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JPH11186665A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

Info

Publication number
JPH11186665A
JPH11186665A JP35720697A JP35720697A JPH11186665A JP H11186665 A JPH11186665 A JP H11186665A JP 35720697 A JP35720697 A JP 35720697A JP 35720697 A JP35720697 A JP 35720697A JP H11186665 A JPH11186665 A JP H11186665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type
layer
light emitting
emitting device
cladding layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35720697A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Iwamoto
浩治 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP35720697A priority Critical patent/JPH11186665A/ja
Publication of JPH11186665A publication Critical patent/JPH11186665A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p型AlGaInPクラッド層にドープされ
たp型不純物が拡散により活性層に入り込むのを防止
し、特性の劣化を防止することができる半導体発光素子
を提供する。 【解決手段】 AlGaInP系半導体発光素子におい
て、活性層4とZnまたはMgがp型不純物としてドー
プされたp型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド
層5との間に、ZnまたはMgよりも拡散しにくいp型
不純物、例えばCが高濃度にドープされたp型Alz
1-z Asクラッド層13を設ける。p型Alz Ga
1-z Asクラッド層13の厚さは0.05〜0.3μm
とし、p型不純物のドーピング濃度は2×1017〜2×
1019cm-3とする。活性層4は、アンドープGaIn
P層を量子井戸層とし、アンドープAlGaInP層を
障壁層とするMQW構造、または、アンドープGaIn
P層を量子井戸層とし、Cなどの拡散しにくいp型不純
物がドープされたp型AlGaAs層を障壁層とするM
QW構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体発光素子
に関し、特に、AlGaInP系半導体発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】GaInPからなる活性層を用いたAl
GaInP系半導体レーザは、波長620〜700nm
で発振するが、特に、620〜660nmの短波長領域
では、活性層とクラッド層とのエネルギーギャップの差
(活性層とクラッド層との間のヘテロ障壁の高さに相当
する)が小さいため、動作時に活性層に注入されたキャ
リアが活性層からオーバーフローすることにより量子効
率が低下してしまうという問題がある。
【0003】そこで、この量子効率の低下を抑えるため
に、AlGaInP系半導体レーザのp側のAlGaI
nPクラッド層を成長させる際に、このAlGaInP
クラッド層のうち活性層の近傍の部分にp型不純物であ
るZnまたはMgを高濃度にドーピングすることが行わ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにしてp型AlGaInPクラッド層にドープされ
たZnやMgは、結晶成長中やその後のプロセスで行わ
れる熱プロセスによって容易に拡散し、活性層に入り込
む可能性が高い。このようにして活性層にZnやMgが
入り込んだ場合には、AlGaInP系半導体レーザの
特性は数時間で急速に劣化してしまう。
【0005】したがって、この発明の目的は、p型Al
GaInPクラッド層にドープされたp型不純物が拡散
により活性層に入り込むのを防止し、特性の劣化を防止
することができる半導体発光素子を提供することにあ
る。
【0006】この発明の他の目的は、変調特性の向上お
よび温度特性の向上を図ることができる半導体発光素子
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明は、活性層をn型AlGaI
nPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによ
りはさんだ構造を有する半導体発光素子において、活性
層とp型AlGaInPクラッド層との間に、p型Al
GaInPクラッド層にドープされたp型不純物よりも
拡散しにくいp型不純物がドープされた、AlGaIn
Pと異なるIII−V族化合物半導体からなるp型II
I−V族化合物半導体クラッド層が設けられていること
を特徴とするものである。
【0008】第1の発明において、p型III−V族化
合物半導体クラッド層の厚さは、好適には、0.05μ
m以上0.3μm以下に選ばれ、より好適には、0.1
μm以上0.3μm以下に選ばれる。ここで、p型II
I−V族化合物半導体クラッド層の厚さの下限を0.0
5μmとしたのは、このp型III−V族化合物半導体
クラッド層の厚さが0.05μmより小さいと、半導体
発光素子を製造する際の結晶成長やその後のプロセスで
の熱プロセスなどによって、p型AlGaInPクラッ
ド層にドープされたp型不純物がこのp型III−V族
化合物半導体クラッド層を通って拡散して活性層に入り
込むおそれがあることから、これを防止するためであ
り、また、p型III−V族化合物半導体クラッド層の
厚さの上限を0.3μmとしたのは、このp型III−
V族化合物半導体クラッド層の厚さが0.3μmよりも
大きいと、半導体発光素子の特性に悪影響が生じたり、
結晶成長に要する時間が必要以上に長くなってしまうこ
とから、これを防止するためである。
【0009】第1の発明において、p型III−V族化
合物半導体クラッド層のp型不純物のドーピング濃度
は、量子効率を十分に高くするために、好適には、2×
1017cm-3以上2×1019cm-3以下に選ばれる。
【0010】第1の発明において、p型III−V族化
合物半導体クラッド層の具体例を挙げると、p型AlG
aAsクラッド層のほか、p型GaInAsPクラッド
層などである。
【0011】第1の発明において、p型AlGaInP
クラッド層にドープされるp型不純物は、典型的には、
ZnまたはMgである。これに対し、p型III−V族
化合物半導体クラッド層にドープされるp型不純物は、
このp型III−V族化合物半導体クラッド層を構成す
るIII−V族化合物半導体にドープされたときにp型
不純物として働き、かつ、p型AlGaInPクラッド
層にドープされたp型不純物よりも拡散しにくいもので
あれば、基本的にはどのようなものであってもよいが、
具体的には、Cのほか、Si、Geなどである。
【0012】第1の発明においては、典型的には、p型
III−V族化合物半導体クラッド層は、n型AlGa
InPクラッド層やp型AlGaInPクラッド層など
とともに半導体基板とほぼ格子整合している。
【0013】この発明の第2の発明は、活性層をn型A
lGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド
層とによりはさんだ構造を有する半導体発光素子におい
て、活性層が、アンドープGaInP層を量子井戸層と
し、p型AlGaInPクラッド層にドープされたp型
不純物よりも拡散しにくいp型不純物がドープされた、
AlGaInPと異なるIII−V族化合物半導体から
なるp型III−V族化合物半導体層を障壁層とする多
重量子井戸構造を有することを特徴とするものである。
【0014】第2の発明において、典型的には、量子井
戸層としてのアンドープGaInP層の厚さは2nm以
上20nm以下に選ばれ、障壁層としてのp型III−
V族化合物半導体層の厚さは2nm以上10nm以下に
選ばれる。
【0015】第2の発明において、障壁層としてのp型
III−V族化合物半導体層のp型不純物のドーピング
濃度は、変調特性の向上および温度特性の向上の効果を
十分に得つつ、障壁層に過度にドーピングを行うことに
よる問題を避けるために、好適には、1×1017cm-3
以上2×1019cm-3以下に選ばれる。
【0016】第2の発明において、p型III−V族化
合物半導体層の具体例を挙げると、p型AlGaAs層
のほか、p型GaInAsP層などである。
【0017】第2の発明において、p型AlGaInP
クラッド層にドープされるp型不純物は、典型的には、
ZnまたはMgである。これに対し、活性層の障壁層と
してのp型III−V族化合物半導体層にドープされる
p型不純物は、このp型III−V族化合物半導体層を
構成するIII−V族化合物半導体にドープされたとき
にp型不純物として働き、かつ、p型AlGaInPク
ラッド層にドープされたp型不純物よりも拡散しにく
く、活性層の量子井戸層としてのアンドープGaInP
層にほとんど拡散することがないものであれば、基本的
にはどのようなものであってもよいが、具体的には、C
のほか、Si、Geなどである。
【0018】上述のように構成されたこの発明の第1の
発明によれば、活性層とp型AlGaInPクラッド層
との間に、p型AlGaInPクラッド層にドープされ
たp型不純物よりも拡散しにくいp型不純物がドープさ
れた、AlGaInPと異なるIII−V族化合物半導
体からなるp型III−V族化合物半導体クラッド層が
設けられていることにより、p型AlGaInPクラッ
ド層はこのp型III−V族化合物半導体クラッド層の
厚さの分だけ活性層から離され、したがってp型AlG
aInPクラッド層にドープされたp型不純物が活性層
に拡散により入り込みにくくなる。また、p型III−
V族化合物半導体クラッド層にドープされたp型不純物
は、p型AlGaInPクラッド層にドープされたp型
不純物よりも拡散しにくいため、このp型III−V族
化合物半導体クラッド層にドープされたp型不純物が活
性層に拡散により入り込むおそれも少ない。さらに、p
型III−V族化合物半導体クラッド層のp型不純物の
ドーピング濃度を十分に高くすることにより、高い量子
効率を得ることができる。
【0019】上述のように構成されたこの発明の第2の
発明によれば、活性層を構成する障壁層がp型III−
V族化合物半導体層であるので、アンドープ層ではなく
不純物ドーピングされた層を障壁層として用いているこ
とによる効果により、変調特性および温度特性が向上す
る。しかも、障壁層としてのp型III−V族化合物半
導体層にドープされたp型不純物は、量子井戸層として
のアンドープGaInP層に拡散することがほとんどな
いことにより、量子井戸層に不純物が入り込むことよる
活性層の劣化を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図
において、同一または対応する部分には同一の符号を付
す。
【0021】図1は、この発明の第1の実施形態による
AlGaInP系半導体レーザを示す。
【0022】図1に示すように、この第1の実施形態に
よるAlGaInP系半導体レーザにおいては、n型G
aAs基板1上にn型GaAsバッファ層2、n型(A
xGa1-x y In1-y Pクラッド層3、活性層4、
p型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド層5、p
型GaInPエッチングストップ層6、p型(Alx
1-x y In1-y Pクラッド層7、p型GaInP中
間層8およびp型GaAsキャップ層9が順次積層され
ている。
【0023】ここで、n型GaAs基板1、n型GaA
sバッファ層2およびn型(AlxGa1-x y In
1-y Pクラッド層3にはn型不純物として例えばSiが
ドープされ、p型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラ
ッド層5、p型GaInPエッチングストップ層6、p
型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド層7、p型
GaInP中間層8およびp型GaAsキャップ層9に
はp型不純物として例えばZnがドープされている。
【0024】n型GaAs基板1としては、例えば、
(100)面方位を有するものや(100)面から例え
ば5〜15°オフした面を主面とするものが用いられ
る。
【0025】p型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラ
ッド層7、p型GaInP中間層8およびp型GaAs
キャップ層9は、一方向に延びるストライプ形状を有す
る。このストライプ部の両側の部分にはn型GaAs電
流狭窄層10が埋め込まれ、これによって電流狭窄構造
が形成されている。このストライプ部の幅は、例えば
1.5〜6μmである。ここで、このn型GaAs電流
狭窄層10にはn型不純物として例えばSiがドープさ
れている。
【0026】p型GaAsキャップ層9およびn型Ga
As電流狭窄層10上には、例えばTi/Pt/Au電
極からなるp側電極11がp型GaAsキャップ層9と
オーミックコンタクトして設けられている。また、n型
GaAs基板1の裏面には、例えばAuGe/Ni電極
からなるn側電極12がこのn型GaAs基板1とオー
ミックコンタクトして設けられている。
【0027】活性層4は、例えば、量子井戸層としての
アンドープGaInP層と障壁層としてのアンドープA
lGaInP層とが交互に積層されたGaInP/Al
GaInP多重量子井戸(MQW)構造を有する。
【0028】また、n型(Alx Ga1-x y In1-y
Pクラッド層3およびp型(AlxGa1-x y In
1-y Pクラッド層5、7における組成比x、yはこれら
の層がn型GaAs基板1と格子整合する値に選ばれて
おり、具体的には、例えばx=0.7、y=0.5に選
ばれている。
【0029】この第1の実施形態によるAlGaInP
系半導体レーザにおいては、従来のAlGaInP系半
導体レーザと同様な上述の構成に加えて、活性層4とp
型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド層5との間
にp型Alz Ga1-z Asクラッド層13が設けられて
いる。このp型Alz Ga1-z Asクラッド層13に
は、p型不純物として、Znよりも拡散係数がはるかに
小さく、拡散しにくいCがドープされている。このp型
Alz Ga1-z Asクラッド層13のCのドーピング濃
度は十分に高く選ばれており、具体的には、2×1017
〜2×1019cm-3に選ばれている。なお、Cは、Al
GaInPにドープされた場合にはp型不純物として働
かないが、AlGaAsにドープされた場合はp型不純
物として働く。また、p型(Alx Ga1-x y In
1-y Pクラッド層5のドーピング濃度は通常、p型Al
z Ga1-z Asクラッド層13のドーピング濃度よりも
低く、例えば1×1017cm-3程度である。このp型A
z Ga1-z Asクラッド層13の厚さは、例えば0.
1〜0.3μmに選ばれる。また、このp型Alz Ga
1-z Asクラッド層13におけるAl組成比zは、この
p型Alz Ga1-z Asクラッド層13がn型GaAs
基板1と格子整合する値に選ばれており、具体的には、
0.3≦z≦1の範囲の値、例えばz=0.3に選ばれ
ている。
【0030】このAlGaInP系半導体レーザにおけ
る各半導体層の厚さの一例を挙げると、n型GaAsバ
ッファ層2は0.3μm、n型(Alx Ga1-x y
1-y Pクラッド層3は1.2μm、p型(Alx Ga
1-x y In1-y Pクラッド層5は μm、p型Ga
InPエッチングストップ層6は10〜500nm、p
型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド層7は1μ
m、p型GaInP中間層8は0.1μm、p型GaA
sキャップ層9は0.3μmである。
【0031】次に、上述のように構成されたこの第1の
実施形態によるAlGaInP系半導体レーザの製造方
法について説明する。
【0032】この第1の実施形態によるAlGaInP
系半導体レーザを製造するには、まず、n型GaAs基
板1上に、例えばMOCVD法により、n型GaAsバ
ッファ層2、n型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラ
ッド層3、活性層4、p型Alz Ga1-z Asクラッド
層13、p型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド
層5、p型GaInPエッチングストップ層6、p型
(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド層7、p型G
aInP中間層8およびp型GaAsキャップ層9を順
次成長させる。ここで、n型GaAsバッファ層2およ
びn型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド層3の
成長時にはn型不純物としてSiをドーピングする。ま
た、p型層については、p型Alz Ga1-z Asクラッ
ド層13の成長時にはp型不純物としてCをドーピング
し、p型(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド層
5、p型GaInPエッチングストップ層6、p型(A
x Ga1-x y In1-y Pクラッド層7、p型GaI
nP中間層8およびp型GaAsキャップ層9の成長時
にはp型不純物としてZnをドーピングする。
【0033】次に、p型GaAsキャップ層9上にリソ
グラフィーにより一方向に延びるストライプ形状のレジ
ストパターン(図示せず)を形成した後、このレジスト
パターンをマスクとし、かつ、p型GaInPエッチン
グストップ層6を用いて、p型GaAsキャップ層9、
p型GaInP中間層8およびp型(Alx Ga1-x
y In1-y Pクラッド層7をウエットエッチング法によ
り順次エッチングし、これらのp型(Alx Ga1-x
y In1-y Pクラッド層7、p型GaInP中間層8お
よびp型GaAsキャップ層9をストライプ形状にパタ
ーニングする。このようにして、所望の高さおよび形状
のストライプ部が形成される。
【0034】次に、上述のウエットエッチングの際のマ
スクに用いたレジストパターンを除去した後、例えばM
OCVD法によりn型GaAs電流狭窄層10を選択的
に成長させてストライプ部の両側の部分を埋め込む。こ
の選択成長の際には、通常、ストライプ形状のp型Ga
Asキャップ層9上にSiO2 膜などを形成し、このS
iO2 膜をマスクとして成長を行う。
【0035】次に、例えば真空蒸着法によりp型GaA
sキャップ層9およびn型GaAs電流狭窄層10の全
面にp側電極11を形成するとともに、n型GaAs基
板1の裏面に同様にしてn側電極12を形成する。これ
によって、目的とするAlGaInP系半導体レーザが
製造される。
【0036】以上のように、この第1の実施形態によれ
ば、活性層4とp型(Alx Ga1-x y In1-y Pク
ラッド層5との間にp型Alz Ga1-z Asクラッド層
13が設けられていることにより、p型(Alx Ga
1-x y In1-y Pクラッド層5はこのp型Alz Ga
1-z Asクラッド層13の厚さの分だけ活性層4から離
れており、したがってp型(Alx Ga1-x y In
1-y Pクラッド層5にドープされたZnが拡散により活
性層4に入り込むおそれは非常に少ない。しかも、p型
Alz Ga1-z Asクラッド層13にp型不純物として
ドープされたCは極めて拡散しにくいため、このp型A
z Ga1-z Asクラッド層13にドープされたCが拡
散により活性層4に入り込むおそれも非常に少ない。こ
れらにより、MOCVD法による半導体層の成長中やそ
の後のプロセスでの熱プロセスによってp型(Alx
1-x y In1-y Pクラッド層5にドープされたZn
やp型Alz Ga1-z Asクラッド層13にドープされ
たCが拡散により活性層4に入り込むことはほとんどな
く、活性層4の劣化を防止することができる。しかも、
活性層4の直ぐ近傍に設けられているp型Alz Ga
1-z Asクラッド層13のCのドーピング濃度は十分に
高いことから、活性層4からのキャリアのオーバーフロ
ーによるリーク電流が少なく、高い量子効率を得ること
ができ、動作電流の低減を図ることができるとともに、
高温動作時の素子寿命の向上を図ることができる。以上
により、特性が良好で、しかも長寿命のAlGaInP
系半導体レーザを実現することができる。
【0037】次に、この発明の第2の実施形態によるA
lGaInP系半導体レーザについて説明する。図2は
この第2の実施形態によるAlGaInP系半導体レー
ザを示す。
【0038】この第2の実施形態によるAlGaInP
系半導体レーザは、活性層4として図3に示すような構
造のものを用いる。図3に示すように、この場合、活性
層4は、例えば、量子井戸層としてのアンドープGaI
nP層と障壁層としてのp型AlGaAs層とが交互に
積層されたGaInP/p型AlGaAsMQW構造を
有する。ここで、障壁層としてのp型AlGaAs層に
は、p型不純物としてCがドープされている。このp型
AlGaAs層のCのドーピング濃度は、例えば1×1
17〜2×1019cm-3である。また、量子井戸層とし
てのアンドープGaInP層の厚さは例えば2〜20n
m、障壁層としてのp型AlGaAs層の厚さは例えば
2〜10nmである。さらに、この場合、活性層4とp
型AlzGa1-z Asクラッド層13との間にはp型
(Alx Ga1-x y In1-y Pクラッド層14が設け
られている。その他のことは、第1の実施形態によるA
lGaInP系半導体レーザと同様であるので、説明を
省略する。
【0039】この第2の実施形態によれば、第1の実施
形態と同様な利点に加えて、次のような利点を得ること
ができる。すなわち、活性層4がGaInP/p型Al
GaAsMQW構造を有し、しかもこのGaInP/p
型AlGaAsMQW構造における障壁層としてのp型
AlGaAs層にドープされたCは非常に拡散しにくい
ため、量子井戸層としてのアンドープGaInP層にC
が拡散により入り込むのを防止して活性層4の劣化を防
止しつつ、障壁層が不純物ドーピングされたp型AlG
aAs層であることにより、変調特性の向上および温度
特性の向上を図ることができる。
【0040】次に、上述の第1または第2の実施形態に
よるAlGaInP系半導体レーザを発光素子として用
いた光ディスク再生装置について説明する。図4にこの
光ディスク再生装置の構成を示す。
【0041】図4に示すように、この光ディスク再生装
置は、発光素子として半導体レーザ101を備えてい
る。この半導体レーザ101としては、上述の第1また
は第2の実施形態によるAlGaInP系半導体レーザ
が用いられる。この光ディスク再生装置はまた、半導体
レーザ101の出射光を光ディスクDに導くとともに、
この光ディスクDによる反射光(信号光)を再生するた
めの公知の光学系、すなわち、コリメートレンズ10
2、ビームスプリッタ103、1/4波長板104、対
物レンズ105、検出レンズ106、信号光検出用受光
素子107および信号光再生回路108を備えている。
【0042】この光ディスク再生装置においては、半導
体レーザ101の出射光Lはコリメートレンズ102に
よって平行光にされ、さらにビームスプリッタ103を
経て1/4波長板104により偏光の具合が調整された
後、対物レンズ105により集光されて光ディスクDに
入射される。そして、この光ディスクDで反射された信
号光L´が対物レンズ105および1/4波長板104
を経てビームスプリッタ103で反射された後、検出レ
ンズ106を経て信号光検出用受光素子107に入射
し、ここで電気信号に変換された後、信号光再生回路1
08において、光ディスクDに書き込まれた情報が再生
される。
【0043】この光ディスク再生装置によれば、長寿命
の第1または第2の実施形態によるAlGaInP系半
導体レーザを半導体レーザ101として用いているの
で、この光ディスク再生装置の長寿命化を図ることがで
きる。
【0044】なお、ここでは、第1または第2の実施形
態によるAlGaInP系半導体レーザを光ディスク再
生装置の発光素子に適用した場合について説明したが、
光ディスク記録再生装置や光ディスク記録装置の発光素
子に適用することも可能であることは勿論、光通信装置
などの光装置の発光素子や、高温で動作させる必要のあ
る車載用機器などの発光素子に適用することも可能であ
る。
【0045】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0046】例えば、第1および第2の実施形態におい
て挙げた数値、構造、プロセスなどはあくまでも例に過
ぎず、必要に応じて、これと異なる数値、構造、プロセ
スなどを用いてもよい。
【0047】具体的には、第1および第2の実施形態に
おいては、p型GaInPエッチングストップ層6を用
いたが、このp型GaInPエッチングストップ層6は
必要に応じて省略してもよい。
【0048】また、第1および第2の実施形態において
は、この発明をAlGaInP系半導体レーザに適用し
た場合について説明したが、この発明は、AlGaIn
P系発光ダイオードに適用してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の第1の
発明によれば、活性層とp型AlGaInPクラッド層
との間に、p型AlGaInPクラッド層にドープされ
たp型不純物よりも拡散しにくいp型不純物がドープさ
れた、AlGaInPと異なるIII−V族化合物半導
体からなるp型III−V族化合物半導体クラッド層が
設けられていることにより、p型AlGaInPクラッ
ド層にドープされたp型不純物が拡散により活性層に入
り込むのを防止し、半導体発光素子の特性の劣化を防止
することができる。
【0050】この発明の第2の発明によれば、活性層
が、アンドープGaInP層を量子井戸層とし、p型A
lGaInPクラッド層にドープされたp型不純物より
も拡散しにくいp型不純物がドープされた、AlGaI
nPと異なるIII−V族化合物半導体からなるp型I
II−V族化合物半導体層を障壁層とする多重量子井戸
構造を有することにより、半導体発光素子の変調特性の
向上および温度特性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態によるAlGaIn
P系半導体レーザを示す断面図である。
【図2】この発明の第2の実施形態によるAlGaIn
P系半導体レーザを示す断面図である。
【図3】この発明の第2の実施形態によるAlGaIn
P系半導体レーザを説明するためのエネルギーバンド図
である。
【図4】この発明の第1または第2の実施形態によるA
lGaInP系半導体レーザを発光素子として用いた光
ディスク再生装置を示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・n型GaAs基板、3・・・n型(Alx Ga
1-x y In1-y Pクラッド層、4・・・活性層、5、
7、14・・・p型(Alx Ga1-x y In1-y Pク
ラッド層、6・・・p型GaInPエッチングストップ
層、8・・・p型GaInP中間層、9・・・p型Ga
Asキャップ層、10・・・n型GaAs電流狭窄層、
11・・・p側電極、12・・・n側電極、13・・・
p型Alz Ga1-z Asクラッド層

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層をn型AlGaInPクラッド層
    とp型AlGaInPクラッド層とによりはさんだ構造
    を有する半導体発光素子において、 上記活性層と上記p型AlGaInPクラッド層との間
    に、上記p型AlGaInPクラッド層にドープされた
    p型不純物よりも拡散しにくいp型不純物がドープされ
    た、AlGaInPと異なるIII−V族化合物半導体
    からなるp型III−V族化合物半導体クラッド層が設
    けられていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 上記p型III−V族化合物半導体クラ
    ッド層の厚さは0.05μm以上0.3μm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 上記p型III−V族化合物半導体クラ
    ッド層の厚さは0.1μm以上0.3μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 上記p型III−V族化合物半導体クラ
    ッド層の上記p型不純物のドーピング濃度は2×1017
    cm-3以上2×1019cm-3以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 上記p型III−V族化合物半導体クラ
    ッド層はp型AlGaAsクラッド層であることを特徴
    とする請求項1記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 上記p型III−V族化合物半導体クラ
    ッド層はp型GaInAsPクラッド層であることを特
    徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 上記p型AlGaInPクラッド層にド
    ープされたp型不純物はZnまたはMgであることを特
    徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 上記p型III−V族化合物半導体クラ
    ッド層にドープされたp型不純物はC、SiまたはGe
    であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素
    子。
  9. 【請求項9】 上記p型III−V族化合物半導体クラ
    ッド層は半導体基板とほぼ格子整合していることを特徴
    とする請求項1記載の半導体発光素子。
  10. 【請求項10】 活性層をn型AlGaInPクラッド
    層とp型AlGaInPクラッド層とによりはさんだ構
    造を有する半導体発光素子において、 上記活性層が、アンドープGaInP層を量子井戸層と
    し、p型AlGaInPクラッド層にドープされたp型
    不純物よりも拡散しにくいp型不純物がドープされた、
    AlGaInPと異なるIII−V族化合物半導体から
    なるp型III−V族化合物半導体層を障壁層とする多
    重量子井戸構造を有することを特徴とする半導体発光素
    子。
  11. 【請求項11】 上記アンドープGaInP層の厚さは
    2nm以上20nm以下であることを特徴とする請求項
    10記載の半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 上記p型III−V族化合物半導体層
    の厚さは2nm以上10nm以下であることを特徴とす
    る請求項10記載の半導体発光素子。
  13. 【請求項13】 上記p型III−V族化合物半導体層
    の上記p型不純物のドーピング濃度は1×1017cm-3
    以上2×1019cm-3以下であることを特徴とする請求
    項10記載の半導体発光素子。
  14. 【請求項14】 上記p型III−V族化合物半導体層
    はp型AlGaAs層であることを特徴とする請求項1
    0記載の半導体発光素子。
  15. 【請求項15】 上記p型III−V族化合物半導体層
    はp型GaInAsP層であることを特徴とする請求項
    10記載の半導体発光素子。
  16. 【請求項16】 上記p型AlGaInPクラッド層に
    ドープされたp型不純物はZnまたはMgであることを
    特徴とする請求項10記載の半導体発光素子。
  17. 【請求項17】 上記p型III−V族化合物半導体ク
    ラッド層にドープされたp型不純物はC、SiまたはG
    eであることを特徴とする請求項10記載の半導体発光
    素子。
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