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JPH09161230A - 磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法

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Publication number
JPH09161230A
JPH09161230A JP31517595A JP31517595A JPH09161230A JP H09161230 A JPH09161230 A JP H09161230A JP 31517595 A JP31517595 A JP 31517595A JP 31517595 A JP31517595 A JP 31517595A JP H09161230 A JPH09161230 A JP H09161230A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
magnetoresistive
soft magnetic
magnetic
magnetoresistive effect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31517595A
Other languages
English (en)
Inventor
Eizo Fukami
栄三 深見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP31517595A priority Critical patent/JPH09161230A/ja
Publication of JPH09161230A publication Critical patent/JPH09161230A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟磁性膜の磁化が不安定となり、バルクハウ
ゼンジャンプノイズが発生したり、磁気抵抗効果膜と強
磁性膜との境界面の不整合により生じる接触抵抗によっ
て発熱が生じてしまう虞れがある。 【解決手段】 軟磁性膜3及び非磁性スペーサ膜4を磁
気抵抗センサ作動領域Twとなる領域にパターン化し、
さらにその両端部をテーパ形状に加工し、それらにオー
バーレイするように磁気抵抗効果膜5を軟磁性膜3のテ
ーパ加工部との境界面において磁気的な連続性を有して
成膜し、磁気抵抗効果膜5上の磁気抵抗センサ作動領域
Twにならない部分に反強磁性膜61,62を積層、成
膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体から
情報を読み取るための磁気ヘッドに関し、特に、磁気抵
抗効果により情報を読み取る磁気抵抗効果ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気的に記録された情報を検
出する方法として、磁気抵抗効果センサを用いる方法が
よく知られており、また、従来技術として、バルクハウ
ゼンジャンプノイズを抑止し、センサを線形動作領域内
で用いるために、縦方向および横方向の2つのバイアス
が必要であることも知られている。
【0003】縦方向のバイアスは、センサとして機能す
る磁気抵抗効果膜を単多磁区構造化することによって、
バルクハウゼンジャンプノイズを抑止する機能を発揮す
る。
【0004】図5は、従来の磁気抵抗効果ヘッドの一構
成例を示す図である。
【0005】図5に示すように本従来例においては、軟
磁性膜410上に非磁性スペーサ膜420が形成され、
非磁性スペーサ膜420上に磁気抵抗効果膜430が形
成され、磁気抵抗効果膜430上に反強磁性膜441,
442が一定の間隔を有して配設され、反強磁性膜44
1,442上に電極膜451,452がそれぞれ形成さ
れている。
【0006】上記のように構成された磁気抵抗効果ヘッ
ドにおいては、磁気抵抗効果膜430が、反強磁性膜4
41,442に接する部分における交換結合力によって
単磁区化され、磁気抵抗効果膜430に沿った静磁気的
な結合によって、磁気抵抗センサ作動領域Twとなる中
央部領域においても単磁区状態が誘起される(特開昭6
2−40610号公報参照)。
【0007】しかしながら、上述したような手法におい
ては、磁気抵抗効果膜430には縦方向のバイアスが印
加されるが、磁気抵抗効果膜430に横方向のバイアス
を印加するために設けられた軟磁性膜410には縦方向
のバイアスが印加されないため、軟磁性膜410の多磁
区化及び外部磁界による磁化の反転などの磁気的撹乱が
起きやすくなる。ここで、軟磁性膜410の磁気的撹乱
が起きた場合は、記録情報を再生する際のバルクハウゼ
ンジャンプノイズが誘発される虞れがある。
【0008】そこで、磁気抵抗効果膜430に縦方向の
バイアスを印加するとともに軟磁性膜410にも縦方向
のバイアスを印加することができる手法が考えられてい
る。
【0009】図6は、従来の磁気抵抗効果ヘッドの他の
構成例を示す図である。
【0010】図6に示すように本従来例においては、軟
磁性膜510,非磁性スペーサ膜520及び磁気抵抗効
果膜530が実質的に磁気抵抗センサ作動領域Twだけ
に積層されて設けられ、縦方向のバイアスとして強磁性
膜561,562と反強磁性膜541,542との2層
からなる強磁性/反強磁性交換バイアス膜が軟磁性膜5
10,非磁性スペーサ膜520及び磁気抵抗効果膜53
0のそれぞれの両端部を覆うように積層され、かつ、強
磁性膜561,562のそれぞれが磁気抵抗効果膜53
0の一方の端部と磁気的及び電気的な連続性を有するよ
うに隣接、接合されて形成されている(特開平7−57
223号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
磁気抵抗効果ヘッドにおいては、磁気抵抗効果膜と強磁
性膜とを磁気的及び電気的な連続性を有するように隣
接、接合させて形成する必要があるため、磁気抵抗効果
膜と強磁性膜との接合面の汚染度を抑制し、かつ、整合
性を向上させなければならない。しかし、磁気抵抗効果
膜と強磁性膜との境界面の制御においては、極めて困難
である。
【0012】そのため、軟磁性膜の磁化が不安定とな
り、バルクハウゼンジャンプノイズが発生したり、磁気
抵抗効果膜と強磁性膜との境界面の不整合により生じる
接触抵抗によって発熱が生じてしまう虞れがある。
【0013】本発明は、上述したような従来の技術が有
する問題点に鑑みてなされたものであって磁気抵抗効果
膜と強磁性膜との境界面の制御を行うことなく、バルク
ハウゼンジャンプノイズ及び接触抵抗による発熱を抑制
することができる磁気抵抗効果ヘッドを提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、基板上に形成された磁気抵抗センサ作動領
域において、磁気的に記録された情報を検出する磁気抵
抗効果ヘッドであって、前記基板上の前記磁気抵抗セン
サ作動領域となる部分に両端部がテーパ形状に加工され
て形成された軟磁性膜と、前記軟磁性膜上に両端部が前
記軟磁性膜のテーパ形状と同一のテーパ形状に加工され
て形成された非磁性スペーサ膜と、前記基板、前記軟磁
性膜及び前記非磁性スペーサ膜の全体を覆うように形成
された磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効果膜上の前記磁
気抵抗センサ作動領域とならない部分に形成された反強
磁性膜とを有することを特徴とする。
【0015】また、前記磁気抵抗効果膜は、前記反強磁
性膜と接する境界面において、前記反強磁性膜と交換結
合されていることを特徴とする。
【0016】また、前記軟磁性膜は、前記磁気抵抗効果
膜と接する境界面において、前記磁気抵抗効果膜と磁気
的な連続性を有することを特徴とする。
【0017】また、基板上に形成された磁気抵抗センサ
作動領域において、磁気的に記録された情報を検出する
磁気抵抗効果ヘッドの製造方法であって、前記基板上
に、軟磁性膜及び非磁性スペーサ膜を形成する工程と、
前記軟磁性膜及び前記非磁性スペーサ膜を前記磁気抵抗
センサ作動領域となる領域にパターン化するとともに前
記軟磁性膜及び前記非磁性スペーサの両端部をテーパ形
状に加工する工程と、前記軟磁性膜及び前記非磁性スペ
ーサ膜の上に、前記軟磁性膜と接する境界面において磁
気的な連続性を有する磁気抵抗効果膜を形成する工程
と、前記磁気抵抗効果膜上の前記磁気抵抗センサ作動領
域とならない部分に、前記磁気抵抗効果膜と接する境界
面において、前記磁気抵抗効果膜と交換結合する反強磁
性膜を形成する工程と、前記反強磁性膜上に電極膜を形
成する工程とを少なくとも順次行うことを特徴とする。
【0018】(作用)上記のように構成された本発明に
おいては、軟磁性膜及び非磁性スペーサ膜が磁気抵抗セ
ンサ作動領域となる領域にパターン化され、さらにその
両端部がテーパ形状に加工された後、それらにオーバー
レイするように磁気抵抗効果膜が軟磁性膜のテーパ加工
部との境界面において磁気的な連続性を有して成膜さ
れ、磁気抵抗効果膜上の磁気抵抗センサ作動領域になら
ない部分に反強磁性膜が積層、成膜されているので、磁
気抵抗効果膜と反強磁性膜とが接している領域に交換結
合力が働き単磁区構造になる。
【0019】磁気抵抗センサ作動領域の磁気抵抗効果膜
においては、反強磁性膜から直接的に交換結合力は働か
ないが、反強磁性膜と接している領域の磁気抵抗効果膜
に沿って静磁結合し単一磁区化される。
【0020】軟磁性膜においては、テーパ形状に加工さ
れた部分と磁気抵抗効果膜とが磁気的に連続性を保って
接しているので、磁気抵抗効果膜によって縦方向のバイ
アスが印加される。それによって、軟磁性膜の磁化は安
定化し、多磁区構造や外部磁界による磁化反転が抑制さ
れ、バルクハウゼンジャンプノイズが抑止される。
【0021】また、磁気抵抗効果膜にセンサ作動膜と縦
バイアス膜の両機能を持たせ、一体形成により連続体を
形成しているので、縦バイアス膜とセンサ作動膜として
働く磁気抵抗効果膜との境界面不整合が存在することは
全くなく、磁気的および電気的に完全に連続であること
によって、縦方向のバイアスが整合性よく印加され、か
つ、接触抵抗を生じないので、センス電流がスムーズに
流れ、発熱が抑制される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0023】(第1の実施の形態)図1は、本発明の磁
気抵抗効果ヘッドの第1の実施の形態を示す図である。
【0024】図1に示すように本形態においては、Al
23−TiC系のセラミックが使用された基板1上に
0.1μm厚のAl23からなる絶縁膜2が形成され、
絶縁膜2上の一部に300Å厚のコバルト・ジルコニウ
ム・モリブデン非晶質合金からなる軟磁性膜3が両端部
にテーパ形状を有して形成され、軟磁性膜3上に200
Å厚のタンタルからなる非磁性スペーサ膜4が軟磁性膜
3のテーパ形状と同一のテーパ形状を有して形成され、
絶縁膜2、軟磁性膜3及び非磁性スペーサ膜4を覆うよ
うに軟磁性膜3のテーパ形状部との境界面において磁気
的な連続性を有し、200Å厚のニッケル・鉄合金から
なる磁気抵抗効果膜5が形成され、磁気抵抗効果膜5上
の非磁性スペーサ膜4が下層に存在しない部分に500
Å厚のニッケル・マンガン合金からなる反強磁性膜6
1,62が形成され、反強磁性膜61,62上に150
0Å厚の金からなる電極膜71,72がそれぞれ形成さ
れ、電極膜71,72上及び非磁性スペーサ膜4が下層
に存在する部分の磁気抵抗効果膜5上に0.11μm厚
のAl23からなる絶縁膜8が形成されており、絶縁膜
8においては、電極膜71,72上と非磁性スペーサ4
が設けられた領域上とでは段差を有している。ここで、
非磁性スペーサ膜4が形成された領域が磁気抵抗センサ
作動領域Twとなる。
【0025】なお、上述した各々の機能膜の材料におい
ては、一実施例にすぎず、各々の機能膜として適切な材
料を用いればよく、厚さについても機能を損なわない範
囲内で設定すればよい。
【0026】ここで、図1には示されていないが、磁気
記録媒体に記録され、再生したい特定の信号磁界以外の
余分な磁界を遮蔽することを目的とした機能膜として、
基板1と絶縁膜2との間に強磁性膜材料からなる下シー
ルド膜や、絶縁膜8の上に強磁性材料からなる上シール
ド膜を積層して形成してもよく、強磁性膜材料として
は、ニッケル・鉄合金、鉄・アルミニウム・シリコン合
金あるいは鉄・タンタル・窒素合金などが好ましい。
【0027】以下に、図1に示した磁気抵抗効果ヘッド
の製造工程について説明する。
【0028】図2は、図1に示した磁気抵抗効果ヘッド
の製造工程を示す図である。
【0029】まず、基板1上に絶縁膜2、軟磁性膜3及
び非磁性スペーサ膜4を順次スパッタ法を用いて積層、
成膜した(図2(a))。
【0030】次に、ネガティブ型のフォトレジストを塗
布し、適当な条件で露光・現像することによって、ステ
ンシル9形状にパターン化した(図2(b))。ここ
で、本形態においては、ステンシル9は、ネガティブ型
のフォトレジストから形成されているが、本形態に限ら
ずステンシル形状に加工されていればよい。
【0031】次に、イオンミリング法を用いて、軟磁性
膜3及び非磁性スペーサ膜4を同時にテーパ状に加工し
た(図2(c))。
【0032】次に、アセトンまたは剥離剤などの有機溶
剤を用いて、ネガティブ型のフォトレジストからなるス
テンシル9を除去し、磁気抵抗効果膜5、反強磁性膜6
及び電極膜7を順次スパッタ法を用いて積層、成膜した
(図2(d))。このとき、磁気抵抗効果膜5、反強磁
性膜6及び電極膜7を積層、成膜する前に、少なくとも
磁気抵抗効果膜5と隣接接合する軟磁性膜3のテーパ部
分をエッチング処理によってクリーニングしておくこと
が好ましい。これにより、磁気抵抗効果膜5が軟磁性膜
3と接する境界面において磁気的連続性を有することに
なる。また、反強磁性膜6の形成においては、磁気抵抗
効果膜5との境界面において交換結合するように形成さ
れる。
【0033】次に、ポジティブ型のフォトレジスト10
1,102を適当な条件で露光・現像し、最終的に磁気
抵抗センサ作動領域Twとなる部分を覆わないようにパ
ターン化した(図2(e))。ここで、本形態において
は、ポジティブ型のフォトレジスト101,102が、
テーパ加工が施された非磁性スペーサ膜4のテーパの2
つの上端の延長線上までを覆う形でパターン化されて、
それにより磁気抵抗センサ作動領域Twが形成されてい
るが、本形態のみに限らずポジティブ型のフォトレジス
ト101,102は、テーパ加工が施された非磁性スぺ
ーサ膜4のテーパの2つの上端の延長線上までを完全に
覆う形でパターン化されていればよい。
【0034】次に、イオンミリング法を用いて、反強磁
性膜5及び電極膜6の磁気抵抗センサ作動領域Tw部分
を除去することによって、反強磁性膜6及び電極膜7を
磁気抵抗センサ作動領域Twを挟んで反強磁性膜61,
62及び電極膜71,72にそれぞれ二分した(図2
(f))。ここで、本形態においては、イオンミリング
法により反強磁性膜6及び電極膜7を二分したが、この
際、ケミカルエッチングを用いてもよく、または両者を
併用してもよい。また、本形態においては、反強磁性膜
61,62及び電極膜71,72が、テーパ加工が施さ
れた非磁性スペーサ膜4のテーパの2つの上端の延長線
上までを覆う形で二分されているが、本形態に限らず、
テーパ加工が施された非磁性スペーサ膜4のテーパの2
つの上端の延長線上までを完全に覆う形で二分されてい
ればよい。
【0035】次に、ポジティブ型のフォトレジスト10
1,102をアセトンまたは剥離剤などの有機溶剤を用
いて取り除き、その後、絶縁膜8をスパッタ法により積
層、成膜し、磁気抵抗効果ヘッド素子を作製した(図2
(g))。
【0036】その後、上記工程において作製された磁気
抵抗効果ヘッド素子に対して、周知の技術によりスライ
ダ加工を施すとともに、加圧バネ、支持アーム等の取り
付け及び電極への配線等を行って磁気抵抗効果ヘッドを
作製した。
【0037】上記のように作製された磁気抵抗効果ヘッ
ドについて再生特性を調べたところ、軟磁性膜の多磁区
構造や磁化反転による再生波形の出力変動はみられず、
さらに、磁気抵抗効果膜の磁気抵抗センサ作動領域に所
要の縦方向のバイアスが印加されており、それにより、
対称性が優れ、かつ、熱的ノイズのない良好な再生特性
が得られた。
【0038】(第2の実施の形態)図3は、本発明の磁
気抵抗効果ヘッドの第2の実施の形態を示す図である。
【0039】図3に示すように本形態においては、Al
23−TiC系のセラミックが使用された基板210上
に0.08μm厚のAl23からなる絶縁膜220が形
成され、絶縁膜220上の一部に250Å厚のコバルト
・ジルコニウム・モリブデン非晶質合金からなる軟磁性
膜230が両端部にテーパ形状を有して形成され、軟磁
性膜230上に100Å厚のタンタルからなる非磁性ス
ペーサ膜240が軟磁性膜230のテーパ形状と同一の
テーパ形状を有して形成され、絶縁膜220、軟磁性膜
230及び非磁性スペーサ膜240を覆うように軟磁性
膜230のテーパ形状部との境界面において磁気的な連
続性を有し、250Å厚のニッケル・鉄合金からなる磁
気抵抗効果膜250が形成され、磁気抵抗効果膜250
上の非磁性スペーサ膜240が下層に存在しない部分に
400Å厚のニッケル・マンガン合金からなる反強磁性
膜261,262が形成され、反強磁性膜261,26
2上に1500Å厚の金からなる電極膜271,272
がそれぞれ形成され、電極膜271,272上及び非磁
性スペーサ膜240が下層に存在する部分の磁気抵抗効
果膜250上に0.1μm厚のAl23からなる絶縁膜
280が形成されており、絶縁膜280においては、電
極膜271,272上と非磁性スペーサ240が設けら
れた領域上とでは段差を有している。ここで、非磁性ス
ペーサ膜240が形成された領域が磁気抵抗センサ作動
領域Twとなる。
【0040】なお、上述した各々の機能膜の材料におい
ては、一実施例にすぎず、各々の機能膜として適切な材
料を用いればよく、厚さについても機能を損なわない範
囲内で設定すればよい。
【0041】ここで、図3には示されていないが、磁気
記録媒体に記録され、再生したい特定の信号磁界以外の
余分な磁界を遮蔽することを目的とした機能膜として、
基板210と絶縁膜220との間に強磁性膜材料からな
る下シールド膜や、絶縁膜280の上に強磁性材料から
なる上シールド膜を積層して形成してもよく、強磁性膜
材料としては、ニッケル・鉄合金、鉄・アルミニウム・
シリコン合金あるいは鉄・タンタル・窒素合金などが好
ましい。
【0042】以下に、図3に示した磁気抵抗効果ヘッド
の製造工程について説明する。
【0043】図4は、図3に示した磁気抵抗効果ヘッド
の製造工程を示す図である。
【0044】まず、基板210上に、絶縁膜220、軟
磁性膜230及び非磁性スペーサ膜240を順次スパッ
タ法を用いて積層、成膜した(図4(a))。
【0045】次に、ネガティブ型のフォトレジストを塗
布し、適当な条件で露光・現像することによって、ステ
ンシル290形状にパターン化した(図4(b))。こ
こで、本形態においては、ステンシル290は、ネガテ
ィブ型のフォトレジストから形成されているが、本形態
に限らずステンシル形状に加工されていればよい。
【0046】次に、イオンミリング法を用いて、軟磁性
膜230及び非磁性スペーサ膜240を同時にテーパ状
に加工した(図4(c))。
【0047】次に、アセトンまたは剥離剤などの有機溶
剤を用いて、ネガティブ型のフォトレジストからなるス
テンシル290を除去し、磁気抵抗効果膜205をスパ
ッタ法を用いて積層、成膜した(図4(d))。ここ
で、磁気抵抗効果膜250を積層、成膜する前に、少な
くとも磁気抵抗効果膜250と隣接接合する軟磁性膜2
30のテーパ部分をエッチング処理によってクリーニン
グしておくことが好ましい。これにより、磁気抵抗効果
膜250が軟磁性膜230と接する境界面において磁気
的連続性を有することになる。また、反強磁性膜260
の形成においては、磁気抵抗効果膜250との境界面に
おいて交換結合するように形成される。
【0048】次に、ネガティブ型のフォトレジストを塗
布し、適当な条件で露光・現像することによって、ステ
ンシル300形状にパターン化し、その後、反強磁性膜
261,262,263及び電極271,272,27
3を順次スッパタ法を用いて積層、成膜した(図4
(e))。ここで、本形態においては、ステンシル30
0は、ネガティブ型のフォトレジストから形成されてい
るが、本形態に限らずステンシル形状に加工されていれ
ばよい。また、本形態においては、反強磁性膜261,
262及び電極膜271,272が、テーパ加工が施さ
れた非磁性スペーサ膜240のテーパの2つの上端の延
長線上までを覆う形で形成されているが、本形態に限ら
ずテーパ加工が施された非磁性スペーサ膜240のテー
パの2つの上端の延長線上までを完全に覆う形でパター
ン化されていればよい。
【0049】次に、ステンシル300、反強磁性膜26
3及び電極膜273をアセトンまたは剥離剤などの有機
溶剤を用いて取り除き、その後、絶縁膜280をスパッ
タ法により積層、成膜し、磁気抵抗効果ヘッド素子を作
製した(図4(f))。
【0050】その後、上記工程において作製された磁気
抵抗効果ヘッド素子に対して、周知の技術によりスライ
ダ加工を施すとともに、加圧バネ、支持アーム等の取り
付け及び電極への配線等を行って磁気抵抗効果ヘッドを
作製した。
【0051】上記のように作製された磁気抵抗効果ヘッ
ドについて再生特性を調べたところ、軟磁性膜の多磁区
構造や磁化反転による再生波形の出力変動はみられず、
さらに、磁気抵抗効果膜の磁気抵抗センサ作動領域に所
要の縦方向のバイアスが印加されており、それにより対
称性が優れ、かつ、熱的ノイズのない良好な再生特性が
得られた。
【0052】以上、本発明において適する2つの実施の
形態について記述してきたが、上述した形態以外におい
ても本発明に該当する範囲内で様々変更が可能であるこ
とはいうまでもないことである。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
磁気抵抗効果膜の磁気抵抗センサ作動領域だけでなく、
軟磁性膜にも磁気抵抗効果膜によって縦方向のバイアス
が印加される構成としたため、軟磁性膜の多磁区構造や
外部磁界による磁化反転を抑制することができ、ひいて
はバルクハウゼンジャンプノイズを抑制することができ
る。
【0054】また、磁気抵抗効果膜の磁気抵抗センサ作
動領域に縦方向のバイアスを整合性よく印加することが
でき、かつ、抵抗変化を検知するためのセンス電流をス
ムーズに流すことができるため、発熱を最小限に抑える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気抵抗効果ヘッドの第1の実施の形
態を示す図である。
【図2】図1に示した磁気抵抗効果ヘッドの製造工程を
示す図である。
【図3】本発明の磁気抵抗効果ヘッドの第2の実施の形
態を示す図である。
【図4】図3に示した磁気抵抗効果ヘッドの製造工程を
示す図である。
【図5】従来の磁気抵抗効果ヘッドの一構成例を示す図
である。
【図6】従来の磁気抵抗効果ヘッドの他の構成例を示す
図である。
【符号の説明】
1,210 基板 2,8,220,280 絶縁膜 3,230,410 軟磁性膜 4,240 非磁性スペーサ膜 5,250 磁気抵抗効果膜 6,61,62,260,261,262,263
反強磁性膜 7,71,72,270,271,272,273
電極膜 9,290,300 ステンシル 101,102 フォトレジスト Tw 磁気抵抗効果センサ作動領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された磁気抵抗センサ作動
    領域において、磁気的に記録された情報を検出する磁気
    抵抗効果ヘッドであって、 前記基板上の前記磁気抵抗センサ作動領域となる部分に
    両端部がテーパ形状に加工されて形成された軟磁性膜
    と、 前記軟磁性膜上に両端部が前記軟磁性膜のテーパ形状と
    同一のテーパ形状に加工されて形成された非磁性スペー
    サ膜と、 前記基板、前記軟磁性膜及び前記非磁性スペーサ膜の全
    体を覆うように形成された磁気抵抗効果膜と、 該磁気抵抗効果膜上の前記磁気抵抗センサ作動領域とな
    らない部分に形成された反強磁性膜とを有することを特
    徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気抵抗効果ヘッドに
    おいて、 前記磁気抵抗効果膜は、前記反強磁性膜と接する境界面
    において、前記反強磁性膜と交換結合されていることを
    特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の磁気抵
    抗効果ヘッドにおいて、 前記軟磁性膜は、前記磁気抵抗効果膜と接する境界面に
    おいて、前記磁気抵抗効果膜と磁気的な連続性を有する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  4. 【請求項4】 基板上に形成された磁気抵抗センサ作動
    領域において、磁気的に記録された情報を検出する磁気
    抵抗効果ヘッドの製造方法であって、 前記基板上に、軟磁性膜及び非磁性スペーサ膜を形成す
    る工程と、 前記軟磁性膜及び前記非磁性スペーサ膜を前記磁気抵抗
    センサ作動領域となる領域にパターン化するとともに前
    記軟磁性膜及び前記非磁性スペーサの両端部をテーパ形
    状に加工する工程と、 前記軟磁性膜及び前記非磁性スペーサ膜の上に、前記軟
    磁性膜と接する境界面において磁気的な連続性を有する
    磁気抵抗効果膜を形成する工程と、 前記磁気抵抗効果膜上の前記磁気抵抗センサ作動領域と
    ならない部分に、前記磁気抵抗効果膜と接する境界面に
    おいて、前記磁気抵抗効果膜と交換結合する反強磁性膜
    を形成する工程と、 前記反強磁性膜上に電極膜を形成する工程とを少なくと
    も順次行うことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッドの製造
    方法。
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