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JPH1077690A - 接着性建材シート - Google Patents

接着性建材シート

Info

Publication number
JPH1077690A
JPH1077690A JP25092596A JP25092596A JPH1077690A JP H1077690 A JPH1077690 A JP H1077690A JP 25092596 A JP25092596 A JP 25092596A JP 25092596 A JP25092596 A JP 25092596A JP H1077690 A JPH1077690 A JP H1077690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
adhesive
sheet
building material
material sheet
Prior art date
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Pending
Application number
JP25092596A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Kato
正人 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Petrochemicals Co Ltd filed Critical Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority to JP25092596A priority Critical patent/JPH1077690A/ja
Publication of JPH1077690A publication Critical patent/JPH1077690A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物の壁体内の結露を防止するために用い
られ、壁体を構成する各種構造材に接着固定されて作業
性が向上した接着性建材シートを提供する。 【解決手段】 建築物に用いる建材シートの少なくとも
片面に粘着部を形成したことを特徴とする接着性建材シ
ート。特に、多孔性フィルム9と通気性を有する網状構
造物10を積層してなり、かつ網状構造物10の表面に
粘着剤11を塗布したことを特徴とする透湿防水シート
4。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家屋等の建築物の
壁体内において透湿防水シートおよび防湿シートとして
用いられる、強度および作業性に優れた接着性建材シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、木造家屋等の建築物においては、
屋内や構造体内部の気密化が進み、これによる壁体内の
結露発生が大きな問題となっている。室内の空気は水蒸
気を多量に含んでおり、これが壁体内に流れ込むと、壁
体内の水蒸気は室内と室外との温度差により結露して水
になる。この水が吸水性の高いグラスウール等の断熱材
を濡らして断熱効果を低下させる。結露の量が増えると
水分は断熱材の繊維を伝って構造材や内装材を濡らし、
建築物の腐朽の原因となる。従って、断熱の設計および
施工に際し、結露の発生をいかに防止するかが重要な問
題となっている。しかし、高断熱かつ高気密による密閉
化工法だけでは、湿気を押し込めて建築物を腐朽させる
ため、その解決法として現在では通気層を設けた通気層
工法が一般に行われている。通気層工法においては、断
熱を確実に行い、内側に対しできるだけ気密を保ち、そ
れでも防湿層を通り抜けた湿気を屋外へ放出させるた
め、および構造材を外気にさらされた状態にするため
に、外装材との間に通気層を設ける。しかし、通気層を
設けても、湿気を逃がさない材料、すなわち非透湿性の
大きい材料を用いると壁体内に結露を閉じ込めることと
なる。そこで壁、天井、床内部等に雨水等が壁体内まで
浸入することを抑制し、かつ室内の湿気を外部に放出す
ることができるように、透湿防水シートが用いられてい
る。例えば木造家屋を例に挙げると、その壁体は室内側
より順次、内装材/防湿シート/断熱材/透湿防水シー
ト/通気層/外層材が設けられた構造とされている。透
湿防水シートとしては各種のものが使用されるが、代表
的なものとしてフラッシュ紡糸された不織布や多孔性フ
ィルムを補強材で補強した構造のものが用いられてい
る。また、防湿シートとしては非透湿性のポリエチレン
フィルム等が用いられている。
【0003】透湿防水シートおよび防湿シートの施工に
おいては、通常ロール状に巻いたシートやフィルムを、
たるみやゆるみができないように引張りながら土台、
柱、間柱等にステープル(タッカー)等で固定する方法
が用いられている。透湿防水シートの施工においては、
タッカー等で止められた透湿防水シートの上から縦胴縁
を柱および間柱に釘打ちすることにより、上からさらに
押さえ込むと同時に通気層を形成する。しかしながら、
透湿防水シートは、縦胴縁によって十分に押さえられる
までの間、タッカーのみにより固定された状態で外部に
面することになる。このようなタッカーによる固定は、
柱や間柱の部分だけに限定されており、その中間におい
ては固定されないため固定が不十分であり、縦胴縁によ
って十分に押さえられるまでの間に、風などの影響によ
りタッカー針が抜け落ちたりすることがある。また、固
定点の間にたるみを生じたり、透湿防水シートや防湿シ
ート自体の強度が弱い場合には、固定のために用いたタ
ッカー針により容易に破損が生ずる。さらに、引張りな
がらタッカーで固定していく施工法は作業効率が良くな
いばかりか、周辺地域にも騒音による悪影響を与える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消しようとするものであり、壁体内の結露
を防止するために使用する透湿防水シートおよび防湿シ
ートなどの建材シートとして、施工時に壁体を構成する
間柱および断熱材等の各種構造材に接着固定されること
により作業性を改善し、特に透湿防水シートにおいては
透湿性を損なうことなく結露防止性能を発揮することが
できる、優れた接着性建材シートを提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、透湿防水シー
トおよび防湿シートとして用いられる各種建材シート
を、施工の際に粘着剤によって接着固定することによ
り、上記目的を達成し得ることを見出し本発明を完成し
た。すなわち、本発明の第1は、建築物に用いる建材シ
ートの少なくとも片面に粘着部を形成したことを特徴と
する接着性建材シートに関するものである。本発明の第
2は、前記建材シートが透湿防水シートであり、かつ透
湿防水シートの少なくとも片面に部分的に前記粘着部を
形成したことを特徴とする接着性建材シートに関するも
のである。また本発明の第3は、前記透湿防水シート
が、多孔性フィルムと通気性を有する網状構造物を積層
してなり、かつ網状構造物の表面に前記粘着部を形成し
たことを特徴とする接着性建材シートに関するものであ
る。本発明の第4は、前記透湿防水シートが単層構造か
らなり、かつ透湿防水シートの少なくとも片面に網目
状、格子状、筋状または点状に前記粘着部を形成したこ
とを特徴とする接着性建材シートに関するものである。
さらに、本発明の第5は、前記建材シートが防湿シート
であり、かつ防湿シートの少なくとも片面に前記粘着部
を形成したことを特徴とする接着性建材シートに関する
ものである。
【0006】本発明の接着性建材シートは、あらかじめ
シートの接着面に粘着剤を塗布してその上に離型紙を重
ね、施工時に離型紙を剥しながら、土台、柱、間柱およ
び断熱材等の構造材に直接押圧し、接着固定する。本発
明の接着性建材シートが透湿防水シートである場合に
は、通気性を損なわないようにすることが重要である。
多孔性フィルムと通気性を有する網状構造物を積層して
なる透湿防水シートにおいては、網状構造物側の表面に
のみ粘着剤を塗布する。網状構造物自体は隙間を有する
ので、多孔性フィルム側に粘着剤が付着しない限り、通
気性を損なう懸念はない。通気性を有する網状構造物と
しては、クロス、織布および不織布等が用いられる。透
湿防水シートとして透湿および防水性能を併せ持った単
層構造のシートを用いる場合には、粘着剤は透湿防水シ
ートの通気性を損なわないようにするために、網目状、
格子状、筋状、点状等のように部分的に塗布する。塗布
形態は通気性が失われない限り、特に限定されない。本
発明の接着性建材シートが防湿シートである場合には、
通気性を考慮する必要はなく、粘着剤はどのような塗布
形態で塗布してもよい。なお、防湿シートは、上記網状
構造体等の補強材で補強することにより、強度を向上さ
せることができる。
【0007】粘着剤としては、建築用に通常使用されて
いる強力な接着力を有するものを用いることができる。
その種類は特に限定されないが、湿気に強く、柱および
間柱等の接着面の表面の凹凸によくなじみ、かつ表面に
付着したほこり等を包み込んで高い初期接着力を発現し
得るものが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明の接着性建材シートを家
屋壁面に用いた場合の一例を示す一部拡大斜視図であ
る。壁体は室内側より順次、内装材1/防湿シート2/
断熱材3/透湿防水シート4/通気層5(空間)/外装
材6が設けられた構造からなる。通常断熱材3としては
グラスウール等のマット状のもの、外装材6としてはモ
ルタル等の窯業系材料からなるものが用いられる。本発
明の接着性建材シートは、粘着剤により各種構造物に接
着固定する。透湿防水シート4の場合には、間柱7およ
び断熱材3に接着固定した後、縦胴縁8により押さえる
と同時に通気層5が形成される。従来はタッカー等によ
り間柱7にのみ固定していたので、縦胴縁8によって押
さえるまでの間、間柱7相互の中間の部分は固定されて
いなかった。しかし、本発明の粘着剤によって接着固定
する透湿防水シートにおいては、間柱7のみならず、断
熱材3の部分においても固定されることになる。図に示
したように、本発明の接着性建材シートが透湿防水シー
ト4として使用される場合は、家屋壁体内に埋設された
グラスウール等のマット状断熱材3に添設されるが、こ
のように施工された透湿防水シート4は水滴を通し難い
が、一方透湿性を備えているため、壁体内に流入した室
内側の水蒸気を外側の通気層5へ効果的に通過させる。
従って、壁体内に水蒸気が残留することがなく、結露が
防止される。
【0009】図2は、本発明の粘着剤が塗布された透湿
防水シート4の一例を示す部分断面図である。透湿防水
シート4は、多孔性フィルム9の少なくとも片面に補強
材として、熱可塑性樹脂からなる通気性を有する網状構
造物10を積層してなるものであり、透湿防水シート4
の網状構造物10側の網状構造物10の表面全体に粘着
剤11が塗布されている。網状構造物10は通気性を有
する網目状構造であるので、粘着剤11が網状構造物1
0の表面全体に塗布されてもその通気性が阻害されるこ
とはない。本発明の接着性建材シートは、あらかじめシ
ートの接着面に粘着剤11が塗布されており、離型紙1
2を重ねた状態で施工現場に持ち込まれ、施工時に離型
紙12を剥して各種構造材に接着固定する。
【0010】上記多孔性フィルム9は、例えば、ポリオ
レフィン系樹脂に粒子状充填材を配合してなる樹脂組成
物を溶融成形して未延伸のシートとした後、これを延伸
処理して得られる。まずポリオレフィン系樹脂、粒子状
充填材および必要に応じ可塑剤等の添加剤を、通常使用
される混合機を用いて均一に混合して樹脂組成物とし、
これをペレット状の樹脂混合物とした後、溶融成形して
未延伸のシートとし、通常のインフレーション成形法ま
たはTダイ押出成形法等により延伸処理する。延伸は、
一段でも二段以上の多段処理であってもよいが、面積倍
率で1.2〜8倍の範囲であることが好ましい。このよ
うにして得られる多孔性フィルム9には、延伸処理によ
りフィルムの全面にわたり粒子状充填材の各粒子を核と
した微細孔が形成されており、この微細孔が水蒸気等の
気体は透過させるが液滴状の水の浸透を防ぐという性質
を示し、透湿性と防水性とを発揮する。透湿度が500
g-H2O/m2・24hr 以上である多孔性フィルム9は、補強材
として網状構造物10を積層して透湿防水シート4とし
た場合に、水蒸気を良好に透過させることができて好適
であり、また耐水圧が500mmH2O 以上であると、良好
な防水性を示すので好ましい。
【0011】上記多孔性フィルム9に積層される通気性
を有する網状構造物10は、通気性を有する補強材であ
れば特に限定されないが、例えば(1)下記(a)、
(b)および(c)から選ばれる少なくとも1種の一軸
配向体を、配向軸が交差するように経緯積層しまたは織
成してなる熱可塑性樹脂製の不織布もしくは織布、また
は(2)下記(a)、(b)から選ばれる一軸配向体等
が用いられる。 (a)縦一軸配向網状化フィルム (b)横一軸配向網状化フィルム (c)一軸配向テープ
【0012】上記熱可塑性樹脂を原料とする(a)縦一
軸配向網状化フィルムは、単独の熱可塑性樹脂からなる
単層フィルムでもよいが、好ましくは第1の熱可塑性樹
脂層の片面または両面に、第1の熱可塑性樹脂より融点
の低い第2の熱可塑性樹脂層を積層した多層フィルムを
用い、上記単層または多層フィルムを縦方向(フィルム
成形方向)に一軸延伸または一軸圧延し、かつ延伸また
は圧延の前および/または後に、縦方向に割繊またはス
リットしたものである。図3は、(a)縦一軸配向網状
化フィルムの一例の部分拡大斜視図である。図におい
て、縦一軸配向網状化フィルム13は、第1の熱可塑性
樹脂層14の両面に第2の熱可塑性樹脂層15を積層し
て3層フィルムとし、延伸または圧延および縦方向の割
繊処理を行ったものである。図中、16は幹繊維、17
は枝繊維である。
【0013】また、熱可塑性樹脂を原料とする(b)横
一軸配向網状化フィルムは、単独の熱可塑性樹脂からな
る単層フィルムでもよいが、好ましくは第1の熱可塑性
樹脂層の片面または両面に、第1の熱可塑性樹脂より融
点の低い第2の熱可塑性樹脂層を積層した多層フィルム
を用い、上記単層または多層フィルムを横方向(フィル
ム成形方向と直角の方向)に一軸延伸または一軸圧延
し、かつ延伸または圧延の前および/または後に、例え
ば熱刃などにより横スリットを形成したものである。図
4は、(b)横一軸配向網状化フィルムの一例の部分拡
大斜視図である。図において、横一軸配向網状化フィル
ム18も、第1の熱可塑性樹脂層14の両面に第2の熱
可塑性樹脂層15を積層した3層構造体からなるもので
ある。
【0014】次に、熱可塑性樹脂を原料とする(c)一
軸配向テープは、熱可塑性樹脂単独のフィルムでもよい
が、好ましくは第1の熱可塑性樹脂層の片面もしくは両
面に、第1の熱可塑性樹脂より融点の低い第2の熱可塑
性樹脂層を積層した多層フィルムを用い、上記単層また
は多層フィルムを裁断し、かつ裁断前および/または後
に、延伸または圧延により一軸配向したものである。図
5は、(c)一軸配向テープの一例の部分拡大斜視図で
ある。一軸配向テープ19も、前記と同様に第1の熱可
塑性樹脂層14の両面に第2の熱可塑性樹脂層15を積
層して3層フィルムとし、延伸および裁断を行ったもの
である。
【0015】図6は、(a)縦一軸配向網状化フィルム
13a、13bを積層した不織布20の部分平面図であ
り、図7は、(c)一軸配向テープ19を2組積層した
不織布21の部分平面図であり、図8は、(c)一軸配
向テープ19を織成した織布22の部分斜視図である。
なお、図6に示す不織布20の具体例としては、「日石
ワリフ」(商品名、日石プラスト(株)製)を挙げること
ができる。
【0016】多孔性フィルム9と通気性を有する網状構
造物10との接着には、接着剤を用いてもよいし、接着
剤を用いずに熱圧着を行ってもよい。いずれの接着方法
により積層されたものであっても、接着部分においては
多孔性フィルムの透湿能が消失するので、所望の接着強
度が確保される限り、透湿防水シート4の全面積に対す
る接着面積の割合は、できるだけ小さいことが好まし
い。透湿防水シート4としては、前記多孔性フィルム9
の片面または両面に網状構造物10を積層することがで
きるが、通常は補強材としての網状構造物10が多孔性
フィルム9の片面だけに積層されていれば十分な強度が
得られる。
【0017】本発明の透湿防水シート4の施工に際し、
間柱7および断熱材3に接着固定するために透湿防水シ
ート4の網状構造物10の表面に塗布する粘着剤として
は、前記の通り、建築用として通常用いられるものを使
用することが可能である。特に限定されないが、透湿防
水シート4を建築構造物に対し接着固定するのに十分な
接着力を有し、防水性を発揮し得るものが好ましい。例
えば、ゴムアスファルト系、合成樹脂系、非加硫の天然
または合成ゴム系などの粘着剤を挙げることができる。
耐久性の面から非加硫ブチルゴム系の粘着剤が好適であ
る。
【0018】建材シートへの粘着剤の塗布方法として
は、スプレー塗布、ロールコーター、フローコーター等
公知の方法が用いられる。建材シートが透湿防水シート
である場合には、粘着剤の塗布による粘着部の通気性の
損失の程度が小さい塗布方法を用いることが好ましい。
上記不織布20で補強された透湿防水シート4におい
て、建築構造物との接着面となる不織布20の表面に粘
着剤を塗布する場合には、不織布20を構成する2層の
縦一軸配向網状化フィルム13a、13bのうち、片方
のフィルム13aの表面のみに粘着剤を塗布してもよい
し、同時に他方のフィルム13bの露出面に塗布しても
よい。
【0019】網状構造物10の他の例として、熱可塑性
樹脂から紡糸した長繊維不織布を用いることもできる。
長繊維不織布を補強材として用いる場合には、通常延伸
したものが用いられる。例えば、未延伸の長繊維不織布
を一方向に延伸してなり、かつ不織布の繊維がほぼ一方
向に配列した少なくとも1層からなる延伸一方向配列不
織布、またはそれらの配列軸が交差するように積層した
延伸交差積層不織布のいずれかからなる延伸不織布等が
用いられる。
【0020】上記熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不
織布の紡糸手段としては、従来のメルトブローダイスタ
イプやスパンボンドノズルタイプ等の紡糸装置を使用す
ることができ、さらに特公平3−36948号公報(一
方向配列紡糸タイプ)や特開平2−269859号公報
に示した紡糸手段(流体整流法)等も使用することがで
きる。上記紡糸手段が従来のスパンボンド方式の紡糸と
基本的に異なる点は、ノズルからの紡糸直後に赤外線加
熱や熱風等で積極的に加熱するか、またはエアーサッカ
ーのエアーに熱風を用いて引取るなど、紡糸時の繊維の
分子方向を積極的に抑制しつつ引取ることにある。
【0021】上記延伸一方向配列不織布とは、前記のよ
うに長繊維不織布が一方向に延伸され、かつ長繊維が全
体として一方向に配列されている不織布であり、延伸さ
れた長繊維は、実質的に分子配向が生じている。延伸手
段としては、従来のフィルムや不織布の延伸に使用され
た縦延伸手段、横延伸手段および二軸延伸手段を使用す
ることができ、特公平3−36948号公報に示された
ような種々の延伸手段も用いることができる。
【0022】延伸一方向配列不織布は、単独でまたは2
層以上を配列軸を交差させずに積層して使用することが
できるが、2層以上の配列軸が交差するように積層した
延伸交差積層不織布の形態で使用することも多い。多く
は縦配列層と横配列層とを積層して接着した直交不織布
であるが、繊維の配列軸が交差して積層されていれば、
特に限定されるものではない。
【0023】上記のような長繊維不織布を網目状構造物
10として用いた透湿防水シート4においては、表面全
体に粘着剤を塗布すると通気性が失われてしまう。そこ
で、この場合には、透湿防水シート4の接着面に格子
状、網目状、筋状または点状に粘着剤を塗布する。な
お、繊維の表面のみに粘着剤が塗布され、繊維間の隙間
が失われなければ、表面全体に粘着剤を塗布してもよ
い。
【0024】また、上記の長繊維不織布は、多孔性フィ
ルム9と積層することなく、単層構造で透湿防水シート
4として使用することもできる。この場合には前記長繊
維不織布は未延伸でもよいが、強度およびコストの点か
ら延伸したものが好ましい。
【0025】上記長繊維不織布の他に、単層構造で用い
られる透湿防水シート4としては、アスファルト含浸
紙、アスファルト含浸木質繊維板、高密度ポリエチレン
の3次元網目状繊維を熱圧着した不織布「タイベック」
(商品名、Du Pont 社製)等も挙げられる。
【0026】図9は、単層構造の透湿防水シート4の接
着面に点状に粘着部23を設けて、家屋壁体内の間柱7
および断熱材3に接着固定した状態を示すものである。
粘着部23の配置間隔については、通気性を失わず、か
つ接着固定されるように配慮する必要がある。
【0027】防湿シート2としては、単層構造の非透湿
性フィルムを用いてもよいが、前記網状構造物10を非
透湿性フィルムと積層して、網状構造物10で補強され
た防湿シート2として用いることもできる。この場合に
は、通気性を考慮する必要はなく、上記と同様に網状構
造物10の表面にのみ粘着剤を塗布してもよいし、非透
湿性フィルムの表面に粘着剤を塗布してもよい。また、
網状構造物10と非透湿性フィルムを積層した後、網状
構造物10の上から粘着剤を塗布し、網状構造物10の
表面および網状構造物の隙間から露出した非透湿性フィ
ルムに粘着剤が塗布されてもよい。
【0028】
【発明の効果】家屋等の建築物の壁体内の結露を防止す
る透湿防水シートおよび防湿シートとして使用される本
発明の接着性建材シートは、壁体を構成する木材や断熱
材等の各種構造材に接着固定されるため、施工時の作業
性が向上する。また、透湿防水シートの場合には、透湿
性を失うことなく各種構造材と接着固定されるので、壁
体内の結露を効率良く防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着性建材シートを家屋壁体内に用い
た例を示す一部拡大斜視図である。
【図2】透湿防水シートの例を示す部分断面図である。
【図3】縦一軸配向網状化フィルムの例の部分拡大斜視
図である。
【図4】横一軸配向網状化フィルムの例の部分拡大斜視
図である。
【図5】一軸配向テープの例の部分拡大斜視図である。
【図6】不織布の例の部分平面図である。
【図7】不織布の他の例の部分平面図である。
【図8】織布の例の部分斜視図である。
【図9】単層構造の透湿防水シートに点状に粘着部を設
けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 内装材 2 防湿シート 3 断熱材 4 透湿防水シート 5 通気層 6 外装材 7 間柱 8 縦胴縁 9 多孔性フィルム 10 網状構造物 11 粘着剤 12 離型紙 13、13a、13b 縦一軸配向網状化フィルム 14 第1の熱可塑性樹脂層 15 第2の熱可塑性樹脂層 16 幹繊維 17 枝繊維 18 横一軸配向網状化フィルム 19 一軸配向テープ 20、21 不織布 22 織布 23 粘着部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物に用いる建材シートの少なくとも
    片面に粘着部を形成したことを特徴とする接着性建材シ
    ート。
  2. 【請求項2】 前記建材シートが透湿防水シートであ
    り、かつ該透湿防水シートの少なくとも片面に部分的に
    前記粘着部を形成したことを特徴とする請求項1に記載
    の接着性建材シート。
  3. 【請求項3】 前記透湿防水シートが、多孔性フィルム
    と通気性を有する網状構造物を積層してなり、かつ該網
    状構造物の表面に前記粘着部を形成したことを特徴とす
    る請求項2に記載の接着性建材シート。
  4. 【請求項4】 前記透湿防水シートが単層構造からな
    り、かつ該透湿防水シートの少なくとも片面に網目状、
    格子状、筋状または点状に前記粘着部を形成したことを
    特徴とする請求項2に記載の接着性建材シート。
  5. 【請求項5】 前記建材シートが防湿シートであり、か
    つ該防湿シートの少なくとも片面に前記粘着部を形成し
    たことを特徴とする請求項1に記載の接着性建材シー
    ト。
JP25092596A 1996-09-02 1996-09-02 接着性建材シート Pending JPH1077690A (ja)

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JP25092596A Pending JPH1077690A (ja) 1996-09-02 1996-09-02 接着性建材シート

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001107479A (ja) * 1999-08-03 2001-04-17 Nippon Secchaku:Kk 断熱材の補修用粘着ラベル
JP2007196559A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Fukuvi Chem Ind Co Ltd 建築用養生シート材およびその製造方法
JP2021504609A (ja) * 2018-10-12 2021-02-15 鉄 李 遮水ストリップ
US11865820B2 (en) 2017-12-19 2024-01-09 Saint-Gobain Adfors Canada, Ltd. Reinforcing layer, a cementitious board, and method of forming the cementitious board

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