JPH08225820A - 高炭素Siキルド鋼の製造方法 - Google Patents
高炭素Siキルド鋼の製造方法Info
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- JPH08225820A JPH08225820A JP7053636A JP5363695A JPH08225820A JP H08225820 A JPH08225820 A JP H08225820A JP 7053636 A JP7053636 A JP 7053636A JP 5363695 A JP5363695 A JP 5363695A JP H08225820 A JPH08225820 A JP H08225820A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】高清浄度の高炭素Siキルド鋼の製造方法を提
供する。 【構成】含有成分を適正に調整した溶鋼を取鍋に出鋼し
た後、スラグのCaO/Si02を0.8〜2.0に調
整し、脱酸後、CaO含有フラックスを不活性ガスと共
に吹込むか、または二次精錬において前記溶鋼にCaO
含有フラックスを不活性ガスと共に吹込んでスラグのC
aO/Si02を0.8〜2.0に調整する。 【効果】全酸素の低減および介在物組成の延性化を同時
に達成することができる。
供する。 【構成】含有成分を適正に調整した溶鋼を取鍋に出鋼し
た後、スラグのCaO/Si02を0.8〜2.0に調
整し、脱酸後、CaO含有フラックスを不活性ガスと共
に吹込むか、または二次精錬において前記溶鋼にCaO
含有フラックスを不活性ガスと共に吹込んでスラグのC
aO/Si02を0.8〜2.0に調整する。 【効果】全酸素の低減および介在物組成の延性化を同時
に達成することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炭素Siキルド鋼
の製造方法に係り、より詳しくは、高炭素Siキルド鋼
の溶製時に生成する介在物量の低減および鋼中への残留
介在物の低融点化をはかり、加工性に優れた高炭素Si
キルド鋼を製造する方法に関する。
の製造方法に係り、より詳しくは、高炭素Siキルド鋼
の溶製時に生成する介在物量の低減および鋼中への残留
介在物の低融点化をはかり、加工性に優れた高炭素Si
キルド鋼を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、タイヤコード、バルブスプリ
ング等に使用される高炭素Siキルド鋼は、その過酷な
加工および使用条件から断線や切損の原因となる鋼中介
在物の低減および介在物の低融点化(延性化)が求めら
れている。
ング等に使用される高炭素Siキルド鋼は、その過酷な
加工および使用条件から断線や切損の原因となる鋼中介
在物の低減および介在物の低融点化(延性化)が求めら
れている。
【0003】このような要求に対し、例えば特公昭57
−35243号公報には、CaO含有フラックスとC
a、REM等の吹込みにより介在物の低減(全酸素量の
低下)をはかる方法が提案されているが、この方法は全
酸素の低減には有効であるが、転炉からのキャリーオー
バースラグの影響により介在物組成コントロールが困難
である。
−35243号公報には、CaO含有フラックスとC
a、REM等の吹込みにより介在物の低減(全酸素量の
低下)をはかる方法が提案されているが、この方法は全
酸素の低減には有効であるが、転炉からのキャリーオー
バースラグの影響により介在物組成コントロールが困難
である。
【0004】また、特開平3−173713号公報に
は、二次精錬時のスラグ組成をCaO/SiO2=0.
5〜0.9にコントロールすることによって鋼中介在物
の低融点化をはかる方法が提案されているが、低塩基度
スラグ使用ではスラグの脱酸力、介在物の吸着能力が低
く、介在物絶対個数の低減に限界があり、全酸素低減は
望めない。
は、二次精錬時のスラグ組成をCaO/SiO2=0.
5〜0.9にコントロールすることによって鋼中介在物
の低融点化をはかる方法が提案されているが、低塩基度
スラグ使用ではスラグの脱酸力、介在物の吸着能力が低
く、介在物絶対個数の低減に限界があり、全酸素低減は
望めない。
【0005】このように、従来の方法ではSiキルド鋼
における全酸素の低減と介在物の低融点化の両立は困難
であった。
における全酸素の低減と介在物の低融点化の両立は困難
であった。
【0006】なお、特開平4−272119号公報に
は、出鋼後スラグ組成をコントロールし、介在物の無害
化をはかる方法が提案されているが、対象鋼はSiーA
lキルド鋼であり、Siキルド鋼の低酸素化の効果は認
められていない。
は、出鋼後スラグ組成をコントロールし、介在物の無害
化をはかる方法が提案されているが、対象鋼はSiーA
lキルド鋼であり、Siキルド鋼の低酸素化の効果は認
められていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、高炭素S
iキルド鋼において、全酸素を低減すると介在物の組成
が非延性になり、介在物組成を延性領域にコントロール
すると全酸素を低減できないという2つの相反する問題
点を解決し全酸素を低減しつ残留介在物の延性化をはか
ることと、高炭素Siキルド鋼の加工時および使用時の
断線や切損を防止するために、高炭素Siキルド鋼の溶
製時に生成する介在物量の低減および鋼中への残留介在
物の低融点化を容易に達成し得る高炭素Siキルド鋼の
製造方法を提案しようとするものである。
iキルド鋼において、全酸素を低減すると介在物の組成
が非延性になり、介在物組成を延性領域にコントロール
すると全酸素を低減できないという2つの相反する問題
点を解決し全酸素を低減しつ残留介在物の延性化をはか
ることと、高炭素Siキルド鋼の加工時および使用時の
断線や切損を防止するために、高炭素Siキルド鋼の溶
製時に生成する介在物量の低減および鋼中への残留介在
物の低融点化を容易に達成し得る高炭素Siキルド鋼の
製造方法を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、C0.5〜
1.0質量%、Si0.1〜2.0質量%、Mn0.2
〜1.0質量%、Cr≦1.5質量%、V≦0.5質量
%、P≦0.020質量%、S≦0.020質量%、A
l≦0.005質量%を含有し、残部Feおよび不可避
的不純物からなる溶鋼に、Alを50g/T以下の範囲
で添加し、次いでスラグのCaO/SiO2を0.8〜
2.0に調整し、脱酸を行った後、CaO含有フラック
スを不活性ガスと共に吹込むことを特徴とし(第1の発
明)、また、上記と同じ溶鋼にAlを50g/T以下の
範囲で添加した後、溶鋼にCaO含有フラックスを不活
性ガスと共に吹込み、スラグ組成をCaO/SiO2=
0.8〜2.0、Al2O3≦20質量%に調整し、溶
鋼撹拌を行うことを特徴とする(第2の発明)。
1.0質量%、Si0.1〜2.0質量%、Mn0.2
〜1.0質量%、Cr≦1.5質量%、V≦0.5質量
%、P≦0.020質量%、S≦0.020質量%、A
l≦0.005質量%を含有し、残部Feおよび不可避
的不純物からなる溶鋼に、Alを50g/T以下の範囲
で添加し、次いでスラグのCaO/SiO2を0.8〜
2.0に調整し、脱酸を行った後、CaO含有フラック
スを不活性ガスと共に吹込むことを特徴とし(第1の発
明)、また、上記と同じ溶鋼にAlを50g/T以下の
範囲で添加した後、溶鋼にCaO含有フラックスを不活
性ガスと共に吹込み、スラグ組成をCaO/SiO2=
0.8〜2.0、Al2O3≦20質量%に調整し、溶
鋼撹拌を行うことを特徴とする(第2の発明)。
【0009】
【作用】まず、この発明の対象とする高炭素Siキルド
鋼の含有成分の限定理由を以下に説明する。 C:0.5〜1.0質量% Cは強度を確保するために必要な元素であるが、含有量
を高くするとCは偏析し易いので、Cの中心偏析が生じ
て伸線工程等において断線が発生し易く、0.5質量%
未満ではCの偏析の発生量は少なくなるが、高強度を得
ることは困難であり、他方、1.0質量%を超えると加
工性が悪くなるため、0.5〜1.0質量%とした。
鋼の含有成分の限定理由を以下に説明する。 C:0.5〜1.0質量% Cは強度を確保するために必要な元素であるが、含有量
を高くするとCは偏析し易いので、Cの中心偏析が生じ
て伸線工程等において断線が発生し易く、0.5質量%
未満ではCの偏析の発生量は少なくなるが、高強度を得
ることは困難であり、他方、1.0質量%を超えると加
工性が悪くなるため、0.5〜1.0質量%とした。
【0010】Si:0.1〜2.0質量% Siは脱酸元素であるが、0.1質量%未満では効果が
少なく、他方、2.0質量%を超えるとSiO2系の微
細介在物の発生を招くため0.1〜2.0質量%に限定
した。
少なく、他方、2.0質量%を超えるとSiO2系の微
細介在物の発生を招くため0.1〜2.0質量%に限定
した。
【0011】Mn:0.2〜1.0質量% Mnは強度確保に有効であるが、0.2質量%未満では
効果が少なく、他方、1.0質量%を超えると加工性が
劣るため0.2〜1.0質量%とした。
効果が少なく、他方、1.0質量%を超えると加工性が
劣るため0.2〜1.0質量%とした。
【0012】Cr:1.5質量%以下 Crは強度確保に有効であるが、過剰の添加は炭化物の
析出を招き、強度の低下をきたすため1.5質量%以下
とした。
析出を招き、強度の低下をきたすため1.5質量%以下
とした。
【0013】V:0.5質量%以下 VはCrと同様、強度確保に有効であるが、過剰の添加
は炭化物の析出を招き、強度の低下をきたすため0.5
質量%以下とした。
は炭化物の析出を招き、強度の低下をきたすため0.5
質量%以下とした。
【0014】上記した必須成分の外に、不純物として含
有されるP、SおよびAlの含有量を規制したのは、以
下に示す理由による。 P:0.020質量%以下 PはSと同様に鋼の靭延性を低下させ、さらに偏析し易
い元素であるため、0.020質量%以下に規制する必
要がある。
有されるP、SおよびAlの含有量を規制したのは、以
下に示す理由による。 P:0.020質量%以下 PはSと同様に鋼の靭延性を低下させ、さらに偏析し易
い元素であるため、0.020質量%以下に規制する必
要がある。
【0015】S:0.020質量%以下 SはPと同様に鋼の靭延性を低下させ、さらに偏析し易
い元素であるため、0.020質量%以下に規制する必
要がある。
い元素であるため、0.020質量%以下に規制する必
要がある。
【0016】Al:0.005質量%以下 Alは0.005質量%を超えて含有されると、Al2
O3およびMgO−Al2O3などの非延性介在物を多
く生成して、伸線工程において断線の原因となり、また
これらの非延性介在物はダイス寿命を悪化させるため、
Al含有量は可及的に少なくすることが好ましく、0.
005質量%以下に規制する。
O3およびMgO−Al2O3などの非延性介在物を多
く生成して、伸線工程において断線の原因となり、また
これらの非延性介在物はダイス寿命を悪化させるため、
Al含有量は可及的に少なくすることが好ましく、0.
005質量%以下に規制する。
【0017】また、高Si鋼になる程合金鉄中から混入
する微量Alの量が増加し、Al2O3系の非延性介在
物が発生し易くなるので、添加Al量は不可避的に混入
するAl分も含めて50g/T以下にする必要がある。
する微量Alの量が増加し、Al2O3系の非延性介在
物が発生し易くなるので、添加Al量は不可避的に混入
するAl分も含めて50g/T以下にする必要がある。
【0018】第1の発明において、出鋼後取鍋内スラグ
のCaO/SiO2を0.8〜2.0に調整するのは、
介在物組成を低融点組成にコントロールするためであ
り、高Si鋼になる程SiO2の生成量が多くなるの
で、CaO量を増加し鋼種に応じたCaO/SiO2を
選択することで安定して均一な組成の介在物が得られ
る。ここで、CaO/SiO2を0.8〜2.0の範囲
に限定したのは、0.8未満では、スラグによる脱酸が
不足し鋼中の全酸素量が増加し、他方、2.0を超える
と大型の介在物が増加し、鋼の清浄度が悪化するためで
ある。取鍋内スラグのCaO/SiO2を0.8〜2.
0に調整する方法としては、除滓とフラックス添加によ
り行う。
のCaO/SiO2を0.8〜2.0に調整するのは、
介在物組成を低融点組成にコントロールするためであ
り、高Si鋼になる程SiO2の生成量が多くなるの
で、CaO量を増加し鋼種に応じたCaO/SiO2を
選択することで安定して均一な組成の介在物が得られ
る。ここで、CaO/SiO2を0.8〜2.0の範囲
に限定したのは、0.8未満では、スラグによる脱酸が
不足し鋼中の全酸素量が増加し、他方、2.0を超える
と大型の介在物が増加し、鋼の清浄度が悪化するためで
ある。取鍋内スラグのCaO/SiO2を0.8〜2.
0に調整する方法としては、除滓とフラックス添加によ
り行う。
【0019】全酸素の低減には、Ca、Al等の強脱酸
元素の添加が有効であるが、合金による脱酸を行った場
合、脱酸生成物である非延性の介在物が鋼中に残留する
可能性が極めて高く、非延性介在物の存在が問題となる
鋼種の製造には不適切である。
元素の添加が有効であるが、合金による脱酸を行った場
合、脱酸生成物である非延性の介在物が鋼中に残留する
可能性が極めて高く、非延性介在物の存在が問題となる
鋼種の製造には不適切である。
【0020】そこで、介在物の低減方法としては、介在
物の浮上を促進するフラックスの吹込方式を採用するこ
とができる。吹込フラックスとしては、CaOーCaF
2系、CaOーSiO2系等が存在するが、全酸素低減
にはCaOーCaF2系の方が優れている。また、Ca
F2量はフラックスの滓化促進をはかる上で15%以上
が望ましい。
物の浮上を促進するフラックスの吹込方式を採用するこ
とができる。吹込フラックスとしては、CaOーCaF
2系、CaOーSiO2系等が存在するが、全酸素低減
にはCaOーCaF2系の方が優れている。また、Ca
F2量はフラックスの滓化促進をはかる上で15%以上
が望ましい。
【0021】第2の発明では、Siキルド鋼の清浄化の
ため溶鋼中の酸素、非金属介在物を低減させるため、二
次精錬において溶鋼にCaO含有フラックスを不活性ガ
スと共に吹込んでスラグ組成を調整する。この二次精錬
時に溶鋼に不活性ガスと共に吹込まれたCaO含有フラ
ックスは、吹込後溶鋼中にてただちに溶融し、溶鋼中を
浮上する過程において介在物を捕捉、溶解、肥大化しつ
つ溶鋼が分離する。
ため溶鋼中の酸素、非金属介在物を低減させるため、二
次精錬において溶鋼にCaO含有フラックスを不活性ガ
スと共に吹込んでスラグ組成を調整する。この二次精錬
時に溶鋼に不活性ガスと共に吹込まれたCaO含有フラ
ックスは、吹込後溶鋼中にてただちに溶融し、溶鋼中を
浮上する過程において介在物を捕捉、溶解、肥大化しつ
つ溶鋼が分離する。
【0022】次に、フラックス吹込時の鋼中残留介在物
の延性化とさらなる個数低減をはかるため、溶鋼撹拌に
よりスラグ精錬を実施する。この時、介在物の延性化は
スラグー溶鋼ー介在物間の界面反応により進行するが、
この発明の対象鋼であるSiキルド鋼の成分範囲におい
ては、溶鋼撹拌時にスラグ組成を第1発明と同様、Ca
O/SiO2を0.8〜2.0とし、かつAl2O3≦
20%とすることにより、介在物の延性化が可能であ
る。ここで、CaO/SiO2を0.8〜2.0とする
のは、前記第1発明と同じ理由による。また、スラグ中
のAl2O3の含有量が20%を超えるとAl2O3の
解離に起因するAl2O3系の非延性介在物が増加する
ため、この発明ではAl2O3≦20%とした。
の延性化とさらなる個数低減をはかるため、溶鋼撹拌に
よりスラグ精錬を実施する。この時、介在物の延性化は
スラグー溶鋼ー介在物間の界面反応により進行するが、
この発明の対象鋼であるSiキルド鋼の成分範囲におい
ては、溶鋼撹拌時にスラグ組成を第1発明と同様、Ca
O/SiO2を0.8〜2.0とし、かつAl2O3≦
20%とすることにより、介在物の延性化が可能であ
る。ここで、CaO/SiO2を0.8〜2.0とする
のは、前記第1発明と同じ理由による。また、スラグ中
のAl2O3の含有量が20%を超えるとAl2O3の
解離に起因するAl2O3系の非延性介在物が増加する
ため、この発明ではAl2O3≦20%とした。
【0023】吹込フラックスとしては、第1発明と同じ
くCaOーCaF2系、CaOーSiO2系等が存在す
るが、全酸素低減にはCaOーCaF2系の方が優れて
いる。また、CaF2量はフラックスの滓化促進をはか
る上で15%以上が望ましい。
くCaOーCaF2系、CaOーSiO2系等が存在す
るが、全酸素低減にはCaOーCaF2系の方が優れて
いる。また、CaF2量はフラックスの滓化促進をはか
る上で15%以上が望ましい。
【0024】
【実施例】図1はこの発明の係る高炭素Siキルド鋼の
製造プロセスを示すブロック図で、(A)はこの発明の
請求項1(第1発明)に対応し、(B)は同じく請求項
2(第2発明)に対応する。
製造プロセスを示すブロック図で、(A)はこの発明の
請求項1(第1発明)に対応し、(B)は同じく請求項
2(第2発明)に対応する。
【0025】すなわち、第1発明は、転炉出鋼時または
出鋼後に取鍋内スラグを除去し、取鍋内にフラックスを
添加しスラグのCaO/SiO2を0.8〜2.0に調
整する。しかる後、脱酸調整を行い、二次精錬にてCa
O含有フラックスを不活性ガスと共に取鍋内に吹込み介
在物の浮上促進をはかる。
出鋼後に取鍋内スラグを除去し、取鍋内にフラックスを
添加しスラグのCaO/SiO2を0.8〜2.0に調
整する。しかる後、脱酸調整を行い、二次精錬にてCa
O含有フラックスを不活性ガスと共に取鍋内に吹込み介
在物の浮上促進をはかる。
【0026】また、第2の発明は、二次精錬において第
1段階としてCaO含有フラックスを不活性ガスと共に
取鍋内に吹込み、スラグ組成をCaO/SiO2=0.
8〜2.0に調整し、かつAl2O3≦20%とし、第
2段階として溶鋼撹拌によるスラグ精錬を実施し、フラ
ックス吹込み時の鋼中残留介在物の延性化とさらなる個
数低減をはかる。
1段階としてCaO含有フラックスを不活性ガスと共に
取鍋内に吹込み、スラグ組成をCaO/SiO2=0.
8〜2.0に調整し、かつAl2O3≦20%とし、第
2段階として溶鋼撹拌によるスラグ精錬を実施し、フラ
ックス吹込み時の鋼中残留介在物の延性化とさらなる個
数低減をはかる。
【0027】次に、この発明の請求項1(第1発明)、
請求項2(第2発明)に対応する実施例をそれぞれ実施
例1、実施例2として以下に示す。 実施例1 表1に示す鋼種を対象に図1(A)に示すプロセスで取
鍋内スラグのCaO/SiO2を種々変えて処理した。
本実施例では、フラックスとしてCaOーCaF2系の
ものを使用したが、これに限られるものではない。フラ
ックス吹込後の溶鋼組成を表2に、取鍋内スラグと二次
精錬後のCaO/SiO2と全酸素量および非延性介在
物個数を表3に、それぞれ示す。
請求項2(第2発明)に対応する実施例をそれぞれ実施
例1、実施例2として以下に示す。 実施例1 表1に示す鋼種を対象に図1(A)に示すプロセスで取
鍋内スラグのCaO/SiO2を種々変えて処理した。
本実施例では、フラックスとしてCaOーCaF2系の
ものを使用したが、これに限られるものではない。フラ
ックス吹込後の溶鋼組成を表2に、取鍋内スラグと二次
精錬後のCaO/SiO2と全酸素量および非延性介在
物個数を表3に、それぞれ示す。
【0028】表3の結果より、本発明は全酸素の低減と
介在物組成の延性化を同時に達成することができ、介在
物個数低減の効果が従来法に比べ大きいことがわかる。
介在物組成の延性化を同時に達成することができ、介在
物個数低減の効果が従来法に比べ大きいことがわかる。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】実施例2 表4に示す成分を有する溶鋼を図1(B)に示すプロセ
スで二次精錬錬工程でのスラグ組成(CaO/Si
O2、Al2O3)を種々変えて処理した。使用フラッ
クスは実施例1において使用したものと同様のものを用
いた。本実施例におけるフラックス吹込後の溶鋼組成を
表5に、二次精錬後のCaO/SiO2と全酸素量およ
び非延性介在物個数を表6に、それぞれ示す。
スで二次精錬錬工程でのスラグ組成(CaO/Si
O2、Al2O3)を種々変えて処理した。使用フラッ
クスは実施例1において使用したものと同様のものを用
いた。本実施例におけるフラックス吹込後の溶鋼組成を
表5に、二次精錬後のCaO/SiO2と全酸素量およ
び非延性介在物個数を表6に、それぞれ示す。
【0033】表6の結果より、本実施例においても全酸
素の低減と介在物組成の延性化を同時に達成することが
でき、介在物個数低減の効果が大きいことがわかる。
素の低減と介在物組成の延性化を同時に達成することが
でき、介在物個数低減の効果が大きいことがわかる。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【発明の効果】以上説明したごとく、この発明の請求項
1の方法によれば、出鋼時からの介在物組成コントロー
ルおよびフラックス吹込みによる脱酸効果にて、各々の
処理では両立できなかった全酸素の低減および介在物組
成の延性化を容易に達成することができ、Siキルド鋼
の清浄度を大幅に向上させることができる。同じく、請
求項2の方法によっても、非延性介在物個数の低減効果
が大きいため高清浄度のSiキルド鋼の製造が可能であ
る。
1の方法によれば、出鋼時からの介在物組成コントロー
ルおよびフラックス吹込みによる脱酸効果にて、各々の
処理では両立できなかった全酸素の低減および介在物組
成の延性化を容易に達成することができ、Siキルド鋼
の清浄度を大幅に向上させることができる。同じく、請
求項2の方法によっても、非延性介在物個数の低減効果
が大きいため高清浄度のSiキルド鋼の製造が可能であ
る。
【図1】この発明に係る高炭素Siキルド鋼の製造プロ
セスを示すブロック図で、(A)はこの発明の請求項1
に対応するプロセス、(B)は同じく請求項2に対応す
るプロセスである。
セスを示すブロック図で、(A)はこの発明の請求項1
に対応するプロセス、(B)は同じく請求項2に対応す
るプロセスである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/04 C22C 38/04 38/24 38/24 (72)発明者 鈴木 正道 北九州市小倉北区許斐町1番地 住友金属 工業株式会社小倉製鉄所内
Claims (2)
- 【請求項1】 C0.5〜1.0質量%、Si0.1〜
2.0質量%、Mn0.2〜1.0質量%、Cr≦1.
5質量%、V≦0.5質量%、P≦0.020質量%、
S≦0.020質量%、Al≦0.005質量%を含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなる溶鋼に、A
lを50g/T以下の範囲で添加し、次いでスラグのC
aO/SiO2を0.8〜2.0に調整し、脱酸を行っ
た後、CaO含有フラックスを不活性ガスと共に吹込む
ことを特徴とする高炭素Siキルド鋼の製造方法。 - 【請求項2】 C0.5〜1.0質量%、Si0.1〜
2.0質量%、Mn0.2〜1.0質量%、Cr≦1.
5質量%、V≦0.5質量%、P≦0.020質量%、
S≦0.020質量%、Al≦0.005質量%を含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなる溶鋼に、A
lを50g/T以下の範囲で添加し、次いで溶鋼にCa
O含有フラックスを不活性ガスと共に吹込み、スラグ組
成をCaO/SiO2=0.8〜2.0、Al2O3≦
20質量%に調整し、溶鋼撹拌を行うことを特徴とする
高炭素Siキルド鋼の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7053636A JPH08225820A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 高炭素Siキルド鋼の製造方法 |
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JP7053636A JPH08225820A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 高炭素Siキルド鋼の製造方法 |
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JPH08225820A true JPH08225820A (ja) | 1996-09-03 |
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ID=12948400
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JP7053636A Pending JPH08225820A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 高炭素Siキルド鋼の製造方法 |
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JP (1) | JPH08225820A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1995-02-17 JP JP7053636A patent/JPH08225820A/ja active Pending
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