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JPH07102982A - 過給機付エンジン - Google Patents

過給機付エンジン

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Publication number
JPH07102982A
JPH07102982A JP24505693A JP24505693A JPH07102982A JP H07102982 A JPH07102982 A JP H07102982A JP 24505693 A JP24505693 A JP 24505693A JP 24505693 A JP24505693 A JP 24505693A JP H07102982 A JPH07102982 A JP H07102982A
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JP
Japan
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engine
supercharger
intake valve
intake
area
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JP24505693A
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Takeshi Goto
剛 後藤
Hiroyuki Sugimoto
博之 杉本
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過給機付エンジンにおいて吸気弁閉時期を充
分に遅くしてノッキング等を回避しつつ過給圧を高める
ようにするとともに、吸気弁の遅閉じに対応した適度の
スキッシュエリアにより、エミッションおよび燃費を改
善し、かつエンジントルクをより一層高める。 【構成】 過給機およびインタークーラを備えたエンジ
ンにおいて、少なくとも高負荷域で吸気弁閉時期を下死
点後65°以上に遅く設定するとともに、燃焼室4を構
成する部分にスキッシュエリア33を形成し、1気筒当
たりのシリンダボア断面積に対するスキッシュエリア3
3の面積の割合を15%〜25%に設定することによ
り、吸気弁閉時期を遅くしたことに対応した適度のスキ
ッシュ流を与えて、この種のエンジンにおける燃焼状態
を良好にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気通路に過給機とそ
の下流に位置するインタークーラとを備えた過給機付エ
ンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、機械式または排気ターボ式の
過給機によって吸気を過給することにより、吸気の充填
量を増大し、エンジンのトルクを高めるようにした過給
機付エンジンは一般に知られている。
【0003】また、吸気弁の閉時期を下死点から大きく
遅らせることにより有効圧縮比を膨張比よりも小さくし
て圧縮仕事を少なくする手法(所謂ミラーサイクル)が
ポンピングロス低減等のために従来から知られている
が、最近、過給機およびインタークーラを備えたエンジ
ンにおいてこのような手法を利用し、ノッキングを抑制
しつつトルクアップを図るようにしたものが提案されて
いる。例えば、特開昭63−239312号公報に示さ
れたエンジンでは、吸気通路に過給機およびインターク
ーラが設けられる一方、エンジンの幾何学的圧縮比が
8.5以上の高圧縮比とされ、かつ吸気弁閉時期が、例
えば1mmリフト時をもって定義すると下死点後50°以
上(0mmリフト時をもって定義すると下死点後70°以
上)となるような遅閉じに設定されている。このエンジ
ンによると、膨張比は稼がれつつ、これと比べて有効圧
縮比が小さくされることにより、圧縮上死点温度が引き
下げられてノッキングおよび排気温度上昇が抑制され、
この状態で過給により充填量が高められ、有効にトルク
アップが図られるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の過給機付エン
ジンでは、吸気弁閉時期を遅らせることが燃焼速度に影
響し、HC排出量等にも影響を及ぼすことがあるため、
燃焼性向上等の面で改善の余地がある。なお、燃焼性向
上のためには吸気ポートをシリンダ周方向に屈曲させて
スワールを生成することが考えられるが、高過給時の吸
気抵抗を小さくするためには吸気ポートを略シリンダ軸
線方向に開口するタンジェンシャルポートとする方が好
ましく、このようにするとスワールによる燃焼促進作用
は期待できない。
【0005】ところで、このほかに燃焼の促進を図る技
術として、燃焼室を構成するシリンダヘッド内壁とピス
トン頂壁とに、上死点時に微小間隙となるスキッシュエ
リアを形成し、圧縮上死点付近でスキッシュ流を生じさ
せるようにすることは、従来において知られている(例
えば特公昭57−50924号公報)。
【0006】しかし、上記の過給機付エンジンにおいて
は、従来、スキッシュエリアについては格別に配慮され
ておらず、仮にスキッシュエリアを設けるとしても、上
記のように吸気弁閉時期を遅くすることに対し、スキッ
シュエリアの割合がどのように関係するかということ
は、従来において知られていなかった。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑み、過給機付エ
ンジンにおいて吸気弁閉時期を充分に遅くしてノッキン
グ等を回避しつつ過給圧を高めるようにするとともに、
これに対応した適度のスキッシュエリアにより、エミッ
ションおよび燃費を改善し、かつエンジントルクをより
一層高めることができる過給機付エンジンを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、吸気通路に過給機とその下流に位置する
インタークーラとを備えた過給機付エンジンにおいて、
少なくとも高負荷域で吸気弁閉時期をクランク角で下死
点後65°以上に遅く設定するとともに、燃焼室を構成
するシリンダヘッド内壁とピストン頂壁とに、平行に対
峙して上死点時に微小間隙となるスキッシュエリアを形
成して、1気筒当たりのシリンダボア断面積に対するス
キッシュエリアの面積の割合を15%〜25%に設定し
たものである。
【0009】この発明において、吸気ポートを1気筒に
つき複数形成し、かつ各吸気ポートを、略シリンダ軸線
方向に開口するタンジェンシャルポートとすることが好
ましい。
【0010】また、過給機として機械式過給機を設け、
エンジンの幾何学的圧縮比を8.5以上とすることが好
ましい。
【0011】
【作用】本発明によると、吸気弁を遅閉じとしたことに
より圧縮上死点温度が引き下げられてノッキングおよび
排気温度上昇が抑制されつつ、過給により充填量が高め
られ、しかも、上記スキッシュエリアによるスキッシュ
流で燃焼性が高められる。とくに、吸気弁閉時期が下死
点後65°以上に遅くされることに対して、スキッシュ
エリアの面積の割合が15%〜25%とされることによ
り燃焼速度が適正に調整されて、HC排出量を抑制する
とともに最大トルクを高める等の作用が得られる。
【0012】さらに、吸気ポートを1気筒につき複数形
成し、かつタンジェンシャルポートとすると、高過給時
の吸気抵抗が低減される。そして、このようにすると吸
気スワールによる燃焼促進作用は期待できないが、この
場合でも燃焼速度低下傾向が上記スキッシュ流により是
正される。
【0013】また、過給機として機械式過給機を設け、
エンジンの幾何学的圧縮比を8.5以上とすると、吸気
弁を遅閉じとしたこととの関係で、適度の有効圧縮比と
されつつ高過給が行われる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1および図2は本発明の一実施例による過給機付エン
ジンを概略的に示している。これらの図において、1は
エンジン本体であって、複数の気筒2を備えている。エ
ンジンの幾何学的圧縮比は8.5以上の高圧縮比とされ
ている。
【0015】上記各気筒2には、そのシリンダボアに挿
入されたピストン3の上方に燃焼室4が形成されてい
る。この燃焼室4には、複数の吸気ポートが開口し、例
えば2つの吸気ポート5が開口しており、さらに2つの
排気ポート6が開口している。上記各吸気ポート5およ
び各排気ポート6は吸気弁7および排気弁8によりそれ
ぞれ開閉され、これら吸気弁7および排気弁8は、吸気
弁用および排気弁用の一対のカムシャフト9,10に設
けられたカムにより駆動されるようになっている。ま
た、燃焼室4の中央部には点火プラグ11が配置されて
いる。
【0016】12は上記エンジン本体1に対して吸気を
供給する吸気通路であり、上流側の共通吸気通路13
と、下流側の吸気マニホールド14とからなっている。
上記吸気マニホールド14は、気筒別の独立吸気通路1
5を有し、各独立吸気通路15の下流側は仕切壁により
2つの通路に分割されて、上記各吸気ポート5に連通し
ている。
【0017】上記共通吸気通路13には、エアクリーナ
16、吸入空気量を検出するエアフローメータ17、図
外のアクセルペダルの踏み込みに応じて作動するスロッ
トル弁18が設けられるとともに、スロットル弁18の
下流に過給機20が設けられている。図示の過給機20
はリショルム型の機械式過給機であり、エンジン出力軸
によりベルト等の伝動機構21を介して駆動されるよう
になっている。さらに、この過給機20の下流にインタ
ークーラ22が設けられている。
【0018】また、上記各独立吸気通路15には、燃料
を噴射供給するインジェクタ23が配設されている。な
お、必要に応じ、各独立吸気通路15の下流側において
一方の吸気ポート5に通じる通路に、低負荷域等で閉じ
る開閉弁24を設けておいてもよい。また、上記排気ポ
ート6には、排気マニホールド25の気筒別の排気通路
26が連通している。
【0019】図3および図4は燃焼室部分の構造を示し
ている。これらの図に示すように、燃焼室4を構成する
部分の一部(図3に斜線を付した部分)に、スキッシュ
エリア33が形成されている。すなわち、燃焼室4の天
井部分を構成するシリンダヘッド30の内壁31は、図
4に示すように、基本的にはペントルーフ形状となって
いるが、その外周側の一部にピストン3の頂壁に平行に
対峙する略水平な壁面32が設けられ、この壁面32と
これに対応するピストン3の頂壁の一部とにより、上死
点時に一定の微小間隙となるスキッシュエリア33が形
成されている。
【0020】また、上記燃焼室天井部分を構成するシリ
ンダヘッド30の内壁31における片半部側の傾斜面部
分に両吸気ポート5が開口するとともに、他半部側の傾
斜面部分に両排気ポート6が開口し、これらポート開口
部分の外方にスキッシュエリア33が形成されている。
【0021】上記両吸気ポート5は、吸気抵抗の小さい
タンジェンシャルポートとされ、つまり、側方からみる
と図4に示すように斜め上方から燃焼室に向けて緩やか
に湾曲し、燃焼室4の略シリンダ軸線方向に開口するよ
うに形成されており、平面視では略ストレートに延びて
いる(図3参照)。
【0022】ところで、上記両吸気ポート5に設けられ
た吸気弁7の閉時期と、1気筒当りのシリンダボア断面
積に対するスキッシュエリア33の面積の割合とが、次
のように設定されている。
【0023】図5は上記吸気弁7のバルブリフト特性I
Cを概略的に示しており、この図のように、吸気弁7は
上死点TDC付近で開弁し、下死点BDCを過ぎてから
閉弁するが、この吸気弁閉時期ICは一般のエンジンと
比べて大きく遅らされ、ABDC65°CA以上で、好
ましくはABDC100°CAまでの範囲に設定されて
いる。なお、ABDCは下死点後を意味し、CAはクラ
ンク角を意味する。
【0024】ここでいう吸気弁閉時期ICは、実質的に
吸気弁が閉じられるとみなされる時期であり、例えばバ
ルブリフト特性ICにおけるランプ部の高さに相当する
微小リフト量まで閉じた時期とし、本実施例では0.4
mmリフト時をもって吸気弁閉時期としている(図6参
照)。
【0025】上記吸気弁閉時期ICをABDC65°C
A以上に遅く設定しているのは、後述の圧縮上死点温度
引下げによるノッキング抑制等の効果を充分に発揮させ
るためであり、ABDC100°CAまでとしているの
は、これより閉時期が遅れると圧縮上死点温度が始動限
界を下回って始動困難となる懸念があるからである。
【0026】また、1気筒当りのシリンダボア断面積
(Sb)に対するスキッシュエリアの面積(Sq)の割
合(100×Sq/Sb)は、15%〜25%に設定さ
れている。
【0027】このような当実施例のエンジンによると、
吸気弁閉時期をABDC65°CA以上に遅くしたこと
と過給機20およびインタークーラ22を備えているこ
ととにより、ノッキング等が抑制されつつエンジントル
クが高められる。つまり、過給機20による過給空気が
インタークーラ22で冷却されて燃焼室に供給されると
ともに、吸気弁閉時期が遅くされることで有効圧縮比が
膨張比と比べて小さくなり、圧縮上死点温度が引き下げ
られる。これによりノッキングおよび排気温度の上昇が
抑制されつつ、過給機20による過給圧が高められるこ
とでエンジントルクが高められる。
【0028】この場合、上記吸気ポート5が複数形成さ
れ、かつ、タンジェンシャルポートとされていると、高
過給時の吸気抵抗が軽減されることにより、高過給によ
るトルクアップに有利となる。
【0029】また、エンジンの機械的圧縮比を一般の過
給機付エンジンの幾何学的圧縮比(7.5〜8.5)よ
りも高い8.5以上とすると、熱効率が高められるとと
もに膨張費が稼がれ、このように上で、吸気弁閉時期I
CをABDC65°CA以上に遅くすることにより、適
度に有効圧縮比が引き下げられる。そして、リショルム
型等の機械式の過給機30によって高過給が行われるこ
とにより、効果的にエンジントルクが高められる。
【0030】ところで、このように吸気弁閉時期を遅く
すると、それに伴って燃焼速度が低下する傾向が生じ、
さらに吸気ポート5がタンジェンシャルポートとされて
いると、スワール等の吸気の乱れによる燃焼促進作用が
充分に得られないため上記傾向が顕著となるが、この傾
向は上記スキッシュエリアを適度に大きく設定すること
で補われる。つまり、スキッシュエリアを適度に大きく
すると、圧縮上死点付近で生じるスキッシュ流により燃
焼が促進されて燃焼速度が高められ、吸気弁閉時期を遅
くしたことによる燃焼速度の低下が補われる。これによ
り、排気中のHC等の有害成分が低減されるとともに、
燃焼が効率良く行われて未燃焼成分が減少することか
ら、燃費も改善されることとなる。
【0031】しかも、上記のように吸気弁閉時期を遅く
して高過給を行わせることと、スキッシュ流による燃焼
を促進することとの相乗作用により、エンジントルクを
より一層高めることができる。
【0032】次に、吸気弁閉時期をABDC65°CA
以上に遅く設定した場合において効果的なスキッシュエ
リアの範囲につき、図7および図8を参照しつつ説明す
る。
【0033】図7は、常用運転域(エンジン回転数15
000rpm程度)でのHC排出量とスキッシュエリア
割合(1気筒当たりのシリンダボア断面積に対するスキ
ッシュエリアの面積の割合)との関係を示している。こ
のHC排出量は燃焼状態を示すバロメータとなるもので
あって、これが少ない方が燃焼効率が高いためエミッシ
ョンだけでなく燃費も良くなるものである。また、図8
は、全開負荷の高回転時に得られる最大トルクとスキッ
シュエリア割合との関係を示している。なお、これらの
図はそれぞれ、吸気弁閉時期を種々変えた場合のデータ
を示し、吸気弁閉時期をABDC65°CAおよびこれ
よりも遅くした場合の他に、比較例としてABDC50
°CAとした場合についても示している。
【0034】図7によると、吸気弁閉時期を変えた場合
に、吸気弁の遅閉じが小さい方が燃焼温度の上昇により
HC排出量が少なくなり、吸気弁閉時期が遅くなるにつ
れてHC排出量が多くなる。一方、スキッシュエリア割
合を変えた場合に、ある程度まではスキッシュエリア割
合が大きくなるにつれ、スキッシュ流で燃焼性が高めら
れることによりHC排出量が減少し、スキッシュエリア
割合が18%程度でHC排出量が最小となる。この程度
にスキッシュエリア割合を大きくすることで、吸気弁閉
時期を遅くした場合でもHC排出量が充分に少なくな
る。
【0035】スキッシュエリア割合をこの程度よりもさ
らに大きくすると、スキッシュエリア内で混合気の燃え
残りが増大すること等により、HC排出量が増加する傾
向が生じる。もっとも、スキッシュエリア割合が大きく
なると、スキッシュ流が燃焼に大きく影響することで相
対的に上記燃焼温度の影響が小さくなるため、吸気弁閉
時期を遅らせることによるHC排出量の増加の度合いは
小さくなる。そして、スキッシュエリア割合が25%程
度までは、HC排出量が許容される程度に抑えられる。
【0036】また、図8によると、吸気弁閉時期を変え
た場合に、吸気弁閉時期が遅くなるにつれて、前述のよ
うな作用で最大トルクが高くなる。また、スキッシュエ
リア割合を変えた場合に、ある程度までは、スキッシュ
流による燃焼促進作用で最大トルクが高くなる。つま
り、吸気弁閉時期を遅くするとともにスキッシュエリア
割合をある程度大きくすることにより、最大トルクが大
幅に高められる。そして、吸気弁閉時期をABDC65
°CA以上とした場合に、スキッシュエリア割合が15
%程度以上であれば充分に最大トルクが高められる。
【0037】これら図7および図8に示すデータから、
吸気弁閉時期がABDC65°CA以上とした場合に、
スキッシュエリア割合が15%〜25%の範囲とされる
ことにより、最大トルクを充分に高める効果とHC排出
量を比較的低く抑える効果とが、ともに達成されること
となる。
【0038】また、吸気弁閉時期がABDC65°CA
以上に遅らされている状態で、スキッシュエリア割合が
15%〜25%の範囲であれば、燃焼速度が必要以上に
上昇することはなく、NOxの増大を防止することがで
きる。
【0039】なお、上記実施例では吸気弁の開閉タイミ
ングを固定としているが、バルブタイミング可変機構
(図示せず)により吸気弁の開閉タイミングを運転状態
に応じて変更するようにしてもよく、吸気弁閉時期は少
なくとも高負荷域でABDC65°CA以上の遅閉じと
すればよい。
【0040】また、過給機は上記実施例のような機械式
過給機に限らず、ターボ過給機であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明は、過給機およびイ
ンタークーラを備えたエンジンにおいて、少なくとも高
負荷域で吸気弁閉時期を下死点後65°以上に遅く設定
するとともに、スキッシュエリアを形成して、1気筒当
たりのシリンダボア断面積に対するスキッシュエリアの
面積の割合を15%〜25%に設定している(請求項
1)ため、吸気弁の遅閉じによりノッキング等を回避し
つつ高過給を行うことでエンジントルクを高めることが
でき、かつ上記スキッシュエリアによるスキッシュ流で
燃焼性を向上することができる。とくに、上記のような
吸気弁の遅閉じに対応した適度のスキッシュエリア割合
とされることにより、これらの相乗作用でエンジントル
クをより一層高めるとともに、これらの補完作用でエミ
ッションおよび燃費を改善することができる。
【0042】また、この発明において、吸気ポートを1
気筒につき複数形成し、かつ各吸気ポートを、略シリン
ダ軸線方向に開口するタンジェンシャルポートとすると
(請求項2)、高過給時の吸気抵抗を軽減し、トルク向
上の効果を高めることができる。また、過給機として機
械式過給機を設け、エンジンの幾何学的圧縮比を8.5
以上とすると(請求項3)、吸気弁を遅閉じとしつつ過
給圧を充分に高めてトルクアップを効果的に行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による過給機付エンジンの全
体概略平面図である。
【図2】同エンジンの概略断面図である。
【図3】同エンジンにおける燃焼室構成部分の概略平面
図である。
【図4】燃焼室構成部分の断面図である。
【図5】吸気弁の開閉タイミングを示す説明図である。
【図6】吸気弁閉時期の定義に関しての説明図である。
【図7】スキッシュエリア割合とHC排出量との関係
を、種々の吸気弁閉時期について示すグラフである。
【図8】スキッシュエリア割合と最大トルクとの関係
を、種々の吸気弁閉時期について示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 気筒 3 ピストン 4 燃焼室 5 吸気ポート 7 吸気弁 12 吸気通路 20 過給機 22 インタークーラ 33 スキッシュエリア

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路に過給機とその下流に位置する
    インタークーラとを備えた過給機付エンジンにおいて、
    少なくとも高負荷域で吸気弁閉時期をクランク角で下死
    点後65°以上に遅く設定するとともに、燃焼室を構成
    するシリンダヘッド内壁とピストン頂壁とに、平行に対
    峙して上死点時に微小間隙となるスキッシュエリアを形
    成して、1気筒当たりのシリンダボア断面積に対するス
    キッシュエリアの面積の割合を15%〜25%に設定し
    たことを特徴とする過給機付エンジン。
  2. 【請求項2】 吸気ポートを1気筒につき複数形成し、
    かつ各吸気ポートを、略シリンダ軸線方向に開口するタ
    ンジェンシャルポートとしたことを特徴とする請求項1
    記載の過給機付エンジン。
  3. 【請求項3】 過給機として機械式過給機を設け、エン
    ジンの幾何学的圧縮比を8.5以上としたことを特徴と
    する請求項2記載の過給機付エンジン。
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