JP2000212673A - 耐応力腐食割れ性に優れた航空機ストリンガ―用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents
耐応力腐食割れ性に優れた航空機ストリンガ―用アルミニウム合金板およびその製造方法Info
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Abstract
理および溶体化処理した後の結晶粒の平均厚さが、段付
冷間圧延加工度が高い部位でも40μm以下であり、且
つアスペクト比は全長にわたって4以上で、敷居応力が
250MPa以上の優れた耐応力腐食割れ性を有する航
空機ストリンガー用アルミニウム合金板およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 Zn:5.1〜8.4 %、Mg:1.8〜3.0 %、
Cu:1.2〜2.6 %を含有し、さらにCr:0.35 %以下、
Mn:0.35 %以下、Zr:0.25 %以下のうちの1種また
は2種以上を含有し、残部Alおよび不純物からなり、
結晶粒の平均厚さが25μm以下で、アスペクト比(平
均結晶粒長さ/平均結晶粒厚さ)が4以上のアルミニウ
ム合金板であり、このアルミニウム合金板に加工度90
%以下の範囲で部分的に異なる加工度の冷間圧延を行
い、350〜400℃で予加熱処理後、溶体化処理を行
っても、結晶粒の平均厚さが、加工度が30%未満では
25μm以下、加工度が30〜90%では40μm以下
で、アスペクト比はいずれも4以上を維持する。
Description
に優れた航空機ストリンガー用アルミニウム合金板およ
びその製造方法に関する。
内部の長手方向および円周方向に取り付けられる断面ハ
ット型、Z型、J型などの形状を有する7000系アル
ミニウム合金材からなる補強材である。従来、この航空
機ストリンンガー材には、材質、製造方法について多く
の提案がなされており(特許第1405136号、13
37646〜1337649号、1339927号な
ど)、代表的な製造工程は以下のとおりである。
0℃で約16時間均質化処理した後、約400℃の温度
で熱間圧延を行って6mm程度の厚さの板とし、約41
0℃で約1時間の中間焼鈍を行った後、炉冷し、さら
に、冷間圧延を行って厚さ3〜4mmとし、11℃/分
を越える平均昇温速度で320〜500℃の温度に加熱
し1時間程度保持して軟化した後、冷却し、この冷却の
際の冷却速度を30℃/時以上として、200〜500
℃の温度に再加熱し、再加熱温度が200℃以上350
℃未満の場合には、空冷または30℃/時以下の平均冷
却速度で冷却し、再加熱温度が350〜500℃の場合
には、30℃/時以下の平均冷却速度で冷却することに
よりストリンガー素材を製造する。
図1に示すように、長さ方向に圧延加工度を変え、加工
度0の部分A、比較的低加工度の部分B、中間の加工度
の部分C、高加工度の部分Dなどを有する形態に加工す
る加工度0〜90%の段付き冷間圧延を施した後、溶体
化処理を行ってストリンガー材とし、さらに、セクショ
ンロール成形によりハット型などの断面に成形し、T6
に調質することによりストリンガーとしている。
は、段付き冷間加工前の素材において25μm以下の平
均結晶粒径を有し、この素材に加工度0〜90%の段付
き冷間圧延を施した後、溶体化処理を行っても、加工度
が30%未満では25μm以下、加工度が30〜90%
の範囲では40μm以下の平均結晶粒径が維持されるた
め、セクションロール成形時に肌荒れや割れを生じるこ
とがなく、すぐた機械的性質、伸び、破壊靱性値、ケミ
カルミーリング性、疲労強度などが得られる。
S A7075合金など7000系アルミニウム合金材
は、T7調質と比較すると耐応力腐食割れ性が劣る傾向
にあり、実験室で十分な耐応力腐食割れ性を有している
と判断された場合でも、想定された以上に厳しい環境下
で使用された場合、問題が生じるおそれがあることか
ら、ストリンガー材の耐応力腐食割れ性をさらに改善す
ることが要求されている。7000系アルミニウム合金
においては、図2に示すように、結晶粒のアスペクト比
(結晶粒長さ÷結晶粒厚さ)と応力腐食割れ性との関係
が明らかにされており、アスペクト比が大きいほど応力
腐食割れの敷居応力が高くなるため、アスペクト比が大
きい材料が耐応力腐食割れ性を与える上で好ましいこと
が知られている。
リンガー材のアスペクト比を調査した結果では、段付冷
間圧延加工度0〜90%の加工後において、アスペクト
比が2.1〜4.2で、応力腐食割れの敷居応力の最低
値は150MPa程度であり、さらに改善の余地があ
る。段付冷間圧延工程と溶体化処理工程との間で予加熱
処理工程を行ってアスペクト比を大きくし、耐効力腐食
割れ性を向上させようとする提案も行われている(特開
平9−241811号公報)が、0〜90%の段付冷間
圧延後、350〜375℃で1〜2時間の予加熱を行
い、溶体化処理したものの結晶粒を調査した結果、平均
結晶粒厚さは、加工度が30%未満では25μm以下、
加工度が30〜90%の範囲では40μm以下と小さか
ったが、アスペクト比は2.4〜15.6の範囲で、加
工度によってはアスペクト比の改善が認められない。
リンガー用アルミニウム合金板における上記従来の問題
点を解消して、耐応力腐食割れ性をさらに高めたアルミ
ニウム合金板を得るために、7000系アルミニウム合
金の合金成分とその組合わせ、ストリンガー素材の製造
工程を見直し、これらとアスペクト比の関連について多
角的な実験、検討を行った結果としてなされたものであ
り、その目的は、段付冷間圧延加工後のアスペクト比を
改善し、優れた耐応力腐食割れ性を有する航空機ストリ
ンガー用アルミニウム合金板およびその製造方法を提供
することにある。
めの請求項1に記載の本発明による耐応力腐食割れ性に
優れた航空機ストリンガー用アルミニウム合金板は、Z
n:5.1〜8.4 %、Mg:1.8〜3.0 %、Cu:1.2〜2.6 %
を含有し、さらにCr:0.35 %以下、Mn:0.35 %以
下、Zr:0.25 %以下のうちの1種または2種以上を含
有し、残部Alおよび不純物からなり、結晶粒の平均厚
さが25μm以下で、アスペクト比が4以上のアルミニ
ウム合金板であり、該アルミニウム合金板に加工度90
%以下の範囲で部分的に異なる加工度の冷間圧延を行
い、その後、350〜400℃の温度での予加熱処理後
溶体化処理を行っても、前記加工度が30%未満では結
晶粒の平均厚さ25μm以下、アスペクト比4以上を維
持し、前記加工度が30〜90%の範囲では結晶粒の平
均厚さ40μm以下、アスペクト比4以上を維持するこ
とを特徴とする。
ルミニウム合金板は、請求項1記載のアルミニウム合金
が、さらにTi:0.2%以下、B:0.001%以下を含有して
いることを特徴とする。
た航空機ストリンガー用アルミニウム合金板の製造方法
は、請求項1または2に記載のアルミニウム合金を常法
に従って均質化処理、熱間圧延および冷間圧延した後、
200〜350℃の温度で軟化処理を行い、5〜40%
の加工度で冷間圧延して所定の厚さとし、ついで、32
0〜500℃の温度域に11℃/分を越える平均昇温速
度で加熱し、30℃/時以下の平均冷却速度で冷却する
ことにより軟化することを特徴とする。
ルミニウム合金板の製造方法は、請求項1または2に記
載のアルミニウム合金を常法に従って均質化処理、熱間
圧延および冷間圧延した後、200〜350℃の温度で
軟化処理を行い、5〜40%の加工度で冷間圧延して所
定の厚さとし、ついで、320〜500℃の温度域に1
1℃/分を越える平均昇温速度で加熱することにより軟
化させ、30℃/時を越える平均冷却速度で冷却した
後、さらに200℃以上350℃未満の温度に再加熱
し、空冷あるいは30℃/時以下の平均冷却速度で冷却
することを特徴とする。
ー用アルミニウム合金板の製造方法は、請求項1または
2に記載のアルミニウム合金を常法に従って均質化処
理、熱間圧延および冷間圧延した後、200〜350℃
の温度で軟化処理を行い、5〜40%の加工度で冷間圧
延して所定の厚さとし、ついで、320〜500℃の温
度域に11℃/分を越える平均昇温速度で加熱すること
により軟化させ、30℃/時を越える平均冷却速度で冷
却した後、さらに350〜500℃の温度に再加熱し、
30℃/時以下の平均冷却速度で冷却することを特徴と
する。
用アルミニウム合金板における合金成分の意義およびそ
の限定理由について説明する。Znは強度向上に寄与す
る元素であり、好ましい含有量は5.1 〜8.4 %の範囲で
ある。5.1 %未満ではT6処理後の強度が十分でなく、
8.4 %を越えて含有すると、靱性が低下し、応力腐食割
れを起こし易くなる。
する元素であり、好ましい含有量は1.8 〜3.0 %の範囲
である。1.8 %未満ではT6処理後の強度が低く、3.0
%を越えると軟化材の冷間加工性が悪くなり、T6処理
後の素材の靱性が低下する。
高める元素であり、好ましい含有量は1.2 〜2.6 %の範
囲である。1.2 %未満ではT6処理後の強度が低く、2.
6 %を越えるとT6処理後の靱性が低下する。
鋳造時の鋳塊割れの防止に有効に作用するもので、好ま
しい含有範囲は、それぞれ0.2 %以下および0.001 %以
下である。Ti、Bが上限を越えて含有すると、巨大な
金属間化合物が晶出して加工性を害する。
微細化のために有効に機能する元素であり、好ましい含
有量は、Cr:0.35 %以下、Mn:0.35 %以下、Zr:
0.25%以下、さらに好ましい含有量は、Cr:0.18 〜0.
25%、Mn:0.10 〜0.30%、Zr:0.05 〜0.25%の範囲
であり、それぞれ上限を越えると巨大な金属間化合物が
晶出して鋳造性や加工性を害する。
のために、Beを0.005 %以下の範囲で添加することが
できる。不純物としてFeは、0.50%を越えると、合金
材中の不溶性化合物の量が増加し靱性が低下し易くなる
ため、0.50%以下、好ましくは0.30%以下に規制するの
が好ましい。Siについても、0.40%を越えると、合金
材中の不溶性化合物の量が増加し靱性が低下し易くなる
ため、0.40%以下、好ましくは0.15%以下に規制するの
が好ましい。
ム合金板を製造するには、まず、上記の組成を有するア
ルミニウム合金鋳塊を常法に従って均質化処理、熱間圧
延および冷間圧延する。均質化処理は、400〜490
℃で2〜48時間加熱する条件で行うのが好ましく、均
質化処理により、Zn、Mg、Cuなどの元素を十分に
固溶させるとともに、Cr、Mn、Zrを微細な金属間
化合物として析出させる。400℃未満の低温加熱、短
時間加熱では熱間加工性が劣り、耐応力腐食割れ性の低
下、結晶粒の粗大化を招く。490℃を越える高温加熱
では共晶融解を生じるおそれがある。
するのが好ましく、350℃未満では変形抵抗が大きく
なって圧延加工性が低下し、470℃を越えると、脆化
のため加工割れが生じ易くなる。
う。軟化処理は300〜460℃の温度に加熱保持後、
平均冷却速度30℃/時以下の冷却速度で260℃程度
の温度まで冷却することにより行われる。この軟化処理
はつぎの冷間圧延工程の加工度を高くとる場合には特に
重要である。冷間圧延の加工度は20%以上が望まし
く、加工度が低い場合には製造されるストリンガー材の
結晶粒が粗大化して、加工性低下、性能低下の原因とな
る。
350℃の温度で軟化処理を行い、5〜40%の加工度
で冷間圧延して所定の厚さとし、ついで、320〜50
0℃の温度域に11℃/分を越える平均昇温速度で加熱
し、30℃/時以下の平均冷却速度で冷却することによ
り軟化することを製造上の第1の特徴とする。
アスペクト比を大きくし、さらに段付冷間圧延材の加工
度が、例えば20%前後のように比較的小さい場合の結
晶粒の異常成長を防止するために必要な処理であり、軟
化処理の温度が200℃未満では、アスペクト比の向上
および結晶粒の異常成長の抑制に十分な効果が得難く、
350℃を越えると、最終軟化処理後の耐力が高くな
り、O材規格から外れ易くなるとともに、ストリンガー
へのテーパーロール加工(段付冷間圧延加工)で割れが
生じ易くなる。
度で行われる。加工度が下限未満および上限を越えた場
合には、ストリンガー材のアスペクト比が小さくなり、
所望の耐応力腐食割れ性が得られない。
域に11℃/分を越える平均昇温速度で急速加熱し、3
0℃/時以下の平均冷却速度で冷却することにより軟化
処理を行う。上記の冷間圧延後の軟化処理工程、冷間圧
延工程に、この軟化処理工程を組合わせることによっ
て、結晶粒の平均厚さが25μm以下で、アスペクト比
が4以上の再結晶粒を有するストリンガー素材が得られ
る。
が十分でないためストリンガーへのテーパーロール加工
(段付冷間圧延)で割れが生じ易く、500℃を越える
と、材料の融解が生じるおそれがあり、異常結晶粒成長
が起こり再結晶粒が著しく粗大化するおそれもある。
度で急速加熱を行った場合には、加熱途上におけるMg
−Zn系化合物の析出が少なく、冷間圧延により導入さ
れる転位組織が、急速加熱による軟化を行うことにより
均一なセル組織に変化する。このような組織を有する材
料に、弱加工のテーパーロール加工(加工度5%以上3
0%未満)を行い、ついで350〜400℃での予加熱
処理後、溶体化処理を行った場合には、均一微細なセル
組織を核として再結晶が進行するため、再結晶粒の平均
厚さが25μm以下で、アスペクト比が4以上の均一微
細な再結晶組織が得られる。30%以上の加工度でテー
パーロール加工を行い、上記の予加熱処理および溶体化
処理を行った場合にも、再結晶粒の平均厚さが40μm
以下で、アスペクト比が4以上の均一微細な再結晶組織
が得ることができる。
以下の場合には、加熱中にMg−Zn系化合物の不均一
な析出が生じるとともに、転位組織が完全に消滅するか
あるいは粗大且つ不均一なセル組織が残留する。このよ
うな組織の材料に、弱加工のテーパーロール加工を行
い、ついで350〜400℃での予加熱処理後、溶体化
処理を行った場合には、結晶粒は著しく粗大化し、結晶
粒厚さが25μmを越えることが少なくない。30%以
上の加工度でテーパーロール加工を行い、上記の予加熱
処理および溶体化処理を行った場合には、再結晶粒の平
均厚さは40μm以下となるが、結晶粒長さが小さくな
るため、アスペクト比は4未満となり易く、耐応力腐食
割れ性が不十分なものとなる。
が大きい場合には、焼きが入って時効硬化し、通常の焼
鈍材(O材)より強度が高くなるため、比較的加工度の
低いストリンガー材としては適用し得るが、高加工度を
必要とするストリンガー材への適用には加工度の点で問
題がある。
後、30℃/時を越える平均冷却速度で冷却し、さらに
200℃以上350℃未満の温度に再加熱して、空冷あ
るいは30℃/時以下の平均冷却速度で冷却することを
製造上の第2の特徴とし、軟化処理後、30℃/時を越
える平均冷却速度で冷却した後、さらに350〜500
℃の温度に再加熱し、30℃/時以下の平均冷却速度で
冷却することを製造上の第3の特徴とする。
ようにするために、再加熱後の冷却速度を小さくして、
急速加熱による軟化処理後の冷却速度が大きい場合で
も、高加工度の圧延加工を可能とする。
により、段付冷間圧延前の素材の状態で、厚さ方向の結
晶粒の平均厚さが25μm以下で、結晶粒のアスペクト
比が4以上であり、0〜90%のテーパーロール加工、
350〜400℃の温度での予加熱処理および溶体化処
理後の結晶粒が、加工度が30%未満では平均厚さ25
μm以下、アスペクト比4以上であり、加工度が30〜
90%の範囲では平均厚さ40μm以下、アスペクト比
4以上で、敷居応力が250MPa以上の優れた耐応力
腐食割れ性を有し、セクションロール成形性も良好なス
トリンガー用アルミニウム合金板を得ることができる。
明する。 実施例1 半連続鋳造により、表1に示す組成のアルミニウム合金
を造塊し、460℃で16時間の均質化処理後、400
℃の温度で熱間圧延して厚さ6mmの板材とし、室温ま
で冷却後、冷間圧延して厚さ3.7mmとし、ついで2
50℃で1時間の軟化処理後、炉冷し、さらに加工度1
9%の冷間圧延を行って厚さ3mmとした。
/分で450℃に加熱し、3分間保持した後、25℃/
時の冷却速度で冷却しO材とした。これを加工度20
%、40%、60%および80%で冷間圧延し、加工し
ないもの(加工度0%)も併せて、375℃で1時間の
予加熱処理後、ソルトバス中で470℃で40分間の溶
体化処理を行い、水焼入れした。水焼入れ後、さらに、
室温で4日間の自然時効を行い、120℃で24時間の
人工時効処理を行ってT6調質材とした。
を測定した。また、T6調質材について、結晶粒の平均
厚さおよびアスペクト比を測定し、冷間加工度が80%
のものについては、室温での引張強さを測定した。測定
結果を表2および表3に示す。表2にみられるように、
本発明に従う試験材No.1〜6はいずれも、全ての加
工度において結晶粒のアスペクト比は4以上で、結晶粒
厚さは、加工度が0%および20%(30%未満)では
25μm以下、加工度が40%、60%および80%
(30〜90%)では40μm以下であり、表3にみら
れるように、引張強度も優れていた。
を造塊し、実施例1と同じ工程によりO材およびT6調
質材を製造した。得られたO材について、室温での引張
耐力を測定し、T6調質材について、結晶粒の平均厚さ
およびアスペクト比を測定した。冷間加工度が80%の
ものについては、室温での引張強さを測定した。測定結
果を表5および表6に示す。
量、Cr量、Zr量が下限値未満であるため、結晶粒が
微細化せず、等軸晶に近い結晶となったため、アスペク
ト比が小さく、結晶粒の厚さが大きいものとなった。試
験材No.8は、Mn量、Cr量、Zr量が上限値を越
えているため、巨大な金属間化合物が晶出し、健全な鋳
塊が製造できなかった。試験材No.9はZn量、Mg
量、Cu量が上限値を越えているため鋳塊が時期割れを
起こし、板材の製造ができなかった。試験材No.10
はZn量、Mg量、Cu量が下限値未満であるため、T
6調質材の強度が劣っている。
成のアルミニウム合金を造塊し、460℃で16時間の
均質化処理後、400℃の温度で熱間圧延して厚さ6m
mの板材とし、冷間圧延を行わずに、250℃で1時間
の軟化処理後、炉冷し、さらに加工度50%の冷間圧延
を行って厚さ3mmとした。
/分で450℃に加熱し、3分間保持した後、25℃/
時の冷却速度で冷却しO材とした。これを加工度20
%、40%、60%および80%で冷間圧延し、加工し
ないもの(加工度0%)も併せて、375℃で1時間の
予加熱処理後、ソルトバス中で470℃で40分間の溶
体化処理を行い、水焼入れした。
厚さおよびアスペクト比を測定した結果は、表7に示す
ように、加工度が20%の場合において、結晶粒の異常
成長が生じ、健全なストリンガー材が得られなかった。
成のアルミニウム合金を造塊し、460℃で16時間の
均質化処理後、400℃の温度で熱間圧延して厚さ6m
mの板材とし、室温まで冷却後、冷間圧延して厚さ3.
7mmとし、ついで250℃で1時間の軟化処理後、炉
冷し、さらに加工度19%の冷間圧延を行って厚さ3m
mとした。
で450℃に加熱し、3分間保持した後、25℃/時の
冷却速度で冷却しO材とした。これを加工度20%、4
0%、60%および80%で冷間圧延し、加工しないも
の(加工度0%)も併せて、375℃で1時間の予加熱
処理後、ソルトバス中で470℃で40分間の溶体化処
理を行い、水焼入れした。
厚さおよびアスペクト比を測定した結果は、表8に示す
ように、結晶粒厚さは、いずれも25μm以下であった
が、アスペクト比は一部4未満であった。
成のアルミニウム合金を造塊し、460℃で16時間の
均質化処理後、400℃の温度で熱間圧延して厚さ8m
mの板材とし、続いて冷間圧延して厚さ6.0mmと
し、ついで250℃で1時間の軟化処理後、炉冷し、さ
らに加工度50%の冷間圧延を行って厚さ3mmとし
た。
/分で450℃に加熱し、3分間保持した後、25℃/
時の冷却速度で冷却しO材とした。これを加工度20
%、40%、60%および80%で冷間圧延し、加工し
ないもの(加工度0%)も併せて、375℃で1時間の
予加熱処理後、ソルトバス中で470℃で40分間の溶
体化処理を行い、水焼入れした。
厚さおよびアスペクト比を測定した結果は、表9に示す
ように、結晶粒厚さはいずれも25μm以下であった
が、アスペクト比は一部4未満であった。
成のアルミニウム合金を造塊し、460℃で16時間の
均質化処理後、400℃の温度で熱間圧延して厚さ6m
mの板材とし、続いて冷間圧延して厚さ3.0mmと
し、250℃で1時間の軟化処理後、炉冷した。その後
の冷間圧延は行わなかった。
/分で450℃に加熱し、3分間保持した後、25℃/
時の冷却速度で冷却しO材とした。これを加工度20
%、40%、60%および80%で冷間圧延し、加工し
ないもの(加工度0%)も併せて、375℃で1時間の
予加熱処理後、ソルトバス中で470℃で40分間の溶
体化処理を行い、水焼入れした。
厚さおよびアスペクト比を測定した結果は、表10に示
すように、結晶粒厚さは、加工度が0%および20%
(30%未満)では25μm以下、40%、60%およ
び80%(30〜90%)では40μm以下であった
が、アスペクト比は一部4未満であった。
成のアルミニウム合金を造塊し、460℃で16時間の
均質化処理後、400℃の温度で熱間圧延して厚さ6m
mの板材とし、続いて冷間圧延して厚さ3.7mmと
し、410℃で1時間の軟化処理後、炉冷し、さらに1
9%の冷間圧延を行って厚さ3mmとした。
/分で450℃に加熱し、3分間保持した後、25℃/
時の冷却速度で冷却しO材とした。これを加工度20
%、40%、60%および80%で冷間圧延し、加工し
ないもの(加工度0%)も併せて、375℃で1時間の
予加熱処理後、ソルトバス中で470℃で40分間の溶
体化処理を行い、水焼入れした。水焼入れ後、さらに室
温で4日間自然時効を行い、120℃の温度で24時間
の人工時効処理を行いT6調質材とした。
を測定し、T6調質材について、結晶粒の平均厚さおよ
びアスペクト比を測定した。冷間加工度が80%のもの
については、室温での引張強さを測定した。
の厚さ、アスペクト比は、全ての加工度において満足す
べきものであったが、O材の耐力が165MPaと大き
く、JIS規格を外れる結果となった。なお、T6調質
材の引張強さは570MPaであった。
成のアルミニウム合金を造塊し、実施例1と同様に、4
60℃で16時間の均質化処理後、400℃の温度で熱
間圧延して厚さ6mmの板材とし、室温まで冷却後、冷
間圧延して厚さ3.7mmとし、ついで、250℃の温
度で1時間の軟化処理を行った後、炉冷し、さらに19
%の冷間圧延を行って厚さ3mmとした。
50℃に加熱し、3分間保持した後、50℃/時の冷却
速度で冷却した。得られた板材を、280℃の温度に再
加熱して1時間保持した後、空冷しO材とした。また、
得られた板材を、400℃の温度に再加熱して1時間保
持した後、25℃/時の冷却速度で冷却してO材とし
た。
60%および80%で冷間圧延し、加工しないもの(加
工度0%)も併せて、375℃で1時間の予加熱処理
後、ソルトバス中で470℃で40分間の溶体化処理を
行い、水焼入れした。水焼入れ後、さらに室温で4日間
自然時効を行い、120℃の温度で24時間の人工時効
処理を行いT6調質材とした。
を測定し、T6調質材について、結晶粒の平均厚さおよ
びアスペクト比を測定した。冷間加工度が80%のもの
については、室温での引張強さを測定した。結果を表1
2および表13に示す。
発明に従う試験材No.16、試験材No.17は、結
晶粒の厚さはいずれも25μm以下、アスペクト比4以
上の満足すべき特性をそなえている。
の状態で、厚さ方向の結晶粒の平均厚さが25μm以下
で、結晶粒のアスペクト比が4以上であり、段付冷間圧
延、予加熱処理および溶体化処理後の結晶粒において、
段付冷間圧延の加工度が30%未満では結晶粒の平均厚
さ25μm以下、アスペクト比4以上を維持し、加工度
が30〜90%の範囲では結晶粒の平均厚さ40μm以
下、アスペクト比4以上を維持し、敷居応力が250M
Pa以上の優れた耐応力腐食割れ性を有し、セクション
ロール成形性も良好なストリンガー用アルミニウム合金
板およびその製造方法が提供される。
る。
ペクト比と耐応力腐食割れ性の関係を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 Zn:5.1〜8.4 %(重量%、以下同
じ)、Mg:1.8〜3.0 %、Cu:1.2〜2.6 %を含有し、
さらにCr:0.35 %以下(0%を含まず、以下同じ)、
Mn:0.35 %以下、Zr:0.25 %以下のうちの1種また
は2種以上を含有し、残部Alおよび不純物からなり、
結晶粒の平均厚さが25μm以下で、アスペクト比(平
均結晶粒長さ/平均結晶粒厚さ)が4以上のアルミニウ
ム合金板であり、該アルミニウム合金板に加工度90%
以下の範囲で部分的に異なる加工度の冷間圧延を行い、
その後、350〜400℃の温度での予加熱処理後溶体
化処理を行っても、前記加工度が30%未満では結晶粒
の平均厚さ25μm以下、アスペクト比4以上を維持
し、前記加工度が30〜90%の範囲では結晶粒の平均
厚さ40μm以下、アスペクト比4以上を維持すること
を特徴とする耐応力腐食割れ性に優れた航空機ストリン
ガー用アルミニウム合金板。 - 【請求項2】 アルミニウム合金板が、さらにTi:0.2
%以下、B:0.001%以下を含有することを特徴とする請
求項1記載の耐応力腐食割れ性に優れた航空機ストリン
ガー用アルミニウム合金板。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のアルミニウム合
金を常法に従って均質化処理、熱間圧延および冷間圧延
した後、200〜350℃の温度で軟化処理を行い、5
〜40%の加工度で冷間圧延して所定の厚さとし、つい
で、320〜500℃の温度域に11℃/分を越える平
均昇温速度で加熱し、30℃/時以下の平均冷却速度で
冷却することにより軟化することを特徴とする耐応力腐
食割れ性に優れた航空機ストリンガー用アルミニウム合
金板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1または2記載のアルミニウム合
金を常法に従って均質化処理、熱間圧延および冷間圧延
した後、200〜350℃の温度で軟化処理を行い、5
〜40%の加工度で冷間圧延して所定の厚さとし、つい
で、320〜500℃の温度域に11℃/分を越える平
均昇温速度で加熱することにより軟化させ、30℃/時
を越える平均冷却速度で冷却した後、さらに200℃以
上350℃未満の温度に再加熱し、空冷あるいは30℃
/時以下の平均冷却速度で冷却することを特徴とする耐
応力腐食割れ性に優れた航空機ストリンガー用アルミニ
ウム合金板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1または2記載のアルミニウム合
金を常法に従って均質化処理、熱間圧延および冷間圧延
した後、200〜350℃の温度で軟化処理を行い、5
〜40%の加工度で冷間圧延して所定の厚さとし、つい
で、320〜500℃の温度域に11℃/分を越える平
均昇温速度で加熱することにより軟化させ、30℃/時
を越える平均冷却速度で冷却した後、さらに350〜5
00℃の温度に再加熱し、30℃/時以下の平均冷却速
度で冷却することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れ
た航空機ストリンガー用アルミニウム合金板の製造方
法。
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