JPH08209173A - 潤滑油組成物 - Google Patents
潤滑油組成物Info
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- JPH08209173A JPH08209173A JP3317595A JP3317595A JPH08209173A JP H08209173 A JPH08209173 A JP H08209173A JP 3317595 A JP3317595 A JP 3317595A JP 3317595 A JP3317595 A JP 3317595A JP H08209173 A JPH08209173 A JP H08209173A
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- lubricating oil
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Abstract
(57)【要約】
【構成】潤滑油基油に対して、ジチオカルバミン酸モリ
ブデン、ジチオりん酸亜鉛、並びに、ジアルキルジチオ
カルバミン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオり
ん酸アンチモンを配合してなる潤滑油組成物であって、
組成物全重量に基づき、ジチオカルバミン酸モリブデン
に由来するモリブデンの量が200〜2000ppm(重
量比)であり、ジチオりん酸亜鉛に由来するりんの量が
0.02〜0.15重量%であり、ジアルキルジチオカル
バミン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオりん酸
アンチモンに由来するアンチモンの量が0.012〜0.
20重量%であることを特徴とする潤滑油組成物。 【効果】本発明の潤滑油組成物は、優れた低摩耗性を有
するとともに、窒素酸化物ガスの存在下においても耐酸
化性を発揮して良好な摩擦特性(低摩擦性)を持続し、
特に、内燃機関用潤滑油として好適に用いることがで
き、良好な燃料消費率を持続することができる。
ブデン、ジチオりん酸亜鉛、並びに、ジアルキルジチオ
カルバミン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオり
ん酸アンチモンを配合してなる潤滑油組成物であって、
組成物全重量に基づき、ジチオカルバミン酸モリブデン
に由来するモリブデンの量が200〜2000ppm(重
量比)であり、ジチオりん酸亜鉛に由来するりんの量が
0.02〜0.15重量%であり、ジアルキルジチオカル
バミン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオりん酸
アンチモンに由来するアンチモンの量が0.012〜0.
20重量%であることを特徴とする潤滑油組成物。 【効果】本発明の潤滑油組成物は、優れた低摩耗性を有
するとともに、窒素酸化物ガスの存在下においても耐酸
化性を発揮して良好な摩擦特性(低摩擦性)を持続し、
特に、内燃機関用潤滑油として好適に用いることがで
き、良好な燃料消費率を持続することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な潤滑油組成物に
関する。さらに詳しくは、本発明は、優れた低摩耗性及
び窒素酸化物ガスを含む空気雰囲気中でも劣化せず、長
期にわたり低摩擦性の持続性を有する内燃機関、自動変
速機、緩衝器、パワーステアリングなどの潤滑油、特に
内燃機関用潤滑油として好適に用いることができる潤滑
油組成物に関するものである。
関する。さらに詳しくは、本発明は、優れた低摩耗性及
び窒素酸化物ガスを含む空気雰囲気中でも劣化せず、長
期にわたり低摩擦性の持続性を有する内燃機関、自動変
速機、緩衝器、パワーステアリングなどの潤滑油、特に
内燃機関用潤滑油として好適に用いることができる潤滑
油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関や、自動変速機、緩衝器、パワ
ーステアリングなどの駆動系機器、ギヤなどには、その
作動を円滑にするために潤滑油が用いられる。特に内燃
機関用潤滑油は、主としてピストンリングとシリンダラ
イナ、クランク軸やコネクティングロッドの軸受、カム
とバルブリフタを含む動弁機構など、各種摺動部分の潤
滑のほか、内燃機関内の冷却や燃焼生成物の清浄分散、
さらには錆や腐食を防止するなどの作用を果たす。この
ように、内燃機関用潤滑油には多様な性能が要求され、
しかも近年の内燃機関の低燃費化、高出力化、運転条件
の過酷化などの高性能化に伴い、高度な潤滑油性能が要
求されてきている。一方、内燃機関における燃焼ガス
は、その一部がピストンとシリンダの間からブローバイ
ガスとしてクランクケース内に漏洩する。この燃焼ガス
中には窒素酸化物ガスがかなり高濃度で含まれており、
これがブローバイガス中の酸素と共に内燃機関用潤滑油
を劣化させる。近年における内燃機関の高性能化によ
り、クランクケース内に漏洩する窒素酸化物ガスの濃度
が増加する傾向にある。したがって、内燃機関用潤滑油
には、上記の要求性能を満たし、窒素酸化物ガス含有空
気雰囲気下においても劣化を生じないために、例えば、
摩耗防止剤、金属清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤など
の種々の添加剤が配合されている。内燃機関用潤滑油の
基本的機能として、特に、あらゆる条件下で機関を円滑
に作動させ、摩耗、焼付き防止を行うことが重要であ
る。内燃機関内の潤滑部は、大部分が流体潤滑状態にあ
るが、動弁系やピストンの上下死点などでは境界潤滑状
態となりやすく、このような境界潤滑状態における摩耗
防止性は、一般にジチオりん酸亜鉛の添加によって付与
されている。内燃機関では、潤滑油が関与する摩擦部分
でのエネルギー損失が大きいために、摩擦損失低減や燃
費低減対策として、摩擦調整剤が潤滑油に添加されてい
る。この摩擦調整剤としては、例えば、有機モリブデン
化合物、脂肪酸エステル、アルキルアミンなどが一般に
用いられている。一方、有機モリブデン化合物は、金属
表面に吸着した後、熱分解して、潤滑作用をする二硫化
モリブデンを形成することにより、摩擦を低減すること
が知られている。
ーステアリングなどの駆動系機器、ギヤなどには、その
作動を円滑にするために潤滑油が用いられる。特に内燃
機関用潤滑油は、主としてピストンリングとシリンダラ
イナ、クランク軸やコネクティングロッドの軸受、カム
とバルブリフタを含む動弁機構など、各種摺動部分の潤
滑のほか、内燃機関内の冷却や燃焼生成物の清浄分散、
さらには錆や腐食を防止するなどの作用を果たす。この
ように、内燃機関用潤滑油には多様な性能が要求され、
しかも近年の内燃機関の低燃費化、高出力化、運転条件
の過酷化などの高性能化に伴い、高度な潤滑油性能が要
求されてきている。一方、内燃機関における燃焼ガス
は、その一部がピストンとシリンダの間からブローバイ
ガスとしてクランクケース内に漏洩する。この燃焼ガス
中には窒素酸化物ガスがかなり高濃度で含まれており、
これがブローバイガス中の酸素と共に内燃機関用潤滑油
を劣化させる。近年における内燃機関の高性能化によ
り、クランクケース内に漏洩する窒素酸化物ガスの濃度
が増加する傾向にある。したがって、内燃機関用潤滑油
には、上記の要求性能を満たし、窒素酸化物ガス含有空
気雰囲気下においても劣化を生じないために、例えば、
摩耗防止剤、金属清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤など
の種々の添加剤が配合されている。内燃機関用潤滑油の
基本的機能として、特に、あらゆる条件下で機関を円滑
に作動させ、摩耗、焼付き防止を行うことが重要であ
る。内燃機関内の潤滑部は、大部分が流体潤滑状態にあ
るが、動弁系やピストンの上下死点などでは境界潤滑状
態となりやすく、このような境界潤滑状態における摩耗
防止性は、一般にジチオりん酸亜鉛の添加によって付与
されている。内燃機関では、潤滑油が関与する摩擦部分
でのエネルギー損失が大きいために、摩擦損失低減や燃
費低減対策として、摩擦調整剤が潤滑油に添加されてい
る。この摩擦調整剤としては、例えば、有機モリブデン
化合物、脂肪酸エステル、アルキルアミンなどが一般に
用いられている。一方、有機モリブデン化合物は、金属
表面に吸着した後、熱分解して、潤滑作用をする二硫化
モリブデンを形成することにより、摩擦を低減すること
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、鋭意研究の結果、摩擦調整剤は使用開始
初期には添加効果が認められるが、空気中の酸素による
酸化劣化を受けるとその効果を喪失し、特に窒素酸化物
ガスの存在下ではその効果の低減が著しいという点をみ
いだし、窒素酸化物ガスの影響を受けることなく、内燃
機関の摩擦低減効果を長期にわたって維持することがで
きる潤滑油組成物を提供することを目的としてなされた
ものである。
事情のもとで、鋭意研究の結果、摩擦調整剤は使用開始
初期には添加効果が認められるが、空気中の酸素による
酸化劣化を受けるとその効果を喪失し、特に窒素酸化物
ガスの存在下ではその効果の低減が著しいという点をみ
いだし、窒素酸化物ガスの影響を受けることなく、内燃
機関の摩擦低減効果を長期にわたって維持することがで
きる潤滑油組成物を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の好ま
しい性質を有する潤滑油組成物を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、潤滑油基油に対して、特定の炭化水素基を
有するジチオカルバミン酸モリブデン、特定の炭化水素
基を有するジチオりん酸亜鉛、及び特定のアルキル基を
有するジアルキルジチオカルバミン酸アンチモン又はジ
アルキルジチオりん酸アンチモンを、それぞれ特定の割
合で配合してなる潤滑油組成物が、その目的に適合し得
ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、潤滑油基油に対し
て、(A)炭素数が8〜18の炭化水素基を有するジチ
オカルバミン酸モリブデン、(B)炭素数が1〜18の
炭化水素基を有するジチオりん酸亜鉛、並びに(C)炭
素数が2〜18のアルキル基を有するジアルキルジチオ
カルバミン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオり
ん酸アンチモンを配合してなる潤滑油組成物であって、
組成物全重量に基づき、ジチオカルバミン酸モリブデン
に由来するモリブデンの量が200〜2000ppm(重
量比)であり、ジチオりん酸亜鉛に由来するりんの量が
0.02〜0.15重量%であり、ジアルキルジチオカル
バミン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオりん酸
アンチモンに由来するアンチモンの量が0.012〜0.
20重量%であることを特徴とする潤滑油組成物を提供
するものである。
しい性質を有する潤滑油組成物を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、潤滑油基油に対して、特定の炭化水素基を
有するジチオカルバミン酸モリブデン、特定の炭化水素
基を有するジチオりん酸亜鉛、及び特定のアルキル基を
有するジアルキルジチオカルバミン酸アンチモン又はジ
アルキルジチオりん酸アンチモンを、それぞれ特定の割
合で配合してなる潤滑油組成物が、その目的に適合し得
ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、潤滑油基油に対し
て、(A)炭素数が8〜18の炭化水素基を有するジチ
オカルバミン酸モリブデン、(B)炭素数が1〜18の
炭化水素基を有するジチオりん酸亜鉛、並びに(C)炭
素数が2〜18のアルキル基を有するジアルキルジチオ
カルバミン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオり
ん酸アンチモンを配合してなる潤滑油組成物であって、
組成物全重量に基づき、ジチオカルバミン酸モリブデン
に由来するモリブデンの量が200〜2000ppm(重
量比)であり、ジチオりん酸亜鉛に由来するりんの量が
0.02〜0.15重量%であり、ジアルキルジチオカル
バミン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオりん酸
アンチモンに由来するアンチモンの量が0.012〜0.
20重量%であることを特徴とする潤滑油組成物を提供
するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
潤滑油組成物に用いられる潤滑油基油については特に制
限はなく、従来潤滑油の基油として慣用されているも
の、例えば、鉱油や合成油を使用することができる。鉱
油としては、潤滑油原料をフェノール、フルフラールな
どの芳香族抽出溶剤を用いて溶剤精製して得られるラフ
ィネート、水素化処理により得られる水素化処理油、又
はワックスの異性化により得られる潤滑油留分などの鉱
油、例えば、60ニュートラル油、100ニュートラル
油、150ニュートラル油、300ニュートラル油、5
00ニュートラル油、ブライトストックなどを挙げるこ
とができる。一方、合成油としては、例えば、ポリα−
オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキルベンゼ
ン、ポリオールエステル、ポリグリコールエステル、二
塩基酸エステル、りん酸エステル、シリコーン油などを
挙げることができる。これらの基油はそれぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、
また鉱油と合成油とを混合使用してもよい。本発明の潤
滑油組成物に用いられる基油としては、100℃におけ
る粘度が3〜20cStの範囲にあるものが好適であ
り、なかでも、芳香族成分3重量%以下、硫黄分50pp
m以下及び窒素分50ppm以下の水素化分解油及び/又は
ワックス異性化油が特に好適である。
潤滑油組成物に用いられる潤滑油基油については特に制
限はなく、従来潤滑油の基油として慣用されているも
の、例えば、鉱油や合成油を使用することができる。鉱
油としては、潤滑油原料をフェノール、フルフラールな
どの芳香族抽出溶剤を用いて溶剤精製して得られるラフ
ィネート、水素化処理により得られる水素化処理油、又
はワックスの異性化により得られる潤滑油留分などの鉱
油、例えば、60ニュートラル油、100ニュートラル
油、150ニュートラル油、300ニュートラル油、5
00ニュートラル油、ブライトストックなどを挙げるこ
とができる。一方、合成油としては、例えば、ポリα−
オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキルベンゼ
ン、ポリオールエステル、ポリグリコールエステル、二
塩基酸エステル、りん酸エステル、シリコーン油などを
挙げることができる。これらの基油はそれぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、
また鉱油と合成油とを混合使用してもよい。本発明の潤
滑油組成物に用いられる基油としては、100℃におけ
る粘度が3〜20cStの範囲にあるものが好適であ
り、なかでも、芳香族成分3重量%以下、硫黄分50pp
m以下及び窒素分50ppm以下の水素化分解油及び/又は
ワックス異性化油が特に好適である。
【0006】本発明の潤滑油組成物に配合するジチオカ
ルバミン酸モリブデンとしては、一般式[1]
ルバミン酸モリブデンとしては、一般式[1]
【化1】 (ただし、式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ炭素
数8〜18の炭化水素基であり、それらはたがいに同一
でも異なっていてもよく、XはS又はOである。)で表
される化合物を用いる。一般式[1]において、R1、
R2、R3及びR4は炭素数8〜18の炭化水素基であ
り、炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル
基又はアルケニル基、炭素数8〜18のシクロアルキル
基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアル
キル基などが挙げられる。このようなものの具体例とし
ては2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、ステアリル基、オレイル基、ブチ
ルフェニル基、ノニルフェニル基などが挙げられる。好
ましい炭化水素基は、炭素数が8〜13の炭化水素基で
ある。一般式[1]で表されるジチオカルバミン酸モリ
ブデンの炭化水素基R1、R2、R3及びR4の炭素数が8
未満であっても、18を超えても、潤滑油組成物におけ
るジチオカルバミン酸モリブデンの相溶性が十分でなく
なるおそれがある。本発明の潤滑油組成物においては、
ジチオカルバミン酸モリブデンは1種を用いることがで
き、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。本発明の潤滑油組成物において、ジチオカルバミ
ン酸モリブデンは、組成物全重量に基づき、ジチオカル
バミン酸モリブデンに由来するモリブテンの量が200
〜2000ppm(重量比)となるよう、好ましくは30
0〜800ppm(重量比)となるよう配合する。ジチオ
カルバミン酸モリブデンの配合量が、組成物全重量に基
づきジチオカルバミン酸モリブデンに由来するモリブテ
ンの量が200ppm(重量比)未満となる量であると、
摩擦特性(低摩擦性)の向上効果が十分に発揮されない
し、ジチオカルバミン酸モリブデンの配合量が、組成物
全重量に基づきジチオカルバミン酸モリブデンに由来す
るモリブテンの量が2000ppm(重量比)を超える量
であると、その配合量の増加に見合う効果の向上が認め
られず、またスラッジなどの原因となりやすい。
数8〜18の炭化水素基であり、それらはたがいに同一
でも異なっていてもよく、XはS又はOである。)で表
される化合物を用いる。一般式[1]において、R1、
R2、R3及びR4は炭素数8〜18の炭化水素基であ
り、炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル
基又はアルケニル基、炭素数8〜18のシクロアルキル
基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアル
キル基などが挙げられる。このようなものの具体例とし
ては2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、ステアリル基、オレイル基、ブチ
ルフェニル基、ノニルフェニル基などが挙げられる。好
ましい炭化水素基は、炭素数が8〜13の炭化水素基で
ある。一般式[1]で表されるジチオカルバミン酸モリ
ブデンの炭化水素基R1、R2、R3及びR4の炭素数が8
未満であっても、18を超えても、潤滑油組成物におけ
るジチオカルバミン酸モリブデンの相溶性が十分でなく
なるおそれがある。本発明の潤滑油組成物においては、
ジチオカルバミン酸モリブデンは1種を用いることがで
き、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。本発明の潤滑油組成物において、ジチオカルバミ
ン酸モリブデンは、組成物全重量に基づき、ジチオカル
バミン酸モリブデンに由来するモリブテンの量が200
〜2000ppm(重量比)となるよう、好ましくは30
0〜800ppm(重量比)となるよう配合する。ジチオ
カルバミン酸モリブデンの配合量が、組成物全重量に基
づきジチオカルバミン酸モリブデンに由来するモリブテ
ンの量が200ppm(重量比)未満となる量であると、
摩擦特性(低摩擦性)の向上効果が十分に発揮されない
し、ジチオカルバミン酸モリブデンの配合量が、組成物
全重量に基づきジチオカルバミン酸モリブデンに由来す
るモリブテンの量が2000ppm(重量比)を超える量
であると、その配合量の増加に見合う効果の向上が認め
られず、またスラッジなどの原因となりやすい。
【0007】本発明の潤滑油組成物に配合するジチオり
ん酸亜鉛としては、一般式[2]
ん酸亜鉛としては、一般式[2]
【化2】 (ただし、式中、R5、R6、R7及びR8は炭素数1〜1
8の炭化水素基であり、それらはたがいに同一でも異な
っていてもよい。)で表される化合物を用いる。一般式
[2]において、R5、R6、R7及びR8は、炭素数1〜
18の炭化水素基であり、炭素数1〜18の直鎖状又は
分岐状のアルキル基又はアルケニル基、炭素数6〜18
のシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール
基、又はアリールアルキル基等が挙げられる。このよう
なものの具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、ステアリル基、オレイル基、ブチルフェ
ニル基、ノニルフェニル基などが挙げられる。好ましい
炭化水素基は、炭素数が3〜12の炭化水素基である。
一般式[2]で表されるジチオりん酸亜鉛の炭化水素基
R5、R6、R7及びR8の炭素数が18を超えると、潤滑
油組成物における摩耗防止効果が十分でなくなる場合が
ある。本発明の潤滑油組成物において、ジチオりん酸亜
鉛は、組成物全重量に基づき、ジチオりん酸亜鉛に由来
するりんの量が0.02〜0.15重量%となるよう、好
ましくは0.04〜0.12重量%となるよう配合する。
ジチオりん酸亜鉛の配合量が、組成物全重量に基づきジ
チオりん酸亜鉛に由来するりんの量が0.02重量%未
満となる量であると、耐摩耗性が不十分となる上、高油
温かつ低速回転の運転条件下で満足しうる低摩擦性が得
られないし、ジチオりん酸亜鉛の配合量が、組成物全重
量に基づきジチオりん酸亜鉛に由来するりんの量が0.
15重量%を超えると、その配合量の増加に見合う効果
の向上が認められない。
8の炭化水素基であり、それらはたがいに同一でも異な
っていてもよい。)で表される化合物を用いる。一般式
[2]において、R5、R6、R7及びR8は、炭素数1〜
18の炭化水素基であり、炭素数1〜18の直鎖状又は
分岐状のアルキル基又はアルケニル基、炭素数6〜18
のシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール
基、又はアリールアルキル基等が挙げられる。このよう
なものの具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、ステアリル基、オレイル基、ブチルフェ
ニル基、ノニルフェニル基などが挙げられる。好ましい
炭化水素基は、炭素数が3〜12の炭化水素基である。
一般式[2]で表されるジチオりん酸亜鉛の炭化水素基
R5、R6、R7及びR8の炭素数が18を超えると、潤滑
油組成物における摩耗防止効果が十分でなくなる場合が
ある。本発明の潤滑油組成物において、ジチオりん酸亜
鉛は、組成物全重量に基づき、ジチオりん酸亜鉛に由来
するりんの量が0.02〜0.15重量%となるよう、好
ましくは0.04〜0.12重量%となるよう配合する。
ジチオりん酸亜鉛の配合量が、組成物全重量に基づきジ
チオりん酸亜鉛に由来するりんの量が0.02重量%未
満となる量であると、耐摩耗性が不十分となる上、高油
温かつ低速回転の運転条件下で満足しうる低摩擦性が得
られないし、ジチオりん酸亜鉛の配合量が、組成物全重
量に基づきジチオりん酸亜鉛に由来するりんの量が0.
15重量%を超えると、その配合量の増加に見合う効果
の向上が認められない。
【0008】本発明の潤滑油組成物に配合するジアルキ
ルジチオカルバミン酸アンチモンとしては、一般式
[3]
ルジチオカルバミン酸アンチモンとしては、一般式
[3]
【化3】 (ただし、式中、R9及びR10は炭素数が2〜18のア
ルキル基であり、それらはたがいに同一でも異なってい
てもよい。)で表される化合物、及び/又は、一般式
[4]
ルキル基であり、それらはたがいに同一でも異なってい
てもよい。)で表される化合物、及び/又は、一般式
[4]
【化4】 (ただし、式中、R11及びR12は炭素数2〜18のアル
キル基であり、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよい。)で表されるジアルキルジチオりん酸アンチモ
ンを用いる。一般式[3]及び一般式[4]において、
R9、R10、R11及びR12で表される炭素数2〜18の
アルキル基は、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基又はオクタデシル基であって、これ
らのアルキル基は直鎖状であっても、分岐状であっても
よい。一般式[3]及び一般式[4]で表されるジアル
キルジチオカルバミン酸アンチモン及びジアルキルジチ
オりん酸アンチモンのアルキル基R9、R10、R11及び
R12の炭素数が18を超えると、潤滑油組成物における
ジアルキルジチオカルバミン酸アンチモン及びジアルキ
ルジチオりん酸アンチモンの基油への溶解性が大きくな
り、摩擦面への硫黄供給機能が十分でなくなるおそれが
ある。
キル基であり、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよい。)で表されるジアルキルジチオりん酸アンチモ
ンを用いる。一般式[3]及び一般式[4]において、
R9、R10、R11及びR12で表される炭素数2〜18の
アルキル基は、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基又はオクタデシル基であって、これ
らのアルキル基は直鎖状であっても、分岐状であっても
よい。一般式[3]及び一般式[4]で表されるジアル
キルジチオカルバミン酸アンチモン及びジアルキルジチ
オりん酸アンチモンのアルキル基R9、R10、R11及び
R12の炭素数が18を超えると、潤滑油組成物における
ジアルキルジチオカルバミン酸アンチモン及びジアルキ
ルジチオりん酸アンチモンの基油への溶解性が大きくな
り、摩擦面への硫黄供給機能が十分でなくなるおそれが
ある。
【0009】本発明の潤滑油組成物において、ジアルキ
ルジチオカルバミン酸アンチモン及び/又はジアルキル
ジチオりん酸アンチモンは、組成物全重量に基づき、ジ
アルキルジチオカルバミン酸アンチモン及び/又はジア
ルキルジチオりん酸アンチモンに由来するアンチモンの
量が0.012〜0.20重量%となるよう、好ましくは
0.02〜0.15重量%となるよう配合する。ジアルキ
ルジチオカルバミン酸アンチモン及び/又はジアルキル
ジチオりん酸アンチモンの配合量が、組成物全重量に基
づきジアルキルジチオカルバミン酸アンチモン及び/又
はジアルキルジチオりん酸アンチモンに由来するアンチ
モンの量が0.012重量%未満となる量であると、摩
擦面への硫黄及びアンチモン供給機能が不十分となり、
内燃機関の摩擦低減効果を長期にわたって維持すること
ができないし、ジアルキルジチオカルバミン酸アンチモ
ン及び/又はジアルキルジチオりん酸アンチモンの配合
量が、組成物全重量に基づきジアルキルジチオカルバミ
ン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオりん酸アン
チモンに由来するアンチモンの量が0.20重量%を超
える量であると、その配合量の増加に見合う効果の向上
が認められない。本発明の潤滑油組成物においては、ジ
アルキルジチオカルバミン酸アンチモン又はジアルキル
ジチオりん酸アンチモンから供給される硫黄がジチオり
ん酸亜鉛の消耗による硫黄供給機能低下を補って硫化モ
リブデンを生成し、硫化モリブデン被膜の修復能力を強
化し、さらに摩擦面に生成する硫化モリブデンと三酸化
アンチモンの相乗効果により強固な硫化モリブデン膜が
生成する。
ルジチオカルバミン酸アンチモン及び/又はジアルキル
ジチオりん酸アンチモンは、組成物全重量に基づき、ジ
アルキルジチオカルバミン酸アンチモン及び/又はジア
ルキルジチオりん酸アンチモンに由来するアンチモンの
量が0.012〜0.20重量%となるよう、好ましくは
0.02〜0.15重量%となるよう配合する。ジアルキ
ルジチオカルバミン酸アンチモン及び/又はジアルキル
ジチオりん酸アンチモンの配合量が、組成物全重量に基
づきジアルキルジチオカルバミン酸アンチモン及び/又
はジアルキルジチオりん酸アンチモンに由来するアンチ
モンの量が0.012重量%未満となる量であると、摩
擦面への硫黄及びアンチモン供給機能が不十分となり、
内燃機関の摩擦低減効果を長期にわたって維持すること
ができないし、ジアルキルジチオカルバミン酸アンチモ
ン及び/又はジアルキルジチオりん酸アンチモンの配合
量が、組成物全重量に基づきジアルキルジチオカルバミ
ン酸アンチモン及び/又はジアルキルジチオりん酸アン
チモンに由来するアンチモンの量が0.20重量%を超
える量であると、その配合量の増加に見合う効果の向上
が認められない。本発明の潤滑油組成物においては、ジ
アルキルジチオカルバミン酸アンチモン又はジアルキル
ジチオりん酸アンチモンから供給される硫黄がジチオり
ん酸亜鉛の消耗による硫黄供給機能低下を補って硫化モ
リブデンを生成し、硫化モリブデン被膜の修復能力を強
化し、さらに摩擦面に生成する硫化モリブデンと三酸化
アンチモンの相乗効果により強固な硫化モリブデン膜が
生成する。
【0010】本発明の潤滑油組成物には、本発明の目的
が損なわれない範囲で、従来潤滑油に慣用されている各
種添加剤、例えば、他の摩擦調整剤、金属清浄剤、他の
摩耗防止剤、無灰分散剤、酸化防止剤、粘度指数向上
剤、流動点降下剤、消泡剤、防錆剤、腐食防止剤などを
適宜配合することができる。他の摩擦調整剤としては、
例えば、多価アルコール部分エステル、アミン、アミ
ド、硫化エステルなどを挙げることができる。金属清浄
剤としては、例えば、カルシウムスルホネート、マグネ
シウムスルホネート、カルシウムフェネート、マグネシ
ウムフェネート、カルシウムサリシレート、マグネシウ
ムサリシレートなどを挙げることができ、これらは通常
0.1〜5重量%の割合で使用される。他の摩耗防止剤
としては、例えば、チオりん酸金属塩、硫黄化合物、り
ん酸エステル、亜りん酸エステルなどを挙げることがで
き、これらは通常0.05〜5.0重量%の割合で使用さ
れる。無灰分散剤としては、例えば、ベンジルアミン、
ベンジルアミンのホウ素誘導体、ポリアルケニルコハク
酸イミド、ポリアルケニルコハク酸イミドのホウ素誘導
体などを挙げることができ、これらは、通常0.5〜7
重量%の割合で使用される。酸化防止剤としては、例え
ば、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフ
チルアミン、アルキル化−α−ナフチルアミンなどのア
ミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t
−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(6−t−
ブチル−o−クレゾール)などのフェノール系酸化防止
剤などを挙げることができ、これは、通常0.05〜4
重量%の割合で使用される。粘度指数向上剤としては、
例えば、ポリメタクリレート系、ポリイソブチレン系、
エチレン−プロピレン共重合体系、スチレン−ブタジエ
ン水添共重合体系などを挙げることができ、これらは、
通常0.5〜35重量%の割合で使用される。流動点降
下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、
塩素化パラフィン−ナフタレン縮合物、アルキル化ポリ
スチレンなどを挙げることができる。消泡剤としては、
例えば、ジメチルポリシロキサンやポリアクリル酸など
を挙げることができる。防錆剤としては、例えば、脂肪
酸、アルケニルコハク酸部分エステル、脂肪酸セッケ
ン、アルキルスルホン酸塩、脂肪酸多価アルコールエス
テル、脂肪酸アミン、酸化パラフィン、アルキルポリオ
キシエチレンエーテルなどを挙げることができる。腐食
防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールやベンゾ
イミダゾールなどを挙げることができる。
が損なわれない範囲で、従来潤滑油に慣用されている各
種添加剤、例えば、他の摩擦調整剤、金属清浄剤、他の
摩耗防止剤、無灰分散剤、酸化防止剤、粘度指数向上
剤、流動点降下剤、消泡剤、防錆剤、腐食防止剤などを
適宜配合することができる。他の摩擦調整剤としては、
例えば、多価アルコール部分エステル、アミン、アミ
ド、硫化エステルなどを挙げることができる。金属清浄
剤としては、例えば、カルシウムスルホネート、マグネ
シウムスルホネート、カルシウムフェネート、マグネシ
ウムフェネート、カルシウムサリシレート、マグネシウ
ムサリシレートなどを挙げることができ、これらは通常
0.1〜5重量%の割合で使用される。他の摩耗防止剤
としては、例えば、チオりん酸金属塩、硫黄化合物、り
ん酸エステル、亜りん酸エステルなどを挙げることがで
き、これらは通常0.05〜5.0重量%の割合で使用さ
れる。無灰分散剤としては、例えば、ベンジルアミン、
ベンジルアミンのホウ素誘導体、ポリアルケニルコハク
酸イミド、ポリアルケニルコハク酸イミドのホウ素誘導
体などを挙げることができ、これらは、通常0.5〜7
重量%の割合で使用される。酸化防止剤としては、例え
ば、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフ
チルアミン、アルキル化−α−ナフチルアミンなどのア
ミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t
−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(6−t−
ブチル−o−クレゾール)などのフェノール系酸化防止
剤などを挙げることができ、これは、通常0.05〜4
重量%の割合で使用される。粘度指数向上剤としては、
例えば、ポリメタクリレート系、ポリイソブチレン系、
エチレン−プロピレン共重合体系、スチレン−ブタジエ
ン水添共重合体系などを挙げることができ、これらは、
通常0.5〜35重量%の割合で使用される。流動点降
下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、
塩素化パラフィン−ナフタレン縮合物、アルキル化ポリ
スチレンなどを挙げることができる。消泡剤としては、
例えば、ジメチルポリシロキサンやポリアクリル酸など
を挙げることができる。防錆剤としては、例えば、脂肪
酸、アルケニルコハク酸部分エステル、脂肪酸セッケ
ン、アルキルスルホン酸塩、脂肪酸多価アルコールエス
テル、脂肪酸アミン、酸化パラフィン、アルキルポリオ
キシエチレンエーテルなどを挙げることができる。腐食
防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールやベンゾ
イミダゾールなどを挙げることができる。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限
定されるものではない。なお、潤滑油組成物の摩擦係数
は、往復動すべり摩擦試験機[SRV摩擦試験機]を用
い、振動数50Hz、振幅3mm、荷重25N、温度80
℃、試験時間25分において測定した。また、窒素酸化
物ガス含有空気による酸化試験は、試験油150mlにつ
いて、温度130℃、窒素酸化物ガスの濃度1容量%
(空気99容量%)、流速2リットル/時、試験時間8
時間で行った。 実施例1〜7及び比較例1〜3 実施例1〜7は、(A)ジチオカルバミン酸モリブデ
ン、(B)ジチオりん酸亜鉛、(C)ジアルキルジチオ
カルバミン酸アンチモン又はジアルキルジチオりん酸ア
ンチモン及びその他の添加剤(金属清浄剤、無灰分散
剤、粘度指数向上剤)を配合した潤滑油組成物である。
また、比較例1〜3は、(A)成分、(B)成分及びそ
の他の添加剤は含有するが、(C)成分を含有しない潤
滑油組成物である。基油(100ニュートラル油、10
0℃における動粘度は4.4mm/s2)に対し、第1表に
示す種類と量の各配合成分及びその他の添加剤成分を含
有する潤滑油組成物を調製し、調整直後の摩擦係数、及
び、窒素酸化物ガスの存在下、130℃で8時間保持し
て酸化したのちの摩擦係数を測定した。結果を第1表に
示す。
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限
定されるものではない。なお、潤滑油組成物の摩擦係数
は、往復動すべり摩擦試験機[SRV摩擦試験機]を用
い、振動数50Hz、振幅3mm、荷重25N、温度80
℃、試験時間25分において測定した。また、窒素酸化
物ガス含有空気による酸化試験は、試験油150mlにつ
いて、温度130℃、窒素酸化物ガスの濃度1容量%
(空気99容量%)、流速2リットル/時、試験時間8
時間で行った。 実施例1〜7及び比較例1〜3 実施例1〜7は、(A)ジチオカルバミン酸モリブデ
ン、(B)ジチオりん酸亜鉛、(C)ジアルキルジチオ
カルバミン酸アンチモン又はジアルキルジチオりん酸ア
ンチモン及びその他の添加剤(金属清浄剤、無灰分散
剤、粘度指数向上剤)を配合した潤滑油組成物である。
また、比較例1〜3は、(A)成分、(B)成分及びそ
の他の添加剤は含有するが、(C)成分を含有しない潤
滑油組成物である。基油(100ニュートラル油、10
0℃における動粘度は4.4mm/s2)に対し、第1表に
示す種類と量の各配合成分及びその他の添加剤成分を含
有する潤滑油組成物を調製し、調整直後の摩擦係数、及
び、窒素酸化物ガスの存在下、130℃で8時間保持し
て酸化したのちの摩擦係数を測定した。結果を第1表に
示す。
【0012】
【表1】
【0013】(注) C8−MoDTC:N,N−ジオクチルジチオカルバミン
酸モリブデン C13−MoDTC:N,N−ジトリデシルジチオカルバ
ミン酸モリブデン C8−ZnDTP(第1級):ジ−2−エチルヘキシルジ
チオりん酸亜鉛 C6−ZnDTP(第2級):ジ−1−エチルブチルジチ
オりん酸亜鉛 SbDTC:N,N−ジ−2−エチルヘキシルジチオカ
ルバミン酸アンチモン SbDTP:ジヘキシルジチオりん酸アンチモン 実施例1〜7の本発明の潤滑油組成物は、いずれも摩擦
係数が低く良好な摩擦特性を示し、かつ、窒素酸化物ガ
スの存在下、130℃で8時間加熱して酸化したのち
も、摩擦係数はほとんど変化なく、これらの潤滑油組成
物は良好な耐酸化性を有していることが分かる。これに
対して、(C)成分であるアンチモン化合物を含有しな
い比較例1〜3の潤滑油組成物は、調製直後の摩擦係数
は低いが、窒素酸化物ガスの存在下、130℃で8時間
加熱して酸化したのちには摩擦係数が高くなり、耐酸化
性に劣っていることが分かる。
酸モリブデン C13−MoDTC:N,N−ジトリデシルジチオカルバ
ミン酸モリブデン C8−ZnDTP(第1級):ジ−2−エチルヘキシルジ
チオりん酸亜鉛 C6−ZnDTP(第2級):ジ−1−エチルブチルジチ
オりん酸亜鉛 SbDTC:N,N−ジ−2−エチルヘキシルジチオカ
ルバミン酸アンチモン SbDTP:ジヘキシルジチオりん酸アンチモン 実施例1〜7の本発明の潤滑油組成物は、いずれも摩擦
係数が低く良好な摩擦特性を示し、かつ、窒素酸化物ガ
スの存在下、130℃で8時間加熱して酸化したのち
も、摩擦係数はほとんど変化なく、これらの潤滑油組成
物は良好な耐酸化性を有していることが分かる。これに
対して、(C)成分であるアンチモン化合物を含有しな
い比較例1〜3の潤滑油組成物は、調製直後の摩擦係数
は低いが、窒素酸化物ガスの存在下、130℃で8時間
加熱して酸化したのちには摩擦係数が高くなり、耐酸化
性に劣っていることが分かる。
【0014】
【発明の効果】本発明の潤滑油組成物は、基油に対し
て、特定構造のジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオ
りん酸亜鉛及びジアルキルジチオカルバミン酸アンチモ
ン及び/又はジアルキルジチオりん酸アンチモンを配合
することによって、優れた低摩耗性を有するとともに、
窒素酸化物ガスの存在下においても耐酸化性を発揮して
良好な摩擦特性(低摩擦性)を持続し、内燃機関、自動
変速機、緩衝器、パワーステアリングなどの潤滑油、特
に、内燃機関用潤滑油として好適に用いることができ、
良好な燃料消費率を持続することができる。
て、特定構造のジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオ
りん酸亜鉛及びジアルキルジチオカルバミン酸アンチモ
ン及び/又はジアルキルジチオりん酸アンチモンを配合
することによって、優れた低摩耗性を有するとともに、
窒素酸化物ガスの存在下においても耐酸化性を発揮して
良好な摩擦特性(低摩擦性)を持続し、内燃機関、自動
変速機、緩衝器、パワーステアリングなどの潤滑油、特
に、内燃機関用潤滑油として好適に用いることができ、
良好な燃料消費率を持続することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:04 10:10 10:12 30:06 30:10 40:04 40:25
Claims (1)
- 【請求項1】潤滑油基油に対して、(A)炭素数が8〜
18の炭化水素基を有するジチオカルバミン酸モリブデ
ン、(B)炭素数が1〜18の炭化水素基を有するジチ
オりん酸亜鉛、並びに(C)炭素数が2〜18のアルキ
ル基を有するジアルキルジチオカルバミン酸アンチモン
及び/又はジアルキルジチオりん酸アンチモンを配合し
てなる潤滑油組成物であって、組成物全重量に基づき、
ジチオカルバミン酸モリブデンに由来するモリブデンの
量が200〜2000ppm(重量比)であり、ジチオり
ん酸亜鉛に由来するりんの量が0.02〜0.15重量%
であり、ジアルキルジチオカルバミン酸アンチモン及び
/又はジアルキルジチオりん酸アンチモンに由来するア
ンチモンの量が0.012〜0.20重量%であることを
特徴とする潤滑油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3317595A JPH08209173A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 潤滑油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3317595A JPH08209173A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 潤滑油組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08209173A true JPH08209173A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=12379192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3317595A Pending JPH08209173A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 潤滑油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08209173A (ja) |
-
1995
- 1995-01-30 JP JP3317595A patent/JPH08209173A/ja active Pending
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