JPH0328279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は１ユニツト内に２つの相互に独立し
た冷凍サイクルをもつ能力可変型空気調和機に係
り、特に暖房運転時に作動する除霜制御装置を改
良したものである。

［考案の技術的背景］ 従来、１ユニツト内に２つの相互に独立した冷
凍サイクルをもつ能力可変型空気調和機は、一方
の冷凍サイクルを能力一定な圧縮機を有する空冷
ヒートポンプにより形成し、他方の冷凍サイクル
は能力可変自在な圧縮機を有する空冷ヒートポン
プにより形成してある。そして、この能力可変自
在な圧縮機側の他方の冷凍サイクルが能力制御に
より能力をセーブした状態で暖房運転を行なつて
いる時、能力一定な圧縮機側の一方の冷凍サイク
ルが除霜運転に入つても能力可変自在な圧縮機側
は能力をセーブしたまま運転するようになつてい
た。

［背景技術の問題点］ ところが、上記従来の能力可変型空気調和機で
は、能力一定な圧縮機側が除霜運転に入つても能
力可変自在な圧縮機側は能力をセーブしたままの
状態であつたため次の欠点があつた。

１ 除霜運転時室内ユニツトから冷風が吹き出
す。

２ 冷風吹出し防止のため、室内フアンモータを
停止させていたが、この方法では除霜時間が非
常に長くなり、暖房効率が悪い。

［考案の目的］ この考案は、上記事情を考慮してなされたもの
で、除霜運転時に室内フアンモータを停止するこ
となく室内ユニツトから冷風が吹き出すのを防止
し、もつて暖房効率の高い能力可変型空気調和機
の除霜制御装置を提供することを目的とする。

［考案の概要］ この考案は上記目的を達成するために、圧縮
機、四方弁、室外熱交換器、減圧装置及び室内熱
交換器からなる２つ独立した冷凍サイクルを１ユ
ニツト内に設けると共に、両室内熱交換器を合体
させ、一方の冷凍サイクルに能力一定の圧縮機を
用い、他方の冷凍サイクルに能力可変の圧縮機を
用い、両冷凍サイクルを制御系により運転する能
力可変型空気調和機において、暖房運転時の室内
熱交換器の着霜を検知するセンサと、該センサが
能力一定な圧縮機を有する冷凍サイクル側の着霜
を検知した時、そのサイクルの四方弁を除霜サイ
クルに切換える除霜運転指令を与えると共に室内
フアンモータの運転を維持し、かつ能力可変の圧
縮機へ最大能力運転指令を与える運転指令手段と
を上記制御系に備えたもので、これにより除霜運
転に入つている冷凍サイクル側の室内ユニツト部
から吹き出る冷風を、最大能力運転に入つた冷凍
サイクル側の室内ユニツト部から吹き出る温風で
相殺できるようにし、室内ユニツトから冷風が吹
き出したり、暖房効率が低下したりしないように
したものである。

［考案の実施例］ この考案の実施例を第１図〜第４図に基づいて
説明すれば以下の通りである。

第１図は、２つの冷凍サイクルを独立させて１
ユニツト内に設けるとともに、一方の冷凍サイク
ルＡを能力一定な圧縮機１を有するヒートポンプ
で形成し、他方の冷凍サイクルＢを能力可変自在
な圧縮機２を有するヒートポンプで形成した能力
可変型空気調和機の冷凍サイクル構成図を示す。
同図中、Ｃは室内側、Ｄは室外側であり、３は共
通の室内熱交換器、４ａ，４ｂは減圧装置として
の膨張弁、５ａ，５ｂは逆止弁、６ａ，６ｂは室
外熱交換器、７ａ，７ｂは四方弁、８ａ，８ｂは
室外熱交換器の着霜を検知するために各室外熱交
換器６ａ，６ｂに設けた着霜センサである。記号
の添字ａは能力一定な圧縮機１側の冷凍サイクル
Ａ中に、添字ｂは能力可変自在な圧縮機２側の冷
凍サイクルＢ中にあることを意味する。上記セン
サ８ａ，８ｂの出力は、これらの冷凍サイクルＡ
及びＢの運転を制御する制御回路９に接続してあ
る。なお、図中、実線矢印は冷凍サイクルを点線
矢印は暖房サイクルを示す。

第２図は制御回路９の概略構成を示すブロツク
図であり、この制御回路９は制御パネル１０から
の信号ｄに基づいて能力可変自在な圧縮機２に運
転指令ａを能力一定な圧縮機１やフアンモータ・
四方弁７ａ，７ｂに制御指令ｂ，ｃをそれぞれ与
える公知の回路構成（図示せず）を有するととも
に、着霜センサ８からの出力信号ｅに基づいて能
力可変自在な圧縮機２及び四方弁７ａ，７ｂに運
転指令を与えて除霜制御を行なう以下の構成から
成る運転指令回路が設けてある。

上記運転指令回路は、暖房運転時着霜センサ８
からの出力信号ｅに基づいて室外熱交換器６ａに
着霜したか否かを判断し、着霜を検知したとき四
方弁７ａを切換えて冷房運転である除霜サイクル
に変更する除霜運転指令ｆを四方弁７ａに与える
とともに、着霜検知信号ｇを出力する着霜判断回
路１１を有する。この着霜判断回路１１は、比較
回路１２に接続され、着霜検知信号ｇを受けたと
き比較回路１２が作動するようになつている。こ
の比較回路１２はその作動により、能力可変自在
な圧縮機２に付与されている能力運転指令ｉと最
大能力運転指令ｈとを比較し、能力運転指令ｉが
最大能力運転指令に達していないとき能力可変自
在な圧縮機２の能力運転指令ｉを最大能力運転指
令ｈに強制的に切換える機能を有する。

さて、上記のような構成において、今、能力可
変自在な圧縮機２側の冷凍サイクルＢがその運転
指令ａにより能力をセーブして暖房運転中にある
場合において、能力一定の圧縮機１側の冷凍サイ
クルＡを構成する側の室外熱交換器６ａ部が着霜
すると、この着霜情報は着霜センサ８ａにより電
気信号に変換されて運転指令回路に入力し、その
着霜判断回路１１が室外熱交換器６ａ着霜を検知
し、これより、除霜運転指令ｆを四方弁７ａに、
着霜検知信号ｇを比較回路１２に同時に与える。
したがつて、能力一定な圧縮機１側の冷凍サイク
ルＡは実質的に冷房運転である除霜サイクルに入
ると同時に、着霜検知信号ｇを受けた比較回路１
２によつて他方の冷凍サイクルＢ側の能力可変自
在な圧縮機２は、これに最大能力運転指令が強制
的に与えられてセーブ運転から最大能力運転に切
換わる。

このため、室内ユニツト側Ｃの室内熱交換器３
では、除霜運転に入つた冷凍サイクルＡによる冷
却と、最大能力運転に切換つた冷凍サイクルＢに
よる暖房と同時に行なわれ、能力が大きい冷凍サ
イクルＢによる暖房が冷凍サイクルＡによる冷却
を上廻ることになる。その結果、第４図に示す如
く、一方が除霜運転に入つても、なお他方の冷凍
サイクルをセーブ運転していたことにより、除霜
運転によつて吹出し温度が吸込温度ｎより降下し
ていた従来のものｌに比して、本実施例のものは
ｍで示すように室内ユニツトＣからの吹出温度を
吸込温度ｎ、すなわち室温よりも高くすることが
できる。このため室内フアンモータ（図示せず）
を停止させる必要がなくなり、室外熱交換器６ａ
の除霜時間を可及的に短くすることができる。

第５図は第２図の実施例の変形例を示すもの
で、第２図と異なる点は、四方弁７に除霜運転指
令ｆを与える着霜判断回路１１の出力側に所定時
間に設定したタイマ１３を介設した点で、これに
より除霜運転開始に先立つ一定時間前に能力可変
自在な圧縮機２を最大能力可運転させるようにし
たもので、その結果、除霜運転開始時のドラフト
の発生を防止し、不快感を生じないようにするこ
とができる。

［考案の効果］ 以上要するにこの考案によれば次のような優れ
た効果を発揮する。

１ 能力可変自在な圧縮機側が能力をセーブして
暖房運転をしている場合において、能力一定な
圧縮機側が除霜運転に入つた時、能力可変型自
在な圧縮機側を最大能力で暖房運転させるよう
にしたので、室内ユニツトから吹出す温風は室
内ユニツトに吸込まれる室内温度以下になら
ず、このため室温を維持することができ、室内
ユニツトからの冷風の吹出しを有効に防止する
ことができる。

２ 除霜運転中に室内フアンモータを停止させる
従来のものに比して、除霜運転中にあつても室
内フアンモータを停止させないで除霜時間を可
及的に短くすることができ、暖房効率が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る能力可変型空気調和機
の冷凍サイクル構成図、第２図は同除霜制御装置
の一実施例を示すブロツク図、第３図は同ブロツ
クのタイミングチヤート、第４図は吹出温度特性
図、第５図は除霜制御装置の変形例を示すブロツ
ク図である。 図中、１は能力一定な圧縮機、２は能力可変自
在な圧縮機、３は室内熱交換器、６ａ，６ｂは室
外熱交換器、８ａ，８ｂは直霜を検知するセン
サ、９は制御系たる制御回路、１１及び１２は運
転指令手段を構成する着霜判断回路と比較回路、
１３はタイマ、Ａは能力一定な圧縮機側の冷凍サ
イクル、Ｂは能力可変自在な圧縮機側の冷凍サイ
クル、Ｃは室内ユニツト、ｆは除霜運転指令、ｉ
は能力運転指令、ｈは最大能力運転指令である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、減圧装置及び
   室内熱交換器からなる２つ独立した冷凍サイクル
   を１ユニツト内に設けると共に、両室内熱交換器
   を合体させ、一方の冷凍サイクルに能力一定の圧
   縮機を用い、他方の冷凍サイクルに能力可変の圧
   縮機を用い、両冷凍サイクルを制御系により運転
   する能力可変型空気調和機において、暖房運転時
   の室外熱交換器の着霜を検知するセンサと、該セ
   ンサが能力一定な圧縮機を有する冷凍サイクル側
   の着霜を検知した時、そのサイクルの四方弁を除
   霜サイクルに切換える除霜運転指令を与えると共
   に室内フアンモータの運転を維持し、かつ能力可
   変の圧縮機へ最大能力運転指令を与える運転指令
   手段とを上記制御系に備えたことを特徴とする空
   気調和機の除霜制御装置。