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JPH0595795A - R(−)−マンデル酸およびその誘導体の製造法 - Google Patents

R(−)−マンデル酸およびその誘導体の製造法

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JPH0595795A
JPH0595795A JP3180475A JP18047591A JPH0595795A JP H0595795 A JPH0595795 A JP H0595795A JP 3180475 A JP3180475 A JP 3180475A JP 18047591 A JP18047591 A JP 18047591A JP H0595795 A JPH0595795 A JP H0595795A
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鋼二 田村
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隆一 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ロドコッカス(Rhodococcus) 属の微生物を、中
性付近ないし塩基性の水性媒体中で、R,S-マンデロニト
リルおよびその誘導体またはベンズアルデヒドおよびそ
の誘導体と青酸の混合物に作用させることにより、直接
優位量のR(-)−マンデル酸およびその誘導体を生成させ
る。 【効果】光学分割することなくラセミ体のR,S-マンデロ
ニトリルおよびその誘導体またはベンズアルデヒドおよ
びその誘導体と青酸から、その約80〜100 %を直接R(-)
−マンデル酸およびその誘導体に、しかも光学純度がほ
ぼ 100%eeで変換することができ、従来の製造法に比べ
て操作および経済性の面で格段に優位なR(-)−マンデル
酸およびその誘導体の製造法を提供し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はR(-)−マンデル酸および
その誘導体、より詳しくは後記一般式 [I]で示される
R,S-マンデロニトリルおよびその誘導体に対してニトリ
ル不斉加水分解能を有するロドコッカス属の微生物を用
いて、後記一般式 [III]で示されるR(-)−マンデル酸お
よびその誘導体を製造する方法に関する。マンデル酸骨
格を有する化合物は、セフェム系抗生物質の合成原料
や、多種の医農薬品の合成原料として工業的に重要であ
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】R(-)−マンデル酸やその誘導
体の製造法に関して公知のものに、化学的に合成した
R,S−マンデル酸(ラセミ体)を、(1) 分別結晶により
ラセミ分割〔特開昭58-177933 号公報参照〕、(2) クロ
マトグラフィーによりラセミ分割〔EP 98707号公報参
照〕、(3) ラセミ体エステルと成し酵素的不斉加水分解
によりラセミ分割〔K.Mori et al. Tetrahedron36, 91
(1980)参照〕するなどのラセミ分割法、(4) キラル試薬
を用いた化学的不斉合成法〔D. A. Evans et al. (J.A
m. Chem.Soc. 107, 4346(1985) 参照〕などがある。ま
た、生物学的方法としては、上記のエステル不斉加水分
解法のほかに、(5) ベンゾイルギ酸の微生物的不斉還元
〔特開昭57-198096 号公報参照〕、(6) D-オキシニトリ
ラーゼにより不斉合成したR(-)−マンデロニトリルおよ
びその置換体の加水分解〔特開昭63-219388 号、特開平
2-5885号各公報参照〕、(7) アルカリゲネス属、シュウ
ドモナス属、ロドシュウドモナス属、コリネバクテリウ
ム属、アシネトバクター属、バチルス属、マイコバクテ
リウム属、ロドコッカス属またはキャンディダ属の微生
物によるマンデロニトリルまたはマンデルアミドおよび
それらの置換体の不斉加水分解〔特開平2-84198 号公報
参照〕などによる方法が知られている。
【0003】しかし、 (1)〜(3) のラセミ分割による方
法はいずれの方法においてもプロセスの複雑化と各段階
での収率の低下を引き起こすこと、(4) のキラル試薬を
触媒とした不斉合成法ではキラル試薬が高価である上に
高い光学純度の生成物が得にくいという問題がある。生
物学的方法である (5)のベンゾイルギ酸の不斉還元法に
おいては基質の合成とNADH再成系の維持に難点が有るこ
と、(6) のD-オキシニトリラーゼ法は光学活性体が得ら
れたという基礎的知見の開示にすぎず、(7) の不斉加水
分解法に関しては、別途加水分解後に残存する他方の光
学活性体の処理を行っている。また、同公報には置換マ
ンデロニトリルからのR(-)−マンデル酸誘導体の製造に
ついての具体例が無く、R(-)−マンデル酸誘導体が効率
よく高い光学純度で得られるかどうかについては全く不
明である。このように従来公知の方法は種々の問題点を
含み、R(-)−マンデル酸およびその誘導体の製造に関し
て、いずれの方法も工業的に有利な製造法とはなり難
い。
【0004】このような状況下、本発明者らはR(-)−マ
ンデル酸の工業的に有利な製造法の開発を目的として検
討を行った結果、R,S-マンデロニトリルが中性ないし塩
基性の水性媒体中でベンズアルデヒドと青酸との間で解
離平衡することにより容易にラセミ化するという性質を
利用し、このラセミ化反応の系とマンデロニトリルの不
斉加水分解活性を有する微生物とを共役させることによ
り、R,S-マンデロニトリルまたはベンズアルデヒドと青
酸とから、これら原料の全てを直接R(-)−マンデル酸に
変換し得ることも可能であることを見出し、この知見を
基に、シュードモナス(Pseudomonas) 属、アルカリゲネ
ス(Alcaligenes) 属、アシネトバクター(Acinetobacte
r) 属またはカセオバクター(Caseobacter) 属等の微生
物によるR(-)−マンデル酸の製法〔特願平2-80694 号明
細書参照〕、ノカルディア(Noca-rdia) 属、バチルス(B
acillus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)また
はオ−レオバクテリウム(Aureobacterium)属の微生物に
よるR(-)−マンデル酸の製法〔特願平2-214914号明細書
参照〕、および上記知見をさらに置換マンデロニトリル
に展開させたせたオーレオバクテリウム(Aureobacteriu
m)属、シュードモナス(Pseudomonas) 属、カセオバクタ
ー(Caseobacter) 属、アルカリゲネス(Alca-ligenes)
属、アシネトバクター(Acinetobacter) 属、ブレビバク
テリウム(Brev-ibacterium) 属またはノカルディア(Noc
ardia)属の微生物によるR(-)−マンデル酸誘導体の製法
〔特願平2-214915号明細書参照〕を提案した。しかしな
がら、これら微生物の産生する加水分解酵素のR-立体選
択性は必ずしも十分なものではなく、さらに高い立体選
択性が要求された。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、さらにマンデロ
ニトリルおよびその誘導体に対して優れた不斉加水分解
能を有する微生物の探索を行った結果、ロドコッカス属
に属する微生物を用いることにより極めて高いR-立体選
択性が得られることを見出し本発明に到った。すなわ
ち、本発明は、ロドコッカス(Rhodococcus) 属に属し、
下記一般式[I]で示されるR,S-マンデロニトリルおよび
その誘導体のニトリル基を立体選択的に加水分解する能
力を有する微生物または該処理物を、中性付近ないし塩
基性の水性媒体中で、一般式[I] で示されるR,S-マンデ
ロニトリルおよびその誘導体または下記一般式[II]で示
されるベンズアルデヒドおよびその誘導体と青酸の混合
物に作用させることにより、原料の一般式[I] で示され
るR,S-マンデロニトリルおよびその誘導体または一般式
[II]で示されるベンズアルデヒドおよびその誘導体と青
酸から直接優位量の下記一般式[III] で示されるR(-)−
マンデル酸およびその誘導体を生成させることを特徴と
するR(-)−マンデル酸およびその誘導体の製造法、であ
る。
【0006】 〔式中、X はオルト位、メタ位またはパラ位置換を意味
し、置換基は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、
炭素数1〜3個のアルキル基、アルコキシ基またはチオ
アルキル基、アミノ基、ニトロ基、メルカプト基、フェ
ニル基、またはフェノキシ基を表す。〕
【0007】上記したところを要旨とする本発明は、前
述のように、R,S −マンデロニトリルが、中性付近ない
しは塩基性の水性媒体中で、ベンズアルデヒドと青酸と
の間で解離平衡することによりマンデロニトリルが容易
にラセミ化するという性質を利用し、このラセミ化反応
の系とマンデロニトリルのR-立体選択的加水分解活性を
有する微生物を共役させることにより、 R,S−マンデロ
ニトリルを直接R-体優位にR(-)−マンデル酸に変換し得
るとの本発明者らにより見出された知見を、さらに一般
式[I] で示されるR,S-マンデロニトリル誘導体にまで展
開させ、且つ該微生物に極めて高いR-立体選択性を有す
る微生物を使用することに基づく。尚、本発明でいう
「優位量」とは「50%以上」で、原料の一般式[I] で示
されるR,S-マンデロニトリルおよびその誘導体または一
般式[II]で示されるベンズアルデヒドおよびその誘導体
と青酸から、直接一般式[III] で示されるR(-)−マンデ
ル酸およびその誘導体に変換せしめることのできる量を
意味する。
【0008】本発明で使用する微生物は、ロドコッカス
属に属する微生物であり、具体的にはロドコッカス sp.
HT29-7 (微工研菌寄第12209 号)の菌株を挙げること
ができる。この微生物は本発明者らにより新たに土壌中
より分離されたものであり、上記番号にて工業技術院
微生物工業技術研究所(微工研)に寄託されており、そ
の菌学的性質は以下に示すとおりである。
【0009】HT29-7菌株 形 態 多形性桿菌 グラム染色性 + 芽 胞 − 運 動 性 − 集落の色調 ピンク−オレンジ rod-coccus cycle + 集落周辺細胞の伸長 認める 気菌糸の形成 認めず オキシダーゼ − カタラーゼ + 酸素要求性 好気性 細胞壁のジアミノ酸 meso-シ゛アミノヒ゜メリン酸 グリコリル試験 +(グリコリル型) 細胞壁の糖組成 アラビノース + ガラクトース + キノン系 MK-9(H2)
【0010】以上の菌学的性質をバ−ジェーズ マニュ
アルオブ システマティック バクテリオロジー〔Berg
ey's Manual of Systematic Bacteriology, 1986〕にし
たがって分類すると、HT29-7はロドコッカス(Rhodococc
us) 属に属する細菌と同定された。
【0011】一般式[I] で示される化合物としては、マ
ンデロニトリル、およびオルト位、メタ位またはパラ位
に置換基を有するクロロマンデロニトリル、ブロモマン
デロニトリル、フルオロマンデロニトリル、ヒドロキシ
マンデロニトリル、メチルマンデロニトリル、エチルマ
ンデロニトリル、イソプロピルマンデロニトリル、メト
キシマンデロニトリル、メチルチオマンデロニトリル、
メルカプトマンデロニトリル、アミノマンデロニトリ
ル、ニトロマンデロニトリル、フェニルマンデロニトリ
ル、フェノキシマンデロニトリルなどが挙げられる。ま
た、一般式[II]で示される化合物は、上記化合物に対応
するベンズアルデヒドおよびその誘導体である。
【0012】次に本発明の一般的実施態様について説明
する。本発明に使用される微生物の培養は、資化し得る
炭素源(グリセロール、グルコース、サッカロース
等)、窒素源(カザミノ酸、肉エキス、酵母エキス
等)、各微生物の生育に必須の無機塩(塩化マグネシウ
ム、塩化カルシウム、硫酸マンガン、塩化鉄、硫酸亜鉛
等)などを含有した通常の培地を用いて行なわれる。培
養初期または中期に生育を大きく阻害しない濃度のニト
リル類(ケイ皮酸ニトリル、ベンジルシアニド、イソブ
チロニトリル、β−フェニルプロピオニトリル、ベンゾ
ニトリル、2−シアノピリジン、3−シアノピリジン、
4−シアノピリジン、1−シクロヘキセニルアセトニト
リル、ε−カプロラクタム、γ−ブチロニトリル、o−
アミノベンゾニトリルなど)、アミド類(イソブチルア
ミド、フェニルアセトアミド、4−ピリジンカルボン酸
アミドなど)を添加することはより高い酵素活性が得ら
れるので好ましい。培養は、培養液のpH 4〜10、培養温
度 5〜50℃の範囲で、1〜14日程度好気的に行う。
【0013】加水分解反応は、上記の方法において培養
した微生物の菌体または菌体処理物(菌体の破砕物、粗
・精製酵素、固定化菌体・酵素等)を水または緩衝液等
の水性媒体中に懸濁し、これに一般式[I] で示されるR,
S-マンデロニトリルおよびその誘導体または下記一般式
[II]で示されるベンズアルデヒドおよびその誘導体と青
酸の混合物を共存させることによって行われる。本発明
においては、前述のようにマンデロニトリルおよびその
誘導体をラセミ化するために、反応中、系を中性付近な
いしは塩基性に保つことが必須であり、pHを 4〜11、好
ましくは 6〜10に調整する。反応液中マンデロニトリル
およびその誘導体は 0.1〜10重量%、好ましくは0.2 〜
5.0 重量%、ベンズアルデヒドおよびその誘導体は 0.1
〜10重量%、好ましくは 0.2〜5.0 重量%、青酸は 0.1
〜2.0 重量%、好ましくは0.1〜0.5 重量%である。基
質に対する微生物の使用量は、乾燥菌体として0.01〜5.
0 重量%、反応温度は0〜50℃、好ましくは10〜30℃で
0.1〜100 時間反応させればよい。
【0014】得られたR(-)−マンデル酸およびその誘導
体は、公知の方法、例えば遠心分離により微生物を除
き、さらに必要に応じ限外ろ過などにより顆粒成分と蛋
白、多糖成分の除去を行い、また必要に応じ活性炭処理
を施した後、減圧濃縮、または酸性下での有機溶媒によ
る抽出を行い、ベンゼンなどを用いて再結晶を繰り返す
ことにより高純度結晶を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、光学分割することなく
ラセミ体のR,S-マンデロニトリルおよびその誘導体また
はベンズアルデヒドおよびその誘導体と青酸から、その
約80〜100 %を直接R(-)−マンデル酸およびその誘導体
に、しかも光学純度がほぼ 100%eeで変換させることが
でき、従来の製造法に比べて操作および経済性の面で格
段に優位なR(-)−マンデル酸およびその誘導体の製造法
を提供し得る。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 (1) 培養および菌体懸濁液の調製 ロドコッカス sp. HT29-7 を下記A培地にて30℃、72時
間培養後、得られた菌体をさらにB培地にて30℃、96時
間培養した。 i)培 地 (A培地) グリセロール 20 g 酵母エキス 6 g リン酸一カリウム 6.8 g リン酸二ナトリウム 7.1 g 硫酸ナトリウム 2.8 g 塩化マグネシウム 0.4 g 塩化カルシウム 0.04 g 硫酸マンガン 0.03 g 塩化鉄 0.006 g 硫酸亜鉛 0.003 g 蒸留水 1000 ml pH 7.5 (B培地)A培地に0.02%(W/V) の1−シクロヘキセニ
ルアセトニトリルを添加した。得られた培養液から菌体
を分離して50mMリン酸緩衝液(pH 8.0)で洗浄し、同リン
酸緩衝液100ml に懸濁し、菌体懸濁液を調製した(OD630
=28.3)。
【0017】(2) マンデロニトリルの不斉加水分解 上記懸濁液にマンデロニトリルをマイクロテストチュ−
ブポンプにより、流速5.35mmol/Hr で連続添加しながら
30℃にて反応を行った。反応開始後1時間のマンデロニ
トリル消費量に対してR(-)−マンデル酸とアンモニアが
ほぼ定量的に生成していた。さらに同条件下で反応を続
け都合4時間反応を行った。ODS-カラムを用いた液体ク
ロマトグラフィ−により分析したところ、反応開始後4
時間で2.8gのマンデロニトリルを原料として3.4%(W/
V) 〔転換収率:94.1%〕のR(-)−マンデル酸アンモニ
ウムが蓄積していた。この反応終了液は遠心除菌後、酸
処理によりpH 2とした水相を酢酸エチルエステルにてマ
ンデル酸を抽出した。得られたマンデル酸溶液は無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、有機溶媒を留去することにより
粗結晶を得た。さらにこれをベンゼン:酢酸エチルエス
テル=7:1の混合有機溶媒により再結晶を行い白色粉
末結晶 2.8g を得た。この結晶と標準のR(-)−マンデル
酸をそれぞれ1.0 %(W/V) の濃度となるように蒸留水で
メスアップして、旋光度計で比旋光度を、および光学分
割用カラム(MCI GEL CRS10W)を用いた高速液体クロマト
グラフィ−により光学純度を測定した。表−1にその分
析結果を示す。
【0018】
【0019】実施例2 (1) 培養および菌体懸濁液の調整 ロドコッカス sp. HT29-7 を実施例1と同様の条件で培
養し、菌体懸濁液を調製した(OD630=12)。 (2) 各種基質の不斉加水分解 上記菌体懸濁液に対して、表−2に示すように各種基質
を所定量添加し、30℃で17時間反応を行った。反応終了
液から菌体を除去後、実施例1に示した方法と同様にし
て反応収率と生成物の光学純度を測定した。結果を表−
2に示す。
【0020】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロドコッカス(Rhodococcus) 属に属し、
    下記一般式[I] で示されるR,S-マンデロニトリルおよび
    その誘導体のニトリル基を立体選択的に加水分解する能
    力を有する微生物または該処理物を、中性付近ないし塩
    基性の水性媒体中で、一般式[I] で示されるR,S-マンデ
    ロニトリルおよびその誘導体または下記一般式[II]で示
    されるベンズアルデヒドおよびその誘導体と青酸の混合
    物に作用させることにより、原料の一般式[I] で示され
    るR,S-マンデロニトリルおよびその誘導体または一般式
    [II]で示されるベンズアルデヒドおよびその誘導体と青
    酸から直接優位量の下記一般式[III] で示されるR(-)−
    マンデル酸およびその誘導体を生成させることを特徴と
    するR(-)−マンデル酸およびその誘導体の製造法。 〔式中、X はオルト位、メタ位またはパラ位置換を意味
    し、置換基は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、
    炭素数1〜3個のアルキル基、アルコキシ基またはチオ
    アルキル基、アミノ基、ニトロ基、メルカプト基、フェ
    ニル基、またはフェノキシ基を表す。〕
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