3を10%、マグネシアを10%、二酸化マ
ンガンを7%含有するスラグを浮遊させ、1辺が20m
mの角柱状試料を30分間浸漬し、最大溶損部分の溶損
量を測定した。表1に示した数字はNo.1の溶損速度
を100として指数化しており、数字が小さいほど耐食
性に優れていることを示す。
【0025】品質測定結果から明らかなように、本発明
の実施例であるNo.4からNo.7は、比較例である
従来品のNo.1やNo.3と比較して溶融シリカへの
耐火性原料の被覆効果により熱衝撃抵抗性が維持されて
いるとともに、耐食性が大幅に改善されていることがわ
かる。特にNo.2とNo.4を比較すると、最終的に
は同一の原料を使用したにも関わらず、溶融シリカの表
面にのみ超微粉ジルコニアを配置したNo.4は超微粉
ジルコニアをマトリックスに均一に分散させたに過ぎな
いNo.2と比較して耐スポール性、耐食性ともに優れ
ており本発明の効果が顕著に現れている。
の実施例であるNo.4からNo.7は、比較例である
従来品のNo.1やNo.3と比較して溶融シリカへの
耐火性原料の被覆効果により熱衝撃抵抗性が維持されて
いるとともに、耐食性が大幅に改善されていることがわ
かる。特にNo.2とNo.4を比較すると、最終的に
は同一の原料を使用したにも関わらず、溶融シリカの表
面にのみ超微粉ジルコニアを配置したNo.4は超微粉
ジルコニアをマトリックスに均一に分散させたに過ぎな
いNo.2と比較して耐スポール性、耐食性ともに優れ
ており本発明の効果が顕著に現れている。
【0026】実施例2 本発明における被覆層の厚みの影響について調査するた
めに表2のNo.8からNo.14の7種類の配合を混
練した。比較例としてのNo.8は、実施例1の比較例
No.1と同様に均一に混練した。No.9からNo.
14についてはNo.3からNo.7と同様に混練し、
溶融シリカへの超微粉ジルコニアの被覆厚みを増加させ
た。配合作製以降の成形、焼成、品質評価等については
実施例1と全く同様に実施した。
めに表2のNo.8からNo.14の7種類の配合を混
練した。比較例としてのNo.8は、実施例1の比較例
No.1と同様に均一に混練した。No.9からNo.
14についてはNo.3からNo.7と同様に混練し、
溶融シリカへの超微粉ジルコニアの被覆厚みを増加させ
た。配合作製以降の成形、焼成、品質評価等については
実施例1と全く同様に実施した。
【0027】
【表2】 品質評価の結果、本発明の実施例であるNo.9からN
o.14は、比較例のNo.8よりも耐食性に優れてい
る。但し、被覆厚みが0.02mm未満であるNo.9
は耐食性改善効果が比較的小さい。また、0.2mmを
越えるNo.14はNo.13と比較すると耐食性には
優れるものの、特に熱膨張係数の増大に伴う耐スポール
性の低下が比較的顕著であり好ましくない。このことか
ら、より好ましい被覆層の厚みは0.02mmから0.
2mmであることがわかる。
o.14は、比較例のNo.8よりも耐食性に優れてい
る。但し、被覆厚みが0.02mm未満であるNo.9
は耐食性改善効果が比較的小さい。また、0.2mmを
越えるNo.14はNo.13と比較すると耐食性には
優れるものの、特に熱膨張係数の増大に伴う耐スポール
性の低下が比較的顕著であり好ましくない。このことか
ら、より好ましい被覆層の厚みは0.02mmから0.
2mmであることがわかる。
【0028】実施例3 この実施例においては、本発明によって得た超微粉ジル
コニアの被覆層を有する溶融シリカを含有するA1203
−Si02−黒鉛系耐火物をロングノズルに適用し実炉
試験に供した。表1に示すNo.1とNo.4の材質を
スラグラインに適用してロングノズルを作製しスラブ連
鋳機にて実炉試験に供した。取鍋の容量は300トン、
l回チャージあたりの鋳造時問は約40分である。テス
ト本数は各々5本ずつで、1本あたり平均して約12回
のチャージ回使用した。使用後のノズルを回収し、スラ
グライン部の溶損速度を調査した結果No.4はNo.
1と比較して約30%溶損速度が小さくなることが判明
した。これによって、本発明品をロングノズルのスラグ
ライン部に適用することによつてノズルの耐用を向上さ
せることが可能となった。
コニアの被覆層を有する溶融シリカを含有するA1203
−Si02−黒鉛系耐火物をロングノズルに適用し実炉
試験に供した。表1に示すNo.1とNo.4の材質を
スラグラインに適用してロングノズルを作製しスラブ連
鋳機にて実炉試験に供した。取鍋の容量は300トン、
l回チャージあたりの鋳造時問は約40分である。テス
ト本数は各々5本ずつで、1本あたり平均して約12回
のチャージ回使用した。使用後のノズルを回収し、スラ
グライン部の溶損速度を調査した結果No.4はNo.
1と比較して約30%溶損速度が小さくなることが判明
した。これによって、本発明品をロングノズルのスラグ
ライン部に適用することによつてノズルの耐用を向上さ
せることが可能となった。
【0029】
【発明の効果】本発明によって、溶融シリカの耐食性は
改善され、この溶融シリカを使用したA1203−Si0
2−黒鉛系耐火物をロングノズルや浸漬ノズルに適用す
ることによって耐用性を格段に向上できる。
改善され、この溶融シリカを使用したA1203−Si0
2−黒鉛系耐火物をロングノズルや浸漬ノズルに適用す
ることによって耐用性を格段に向上できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 粒子径0.lmm以上の溶融シリカを含
有するA1203−Si02−黒鉛系耐火物において、前
記溶融シリカがジルコニア、マグネシアおよびこれらを
含有する化合物の中から選択される1種または2種以上
の被覆層によって被覆されている高耐食性溶融シリカ含
有耐火物。 - 【請求項2】 溶融シリカを被覆する被覆層の厚みが
0.02mm以上0.2mm以下である請求項1に記載
の高耐食性溶融シリカ含有耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9358468A JPH11189461A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 高耐食性溶融シリカ含有耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9358468A JPH11189461A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 高耐食性溶融シリカ含有耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11189461A true JPH11189461A (ja) | 1999-07-13 |
Family
ID=18459472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9358468A Pending JPH11189461A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 高耐食性溶融シリカ含有耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11189461A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114945544A (zh) * | 2020-02-20 | 2022-08-26 | 里弗雷克特里知识产权两合公司 | 用于生产烧结的耐火产品的晶粒、用于生产烧结的耐火产品的批料、用于生产烧结的耐火产品的方法和烧结的耐火产品 |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP9358468A patent/JPH11189461A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114945544A (zh) * | 2020-02-20 | 2022-08-26 | 里弗雷克特里知识产权两合公司 | 用于生产烧结的耐火产品的晶粒、用于生产烧结的耐火产品的批料、用于生产烧结的耐火产品的方法和烧结的耐火产品 |
CN114945544B (zh) * | 2020-02-20 | 2023-11-17 | 里弗雷克特里知识产权两合公司 | 用于生产烧结的耐火产品的颗粒、用于生产烧结的耐火产品的批料、用于生产烧结的耐火产品的方法和烧结的耐火产品 |
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