JPH0630109Y2 - 化粧具付き化粧液容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、マスカラ等の化粧具付き化粧液容器に係る。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 この種容器として、筒状容器体の口頸部外面に螺合させ
たキャップの内面から容器体底部へ化粧筆を垂設した容
器が広く知られている。

しかしながら、マスカラ、アイライナー等の化粧液は粘
性が高く、放置しておくと容器体の内面に付着して固ま
り易いため、有効液量が減少するばかりでなく、化粧液
の濃度が低下する不都合があった。

そのような不都合は、例えば、実開昭61-100312号公報
記載の容器により解消することができ、該公報には複数
の実施例が記載されているが、その中の一つは、上記公
知の容器において、筒状容器体の胴部下部内面に上下摺
動自在に嵌合させた摺動板の上面にマスカラ用化粧筆の
下端を当接させ、かつ、その摺動板下面と容器体の底壁
上面との間に、化粧筆付きキャップ螺脱時に摺動板を上
方摺動させるコイルスプリングを介装させている。

しかしながら、上記従来例では、筒状容器体の底壁上面
と摺動板下面との間にコイルスプリングを介装したの
で、摺動板下面が筒状容器体の底壁上面に当接するまで
摺動板を押下げることができず、よって、収納化粧板が
消費されて、液面が摺動板の下方へ下がった時点で、化
粧液を使用できなくなる欠点があった。

本案は、容器体胴部の内径より小外径の摺動筒を設け、
かつ該摺動筒の外面上端に周設した突部を容器体の下部
内面へ上下摺動自在に嵌合させ、また、該突部下面と容
器体の底壁上面との間にコイルスプリングを介装させる
ことにより、付着化粧料をかき落とすことができ、かつ
化粧液を無駄なく使い切ることができるよう設けた。

「課題を解決するための手段」 胴部２上端から口頸部６を起立した容器体１と、前記口
頸部６に内嵌固定された液切り筒９と、前記胴部２下部
内に、小底壁13周縁から起立した基筒部14を遊嵌させる
と共に、該基筒部の上端外面に周設した突部15を胴部２
の下部内面に上下摺動自在に圧接させ、また、基筒部14
に複数の割り溝16を縦設した摺動筒12と、前記容器体１
の底壁上面と突部15下面との間に介装されて摺動筒12を
上方へ付勢するコイルスプリング17と、前記口頸部６外
面に、頂壁周縁から垂設した周壁20下部を嵌合させ、該
周壁内面から容器体１内底部へ、下部外面に前記摺動筒
12内径とほぼ同外径の塗布ブラシ25を付設した筆軸26を
垂設し、かつ該筆軸の下端面を前記摺動筒12の小底壁13
上面へ当接させて、上記コイルスプリング17の付勢に抗
して摺動筒12を容器体１の底部へ押下げた化粧具付きキ
ャップ19とで形成した。

「作用」 上記において、化粧時には化粧具付きキャップ19の周壁
20を口頸部６から螺脱させ、筆軸26を引き抜くが、この
引き抜き時に筆軸26と塗布ブラシ25を液切り筒９を通し
て筆軸26外面を拭うと共に塗布ブラシ25の含み液量を適
量に絞る。

ここで、摺動筒12は、筆軸26が容器体１内に挿入されて
いる常時には筆軸26により下方に押下げられているが、
化粧時に筆軸26が引き抜かれると、この筆軸26による押
さえから解放されるのでコイルスプリング17により上昇
移動し、このとき突部15が容器体胴部２の内面を摺接し
て付着化粧料をかき落とす。

「実施例」 容器体１は細長な形状のもので、胴部２の上端部に下部
を小径筒に縮径した筒状の金属中具３を内嵌固定し、こ
の金属中具３の頂面と下端間に、中間部外面と下端外面
の第１，第２係合突条４，５を挟着係合させて、口頸部
６を持つ口部部材７を内嵌装着して形成しており、胴部
２も装飾性の高い金属材を用いてもよい。

液切り筒９は軟質合成樹脂材で成形し、上端部に口頸部
６口頂部に掛止めする外向きフランジ10を設け、下部は
外方に折り戻して断面Ｕ字状とし、このＵ字状部を前記
口部部材７と金属中具３の下部を包むように嵌合して取
付け、中間部内面に筆軸26外面に圧接する絞り口を設け
ている。前記Ｕ字状部は緩衝材の役目を兼ねている。

摺動筒12は、前記胴部２下部内に、小底壁13周縁から起
立した基筒部14を遊嵌させると共に、該基筒部の上端外
面に周設した突起15を胴部２の下部内面に上下摺動自在
に圧接させ、また、基筒部14に複数の割り溝16を縦設し
ている。

コイルスプリング17は、容器体１の底部上面と突部15下
面との間に介装されて摺動筒12を上方へ付勢している。

化粧具付きキャップ19は、周壁20の下部内面を前記口頸
部６外面に螺合させ、また、その周壁20の中間部に仕切
り板21を設け、周壁20の上端開口部を化粧蓋22で閉塞
し、また、仕切り板21の直ぐ下の周壁20内面部分に第３
係合突条23を突設し、該第３係合突条が前記仕切り板21
との間で形成する係合凹溝に取付け板24の外周部を嵌合
させ、該取付け板の下面中央部から容器体１内底部へ、
下部外面に前記摺動筒12内径とほぼ同外径の塗布ブラシ
25を付設した筆軸26を垂設し、該筆軸の下端面を前記摺
動筒12の小底壁13上面へ当接させて、前記コイルスプリ
ング17の付勢に抗して摺動筒12を容器体１の底部へ押下
げている。

「考案の効果」 本案は上記構成とするものであり、摺動筒12の基筒部14
上端外面に周設した突部15を胴部２の下部内面に上下摺
動自在に圧接させると共に、該突部下面と容器体１の底
壁上面との間に、摺動筒12を上方へ付勢するコイルスプ
リング17を介装させ、かつ筆軸26の下部外面に摺動筒12
内径とほぼ同外径の塗布ブラシ25を付設したので、第１
図が示すように摺動筒12を下限まで押下げた状態では、
摺動筒12の小底壁13下面と容器体１の底壁上面とを近接
させることができ、よって、収容化粧液の残量が少量と
なっても、塗布ブラシ25に化粧液を支障なく含浸させる
ことができ、かつ摺動筒12の押下げにより、容器体内化
粧液の液面を上昇させることができるので、残量が僅か
となっても塗布ブラシ25に化粧液を円滑に含浸させるこ
とができ、更に、摺動筒12を上下摺動させることによ
り、化粧液を攪拌し、かつ付着化粧料をかき落とすこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案キャップの半断面図、第２図は化粧具付き
キャップを取り除いた状態での半断面図である。 １…容器体、９…液切り筒、12…摺動筒、17…コイルス
プリング、19…化粧具付きキャップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】胴部２上端から口頸部６を起立した容器体
   １と、前記口頸部６に内嵌固定された液切り筒９と、前
   記胴部２下部内に、小底壁13周縁から起立した基筒部14
   を遊嵌させると共に、該基筒部の上端外面に周設した突
   部15を胴部２の下部内面に上下摺動自在に圧接させ、ま
   た、基筒部14に複数の割り溝16を縦設した摺動筒12と、
   前記容器体１の底壁上面と突部15下面との間に介装され
   て摺動筒12を上方へ付勢するコイルスプリング17と、前
   記口頸部６外面に、頂壁周縁から垂設した周壁20下部を
   嵌合させ、該周壁内面から容器体１内底部へ、下部外面
   に前記摺動筒12内径とほぼ同外径の塗布ブラシ25を付設
   した筆軸26を垂設し、かつ該筆軸の下端面を前記摺動筒
   12の小底壁13上面へ当接させて、上記コイルスプリング
   17の付勢に抗して摺動筒12を容器体１の底部へ押下げた
   化粧具付きキャップ19とからなる化粧具付き化粧液容
   器。