JPH03198702A - 種子発芽促進方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、種子発芽用担体上に植物の種子を置床して発
芽させる場合において種子の発芽率を高める方法に関す
る。

〔従来の技術〕

植物の種子の発芽率を向上させるため、種子をその播種
前に水に浸漬したり、薬剤で処理することが古くから行
なわれている。また、最近ではキチン、キトサン類を利
用した種子の発芽促進方法として、キチン、キトサン類
を種子にコーティングした後播種する方法が提案されて
いる（特開昭６３−１３９１０２号、特開昭６３−２９
７３０５号）。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、上述したキチン、キトサン類の種子へのコーテ
ィング方法、例えば特開昭６３−１３９１０２号の方法
は有効量の低分子キトサンを種子表面にコーティングす
るために何度も重ね塗りを行なう必要があり、コーティ
ング操作が面倒で生産効率が悪いという問題がある。ま
た、特開昭６３−２９７３０５号の方法は、水溶性のキ
トサン塩を種子にコーティングする際にキトサン塩だけ
ではコーティングができないため、−度キトサン塩溶液
に浸漬した種子を更にアルカリ水溶液に漬けてキトサン
を種子表面に析出させたり、蛋白質、糖類、合成高分子
類等のコーティング助剤を使用する必要があり、やはり
コーティング操作が面倒であり、生産効率が悪い。

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、植物の生産
効率が悪い種子へのコーティング方法を用いることなく
種子の発芽率を高めることが可能な種子発芽促進方法を
提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段及び作用〕本発明は、上記
目的を達成するため、種子発芽用担体に植物の種子を置
床し、この種子を発芽させる場合において、上記担体に
Ｎ−アセデルグルコサミン又はグルコサミン重合度が４
以上の低分子キチン又はキトサン類を担持させることを
特徴とする種子発芽促進方法を提供する。

即ち、本発明においては、特定のＮ−アセチルグルコサ
ミン又はグルコサミン重合度を有する低分子キチン又は
キトサン類を予め種子発芽用担体に担持させておき、こ
の担体上で種子を発芽させることにより、上記キチン、
キトサン類の発芽促進作用によって高い発芽率で種子を
発芽させることができたもので、これにより生産効率低
下の原因となる種子への薬剤のコーティング処理を不要
としたものである。

なお、従来キチン、キトザン類を利用した植物の生長促
進方法として、キチン、キトサン類を有効成分とする生
長促進剤を担体に含浸する方法が提案されている（特開
昭６３−３３３１０号）。しかし、この方法は発芽後の
植物の茎や根の成長を促進することを目的とするもので
あり、またキチン、キトサン類として本願発明のように
特定のものを用いるものではない。これに対し、本願発
明は特定のＮ−アセチルグルコサミン又はグルコサミン
重合度の低分子キチン、キトサン類を用いることにより
種子の発芽率を向上させたもので、上記特開昭６３−３
３３１０号の方法とはその目的、構成、効果が異なるも
のである。

以下、本発明につき更に詳しく説明する。

本発明においては、発芽促進剤としてＮ−アセチルグル
コサミン又はグルコサミン単位の重合度ｎが４以上、好
ましくは５〜１５のキチン、キトサン類を用いるもので
、これにより良好な発芽促進効果を得ることができる。

これに対し、重合度ｎが３以下のものは十分な発芽促進
作用を有さないため使用し得ない。

この場合、上記低分子キチン、キトサン類の種類に限定
はなく、高分子キチン、キトサン類を化学的分解法や生
化学的分解法で低分子化したもの、例えば高分子キチン
、キトサン類を亜硝酸、ギ酸、塩酸等の酸、過酸化水素
、過硼酸ソーダ等の過酸化物、塩素、酵素あるいは微生
物等により低分子化したキチン、キトサン軽度分解物も
しくはキチンオリゴマー、キトサンオリゴマーや、これ
らのキチン、キトサン類と酢酸、りんご酸、クエン酸、
アスコルビン酸等の有機酸又は塩酸、硫酸、リン酸等の
無機酸との塩などの１種以上のものを好適に使用できる
が、特に高分子キチン、キトサン類をバチルス属に属す
る微生物より得られる酵素であるキトサナーゼで低分子
化したものを好ましく用いることができる。

また、低分子キチン、キトサン類の分子量は１００００
以下、特に８００〜３５００であることが望ましい。こ
の場合、分子量が５０００以下のキチン、キトサン類は
酸によりキチン、キトサン塩にして可溶化しなくても水
に対する溶解性が高いため、種子に対する対イオンの影
響を考慮することなく好適に用いることができる。

本発明においては、上述したキチン、キトサン類を種子
発芽用担体に担持させるものである。

この場合、担体としてはキチン、キトサン類を担持し得
るものであればいずれのものも使用でき、具体的には決
紙、布等の天然もしくは合成の繊維類、寒天、アルギン
酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド等の天然
もしくは合成の吸水性ゲル状高分子物質類、ポリウレタ
ンフォーム等の水耕栽培用担体などを好適に用いること
ができる。

また、担体へのキチン、キトサン類の担持量は５０〜５
００μｇ／ｇ担体とすることが好ましく、これにより良
好な発芽促進効果を得ることができる。

更に、担体にキチン、キトサン類を担持させる手段は限
られないが、キチン、キトサン類の水溶液を担体に含浸
する手段が好適に採用される。この場合、キチン、キト
サン類の水溶液中の濃度は１〜１×１０４重量％、特に
ｌＸｌ０−’〜１×１０−’重量％とすることが好まし
い。また担体への水溶液の含浸量は担体が保持可能な量
であれば特に限られないが、通常は１〜１０　ｇ／ｇ担
体である。

なお、担体には必要に応じ他の任意成分を保持させるこ
とができる。

本発明においては、上記キチン、キトサン類を担持した
担体に植物の種子を置床して発芽させるものである。

この場合、種子の種類に制限はなく、本発明はあらゆる
種類の種子の発芽率向上に有効であるが、特にセリ科植
物のニンジン、セロリ、シソ科植物のローズマリー、ナ
ス科植物のナス等に有効である。

また、発芽条件としては通常の条件を採用できるが、一
般に発芽時の温度は２０〜３０℃、湿度は４０〜８０％
とすることが好ましい。なお、発芽に要する時間は種子
の種類によって異なるが、通常２〜６日程度である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の種子発芽促進方法によれ
ば、面倒な種子への薬剤のコーティング処理を要するこ
となく簡便な手段で発芽率を高めることができ、食用、
薬用、観賞用などの有用植物の生産効率を向上させるこ
とができるものである。

次に、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない
。

〔実施例、比較例〕

直径９ａｎのシャーレ中に同じ大きさの濾紙（アドバン
テソク嵐２）を敷き、この炉祇にそれぞれ下記に示すキ
チン、キトサン類濃度の試験液Ａ〜Ｇを４．５ｍｊ！含
浸させた。この場合、試験液Ｂ〜Ｄにおいてはキチン、
キトサン類として特開平１−２５６３９５号公報に開示
された方法で製造したグルコサミン重合度ｎが９、重量
平均分子量が１５００（プルラン換算）の低分子キトサ
ンを用いた。また、試験液Ｅ−Ｇにおいてはキチン、キ
トサン類としてグルコサミン重合度ｎが２及び３のキト
ビオース及びキトトリオースを重量比３：４の割合で混
合した混合物を用いた。

試験液Ａ　：　　０重量％（コントロール）〃Ｂ　　：
　　０．１　　〃 〃Ｃ：　　０．０１　　〃 〃Ｄ＝０．００１〃 〃　Ｅ　：　０．１　〃 〃Ｆ：０．０１〃 〃Ｇ　　：　　０．００１　〃 次に、上記各試験液を含浸した濾紙上にニンジンの種子
（アーリー・チャンテネー）５０個を置床し、シャーレ
−に蓋をした後、温度２５℃。

湿度５０％の条件で３日間発芽試験を行ない、発芽率（
発芽種子数／置床種子数×１００％）を調べた。結果を
第１表に示す。

０ 第１表の結果より、本発明によれば種子の発芽率が向上
することが認められる。特に、実施例２（キトサン濃度
０．０１％）ではコントロール（キトサン無添加）の約
１．９倍の発芽率を示した。これに対し、グルコサミン
重合度が３以下のものを用いた比較例では十分な発芽率
向上効果が認められなかった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、種子発芽用担体に植物の種子を置床し、この種子を
   発芽させる場合において、上記担体にＮ−アセチルグル
   コサミン又はグルコサミン重合度が４以上の低分子キチ
   ン又はキトサン類を担持させることを特徴とする種子発
   芽促進方法。