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JPH071835A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

Info

Publication number
JPH071835A
JPH071835A JP6055750A JP5575094A JPH071835A JP H071835 A JPH071835 A JP H071835A JP 6055750 A JP6055750 A JP 6055750A JP 5575094 A JP5575094 A JP 5575094A JP H071835 A JPH071835 A JP H071835A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
parts
recording sheet
ink jet
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6055750A
Other languages
English (en)
Inventor
Kosuke Someya
浩介 染矢
Futoshi Hoshino
太 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP01702593A external-priority patent/JP3281085B2/ja
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP6055750A priority Critical patent/JPH071835A/ja
Publication of JPH071835A publication Critical patent/JPH071835A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 多孔質樹脂粒子を含有する事を特徴とするイ
ンクジェット記録シート。 【効果】 従来のインクジェット記録シート(紙、フィ
ルム等)に比べ表面部分に於ける単位体積あたりのイン
ク吸収量が増しているため、より高解像度、高速度のイ
ンクジェット印字に対応できる。また無機系の多孔質粒
子を含有させた場合に比して、印字濃度や鮮明さの経時
変化が少なく、軽量で、高速・長期間印字時に印字機器
を傷めないインクジェット記録シートを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷時の文字の滲みや
裏抜けが少なく、鮮明で高解像度の印刷が可能で、印字
濃度や鮮明さの経時変化が少なく、且つ印字部のインク
の乾燥が速く、未乾燥のインクによる汚損の起こりにく
い、インクジェット印刷用の記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紙やOHPフィルム等の基材に文
字や画像を印字・印刷する為の色々な技術が提唱されて
いる。これらの技術は多種多様であるが、事務所や一般
家庭に於いて高度な専門知識や技術を要せず、一般的に
普及している印字・印刷技術は多くはない。一般的に普
及した印字・印刷技術の例としては、伝票発行用プリン
ター等に用いられるドット・インパクト方式、個人用ワ
ードプロセッサー等に用いられる熱転写方式、ファクシ
ミリ等に用いられる感熱印字方式、コピー機等に用いら
れる電子写真方式などがあるが、近年最も一般家庭・事
務所等に於いて普及しつつあるものがインクジェット方
式である。
【0003】インクジェット方式とは、基本的には、水
性、油性或いは溶剤性のインク液滴を微細なノズルより
噴射し、紙等の被印字面に付着させ、文字又は画像とし
ての情報を得る方式である。このインクジェット方式
も、インク液滴の発生方法、インク液滴の付着方法、或
いはインクの種類などから分類されうる様々な方式が提
唱されており、これらの技術を応用したインクジェット
・プリンターが数多く製品化されている。
【0004】インクジェット方式の長所は、他の方式と
比べ、(1)被印字体の形状や種類の制限が少なく、感
熱紙など特別な用紙等を必要としない。また、印字媒体
(インク)の消費は印字部に限って行われ、かつまた印
字媒体の補給は通常インクを補給するだけで良く、更に
特殊な用紙や装置を用いることなく両面印刷が可能であ
り、印字コストが低い。(2)印字時に騒音をほとんど
発せず静粛であり、印字面と印字装置が機械的に接触し
ないので高速印刷が可能である。(3)印字装置が大が
かりでなく小型化が可能であり、装置の消費電力も小さ
い、等が挙げられる。即ち低コスト、静粛、小型の特徴
から、該方式は広く普及している。
【0005】しかしながら、インクジェット方式の短所
としては、液体状態のインクを被印字体に付着させると
いう、該方式の原理より(1)被印字体の表面状態によ
っては、印字の滲みやコントラストのムラが発生しやす
い。(2)印字直後に印字面に手を触れたり、印字済み
の用紙等を重ねたりした場合、未乾燥のインクが付着し
て周辺を汚損し易い、等が挙げられる。近年市場の要請
から、該方式もより高速、高解像度であることを求めら
れている。またカラー印刷等、複数の色のインクを重ね
て印字する事も多くなっている。
【0006】インクジェット印字をより高解像度にする
と、印字の大きさの最小単位であるドットの大きさが小
さくなる。これは噴射するインクの量の最小単位が小さ
くなる事でもある。従って被印字体に付着したインクが
被印字体の奥深く浸透する場合、被印字体表層付近の有
効なインク中の顔料・染料の量が減少し、印字のコント
ラストがより顕著に低下する。また、付着したインクが
被印字体の表層付近で横方向に拡がる場合、印字の滲み
となって解像度を低下させる。更に被印字体が薄かった
り、インクが被印字体の奥深くまで浸透すると、被印字
体の裏側に印字が抜き出てくる、いわゆる裏抜けが起こ
り易くなり、特に両面印刷の場合に印字画像の品質が大
幅に損なわれる。
【0007】コントラストの低下と滲みを防止するに
は、被印字体の表面を平滑にし、表層付近の細孔を減少
させる方法があるが、この方法では被印字体へのインク
の吸収が遅くなり、インクの乾燥に時間がかかり、印字
直後の印字部分に触れた物体を汚損したり、得られた印
字や画像情報を損なう事がある。またインクジェット方
式の場合、インクの粘度が低い事が必須であるため、被
印字体へのインクの吸収が遅い場合、噴射されたインク
がはねたり、未乾燥のインクが流れ落ちてしまう事もあ
り、これが印字の滲みの原因となる場合もある。これら
の事は印字の高速化についても障害となる。
【0008】またインクジェット方式によるカラー印刷
の場合、複数種のインクが順番に噴射されるので、被印
字体のインク吸収量が少ないと先に噴射された色のイン
クは被付着体に吸収され、後から噴射されたものは吸収
されず表面付近にとどまる。このため、後から噴射され
た色の方がより強く発色される事になり、最終的な色彩
が設定通りにならない事がある。
【0009】インク自体の改良で乾燥性を向上させる方
法もあるが、インクの非溶剤化、水性化によって寧ろ乾
燥性は低下する傾向にある。このような、インクジェッ
ト方式の高速化と高解像度化に関する相反する要因を解
決する手段としては、被印字体の表層付近を多孔質化
し、表層付近の吸水・吸油性を向上させる方法がある。
即ち、表層付近に充分なインクの吸収能力があれば、被
印字体全体の吸収能力の如何に関わらず、インクは全て
速やかに表層付近に吸収され、かつその場所に留まるた
め、上記の問題は解決される。被印字体の表層付近を多
孔質化する手段としてはコロイダルシリカ等の無機多孔
質粒子を被印字体に含有させたり、塗工する方法があ
る。しかしながら無機粒子は一般に硬質であり、印字装
置の走行系を傷めやすいと言う問題点がある。また、無
機粒子は比重が樹脂粒子と比して非常に大きいため、無
機粒子を使用した被印字体の重量が大きくなり、また、
樹脂粒子を用いた被印字体と同じ重量にすれば、無機粒
子の使用量が減少し、効果が少なくなると言う問題点が
あった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、より
高解像度、高速のインクジェット方式に対応できる、イ
ンクジェット記録シートを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決すべく鋭
意検討を重ねた結果、多孔質樹脂粒子が吸水・吸油性に
優れ、かつ、無機多孔質粒子と比べ軽量、軟質である事
から、本発明を完成させるに至ったものである。即ち、
多孔質樹脂粒子を含有する事を特徴とするインクジェッ
ト記録シートによって上記課題を解決することが出来
る。
【0012】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明に於て、多孔質樹脂粒子とは、乳化重合法、懸濁重
合法、分散重合法、その他の重合法によって得られたも
ので良く、また塊状の多孔質樹脂を粉砕したものでも良
い。樹脂の成分については例えばポリエステル樹脂、メ
タクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン共重合
体樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂及びこれ
らのブレンドなど特に限定されない。また、該樹脂粒子
を多孔質化する、もしくは多孔質化した樹脂を得る手段
についても特に限定されない。そのうち、乳化重合によ
って得られる多孔質樹脂粒子が好ましく、例えば特開平
2-70741 号公報に開示されている微粒子集合体エマルシ
ョン粒子が好ましい。更に本発明者らによる特開平5-22
2108号及び特願平5-112606号記載の乾燥時の構造が粒子
の表層部から内部を結ぶ貫通孔を1個以上有し、且つ粒
子直径が0.1〜5.0μである事を特徴とする多層構
造エマルション粒子ならより好ましい。
【0013】該多孔質樹脂粒子の粒子径は、0.05〜
100μ、好ましくは0.1〜50μ、より好ましくは
0.2〜20μである。粒子径0.05μ未満では粒子
を多孔質化する事が困難である。また100μ以上では
被印字体の表面の凹凸が大きくなり、被印字面の平滑性
を著しく損ない、本発明の目的に反する。
【0014】該多孔質樹脂粒子が多孔質化されているか
否かは、外見的には電子顕微鏡等を用いて知ることがで
きるが、多孔質化の程度は、水銀ポロシメーターによる
比表面積の測定によって確認することが出来る。またJ
IS K−5101に記載されている吸油量の測定によ
って確認することも出来る。これは粒子表面及び内部に
存在する細孔の毛細管現象により、同成分、同粒径の多
孔質でない粒子よりも多くの油を吸う事を利用してい
る。
【0015】このような多孔質樹脂粒子が被印字体シー
ト中に含有、もしくは該シート表面に塗工されることに
より、該シートの表面部がより微細に多孔質化される。
表面部が微細に多孔質化されれば、該シートの表面近傍
付近に於ける単位体積あたりの吸水・吸油量が増加す
る。この吸収能の向上した表面部分にノズルから噴射さ
れたインクが付着すれば直ちに吸収されるが、充分な吸
収能があるため、インクは奥深くまで浸透せずに、該シ
ートの表面付近で乾燥・固定されることになる。一方、
多孔質樹脂粒子を含有しなくとも、例えば未塗工の紙原
紙なども多孔質ではある。しかしこの場合、その「孔」
は紙の繊維同士の隙間であり、多孔質樹脂粒子の持つ
「孔」とは形状も大きさも異なり、また、繊維そのもの
に於いての単位体積あたりの吸収能は、多孔質樹脂粒子
や無機多孔質粒子と比べて、低い。従って紙原紙等の場
合、付着したインクは繊維同士の隙間を浸透していくこ
とになり、このため上述した、コントラスト低下や滲み
や裏抜けを発生させることになる。
【0016】またコロイダルシリカ等の無機多孔質粒子
を使用した場合、一般に硬質であることから、印字装置
の走行系を傷めやすく、高速印刷や、長期にわたる使用
において問題がある。また、無機粒子は重量が樹脂粒子
と比して非常に大きいため、無機粒子を使用した被印字
体シートの重量が大きくなり、また、樹脂粒子を用いた
被印字体シートと同じ重量にすれば、無機粒子の使用量
が減少し、効果が少なくなる。さらに、インクの顔料や
染料を固着させる成分は、樹脂粒子と比べ無機粒子との
親和性に乏しく、このためインクが一旦無機粒子に吸収
されても、インクが乾燥・固定される前に毛細管現象に
よって拡散し、コントラスト低下や滲みや裏抜けを発生
させる。
【0017】このように、多孔質樹脂粒子を被印字体シ
ート中に含有させれば、該シートのインク吸収能は著し
く向上し、その効果は無機粒子を上回る。多孔質樹脂粒
子を含有させるシート基材としては、パルプ及びパルプ
を主原料にした紙、再生紙、合成紙、ポリオレフィンや
ポリエステル等を主原料にしたフィルムなどが挙げられ
るが特に限定はされない。また、これらシートには必要
に応じてラテックスを含侵させたり、耐水化剤や紙力増
強剤を内添したり、サイズプレスを行ったり、蛍光剤や
白色顔料を添加するなど、従来のシートと同様な処理・
高付加価値化を行って良く、特に制限はない。
【0018】多孔質樹脂粒子を被印字体シートに含有さ
せる方法は、バインダーと共にシート基材に塗工するほ
か、シート基材に内添したり、溶融したシート基材原料
と共に成形・フィルム化しても良く、特に限定されない
が、紙をシート基材としてその表面にバインダーと共に
塗工するのが好ましい。該シート基材に塗工を行う場
合、使用するバインダーや他の顔料等の添加剤の種類や
量及び塗工方法については一般的な塗工紙と同じでよ
く、特に制限はない。内添や成形等によってシート基材
に含有させる場合も従来の樹脂粒子を含有させる方法と
同じでよく、また組み合わせて用いる添加剤等も同様に
用いることができる。シート基材の厚みは印字装置の仕
様に適合していれば良く特に制限はないが、1mm〜1
μmが好ましく、0.1mm〜10μmならばより好ま
しい。
【0019】シート基材に含有させる該多孔質粒子の量
は、多いほど吸油能の効果が大である。しかしながら、
シート基材全体100重量部に対し5〜80重量部、好
ましくは10〜50重量含有させるのがよい。含有量が
5重量部未満では効果が少なく、80重量部以上含有さ
せると、基材の強度が極端に低下し実用的でない。ただ
し、シート基材上に塗工する場合、該粒子が塗工層のみ
に存在するので、基材の強度を考慮する必要が無く、ま
た、シート表面付近に存在する有効な粒子の数が増大す
るのでより効果的である。従って塗工の場合、塗工層全
体の重量100部に対し1〜95重量部、好ましくは5
〜60重量部含有させればよい。含有量が1重量部未満
では効果が少なく、95重量部以上含有させると、塗工
層の強度が極端に低下し実用的でない。また塗工層の厚
みもしくは塗工重量は一般的な塗工紙と同じでよいが、
5〜100μもしくは1〜50g/m2 が好ましい。こ
れら多孔質樹脂粒子を含有した被印字体シートに対し、
キャレンダー処理等、表面部分の平滑性を向上させる後
処理を行うことも効果があり、好ましい。
【0020】
〔インクジェット記録シートの作製〕
実施例−1 特開平5-222108号公報の重合例−1に開示されている方
法に準じて多孔質樹脂粒子を作製した。撹拌機、温度
計、還流コンデンサー付きのセパラブルフラスコに水2
500部を仕込み、撹拌化に窒素置換しながら80℃ま
で昇温する。内温を80℃に保ち、重合開始剤として、
過硫酸カリウム1.5部を添加し、溶解後、予め水7
部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2部にスチレン16
部、メタクリル酸0.3部、ジビニルベンゼン0.2部
を撹拌下に加えて作成した乳化物をセパラブルフラスコ
内に仕込み、1時間重合させ、種粒子エマルションを作
製した。次に予め水40部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.3部にメタクリル酸メチル55部、アクリル酸ブチ
ル5部、メタクリル酸40部を撹拌下に加えて作成した
乳化物を連続的に1時間かけて添加して反応させ、添加
終了後1時間の熟成を行った。
【0021】続いて重合開始剤として、過硫酸アンモニ
ウム3部を水30部に溶解した水溶液を加え、さらに予
め水240部、ラウリル硫酸ナトリウム1.2部にメタ
クリル酸メチル468部、アクリル酸ブチル120部、
メタクリル酸12部を撹拌下に加えて作成した乳化物を
連続的に1時間かけて添加して反応させ、添加終了後さ
らに2時間の熟成を行った。
【0022】重合終了後、撹拌機、温度計、還流コンデ
ンサー付きの別のセパラブルフラスコに上記のエマルシ
ョン490部と水78部を仕込み、28%のアンモニア
水8.5部を撹拌下に添加する。次に内温を85℃に昇
温させ、30分そのまま撹拌を続けた後、重合開始剤と
して、過硫酸アンモニウム0.5部を水5部に溶解した
水溶液を加え、さらに予め水120部、ラウリル硫酸ナ
トリウム0.6部にスチレン297部、アクリロニトリ
ル3部を撹拌下に加えて作成しておいた乳化物を連続的
に90分間かけて添加して反応させ、添加終了後さらに
90分間の熟成を行った。
【0023】得られたエマルションは、不揮発分40%
であり、貫通孔を有する直径が0.50μの粒子であっ
た。尚、作製された粒子粉体に関して、JIS K−5
101に準じて吸油量を測定した。試料粉体は、エマル
ションを50℃で24hr乾燥させた後、乳鉢で粉砕、
#150メッシュの濾布で濾過したものを用いた。結果
は吸油量84であった。次にこの多孔質樹脂粒子エマル
ションを用いて、インクジェット記録シートを作製し
た。まず以下の成分からなる固形分40%の水溶液/分
散液である塗工液を作製した。 多孔質樹脂粒子エマルション 125部(固形量50部) UW−90(カオリンクレー) 50部 [EMC(株)製、商品名] ポイズ530(ポリアクリル酸ソーダ系顔料分散剤) [花王(株)製、商品名] 1部(固形量0.4部) MS−3600(燐酸エステル化澱粉) [日本食品工業(株)製、商品名] 5部 ポリラック780A−2(SBRラテックス) [三井東圧化学(株)製、商品名] 24部(固形量12部) 塗工液の調製は、水に分散剤であるポリアクリル酸ソー
ダ系顔料分散剤(固形分40%のポイズ530)を加
え、カウレスミキサーにてカオリンクレーUW−90を
十分に分散し、これに多孔質樹脂粒子として上記のエマ
ルションを添加する。バインダーとしては燐酸エステル
化澱粉MS−3600、固形分50%のポリラック78
0A−2(SBRラテックス)を加えて塗工液とした。
この塗工液を市販の上質紙(坪量約50g/m2)に、
乾燥塗布量が約15g/m2になるようにアプリケータ
ーにて塗布し、乾燥条件が120℃、20秒で乾燥した
ものを、キャレンダーロールにてロール温度60℃、線
圧70kg/cm、速度10m/minの条件にて2回
通してインクジェット記録シートを得、実施例−1とし
て性能評価を行った。
【0024】実施例−2 撹拌機、温度計、還流コンデンサー付きのセパラブルフ
ラスコに水2500部を仕込み、撹拌化に窒素置換しな
がら80℃まで昇温する。内温を80℃に保ち、重合開
始剤として、過硫酸カリウム1.5部を添加し、溶解
後、予め水7部、ラウリル酸ナトリウム0.2部にスチ
レン16部、メタクリル酸0.3部、ジビニルベンゼン
0.2部を撹拌下に加えて作製した乳化物をセパラブル
フラスコ内に仕込み、1時間重合させ、種粒子エマルシ
ョンを作製した。次に予め水40部、ラウリル硫酸ナト
リウム0.3部にメタクリル酸メチル45部、アクリル
酸ブチル5部、メタクリル酸50部を撹拌下に加えて作
成した乳化物を連続的に1時間かけて添加して反応さ
せ、添加終了後1時間の熟成を行った。続いて重合開始
剤として、過硫酸アンモニウム1.5部を水15部に溶
解した水溶液を加え、さらに予め水160部、ラウリル
酸ナトリウム0.8部にメタクリル酸メチル312部、
アクリル酸ブチル80部、メタクリル酸8部を撹拌下に
加えて作成した乳化物を連続的に2時間かけて添加して
反応させ、添加終了後さらに2時間の熟成を行った。重
合終了後、撹拌機、温度計、還流コンデンサー付きの別
のセパラブルフラスコに上記のエマルション625部
(固形分100部相当)と水279部をを仕込み、28
%のアンモニア水7部を撹拌下に添加する。次ぎに内温
を85℃に昇温させ、30分そのまま撹拌を続けた後、
重合開始剤として、過硫酸アンモニウム0.5部を水5
部に溶解した水溶液を加え、さらに予め水120部、ラ
ウリル硫酸ナトリウム0.6部にスチレン297部、ア
クリロニトリル3部を撹拌下に加えて作成しておいた乳
化物を連続的に90分かけて添加して反応させ、添加終
了後さらに90分間の熟成を行った。得られたエマルシ
ョンは不揮発分30%であり、貫通孔を有する直径が
0.7μの粒子であった。実施例−1と同様に吸油量を
測定したところ150であった。この多孔質樹脂粒子エ
マルションを用いて実施例−1と同様に作製したインク
ジェット記録シートを実施例−2として性能評価を行っ
た。
【0025】実施例−3 特開平2-70741中の実施例−1に開示されている方法に
準じて多孔質樹脂粒子を作製した。撹拌機、温度計、還
流コンデンサー付きのセパラブルフラスコに水100
部、ラウリル酸ナトリウム0.05部を仕込み、撹拌下
に窒素置換しながら70℃まで昇温する。内温を70℃
に保ち、重合開始剤として、過硫酸カリウム0.8部を
添加し、溶解後、メタクリル酸メチル4部、アクリル酸
ブチル4部、メタクリル酸2部の混合単量体を仕込み、
2時間反応させた。反応終了後、得られた共重合体エマ
ルションに28%アンモニア水を1.6部(約1.1モ
ル等量)加え、良く撹拌して中和膨潤して種粒子とす
る。
【0026】続いて重合開始剤として、過硫酸アンモニ
ウム0.5部を水5部に溶解した水溶液を加え、さらに
予め水50部、ラウリル硫酸ナトリウム0.5部にスチ
レン85部、ジビニルベンゼン5部を撹拌下に加えて作
成しておいた乳化物を連続的に4時間かけて添加して反
応させ、添加終了後さらに3時間の熟成を行った。得ら
れたエマルションは、固形分40%、0.1〜0.3μ
の微粒子が集合して出来た形状の、平均粒子径0.9μ
の微粒子集合体粒子エマルションであり、実施例−1と
同様に吸油量を測定したところ82であった。この多孔
質樹脂粒子エマルションを用いて実施例−1と同様に作
製したインクジェット記録シートを実施例−3として性
能評価を行った。
【0027】比較例−1 多孔質でないポリスチレン系樹脂粒子エマルションとし
てミューティクルPP100P(三井東圧化学(株)
製、商品名;固形分43%;粒子径0.6μ;吸油量4
5)を用いて、実施例−1と同様に作製したインクジェ
ット記録シートを比較例−1として性能評価を行った。
【0028】比較例−2 多孔質無機粒子として、微粉末ケイ酸ミズカシルP−5
27(水澤化学工業(株)製、商品名;粒子径1.6
μ;吸油量168)を用いて、実施例−1と同様に作製
したインクジェット記録シートを比較例−2として性能
評価を行った。 比較例−3 基材として使用した上質紙に塗工を行わず、キャレンダ
ー処理のみを施したインクジェット記録シートを比較例
−3として性能評価を行った。
【0029】〔インクジェット記録シートの評価〕上記
の方法で作成したインクジェット記録シートに市販のイ
ンクジェットプリンター(キャノン(株)製、インクは
該プリンター用黒色)で印字し、以下の項目につき5段
階評価した。色濃度はマクベス濃度計で測定した。裏抜
けは印字後の紙の裏側に於て色濃度の測定をして評価し
た。画像の鮮明度は目視で官能評価した。乾燥性は印字
直後に基材として用いた紙を印字面に重ね、10g/c
2相当の重しを1分間乗せた後、重しと紙を取り除
き、重ねた紙への印字の転写を目視で官能評価した。色
濃度と鮮明度は、同じサンプルを印字後5分後と1時間
後に評価を行った。評価結果を表1に示す。優秀な
「◎」、良好な「○」、普通の「△」、使用に問題とな
る「×」、重大な欠点のある「××」の5段階に分け
た。
【0030】
【表1】 表1
【0031】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録シートは従
来のもの(紙、フィルム等)に比べ表面部分に於ける単
位体積あたりのインク吸収量が増しているため、裏抜け
が起こりにくく、より高解像度、高速度のインクジェッ
ト印字に対応できる。また無機系の多孔質粒子を含有さ
せた場合に比して、印字濃度や鮮明さの経時変化が少な
く、軽量で、高速・長期間印字時に印字機器を傷めない
インクジェット記録シートを提供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質樹脂粒子を含有する事を特徴とす
    るインクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】多孔質樹脂粒子を含有する塗工層を有し、
    且つ該塗工層を支持する基材から形成される事を特徴と
    する請求項1記載のインクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】乾燥時の構造が粒子の表層部から内部を結
    ぶ貫通孔を1個以上有し、且つ粒子直径が0.15〜
    5.0μである多層構造エマルション粒子を塗工層に含
    有する事を特徴とする請求項1乃至2記載のインクジェ
    ット記録シート。
JP6055750A 1993-01-07 1994-03-25 インクジェット記録シート Pending JPH071835A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6055750A JPH071835A (ja) 1993-01-07 1994-03-25 インクジェット記録シート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-17025 1993-01-07
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