JPH054031A - 親水化分離膜 - Google Patents
親水化分離膜Info
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- JPH054031A JPH054031A JP18153791A JP18153791A JPH054031A JP H054031 A JPH054031 A JP H054031A JP 18153791 A JP18153791 A JP 18153791A JP 18153791 A JP18153791 A JP 18153791A JP H054031 A JPH054031 A JP H054031A
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- membrane
- film
- water
- sulfonated polysulfone
- separation membrane
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D71/00—Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
- B01D71/06—Organic material
- B01D71/66—Polymers having sulfur in the main chain, with or without nitrogen, oxygen or carbon only
- B01D71/68—Polysulfones; Polyethersulfones
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、濃縮、分離、精製手段に有効な保
水性に優れた親水化分離膜を提供する。 【構成】 9、9―ビス(フェニル)フルオレンを骨格
に有するスルホン酸化ポリスルホンとイオン性基を持た
ない9,9―ビス(フェニル)フルオレンを骨格に有す
る樹脂との混合物により、非対称構造または3次元網目
構造を有する親水化分離膜を得ることができる。 【効果】 本発明は耐熱性のイオン交換基を有する樹脂
とイオン性基を持たない樹脂との混合物からなる膜であ
るため、高圧水蒸気減菌にたいする耐熱性および親水性
保水性が付与される。
水性に優れた親水化分離膜を提供する。 【構成】 9、9―ビス(フェニル)フルオレンを骨格
に有するスルホン酸化ポリスルホンとイオン性基を持た
ない9,9―ビス(フェニル)フルオレンを骨格に有す
る樹脂との混合物により、非対称構造または3次元網目
構造を有する親水化分離膜を得ることができる。 【効果】 本発明は耐熱性のイオン交換基を有する樹脂
とイオン性基を持たない樹脂との混合物からなる膜であ
るため、高圧水蒸気減菌にたいする耐熱性および親水性
保水性が付与される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品製造プロセス等
における濃縮、分離、精製手段に有効な保水性に優れた
親水化分離膜に関するものである。
における濃縮、分離、精製手段に有効な保水性に優れた
親水化分離膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】逆浸透膜、限外濾過膜、および精密濾過
膜等の分離膜は海水淡水化、純水製造、排水処理と中水
回収、液状食品の濃縮、医薬品製造プロセスにおける分
離、精製等広範な産業分野で利用され、その用途範囲も
拡大している。
膜等の分離膜は海水淡水化、純水製造、排水処理と中水
回収、液状食品の濃縮、医薬品製造プロセスにおける分
離、精製等広範な産業分野で利用され、その用途範囲も
拡大している。
【0003】特に食品や医薬品製造プロセスに分離膜を
用いる場合には、衛生面を維持するために減菌可能であ
ることが望ましく、さらに操作が簡単であるという点か
ら高圧蒸気減菌可能であることが望ましい。
用いる場合には、衛生面を維持するために減菌可能であ
ることが望ましく、さらに操作が簡単であるという点か
ら高圧蒸気減菌可能であることが望ましい。
【0004】この目的のために、芳香族縮合系のポリス
ルホンやポリアミドを素材とする高圧蒸気減菌可能な耐
熱性分離膜が報告されている。
ルホンやポリアミドを素材とする高圧蒸気減菌可能な耐
熱性分離膜が報告されている。
【0005】しかしながら、これらの耐熱性素材は一般
的に親水性が悪く、高圧水蒸気減菌後の膜の性能は、膜
構造中の水が失われるために透水性などの膜性能の低下
が著しい。
的に親水性が悪く、高圧水蒸気減菌後の膜の性能は、膜
構造中の水が失われるために透水性などの膜性能の低下
が著しい。
【0006】膜に親水性を持たせる方法として、特開昭
63―99325に示されているように水溶性高分子で
あるポリビニルピロリドンを成膜液中に入れ、成膜後に
架橋させる方法などがあるが、水溶性であるが故に成膜
中の水溶性高分子濃度の制御が困難であったり、さらに
成膜後の架橋処理も必要である。
63―99325に示されているように水溶性高分子で
あるポリビニルピロリドンを成膜液中に入れ、成膜後に
架橋させる方法などがあるが、水溶性であるが故に成膜
中の水溶性高分子濃度の制御が困難であったり、さらに
成膜後の架橋処理も必要である。
【0007】また特公平1―22009で提唱されてい
るように膜の表面にスルホン化試薬を作用させて膜の親
水化を上げる方法があるが、膜の断面構造部の水が失わ
れた場合には水に対する漏れ性が低下する。
るように膜の表面にスルホン化試薬を作用させて膜の親
水化を上げる方法があるが、膜の断面構造部の水が失わ
れた場合には水に対する漏れ性が低下する。
【0008】また、スルホン酸化したポリスルホンから
膜を作る試みもなされているが、膜強度の低下あるい
は、スルホン酸化率をあげると湿式成膜時の凝固が遅く
なるなどの問題がある。
膜を作る試みもなされているが、膜強度の低下あるい
は、スルホン酸化率をあげると湿式成膜時の凝固が遅く
なるなどの問題がある。
【0009】しかもイオン交換性樹脂のみで得られる膜
はその含水量が低下した場合の膜収縮が著しく、膜性能
に変化が起こり易い。
はその含水量が低下した場合の膜収縮が著しく、膜性能
に変化が起こり易い。
【0010】膜が親水性であるためには、膜素材すべて
が親水性である必要はなく、膜中の水が透過する構造部
分の表面が親水性であれば良いと考えられる。
が親水性である必要はなく、膜中の水が透過する構造部
分の表面が親水性であれば良いと考えられる。
【0011】従って、親水性の低い素材と親水性の素材
を混合して成膜し、親水性の高分子が水の透過に寄与す
る構造表面に有効に配置することができれば、上記問題
である膜の含水量の低下やあるいは含水量が低下した場
合の膜収縮の程度が軽減されると考えられる。
を混合して成膜し、親水性の高分子が水の透過に寄与す
る構造表面に有効に配置することができれば、上記問題
である膜の含水量の低下やあるいは含水量が低下した場
合の膜収縮の程度が軽減されると考えられる。
【0012】しかも架橋処理などの後処理も特に必要と
せず、耐熱性の素材を選べば高圧蒸気減菌にも供する事
が可能な膜が得られると考えられる。
せず、耐熱性の素材を選べば高圧蒸気減菌にも供する事
が可能な膜が得られると考えられる。
【0013】さらに、水溶液中の分離の対象物であるコ
ロイドや細菌類は負に帯電しているため、親水性の高分
子として負のイオンを有する高分子を用いれば、そのイ
オン交換能および膜汚染の防止が期待できる。
ロイドや細菌類は負に帯電しているため、親水性の高分
子として負のイオンを有する高分子を用いれば、そのイ
オン交換能および膜汚染の防止が期待できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決したものであり、耐熱性でイオン交換能を有
するスルホン酸化ポリスルホンと実質的にイオン基を持
たない高分子を膜素材とすることにより、親水性に優れ
た膜を提供することを目的とするものである。
題点を解決したものであり、耐熱性でイオン交換能を有
するスルホン酸化ポリスルホンと実質的にイオン基を持
たない高分子を膜素材とすることにより、親水性に優れ
た膜を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、繰り返し単位
(a)で表されるスルホン酸化ポリスルホンと式(b)
のモノマー単位を有するが実質的にイオン基をもたない
樹脂との混合物からなり、膜の断面構造が非対称構造を
持つ親水化分離膜。(但し、m、nは繰り返し単位数、
RはH、CH3、C2H5、Mは水素、アルカリ金属、テ
トラアルキルアンモニウムのいずれかを示す。)
(a)で表されるスルホン酸化ポリスルホンと式(b)
のモノマー単位を有するが実質的にイオン基をもたない
樹脂との混合物からなり、膜の断面構造が非対称構造を
持つ親水化分離膜。(但し、m、nは繰り返し単位数、
RはH、CH3、C2H5、Mは水素、アルカリ金属、テ
トラアルキルアンモニウムのいずれかを示す。)
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】および、繰り返し単位(a)で表されるス
ルホン酸化ポリスルホンと式(b)のモノマー単位を有
するが実質的にイオン基を持たない樹脂との混合物から
成り、かつその膜表面から断面にわたる構造が3次元網
目構造を有する親水化分離膜である。
ルホン酸化ポリスルホンと式(b)のモノマー単位を有
するが実質的にイオン基を持たない樹脂との混合物から
成り、かつその膜表面から断面にわたる構造が3次元網
目構造を有する親水化分離膜である。
【0019】式(a)で表されるスルホン酸化ポリスル
ホン樹脂は、9,9―ビス(4―ヒドロキシフェニル)
フルオレン、炭酸カリウムを含むトルエン中、120
℃、15時間反応させてカリウム塩を得、これをジメチ
ルアセトアミドに入れ、これに4,4’―ジクロロ―ジ
フェニルスルホン―3,3’―ジスルホニックナトリウ
ムおよび4、4’―ジクロロジフェニルスルホンを目的
とする量比で入れたのち、160℃、24時間の反応で
得ることができる。
ホン樹脂は、9,9―ビス(4―ヒドロキシフェニル)
フルオレン、炭酸カリウムを含むトルエン中、120
℃、15時間反応させてカリウム塩を得、これをジメチ
ルアセトアミドに入れ、これに4,4’―ジクロロ―ジ
フェニルスルホン―3,3’―ジスルホニックナトリウ
ムおよび4、4’―ジクロロジフェニルスルホンを目的
とする量比で入れたのち、160℃、24時間の反応で
得ることができる。
【0020】本発明で用いられる式(b)のモノマーを
有するが実質的にイオン基を持たない高分子としては式
(a)で表されるスルホン酸化ポリスルホンを溶解する
溶媒に可溶であれば特に限定されるものではないが、次
のような樹脂が挙げられる。
有するが実質的にイオン基を持たない高分子としては式
(a)で表されるスルホン酸化ポリスルホンを溶解する
溶媒に可溶であれば特に限定されるものではないが、次
のような樹脂が挙げられる。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】などを用いると得られる膜は高圧蒸気減菌
が可能であり好ましい。
が可能であり好ましい。
【0025】従って、N―メチル―2―ピロリドン、
N,N―ジメチルアセトアミド、N,N―ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶媒にイオン基
を持たない高分子と共に式(a)のスルホン酸化ポリス
ルホンを溶解し、成膜原液とする。
N,N―ジメチルアセトアミド、N,N―ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶媒にイオン基
を持たない高分子と共に式(a)のスルホン酸化ポリス
ルホンを溶解し、成膜原液とする。
【0026】この成膜原液を2重環状のノズルの環状口
から吐出し、同時にノズル中心口からは水などの凝固液
を吐出し、下方に位置する凝固槽へ導くことで保水性に
優れた親水性非対称構造の中空糸分離膜が得られる。
から吐出し、同時にノズル中心口からは水などの凝固液
を吐出し、下方に位置する凝固槽へ導くことで保水性に
優れた親水性非対称構造の中空糸分離膜が得られる。
【0027】この様にして得られる膜は表面の孔が0.
01μm以下の限外濾過膜として用いられる。
01μm以下の限外濾過膜として用いられる。
【0028】一方、0.01μm以上の孔を有し、膜断
面が3次元網目構造を有する膜の製造方法は、良溶媒と
して極性非プロトン有機溶媒とそれに可溶な実質的にイ
オン基を持たない高分子、式(a)の繰り返し単位を有
するスルホン酸化ポリスルホンを溶解し、さらに貧溶媒
として1価または多価アルコールを混和して成膜液を調
整して行われる。
面が3次元網目構造を有する膜の製造方法は、良溶媒と
して極性非プロトン有機溶媒とそれに可溶な実質的にイ
オン基を持たない高分子、式(a)の繰り返し単位を有
するスルホン酸化ポリスルホンを溶解し、さらに貧溶媒
として1価または多価アルコールを混和して成膜液を調
整して行われる。
【0029】貧溶媒としては、エチルアルコールやメチ
ルアルコールなどの1価アルコールあるいはエチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多
価アルコールが用いられる。
ルアルコールなどの1価アルコールあるいはエチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多
価アルコールが用いられる。
【0030】成膜原液の組成は用いる高分子によって異
なるが良溶媒100重量部に対し高分子イオン性基を持
たない高分子と式(a)のスルホン酸化ポリスルホンを
合わせた高分子量10〜30重量部、貧溶媒20〜30
0重量部である。
なるが良溶媒100重量部に対し高分子イオン性基を持
たない高分子と式(a)のスルホン酸化ポリスルホンを
合わせた高分子量10〜30重量部、貧溶媒20〜30
0重量部である。
【0031】2重円環状ノズルの中心口より吐出される
溶媒は高分子に対する上記良溶媒または多価アルコール
類、カルボン酸類などのような急激な高分子凝固を導か
ない溶媒と水との混合溶媒が用いられる。
溶媒は高分子に対する上記良溶媒または多価アルコール
類、カルボン酸類などのような急激な高分子凝固を導か
ない溶媒と水との混合溶媒が用いられる。
【0032】この様にして得られる成膜原液は、ある温
度(相分離温度)以上では、均一に溶解した透明な溶液
であるが、相分離温度以下では、不透明に相分離した状
態となる。
度(相分離温度)以上では、均一に溶解した透明な溶液
であるが、相分離温度以下では、不透明に相分離した状
態となる。
【0033】さらに成膜原液に電解質などを加えても、
相分離を起こす成膜原液を得ることは可能である。
相分離を起こす成膜原液を得ることは可能である。
【0034】2重円環状ノズルの中心口よりこのように
して調整された成膜原液を、その相分離開始温度以上の
温度、好ましくは相分離温度より5〜10℃高い温度で
ノズルより吐出し、ノズルから下部凝固槽までの間でノ
ズル中心口から吐出される凝固液または空中雰囲気によ
って相分離開始温度以下に冷却しながら下部凝固槽に導
くことで膜表面から断面にわたって3次元網目構造を有
し、膜表面には0.01μm以上の孔を有する保水性に
優れた親水化膜が得られる。
して調整された成膜原液を、その相分離開始温度以上の
温度、好ましくは相分離温度より5〜10℃高い温度で
ノズルより吐出し、ノズルから下部凝固槽までの間でノ
ズル中心口から吐出される凝固液または空中雰囲気によ
って相分離開始温度以下に冷却しながら下部凝固槽に導
くことで膜表面から断面にわたって3次元網目構造を有
し、膜表面には0.01μm以上の孔を有する保水性に
優れた親水化膜が得られる。
【0035】ノズル吐出後の成膜原液を冷却するため
に、凝固液、凝固槽および空中の雰囲気温度は相分離温
度より10℃以上低いことが好ましく、その温度が低い
ほど膜の3次元構造が明瞭となる。
に、凝固液、凝固槽および空中の雰囲気温度は相分離温
度より10℃以上低いことが好ましく、その温度が低い
ほど膜の3次元構造が明瞭となる。
【0036】かくして得られる膜はコロイドの除去や除
菌などに用いられる精密濾過膜として使用できる。
菌などに用いられる精密濾過膜として使用できる。
【0037】以上述べた非対称分離膜および3次元網目
構造を有する膜に用いられる式(a)のスルホン酸化ポ
リスルホンのスルホン酸化率は、繰り返し単位あたりス
ルホン酸化率が5〜70%であるものが好ましく目的と
する膜に合わせて選択すれば良い。
構造を有する膜に用いられる式(a)のスルホン酸化ポ
リスルホンのスルホン酸化率は、繰り返し単位あたりス
ルホン酸化率が5〜70%であるものが好ましく目的と
する膜に合わせて選択すれば良い。
【0038】また、スルホン酸化率70%以上では水溶
性となるために部分架橋して水不溶性にして用いる必要
がある。
性となるために部分架橋して水不溶性にして用いる必要
がある。
【0039】一方、スルホン酸化率が5%以下の場合に
は親水性に乏しくなるため適当ではない。
は親水性に乏しくなるため適当ではない。
【0040】さらに、膜を構成する高分子に占めるスル
ホン酸化ポリスルホンの量は、全高分子のうち5〜50
%であることが好ましく、50%以上では充分な強度の
膜が得られにくく、5%以下では本発明の目的とする効
果的な親水性膜とならない。
ホン酸化ポリスルホンの量は、全高分子のうち5〜50
%であることが好ましく、50%以上では充分な強度の
膜が得られにくく、5%以下では本発明の目的とする効
果的な親水性膜とならない。
【0041】以上、中空糸膜の製造法を例にして本発明
手法を述べたが、成膜原液をガラス板にキャストしてか
ら凝固槽に浸漬すれば、中空糸膜とは別のタイプの平膜
が得られる。
手法を述べたが、成膜原液をガラス板にキャストしてか
ら凝固槽に浸漬すれば、中空糸膜とは別のタイプの平膜
が得られる。
【0042】
【作用】本発明の分離膜はイオン性基を持たない高分子
に親水性のスルホン酸化ポリスルホンを混合して成膜す
ることにより、スルホン酸化ポリスルホンが膜の水透過
に寄与する構造表面に有効に露出し、その結果保水性に
優れ、しかも、イオン性基を持たない高分子として耐熱
性の素材を選べば、高圧水蒸気減菌も可能な膜が得られ
る。
に親水性のスルホン酸化ポリスルホンを混合して成膜す
ることにより、スルホン酸化ポリスルホンが膜の水透過
に寄与する構造表面に有効に露出し、その結果保水性に
優れ、しかも、イオン性基を持たない高分子として耐熱
性の素材を選べば、高圧水蒸気減菌も可能な膜が得られ
る。
【0043】また、イオン性基を持たない高分子とスル
ホン酸化ポリスルホンとからなる成膜原液に貧溶媒を加
えて成膜することで3次元網目構造を有する保水性に優
れた膜が得られ、いずれの膜も医薬品製造プロセスにお
ける分離精製などに有効であり、前者の膜は限外濾過膜
として、後者は精密濾過膜として用いられる。
ホン酸化ポリスルホンとからなる成膜原液に貧溶媒を加
えて成膜することで3次元網目構造を有する保水性に優
れた膜が得られ、いずれの膜も医薬品製造プロセスにお
ける分離精製などに有効であり、前者の膜は限外濾過膜
として、後者は精密濾過膜として用いられる。
【0044】
【実施例】次に実施例を用いて本発明を具体的に示す。
【0045】
【実施例1】式(a)で表される繰り返し単位を有する
スルホン酸化ポリスルホン樹脂6重量部(スルホン酸化
率50%)に式(b)で表されるポリアミド14重量
部、塩化リチウム5重量部をN,N―ジメチルアセトア
ミド100重量部、に溶解し、成膜原液を調整し、2重
環状ノズルの環状口から成膜原液を吐出し、ノズル中心
口からは凝固液として水を吐出し、下部に位置する凝固
槽に導き外径0.8mm、内径0.5mmの中空糸膜を
得た。
スルホン酸化ポリスルホン樹脂6重量部(スルホン酸化
率50%)に式(b)で表されるポリアミド14重量
部、塩化リチウム5重量部をN,N―ジメチルアセトア
ミド100重量部、に溶解し、成膜原液を調整し、2重
環状ノズルの環状口から成膜原液を吐出し、ノズル中心
口からは凝固液として水を吐出し、下部に位置する凝固
槽に導き外径0.8mm、内径0.5mmの中空糸膜を
得た。
【0046】
【化8】
【0047】
【化9】
【0048】分子量1万、および7万のデキストランを
0.1%含む水溶液を用い、90%排除される分子量と
して分画分子量を求めたところ、分画分子量8000が
得られた。また、透水速度は70 l/m2・h・(k
g/cm2)であった。
0.1%含む水溶液を用い、90%排除される分子量と
して分画分子量を求めたところ、分画分子量8000が
得られた。また、透水速度は70 l/m2・h・(k
g/cm2)であった。
【0049】また、121℃、20分の高圧水蒸気減菌
を行った後で性能を測定したところ、分画分子量800
0、透水速度67 l/m2・h・(kg/cm2)とな
り、透水速度の低下は僅かであった。
を行った後で性能を測定したところ、分画分子量800
0、透水速度67 l/m2・h・(kg/cm2)とな
り、透水速度の低下は僅かであった。
【0050】
【実施例2】N―メチル―2―ピロリドン100重量部
に塩化リチウム5重量部と式(a)であらわされる繰り
返し単位を有するスルホン酸化ポリスルホン(m/nは
40/60)5重量部、式(b)の繰り返し単位を有す
るポリアミド10重量部、エチレングリコール43重量
部とを溶解して調製された成膜原液は、その粘度の変化
測定により相分離開始温度35℃と求められた。
に塩化リチウム5重量部と式(a)であらわされる繰り
返し単位を有するスルホン酸化ポリスルホン(m/nは
40/60)5重量部、式(b)の繰り返し単位を有す
るポリアミド10重量部、エチレングリコール43重量
部とを溶解して調製された成膜原液は、その粘度の変化
測定により相分離開始温度35℃と求められた。
【0051】環状口の外径1.0mm−中心部の外径
0.7mmの2重円環状ノズルを用い、膜表面から断面
全体にわたって3次元網状構造を有する中空糸膜を得
た。
0.7mmの2重円環状ノズルを用い、膜表面から断面
全体にわたって3次元網状構造を有する中空糸膜を得
た。
【0052】得られた膜の透水速度は2,500 l/
m3・h・atmであり、膜表面には断面から続いて開
孔した0.2μmの孔が観測された。また、蒸気減菌し
た後の透水速度の低下はほとんど起こらなかった。
m3・h・atmであり、膜表面には断面から続いて開
孔した0.2μmの孔が観測された。また、蒸気減菌し
た後の透水速度の低下はほとんど起こらなかった。
【0053】さらに、完全に乾燥させた膜を水蒸気減菌
にさらした後測定したところ、透水速度は90%復帰し
た。
にさらした後測定したところ、透水速度は90%復帰し
た。
【0054】
【比較例1】式(b)で表されるポリアミド20重量
部、塩化リチウム5重量部をN,N―ジメチルアセトア
ミド100重量部、に溶解し、成膜原液を調整し、2重
環状ノズルの環状口から成膜原液を吐出し、ノズル中心
口からは凝固液として水を吐出し、下部に位置する凝固
槽に導き外径0.8mm、内径0.5mmの中空糸膜を
得た。
部、塩化リチウム5重量部をN,N―ジメチルアセトア
ミド100重量部、に溶解し、成膜原液を調整し、2重
環状ノズルの環状口から成膜原液を吐出し、ノズル中心
口からは凝固液として水を吐出し、下部に位置する凝固
槽に導き外径0.8mm、内径0.5mmの中空糸膜を
得た。
【0055】実施例1と同様に中空糸膜の性能を求めた
ところ、分画分子量8000、透水速度45 l/m2
・h・(kg/cm2)であった。
ところ、分画分子量8000、透水速度45 l/m2
・h・(kg/cm2)であった。
【0056】また、121℃、20分の高圧水蒸気減菌
を行った後で性能を測定したところ、分画分子量700
0、透水速度25 l/m2・h・(kg/cm2)とな
り、透水速度の低下が起こった。
を行った後で性能を測定したところ、分画分子量700
0、透水速度25 l/m2・h・(kg/cm2)とな
り、透水速度の低下が起こった。
【0057】
【比較例2】式(a)で表されるスルホン酸化ポリスル
ホン(m/nは50/50)20重量部をN―メチル―
2―ピロリドン100重量部に溶解し、中空糸の成膜を
試みたが、凝固が遅く、充分な強度および多孔質とはな
らなかった。
ホン(m/nは50/50)20重量部をN―メチル―
2―ピロリドン100重量部に溶解し、中空糸の成膜を
試みたが、凝固が遅く、充分な強度および多孔質とはな
らなかった。
【0058】
【実施例3】式(a)で表される繰り返し単位を有する
スルホン酸化ポリスルホン樹脂6重量部(スルホン酸化
率50%)に式(c)で表されるポリスルホン14重量
部をN―メチル―2―ピロリドン100重量部、に溶解
し、成膜原液を調整し、2重環状ノズルの環状口から成
膜原液を吐出し、ノズル中心口からは凝固液として水を
吐出し、下部に位置する凝固槽に導き外径0.8mm、
内径0.5mmの中空糸膜を得た。
スルホン酸化ポリスルホン樹脂6重量部(スルホン酸化
率50%)に式(c)で表されるポリスルホン14重量
部をN―メチル―2―ピロリドン100重量部、に溶解
し、成膜原液を調整し、2重環状ノズルの環状口から成
膜原液を吐出し、ノズル中心口からは凝固液として水を
吐出し、下部に位置する凝固槽に導き外径0.8mm、
内径0.5mmの中空糸膜を得た。
【0059】
【化10】
【0060】
【化11】
【0061】実施例1と同様の測定により、分画分子量
7000が得られた。また、透水速度は60 l/m2
・h・(kg/cm2)であった。
7000が得られた。また、透水速度は60 l/m2
・h・(kg/cm2)であった。
【0062】また、121℃、20分の高圧水蒸気減菌
を行った後で性能を測定したところ、分画分子量700
0、透水速度56 l/m2・h・(kg/cm2)とな
り、透水速度の低下は僅かであった。
を行った後で性能を測定したところ、分画分子量700
0、透水速度56 l/m2・h・(kg/cm2)とな
り、透水速度の低下は僅かであった。
【0063】
【実施例4】N―メチル―2―ピロリドン100重量部
に式(a)であらわされる繰り返し単位を有するスルホ
ン酸化ポリスルホン(m/nは40/60)5重量部、
式(c)の繰り返し単位を有するポリスルホン10重量
部、エチレングリコール43重量部とを溶解して調製さ
れた成膜原液は、その粘度の変化測定により相分離開始
温度35℃と求められた。
に式(a)であらわされる繰り返し単位を有するスルホ
ン酸化ポリスルホン(m/nは40/60)5重量部、
式(c)の繰り返し単位を有するポリスルホン10重量
部、エチレングリコール43重量部とを溶解して調製さ
れた成膜原液は、その粘度の変化測定により相分離開始
温度35℃と求められた。
【0064】環状口の外径1.0mm−中心部の外径
0.7mmの2重円環状ノズルを用い、膜表面から断面
全体にわたって3次元網状構造を有する中空糸膜を得
た。
0.7mmの2重円環状ノズルを用い、膜表面から断面
全体にわたって3次元網状構造を有する中空糸膜を得
た。
【0065】得られた膜の透水速度は1,600 l/
m3・h・atmであり、膜表面には断面から続いて開
孔した0.1μmの孔が観測された。また、蒸気減菌し
た後の透水速度の低下はほとんど起こらなかった。
m3・h・atmであり、膜表面には断面から続いて開
孔した0.1μmの孔が観測された。また、蒸気減菌し
た後の透水速度の低下はほとんど起こらなかった。
【0066】さらに、完全に乾燥させた膜を水蒸気減菌
にさらした後測定したところ、透水速度は90%まで復
帰した。
にさらした後測定したところ、透水速度は90%まで復
帰した。
【0067】
【発明の効果】本発明の分離膜はスルホン酸化ポリスル
ホンとイオン性基を持たない高分子よりなるため保水性
および透水性に優れており、しかも、イオン性基を持た
ない高分子として耐熱性の素材を選べば、高圧水蒸気減
菌も可能な膜が得られる。
ホンとイオン性基を持たない高分子よりなるため保水性
および透水性に優れており、しかも、イオン性基を持た
ない高分子として耐熱性の素材を選べば、高圧水蒸気減
菌も可能な膜が得られる。
【0068】また、イオン性基を持たない高分子とスル
ホン酸化ポリスルホンとからなる成膜原液に貧溶媒を加
えた成膜方法で3次元網目構造を有する保水性に優れた
膜が得られ、いずれの膜も医薬品製造プロセスにおける
分離精製などに有効である。
ホン酸化ポリスルホンとからなる成膜原液に貧溶媒を加
えた成膜方法で3次元網目構造を有する保水性に優れた
膜が得られ、いずれの膜も医薬品製造プロセスにおける
分離精製などに有効である。
Claims (3)
- 【請求項1】 繰り返し単位(a)で表されるスルホン
酸化ポリスルホンと式(b)のモノマー単位を有するが
実質的にイオン基をもたない樹脂との混合物からなり、
膜の断面構造が非対称構造を持つ親水化分離膜。(但
し、m、nは繰り返し単位数、RはH、CH3、C
2H5、Mは水素、アルカリ金属、テトラアルキルアンモ
ニウムのいずれかを示す。) 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 繰り返し単位(a)で表されるスルホン
酸化ポリスルホンと式(b)のモノマー単位を有するが
実質的にイオン基を持たない樹脂との混合物から成り、
かつその膜表面から断面にわたる構造が3次元網目構造
を有する親水化分離膜。 - 【請求項3】 膜を構成する高分子のうちのスルホン酸
化ポリスルホン含有量が、5〜50%であることを特徴
とする特許請求の範囲第1項および第2項記載の親水化
分離膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18153791A JPH054031A (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 親水化分離膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18153791A JPH054031A (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 親水化分離膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH054031A true JPH054031A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=16102514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18153791A Withdrawn JPH054031A (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 親水化分離膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH054031A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6258272B1 (en) | 1999-04-09 | 2001-07-10 | Usf Filtrations And Separations Group, Inc. | Internal hydrophilic membranes from blended anionic copolymers |
EP1149625A1 (en) * | 2000-04-26 | 2001-10-31 | USF Filtration and Separations Group Inc. | Internal hydrophilic membranes from blended anionic copolymers |
CN100344675C (zh) * | 2004-10-19 | 2007-10-24 | 中山大学 | 磺化含芴聚芳醚(酮)及其制备方法和应用 |
US7649025B2 (en) | 2002-10-17 | 2010-01-19 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Composite ion-exchange membrane |
-
1991
- 1991-06-27 JP JP18153791A patent/JPH054031A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6258272B1 (en) | 1999-04-09 | 2001-07-10 | Usf Filtrations And Separations Group, Inc. | Internal hydrophilic membranes from blended anionic copolymers |
EP1149625A1 (en) * | 2000-04-26 | 2001-10-31 | USF Filtration and Separations Group Inc. | Internal hydrophilic membranes from blended anionic copolymers |
US7649025B2 (en) | 2002-10-17 | 2010-01-19 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Composite ion-exchange membrane |
CN100344675C (zh) * | 2004-10-19 | 2007-10-24 | 中山大学 | 磺化含芴聚芳醚(酮)及其制备方法和应用 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980903 |