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JPH0937646A - トマトの栽培方法 - Google Patents

トマトの栽培方法

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JPH0937646A
JPH0937646A JP7212581A JP21258195A JPH0937646A JP H0937646 A JPH0937646 A JP H0937646A JP 7212581 A JP7212581 A JP 7212581A JP 21258195 A JP21258195 A JP 21258195A JP H0937646 A JPH0937646 A JP H0937646A
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seedlings
axillary
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seedling
buds
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Shingo Katou
▲しん▼吾 加藤
Tadashi Nomura
忠司 野村
Masaaki Konagai
雅昭 小長井
Takahide Yamaguchi
隆英 山口
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Takagi Industrial Co Ltd
Tokai Bussan Co Ltd
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Takagi Industrial Co Ltd
Tokai Bussan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生育の均一化、収穫時期の計画化を実現した
トマトの栽培方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 果実を収穫するための苗を腋芽(31)
の挿木ないし栽培液中に茎を保持させて生育する。この
ため、腋芽によるため、生育の均一化及び果実の収穫時
期の計画化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腋芽を挿穂として挿木
等によって育苗することにより果実を収穫するトマトの
栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トマトの栽培形態には、露地栽
培、水耕栽培、養液栽培等の種々のものがある。露地栽
培は、土壌を媒介として栽培する方法、水耕栽培は、水
を媒介として栽培する方法、また、養液栽培は、ロック
ウール等の培地に苗木を植付け、養液を供給して栽培す
る方法である。
【0003】何れの栽培方法を取った場合にも、培地に
播種を行い、適当な水分を与えて発芽及び発根させ、播
種から55〜60日経過後、第1花房の花芽が開花する
時期にその苗を定植させる。この苗の第3花房が開花す
る時期に第3花房より上の主枝を摘心することにより、
苗の栄養成長の抑制とともに果実の発育を促進させる。
この生育期間を経て、播種より110〜120日を経た
時期に、成熟した果実を収穫することができる。
【0004】このようなトマト栽培において、第1花房
の花芽が分化するまでの期間は栄養成長期、花芽が分化
した後は生殖成長期と呼ばれる。定植時の草丈は、60
〜80cmにも達する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
播種及び定植を経て苗を生育し、その苗から果実を収穫
する栽培においては、個々の苗が持つ特性が草丈、栽培
期間、果実の収穫等に大きく影響する。このため、播種
を経て発芽した良質のものを選択し、定植時にも生育状
態の良いもの、草丈が等しいものを苗木として選定す
る。その場合、茎径も良否判断の一つである。
【0006】しかしながら、選定時に生育状態を揃えて
苗木としても、後の生育環境や環境適応性等が生育に大
きく影響し、草丈や果実収穫が不揃いとなり、計画的な
収穫、均一な果実の収穫を困難にしている。
【0007】そこで、本発明は、生育の均一化、果実の
収穫時期の計画化を実現したトマトの栽培方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のトマトの栽培方
法は、上記目的を達成するため、果実を収穫するための
苗を腋芽(31)の挿木ないし栽培液中に茎を保持させ
て生育することを特徴としている。
【0009】即ち、請求項1に記載の本発明は、図1に
例示するように、生育した苗(200)から花芽を持つ
腋芽(31)を切離し、この腋芽の茎(310)の切断
面(312)に樹液による皮膜(314)を形成させた
後、この腋芽(31)を培地(40)に挿木して苗(2
0)を生育させることを特徴とする。
【0010】また、請求項2に記載の本発明は、生育し
た苗(200)から花芽を持つ腋芽(31)を切離し、
この腋芽(31)の茎(310)の切断面(312)に
樹液による皮膜(314)を形成させた後、この腋芽
(31)の前記茎の切断面(312)側を栽培液中に保
持させて発根させて苗を生育させることを特徴とする。
【0011】また、請求項3に記載の本発明は、播種又
は挿木により生育した第1の苗(200)から花芽を持
つ腋芽(31)を切離し、この腋芽(31)の茎(31
0)の切断面(312)に樹液による皮膜(314)を
形成させた後、この腋芽(31)を培地(40)に挿木
し、又は栽培液中に茎を保持させて第2の苗を生育さ
せ、この第2の苗及び前記第1の苗から果実を収穫する
ことを特徴とする。
【0012】また、請求項4に記載の本発明は、皮膜
(314)形成の方法について規定したものであって、
前記皮膜は、前記腋芽を陰干しにより腋芽が持つ樹液を
風乾させて形成する。
【0013】また、請求項5に記載の本発明は、培地
(40)によって発根させる方法である。
【0014】
【作用】このトマトの栽培方法では腋芽採取のための苗
を栽培する。この苗は、果実を収穫する苗であってもよ
く、また、播種又は挿木によってトマトの苗を成木にな
るまで生育させる。この苗には、トマトの特性上、成木
に至る過程で必ず花芽を持つ腋芽が成長する。そこで、
この苗から挿木をすべき腋芽を切り離す。腋芽を成木か
ら切り離すと、その茎の切断面には樹液が染み出し、腋
芽の茎の切断面にはこの樹液による皮膜が形成される。
皮膜が形成された腋芽を培地に挿木し、又は水等の栽培
液に茎を付けて発根させて果実を収穫するための苗を生
育する。この苗は、播種から育てた従前の方法と同様に
摘心等を経て、生殖成長の後、果実の収穫時期を迎え
る。ここで、挿木とは、植物の無性繁殖法であって、腋
芽等の植物の茎を切取り、その茎から不定根を発生させ
て新株を形成する方法である。即ち、この栽培方法は、
培地を用いた養液栽培、水等の栽培液を用いる水耕栽培
等に用いることができる。
【0015】このような挿木を媒介として苗を生育させ
ると、播種及び定植を経た苗に比較し、種の品質の不揃
いを回避でき、その結果、生育状態が均一化し、しか
も、果実の収穫までの生育期間の共通化が図られる。ま
た、果実の収穫期間も均一化し、果実収穫も計画的に行
うことができ、しかも果実品質がよく、等質な果実を収
穫できる。
【0016】苗は、播種又は挿木によって形成すること
ができる。そこで、請求項3に記載の栽培方法は、播種
又は挿木により生育させた第1の苗から花芽を持つ腋芽
を切離し、この腋芽の茎の切断面に樹液による皮膜を形
成させた後、この腋芽を培地に挿木して第2の苗を生育
させることにより、第2の苗及び第1の苗から果実を収
穫することができる。
【0017】また、この栽培においては、成木から採取
した腋芽は、陰干しにより茎を風乾させることにより、
その切断面に皮膜を形成することができる。このように
して風乾して形成された皮膜を持つ腋芽を挿木した場
合、活着率が高いことが確認されている。
【0018】そして、腋芽の挿木は、水中又は培地の何
れでもよく、良好な活着率が得られる。
【0019】
【実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施形態を
参照して詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明のトマトの栽培方法の第1
の実施形態であるフローチャートを示している。この実
施形態は、播種から第1の苗を生育し、この第1の苗の
腋芽を採取して挿木することにより第2の苗を生育し、
果実を収穫する。
【0021】ステップS1では、第1の苗を例えば養液
栽培によって栽培する。この養液栽培は、植物の根を保
持させるための手段としてのロックウール等からなる培
地に水ないし養液を循環させ、栽培植物に適当な水分な
いし養分を供給する栽培法である。この実施形態の苗の
栽培は、図2に示す栽培パターンが取られ、この実施形
態ではこの苗からも果実を収穫する。この苗の栽培で
は、培地に播種を行い、播種から10日を越えると、発
根及び発芽を経て子葉が展開される。次いで、1葉及び
2葉が展開され播種から20日を経ると、花芽が分化す
る。第1花房が分化し、播種から20日を越えて30日
に至る過程では3葉及び4葉が展開され、第2花房が分
化する。そして、順調な生育状態では、播種から30日
を越え40日に至ると、5葉及び6葉の展開、第3花房
の分化、播種から40日を越え50日に至る過程では7
葉及び8葉の展開、第4花房の分化が見られ、次いで、
播種から50日を過ぎ60日に至ると、9葉及び10葉
の展開、第1花房の開花が観測される。また、播種から
60日を越え、70日に至る過程では11葉及び12葉
の展開、第2花房の開花、播種から70日を越え、80
日に至る過程では、13葉及び14葉の展開、第3花房
の開花が見られる。そして、播種から80日を越え、9
0日に至る期間では、15葉及び16葉が展開される。
【0022】このような第1〜第4花房の分化の後、第
1花房〜第3花房の開花は、栄養成長から果実を付ける
ための生殖成長への移行状態を示している。そして、第
1花房の開花が行われるころ、苗床としての培地から果
実を実らせるための培地にその苗を定植させる。いわゆ
る、苗の植え替えである。このような定植から苗は生殖
成長に移行し、第1花房の開花から第2花房及び第3花
房の開花を迎える。通常、果実の収穫期間、収穫効率、
品質等を考慮し、第3花房が開花した後、即ち、播種か
ら80日〜90日の間で摘心を行う。この摘心は、第3
花房までを残し、先端部分を切断することにより、苗木
の成長を強制的に停止させる。この結果、苗の生殖成長
が顕著になる。
【0023】この苗において、播種から50日を越え、
85日に至る期間は、8節〜12節の腋芽を育成する期
間であり、定植から摘心までの期間が腋芽採取時期とし
て設定される。
【0024】図3は、この苗の生育状態を示している。
培地100には、播種から生育させ、定植したトマトの
苗200が植え付けられており、0は子葉、1は1葉、
2は2葉、3は3葉、4は4葉、5は5葉、6は6葉、
7は7葉、8は8葉、9は9葉、10は10葉、11は
11葉、12は12葉、13は13葉、14は14葉、
21は第1花房、22は第2花房、23は第3花房を示
しており、また、31、32、33・・・は腋芽であ
る。挿木に用いるべき腋芽31は、8葉と幹30との間
に形成されており、腋芽32は9葉と幹30との間、ま
た、腋芽33は10葉と幹30との間に形成されてい
る。
【0025】この実施形態では、第1の苗を単に腋芽採
取用の苗としてだけではなく、果実収穫用苗としても用
いており、播種から120日を越えると、果実の収穫時
期に移行する。順調な生育が期待される場合には、摘心
から35日を経過する時期が収穫時期に当たる。そし
て、この収穫期間は、20日間程度持続し、果実の収穫
を終了する。
【0026】次いで、ステップS2では、栽培者は苗に
腋芽があるか否かを判定する。即ち、図2の腋芽採取時
期に苗が移行したことを播種から期間的な目安として6
0日を設定し、順調な栄養状態が得られていれば、この
期間で採取に適した挿穂である腋芽が苗に成長してい
る。次いで、ステップS3では、その腋芽に花芽の有
無、即ち、第1花房の有無を判定する。これが、挿木に
適した腋芽の条件である。
【0027】ステップS4では、図3に示す苗200か
ら腋芽31を例えば切断線Lに示す部分で切断すること
により、図4に示すような腋芽31を採取し、良質のも
の、丈や葉の茂り方の均一なものを選別し、例えば、等
級に別けてグループ化し、それを束ねる。
【0028】そして、ステップS5では、腋芽31を第
2の苗として陰干し、その茎の端面を風乾する。この場
合、腋芽31の茎310の切断面312には樹液が滲み
出し、図5に示すように、葉313等は萎れるが、風乾
により皮膜314が形成される。風乾は、2時間程度の
陰干しで行われる。
【0029】次に、ステップS6では、図6に示すよう
に、この腋芽31をロックウール等からなる培地40に
挿木し、栽培液として水を供給し、活着させる。図7
は、培地40で腋芽31の茎310の切断面312から
根315が成長した状態、即ち、腋芽31からの発根状
態を示している。茎310の切断面312の皮膜314
は、茎310の腐食を防止し、発根を促進させる。
【0030】ステップS7では挿木した腋芽31を苗と
して生育させ、養液供給により栄養成長を促進させる。
図8は、培地40から活発な根張り状態を示しており、
この状態で培地40を主培地42に形成された凹部44
に挿入し、腋芽31からなる苗の発育を促す。
【0031】ステップS8では定植を行い、ステップS
9では栄養成長による生育を行う。図9は定植状態を示
している。複数の2列を成す支柱81、82・・・、9
1、92・・・とこれら支柱81、82・・・と支柱9
1、92・・・との間に橋絡させた横バー80によって
支持された栽培ベンチ100は、長手方向に延びる底板
102に側板104、106を設けて樋状を成してお
り、底板102には側板106側に溝部108が形成さ
れている。栽培ベンチ100の長手方向に支柱81、8
2・・にはガイドロープ110、支柱91、92・・・
にはガイドロープ112が張設されている。底板102
には、ロックウール等からなる帯状を成すスラブ120
が設置され、このスラブ120上には矩形を成す複数の
主培地42が配列状態で設置されている。各主培地42
には、腋芽31から成長させた苗310が植付けられて
いる。また、ステップS9では、図9の栽培ベンチでト
マトを生育し、養液を間欠的に供給し、生育を促す。
【0032】そして、ステップS10で摘心を行い、ス
テップS11で苗の生殖成長を促進させる。その結果、
苗310は成木に成長するが、図10に示すように、支
柱81、82・・・、91、92・・・との間のガイド
ロープ116、117を追加して張設し、これらガイド
ロープ116、117をトマトの延びる方向を誘引する
手段として、上下方向に成長させる。この実施形態で
は、上方に延ばすものは上方のガイドロープ116、1
17側に茎を縛り、下方に延ばすものはガイドロープ1
10、112より下方に誘引して果実の重量によって茎
を垂下させる。摘心後、生殖成長を促進させため、新た
に発生する腋芽は摘み取り、果実の収穫を迎える。この
ようにトマトの茎を上下方向に互い違いに誘引させて果
実を実らせるのは、収穫時の摘果を容易にし、かつ、果
実の生育途上の状態の管理を容易にするとともに、日光
の照射を均一化することができる。要するに、品質の揃
った果実の収穫とともに摘果作業の容易化を図ることが
できるのである。
【0033】次に、図11は、腋芽31の挿木による栽
培状況を示している。挿木に適する腋芽31には、第1
の苗とは別に独立した形態で第3花房が分化されてお
り、3葉が展開されている。挿木から10日に至る過程
では、4葉及び5葉の展開とともに第4花房の分化が見
られる。10日を過ぎ、20日に至る過程では、6葉及
び7葉の展開、第1花房の開花が見られる。このとき、
苗を培地に定植させる。この定植は、挿木から20日が
目安であり、図2に示した播種からの栽培の場合は播種
から60日が必要であったのに対し、僅か20日で定植
が可能になる。
【0034】この定植を経て、挿木から30日に至る期
間では、8及び9葉の展開、第2花房の開花が見られ
る。次いで、挿木から30日を越え、40日に至る期間
では10葉及び11葉の展開、第3花房の開花が見られ
る。この第3花房は、播種の場合と同様に、果実の収穫
期間、品質等を考慮し、これ以上の栄養成長は不要であ
る。そこで、挿木から45日の経過を目処とし、第3花
房の開花を待って摘心を行う。この時点から腋芽31に
よる苗は、生殖成長にはいる。摘心の後、50日に至る
期間では、12葉及び13葉の展開が見られ、栄養成長
の期間を経て、挿木から70日を過ぎるころ、果実の収
穫期間に入る。この収穫期間への到達は、播種の場合は
播種から120日の日数を要したのに対し、挿木から僅
か70日と短期間である。この実施形態では、15日程
度の収穫期間が得られていることが分かる。
【0035】このように、腋芽を苗として生育し、第3
花房の開花を目処として摘心を行うと、挿木から短期間
に果実の収穫が可能になる。しかも、腋芽31を挿木す
る場合、親から採取した腋芽を風乾し、茎310の切断
面312を自らの樹液を乾燥させて皮膜を形成すること
で防護させることにより、発根を促進させ、活着率を高
めることができるのである。
【0036】なお、腋芽31を成木に生育させた苗から
第2の苗として腋芽を採取してもよく、その場合には、
定植から摘心に至る期間が腋芽採取時期となる。
【0037】次に、図12は、本発明のトマトの栽培方
法における第2の実施形態を示している。このフローチ
ャートは、図1に示した栽培方法に対し、挿木で成木に
成長したトマトに定植から摘心に至る過程で発生する腋
芽を採取し、それを挿木して果実の収穫を行うものであ
る。図11に示したように、挿木から生育させたトマト
のステップS8からステップS10に至る過程で、ステ
ップS13に移行し、腋芽を採取し、選別する。即ち、
ステップS13からステップS21の過程は、ステップ
S4〜S12と同一の過程で新たな苗を腋芽から育て上
げ、果実を収穫するものである。
【0038】次に、図13は、本発明のトマトの栽培方
法を用いたトマト栽培システムを示している。上記栽培
方法は、挿木をすべき腋芽を採取する苗は、播種又は挿
木で生育したものでよいため、これを複数の栽培ベンチ
間で応用したものである。このシステムでは、複数の栽
培ベンチとして例えば、4組の栽培ベンチ5A、5B、
5C、5Dが設置され、これらはロックウール等の培地
を備えており、養液供給システム50から栽培液として
水又は養液が循環又は供給される。そして、栽培ベンチ
5Aに播種又は挿木によりトマトを生育させ、そのトマ
トから発生する腋芽を採取した栽培ベンチ5Bに挿木す
る。この栽培ベンチ5Bで生育させたトマトが定植から
摘心に至るころ、腋芽を採取し、これを栽培ベンチ5C
に挿木する。矢印X1、X2、X3、X4・・・・は、
腋芽採取、風乾及び挿木の操作を示す。このように複数
の栽培ベンチ5A〜5Dで挿木から果実の収穫を行うこ
とにより、連続的な果実収穫が得られる。夏場と冬場の
生育期間の相違は、栽培ベンチ数を増加することによ
り、収穫時期の連続化を図ることができる。
【0039】次に、図14は、他の栽培システムを示し
ている。この栽培システムでは、複数の栽培レーン6
A、6B、6C、6Dにそれぞれ複数の栽培ベンチ6
1、62・・・65を設置し、栽培ベンチ61では播種
610、定植612、摘心等を経て収穫時期614を迎
える。そして、栽培レーン6Bの栽培ベンチ61側で定
植から摘心の時期を迎えている栽培ベンチ62側から腋
芽を採取し、栽培レーン6Aの栽培ベンチ62側に挿木
615を行い、収穫のための苗を生育させる。このよう
に、各レーン6A〜6D間で栽培ベンチ61〜65の空
きに対して定植から摘心に至る過程のレーン6A〜6D
の栽培ベンチ61〜65から腋芽を採取し、挿木して苗
を生育させる。このような相互の腋芽採取、挿木及び収
穫を繰り返すことにより、通年、トマトを収穫でき、品
質のよいものを市場に提供することができる。
【0040】次に、図15は、本発明のトマトの栽培方
法を用いた他のトマト栽培システムを示している。この
栽培システムでは、育苗床7Aと複数の栽培床7B〜7
Dとを設置し、これら育苗床7Aと栽培床7B〜7Dと
に養液供給システム70を通して養液を供給するように
したものである。育苗床7Aは腋芽採取のための苗を育
苗し、栽培床7B〜7Dでは果実収穫のための苗を育苗
する。矢印72は、腋芽採取から挿木の供給を示してい
る。この実施形態では、苗の生育と収穫のための苗とを
独立して生育させることができ、腋芽採取のための苗の
管理を容易化することができる。
【0041】なお、上記の実施形態では、養液栽培を主
として説明したが、同様の栽培方法は栽培ベンチ内に挿
木と同様に腋芽の茎を保持させ、水等の栽培液を供給す
ることにより、挿木の場合と同様に果実を収穫すること
ができる。
【0042】
【実施例】苗から腋芽を採取し、その腋芽の茎の切断面
を風乾させないものと、風乾させたものを対比して挿木
を行った。その場合、風乾させない場合には、採取した
腋芽の茎切断面から樹液が染みだし、これが培地内で茎
を腐敗させ、枯死に至ることが確認されている。そのた
め、挿木しても活着率が低いという問題があった。
【0043】これに対し、風乾させた腋芽では茎の切断
面に樹液が乾燥して皮膜を形成し、この皮膜が防護膜と
なって腐敗菌の繁殖及び侵入を防止できる。風乾は長時
間に亘たると腋芽を枯らすことになるが、2時間程度の
陰干しでは萎れは確認されるものの、水によって再生す
る程度の状態であり、風乾による防護膜の形成が結果と
して腋芽の挿木による活着率を高めることが確認され
た。
【0044】また、腋芽の挿木によって生育した苗は、
採取時の腋芽の丈、葉の茂り方、茎の太さ等を機械的に
揃えることができ、これが苗の生育状態を均一化し、結
果として果実の収穫期間、収穫される果実の品質を揃え
ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果が得られる。 a.苗から採取した腋芽を風乾した後、挿木又は栽培液
に保持して生育させる結果、腋芽による苗の活着率を高
めることができる。 b.腋芽から挿木等で苗を生育させるため、苗の生育状
態を機械的に合わせ込むことができ、果実の収穫時期の
揃え、収穫される果実の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトマトの栽培方法の第1の実施形態を
示すフローチャートである。
【図2】本発明のトマトの栽培方法の第1の実施形態に
おける苗の栽培を示す図である。
【図3】腋芽を採取するための苗を示す図である。
【図4】採取された腋芽を示す図である。
【図5】風乾した腋芽を示す図である。
【図6】培地に挿木した腋芽を示す図である。
【図7】腋芽の茎からの発根状態を示す図である。
【図8】苗の移植を示す図である。
【図9】定植された苗の植付け状態を示す斜視図であ
る。
【図10】収穫を迎えたトマトの生育状態を示す斜視図
である。
【図11】挿木から果実収穫までの栽培を示す図であ
る。
【図12】本発明のトマトの栽培方法の第2の実施形態
を示すフローチャートである。
【図13】本発明のトマトの栽培方法を用いた栽培シス
テムを示すブロック図である。
【図14】本発明のトマトの栽培方法を用いた栽培形態
の一例を示す図である。
【図15】本発明のトマトの栽培方法を用いた他の栽培
システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
31 腋芽(第2の苗) 40 培地 200 苗(第1の苗) 310 茎 312 切断面 314 皮膜
フロントページの続き (72)発明者 小長井 雅昭 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木産 業株式会社内 (72)発明者 山口 隆英 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木産 業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生育した苗から花芽を持つ腋芽を切離
    し、この腋芽の茎の切断面に樹液による皮膜を形成させ
    た後、この腋芽を培地に挿木して苗を生育させることを
    特徴とするトマトの栽培方法。
  2. 【請求項2】 生育した苗から花芽を持つ腋芽を切離
    し、この腋芽の茎の切断面に樹液による皮膜を形成させ
    た後、この腋芽の前記茎の切断面側を栽培液中に保持さ
    せて発根させて苗を生育させることを特徴とするトマト
    の栽培方法。
  3. 【請求項3】 播種又は挿木により生育させた第1の苗
    から花芽を持つ腋芽を切離し、この腋芽の茎の切断面に
    樹液による皮膜を形成させた後、この腋芽を培地に挿木
    又は栽培液中に茎を保持させて第2の苗を生育させ、こ
    の第2の苗及び前記第1の苗から果実を収穫することを
    特徴とするトマトの栽培方法。
  4. 【請求項4】前記皮膜は、前記腋芽を陰干しにより前記
    腋芽が持つ樹液を風乾させて形成することを特徴とする
    請求項1記載のトマトの栽培方法。
  5. 【請求項5】前記腋芽の前記茎は、前記培地に挿木して
    発根させることを特徴とする請求項1記載のトマトの栽
    培方法。
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