JPH03898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えばマスカラ、液状アイライナ
ー、マニキユアなどの液状化粧料を入れて使用す
るのに好適な液状化粧料容器に関するものであ
る。

（従来技術） 従来、マスカラ等の液状化粧料用の容器として
は、有底筒状の容器本体と、該容器本体の上端開
口部を密閉する蓋体と、該蓋体の下部に垂設され
た先端部に刷毛などの塗付部を有する筆軸とから
なり、容器の蓋を外せばそのまま先端に化粧料の
付いた塗付具になるよう構成されたものが提供さ
れている。

上記塗付部の構造は化粧料の使用される対象部
位によつて、塗り付けやすいような形状及び含み
保持する化粧料の量などを考慮して決められる。
例えばマスカラの場合はマツ毛が対象であるの
で、必要な化粧料の量は多くなく、また対象が毛
であるので塗付部の方の刷毛は短いかあるいは全
くなくても良く、例えば固体円筒状の筆軸の先端
部に周状に短毛を何列か植設したものや同じく筆
軸の先端部に周状の凹溝を何列か刻んだものなど
が使われる。またアイライナー、マニキユアなど
の場合には皮膚や爪に描き、塗布する必要がある
ので、化粧料の使用量も多くなるため、先端に長
めの毛をまとめて植設されたものが使われる。

液状化粧料は一般に顔料とその溶剤からなつて
おり、顔料は固体成分であるので、不使用時に容
器の底部に沈澱し、はなはだしい場合には粘着性
を帯びてしまうので、使用する場合には再び均一
に混合する必要が生じる。その場合に、単に容器
を振つても液相が動くのみで、なかなか効果が上
がらないので、例えば容器の中に小径の金属のボ
ールを入れて、沈澱部への撹拌効果を高めるとい
つた方法などが行われていた。

（考案が解決しようとしている問題点） しかしながら上記のような従来の技術において
は、いずれにしても使用の前に容器を振つて撹拌
しなければならないという問題点がある。また中
にボール等を入れない場合には沈澱部への撹拌力
が弱く化粧料の濃度が不均一になり塗りムラがで
きたり、使用感が損われたりすることがあつた。
一方中にボール等を入れた場合は撹拌力は強くな
るがボールが塗付部に当つて傷めたり、カチカチ
音がして化粧品の高級感を損う等の問題点があつ
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するため、有底筒状
の容器本体と、該容器本体の上端開口部を閉塞す
る蓋体と、該蓋体下部に垂設された先端部に塗付
部を有する筆軸と、上記容器本体底部に嵌入され
た撹拌板と、該撹拌板と上記容器本体底面を相互
に離反させるように付勢する弾性部材とからな
り、かつ上記蓋体で容器本体を閉じた時に、筆軸
が撹拌板を上記弾性部材の反力に抗して押し下げ
るように構成したことを特徴とするものである。

（実施例） 以下、図面を参照して本考案の実施例につき詳
しく説明する。第１図に示す第１実施例の液状化
粧料容器において、１は容器本体であり、円筒状
で底を有し、上端開口部１２はおねじ６ａの切ら
れた栓体６と、その下にしごき孔７ａの形成され
たしごき栓７が一体に固設されている。。しごき
栓７は塗付部３ａに付着した余分な化粧料を落と
すためのものである。２は蓋体で内側におねじ６
ａと嵌合するめねじ２ａが設けられ、また内側上
面には筆軸３が一体に垂設されている。筆軸３の
先端部には塗付部３ａが設けられており、該塗付
部３ａは輪状に適数列植設された短い刷毛３ｂか
らなつている。４は撹拌板で外径は容器本体１の
内径よりやや小さく、外周部に適数（例では６ケ
所）の切欠部４ａと内周部には適数（例では６ケ
所）の通孔４ｂが形成され、下面にはコイルバネ
（弾性部材）５を押えるための突起４ｃが設けら
れている。コイルバネ５は収縮時の長さが短かく
なるように下広がりのテーパを持ち、上端部が撹
拌板４の突起４ｃに嵌合し、下端部が容器底面に
接している。蓋体２が外された状態での撹拌板４
の位置は蓋体２が閉じられた状態での筆軸３の先
端の位置より上にあり、その差が撹拌板の移動距
離である。また筆軸３の長さは撹拌板４及びコイ
ルバネ５の存在に関わらず容器本体１を密閉でき
るように設定されている。

次に上記のように構成された液状化粧料容器の
作用について説明する。使用を終つた時に蓋体２
が容器本体１から取り外された状態（第１図）か
ら、蓋体２が栓体６のおねじ６ａと蓋体２のめね
じ２ａとを螺合することにより閉じられる（第２
図）と、筆軸３の先端部により撹拌板４が押し下
げられ、コイルバネ５が圧縮される。その状態で
次の使用時まで放置されるので撹拌板４の上側に
液状化粧料内の顔料等の固体成分が沈澱する。次
の使用時に蓋体２が外されて筆軸３による押圧が
解け、コイルバネ５の反力により撹拌板４が押し
上げられる。液状化粧料は撹拌板４の切欠部４ａ
と通孔４ｂを通つて撹拌板下側へ流入されるが、
その時生じる乱流により撹拌が行われる。

なお、液の撹拌効果は撹拌板４の移動速度の大
きさ、及び移動距離の長さ、切欠部４ａの大きさ
等によるが、コイルバネ５の反力を充分利用する
には栓体６を蓋体２のネジ６ａ，２ａの螺合が早
く解けた方が良いのでネジの螺合部の長さは必要
最小限で良い。また切欠部４ａと通孔４ｂの形状
大きさ等はコイルバネ５の弾性係数や長さとも関
連して最適のものが考えられて良い。

上記のような構成及び作用によつて理解される
ように、この液状化粧料容器によれば、沈澱しや
すい液状化粧料等を入れても、通常の使用の手順
に従い蓋体を外すことにより、容器本体底部が撹
拌されるので、手で振る等の動作が不要になり、
また撹拌力が強いので化粧料を均一に混合させ、
化粧料の使用感を損つたり、塗りムラを作ること
もない。

第３図〜第４図は本考案の第２実施例〜第３実
施例を示すものである。

第２実施例は第１実施例の撹拌板４の周辺部４
ｄに周状にくさび形の爪８が設けられたものであ
る。該爪８は撹拌板４の周部の上に化粧料中の固
型成分が沈澱するのを防ぎ、また撹拌板４の上昇
時に容器本体１の周壁に付着した固型成分をこそ
ぎ落とすと共に、撹拌板４の上昇抵抗を減少さ
せ、更に羽根の作用をして撹拌効果を高めるもの
である。

第４図に示す第３実施例は撹拌板４の側面の対
応する２位置に円柱状の支持軸９が設けられ、一
方容器本体１の内側には上記支持軸９が嵌合する
螺旋溝１０を下部に有する内筒１ａが挿入固定さ
れている。この場合コイルバネ５は撹拌板４の下
面に固設又は嵌合されておらず、内面の滑らかな
バネ押え皿１１によつて滑動自在に押えられてい
る。上記のように構成された第３実施例の液状化
粧料容器は撹拌板４の上昇時に支持軸９が螺旋溝
１０内を摺動し、撹拌板４が回転しながら上昇す
るので撹拌力が強化される。

（考案の効果） 本考案は、有底筒状の容器本体と、該容器本体
の上端開口部を閉塞する蓋体と、該蓋体下部に垂
設し先端部に塗布部を有する筆軸と、上記容器本
体底部に嵌入した攪拌板と上記容器本体底面を相
互に離反させるように付勢する弾性部材とからな
り、かつ上記蓋体で容器本体を閉じた時に、筆軸
が攪拌板を上記弾性部材の反力に抗して押し下げ
るように構成し、さらに前記攪拌板に、その外周
部に上下に開口する適数の切欠部と、内周部に上
下に貫通する適数の通孔とを設けたから、沈澱し
やすい液状化粧料等を入れても、通常の手順に従
い蓋体を外すことにより、容器本体底部が攪拌さ
れ、特に、液状化粧料が攪拌板の切欠部および通
孔を通して攪拌板下側へ流入する際に生じる乱流
により容器本体底部が速やかにかつ効果的に攪拌
され、化粧料をより均一に混合させることができ
る。これにより、使用前に手で振つたりする動作
が不要で使い勝手に優れ、また、攪拌板の形状に
より攪拌力が強化されているから、中にボールを
入れたりするする必要がなく高級感を損わないと
共に、化粧料の使用感を良好に保ち、塗りムラを
作つたりすることがない等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図イ及びロは本考案の第１実施例の開蓋時
の断面図、ハは撹拌板の平面図、第２図は第１実
施例の閉塞時の断面図、第３図は第２実施例の要
部の断面図、第４図は第３実施例のイ撹拌板の斜
視図ロ縦断面の部分図ハロ図のＡ矢視図である。 １……容器本体、２……蓋体、３……筆軸、３
ａ……塗付部、４……撹拌板、５……弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底筒状の容器本体１と、該容器本体１の上端
   開口部を閉塞する蓋体２と、該蓋体２下部に垂設
   され先端部に塗布部３ａを有する筆軸３と、上記
   容器本体１底部に嵌入された攪拌板４と、該攪拌
   板４と上記容器本体１底面を相互に離反させるよ
   うに付勢する弾性部材５とからなり、かつ上記蓋
   体２で容器本体１を閉じた時に、筆軸３が攪拌板
   ４を上記弾性部材５の反力に抗して押し下げるよ
   うに構成され、前記攪拌板４には、その外周部に
   上下に開口する適数の切欠部４ａと、内周部に上
   下に貫通する適数の通孔４ｂとが設けられている
   ことを特徴とする液状化粧料容器。