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JPH08100223A - 高清浄鋼の製造方法 - Google Patents

高清浄鋼の製造方法

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Publication number
JPH08100223A
JPH08100223A JP6238794A JP23879494A JPH08100223A JP H08100223 A JPH08100223 A JP H08100223A JP 6238794 A JP6238794 A JP 6238794A JP 23879494 A JP23879494 A JP 23879494A JP H08100223 A JPH08100223 A JP H08100223A
Authority
JP
Japan
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steel
esr
cleanliness
ladle refining
electrode
Prior art date
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Pending
Application number
JP6238794A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhisa Onda
靖久 恩田
Takashi Mukai
孝 向井
Shigeru Kihara
茂 木原
Kiyotaka Takachio
清孝 高知尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP6238794A priority Critical patent/JPH08100223A/ja
Publication of JPH08100223A publication Critical patent/JPH08100223A/ja
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷間ダイス鋼、刃物鋼、高級軸受鋼など炭化
物を多く形成し、しかも硬度が高い鋼に関し、酸素含有
量が低く、とりわけ酸化物系の介在物の少ない高清浄鋼
の製造方法を提供する。 【構成】 電気炉または取鍋精錬炉でAl脱酸した溶鋼
を取鍋精錬した後に鋳造電極とし、前記電極を用いてエ
レクトロスラグ再溶解を行なって酸素含有量が30pp
m以下からなる高C,高Cr系の鋼塊を得ることを特徴
とする高清浄鋼の製造方法。望ましい高C,高Cr系の
鋼塊の組成は、重量%で、C 0.5〜1.6%、Si
1.0%以下、Mn 1.5%以下、Cr 10〜18%
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非金属介在物(以下、
介在物と記す)を低減させた高清浄鋼の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロスラグ再溶解法(以下、ES
Rと記す)は、通常の溶製法である溶解後にインゴット
ケース内に鋳込む造塊法のものに比較して、スラグ精錬
による脱硫、介在物の低減、積層凝固による偏析の低
減、鋼塊組織の緻密化が可能になるといった多くの特徴
があるために、高い信頼性が要求される製品へ適用され
ている。ESRに用いる消耗電極は、従来から電気炉、
誘導炉などで溶解した後に鋳造を行なったものを用い、
これをESR法により再溶解を行なうことにより良質の
鋼塊が得られてきた。このような製品の利点があること
から、工具鋼の分野においてもESRによる溶解法が多
用されるようになってきた。とりわけ、ESR法の適用
は、冷間ダイス鋼、刃物鋼、高級軸受鋼など炭化物が多
く形成され、しかも硬度が高い高C,高Cr系の鋼の偏
析を低減し、これらの鋼に特有の炭化物を均一分散させ
る効果が大きいことから、靭性を高める手段として極め
て有効な溶解方法として注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のES
R法により製造した高C,高Cr系鋼の製品の廃却材に
ついて、その寿命を調査した結果、必ずしも寿命原因が
炭化物に起因するだけでなく、酸化物系の介在物を起点
とする清浄度に係わる要因が少なからずあることが認め
られた。上記酸化物系の介在物、すなわち清浄度を減少
させる方法について検討した結果、ESR後の清浄度に
影響を及ぼす因子としては、大きく分けて、(1)ES
R条件、(2)消耗電極の清浄度、の二つが挙げられ
る。このうち、(2)については、ESRは例えば真空
アーク再溶解法(VAR)などと比較して消耗電極によ
る効果の良し悪しの差が小さいと言われているが、特に
Al23系介在物等の酸化物系の介在物に係わる消耗電
極の清浄度は、ESR後の清浄度に対して非常に大きな
影響を与える。
【0004】従来から行なわれてきた電気炉のみで溶
解、精錬を行なって鋳造した消耗電極を、ESR法によ
り再溶解を行なった場合、再溶解後の酸素レベルは高
く、清浄度が非常に低い問題があった。一方、従来のE
SR溶解の改良方法としてESRの消耗電極を溶製する
際、取鍋精錬を行なうことにより、高速度工具鋼あるい
は塑性加工用金型鋼のSを低減するのに有効であること
が特開平4−111962号、特開平4−111963
号に記載されている。しかし、これらの方法は、硫化物
系の清浄度は低下させることができても、硬くて脆い酸
化物系の清浄度を高めることができない欠点があった。
【0005】本発明の目的は、上記のような冷間ダイス
鋼、刃物鋼、高級軸受鋼など炭化物を多く形成し、しか
も硬度が高い鋼に関し、酸素含有量が低く、とりわけ酸
化物系の介在物の少ない高清浄鋼の製造方法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者がESR法によっ
て得られる鋼塊の清浄度、特に酸化物系の介在物を減少
させるには、取鍋精錬炉前の電気炉での精錬時点または
電気炉で精錬の終了した溶鋼を取鍋精錬炉に注湯した後
にAlを添加してAl脱酸させて消耗電極を製造するこ
と、特に酸化物系介在物の清浄度を高めるだけでなく、
経済的にも極めて有効であることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は電気炉または取鍋精錬
炉でAl脱酸した溶鋼を取鍋精錬した後に鋳造電極と
し、前記電極を用いてエレクトロスラグ再溶解を行なっ
て酸素含有量が30ppm以下からなる高C,高Cr系
の鋼塊を得ることを特徴とする高清浄鋼の製造方法であ
る。前記鋼塊の組成は、重量%で、C 0.5〜1.6
%、Si 1.0%以下、Mn 1.5%以下、Cr 1
0〜18%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物か
らなる鋼、また上記の一部を選択添加元素としてMo,
Wのそれぞれを0〜0.2%で1種または2種と0〜
2.0%のVのうちから1元素ないし3元素で置換した
鋼が望ましい効果が得られる。
【0008】
【作用】以下に本発明の高清浄鋼の製造に関する作用に
ついて述べる。本発明の高清浄鋼の製造方法における特
徴は、消耗電極を(1)電気炉内でAl脱酸するか、ま
たは電気炉内の溶鋼を取鍋精錬炉内に注湯した直後にA
lを添加してAl脱酸させること、(2)脱酸された溶
鋼を取鍋精錬すること、の二点である。このように本発
明の高清浄鋼の製造方法は、鋼を電気炉で精錬する段階
または溶解後の溶鋼を取鍋精錬炉内に注湯した初期の段
階でAl脱酸した鋼を、引き続き取鍋精錬炉内で精錬し
て、それをESRの電極に用いることを必須要件として
いる。これは、以下の実験的事実に基づくものである。
【0009】すなわち、Al脱酸を行なっていない溶鋼
を取鍋精錬した後、ESRを行なった場合、取鍋精錬を
行なわない場合と比較して、ESR鋼塊の清浄度に大き
な差が見られないのに対して、実施例で後述するよう
に、Al脱酸を行なった溶鋼を取鍋精錬後ESRを行な
うとESR鋼塊の清浄度が向上することを見出した。こ
れらの事実は、Al脱酸を行なって溶存酸素レベルを下
げ、さらに取鍋精錬炉で脱酸生成物であるAl23を除
去することにより消耗電極の清浄度が向上し、ESRで
の更なる精錬効果と相まって、再溶解後の清浄度が大き
く向上するものである。Alの添加時期は、電気炉で精
錬した最終段階か取鍋精錬の初期の段階が望ましい。
【0010】取鍋精錬を完了した電極での酸素含有量
は、30ppm以下、望ましくは25ppm以下とする
のがよい。なぜなら、ESR過程では酸化物の形態は、
微細に制御できるが、酸素含有量そのものは減少させる
のは困難だからである。この条件を満足させることで、
本発明のESR後の酸素量を30ppm以下にすること
が容易となる。このようにして製造された高C,高Cr
系の鋼塊は、特にJIS G 4404(1972改訂
版)で規定されるSKD11,12やその改良鋼として
市販されている鋼、Crを10.0〜14%含有する刃
物鋼、Crを10.0〜18.0%程度含有し、C%の
レベルが0.5〜1.5%である軸受鋼、ピストンリン
グ材など炭化物を多量に形成し、高い硬さに熱処理され
る製品に特に有効である。
【0011】望ましい組成の限定理由について以下に述
べる。Cはマルテンサイト系ステンレス鋼の硬さを得る
上で、有効な元素の一つである。また、Crの他、M
o,W,V,Nbなどと炭化物を作り、耐摩耗性の向上
に寄与する。本発明の鋼の高強度を得るためには、最低
0.5%以上必要であるが、1.6%を越えると共晶炭
化物が粗大化して靭性が低下するため、Cの範囲を0.
5〜1.6%にするのがよい。Siは、鋼の脱酸元素と
して必要な添加元素である。しかし、過度の過度のSi
の添加は、靭性の低下が著しくなるため、1.0%以下
とするのがよい。MnはSiと同じく脱酸剤として用い
られるが、Mnの含有量が多くなると、焼入れ時に残留
オーステナイトが過多となって硬さが低下するため、上
限を1.5%とするのがよい。
【0012】Crは、一部は基地中に固溶して焼戻し軟
化抵抗を高め、またCと結び付いて硬質のCr系炭化物
を作り、耐摩耗性を向上させる効果がある。上記効果を
得るためには10%以上含有するのがよい。しかし、C
rが多過ぎると共晶炭化物が粗大化して靭性あるいは転
動疲労特性などを低下させる原因となるためCrの範囲
を10〜18%とするのがよい。これらの高C,高Cr
系鋼は、上記の望ましい組成や鋼種の他、使用目的に応
じて以下の元素を適宜添加することができる。Mo:5
%以下、W:2.5%、V:2%以下、Nb:1%以
下、Ni:2%以下、Co:3%以下、このうち、M
o,W,V,Nbはいずれも炭素と炭化物を形成し、耐
摩耗性を向上させる元素として、特に有効であるので、
Feに置換して添加するのがよい。
【0013】最も望ましい鋼は、C 0.65〜0.7
0%、Si 0.20〜0.50%、Mn 0.6〜0.
8%、Cr 12〜13%のもの、C 1.40〜1.6
0%、Si 0.50%以下、Mn 0.6%以下、Cr
11〜13%、Mo 0.8〜1.2%、V 0.2〜
0.5%のものなどが挙げられる。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
表1に示す組成範囲の鋼を電気溶解(EF)した。この
うち、本発明方法については、EF溶解時にAlを添加
してAl脱酸を行なって取鍋精錬炉(ASEA)に注湯
し、精錬後消耗電極を得た。一方、比較方法であるEF
後、直ちに消耗電極としたものについてはAl脱酸は実
施しなかった。
【0015】
【表1】
【0016】図1は各製造工程で製造した材料の清浄度
比較を示しており、清浄度は介在物個数の指数で表して
いる。但し、いずれの場合もESRにおける諸条件は一
定である。EF−ASEA−ESR後の方がEF−ES
R後と比較して総じて介在物が少なく、特に10μm以
下の比較的小さな大きさの介在物においてその傾向が強
い。介在物は主として球状のAl23系介在物であるこ
とをEPMAで確認している。消耗電極溶製の際に取鍋
精錬を行なうことにより消耗電極の清浄度が向上し、そ
の結果としてESR後の清浄度が向上していると考えら
れる。これを確かめるために、ESR前の消耗電極の清
浄度の比較を行なった結果が図2であり、消耗電極溶製
の時点で、清浄度には大きな差があることがわかる。し
たがって、消耗電極の清浄度の差が、ESR後の清浄度
に大きく影響を及ぼしていることが明らかである。
【0017】次に図3はESR後の酸素量と介在物分布
との関係を示しているが、ESR後の清浄度は酸素量と
相関があり、酸素量の増加とともに清浄度は悪化してい
る。特に、取鍋精錬を行なっていないEF−ESRにお
いてその傾向が強い。ESRでの脱酸挙動を把握するた
めに、ESR前後での酸素量変化を示したものが図4で
ある。EF−ESRの場合、脱酸率は比較的高いもの
の、元々の消耗電極の酸素レベルが高いために、ESR
後の酸素レベルも高く、清浄度へ悪影響を及ぼしてい
る。また、EF−ESRの方が酸素レベルのバラツキも
大きいことがわかる。
【0018】
【発明の効果】本発明の方法によって得られる鋼塊は、
低酸素化により、一段と高清浄化が可能になり、とりわ
けAl23などの硬くて脆い酸化物系の介在物が減少す
る。その結果、冷間ダイス、刃物、高級軸受鋼など炭化
物を多く形成し、基地自身の硬さが高い高C,高Cr系
の製品に用いた場合、欠けや大割れの起点となる要因が
大幅に解消され、その効果は著しく大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造工程と介在物分布の関係を示した図であ
る。
【図2】消耗電極の介在物分布の関係を示した図であ
る。
【図3】ESR後の酸素量と介在物分布の関係を示した
図である。
【図4】ESR前後での酸素量変化を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/24 (72)発明者 高知尾 清孝 島根県安来市安来町2107番地の2 日立金 属株式会社安来工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気炉または取鍋精錬炉でAl脱酸した
    溶鋼を取鍋精錬した後に鋳造電極とし、前記電極を用い
    てエレクトロスラグ再溶解を行なって酸素含有量が30
    ppm以下からなる高C,高Cr系の鋼塊を得ることを
    特徴とする高清浄鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 高C,高Cr系の鋼塊が重量%で、C
    0.5〜1.6%、Si 1.0%以下、Mn 1.5%
    以下、Cr 10〜18%を含有し、残部Feおよび不
    可避的不純物からなる鋼、または上記Feの一部を選択
    添加元素としてMo,Wのそれぞれを0〜0.2%で1
    種または2種と0〜2.0%のVのうちから1元素ない
    し3元素で置換した鋼である請求項1に記載の高清浄鋼
    の製造方法。
JP6238794A 1994-10-03 1994-10-03 高清浄鋼の製造方法 Pending JPH08100223A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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