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JPH0616982A - 水性インク - Google Patents

水性インク

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Publication number
JPH0616982A
JPH0616982A JP17276392A JP17276392A JPH0616982A JP H0616982 A JPH0616982 A JP H0616982A JP 17276392 A JP17276392 A JP 17276392A JP 17276392 A JP17276392 A JP 17276392A JP H0616982 A JPH0616982 A JP H0616982A
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JP
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water
ink
dye
general formula
based ink
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JP17276392A
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Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Kakuji Murakami
格二 村上
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録用、特に普通紙にカラー
印字するのに適する。乾燥性に優れ、画質劣化の少ない
水性シアンインクを提供すること。 【構成】 界面活性剤の添加により表面張力を50mJ
/m2以下とし、水溶性染料としてアルキル基、アリー
ル基が導入されたフタロシアニン染料を含有させること
により、上記アルキル基、アリール基が界面活性剤と相
互作用して浸透性が優れ、かつ滲みが発生し難くした水
性シアンインクである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用に
適した水性インク、特に所謂普通紙に対するカラーイン
クとして優れた特性を示す水性インク組成物に関し、水
性筆記用具、記録計、ペンプロッター用水性インクとし
ても用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターは低騒
音、低ランニングコストといった利点から普及し、普通
紙印字可能なカラープリンターも市場に投入されてい
る。しかしながら、画像の色再現性、耐水性、耐光性、
画像の乾燥性と画像滲みと吐出の信頼性のすべてを満足
することは難しい。特にカラープリンターの場合、イエ
ロー、マゼンダ、シアンの単色印字部で画質劣化がなく
とも、レッド、グリーン、ブルーの2色重ね部分で画質
の劣化が発生しやすい。特に定着装置を用いないで乾燥
を行う場合、特開昭55−29546号公報等のように
界面活性剤の添加により浸透性を高めることにより乾燥
性を向上しているため紙により著しく滲む。また、特開
昭56−57862号公報等には強塩基性物質を添加す
るインクが開示されているが、ロジンサイズされた酸性
紙では効果があるもののアルキルケテンダイマーをサイ
ズ剤とした紙には効果がない。
【0003】ことにシアンインクに通常用いられる染料
はフタロシアニン誘導体であるC.I.アシッドブルー
249、ダイレクトブルー86,87,199では界面
活性剤により浸透性を高めると紙種により著しく滲みが
発生することが問題となっていた。
【0004】また、これら従来の染料の耐水性等を向上
させる目的でアルキル鎖を導入したフタロシアニン染料
は特公昭63−18981号公報、特開昭62−149
758号公報に開示されているが、普通紙に対しての乾
燥性向上等についてはなんら検討がされていなかった。
また信頼性も十分でなかったため使用にはいたっていな
いのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は
インクジェットインクとして諸特性を満足し、乾燥性に
優れ、かつ画質の劣化の改良された水性シアンインク記
録組成物を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は該インク組成物に有
効に使用されるフタロシアニン染料の構造を明らかに
し、乾燥性を向上し画像滲みの少ない水性シアンインク
組成物を提供することにある。
【0007】本発明の第3の目的は保存安定性、噴射安
定性に優れたシアンインクを提供することにある。
【0008】本発明の第4の目的は従来公知の染料を併
用して乾燥性を向上し、画像滲みの少ない水性インク組
成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は特許請求の範囲に記載のとおりの水性
インクである。
【0010】すなわち、本発明は紙への浸透性を高める
目的で界面活性剤の添加により表面張力を50mJ/m
2以下とし、水溶性染料としてアルキル基、アリール基
が導入されたフタロシアニン染料を含有することにより
染料のアルキル鎖またはアリール基が界面活性剤と相互
作用することにより、浸透性を向上しても滲みが発生し
にくいことを見いだし本発明を完成した。また本発明に
用いられるアルキル鎖またはアリール基が導入された染
料としては下記一般式(I)で示されるスルホンアミド
を介してアルキル基が導入されたものが染料の熱安定性
の点等から優れていることをみいだした。これに対しス
ルホン酸エステルによりアルキル基等を導入したもので
も同様の滲み防止効果が認められるが熱安定性等が劣
る。
【0011】一般式
【0012】
【化3】
【0013】M:Cu,Ni Pc:フタロシアニン骨格を示す。
【0014】R1、R2:水素、アルキル基、アルキルエ
ーテル基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシアル
キル基の何れか。
【0015】X:アルカリ金属、第4級アンモニウム、
第4級ホスホニウムの何れか。
【0016】m,n:mは1〜2、nは1〜3で2≦m
+n≦4を満たす。
【0017】さらに本発明のフタロシアニン染料(I)
の対イオンとしてリチウムイオン、及び下記一般式で示
される第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムを用い
ることにより優れた溶解安定性を示すことを見いだし
た。
【0018】一般式
【0019】
【化4】
【0020】(Y:窒素またはリン、 R3〜R6:炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシルア
ルキル基、ハロゲン化アルキル基) また、従来公知の市販フタロシアニン系染料であるC.
I.アシッドブルー249、ダイレクトブルー86、8
7、199と上記一般式(I)の水溶性フタロシアニン
染料を混合することにより界面活性剤で浸透性を高めて
も滲みが発生しにくいことをみいだした。
【0021】これら染料の含有量は合計でインク中に
0.1〜10重量%より好ましくは0.5〜5重量%と
する。0.1重量%以下では濃度が得られず、10重量
%より多くなると信頼性が得られない。従来公知の市販
染料と一般式(I)の染料の混合比は染料の組み合わせ
によりことなるが、好ましくは染料の50%以上を一般
式(I)の染料とする。
【0022】一般式(I)の染料はフタロシアニン顔料
をクロルスルホン化後、相当するアミン誘導体をアルカ
リ条件下で反応させることにより得られるが、具体的に
下記に示す。なお、ここでは遊離酸の型で示した。
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】一般式(I)の染料をアルカリ塩とするに
はインク調製時にこれを水に溶解する際、所望のアルカ
リイオンを含んだアルカリ水酸化物を添加することによ
り容易に行える。例えばリチウム塩の場合は水酸化リチ
ウムを添加することにより行え、一般式(II)の第4級
アンモニウム、ホスホニウムに関しては、具体的には以
下に示す水酸化物を添加することにより行われる。
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】尚、本発明において該水溶性染料(I)の
対イオンがすべてナトリウム、リチウムおよび/または
上記の一般式(II)の化合物である必要はなく、他のア
ルカリイオンと混合することもできる。好ましい他の対
イオンとしてはトリエタノールアミン等である。ナトリ
ウム、リチウムおよび/または上記一般式(II)の化合
物によるイオンの量としては該親水性染料のモル数にた
いして30%以上、より好ましくは50%以上となるよ
うに添加されることが好ましい。
【0030】本発明に用いられる界面活性剤として使用
されるものは、アニオン系ではラウリン酸ナトリウム等
の脂肪酸モノカルボン酸塩類、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、スルホ琥珀
酸2−エチルヘキシルナトリウム等のスルホ琥珀酸ジア
ルキルエステル類、硫酸ドデシルナトリウム等の硫酸ア
ルキル塩類、硫酸ドデシルポリオキシエチレン塩等の硫
酸アルキルポリオキシエチレン塩類、モノラウリルリン
酸ナトリウム等のリン酸アルキル塩類等である。また非
イオン界面活性剤としてはグリセリンモノステアリン酸
エステル等のグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン
ステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル
(Span)類、ショ糖ステアリン酸エステル等の蔗糖
脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル等のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル(NP)、ドデシルポリオキシエチレンエーテル等の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリ
オキシエチレングリコールオレイン酸エステル等のポリ
オキシエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノパルミチン酸エステル等のポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリ
ン酸ジエタノールアミド類等が挙げられる。両性界面活
性剤としては、ラウリルジメチル酢酸ベタイン等のN,
N−ジメチル−N−アルキルアミノベタイン類、2−ウ
ンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチ
ルイミダゾニウムベタイン等の2−アルキル−1−ヒド
ロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウム
ベタインが挙げられる。またシリコン系界面活性剤およ
びフッ素系界面活性剤も有効である。
【0031】これらの添加量は各界面活性剤の臨界ミセ
ル濃度により異なるが通常0.1〜10重量%添加さ
れ、より好ましくは0.5〜5重量%含有することが好
ましい。
【0032】また、これら界面活性剤と共に表面張力を
調整する目的で添加される浸透剤としてはジエチレング
リコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコ
ールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアル
キル及びアリールエーテル類、エタノール、2−プロパ
ノール等の低級アルコール類が挙げられるが、特に好ま
しいのはジエチレングリコールモノブチルエーテルであ
る。
【0033】本発明における表面張力は紙への浸透性を
示す指標であり特に表面形成されて1秒以下の短い時間
での動的表面張力を示し、飽和時間で測定される静的表
面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−312
37号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の動的
な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用でき
るが本発明ではWilhelmy式の吊り板式表面張力
計を用いて測定した。表面張力の値は50mJ/m2
下が好ましく、より好ましくは40mJ/m2以下とす
ると優れた乾燥性が得られる。
【0034】本発明のインクは水を液媒体として使用す
るものであるが、インクを所望の物性にするため、イン
クの乾燥を防止するために、また、本発明の化合物の溶
解安定性を向上するため等の目的で下記の水溶性有機溶
媒を使用することができる。エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、グリセロール等の多価アルコール
類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコール
アルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニル
エーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等
の多価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2
−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロ
ラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合
物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モ
ノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等
のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオ
ジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネ
ート、炭酸エチレン等である。これらの溶媒は、水とと
もに単独もしくは、複数混合して用いられる。
【0035】これらの中で特に好ましいものはジエチレ
ングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコ
ール200〜600、トリエチレングリコール、グリセ
ロール、N−メチル−2−ピロリドンであり、これらを
用いることにより本化合物の高い溶解性と水分蒸発によ
る噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
【0036】本発明のインクには上記染料、溶媒の他に
従来より知られている添加剤を加えることができる。
【0037】例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸
ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオ
ール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が本発明に使
用できる。
【0038】pH調整剤としては、調合されるインクに
悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるもので
あれば、任意の物質を使用することができる。
【0039】その例として、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水
酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸
化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩
等が挙げられる。
【0040】キレート試薬としては、例えば、エチレン
ジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウ
ム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウ
ム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル
二酢酸ナトリウム等がある。
【0041】防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、
チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジ
イソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエ
リスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライ
ト等がある。
【0042】その目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水
溶性赤外線吸収剤、界面活性剤を添加することもでき
る。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
なお、実施例に記載の各成分の量(%)は重量基準であ
る。
【0044】実施例1 下記処方の組成物を60℃で撹拌溶解し、室温にて放冷
後、pHが8になるように水酸化リチウム10%水溶液
にて調整し、これを0.22μmのテフロンフィルター
にて濾過しインク1を作製した。
【0045】 具体例(1)の染料 1% グリセロール 5% ジエチレングリコール 10% TritonX−100(和光純薬製、ポリオキシエチレン (10)オクチルフェニルエーテル) 1% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量 実施例2 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを
水酸化ナトリウムで9にしてインク2を調製した。
【0046】 具体例(2)の染料 1.5% ジエチレングリコール 8% グリセリン 2% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2% BT7(日光ケミカル製、ポリオキシエチレン(7)アルキル エーテル) 1% 具体例(II−1)25%水溶液 1.8% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2% イオン交換水 残量 実施例3 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで9にしてインク3を調製した。
【0047】 具体例(3)の染料 1.8% N−メチル−2−ピロリドン 5% グリセロール 2% プロピレングリコールモノブチルエーテル 5% BT12(日光ケミカル製、ポリオキシエチレン(12)アル キルエーテル) 1% 具体例(II−3)25%水溶液 2% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量 実施例4 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで9にしてインク4を調製した。
【0048】 具体例(4)の染料 1.5% エチレングリコール 5% グリセロール 2% SH3746(東レダウコーニングシリコーン製、ポリオキシ エチレン鎖を有するシリコーン系界面活性剤) 1% 具体例(II−4)25%水溶液 2% 安息香酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量 実施例5 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化ナトリウムで9にしてインク5を調製した。
【0049】 具体例(5)の染料 1% トリエチレングリコール 5% グリセロール 2% フッ素系界面活性剤FC430(住友3M製) 0.2% BT12 1% 具体例(II−2)25%水溶液 1.5% イオン交換水 残量 実施例6 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで8にしてインク6を調製した。
【0050】 具体例(7)の染料 1.5% プロピレングリコール 8% ヘキサメチレングリコール 5% Aerosol OT(スルホ琥珀酸ジアルキルエステル) 1% 具体例(II−7)25%水溶液 2% イオン交換水 残量 実施例7 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで9にしてインク7を調製した。
【0051】 具体例(9)の染料 1.8% N−メチル−2−ピロリドン 8% グリセリン 5% エチレングリコールモノフェニルエーテル 2% ドデシル硫酸ナトリウム塩 1% 安息香酸ナトリウム 0.1% イオン交換水 残量 実施例8 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化ナトリウムで8にしてインク8とした。
【0052】 具体例(11)の染料 1.8% チオジエタノール 5% ジエチレングリコール 10% ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1% イオン交換水 残量 実施例9 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで8にしてインク9とした。
【0053】 具体例(1)の染料 0.8% C.I.ダイレクトブルー199 0.4% グリセロール 5% ジエチレングリコール 10% TritonX−100(和光純薬製、ポリオキシエチレン (10)オクチルフェニルエーテル) 1% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量 実施例10 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで8にしてインク9とした。
【0054】 具体例(7)の染料 0.8% C.I.アシッドブルー249 0.5% ジエチレングリコール 10% グリセリン 4% Aerosol OT 1% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量 比較例1 実施例1において具体例(1)の染料に替えてC.I.
ダイレクトブルー199とした以外は同様にしてインク
11とした。
【0055】比較例2 実施例2において具体例(2)の染料に替えてC.I.
アシッドブルー249とした以外は同様にしてインク1
2とした。
【0056】参考例1 実施例3において具体例(II−3)25%水溶液に替え
て水酸化カリウムにてpHを9とした以外は同様にして
インク13とした。
【0057】
【試験結果】つぎに上記実施例1〜10及び比較例1,
2および参考例1について下記の試験を行った。
【0058】1)画像の鮮明性 図1に示したサーマルインクジェット方式の300dp
iのノズルを有するインクジェットプリンター及び図2
に示した積層PZTを液室流路の加圧に使用した300
dpiのノズルを有するインクジェットプリンターにて
印字を行い、画像滲み、色調、濃度を目視により総合的
に判断した図1のサーマルインクジェットプリンターは
インク吐出ノズル1、発熱素子2、基板3、ノズル板
4、インク液室5、インク供給管6を有するものであ
り、図2の積層PZTを用いたインクジェットプリンタ
ーは、インク吐出ノズル1、基板3、ノズル板4、共通
液室7、積層PZT8、流路板9、流路10を有するも
のである。
【0059】印字用紙は市販の再生紙、上質紙とボンド
紙の3紙に印字した。
【0060】2)画像の乾燥性 印字後の画像に一定条件で濾紙を押しつけインクが濾紙
に転写しなくなるまでの時間を測定した。いずれの紙で
も5秒以内で乾燥した場合に〇と判定した。
【0061】3)画像の耐水性 画像のサンプルを30℃の水に1分間浸漬し、浸漬前後
の画像濃度の変化をマクベス濃度計で測定し、下記の式
にて耐水性(退色率%)を求めた。
【0062】
【数1】
【0063】4)保存安定性 各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5℃、
20℃、70℃でそれぞれの条件下で3ヵ月保存し、保
存後の表面張力、粘度、及び沈殿物析出の有無を調べ
た。どの条件下で保存しても、物性等の変化がないもの
を〇とした。
【0064】5)印字休止時の信頼性 図2のヘッドを有するプリンター動作中にキャップ、ク
リーニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復
帰できるかを調べ、どれだけの時間(秒)で噴射方向が
ずれるか、あるいは吐出液滴の重量が変化するかでその
信頼性を評価した結果を表に示す。
【0065】6)表面張力 各インクについてWilhelmyの吊り板式表面張力
計にて表面張力の時間変化を測定し1秒後における動的
表面張力を求めた結果を示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】上記の結果から、本発明の水性インクに
よれば界面活性剤により動的表面張力を50mJ/m2
以下としたことによりインクの浸透性を高めたシアンイ
ンクにおいてアルキル鎖またはアリール基を導入したフ
タロシアニン染料を使用することで浸透速度の向上によ
る画質の劣化を防止することができる。
【0068】また、本発明によれば該シアン染料で特に
熱的に安定な染料構造を明かにすることによりサーマル
インクジェット方式でも十分に使用可能な乾燥速度が速
く、滲みの少ないインクを提供することができる。
【0069】さらに、該水溶性染料のカウンターイオン
を選択することにより保存安定性、噴射安定性に優れた
水性インクを提供することができる。
【0070】本発明によれば従来公知の酸性及び直接性
のシアン染料を併用し画像滲みの少ない乾燥速度の優れ
たインクを提供することができる。
【0071】耐水性を向上することが可能である。
【0072】さらに、本発明によればインクpHを7以
上とすることによりインク保存時は安定で印字後は優れ
た画質向上効果をもたらす水性インクを提供できる。
【0073】これらにより本発明は普通紙に対して優れ
たカラー画像を形成する記録方式を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクを用いるのに適当なサーマルイ
ンクジェットプリンターの構造の一例を示す模式図。
【図2】同じく本発明のインクを用いるのに適当な、積
層PZTを液室流路の加圧に用いたインクジェットプリ
ンターの構造の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1 インク吐出ノズル 2 発熱素子 3 基板 4 ノズル板 5 インク液室 6 インク供給管 7 共通液室 8 積層PZT 9 流路板 10 流路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性染料、水及び湿潤剤を含有する水
    性インクにおいて、その表面張力が50mJ/m2以下
    であり、水溶性染料の少なくとも一種が、アルキル基ま
    たはアリール基を有する水溶性フタロシアニン染料であ
    ることを特徴とする水性インク。
  2. 【請求項2】 水溶性フタロシアニン染料が下記一般式
    (I)で示されるものであることを特徴とする請求項1
    記載の水性インク。一般式 【化1】 ただし、上記一般式(I)において、 M:Cu,Ni Pc:フタロシアニン骨格を示す。 R1、R2:水素、アルキル基、アルキルエーテル基、ア
    ラルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基の何れ
    か。 X:アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホ
    ニウムの何れか。 m,n:mは1〜2、nは1〜3で2≦m+n≦4を満
    たす。
  3. 【請求項3】 一般式(I)における対イオンXが、ナ
    トリウム、リチウム、および下記一般式(II)で示され
    る第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムのうちの何
    れかであることを特徴とする請求項2記載の水性イン
    ク。一般式 【化2】 ただし、上記一般式(II)において、 Y:窒素またはリン R3〜R6:炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシルア
    ルキル基、ハロゲン化アルキル基のうちの何れかであ
    る。
  4. 【請求項4】 水溶性フタロシアニン染料と共にC.
    I.アシッドブルー249、C.I.ダイレクトブルー
    86、87、199から選ばれる少なくとも一つの染料
    を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3の
    何れかに記載の水性インク。
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