JPH08269608A - 成形性および耐食性に優れた高強度アルミニウム合金 - Google Patents
成形性および耐食性に優れた高強度アルミニウム合金Info
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- JPH08269608A JPH08269608A JP9802895A JP9802895A JPH08269608A JP H08269608 A JPH08269608 A JP H08269608A JP 9802895 A JP9802895 A JP 9802895A JP 9802895 A JP9802895 A JP 9802895A JP H08269608 A JPH08269608 A JP H08269608A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 重量%で、Si:0.5〜1.5 %、Mg:0.9〜1.
5 %、Cu:1.2〜2.4 %で、条件式、3 ≦Si%+Mg
%+Cu%≦4 、Mg%≦1.7 ×Si%、Cu%/2≦M
g%≦(Cu%/2) +0.6 を満足するSi、Mgおよび
Cuを含有し、さらにCr:0.02 〜0.4 %を含み、不純
物としてのMnを0.05%以下に制限し、残部Alと不可
避的不純物からなる。必要に応じて少量のZr、V、Z
nなどを点することができる。 【効果】 強度、成形性、耐食性ともに優れたアルミニ
ウム合金が提供され、自動車など輸送機器の外板として
有用である。
5 %、Cu:1.2〜2.4 %で、条件式、3 ≦Si%+Mg
%+Cu%≦4 、Mg%≦1.7 ×Si%、Cu%/2≦M
g%≦(Cu%/2) +0.6 を満足するSi、Mgおよび
Cuを含有し、さらにCr:0.02 〜0.4 %を含み、不純
物としてのMnを0.05%以下に制限し、残部Alと不可
避的不純物からなる。必要に応じて少量のZr、V、Z
nなどを点することができる。 【効果】 強度、成形性、耐食性ともに優れたアルミニ
ウム合金が提供され、自動車など輸送機器の外板として
有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性および耐食性に
優れた高強度アルミニウム合金、とくに輸送機器の外板
や構造材として好適に使用される成形性、耐食性および
強度に優れたアルミニウム合金に関する。
優れた高強度アルミニウム合金、とくに輸送機器の外板
や構造材として好適に使用される成形性、耐食性および
強度に優れたアルミニウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車その他の輸送機器の外板や構造材
に要求される性能としては、1)強度、2)耐食性、3)破壊
力学特性( 耐疲労亀裂伝播、破壊靭性など) 、4)プレス
成形性などが挙げられ、最近の材料の開発動向として
は、強度だけでなく、材料の製造から部材の組立、運用
も含めた総合的な評価が行われている。
に要求される性能としては、1)強度、2)耐食性、3)破壊
力学特性( 耐疲労亀裂伝播、破壊靭性など) 、4)プレス
成形性などが挙げられ、最近の材料の開発動向として
は、強度だけでなく、材料の製造から部材の組立、運用
も含めた総合的な評価が行われている。
【0003】高強度アルミニウム合金としては、従来か
らAl−Cu−Mg系(2000系) あるいはAl−Zn−
Mg−Cu系(7000系) のアルミニウム合金が知られて
いるが、これらの合金は強度面では優れているものの加
工性、耐食性が必ずしも十分ではなく、製造上の難点も
ある。一方、Al−Mg−Si系(6000系) のアルミニ
ウム合金は、一般的に、強度は上記高強度アルミニウム
合金に劣るが、耐食性や成形加工性の面で優れており、
また、2000系や7000系合金が、O調質状態で成形を行
い、成形後に溶体化処理、焼入れ、歪矯正する工程をと
らざるを得ないのに対し、6000系合金ではT4 調質で成
形を行うことができ、成形後に焼戻し処理を行うだけで
実用化できるため、製造コストの低減を図ることが可能
となるという利点もある。
らAl−Cu−Mg系(2000系) あるいはAl−Zn−
Mg−Cu系(7000系) のアルミニウム合金が知られて
いるが、これらの合金は強度面では優れているものの加
工性、耐食性が必ずしも十分ではなく、製造上の難点も
ある。一方、Al−Mg−Si系(6000系) のアルミニ
ウム合金は、一般的に、強度は上記高強度アルミニウム
合金に劣るが、耐食性や成形加工性の面で優れており、
また、2000系や7000系合金が、O調質状態で成形を行
い、成形後に溶体化処理、焼入れ、歪矯正する工程をと
らざるを得ないのに対し、6000系合金ではT4 調質で成
形を行うことができ、成形後に焼戻し処理を行うだけで
実用化できるため、製造コストの低減を図ることが可能
となるという利点もある。
【0004】このことから、6000系アルミニウム合金の
強度特性を改良する試みが行われており、従来の6061合
金より高強度が得られる6013合金、6056合金、6082合金
などが開発されている。強度と靭性をそなえたアルミニ
ウム合金として、Si:0.9〜1.8 %、Mg:0.8〜1.4
%、Cu:0.4〜1.8 %を含有(但し、Si含有量−Mg
含有量/1.73≧0.3 %)すると共に、Mn:0.05 〜0.8
%、Cr:0.05 〜0.35%、Zr:0.05 〜0.20%のうち2
種以上を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純
物からなる合金も開発されている。(特開昭59-50147号
公報)
強度特性を改良する試みが行われており、従来の6061合
金より高強度が得られる6013合金、6056合金、6082合金
などが開発されている。強度と靭性をそなえたアルミニ
ウム合金として、Si:0.9〜1.8 %、Mg:0.8〜1.4
%、Cu:0.4〜1.8 %を含有(但し、Si含有量−Mg
含有量/1.73≧0.3 %)すると共に、Mn:0.05 〜0.8
%、Cr:0.05 〜0.35%、Zr:0.05 〜0.20%のうち2
種以上を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純
物からなる合金も開発されている。(特開昭59-50147号
公報)
【0005】また、成形性、焼付硬化性に優れ、自動車
部品などの用途に適した6000系アルミニウム合金とし
て、Cu:1.5〜2.5wt %、Mg:0.5〜1.0wt %、Si:
0.3〜1.0wt %、Ti:0.005〜0.05wt%、B:0.0005 〜
0.03wt%を含み、Mn、Cr、V、Zrを単独で0.04wt
%以下、2種以上を合計で0.09wt%以下およびFeを0.
25wt%以下に規制し、かつSi/Mgの重量比が1.1 以
下である残部実質的にAlからなる合金であって、晶出
物の最長辺長さが13μm 以下であるアルミニウム合金も
提案されている。( 特公昭61-39391号公報)
部品などの用途に適した6000系アルミニウム合金とし
て、Cu:1.5〜2.5wt %、Mg:0.5〜1.0wt %、Si:
0.3〜1.0wt %、Ti:0.005〜0.05wt%、B:0.0005 〜
0.03wt%を含み、Mn、Cr、V、Zrを単独で0.04wt
%以下、2種以上を合計で0.09wt%以下およびFeを0.
25wt%以下に規制し、かつSi/Mgの重量比が1.1 以
下である残部実質的にAlからなる合金であって、晶出
物の最長辺長さが13μm 以下であるアルミニウム合金も
提案されている。( 特公昭61-39391号公報)
【0006】自動車など輸送機器の外板は、優れた強度
特性を要求されることは勿論であるが、種々の条件下で
プレス成形を受けるものであるから良好な加工性も必要
とされ、さらに走行中、厳しい腐食環境に曝されること
があるため耐食性に優れ腐食環境下で疲労破壊などを生
じないものでなければならない。外板用材料はこれらの
特性をバランス良く具備していることが必要である。技
術の高度化により僅かの差異でも無視できない重要性を
持つ場合もあり、いずれかの特性が少しでも劣ると材料
としての総合的な評価が得られないということになる。
このような観点から上記の6000系アルミニウム合金をみ
た場合、とくに自動車用外板として適用する場合、必ず
しも満足すべき性能をそなえているとはいえない。
特性を要求されることは勿論であるが、種々の条件下で
プレス成形を受けるものであるから良好な加工性も必要
とされ、さらに走行中、厳しい腐食環境に曝されること
があるため耐食性に優れ腐食環境下で疲労破壊などを生
じないものでなければならない。外板用材料はこれらの
特性をバランス良く具備していることが必要である。技
術の高度化により僅かの差異でも無視できない重要性を
持つ場合もあり、いずれかの特性が少しでも劣ると材料
としての総合的な評価が得られないということになる。
このような観点から上記の6000系アルミニウム合金をみ
た場合、とくに自動車用外板として適用する場合、必ず
しも満足すべき性能をそなえているとはいえない。
【0007】発明者の1人は、先に開発された上記6000
系アルミニウム合金の特性の改良を目的として、Si:
0.5〜1.5 %、Mg:0.9〜1.6 %、Cu:1.2〜2.5 %を
含有し、これらの合金元素の量的関係を、3 ≦Si%+
Mg%+Cu%≦4 、Mg%≦1.7 ×Si%、Cu%/2
≦Mg%≦(Cu%/2) +0.6 を満足する関係に特定し
た組成を基本構成とする成形性、耐食性に優れた高強度
アルミニウム合金を提案した。(特願平6-121937号)
系アルミニウム合金の特性の改良を目的として、Si:
0.5〜1.5 %、Mg:0.9〜1.6 %、Cu:1.2〜2.5 %を
含有し、これらの合金元素の量的関係を、3 ≦Si%+
Mg%+Cu%≦4 、Mg%≦1.7 ×Si%、Cu%/2
≦Mg%≦(Cu%/2) +0.6 を満足する関係に特定し
た組成を基本構成とする成形性、耐食性に優れた高強度
アルミニウム合金を提案した。(特願平6-121937号)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記提案さ
れた高強度アルミニウム合金の特性、とくに耐食性をさ
らに改良するために、上記合金をベースとして含有成分
の組み合わせ、組成範囲、成分相互の関係についてさら
に検討を加えた結果としてなされたものであり、その目
的は、とくに耐食性に優れるとともに、成形加工性およ
び高強度をそなえたアルミニウム合金を提供することに
ある。
れた高強度アルミニウム合金の特性、とくに耐食性をさ
らに改良するために、上記合金をベースとして含有成分
の組み合わせ、組成範囲、成分相互の関係についてさら
に検討を加えた結果としてなされたものであり、その目
的は、とくに耐食性に優れるとともに、成形加工性およ
び高強度をそなえたアルミニウム合金を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による成形性および耐食性に優れた高強度ア
ルミニウム合金は、重量%で、Si:0.5〜1.5 %、M
g:0.9〜1.5 %、Cu:1.2〜2.4 %で、条件式、3 ≦S
i%+Mg%+Cu%≦4 、Mg%≦1.7 ×Si%、C
u%/2≦Mg%≦(Cu%/2) +0.6 を満足するSi、
MgおよびCuを含有し、さらにCr:0.02 〜0.4 %を
含み、且つ不純物としてのMnを0.05%以下に制限し、
残部Alと不可避的不純物からなることを構成上の基本
的特徴とする。
めの本発明による成形性および耐食性に優れた高強度ア
ルミニウム合金は、重量%で、Si:0.5〜1.5 %、M
g:0.9〜1.5 %、Cu:1.2〜2.4 %で、条件式、3 ≦S
i%+Mg%+Cu%≦4 、Mg%≦1.7 ×Si%、C
u%/2≦Mg%≦(Cu%/2) +0.6 を満足するSi、
MgおよびCuを含有し、さらにCr:0.02 〜0.4 %を
含み、且つ不純物としてのMnを0.05%以下に制限し、
残部Alと不可避的不純物からなることを構成上の基本
的特徴とする。
【0010】また、当該アルミニウム合金に選択成分と
してZr:0.03 〜0.2 %、V:0.03〜0.2 %およびZn:
0.03 〜2.0 %の1種以上を含有すること、および他の
選択成分としてTi:0.005〜0.1 %、B:1〜50ppm の1
種または2種を含有すること、さらに当該アルミニウム
合金の組織中に直径0.01μm 以下、長さ0.3 μm 以下の
析出物が2000本/ μm2以上分布していることを構成上の
第2、第3および第4の特徴とする。
してZr:0.03 〜0.2 %、V:0.03〜0.2 %およびZn:
0.03 〜2.0 %の1種以上を含有すること、および他の
選択成分としてTi:0.005〜0.1 %、B:1〜50ppm の1
種または2種を含有すること、さらに当該アルミニウム
合金の組織中に直径0.01μm 以下、長さ0.3 μm 以下の
析出物が2000本/ μm2以上分布していることを構成上の
第2、第3および第4の特徴とする。
【0011】さらに、500 〜580 ℃の温度域に加熱して
60分以下の時間保持する溶体化処理を行い、10℃/s以上
の冷却速度で冷却する焼入れ処理を施し、常温で2週間
時効処理したのちの伸び率が26%以上、180 °曲げ試験
における限界曲げ半径が1T以下(Tは板厚) であること、
500 〜580 ℃の温度域に加熱して60分以下の時間保持す
る溶体化処理を行い、10℃/s以上の冷却速度で冷却する
焼入れ処理後、成形加工を行いまたは行うことなしに、
170 〜200 ℃で2 〜24h の熱処理を施し、JIS W
1103に規定された粒界腐食試験における腐食減量が
0.6 %以下であることを発明構成上の第5および第6の
特徴とする。
60分以下の時間保持する溶体化処理を行い、10℃/s以上
の冷却速度で冷却する焼入れ処理を施し、常温で2週間
時効処理したのちの伸び率が26%以上、180 °曲げ試験
における限界曲げ半径が1T以下(Tは板厚) であること、
500 〜580 ℃の温度域に加熱して60分以下の時間保持す
る溶体化処理を行い、10℃/s以上の冷却速度で冷却する
焼入れ処理後、成形加工を行いまたは行うことなしに、
170 〜200 ℃で2 〜24h の熱処理を施し、JIS W
1103に規定された粒界腐食試験における腐食減量が
0.6 %以下であることを発明構成上の第5および第6の
特徴とする。
【0012】本発明のアルミニウム合金における各成分
添加の意義および限定理由について説明すると、Siは
Mgと共存して微細な金属間化合物Mg2 Siを形成し
て合金の強度を高める。Siの含有量が0.5 %未満では
十分な強度が得られず、1.5%を越えて含有すると合金
の耐食性が低下する。従ってSiの含有範囲は0.5 〜1.
5 %が好ましい。より好ましくは0.7 〜1.2 %の範囲と
する。
添加の意義および限定理由について説明すると、Siは
Mgと共存して微細な金属間化合物Mg2 Siを形成し
て合金の強度を高める。Siの含有量が0.5 %未満では
十分な強度が得られず、1.5%を越えて含有すると合金
の耐食性が低下する。従ってSiの含有範囲は0.5 〜1.
5 %が好ましい。より好ましくは0.7 〜1.2 %の範囲と
する。
【0013】MgはSiと共存してMg2 Siを析出さ
せ、またCuと共存して化合物CuMgAl2 を微細析
出させることにより合金の強度を向上させる。Mgの含
有量が0.9 %未満では十分な効果が得られず、1.5 %を
越えると耐食性が低下する。従ってMgの含有範囲は0.
9 〜1.5 %が好ましい。より好ましくは1.0 〜1.2 %の
範囲とする。
せ、またCuと共存して化合物CuMgAl2 を微細析
出させることにより合金の強度を向上させる。Mgの含
有量が0.9 %未満では十分な効果が得られず、1.5 %を
越えると耐食性が低下する。従ってMgの含有範囲は0.
9 〜1.5 %が好ましい。より好ましくは1.0 〜1.2 %の
範囲とする。
【0014】CuはSi、Mgと同様、合金の強度向上
に寄与する元素である。含有量が1.2 %未満では効果が
十分でなく、2.4 %を越えて含有すると合金の耐食性が
低下する。従ってCuの含有範囲は1.2 〜2.4 %が好ま
しい。より好ましくは1.5 〜2.0 %の範囲とする。Cr
は、合金の組織を微細化して成形性を向上させるととも
に、耐食性向上に寄与する。好ましい含有範囲は0.02〜
0.4 %で、0.02%未満ではその効果が十分でなく、0.4
%を越えると粗大な金属間化合物が形成し易くなり成形
性が低下する。
に寄与する元素である。含有量が1.2 %未満では効果が
十分でなく、2.4 %を越えて含有すると合金の耐食性が
低下する。従ってCuの含有範囲は1.2 〜2.4 %が好ま
しい。より好ましくは1.5 〜2.0 %の範囲とする。Cr
は、合金の組織を微細化して成形性を向上させるととも
に、耐食性向上に寄与する。好ましい含有範囲は0.02〜
0.4 %で、0.02%未満ではその効果が十分でなく、0.4
%を越えると粗大な金属間化合物が形成し易くなり成形
性が低下する。
【0015】Mnは、結晶粒を微細にして合金強度を向
上させるが、Mn系の金属間化合物が生成し、このMn
系化合物が孔食の起点となって腐食を促進するから、本
発明においては、Mnを0.05%以下、好ましくは0.02%
以下、さらに好ましくは0.01%以下に制限することが重
要である。
上させるが、Mn系の金属間化合物が生成し、このMn
系化合物が孔食の起点となって腐食を促進するから、本
発明においては、Mnを0.05%以下、好ましくは0.02%
以下、さらに好ましくは0.01%以下に制限することが重
要である。
【0016】本発明は、上記のように、Si、Mg、C
uを必須成分として含有するものであるが、これらの成
分については、条件式、3 ≦Si%+Mg%+Cu%≦
4 、Mg%≦1.7 ×Si%、Cu%/2≦Mg%≦(Cu
%/2)+0.6 を満足することが必須の要件となり、この
条件で合金材料の耐食性を低下させることなく、合金に
強度、成形性を与える金属間化合物の好ましい分散状態
が得られる。Si、Mg、Cuの合計含有量が3 %未満
では化合物の好ましい分散が得難く、4 %を越えると合
金の耐食性を劣化させる。また、MgとSiの量的関係
をMg%≦1.7×Si%、MgとCuの量的関係をCu
%/2≦Mg≦(Cu%/2) +0.6 とすることによって、
金属間化合物の生成量、分布状態が制御され、合金にバ
ランスの良い強度特性、成形加工性、耐食性を与えるこ
とができる。
uを必須成分として含有するものであるが、これらの成
分については、条件式、3 ≦Si%+Mg%+Cu%≦
4 、Mg%≦1.7 ×Si%、Cu%/2≦Mg%≦(Cu
%/2)+0.6 を満足することが必須の要件となり、この
条件で合金材料の耐食性を低下させることなく、合金に
強度、成形性を与える金属間化合物の好ましい分散状態
が得られる。Si、Mg、Cuの合計含有量が3 %未満
では化合物の好ましい分散が得難く、4 %を越えると合
金の耐食性を劣化させる。また、MgとSiの量的関係
をMg%≦1.7×Si%、MgとCuの量的関係をCu
%/2≦Mg≦(Cu%/2) +0.6 とすることによって、
金属間化合物の生成量、分布状態が制御され、合金にバ
ランスの良い強度特性、成形加工性、耐食性を与えるこ
とができる。
【0017】選択成分として添加させるZr、Vおよび
Znは、金属間化合物を形成して、合金の結晶粒度を微
細にするとともに合金の強度を向上させる。好ましい添
加量は、Zr:0.03 〜0.2 %、V:0.03 〜0.2 %、Z
n:0.03 〜2.0 %である。これらの成分の添加量が下限
未満ではその効果が小さく、上限をこえて添加される
と、粗大な金属間化合物の生成が増加し、成形性、耐食
性が劣化する。
Znは、金属間化合物を形成して、合金の結晶粒度を微
細にするとともに合金の強度を向上させる。好ましい添
加量は、Zr:0.03 〜0.2 %、V:0.03 〜0.2 %、Z
n:0.03 〜2.0 %である。これらの成分の添加量が下限
未満ではその効果が小さく、上限をこえて添加される
と、粗大な金属間化合物の生成が増加し、成形性、耐食
性が劣化する。
【0018】他の選択成分として添加されるTi、B
は、鋳造組織を微細化して鋳塊割れを防ぐ。また成形性
を向上させ、とくにTiは合金の耐食特性を変えること
なく成形性を高める。好ましい添加範囲は、Ti:0.005
〜0.1 %、B:1〜50ppm の範囲であり、添加量が下限値
未満では効果が小さく、上限を越えると粗大な金属間化
合物の生成が増加して成形性が低下する。
は、鋳造組織を微細化して鋳塊割れを防ぐ。また成形性
を向上させ、とくにTiは合金の耐食特性を変えること
なく成形性を高める。好ましい添加範囲は、Ti:0.005
〜0.1 %、B:1〜50ppm の範囲であり、添加量が下限値
未満では効果が小さく、上限を越えると粗大な金属間化
合物の生成が増加して成形性が低下する。
【0019】本発明では、必須合金成分としてSi、M
g、Cu、Crを含有させ、Mnを一定量以下に限定
し、選択成分としてZr、V、ZnおよびTi、Bを添
加することにより、合金組織中に各成分間で形成される
金属間化合物を微細に析出させ、それらの析出量、分布
状態を制御することによって、強度、成形性、耐食性と
もに優れた材料を得るものであるが、好ましくは、直径
0.01μm 以下、長さ0.3μm 以下の大きさの析出物を、
析出量として2000本/ μm2以上分布させることにより合
金材料に一層優れた性状バランスを与えることができ
る。
g、Cu、Crを含有させ、Mnを一定量以下に限定
し、選択成分としてZr、V、ZnおよびTi、Bを添
加することにより、合金組織中に各成分間で形成される
金属間化合物を微細に析出させ、それらの析出量、分布
状態を制御することによって、強度、成形性、耐食性と
もに優れた材料を得るものであるが、好ましくは、直径
0.01μm 以下、長さ0.3μm 以下の大きさの析出物を、
析出量として2000本/ μm2以上分布させることにより合
金材料に一層優れた性状バランスを与えることができ
る。
【0020】本発明のアルミニウム合金は、板材のみで
なく、押出材、鍛造材などとしても供給し得るものであ
るが、板材の好ましい製造方法について説明すると、上
記組成のアルミニウム合金の溶湯を、例えば半連続鋳造
により造塊し、得られた鋳塊を500 ℃以上融点未満の温
度で均質化処理する。均質化処理温度が500 ℃未満で
は、鋳塊偏析の除去が十分でなく、強度に寄与するMg
2 SiやCuの固溶が不十分となり、強度低くなり、成
形性も低下し易い。ついで400 ℃以上の温度で熱間圧延
を開始し、熱間圧延を200 〜350 ℃の温度で終了する。
熱間圧延の開始温度が400 ℃未満では、熱間圧延時にM
g2 Siが粗大に析出し易く溶体化処理での固溶が困難
となって強度低下の原因となる。熱間圧延の終了温度が
200 ℃未満では熱間圧延において使用される水溶性圧延
油のステンが残留し易く表面品質が劣る。350 ℃を越え
ると圧延時に2次再結晶により組織が粗大化し異方性を
大きくする。
なく、押出材、鍛造材などとしても供給し得るものであ
るが、板材の好ましい製造方法について説明すると、上
記組成のアルミニウム合金の溶湯を、例えば半連続鋳造
により造塊し、得られた鋳塊を500 ℃以上融点未満の温
度で均質化処理する。均質化処理温度が500 ℃未満で
は、鋳塊偏析の除去が十分でなく、強度に寄与するMg
2 SiやCuの固溶が不十分となり、強度低くなり、成
形性も低下し易い。ついで400 ℃以上の温度で熱間圧延
を開始し、熱間圧延を200 〜350 ℃の温度で終了する。
熱間圧延の開始温度が400 ℃未満では、熱間圧延時にM
g2 Siが粗大に析出し易く溶体化処理での固溶が困難
となって強度低下の原因となる。熱間圧延の終了温度が
200 ℃未満では熱間圧延において使用される水溶性圧延
油のステンが残留し易く表面品質が劣る。350 ℃を越え
ると圧延時に2次再結晶により組織が粗大化し異方性を
大きくする。
【0021】熱間圧延したのち中間焼鈍を行いあるいは
行うことなく、または熱間圧延材を冷間圧延して所定の
厚さとした後中間焼鈍し、最終的に加工度60%以上の冷
間圧延を行う。冷間圧延の加工度が60%未満では、結晶
粒が粗大になり易く、成形加工時に肌荒れが生じ易い。
また、熱間圧延組織の分解が不十分で成形性が劣る。冷
間圧延後、5 ℃/s以上の昇温速度で500 〜580 ℃の温度
域に加熱して60分以下保持する溶体化処理を行い、つい
で10℃/s以上の冷却速度で冷却する焼入れ処理を行う。
行うことなく、または熱間圧延材を冷間圧延して所定の
厚さとした後中間焼鈍し、最終的に加工度60%以上の冷
間圧延を行う。冷間圧延の加工度が60%未満では、結晶
粒が粗大になり易く、成形加工時に肌荒れが生じ易い。
また、熱間圧延組織の分解が不十分で成形性が劣る。冷
間圧延後、5 ℃/s以上の昇温速度で500 〜580 ℃の温度
域に加熱して60分以下保持する溶体化処理を行い、つい
で10℃/s以上の冷却速度で冷却する焼入れ処理を行う。
【0022】溶体化処理における昇温速度が5 ℃/s未満
では結晶粒が粗大化し、成形加工時に肌荒れが生じ易
い。保持温度が500 ℃未満では、析出物の固溶が不十分
となり強度、成形性が劣る。580 ℃を越えると、局部的
な共晶融解により加工性を害する場合がある。また溶体
化処理における保持時間が60分を越えると達せられる性
能が飽和するため、60分以上の保持は生産性を低下させ
ることになる。焼入れ処理時の冷却速度が10℃/s未満で
は、化合物が望ましくない分布状態に析出して延性が低
下し、耐食性、強度、成形性を害する。
では結晶粒が粗大化し、成形加工時に肌荒れが生じ易
い。保持温度が500 ℃未満では、析出物の固溶が不十分
となり強度、成形性が劣る。580 ℃を越えると、局部的
な共晶融解により加工性を害する場合がある。また溶体
化処理における保持時間が60分を越えると達せられる性
能が飽和するため、60分以上の保持は生産性を低下させ
ることになる。焼入れ処理時の冷却速度が10℃/s未満で
は、化合物が望ましくない分布状態に析出して延性が低
下し、耐食性、強度、成形性を害する。
【0023】本発明のアルミニウム合金材料は、焼入れ
後室温時効した状態(T4調質)でも優れた成形加工性
を有するが、必要に応じて焼入れ後に成形加工を行い、
170〜200 ℃で2 〜24h の熱処理を施す。熱処理温度が1
70 ℃未満では、所望の性能を得るために長時間の熱処
理が必要となるから工業生産上好ましくなく、200 ℃を
越える温度での熱処理は強度を低下させる。熱処理時間
が2h未満では十分な強度が得られず、24hを越えると強
度が低下し始める。以上の合金組成、製造条件の組合わ
せによって、直径0.01μm 以下、長さ0.3 μm 以下の析
出物を2000本/μm2以上分布した組織を有し、強度、成
形性、耐食性ともに優れたアルミニウム合金材料が得ら
れる。
後室温時効した状態(T4調質)でも優れた成形加工性
を有するが、必要に応じて焼入れ後に成形加工を行い、
170〜200 ℃で2 〜24h の熱処理を施す。熱処理温度が1
70 ℃未満では、所望の性能を得るために長時間の熱処
理が必要となるから工業生産上好ましくなく、200 ℃を
越える温度での熱処理は強度を低下させる。熱処理時間
が2h未満では十分な強度が得られず、24hを越えると強
度が低下し始める。以上の合金組成、製造条件の組合わ
せによって、直径0.01μm 以下、長さ0.3 μm 以下の析
出物を2000本/μm2以上分布した組織を有し、強度、成
形性、耐食性ともに優れたアルミニウム合金材料が得ら
れる。
【0024】
【作用】本発明においては、特定量のSi、Mg、Cu
およびCrを必須成分として含有させ、Mn量を制限
し、Zr、VおよびZn,さらにTi、Bを選択的に添
加し、Si、Mg,Cu相互の含有範囲を所定の関係式
により限定することにより、マトリックスのAlおよび
合金成分の間で形成される金属間化合物の望ましい析出
状態が得られ、この成分と組織の組合わせにより、優れ
た強度、成形性を維持したまま、耐食性がさらに向上す
る。とくに直径0.01μm 以下、長さ0.3 μm以下の析出
物を2000本/ μm2以上分布させた組織とすることによっ
て、さらに優れた材料特性が達成される。
およびCrを必須成分として含有させ、Mn量を制限
し、Zr、VおよびZn,さらにTi、Bを選択的に添
加し、Si、Mg,Cu相互の含有範囲を所定の関係式
により限定することにより、マトリックスのAlおよび
合金成分の間で形成される金属間化合物の望ましい析出
状態が得られ、この成分と組織の組合わせにより、優れ
た強度、成形性を維持したまま、耐食性がさらに向上す
る。とくに直径0.01μm 以下、長さ0.3 μm以下の析出
物を2000本/ μm2以上分布させた組織とすることによっ
て、さらに優れた材料特性が達成される。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1 表1に示すアルミニウム合金を半連続鋳造で造塊し、鋳
塊の鋳肌部の表面切削後、525 ℃の温度で8hの均質化処
理を行い、ついでこの温度で熱間圧延を開始して厚さ4.
5 mmとし、325 ℃で熱間圧延を終了した。続いて冷間圧
延を行って、最終板厚1.0mm とした。引続いて530 ℃で
10分の溶体化処理後、水冷により焼入れ処理を行った。
明する。 実施例1 表1に示すアルミニウム合金を半連続鋳造で造塊し、鋳
塊の鋳肌部の表面切削後、525 ℃の温度で8hの均質化処
理を行い、ついでこの温度で熱間圧延を開始して厚さ4.
5 mmとし、325 ℃で熱間圧延を終了した。続いて冷間圧
延を行って、最終板厚1.0mm とした。引続いて530 ℃で
10分の溶体化処理後、水冷により焼入れ処理を行った。
【0026】
【表1】 《表注》B 含有量はppm
【0027】焼入れ処理後、室温時効2週間後にT4調
質として引張試験および曲げ試験を行い、焼入れ処理
後、180 ℃で6hの焼戻し処理後にT6調質として引張試
験を行った。また、T6調質材について、JIS W 1103に
規定される粒界腐食試験を行った。試験結果を表2に示
す。表2にみられるように、本発明に従う合金材は、い
ずれも優れた引張特性、成形性、耐食性を示し、とくに
T4調質材では26%以上の伸び率、1.0mm 以下の180 °
限界曲げ半径をそなえていた。代表例として、合金材N
o.1のT4調質材およびT6調質材の組織を電子顕微鏡
で観察し、組織中の析出物を観察したところ、直径0.01
μm 以下、長さ0.3 μm 以下の析出物はいずれも2000本
/ μm2を越えていた。
質として引張試験および曲げ試験を行い、焼入れ処理
後、180 ℃で6hの焼戻し処理後にT6調質として引張試
験を行った。また、T6調質材について、JIS W 1103に
規定される粒界腐食試験を行った。試験結果を表2に示
す。表2にみられるように、本発明に従う合金材は、い
ずれも優れた引張特性、成形性、耐食性を示し、とくに
T4調質材では26%以上の伸び率、1.0mm 以下の180 °
限界曲げ半径をそなえていた。代表例として、合金材N
o.1のT4調質材およびT6調質材の組織を電子顕微鏡
で観察し、組織中の析出物を観察したところ、直径0.01
μm 以下、長さ0.3 μm 以下の析出物はいずれも2000本
/ μm2を越えていた。
【0028】なお、JIS W 1103に従う粒界腐食試験の詳
細は以下のとおりである。合金材を洗浄後、NaCl57
g と30%H2 O2 を水で1lに調整した30℃の試験液に
6 時間浸漬した後、腐食減量を測定する。
細は以下のとおりである。合金材を洗浄後、NaCl57
g と30%H2 O2 を水で1lに調整した30℃の試験液に
6 時間浸漬した後、腐食減量を測定する。
【0029】
【表2】
【0030】比較例1 実施例1と同一の工程で表3に示す組成のアルミニウム
合金の板材(板厚1.2mm)を製造し、実施例1と同様にし
て引張試験、曲げ試験および粒界腐食試験を行った。結
果を表4に示す。なお本発明の条件を外れるものには下
線を付した。
合金の板材(板厚1.2mm)を製造し、実施例1と同様にし
て引張試験、曲げ試験および粒界腐食試験を行った。結
果を表4に示す。なお本発明の条件を外れるものには下
線を付した。
【0031】
【表3】 《表注》(1) B 量はppm (2) 合金材No.7はSi+Mg+Cu>4 (3) 合金材No.8はSi+Mg+Cu<3 (4) 合金材No.9はMg>1.7 ×Si (5) 合金材No.10 はCu/2<Mg (6) 合金材No.11 はMg>(Cu/2)+0.6
【0032】
【表4】
【0033】表4にみられるように、本発明の合金組成
の限界を外れるものは、強度、成形性、あるいは耐食性
が劣っている。合金材No.7は、Si、Mg、Cuの合計
量が4 を越えるため、耐食性がわるく、成形性にも劣
る。合金材No.8はSi、Mg、Cuの合計量が3 未満の
ため強度が低い。合金材No.9は、MgとSiの関係式を
満足しないため成形性、耐食性ともにわるい。合金材N
o.10 〜11はMgとCuとの関係式を満足しないため成
形性、耐食性ともに劣り、合金材No.11 は強度も十分で
ない。合金材No.12 はMn量が限界値を越えているため
耐食性が劣り、合金材No.13 はCr量が少なく、合金材
No.14 〜17は、選択成分の含有量が限界値を越えている
ため、成形性、耐食性のいずれかがわるくなっている。
これらの合金材について、T6調質材の組織を電子顕微
鏡で観察したところ、合金材No.7〜11においては、直径
0.01μm 以下、長さ0.3 μm 以下の析出物はいずれも20
00本/μm2未満であった。
の限界を外れるものは、強度、成形性、あるいは耐食性
が劣っている。合金材No.7は、Si、Mg、Cuの合計
量が4 を越えるため、耐食性がわるく、成形性にも劣
る。合金材No.8はSi、Mg、Cuの合計量が3 未満の
ため強度が低い。合金材No.9は、MgとSiの関係式を
満足しないため成形性、耐食性ともにわるい。合金材N
o.10 〜11はMgとCuとの関係式を満足しないため成
形性、耐食性ともに劣り、合金材No.11 は強度も十分で
ない。合金材No.12 はMn量が限界値を越えているため
耐食性が劣り、合金材No.13 はCr量が少なく、合金材
No.14 〜17は、選択成分の含有量が限界値を越えている
ため、成形性、耐食性のいずれかがわるくなっている。
これらの合金材について、T6調質材の組織を電子顕微
鏡で観察したところ、合金材No.7〜11においては、直径
0.01μm 以下、長さ0.3 μm 以下の析出物はいずれも20
00本/μm2未満であった。
【0034】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、強度、
成形性、耐食性ともに優れたアルミニウム合金材料が提
供され、自動車など輸送機器の外板として有用である。
成形性、耐食性ともに優れたアルミニウム合金材料が提
供され、自動車など輸送機器の外板として有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 重量%(以下同じ)で、Si:0.5〜1.5
%、Mg:0.9〜1.5%、Cu:1.2〜2.4 %で、条件式、3
≦Si%+Mg%+Cu%≦4 、Mg%≦1.7 ×Si
%、Cu%/2≦Mg%≦(Cu%/2)+0.6 を満足する
Si、MgおよびCuを含有し、さらにCr:0.02 〜0.
4 %を含み、且つ不純物としてのMnを0.05%以下の制
限し、残部アルミニウムと不可避的不純物からなる成形
性および耐食性に優れた高強度アルミニウム合金。 - 【請求項2】 アルミニウム合金がZr:0.03 〜0.2
%、V:0.03 〜0.2 %およびZn:0.03 〜2.0 %のうち
の1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の
成形性および耐食性に優れた高強度アルミニウム合金。 - 【請求項3】 アルミニウム合金がTi:0.005〜0.1
%、B:1〜50ppm のうちの1種または2種を含有するこ
とを特徴とする請求項1〜2記載の成形性および耐食性
に優れた高強度アルミニウム合金。 - 【請求項4】 アルミニウム合金の組織中に、直径0.01
μm 以下、長さ0.3μm 以下の析出物が2000本/μm2以
上分布していることを特徴とする請求項1〜3記載の成
形性および耐食性に優れた高強度アルミニウム合金。 - 【請求項5】 500 〜580 ℃の温度域に加熱して60分以
下の時間保持する溶体化処理を行い、10℃/s 以上の冷
却速度で冷却する焼入れ処理を施し、室温で2週間時効
処理した後の伸び率が26%以上、180 °限界曲げ半径が
1T以下(Tは板厚) であることを特徴とする請求項1〜4
記載の成形性および耐食性に優れた高強度アルミニウム
合金。 - 【請求項6】 500 〜580 ℃の温度域に加熱して60分以
下の時間保持する溶体化処理を行い、10℃/s以上の冷
却速度で冷却する焼入れ処理後、成形加工を行い、また
は行うことなく、170 〜200 ℃の温度で2 〜24hの熱処
理を施したのち、JIS W 1103に従う粒界腐食
試験における腐食減量が0.6 %以下であることを特徴と
する請求項1〜4記載の高強度アルミニウム合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9802895A JPH08269608A (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 成形性および耐食性に優れた高強度アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9802895A JPH08269608A (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 成形性および耐食性に優れた高強度アルミニウム合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269608A true JPH08269608A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=14208519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9802895A Pending JPH08269608A (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 成形性および耐食性に優れた高強度アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08269608A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000319741A (ja) * | 1998-09-10 | 2000-11-21 | Kobe Steel Ltd | Al−Mg−Si系合金板 |
WO2004090186A1 (ja) * | 2003-04-07 | 2004-10-21 | The Society Of Japanese Aerospace Companies | 耐食性に優れた高強度アルミニウム合金押出材およびその製造方法 |
JP2006527792A (ja) * | 2003-06-18 | 2006-12-07 | アルカン レナリュ | 鋼構造に対して固定されるAl‐Si‐Mg合金板製の自動車ボディの外表面用部材 |
WO2012160720A1 (ja) * | 2011-05-20 | 2012-11-29 | 住友軽金属工業株式会社 | 曲げ加工性に優れたアルミニウム合金材およびその製造方法 |
CN102978490A (zh) * | 2012-12-08 | 2013-03-20 | 包头吉泰稀土铝业股份有限公司 | 一种高强、高导电率、耐热铝合金母线及其生产方法 |
CN106834835A (zh) * | 2016-11-28 | 2017-06-13 | 佛山市尚好门窗有限责任公司 | 一种高强铝合金材料 |
CN108893660A (zh) * | 2018-07-11 | 2018-11-27 | 合肥华盖光伏科技有限公司 | 一种高导电率铝合金导线及其制备方法 |
-
1995
- 1995-03-30 JP JP9802895A patent/JPH08269608A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000319741A (ja) * | 1998-09-10 | 2000-11-21 | Kobe Steel Ltd | Al−Mg−Si系合金板 |
WO2004090186A1 (ja) * | 2003-04-07 | 2004-10-21 | The Society Of Japanese Aerospace Companies | 耐食性に優れた高強度アルミニウム合金押出材およびその製造方法 |
EP1630241A4 (en) * | 2003-04-07 | 2007-08-22 | Of Japanese Aerospace Companie | HIGH-FIXED STRONG RESTRICTED ALUMINUM ALLOY MATERIAL WITH EXCELLENT CORROSION RESISTANCE AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
JP2006527792A (ja) * | 2003-06-18 | 2006-12-07 | アルカン レナリュ | 鋼構造に対して固定されるAl‐Si‐Mg合金板製の自動車ボディの外表面用部材 |
WO2012160720A1 (ja) * | 2011-05-20 | 2012-11-29 | 住友軽金属工業株式会社 | 曲げ加工性に優れたアルミニウム合金材およびその製造方法 |
US9834833B2 (en) | 2011-05-20 | 2017-12-05 | Uacj Corporation | Aluminum alloy material exhibiting excellent bendability and method for producing the same |
CN102978490A (zh) * | 2012-12-08 | 2013-03-20 | 包头吉泰稀土铝业股份有限公司 | 一种高强、高导电率、耐热铝合金母线及其生产方法 |
CN106834835A (zh) * | 2016-11-28 | 2017-06-13 | 佛山市尚好门窗有限责任公司 | 一种高强铝合金材料 |
CN108893660A (zh) * | 2018-07-11 | 2018-11-27 | 合肥华盖光伏科技有限公司 | 一种高导电率铝合金导线及其制备方法 |
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