JPH0212713Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、避雷器用端子接続装置、特に微振
動による接続部での導体の断線あるいは接続不良
などの不都合が生じず且つ構成が簡単となる避雷
器用端子接続装置に関するものである。

通常の避雷器の端子接続装置は、第２図に示す
ように、避雷器本体１の頂部に立設した電極棒２
の中心に絶縁電線３の導体挿入孔４を穿設し、電
極棒２の側部からねじ５により導体６を締付ける
ようにしている。

ところが、このような構造の端子接続装置で
は、使用時の風圧によつて微振動が生じ、接続部
近傍で断線したり、導体を締付けているねじが緩
んで接続不良になつたりするなどの問題があつ
た。そこで、この考案者等は、実開昭54−115589
号公報において、微振動による導体の断線、接続
不良等の問題を解決した「避雷器用接続端子装
置」を提案したが、これは、構成が複雑で部品数
が多いため、製造コストが高くなるなどの問題が
残されている。

この考案は、以上の事情に鑑みなされたもの
で、微振動による導体の断線、接続不良を防止す
ると共に、構成を簡単にして製造コストを低減す
る避雷器用端子接続装置を提供することにある。

即ち、この考案は、避雷器本体の頂部に立設し
た電極棒を滑容し、上端部に絶縁電線の端末導体
を圧縮接続したジヤツクと、この接続部と絶縁電
線の端末に亘つてモールド成形され、中途に縊部
を設けた絶縁補強層と、この縊部に回動自在に嵌
装され、上記ジヤツクを包覆すると共に下端開口
部の内面に、ねじを形成した保護カバーとから構
成され、上記電極棒にジヤツクを嵌合した状態に
おいて避雷器本体の頂部に設けたねじ板を保護カ
バーのねじに螺合して電極棒とジヤツクとの電気
的接合を固定し、且つ接合部を保護カバーにて保
護するものである。

以下、この考案を添付図面に示す実施例に基づ
いて説明する。

第１図において、１０は避雷器本体で、その頂
部には避雷器の内部素子と電気的に接続された電
極棒１１が半径方向に延びるねじ板１２と共に螺
合等により固定されている。上記電極棒１１に滑
合するジヤツク１３は、下面に電極棒１１を受入
れる電極受容孔１４が形成され、上面に絶縁電線
１５の端末の絶縁被覆１６を段剥ぎされた端末導
体１７を挿入する導体挿入孔１８が形成されてい
る。この導体挿入孔１８に絶縁電線１５の端末導
体１７が挿入されると、ジヤツク１３は導体挿入
孔１８の側部から圧縮され、絶縁電線１５はジヤ
ツク１３に接続固定される。この実施例では絶縁
電線１５とジヤツク１３との接続は圧縮接続によ
り行つたが、他の慣用接続法で接続してもよい。

上記ジヤツク１３と絶縁電線１５の導体１７と
の接続部上には、ジヤツク１３及び絶縁電線１５
に亘つて例えば架橋ポリエチレンによつて絶縁保
強層１９がモールド成形されており、絶縁保強層
１９の中途には縊部２０が設けられている。この
縊部２０には、例えば架橋ポリエチレンからなる
吊鐘状の保護カバー２１が頂部に形成された貫通
孔２２を嵌合して回動自在に嵌装され、保護カバ
ー２１の内周壁には、下部開口部から上方にめね
じ２３が形成され、保護カバー２１はジヤツク１
３を包覆している。

ここで、絶縁補強層１９の縊部２０の上部２４
は、円錐台のように下に向かつて若干広くなる外
形をしており、上部２４の最大外径は、保護カバ
ー２１の貫通孔２２の内径よりも若干大きくして
いる。また、貫通孔２２はその内径を下に向かつ
て若干大きく形成している。従つて、保護カバー
２１を絶縁補強層１９の縊部２０に嵌装する際に
保護カバー２１及び絶縁補強層１９の弾性を利用
して容易に嵌装でき、一旦嵌装したものは簡単に
外れない。なお、２５は絶縁電線が接続部近傍で
急に曲がるのを防ぐために縊部２０の上部２４か
らさらに上方に伸びたプロテクターである。

また、上記保護カバー２１に形成されたねじ２
３は、避雷器本体１０の頂部に半径方向に延びて
固定されたねじ板１２に螺合し、電極棒１１とジ
ヤツク１３との電気的接合を固定すると共に接合
部を保護カバー２１によつて保護している。

なお、上記ジヤツク１３の電極受容孔１４を形
成する周壁には、軸方向のスリツト（図示省略）
を設けて弾性を大きくし、電極棒１１に対するジ
ヤツク１３の滑合を容易にすると共に電気的接合
を良好にすることが望ましい。また、上記絶縁補
強層１９と保護カバー２１は、架橋ポリエチレン
に限らず、弾力性を有する絶縁材で形成すればよ
い。

以上のようにしてなるこの考案の避雷器用端子
接続装置は、絶縁電線と避雷器の電極棒との電気
的接続をジヤツクを介して完全に行ない、且つ絶
縁電線とジヤツクとの接続を圧縮により強固に固
定し、この接続部を絶縁補強層でモールド成形
し、絶縁補強層の縊部に保護カバーを嵌装してい
るので、絶縁電線の微振動による接続部の断線及
び接続不良を防止できる。また、この考案装置
は、絶縁補強層を成形したジヤツクと保護カバー
とからなり、その部品数は非常に少なく製造コス
トを低減できる。さらに頂部に電極棒とねじ板を
固定した避雷器を、保護カバーの下端開口部から
挿入して螺合するのみで、この考案装置と避雷器
とを接続できるので、その取付け作業が簡単にな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一例を示す縦断正面図、第
２図は従来例を示す縦断正面図である。 １０……避雷器本体、１１……電極棒、１２…
…ねじ板、１３……ジヤツク、１４……電極受容
孔、１５……絶縁電線、１６……絶縁被覆、１７
……導体、１８……導体挿入孔、１９……絶縁補
強層、２０……縊部、２１……保護カバー、２２
……貫通孔、２３……ねじ、２４……上部、２５
……プロテクター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 避雷器本体１０の頂部に立設した電極棒１１を
   滑容し、上端部に絶縁電線１５の端末導体１７を
   圧縮接続したジヤツク１３と、この接続部と絶縁
   電線１５の端末に亘つてモールド成形され、中途
   に縊部２０を設けた絶縁補強層１９と、この縊部
   ２０に回動自在に嵌装され、上記ジヤツク１３を
   包覆すると共に、下端開口部の内面に、上記避雷
   器本体１０のねじ板１２に螺合するねじ２３を形
   成した保護カバー２１と、からなる避雷器用端子
   接続装置。