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JPH06219809A - 自己充填性コンクリートの製造方法 - Google Patents

自己充填性コンクリートの製造方法

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Publication number
JPH06219809A
JPH06219809A JP3436293A JP3436293A JPH06219809A JP H06219809 A JPH06219809 A JP H06219809A JP 3436293 A JP3436293 A JP 3436293A JP 3436293 A JP3436293 A JP 3436293A JP H06219809 A JPH06219809 A JP H06219809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
reducing agent
specific surface
surface area
mixer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3436293A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Yokota
紀男 横田
Shusuke Harada
修輔 原田
Masao Kusano
昌夫 草野
Mitsuo Ochiai
光雄 落合
Reiji Yasumoto
礼持 安本
Kazuhisa Takayama
和久 高山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Cement Co Ltd
Priority to JP3436293A priority Critical patent/JPH06219809A/ja
Publication of JPH06219809A publication Critical patent/JPH06219809A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 コンクリートプラントのミキサに、(1)セ
メントと骨材と混和材を混合した後、水と減水剤を加え
混練する、(2)セメントと細骨材と混和材を混合した
後、水と減水剤を加えモルタルを混練した後、粗骨材を
投入して混練する、(3)セメントと細骨材と混和材を
混合した後、水を添加してモルタルを混練し、さらに粗
骨材と減水剤を投入し混練する、または(4)セメント
と骨剤と混和材を混合した後、水を加え混練したコンク
リートに減水剤を加え再度混練する。混和剤としては、
鉱物質微粉末、鉱物質粗粉末、セルロース系分離低減
剤、無水石膏粉末の混合物が用いられ、ミキサとしては
強制型のものが用いられる。 【効果】 打設時に締固め作業を行うことなく、または
軽減してコンクリートを型枠内全域に緻密に充填でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な自己充填性を有
するコンクリートの製造方法、さらに詳しくは、スラン
プフロー値45cm〜72cmの高い流動性と良好な充
填性および高い材料分離抵抗性を有し、単位水量が14
0〜195kg/m3 であり、水セメント比が35%〜
70%である自己充填性コンクリートの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリートの充填性を高めよう
とする場合には、単位水量を増加して軟練りコンクリー
トとしたり、減水剤あるいは流動化剤のような混和剤を
使用して単位水量を増さずに、そのスランプ値を大きく
することが行われていた。しかしながら、前記の軟練り
コンクリートは、単位水量の増大により、材料分離やブ
リージングが大きくまた、乾燥収縮によるひび割れなど
の欠陥を生じやすい。減水剤または流動化剤を使用した
流動化コンクリートでは、材料分離抵抗性が低くじゃん
かや豆板が発生しやすいため施工管理が困難であり、ま
たスランプロスが大きいため品質管理が困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来のスランプ値の大きいコンクリートにみら
れる問題点を解決し、高い自己充填性、流動性および材
料分離抵抗を有し、複雑な形状や密な配筋部を有する部
材でも、締固め作業を行うことなく、または著しく軽減
して打設することができる自己充填性コンクリートを製
造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、本発明の
自己充填性コンクリートの製造方法、すなわち、次の
(1),(2),(3),(4)のいずれかの製造方法
によって達成される。 (1)コンクリートプラントのミキサにセメントと、骨
材と、コンクリート用混和材を添加して十分混合し、そ
の後、水と、減水剤を添加して混練することからなる製
造方法。 (2)コンクリートプラントのミキサにセメントと、細
骨材と、コンクリート用混和材を添加して十分混合し、
その後、水と、減水剤を添加してモルタルを十分混練し
た後、粗骨材を投入してコンクリートを混練することか
らなる製造方法。
【0005】(3)コンクリートプラントのミキサにセ
メントと、細骨材と、コンクリート用混和材を添加した
十分混合し、その後、水を添加してモルタルを十分混練
した後、粗骨材と、減水剤を投入してコンクリートを混
練することからなる製造方法。 (4)コンクリートプラントのミキサにセメントと、骨
材と、コンクリート用混和材を添加した十分混合し、そ
の後、水を加えて混練したコンクリートに、減水剤を添
加して再度混練することからなる製造方法。
【0006】上記(1)〜(4)の製造方法において
は、コンクリートプラントのミキサとして、パン型強制
練りミキサおよび二軸強制練りミキサの中から選ばれた
少くとも一種が用いられ、且つ、コンクリート用混和材
として(イ)比表面積が7000〜20000cm2
gである鉱物質微粉末、(ロ)比表面積が500〜40
00cm2 /gである鉱物質粗粉末、(ハ)セルロース
系化合物からなる分離低減剤、および(ニ)比表面積が
3000〜7000cm2 /gである無水石膏粉末を含
むものが用いられる。
【0007】特に、次の要件(i),(ii)および(ii
i)が満足されるとき、上記目的は、より顕著に達成さ
れる。 (i)鉱物質微粉末(イ)が炭酸カルシウムおよびガラ
ス質高炉スラグの中から選ばれた少くとも一種であり、
鉱物質粗粉末(ロ)がポルトランドセメントクリンカー
粉砕物、炭酸カルシウムおよびガラス質高炉スラグの中
から選ばれた少くとも一種である。
【0008】(ii)コンクリート用混和材が、該鉱物質微
粉末(イ)100重量部に対して、該鉱物質粗粉末
(ロ)を1〜10重量部、セルロース化合物からなる該
分離低減剤(ハ)を0.26〜2重量部、さらに該無水
石膏粉末を0.5〜25重量部含む。 (iii)減水剤として、高縮合トリアジン誘導体またはポ
リカルボン酸系化合物を主成分とする、高性能減水剤ま
たは高性能AE減水剤を用いる。
【0009】以下、本発明の自己充填性コンクリートの
製造方法を詳細に説明する。自己充填性コンクリートの
配合組成としては、セメント、骨材、水、コンクリート
用混和材および減水剤が用いられる。
【0010】セメントの種類としてはJISに規定され
ている、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカ
セメント、フライアッシュセメントなどのいずれを使用
してもよい。また、球状化ポルトランドセメント、球状
化高炉セメントなどの球状化セメントおよびASTMタ
イプIVを使用してもよい。を使用してもよい。
【0011】骨材についても、JISの基準に合格した
ものであれば、砂、砕砂、砂利、砕石などのいずれの使
用も可能である。本締固め不要コンクリートに用いるコ
ンクリート用混和材としては、(イ)鉱物性微粉末、
(ロ)鉱物性粗粉末、(ハ)セルロース系化合物からな
る分離低減剤、さらに必要に応じて(ニ)無水石膏粉末
とを混合したものが有利に用いられる。
【0012】鉱物質微粉末としては、水硬性を有しない
鉱物相または初期水和物を生成しにくい鉱物相からな
り、かつその比表面積が7000〜20000cm2
g、好ましくは7000〜12000cm2 /gの微粉
末が用いられる。そのような鉱物質微粉末の好ましい具
体例としては、炭酸カルシウムおよびガラス質高炉スラ
グの微粉末が挙げられる。用いる鉱物質微粉末の比表面
積が7000cm2 /g未満であると、得られる混和材
が、コンクリートに所望する高流動性を付与することが
できず、一方20000cm2 /gを越えたものについ
ては、現在の技術ではその製造が困難であり、あえて製
造しようとしてもその製造コストが高い。
【0013】鉱物質粗粉末としては、水硬性を有する鉱
物相からなり、その比表面積が500〜4000cm2
/g、好ましくは1000〜4000cm2 /gの粗粉
末が用いられそのような鉱物質粗粉末の好ましい具体例
としては、ポルトランドセメントクリンカーを粗粉砕し
て粒度調整したものが挙げられる。また、水硬性を有し
ない鉱物相または初期水和物を生成しにくい鉱物相から
なり、かつその比表面積が500〜4000cm2
g、好ましくは1000〜4000cm2 /gの粗粉末
を用いることができる。このような鉱物質粗粉末の好ま
しい具体例としては、炭酸カルシウムやガラス質高炉ス
ラグの粗粉末が挙げられる。
【0014】用いる鉱物質粗粉末の比表面積が500c
2 /g未満または4000cm2/gを越えると、得
られる混和材が、コンクリートに所望する高流動化性を
付与することができない。すなわち、4000cm2
gを越える比表面積は、通常のポルトランドセメントが
有する一般的な比表面積であり、このような比表面積を
有する鉱物質粉末を含む混和材がこのようなポルトラン
ドセメントなどに添加されると、各成分粒子の粒度(比
表面積によって置き換えられる)構成を均等化し、それ
によって所望の高流動化を得ようとする本発明の効果を
奏することができない。一方、比表面積が500cm2
/g未満であると良好な流動性は得られるが、コンクリ
ートの品質(充填性など)が安定しない。鉱物質粗粉末
の量は、鉱物質微粉末100重量部に対し1〜10重量
部であることが好ましい。
【0015】分離低減剤としては、セルロース化合物が
用いられる。具体的には水溶性セルロースエーテルを主
成分としたものが好適に用いられる。使用に際してのセ
ルロース化合物の品質としては、分離低減剤を水に溶解
し、その粘度が1000〜20000cp程度(セルロ
ース化合物の濃度が2重量%程度)になるものが好まし
い。また、この分離低減剤の量は、鉱物質微粉末100
重量部に対して0.26〜2%重量部であることが好ま
しい。
【0016】無水石膏粉末は蒸気養生後の強度発現性を
良好にするため有用である。無水石膏粉末としては、鉱
物相として無水硫酸カルシウム(CaSO4 )を90重
量%以上含有するとともに、比表面積が3000〜70
00cm2 /g、特に5000〜7000cm2 /gで
あるものが特に好ましい。比表面積がこの範囲のものは
通常のセメントの製造に用いられるものであって工業的
有利に得られるが、この範囲外のものを製造しようとす
ると製造コストがかなり高騰する。無水石膏粉末の量
は、鉱物質微粉末100重量部に対し0.5〜25重量
部であることが好ましい。
【0017】以上のように、鉱物質微粉末に、分離低減
剤、鉱物質粗粉末および必要に応じてさらに無水石膏微
粉末を添加混合することによって自己充填性コンクリー
トとするためのコンクリート用混和材が得られる。コン
クリート用混和材の、コンクリートへの添加量として
は、使用する骨材その他の材料によっても異なるが、鉱
物質微粉末、鉱物質粗粉末、分離低減剤および無水石膏
粉末の合計量として10〜80kg/m3 程度が好まし
い。10kg/m3 未満では、コンクリートに十分な粘
性および材料分離抵抗性が付与できず、また80kg/
3 を超えて添加しても、コンクリート粘性が過剰に高
くなりコンクリートの流動性を逆に損なうことになる。
【0018】ここで、鉱物質微粉末、分離低減剤、鉱物
質粗粉末および無水石膏粉末をそれぞれ計量し、単独で
ミキサに投入した場合、これらを均一に分散させ、均等
質なコンクリートとするために、練りまぜ時間が長くな
り、コンクリートの品質も安定しにくいという問題点が
あった。また、プラントの計量装置もより高い精度が必
要となる。しかしながら、これらの材料をあらかじめ混
合した混和材としてコンクリートの製造時に使用する
と、短時間内で均質なコンクリートが安定して得られ易
いという効果がある。
【0019】細骨材の表面水率は、通常の範囲内であれ
ば十分使用可能であるが、コンクリートの品質を安定さ
せるために、表面水安定装置などを用いて、常に細骨材
の表面水を一定にコントロールすることができればより
望ましい。減水剤としては、高性能タイプのものが好ま
しく、特に、高縮合トリアジン誘導体またはポリカルボ
ン酸系化合物を主成分とする、高性能減水剤または高性
能AE減水剤が好ましい。これらをセメントと混和材の
合計量に基づき2〜4重量%程度添加すれば、フレッシ
ュコンクリートの自己充填性能を十分発揮できかつ、硬
化後のコンクリートの性状も著しく改善できる。なお、
必要に応じて、AE剤および消泡剤を併用することがで
きる。
【0020】なお、自己充填性コンクリートの配合組成
において、用途に応じてフライアッシュ、高炉スラグ微
粉末、シリカヒュームなどの混和材も添加することがで
きる。自己充填性コンクリートは、上記のようなコンク
リート用混和材とともに減水剤を加え、単位水量を14
0〜195kg/m3 とし、水セメント比を35%〜7
0%の範囲とすることによって調製される。
【0021】以上のようにして、コンクリート用混和材
および減水剤を配合して混練したコンクリートは、スラ
ンプフロー値40〜72cmの自己充填性に優れ、かつ
その粘性により高い材料分離抵抗性を有しており、打設
作業において締固めを全く行なうことなく、あるいは著
しく軽減しても、型枠内全域に緻密に充填され、強度の
高い硬化コンクリートを得ることができる。
【0022】前記自己充填性コンクリートを製造する手
法としては、次の(1)〜(4)のいずれかの方法が採
られる。 (1)コンクリートプラントのミキサにセメントと、骨
材と、コンクリート用混和材(鉱物質微粉末、セルロー
ス系化合物からなる分離低減剤、鉱物質粗粉末、無水石
膏粉末)を十分混合し、その後、水と、減水剤を添加
し、ミキサの性能に応じて十分混練する。 (2)コンクリートプラントのミキサにセメントと、細
骨材と、コンクリート用混和材を十分混合し、その後、
水と、減水剤を添加してモルタルを十分混練した後、粗
骨材を投入し、ミキサの性能に応じて十分混練する。
【0023】(3)コンクリートプラントのミキサにセ
メントと、細骨材と、コンクリート用混和材を十分混合
し、その後、水を添加してモルタルを十分混練した後、
粗骨材と、減水剤を投入し、ミキサの性能に応じて十分
混練する。 (4)コンクリートプラントのミキサにセメントと、骨
材と、コンクリート用混和材を十分混合し、その後、水
を加えて混練したコンクリートに、減水剤を添加し、再
度混練する。 上記の各充填性コンクリート製造方法において用いるミ
キサとしては、パン型強制練りミキサおよび二軸強制練
りミキサの中から選ばれた少くとも一種を使用する。他
のミキサ、例えば、傾胴型ミキサではコンクリートの練
りまぜ能力が低いため、自己充填性コンクリートを練る
ことが困難である。
【0024】
【実施例】以下、実施例について、本発明のコンクリー
ト製造方法によって製造した配合組成物を具体的に説明
する。実施例1 締固め不要コンクリートを上記(1)〜(4)の各製造
方法にて製造し、得られたコンクリート性状の比較を行
なった。実験に用いた自己充填性コンクリートの配合組
成を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】セメントは住友セメント社製の普通ポルト
ランドセメント、細骨材は鹿島産陸砂(比重:2.64
粗粒率:2.52)、粗骨材は最大寸法が20mmの
岩瀬産(比重:2.66 粗粒率:6.77)、減水剤
はNMB社製の高性能減水剤レオビルドNL−4000
であり、これは高縮合トリアジン誘導体を主成分とする
ものである。
【0027】コンクリート用混和材としては、鉱物質微
粉末として比表面積が7700〜9400cm2 /gの
炭酸カルシュウム微粉末を82.475%、鉱物質粗粉
末として比表面積が1100〜2700cm2 /gのセ
メント粗粉末(ポルトランドセメントクリンカーを粗粉
砕処理したもの)を1.000重量%、セルロースエー
テルを0.750重量%(粉末で添加)、無水石膏粉末
(無水硫酸カルシュウムの含有率が92重量%のもの)
を15.775重量%を混合したものを用いた。コンク
リートの混練には、容量100リットルのパン型強制練
りミキサを用いた。比較した製造方法を表2に、各製造
方法によるコンクリートの試験結果を表3にそれぞれ示
す。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】表3中のスランプフロー値は、図1に示す
ように、まず、鉄板1上にスランプコーン2を置き、こ
の中に自己充填性コンクリート3を上端まで流し込んで
充填させ、その後前記スランプコーン2を鉛直にかつ静
かに引き上げ、そのときにコンクリート3が鉄板1上に
広がった直径の最大値と、その最大値径と直交する方向
の直径の2箇所を測定し、これらの平均値をスランプフ
ロー値とした。また、鉄筋流下時間については、第44
回土木学会年次講演会講演概要集第5部門「狭い空隙を
通過するフレッシュコンクリートのワーカビリチー」の
論文に準じて測定した。
【0031】コンクリート用強度試験体は、締め固めを
いっさい行なわず、型わくの上端までコンクリートを流
し込むだけで作製した。表3に示すように、いずれの練
り混ぜ方法を用いた場合においても、高い流動性と充填
性を有するコンクリートを得ることができた。また、鉄
筋流下時間測定試験時のコンクリートの流下状況、およ
びスランプフロー試験でスランプコーンを引き上げた後
のコンクリートの広がり状況から、いずれの製造方法で
混練されたコンクリートも材料分離を生じておらず、高
い材料分離抵抗性を有していることが確認された。ま
た、いずれの製造方法によって混練されたコンクリート
も、十分な強度発現性が確認された。
【0032】さらに、試料番号1のコンクリートのスラ
ンプフロー値の20℃における経時変化を調べた結果を
図2に示す。図2に示すように、時間経過に伴うスラン
プフロー値は、練り上がりから60分程度まではほぼ低
下しないことが確認された。
【0033】実施例2 実施例1と同様に表1の配合で、ミキサの種類を変えて
自己充填性コンクリートを製造し、種類の異なるミキサ
で混練されたコンクリートの性状の比較を行なった。比
較に用いたミキサの種類は、パン型強制練りミキサ(容
量100リットル)、二軸型強制練りミキサ(容量10
0リットル)、可傾式ミキサ(4切:112リットル)
である。コンクリートの混練は、表4に示す方法によっ
て行った。各種ミキサを用いて混練したコンクリートの
各性状を評価した結果を表5に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】表5に示すように、パン型強制練りミキサ
および二軸型強制練りミキサによって混練した自己充填
性コンクリートは、高い流動性と充填性を有している
が、傾胴式ミキサではコンクリートの練りまぜ能力が不
足し、スランプフロー値が小さく十分な流動性を得るこ
とができないことが確認された。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によって混練された自己充填性コンクリートを用いるこ
とにより、コンクリートの打設作業における締固め作業
を全く行うことなく、またはほとんど行なうことなく、
コンクリートを型枠内全域に緻密に充填することができ
る。これにより、コンクリート工事の作業が合理化で
き、騒音、振動が低減できる。また、複雑な形状、密な
配筋部のような難充填箇所へのコンクリート打設に十分
対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スランプフロー試験の試験方法を説明する図。
【符号の説明】
1 鉄板 2 スランプコーン 3 コンクリート配合物
【図2】自己充填性コンクリートのスランプフロー値の
経時変化を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:14 B 2102−4G 14:06 Z 2102−4G 14:28 2102−4G 18:14 A 2102−4G 24:12 A 2102−4G 24:04) 2102−4G (72)発明者 落合 光雄 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社中央研究所内 (72)発明者 安本 礼持 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社中央研究所内 (72)発明者 高山 和久 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締固め作業を行うことなく、または著し
    く軽減して、型枠内全域に充填され緻密なコンクリート
    硬化体を形成する自己充填性コンクリートの製造方法で
    あって、パン型強制練りミキサおよび二軸強制練りミキ
    サの中から選ばれたコンクリートプラントのミキサにセ
    メントと、骨材と、コンクリート用混和材を添加して十
    分混合し、その後、水と、減水剤を添加して混練するこ
    とを特徴とし、さらに、上記コンクリート用混和剤とし
    て(イ)比表面積が7000〜20000cm2 /gで
    ある鉱物質微粉末、(ロ)比表面積が500〜4000
    cm2 /gである鉱物質粗粉末、(ハ)セルロース系化
    合物からなる分離低減剤、および(ニ)比表面積が30
    00〜7000cm2 /gである無水石膏粉末を含むも
    のを使用することを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 締固め作業を行うことなく、または著し
    く軽減して、型枠内全域に充填され緻密なコンクリート
    硬化体を形成する自己充填性コンクリートの製造方法で
    あって、パン型強制練りミキサおよび二軸強制練りミキ
    サの中から選ばれたコンクリートプラントのミキサにセ
    メントと、細骨材と、コンクリート用混和材を、ミキサ
    の性能に応じて十分混合し、その後、水と、減水剤を添
    加してモルタルを十分混練した後、粗骨材を投入してコ
    ンクリートを混練することを特徴とし、さらに、上記コ
    ンクリート用混和剤として(イ)比表面積が7000〜
    20000cm2 /gである鉱物質微粉末、(ロ)比表
    面積が500〜4000cm2 /gである鉱物質粗粉
    末、(ハ)セルロース系化合物からなる分離低減剤、お
    よび(ニ)比表面積が3000〜7000cm2 /gで
    ある無水石膏粉末を含むものを使用することを特徴とす
    る製造方法。
  3. 【請求項3】 締固め作業を行うことなく、または著し
    く軽減して、型枠内全域に充填され緻密なコンクリート
    硬化体を形成する自己充填性コンクリートの製造方法で
    あって、パン型強制練りミキサおよび二軸強制練りミキ
    サの中から選ばれたコンクリートプラントのミキサにセ
    メントと、細骨材とコンクリート用混和材を、ミキサの
    性能に応じて十分混合し、その後、水を添加してモルタ
    ルを十分混練した後、粗骨材と、減水剤を投入してコン
    クリートを混練することを特徴とし、さらに、上記コン
    クリート用混和剤として(イ)比表面積が7000〜2
    0000cm2 /gである鉱物質微粉末、(ロ)比表面
    積が500〜4000cm2 /gである鉱物質粗粉末、
    (ハ)セルロース系化合物からなる分離低減剤、および
    (ニ)比表面積が3000〜7000cm2 /gである
    無水石膏粉末を含むものを使用することを特徴とする製
    造方法。
  4. 【請求項4】 締固め作業を行うことなく、または著し
    く軽減して型枠内全域に充填され緻密なコンクリート硬
    化体を形成する自己充填性コンクリートの製造方法であ
    って、パン型強制練りミキサおよび二軸強制練りミキサ
    の中から選ばれたコンクリートプラントのミキサにセメ
    ントと、骨材と、コンクリート用混和材を、ミキサの性
    能に応じて十分混合し、その後、水を加えて混練したコ
    ンクリートに、減水剤を添加して再度混練することを特
    徴とし、さらに、上記コンクリート用混和剤として
    (イ)比表面積が7000〜20000cm2 /gであ
    る鉱物質微粉末、(ロ)比表面積が500〜4000c
    2 /gである鉱物質粗粉末、(ハ)セルロース系化合
    物からなる分離低減剤、および(ニ)比表面積が300
    0〜7000cm2 /gである無水石膏粉末を含むもの
    を使用することを特徴とする製造方法。
  5. 【請求項5】 鉱物質微粉末(イ)が炭酸カルシウムお
    よびガラス質高炉スラグの中から選ばれた少くとも一種
    であり、鉱物質粗粉末(ロ)がポルトランドセメントク
    リンカー粉砕物、炭酸カルシウムおよびガラス質高炉ス
    ラグの中から選ばれた少くとも一種である請求項1〜4
    のいずれかに記載の自己充填性コンクリートの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 該混和材が、該鉱物質微粉末(イ)10
    0重量部に対して、該鉱物質粉末(ロ)を1〜10重量
    部、セルロース化合物からなる該分離低減剤(ハ)を
    0.26〜2重量部、さらに該無水石膏粉末を0.5〜
    25重量部含む請求項1〜5のいずれかに記載の自己充
    填性コンクリートの製造方法。
  7. 【請求項7】 減水剤として、高縮合トリアジン誘導体
    またはポリカルボン酸系化合物を主成分とする、高性能
    減水剤または高性能AE減水剤の中から選ばれた少くと
    も一種を用いる請求項1〜6のいずれかに記載の自己充
    填性コンクリートの製造方法。
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