JPH03742B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） 本発明は外管内に発光管とともに始動装置およ
び熱応動スイツチを組み込んだ金属蒸気放電灯に
関する。

（従来技術の説明） 一般に金属蒸気放電灯は起動のために始動装置
を必要とするが、近時始動装置を発光管とともに
外管内に組み込んだランプがすでに知られてい
る。

従来におけるこの始動装置内蔵形金属蒸気放電
灯を第１図および第２図に示す。外管１内に収容
された発光管２は、主電極３，４および始動用補
助電極５を有し、該発光管２はサポート６，７に
よつて外管１内に保持されている。外管１内にお
ける口金８側には、熱応動スイツチとしての常閉
形バイメタルスイツチ９、始動装置としてのグロ
ー点灯管１０および限流抵抗１１が収容されてい
る。限流抵抗１１は図示しないが、抵抗体の外表
面をセラミツク等の耐熱絶縁体によつて被覆して
板状に形成したものである。そして上記バイメタ
ルスイツチ９はこのセラミツク被覆板状限流抵抗
１１に機械的に支持されているものである。

補助電極５は第２図にも示される通り、バイメ
タルスイツチ９とグロー点灯管１０の接点１２に
接続されており、バイメタルスイツチ９、限流抵
抗１１を介して対向主電極３に接続されている。
点灯管１０はサポート６を介して主電極４に接続
されている。そして主電極３および４はステム１
３に封着したリード線１４，１５を介して口金８
および端子１６に接続されており、第２図の安定
器１７を介して電源１８に接続されるものであ
る。

このような放電灯は安定器１７を介して電圧が
印加されると、常閉形バイメタルスイツチ９が閉
じているので点灯管１０、バイメタルスイツチ９
および限流抵抗１１を通じて電流が流れ、グロー
点灯管１０が作動する。グロー点灯管１０の開閉
電流により安定器１７から発生するパルス電圧が
主電極３，４間および主電極４と補助電極５に付
加される。これにより発光管２は始動される。発
光管４が始動すると発光管４の発熱によつて外管
１内の温度が上昇し、この熱により常閉形バイメ
タルスイツチ９が開放され、点灯管１０へ電流が
流れるのを防止する。したがつて発光管２の点灯
中は点灯管１０の作動を停止しており、点灯管１
０を保護するとともに、発光管２に不要なパルス
電圧を与えないようになつている。

しかして上述のごとく、常閉形バイメタルスイ
ツチ９は、発光管２からの発熱により開放される
ものであるから発光管２の点灯中は発光管から放
射された赤外線が照射され、常に加熱されている
ことになる。そしてバイメタルスイツチ９はラン
プの数1000時間にも亘る寿命中に上記加熱にもと
づき疲労軟化してしまつてバイメタル接点が完全
に復帰閉止しなくなることがある。

定格出力700ワツトないし１キロワツト以上の
ランプにあつては、外管１のネツク部が長大であ
るため、常閉バイメタルスイツチ９を該ネツク部
に収容して発光管２から50cm以上の距離に遠ざけ
ることにより、点灯中における過剰な加熱を避け
ることは不可能ではないが、特に200ワツトや400
ワツト等の中形ランプ以上のランプでは発光管２
とバイメタルスイツチ９との間隔が小さいため、
バイメタルの熱劣化が著しくなる欠点があつた。

（発明の目的） 本発明はこのような事情にもとづきなされたも
ので、その目的とするところは、熱応動スイツチ
の発光管からの放熱による劣化を防止し、全寿命
に亘つて確実な作動が行える金属蒸気放電灯を提
供しようとするものである。

（発明の概要） すなわち本発明は発光管とと熱応動スイツチと
の間に、発光管からの輻射熱が直接に熱応動スイ
ツチに当るのを防止する断熱体を介装すると共
に、この断熱体を外面が耐熱絶縁体で被覆された
限流抵抗体により構成させ、熱応動スイツチの早
期熱劣化を防止したものである。

（発明の実施例） 以下本発明の一実施例を第３図および第４図に
もとづき説明する。

本実施例は、回路的構成の点で従来の第２図と
同一であり、かつ機構的構成においても第１図の
ものと大部分が同一であるから、第１図および第
２図と同一部品は同一番号を用いてその説明を省
略する。

本実施例において第１図と異なる点は、熱応動
スイツチとしての常閉形バイメタルスイツチ９
と、セラミツク被覆限流抵抗１１とを上下逆位置
に変更配置したことである。すなわち、常閉形バ
イメタルスイツチ９はすでに述べた通りセラミツ
ク被覆限流抵抗１１に機械的に取着されていて、
これらによりユニツト化されているものである
が、上限を逆転して支持線３１，３２によつてサ
ポート６に取り付けることにより、常閉形バイメ
タルスイツチ９は発光管２から遠ざかるばかりで
なく、該常閉形バイメタルスイツチ９と発光管２
との間にセラミツク被覆限流抵抗１１換言すれば
断熱体が介在される。

なお常閉形バイメタルスイツチ９とこの断熱体
（セラミツク被覆限流抵抗１１）のユニツト構造
は第４図に示されている。つまり、１１ａは蛇行
状に配置された抵抗体であり、１１ｂは抵抗体１
１ａを被覆して板状をなすセラミツク体である。
９ａは上記セラミツク体１１ｂに植設された固定
接点、９ｂは同じくセラミツク体１１ｂに植設さ
れかつ抵抗体１１ａと電気的に導通された導電支
持線、９ｃはバイメタル片、９ｄは可動接点であ
る。

このような実施例であれば、点灯中における発
光管２からの輻射熱はセラミツク被覆限流抵抗１
１によつて断熱されるから、バイメタルスイツチ
９が過度に加熱されることがなくなり、発光管か
ら放射される赤外線の照射等に起因する加熱疲労
によつてバイメタル片９ｃが軟化する割合が軽減
される。したがつて可動接点９ｄが固定接点９ａ
に対して確実に接離作動し、ランプの全寿命中に
バイメタルスイツチ９の機能を損うことはない。
特に200ワツト、400ワツト級ランプの場合、発光
管２とバイメタルスイツチ９との距離が短かくな
るが、上記実施例の断熱作用によつてその効果が
顕著になる。

なお、発光管２と常閉形バイメタルスイツチ９
との間に断熱体を介在させた場合、発光管２から
の輻射熱が断熱されるが、外管１内においては対
流熱が存在しており、したがつて始動後において
点灯管２が安定点灯に移ると、上記対流熱により
常閉バイメタルスイツチ９が加熱されて開作動す
る。このため点灯管１０に電流を遠さなくして点
灯管１０を保護する。この場合、常閉バイメタル
スイツチ９の開作動タイミングは第１図の従来の
ものに比べて若干遅れることがあるが、この開作
動タイミングの遅れは実用上大きな支障はない。

以上の実施例においては材料、構造等を明確に
定めているが、本発明はこれに限らず、限流抵抗
１１をマイカ等で被覆して板状に成形してもよ
い。

また本発明は始動装置としてグロー点灯管１０
に制約されるものではなく、バイメタルスイツチ
であつてもよい。

（発明の効果） 以上詳述した通り本発明は、発光管と熱応動ス
イツチとの間に外面が耐熱絶縁体で被覆された限
流抵抗から構成される断熱体介装したので、点灯
中における発光管からの輻射熱が断熱体により遮
られるから熱応動スイツチが過度に加熱されるこ
とがなくなる。このため熱応動スイツチの熱劣化
が防止され、ランプの全寿命に亘つて確実な開閉
作動を維持することができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例を示し、第１図は
構成図、第２図は回路図、第３図および第４図は
本発明の一実施例を示し、第３図は構成図、第４
図は常閉形バイメタルスイツチとセラミツク被覆
板状限流抵抗のユニツト構成図である。 １……外管、２……発光管、３，４……主電
極、５……始動用補助電極、９……常閉形バイメ
タルスイツチ（熱応動スイツチ）、１０……グロ
ー点灯管（始動装置）、１１……セラミツク被覆
板状限流抵抗。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも一対の主電極を有する発光管と、
   前記発光管を起動するための始動装置と、前記始
   動装置に接続する限流抵抗及び発光管の始動後に
   上記始動装置への通電を停止する熱応動スイツチ
   とを外管に内蔵した金属蒸気放電灯において、 前記発光管と熱応動スイツチとの間に、外面が
   耐熱絶縁体で被覆された限流抵抗から構成される
   断熱体を介装したことを特徴とする金属蒸気放電
   灯。 ２ 上記熱応動スイツチは、上記断熱体に支持さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の金属蒸気放電灯。