JPH05286813A - 種子の発芽及び初期生育促進方法 - Google Patents
種子の発芽及び初期生育促進方法Info
- Publication number
- JPH05286813A JPH05286813A JP4087020A JP8702092A JPH05286813A JP H05286813 A JPH05286813 A JP H05286813A JP 4087020 A JP4087020 A JP 4087020A JP 8702092 A JP8702092 A JP 8702092A JP H05286813 A JPH05286813 A JP H05286813A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seed
- germination
- paclobutrazol
- initial growth
- rice
- Prior art date
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- Pending
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 パクロブトラゾールの有効量を発芽前の植物
種子に処理することを特徴とする植物種子の発芽及び初
期生育促進方法。 【効果】 発芽前の植物種子にパクロブトラゾールを処
理をすると発芽が促進されるうえ、発芽した種子に処理
した場合のように出芽や伸長を抑制することがなく、全
く予期しない初期生育促進効果がある。
種子に処理することを特徴とする植物種子の発芽及び初
期生育促進方法。 【効果】 発芽前の植物種子にパクロブトラゾールを処
理をすると発芽が促進されるうえ、発芽した種子に処理
した場合のように出芽や伸長を抑制することがなく、全
く予期しない初期生育促進効果がある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物種子の発芽及び初
期生育促進方法に関する。
期生育促進方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】作物を栽培する上で、種子の発
芽率及び初期生育を向上させることは、必要な生育量を
確保し、安定した収量を得るために重要なことである。
例えば、イネの湛水土壌直播栽培では代かき後の水田土
壌に種子を直接埋め込んで栽培するので、機械移植栽培
に比べて育苗の手間が省ける。しかしながら、湛水土壌
中栽培では出芽率、苗立ち率を安定化させるために、播
種深度を均一にする必要があるが、現在の播種技術では
播種深度がバラつく。特に、播種深度が3cm以上になる
と、酸素不足に由来する生理障害により、出芽率、苗立
ち率が低下し、出芽後のイネの生育が貧弱となる。
芽率及び初期生育を向上させることは、必要な生育量を
確保し、安定した収量を得るために重要なことである。
例えば、イネの湛水土壌直播栽培では代かき後の水田土
壌に種子を直接埋め込んで栽培するので、機械移植栽培
に比べて育苗の手間が省ける。しかしながら、湛水土壌
中栽培では出芽率、苗立ち率を安定化させるために、播
種深度を均一にする必要があるが、現在の播種技術では
播種深度がバラつく。特に、播種深度が3cm以上になる
と、酸素不足に由来する生理障害により、出芽率、苗立
ち率が低下し、出芽後のイネの生育が貧弱となる。
【0003】また、湛水土壌中直播栽培の播種時期は、
4月下旬から6月中旬にかけて行われるが、特に4月下
旬から5月中旬に播種される場合には播種後、低温に遭
遇する機会も多く、播種された種籾又は出芽したばかり
の苗が低温障害を受けて、苗立ち率が低下しやすい。こ
のように種々の環境ストレスを受ける湛水土壌中直播栽
培での出芽及び初期生育促進をはかる方法として、過酸
化カルシウム(保土ヶ谷化学商品名:カルパー)を種子
に粉衣することが実用化されている。しかしながら、カ
ルパーを粉衣しても出芽及び初期生育促進効果が不十分
な時があり、さらに出芽及び初期生育促進効果を向上さ
せる方法が望まれる。また、カルパーを粉衣する手間を
省略するような方法が期待されている。
4月下旬から6月中旬にかけて行われるが、特に4月下
旬から5月中旬に播種される場合には播種後、低温に遭
遇する機会も多く、播種された種籾又は出芽したばかり
の苗が低温障害を受けて、苗立ち率が低下しやすい。こ
のように種々の環境ストレスを受ける湛水土壌中直播栽
培での出芽及び初期生育促進をはかる方法として、過酸
化カルシウム(保土ヶ谷化学商品名:カルパー)を種子
に粉衣することが実用化されている。しかしながら、カ
ルパーを粉衣しても出芽及び初期生育促進効果が不十分
な時があり、さらに出芽及び初期生育促進効果を向上さ
せる方法が望まれる。また、カルパーを粉衣する手間を
省略するような方法が期待されている。
【0004】一方、パクロブトラゾールがイネの倒伏軽
減剤として使用されている。その使用方法は出穂20〜10
日前に有効成分量12〜18g/10aを湛水土壌処理する方法
である。その結果、稈長が短縮され、倒伏が軽減され
る。また、パクロブトラゾールをイネの発芽した種子
(催芽種子)に1 ppb を超える濃度で連続して浸漬する
とイネの伸長が抑制されることが知られている(昭和59
年度植物化学調節研究発表記録集, p.50(1984))。
減剤として使用されている。その使用方法は出穂20〜10
日前に有効成分量12〜18g/10aを湛水土壌処理する方法
である。その結果、稈長が短縮され、倒伏が軽減され
る。また、パクロブトラゾールをイネの発芽した種子
(催芽種子)に1 ppb を超える濃度で連続して浸漬する
とイネの伸長が抑制されることが知られている(昭和59
年度植物化学調節研究発表記録集, p.50(1984))。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、発芽前の植
物種子にパクロブトラゾールを処理すると発芽が促進さ
れるうえ、発芽した種子に処理した場合のように出芽や
伸長を抑制することがなく、全く予期しない初期生育促
進効果があることを見出し、本発明を完成した。
物種子にパクロブトラゾールを処理すると発芽が促進さ
れるうえ、発芽した種子に処理した場合のように出芽や
伸長を抑制することがなく、全く予期しない初期生育促
進効果があることを見出し、本発明を完成した。
【0006】本発明は、パクロブトラゾールの有効量を
発芽前の植物種子に処理することを特徴とする植物種子
の発芽及び初期生育促進方法(以下、本発明の方法とい
う)である。植物種子としては、イネ、ダイコン、ニン
ジン、ホウレンソウ等があげられ、特にイネがあげられ
る。
発芽前の植物種子に処理することを特徴とする植物種子
の発芽及び初期生育促進方法(以下、本発明の方法とい
う)である。植物種子としては、イネ、ダイコン、ニン
ジン、ホウレンソウ等があげられ、特にイネがあげられ
る。
【0007】本発明において処理するパクロブトラゾー
ルの形態は、特に制限されるものではないが、水溶液の
形態が望ましく、その濃度は通常0.01〜1000 ppbであ
り、好ましくは 1〜100 ppb である。処理方法として
は、パクロブトラゾール水溶液に発芽前の種子を浸漬す
る方法、該水溶液を種子にスプレーする方法等があげら
れ、発芽前の種子を浸漬する方法が好ましい。
ルの形態は、特に制限されるものではないが、水溶液の
形態が望ましく、その濃度は通常0.01〜1000 ppbであ
り、好ましくは 1〜100 ppb である。処理方法として
は、パクロブトラゾール水溶液に発芽前の種子を浸漬す
る方法、該水溶液を種子にスプレーする方法等があげら
れ、発芽前の種子を浸漬する方法が好ましい。
【0008】発芽前の種子を浸漬処理する場合、浸漬時
間は特に限定されるものではないが、通常1時間以上、
好ましくは5時間以上である。このように処理された種
子は、水洗後、乾燥して播種する。但し、イネの場合に
は、水洗後、3〜5日間室温で水浸して発芽させる。本
発明の方法に使用されるパクロブトラゾールは、通常の
方法により製造された水和剤、フロアブル、乳剤、液剤
等の剤型にて実用に供される。また、他の植物生長調節
剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤等の農薬、又は肥効性物質
等との混合剤にても実用に供される。
間は特に限定されるものではないが、通常1時間以上、
好ましくは5時間以上である。このように処理された種
子は、水洗後、乾燥して播種する。但し、イネの場合に
は、水洗後、3〜5日間室温で水浸して発芽させる。本
発明の方法に使用されるパクロブトラゾールは、通常の
方法により製造された水和剤、フロアブル、乳剤、液剤
等の剤型にて実用に供される。また、他の植物生長調節
剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤等の農薬、又は肥効性物質
等との混合剤にても実用に供される。
【0009】次にパクロブトラゾールを有効成分として
含有する具体的な製剤例を示すが、本発明の方法で使用
される製剤はこれに限定されるものではない。なお、以
下の配合例において「部」は重量部を意味する。 〔製剤例〕 液剤 パクロブトラゾール 0.001 部 エタノール 1.0 部 水 98.999 部 以上を均一に混合して液剤とする。使用に際しては、上
記液剤を10〜1,000,000 倍に水で希釈し、有効成分濃度
が0.01〜1000 ppbとなるように調整して使用する。
含有する具体的な製剤例を示すが、本発明の方法で使用
される製剤はこれに限定されるものではない。なお、以
下の配合例において「部」は重量部を意味する。 〔製剤例〕 液剤 パクロブトラゾール 0.001 部 エタノール 1.0 部 水 98.999 部 以上を均一に混合して液剤とする。使用に際しては、上
記液剤を10〜1,000,000 倍に水で希釈し、有効成分濃度
が0.01〜1000 ppbとなるように調整して使用する。
【0010】
〔試験例1〕前記製剤例に準じて調整した供試薬剤を所
定濃度の水溶液にして、発芽前の水稲種子(品種:日本
晴)を24時間浸漬した。水洗後、水浸して発芽させ、
カルパー(保土ヶ谷化学商品名)を粉衣した区とカルパ
ーを粉衣しない区に分けて播種した。プラスチック製の
バット(45×30cm2 ,高さ15cm)に水田表土を入れ、各
処理区20粒播種した。播種はピンセットを用いて行
い、温室区では3cm、低温区(15℃恒温)では2cmの深
さに植えた。水深3cmの湛水状態にして温室及び野外の
人工気象室(15℃恒温)で出芽生育させた。
定濃度の水溶液にして、発芽前の水稲種子(品種:日本
晴)を24時間浸漬した。水洗後、水浸して発芽させ、
カルパー(保土ヶ谷化学商品名)を粉衣した区とカルパ
ーを粉衣しない区に分けて播種した。プラスチック製の
バット(45×30cm2 ,高さ15cm)に水田表土を入れ、各
処理区20粒播種した。播種はピンセットを用いて行
い、温室区では3cm、低温区(15℃恒温)では2cmの深
さに植えた。水深3cmの湛水状態にして温室及び野外の
人工気象室(15℃恒温)で出芽生育させた。
【0011】試験は2連制とし、温室区は播種25日後
に、低温区は播種35日後に調査した。結果を第1表及
び第2表に示す。
に、低温区は播種35日後に調査した。結果を第1表及
び第2表に示す。
【0012】
【表1】 第1表 温室区 ─────────────────────────────── カルパー パクロブトラゾール 出芽率 草丈 葉令 生体重 粉衣 濃度(ppb) % cm g/100本 ─────────────────────────────── 有 0 60 23.8 2.9 18.3 10 65 24.1 3.0 19.5 100 75 25.1 3.2 23.0 無 0 55 23.2 2.7 15.5 10 60 24.3 2.9 18.0 100 70 24.1 2.9 21.2 ───────────────────────────────
【0013】
【表2】 第2表 低温区(15℃恒温) ─────────────────────────────── カルパー パクロブトラゾール 出芽率 草丈 葉令 生体重 粉衣 濃度(ppb) % cm g/100本 ─────────────────────────────── 有 0 20 4.3 2.1 13.3 10 50 5.3 2.3 15.5 100 45 5.5 2.3 15.3 無 0 5 3.8 1.9 9.5 10 40 4.7 2.0 14.3 100 35 4.8 2.1 12.5 ───────────────────────────────
【0014】〔試験例2〕前記製剤例に準じて調整した
供試薬剤を所定濃度の水溶液にして、発芽前のニンジン
種子(品種:新黒田5寸)を1時間浸漬した。ニンジン
種子を水洗、風乾後、プラスチック製のバット(30×45
cm2 ,高さ6cm )に洪積土を入れ、各処理区20粒播種覆
土した。2連制で行った。温室で発芽させ、播種後10日
に発芽率を調査した。結果を第3表に示す。
供試薬剤を所定濃度の水溶液にして、発芽前のニンジン
種子(品種:新黒田5寸)を1時間浸漬した。ニンジン
種子を水洗、風乾後、プラスチック製のバット(30×45
cm2 ,高さ6cm )に洪積土を入れ、各処理区20粒播種覆
土した。2連制で行った。温室で発芽させ、播種後10日
に発芽率を調査した。結果を第3表に示す。
【0015】
【表3】
Claims (4)
- 【請求項1】 パクロブトラゾールの有効量を発芽前の
植物種子に処理することを特徴とする植物種子の発芽及
び初期生育促進方法。 - 【請求項2】 パクロブトラゾールの水溶液に発芽前の
植物種子を浸漬する請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 パクロブトラゾールの水溶液の濃度が0.
01から1000 ppbである請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 植物種子がイネである請求項1記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4087020A JPH05286813A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 種子の発芽及び初期生育促進方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4087020A JPH05286813A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 種子の発芽及び初期生育促進方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05286813A true JPH05286813A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=13903281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4087020A Pending JPH05286813A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 種子の発芽及び初期生育促進方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05286813A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100409746C (zh) * | 2003-08-05 | 2008-08-13 | 湖南农业大学 | 一种早籼稻米垩白改良剂 |
JP2009519275A (ja) * | 2005-12-13 | 2009-05-14 | シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト | 植物生長制御組成物及び殺真菌組成物 |
KR101471855B1 (ko) * | 2007-03-06 | 2014-12-11 | 바이엘 크롭사이언스 아게 | 처리된 종자의 종자 안정성을 안전하게 보호하는 방법 |
CN105104400A (zh) * | 2015-09-01 | 2015-12-02 | 蔡家锟 | 直播稻复合浸种剂及其制备方法、使用方法和应用 |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP4087020A patent/JPH05286813A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100409746C (zh) * | 2003-08-05 | 2008-08-13 | 湖南农业大学 | 一种早籼稻米垩白改良剂 |
JP2009519275A (ja) * | 2005-12-13 | 2009-05-14 | シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト | 植物生長制御組成物及び殺真菌組成物 |
KR101471855B1 (ko) * | 2007-03-06 | 2014-12-11 | 바이엘 크롭사이언스 아게 | 처리된 종자의 종자 안정성을 안전하게 보호하는 방법 |
CN105104400A (zh) * | 2015-09-01 | 2015-12-02 | 蔡家锟 | 直播稻复合浸种剂及其制备方法、使用方法和应用 |
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