JPH0220728Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、車両用灯具の分野に利用できるも
ので、発光ダイオードを光源としたスライド挿入
式の車両用灯具に関するものである。

（従来の技術） 発光ダイオードを光源とした車両用灯具で、比
較的長尺のものがあり、これは例えば第７図イに
示すように、プリント基板ａに多数の発光ダイオ
ードｂが並設され、この発光ダイオードｂに対応
させてレンズカツトｃを施した合成樹脂製のケー
スｄに、前記プリント基板ａを取付けた構成とな
つている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記従来の灯具においては、プリント基板ａと
ケースｄとの熱膨張率が異なるため温度変化で発
光ダイオードｂに対するレンズカツトｃの位置が
ずれて適切な配光が得られないことがあり、また
灯具の変形や破損の原因となつていた。さらに、
発光ダイオードｂに不良が発生した場合に交換が
困難であつた。

このような欠点を防止するために、第７図ロの
ようにプリント基板a′を数個に分割し、これを適
当な間隔をあけてケースに取付けたものもある
が、プリント基板相互の電気的接続を図らねばな
らず、製造上厄介な問題が生じる。本考案は、こ
のような従来の問題点を解決するためになされた
ものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の問題点を解決するために、本考案は、複
数のランプユニツトと、長尺なホルダとからな
り、前記ランプユニツトは、導電パターンに電気
的に接続させて複数個の発光ダイオードを並設し
た基板に、前記発光ダイオードに対応させてレン
ズカツトが施され且つ両側にスリツト穴を有する
レンズ体を一体的に取り付け、更に前記基板の導
電パターンと電気的に接触させたばね性の端子片
を前記スリツト穴に挾み込んで１個のランプユニ
ツトとして形成し、前記ホルダは長手方向に沿つ
て嵌合溝を有すると共にその溝に沿つて通電用端
子を取り付けた構成にし、前記通電用端子に前記
端子片が電気的に接続するように、前記ホルダに
対し前記ランプユニツトをスライド嵌合させて複
数個取り付けた構成を要旨とするものである。

プリント基板はガラスエポキシ等から形成さ
れ、レンズ体は合成樹脂性であつて長いものは
700〜800mmにもなるものがある。自動車の場合、
−30℃〜＋80℃の使用温度差があるので、この２
点の熱膨張率の差により中央部で位置合わせをし
ても、端部では位置ずれが生じる。そこで、プリ
ント基板を短くし、そこに対応するレンズと位置
合わせをしておけば熱膨張率の差による位置ずれ
は小さなものとなる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面により説明す
ると、第２図、第３図において１は複数個の発光
ダイオード２とチツプ抵抗３とを直列に並設した
プリント基板であり、このプリント基板にレンズ
体４を取り付け、例えば接着剤又はビス等の固定
手段により一体的に固定して１個のランプユニツ
ト５を形成してある。前記レンズ体４は前記発光
ダイオード２に対応させてレンズカツト４ａが施
されると共に、両側の突出部４ｂにスリツト孔４
ｃが形成され、このスリツト孔４ｃにばね性の端
子片６がその頭部を若干突出するようにして嵌め
られ、かつ足部は前記プリント基板１の導電パタ
ーン１ａと電気的に接続されている。７は合成樹
脂製の長尺なホルダであり、第１図に示すように
その上下端にホルダの長さ方向に沿つて嵌合溝７
ａが形成され、この嵌合溝には断面コ字形の通電
用端子８が溝に沿つて嵌着固定されている。９は
ブロツク状に形成された電源供給ユニツトであ
り、第５図に示すようにプリント基板９ａとカバ
ーケース９ｂを有し、プリント基板には必要な電
子部品１０を装着し、例えば第６図の９に示すよ
うなストツプアンドテールの切換用回路が形成さ
れると共にリード線１１が接続されており、一方
カバーケース９ｂの両側の突出部９ｃにはスリツ
ト孔９ｄが形成され、前記のランプユニツト５と
同様にばね性の端子片１２がその頭部をスリツト
孔９ｄから若干突出させて取付けられている。

前記ランプユニツト５は、上下の突出部を前記
ホルダ７の嵌合溝７ａに嵌めてスライドさせるこ
とにより、このホルダ７に嵌着できるようになつ
ており、このときランプユニツト５のばね性の端
子片６が前記通電用端子８に圧接して電気的に接
続し、かつ端子６のばねによりランプユニツト５
はホルダ７の溝に圧接されるので、ランプユニツ
ト５の妄動防止作用をなす。このようにして、ホ
ルダ７に必要数のランプユニツト５を順次嵌着
し、さらに前記電源供給ユニツト９をランプユニ
ツト５と同じ要領で嵌着して車両用灯具を形成す
ることができる。そして、同時に第６図に示すよ
うな点灯回路が構成され、前記リード線１１を介
して通電すると発光ダイオードを点灯させること
ができ、その光線はレンズ体４のレンズカツト４
ａを通つて有効に放射される。そして、前記電源
供給ユニツト９の切換用回路により、ストツプラ
ンプ及びテールランプとしての機能を発揮するこ
とができる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、ランプ
ユニツトと電源供給ユニツトとをホルダに嵌合す
るだけで車両用灯具を形成することができ、しか
も同時に点灯回路が形成されるので、従来のよう
にプリント基板相互の電気的接続をする必要がな
く、きわめて容易に製造することができる。ま
た、レンズ体と基板とで短い長さのブロツク状の
ランプユニツトを形成し、該ランプユニツトを隣
設状態に配設して長尺な灯具を形成しているの
で、熱変化の影響は、各ランプユニツト毎で吸収
し、全体に波及しないため、長尺な長さの灯具で
あつても発光ダイオードとレンズカツトとの位置
ずれが生じない。さらに、ランプユニツトの個数
によつて任意の長さの灯具を容易に形成できるの
で融通性にすぐれており、かつホルダとの熱変化
による誤差の吸収性にもすぐれている。

なお、灯具の種類によつては、電源供給ユニツ
トを用いずに、ホルダの通電用端子に通電して点
灯させることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る灯具の一部の断面斜視
図、第２図は、ランプユニツトの一部の断面斜視
図、第３図は、ランプユニツトの分解斜視図、第
４図は、電源供給ユニツトの斜視図、第５図は、
同じく一部破断斜視図、第６図は、点灯回路図、
第７図は、従来例を示すもので、イは要部の分解
斜視図、ロはプリント基板を分割方式とした場合
の斜視図である。 １……プリント基板、２……発光ダイオード、
３……チツプ抵抗、４……レンズ体、４ａ……レ
ンズカツト、５……ランプユニツト、６……ばね
性の端子片、７……ホルダ、７ａ……嵌合溝、８
……通電用端子、９……電源供給ユニツト、１２
……ばね性の端子片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のランプユニツトと、長尺なホルダとから
   なり、前記ランプユニツトは、導電パターンに電
   気的に接続させて複数個の発光ダイオードを並設
   した基板に、前記発光ダイオードに対応させてレ
   ンズカツトが施され且つ両側にスリツト穴を有す
   るレンズ体を一体的に取り付け、更に前記基板の
   導電パターンと電気的に接触させたばね性の端子
   片を前記スリツト穴に挾み込んで１個のランプユ
   ニツトとして形成し、前記ホルダは長手方向に沿
   つて嵌合溝を有すると共にその溝に沿つて通電用
   端子を取り付けた構成にし、前記通電用端子に前
   記端子片が電気的に接続するように、前記ホルダ
   に対し前記ランプユニツトをスライド嵌合させて
   複数個取り付けたことを特徴とするスライド挿入
   式車両用灯具。