JPH05263902A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
自動変速機の変速制御装置Info
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- JPH05263902A JPH05263902A JP4058268A JP5826892A JPH05263902A JP H05263902 A JPH05263902 A JP H05263902A JP 4058268 A JP4058268 A JP 4058268A JP 5826892 A JP5826892 A JP 5826892A JP H05263902 A JPH05263902 A JP H05263902A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 解放要素の解放を空吹け量が適正値となるよ
う進行制御しつつ、締結要素を締結させる制御で、トル
クの引き込みと変速ラグについての制約を緩和し、運転
性の向上を図る装置を得る。 【構成】 締結側の締結制御をランプ制御で行うなら、
締結ランプを2段階とする。締結摩擦要素(B/B) を、ト
ルクフェーズは第1のランプに基づいて締結し、イナー
シャフェーズは第2のランプに基づき締結制御する。各
ランプの傾きは互いに異なる値に設定できる。ギヤ比の
状態によって、トルクフェーズフィードバック(F/B) 制
御終了時(A点)にランプ速度を変え、摩擦要素(B/B)
の締結力を切換える。トルクフェーズF/B 制御中のラン
プ速度を上げられ、変速ラグも小さくできる。第2のラ
ンプはスロットル開度に伴い増加するように設定し、該
開度の大小に合わせた制御もできる。
う進行制御しつつ、締結要素を締結させる制御で、トル
クの引き込みと変速ラグについての制約を緩和し、運転
性の向上を図る装置を得る。 【構成】 締結側の締結制御をランプ制御で行うなら、
締結ランプを2段階とする。締結摩擦要素(B/B) を、ト
ルクフェーズは第1のランプに基づいて締結し、イナー
シャフェーズは第2のランプに基づき締結制御する。各
ランプの傾きは互いに異なる値に設定できる。ギヤ比の
状態によって、トルクフェーズフィードバック(F/B) 制
御終了時(A点)にランプ速度を変え、摩擦要素(B/B)
の締結力を切換える。トルクフェーズF/B 制御中のラン
プ速度を上げられ、変速ラグも小さくできる。第2のラ
ンプはスロットル開度に伴い増加するように設定し、該
開度の大小に合わせた制御もできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置に関するものである。
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は各種摩擦要素の選択的締結
により対応変速段を選択し、摩擦要素の締結・解放切換
えにより他の変速段への変速を行う。ところで、この変
速に当り摩擦要素の締結と、他の摩擦要素の解放とがタ
イミング良く行われないと、エンジンが空吹けしたり、
トルクの引き込みを生じ、大きな変速ショックを生じた
り、変速フィーリングの悪化を招く。
により対応変速段を選択し、摩擦要素の締結・解放切換
えにより他の変速段への変速を行う。ところで、この変
速に当り摩擦要素の締結と、他の摩擦要素の解放とがタ
イミング良く行われないと、エンジンが空吹けしたり、
トルクの引き込みを生じ、大きな変速ショックを生じた
り、変速フィーリングの悪化を招く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願人は、
先に、特願平3−23903 号により、摩擦要素の締結と解
放とをタイミング良く行えるようにする変速制御装置に
ついて提案をしている。これによると、従来に比し、エ
ンジンの空吹けや深いトルクの引き込みを生じないよ
う、滑らかな変速を実現することができる。しかして、
上記技術は、次のような点を考えれば、なお、運転性向
上の面で改善できる余地がある。即ち、変速時、変速機
入力回転の空吹け量が適正値となるよう解放側摩擦要素
を制御し、その解放の進行制御の一方で、締結側摩擦要
素を締結させるようにするが、この場合の締結側の制御
において、締結側ランプを1段とし又はステップ入力と
すると、トルクの引き込みを小さくするためには、例え
ばランプ制御の場合でいえばランプ速度をそれほどは上
げにくい。このため、変速ラグ(変速指令から運転者が
変速開始を感じるまでの時間であり、図7の変速指令時
t1 からA点までの時間に相当)はそれだけ大きくな
る。又、スロットル開度との関係でみると、スロットル
開度が小のときには、イナーシャフェーズでのランプを
小として滑らかに締結するのが良いが、ランプがトルク
フェーズ及びイナーシャフェーズを通し一律で、そのラ
ンプを延長してトルクフェーズのランプを同一に(即
ち、小さく)決定すると、変速ラグがその分長くなり、
逆に、スロットル開度大のときは、イナーシャフェーズ
でのランプを大として空吹けを防止したいが、このラン
プを延長してトルクフェーズのランプを同一に(即ち、
大きく)決定したなら、引き込みトルクが大となる(図
7参照)。
先に、特願平3−23903 号により、摩擦要素の締結と解
放とをタイミング良く行えるようにする変速制御装置に
ついて提案をしている。これによると、従来に比し、エ
ンジンの空吹けや深いトルクの引き込みを生じないよ
う、滑らかな変速を実現することができる。しかして、
上記技術は、次のような点を考えれば、なお、運転性向
上の面で改善できる余地がある。即ち、変速時、変速機
入力回転の空吹け量が適正値となるよう解放側摩擦要素
を制御し、その解放の進行制御の一方で、締結側摩擦要
素を締結させるようにするが、この場合の締結側の制御
において、締結側ランプを1段とし又はステップ入力と
すると、トルクの引き込みを小さくするためには、例え
ばランプ制御の場合でいえばランプ速度をそれほどは上
げにくい。このため、変速ラグ(変速指令から運転者が
変速開始を感じるまでの時間であり、図7の変速指令時
t1 からA点までの時間に相当)はそれだけ大きくな
る。又、スロットル開度との関係でみると、スロットル
開度が小のときには、イナーシャフェーズでのランプを
小として滑らかに締結するのが良いが、ランプがトルク
フェーズ及びイナーシャフェーズを通し一律で、そのラ
ンプを延長してトルクフェーズのランプを同一に(即
ち、小さく)決定すると、変速ラグがその分長くなり、
逆に、スロットル開度大のときは、イナーシャフェーズ
でのランプを大として空吹けを防止したいが、このラン
プを延長してトルクフェーズのランプを同一に(即ち、
大きく)決定したなら、引き込みトルクが大となる(図
7参照)。
【0004】本発明の目的は、このような点から更に改
良を加えようとするものであり、上記のトルクの引き込
みや変速ラグについての制約を緩和し得てそれらの両立
も図ることのできる自動変速機の変速制御装置を提供す
ることである。
良を加えようとするものであり、上記のトルクの引き込
みや変速ラグについての制約を緩和し得てそれらの両立
も図ることのできる自動変速機の変速制御装置を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記の
自動変速機の変速制御装置が提供される。複数の摩擦要
素の締結・解放切換えにより変速を行う自動変速機にお
いて、変速時に回転の空吹けが所定量となるよう、解放
されるべき摩擦要素の解放を進行制御する解放要素制御
手段と、締結されることとなった摩擦要素の締結を制御
する手段であって、トルクフェーズでは第1の制御量に
基づき、イナーシャフェーズでは第2の制御量に基づ
き、夫々該摩擦要素の締結制御が行われるよう制御量の
設定をし、且つ、前記第2の制御量はスロットル開度が
大になる程大きく設定する設定手段を含む締結要素制御
手段とを具備してなる自動変速機の変速制御装置であ
る。
自動変速機の変速制御装置が提供される。複数の摩擦要
素の締結・解放切換えにより変速を行う自動変速機にお
いて、変速時に回転の空吹けが所定量となるよう、解放
されるべき摩擦要素の解放を進行制御する解放要素制御
手段と、締結されることとなった摩擦要素の締結を制御
する手段であって、トルクフェーズでは第1の制御量に
基づき、イナーシャフェーズでは第2の制御量に基づ
き、夫々該摩擦要素の締結制御が行われるよう制御量の
設定をし、且つ、前記第2の制御量はスロットル開度が
大になる程大きく設定する設定手段を含む締結要素制御
手段とを具備してなる自動変速機の変速制御装置であ
る。
【0006】
【作用】本発明によれば、自動変速機が複数の摩擦要素
の締結・解放切換えにより変速を行うに際し、解放要素
制御手段は解放摩擦要素の解放を、空吹けが所定量とな
るよう進行制御する一方、締結要素制御手段が締結され
ることとなった摩擦要素を締結させるが、その設定手段
がトルクフェーズは第1の制御量に基づいて、又イナー
シャフェーズはスロットル開度が大になる程大きく設定
される第2の制御量に基づいて当該摩擦要素の締結制御
が行われるように制御量を設定して、締結が実行され
る。これにより、トルクフェーズとイナーシャフェーズ
とで締結摩擦要素の締結力の切換えが可能で、従って、
トルクの引き込みを小さくしようとするとその反面変速
ラグが大きくなるというような制約を緩和し得、制御の
幅を拡大して運転性の向上を図ることを可能ならしめ
る。
の締結・解放切換えにより変速を行うに際し、解放要素
制御手段は解放摩擦要素の解放を、空吹けが所定量とな
るよう進行制御する一方、締結要素制御手段が締結され
ることとなった摩擦要素を締結させるが、その設定手段
がトルクフェーズは第1の制御量に基づいて、又イナー
シャフェーズはスロットル開度が大になる程大きく設定
される第2の制御量に基づいて当該摩擦要素の締結制御
が行われるように制御量を設定して、締結が実行され
る。これにより、トルクフェーズとイナーシャフェーズ
とで締結摩擦要素の締結力の切換えが可能で、従って、
トルクの引き込みを小さくしようとするとその反面変速
ラグが大きくなるというような制約を緩和し得、制御の
幅を拡大して運転性の向上を図ることを可能ならしめ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。
説明する。
【0008】図1は本発明装置により変速制御すべき自
動変速機のギヤトレーンの一実施例の構成を示す。図
中、1は入力軸、2は出力軸で、これら入出力軸間に同
軸に第1遊星歯車組3及び第2遊星歯車組4を介装す
る。第1遊星歯車組3は第1サンギヤ3S、第1リングギ
ヤ3R、第1ピニオン3P及び第1キャリア3Cよりなる単純
遊星歯車組とし、第2遊星歯車組4も第2サンギア4S、
第2リングギヤ4R、第2ピニオン4P及び第2キャリア4C
よりなる単純遊星歯車組とする。
動変速機のギヤトレーンの一実施例の構成を示す。図
中、1は入力軸、2は出力軸で、これら入出力軸間に同
軸に第1遊星歯車組3及び第2遊星歯車組4を介装す
る。第1遊星歯車組3は第1サンギヤ3S、第1リングギ
ヤ3R、第1ピニオン3P及び第1キャリア3Cよりなる単純
遊星歯車組とし、第2遊星歯車組4も第2サンギア4S、
第2リングギヤ4R、第2ピニオン4P及び第2キャリア4C
よりなる単純遊星歯車組とする。
【0009】入力軸1はトルクコンバータT/C を経て図
示せざるエンジンからの回転を入力され、この入力軸を
第2サンギヤ4Sに結着する。入力軸1は更にハイクラッ
チH/C により第1キャリア3Cに結合可能にすると共に、
リバースクラッチR/C により第1サンギヤ3Sに結合可能
とする。第1サンギヤ3Sは更にバンドブレーキB/B によ
り固定可能とし、第1キャリア3Cは更にローリバースブ
レーキLR/Bにより固定可能にすると共にオーバーランク
ラッチOR/Cにより第2リングギヤ4Rに結合可能とする。
又、第1リングギヤ3R及び第2キャリア4Cを相互に駆動
結合し、これらを出力軸2に結合する。かかるギヤトレ
ーンにおいて、摩擦要素H/C, R/C, B/B, LR/B 及びOR/C
の締結(○印で示す)、解放(無印)と、選択変速段と
の関係を示すと、次表の如くになる。
示せざるエンジンからの回転を入力され、この入力軸を
第2サンギヤ4Sに結着する。入力軸1は更にハイクラッ
チH/C により第1キャリア3Cに結合可能にすると共に、
リバースクラッチR/C により第1サンギヤ3Sに結合可能
とする。第1サンギヤ3Sは更にバンドブレーキB/B によ
り固定可能とし、第1キャリア3Cは更にローリバースブ
レーキLR/Bにより固定可能にすると共にオーバーランク
ラッチOR/Cにより第2リングギヤ4Rに結合可能とする。
又、第1リングギヤ3R及び第2キャリア4Cを相互に駆動
結合し、これらを出力軸2に結合する。かかるギヤトレ
ーンにおいて、摩擦要素H/C, R/C, B/B, LR/B 及びOR/C
の締結(○印で示す)、解放(無印)と、選択変速段と
の関係を示すと、次表の如くになる。
【0010】
【表1】
【0011】上記自動変速機の変速制御のため、エンジ
ン回転Ne を検出するエンジン回転センサ5、タービン
回転(変速機入力回転)Nt を検出するタービン回転サ
ンセ6、出力軸回転(変速機出力回転)No を検出する
出力軸回転センサ7、スロットル開度TVO を検出するス
ロットル開度センサ8、及び自動変速機油温(AT油温)
Tatを検出する油温センサ9からの夫々の信号を変速制
御用コントロールユニット(ATCU)10に入力し、該ATCU
10 は、図2〜図6の制御プログラムを実行することに
より変速制御を行う。
ン回転Ne を検出するエンジン回転センサ5、タービン
回転(変速機入力回転)Nt を検出するタービン回転サ
ンセ6、出力軸回転(変速機出力回転)No を検出する
出力軸回転センサ7、スロットル開度TVO を検出するス
ロットル開度センサ8、及び自動変速機油温(AT油温)
Tatを検出する油温センサ9からの夫々の信号を変速制
御用コントロールユニット(ATCU)10に入力し、該ATCU
10 は、図2〜図6の制御プログラムを実行することに
より変速制御を行う。
【0012】オートアップ時(Dレンジ選択中のアップ
シフト時)の上記ギヤトレーンの変速制御による1→2
変速の場合は、この変速は上記表1から明らかなように
ローリバースブレーキLR/Bを解放し、バンドブレーキB/
B を締結することで達成される。1→2オートアップの
場合、締結側はB/B 締結で2速を実現するところ、それ
と同時に、1連締結クラッチLR/Bを解放しなければイン
ターロックが発生し、又解放が早すぎれば空吹けが発生
するが、これは以下のような制御で抑制されると共に、
該制御において締結側の制御量の切換えも加味される。
シフト時)の上記ギヤトレーンの変速制御による1→2
変速の場合は、この変速は上記表1から明らかなように
ローリバースブレーキLR/Bを解放し、バンドブレーキB/
B を締結することで達成される。1→2オートアップの
場合、締結側はB/B 締結で2速を実現するところ、それ
と同時に、1連締結クラッチLR/Bを解放しなければイン
ターロックが発生し、又解放が早すぎれば空吹けが発生
するが、これは以下のような制御で抑制されると共に、
該制御において締結側の制御量の切換えも加味される。
【0013】図2は当該変速制御に当り計測しておくべ
き信号の計測処理を示し、一定時間Δt(例えば10m se
c )毎の定時割込みにより実行する。先ずステップ21で
は図1に夫々示すエンジン回転Ne 、タービン回転Nt
(変速機入力回転)、変速機出力回転No を計測すると
共に、エンジンのスロットル開度TVO 及びAT油温Tatを
計測する。次のステップ22, 23では夫々変速機のギヤ比
gr =Nt /No 、及びトルクコンバータ回転比e=N
t /Ne を演算し、更にステップ24では、ギヤ比の今回
計算値gr を次回処理において前回値(1回前の計算
値)gr (OLD) として用いるため、又今回処理で適用す
る前回記憶計算値を次回処理において更に前々回値(2
回前の計算値)gr (OLD2) として用いるため、夫々記
憶し、その後のステップ25でトルクコンバータ性能デー
タを基に回転比eに対応したトルク比t(e) 及びトルク
容量係数τ(e) をルックアップすると共にこれらの乗算
によりタービントルク(変速機入力トルク)Tt =t
(e) ×τ(e) を演算する。
き信号の計測処理を示し、一定時間Δt(例えば10m se
c )毎の定時割込みにより実行する。先ずステップ21で
は図1に夫々示すエンジン回転Ne 、タービン回転Nt
(変速機入力回転)、変速機出力回転No を計測すると
共に、エンジンのスロットル開度TVO 及びAT油温Tatを
計測する。次のステップ22, 23では夫々変速機のギヤ比
gr =Nt /No 、及びトルクコンバータ回転比e=N
t /Ne を演算し、更にステップ24では、ギヤ比の今回
計算値gr を次回処理において前回値(1回前の計算
値)gr (OLD) として用いるため、又今回処理で適用す
る前回記憶計算値を次回処理において更に前々回値(2
回前の計算値)gr (OLD2) として用いるため、夫々記
憶し、その後のステップ25でトルクコンバータ性能デー
タを基に回転比eに対応したトルク比t(e) 及びトルク
容量係数τ(e) をルックアップすると共にこれらの乗算
によりタービントルク(変速機入力トルク)Tt =t
(e) ×τ(e) を演算する。
【0014】図3は後述の如く演算した解放要素LR/Bの
油圧PL 及び締結要素B/B の油圧PH をステップ31で出
力する制御信号出力プログラムを示し、一定時間Δt毎
の定時割込みにより実行する。
油圧PL 及び締結要素B/B の油圧PH をステップ31で出
力する制御信号出力プログラムを示し、一定時間Δt毎
の定時割込みにより実行する。
【0015】図4は上記油圧PL ,PH を決定する変速
制御プログラムで、これも一定時間Δt毎の定時割込み
により処理する。ステップ41では、スロットル開度TVO
及び変速機出力回転No (車速)から予めメモリしてお
いた変速パターンを基に好適変速段を求め、この好適変
速段と現在の選択変速段とを比較して変速を行うべきか
否か、又変速を行うべきならいかなる変速かを判断す
る。次のステップ42では、変速の種類に応じて解放すべ
き摩擦要素(上記例ではローリバースブレーキLR/B)の
油圧を低下させ、締結すべき摩擦要素(上記例ではバン
ドブレートB/B )の油圧を上昇させることにより当該変
速(上記例では1→2変速)を進行させるが、この際両
者の油圧を図5、図6の制御プログラムにより逐次図7
の如くに制御する(変速クラッチ制御)。
制御プログラムで、これも一定時間Δt毎の定時割込み
により処理する。ステップ41では、スロットル開度TVO
及び変速機出力回転No (車速)から予めメモリしてお
いた変速パターンを基に好適変速段を求め、この好適変
速段と現在の選択変速段とを比較して変速を行うべきか
否か、又変速を行うべきならいかなる変速かを判断す
る。次のステップ42では、変速の種類に応じて解放すべ
き摩擦要素(上記例ではローリバースブレーキLR/B)の
油圧を低下させ、締結すべき摩擦要素(上記例ではバン
ドブレートB/B )の油圧を上昇させることにより当該変
速(上記例では1→2変速)を進行させるが、この際両
者の油圧を図5、図6の制御プログラムにより逐次図7
の如くに制御する(変速クラッチ制御)。
【0016】ステップ42の変速クラッチ制御では、ATCU
10 は、自動変速機の変速時に回転の空吹け量が適正値
となるよう解放側摩擦要素を制御するとき、ギヤ比の状
態によって締結側摩擦要素の締結力(一定値、又はラン
プ制御)を切換える。好ましくは、この場合、締結側摩
擦要素のその締結力(一定値、又はランプ制御)の切換
え制御を、運転条件、例えばスロットル開度TVO 、AT油
温Tat、変速機入力軸トルクTt のいずれか一以上によ
って、更に好ましくは制御対象摩擦要素毎に応じて、切
換えるよう制御する。ランプ制御の切換えを行うとき
は、ATCU 10 は、トルクフェーズでは第1のランプに基
づき締結し、イナーシャフェーズでは第1のランプと異
なる第2のランプに基づき締結制御することができ、好
適実施例では、トルクフェーズフィードバック(F/B) 制
御終了時(図7A点)に締結側ランプ速度を運転条件に
応じて変化させる。第2のランプは、この場合、スロッ
トル開度TVO が大なる程増加するように制御することが
できる。
10 は、自動変速機の変速時に回転の空吹け量が適正値
となるよう解放側摩擦要素を制御するとき、ギヤ比の状
態によって締結側摩擦要素の締結力(一定値、又はラン
プ制御)を切換える。好ましくは、この場合、締結側摩
擦要素のその締結力(一定値、又はランプ制御)の切換
え制御を、運転条件、例えばスロットル開度TVO 、AT油
温Tat、変速機入力軸トルクTt のいずれか一以上によ
って、更に好ましくは制御対象摩擦要素毎に応じて、切
換えるよう制御する。ランプ制御の切換えを行うとき
は、ATCU 10 は、トルクフェーズでは第1のランプに基
づき締結し、イナーシャフェーズでは第1のランプと異
なる第2のランプに基づき締結制御することができ、好
適実施例では、トルクフェーズフィードバック(F/B) 制
御終了時(図7A点)に締結側ランプ速度を運転条件に
応じて変化させる。第2のランプは、この場合、スロッ
トル開度TVO が大なる程増加するように制御することが
できる。
【0017】図5中ステップ51で1回目と判断する時、
換言すれば図7中の変速指令瞬時t 1 に1回だけ、図5
中ステップ52を実行し、次の処理を行う。即ち、解放要
素LR/Bの油圧換算必要締結容量POPを演算する。POPの
演算に当っては、解放要素LR/Bの摩擦係数をμ、摩擦板
の枚数をN、摩擦面積をA、摩擦板平均有効径をRとす
る時μ×2×N×A×Rで表される係数kを先ず求め、
これと、解放要素LR/Bのトルク分担率Tb と、タービン
トルクTt とから解放要素LR/Bの必要締結容量値POPを
POP=Tt ×Tb ×kにより演算する。更に、この値P
OPに対し、解放側摩擦要素の油圧が滑り出さない程度の
油圧となるよう、余裕油圧値P(α)を加えてPOP+P
(α)とし、これを解放側油圧PL とする。又、締結要
素B/B 側はプリ棚圧Pprを指令するが、このプリ棚圧が
当該要素のロスストロークを詰めておくためのものであ
ることから、リターンスプリング力相当の圧力をプリ棚
圧Pprとする。そして、上記のように求めたPOP+P
(α)を解放要素LR/Bの油圧PL にセットし、Pprを締
結要素B/B の油圧PH にセットする。
換言すれば図7中の変速指令瞬時t 1 に1回だけ、図5
中ステップ52を実行し、次の処理を行う。即ち、解放要
素LR/Bの油圧換算必要締結容量POPを演算する。POPの
演算に当っては、解放要素LR/Bの摩擦係数をμ、摩擦板
の枚数をN、摩擦面積をA、摩擦板平均有効径をRとす
る時μ×2×N×A×Rで表される係数kを先ず求め、
これと、解放要素LR/Bのトルク分担率Tb と、タービン
トルクTt とから解放要素LR/Bの必要締結容量値POPを
POP=Tt ×Tb ×kにより演算する。更に、この値P
OPに対し、解放側摩擦要素の油圧が滑り出さない程度の
油圧となるよう、余裕油圧値P(α)を加えてPOP+P
(α)とし、これを解放側油圧PL とする。又、締結要
素B/B 側はプリ棚圧Pprを指令するが、このプリ棚圧が
当該要素のロスストロークを詰めておくためのものであ
ることから、リターンスプリング力相当の圧力をプリ棚
圧Pprとする。そして、上記のように求めたPOP+P
(α)を解放要素LR/Bの油圧PL にセットし、Pprを締
結要素B/B の油圧PH にセットする。
【0018】又ステップ52では、解放側油圧のランプ制
御のため予めマップに記憶しておいたスロットル開度TV
O に応じた解放ランプ時間TMRrel (TVO) を読込み、上
記P OP値とこのTMRrel 値との比POP/TMRrel をP
rmp(rel)値として算出する。この値Prmp(rel)は、後述
のステップ55で解放側要素の油圧の低減制御を行う場合
に用いられるランプ時のステップ量である。更に、スロ
ットル開度TVO 、及びここではAT油温Tatの両者の関数
として予めマップに記憶されている解放側要素のランプ
制御のための解放ランプ時間(第1)TMRap1 (TVO, T
at) を読込むと共に、スロットル開度TVO の関数である
必要締結棚圧PC (TVO) をマップから読込む。そして、
当該時点のTVO 値、Tat値に応じて読込まれたこれらの
値から比PC (TVO) /TMRap1 =Prmp(ap1)を求め、こ
れを、締結要素B/B の油圧制御において後述のステップ
59でトルクフェーズ中にランプ制御(第1のランプ制
御)する場合の締結油圧ステップ量(制御量)として設
定する。
御のため予めマップに記憶しておいたスロットル開度TV
O に応じた解放ランプ時間TMRrel (TVO) を読込み、上
記P OP値とこのTMRrel 値との比POP/TMRrel をP
rmp(rel)値として算出する。この値Prmp(rel)は、後述
のステップ55で解放側要素の油圧の低減制御を行う場合
に用いられるランプ時のステップ量である。更に、スロ
ットル開度TVO 、及びここではAT油温Tatの両者の関数
として予めマップに記憶されている解放側要素のランプ
制御のための解放ランプ時間(第1)TMRap1 (TVO, T
at) を読込むと共に、スロットル開度TVO の関数である
必要締結棚圧PC (TVO) をマップから読込む。そして、
当該時点のTVO 値、Tat値に応じて読込まれたこれらの
値から比PC (TVO) /TMRap1 =Prmp(ap1)を求め、こ
れを、締結要素B/B の油圧制御において後述のステップ
59でトルクフェーズ中にランプ制御(第1のランプ制
御)する場合の締結油圧ステップ量(制御量)として設
定する。
【0019】更に又、解放要素LR/Bの油圧制御において
後述のステップ60でギヤ比フィードバック(F/B) 制御を
するのに用いるフィードバックゲイン比例分Kp 、同積
分分Ki 、同微分分Kd 、該F/B 制御で適用される目標
ギヤ比grtrg(所定の空吹け量相当量)、及びF/B 制御
終了値としてのフィードバック終了ギヤ比grminの夫々
の読込みをステップ52で実行する。なお、該ステップ52
による1回目読込みデータ等は、基本的に変速種類ごと
にもつものとする。
後述のステップ60でギヤ比フィードバック(F/B) 制御を
するのに用いるフィードバックゲイン比例分Kp 、同積
分分Ki 、同微分分Kd 、該F/B 制御で適用される目標
ギヤ比grtrg(所定の空吹け量相当量)、及びF/B 制御
終了値としてのフィードバック終了ギヤ比grminの夫々
の読込みをステップ52で実行する。なお、該ステップ52
による1回目読込みデータ等は、基本的に変速種類ごと
にもつものとする。
【0020】2回目以後は、ステップ53, 54により、ギ
ヤ比gr が図7に例示した目標ギヤ比grtrgより小さい
とき(瞬時t2 前)は、ステップ55が選択され、解放要
素油圧PL をステップ量Prmp(rel)ずつ減少させ、夫々
本ステップ55実行毎RETURNで次のタイムタスク時に処理
をステップ51へ戻し、油圧PL を図示の如くに漸減させ
る。これにより解放要素の解放に伴うタービン回転の上
昇で、ギヤ比gr が変速前(1速)相当ギヤ比より高く
なる。ギヤ比gr が最初に目標ギヤ比grtrgに達する迄
は、ステップ51−53−54−55のループが繰り返えされ、
目標ギヤ比grtrgになるに至ったとステップ54で判断さ
れた時(瞬時t2 )、ステップ56を1度実行し、FLAG=
1とすると共に、前記POP値をPstckへスタックし、以
後のフィードバック制御中のオープン値(ステップ60参
照)としてこれを用いる。
ヤ比gr が図7に例示した目標ギヤ比grtrgより小さい
とき(瞬時t2 前)は、ステップ55が選択され、解放要
素油圧PL をステップ量Prmp(rel)ずつ減少させ、夫々
本ステップ55実行毎RETURNで次のタイムタスク時に処理
をステップ51へ戻し、油圧PL を図示の如くに漸減させ
る。これにより解放要素の解放に伴うタービン回転の上
昇で、ギヤ比gr が変速前(1速)相当ギヤ比より高く
なる。ギヤ比gr が最初に目標ギヤ比grtrgに達する迄
は、ステップ51−53−54−55のループが繰り返えされ、
目標ギヤ比grtrgになるに至ったとステップ54で判断さ
れた時(瞬時t2 )、ステップ56を1度実行し、FLAG=
1とすると共に、前記POP値をPstckへスタックし、以
後のフィードバック制御中のオープン値(ステップ60参
照)としてこれを用いる。
【0021】瞬時t2 以後は、FLAG=1の成立によりス
テップ53からステップ57へスキップし、ステップ57〜60
の実行により、解放要素側ではギヤ比フィードバック制
御が、締結要素側ではランプ制御が行われる。ステップ
57は、ギヤ比gr がフィードバック終了ギヤ比grminよ
り小さいか否かを判別するステップ、又ステップ58は締
結要素油圧PH 指令が必要締結棚圧PC (TVO) 以上か否
かを判別するステップであり、ステップ57は、その判別
結果がNOのとき、ステップ58以降を選択する。ステップ
58での判別結果もNOのとき、従って、ギヤ比gr がフィ
ードバック終了ギヤ比grminよりも大きい時で締結要素
油圧指令PH (ランプ油圧)が値PC (TVO) よりも小さ
い間、ステップ58はステップ59を選択して処理をステッ
プ60へ進め、ステップ58においては前記の第1の締結油
圧ステップ量Prmp(ap1)を適用し、該Prmp(ap1)ずつ油
圧指令PH を増加制御するランプ制御を行う。かかる第
1のランプ制御は、図7に示す如く、基本的にギヤ比フ
ィードバック制御期間(瞬時t2 〜t3 間)中行われる
が、その途中で油圧指令値PH がPC(TVO) に達した時
は、値PH の増加制御はその時点で打ち切られ、ステッ
プ59はスキップされる。
テップ53からステップ57へスキップし、ステップ57〜60
の実行により、解放要素側ではギヤ比フィードバック制
御が、締結要素側ではランプ制御が行われる。ステップ
57は、ギヤ比gr がフィードバック終了ギヤ比grminよ
り小さいか否かを判別するステップ、又ステップ58は締
結要素油圧PH 指令が必要締結棚圧PC (TVO) 以上か否
かを判別するステップであり、ステップ57は、その判別
結果がNOのとき、ステップ58以降を選択する。ステップ
58での判別結果もNOのとき、従って、ギヤ比gr がフィ
ードバック終了ギヤ比grminよりも大きい時で締結要素
油圧指令PH (ランプ油圧)が値PC (TVO) よりも小さ
い間、ステップ58はステップ59を選択して処理をステッ
プ60へ進め、ステップ58においては前記の第1の締結油
圧ステップ量Prmp(ap1)を適用し、該Prmp(ap1)ずつ油
圧指令PH を増加制御するランプ制御を行う。かかる第
1のランプ制御は、図7に示す如く、基本的にギヤ比フ
ィードバック制御期間(瞬時t2 〜t3 間)中行われる
が、その途中で油圧指令値PH がPC(TVO) に達した時
は、値PH の増加制御はその時点で打ち切られ、ステッ
プ59はスキップされる。
【0022】ギヤ比gr が目標ギヤ比grtrgとなったら
開始される瞬時t2 以後の解放要素側のギヤ比フィード
バック制御は、ステップ60の実行によって行われ、解放
要素はギヤ比gr が規定空吹けとなるようその解放要素
油圧の低下の進行をフィードバック制御される。ここで
は、PID (比例、積分、微分)制御によってこれを行
い、本ステップ実行毎、比例分、積分分及び微分分を夫
々、grerr=gr −gr (OLD) 、grint=gr −
grtrg、grdeg=gr +gr (OLD2) −2×gr (OLD)
により算出し、これらを用いてフィードバック油圧値P
fbをPfb=grerr×Kp +grint×Ki +grdeg×Kd
により得ると共に、これと前記ステップ56で設定された
Pstck値とにより解放要素油圧をPL =Pstck+Pfbで
求めてPID 制御する。こうして、トルクフェーズ中は、
解放が上述の如くに制御される解放要素により微少の空
吹けをし続ける制御が行われる。これにより、変速時に
回転の空吹け量が適正値となるよう解放要素の解放が進
行制御される。一方、かかる過程において、締結要素側
は前記第1のランプ制御によりその設定締結油圧ステッ
プ量Prmp(ap1)に応じたランプ速度をもって漸増が継続
され、締結要素の実油圧は増加する。前記ステップ57
は、この間、ギヤ比gr をフィードバック終了ギヤ比g
rminをもって監視しており、ギヤ比gr がフィードバッ
ク終了ギヤ比grminより小さくなったと判断した瞬時t
3 に、ステップ61で解放油圧指令をO指令とし、制御を
図6のルーチンへ移行させる。即ち、ここで、トルクフ
ェーズ中のギヤ比フィードバック制御は解除し、解放要
素LR/Bを解放させ、又締結要素B/B 側についても、かか
るトルクフェーズフィードバック制御終了時(瞬時
t3 、即ち図7のA点)に、それまでの第1のランプ制
御は解除し、イナーシャフェーズでの第2のランプ制御
に切換える。
開始される瞬時t2 以後の解放要素側のギヤ比フィード
バック制御は、ステップ60の実行によって行われ、解放
要素はギヤ比gr が規定空吹けとなるようその解放要素
油圧の低下の進行をフィードバック制御される。ここで
は、PID (比例、積分、微分)制御によってこれを行
い、本ステップ実行毎、比例分、積分分及び微分分を夫
々、grerr=gr −gr (OLD) 、grint=gr −
grtrg、grdeg=gr +gr (OLD2) −2×gr (OLD)
により算出し、これらを用いてフィードバック油圧値P
fbをPfb=grerr×Kp +grint×Ki +grdeg×Kd
により得ると共に、これと前記ステップ56で設定された
Pstck値とにより解放要素油圧をPL =Pstck+Pfbで
求めてPID 制御する。こうして、トルクフェーズ中は、
解放が上述の如くに制御される解放要素により微少の空
吹けをし続ける制御が行われる。これにより、変速時に
回転の空吹け量が適正値となるよう解放要素の解放が進
行制御される。一方、かかる過程において、締結要素側
は前記第1のランプ制御によりその設定締結油圧ステッ
プ量Prmp(ap1)に応じたランプ速度をもって漸増が継続
され、締結要素の実油圧は増加する。前記ステップ57
は、この間、ギヤ比gr をフィードバック終了ギヤ比g
rminをもって監視しており、ギヤ比gr がフィードバッ
ク終了ギヤ比grminより小さくなったと判断した瞬時t
3 に、ステップ61で解放油圧指令をO指令とし、制御を
図6のルーチンへ移行させる。即ち、ここで、トルクフ
ェーズ中のギヤ比フィードバック制御は解除し、解放要
素LR/Bを解放させ、又締結要素B/B 側についても、かか
るトルクフェーズフィードバック制御終了時(瞬時
t3 、即ち図7のA点)に、それまでの第1のランプ制
御は解除し、イナーシャフェーズでの第2のランプ制御
に切換える。
【0023】イナーシャフェーズでの締結要素制御は、
図6の如きもので、先ず、ステップ71で本ルーチン1回
目と判断される時、1回だけステップ72を実行する。こ
こでは、締結要素側のランプ制御を2段階とするため、
スロットル開度TVO とやはりAT油温の両者に応じて第2
のランプ制御のための解放ランプ時間(第2)TMRap 2
(TVO, Tat) をマップから読込むと共に、スロットル開
度TVO に応じた必要締結棚圧PC (TVO) をマップから読
込み、これらPC (TVO) 値とTMRap2 との比P C (TVO)
/TMRap2 を新たに以後のステップ75でランプ制御する
場合の締結ランプステップ量Prmp(ap2)(制御量)とし
て設定する。ここに、ステップ量Prmp(ap2)は、スロッ
トル開度TVO に伴い増加するように設定することができ
る。スロットル開度TVO が小の時にこれに応じてP
rmp(ap2)値を小さく設定すると、図7中、イナーシャフ
ェーズ初期において、締結要素油圧PH 及び出力軸トル
クの推移は夫々2点鎖線で示すような変化のものとな
り、逆に、スロットル開度TVO が大の時にこれに応じて
Prmp(ap2)値を大きく設定すると、夫々の推移は1点鎖
線で示すような変化を示すものとなる。更に、ステップ
72では後述のステップ73の判別に適用する変速終了ギヤ
比gre nd(例えば変速後ギヤ比の1.02倍程度の値)を読
込むものとする。
図6の如きもので、先ず、ステップ71で本ルーチン1回
目と判断される時、1回だけステップ72を実行する。こ
こでは、締結要素側のランプ制御を2段階とするため、
スロットル開度TVO とやはりAT油温の両者に応じて第2
のランプ制御のための解放ランプ時間(第2)TMRap 2
(TVO, Tat) をマップから読込むと共に、スロットル開
度TVO に応じた必要締結棚圧PC (TVO) をマップから読
込み、これらPC (TVO) 値とTMRap2 との比P C (TVO)
/TMRap2 を新たに以後のステップ75でランプ制御する
場合の締結ランプステップ量Prmp(ap2)(制御量)とし
て設定する。ここに、ステップ量Prmp(ap2)は、スロッ
トル開度TVO に伴い増加するように設定することができ
る。スロットル開度TVO が小の時にこれに応じてP
rmp(ap2)値を小さく設定すると、図7中、イナーシャフ
ェーズ初期において、締結要素油圧PH 及び出力軸トル
クの推移は夫々2点鎖線で示すような変化のものとな
り、逆に、スロットル開度TVO が大の時にこれに応じて
Prmp(ap2)値を大きく設定すると、夫々の推移は1点鎖
線で示すような変化を示すものとなる。更に、ステップ
72では後述のステップ73の判別に適用する変速終了ギヤ
比gre nd(例えば変速後ギヤ比の1.02倍程度の値)を読
込むものとする。
【0024】2回目以降はステップ73以下が選択され
る。ステップ73は、ギヤ比gr が変速終了ギヤ比grend
より小さいか否かを判別するステップ、ステップ74は、
前記ステップ58と同様の判別ステップであり、これらの
判別結果により、ギヤ比gr がgrend値より大きい間
で、なおかつ必要締結棚圧PC (TVO) に達しない間(瞬
時t3 〜例えば瞬時t4 間)は、ステップ75において第
2のランプ制御を行い、本ステップ75実行毎、前記の締
結ランプステップ油圧Prmp(ap2)を適用して、図7に示
す如く、トルクフェーズとは異なるランプ量で該P
rmp(ap2)ずつ締結要素油圧PH を上昇させる。しかし
て、PH ≧PC (TVO) が成立する瞬時t4 以後は、ステ
ップ75をスキップしたまま処理をステップ71へ戻し、棚
圧制御を継続する。この間、ステップ73では、棚圧制御
の継続に伴い漸減するギヤ比gr を監視し、ギヤ比gr
が値gre ndを下回った時点(瞬時t5 )で、ステップ76
の実行により、締結要素油圧PHをライン圧まで上昇さ
せるよう最高値Pmax に指令して締結要素B/B を完全締
結させ、変速制御を終了する。
る。ステップ73は、ギヤ比gr が変速終了ギヤ比grend
より小さいか否かを判別するステップ、ステップ74は、
前記ステップ58と同様の判別ステップであり、これらの
判別結果により、ギヤ比gr がgrend値より大きい間
で、なおかつ必要締結棚圧PC (TVO) に達しない間(瞬
時t3 〜例えば瞬時t4 間)は、ステップ75において第
2のランプ制御を行い、本ステップ75実行毎、前記の締
結ランプステップ油圧Prmp(ap2)を適用して、図7に示
す如く、トルクフェーズとは異なるランプ量で該P
rmp(ap2)ずつ締結要素油圧PH を上昇させる。しかし
て、PH ≧PC (TVO) が成立する瞬時t4 以後は、ステ
ップ75をスキップしたまま処理をステップ71へ戻し、棚
圧制御を継続する。この間、ステップ73では、棚圧制御
の継続に伴い漸減するギヤ比gr を監視し、ギヤ比gr
が値gre ndを下回った時点(瞬時t5 )で、ステップ76
の実行により、締結要素油圧PHをライン圧まで上昇さ
せるよう最高値Pmax に指令して締結要素B/B を完全締
結させ、変速制御を終了する。
【0025】以上のような制御により、解放・締結切換
えを常時タイミング良く行わせることができ、エンジン
の空吹けを確実に防止しつつトルクの引き込みが小さな
状態で滑らかな変速を実現できると共に、締結側ランプ
制御を切換えて運転性をより高めることができる。締結
側ランプを1段とする場合の方式のものと比べると、そ
の場合には、トルクの引き込みを小さくしようとすると
ランプ速度を上げられない結果、その分変速ラグが大き
いものとなるところ、本実施例では2段階とし得てトル
クフェーズフィードバック制御中のランプ速度を上げら
れるので、変速のラグも小さくすることができ、変速ラ
グと引き込みトルクの点での両立も図れ、従って、その
ような制約も緩和することができる。図7のプリチャー
ジ時間(t2 〜t3 間)を短くしたいときは、第1のラ
ンプ制御の傾きを大きくする(あるいは後述で触れるよ
うに棚圧を与える)ことによってこれを行うことがで
き、しかも、トルクの引き込みは、ランプが1段の場合
よりは小さい状態で上記を実現することが可能である。
えを常時タイミング良く行わせることができ、エンジン
の空吹けを確実に防止しつつトルクの引き込みが小さな
状態で滑らかな変速を実現できると共に、締結側ランプ
制御を切換えて運転性をより高めることができる。締結
側ランプを1段とする場合の方式のものと比べると、そ
の場合には、トルクの引き込みを小さくしようとすると
ランプ速度を上げられない結果、その分変速ラグが大き
いものとなるところ、本実施例では2段階とし得てトル
クフェーズフィードバック制御中のランプ速度を上げら
れるので、変速のラグも小さくすることができ、変速ラ
グと引き込みトルクの点での両立も図れ、従って、その
ような制約も緩和することができる。図7のプリチャー
ジ時間(t2 〜t3 間)を短くしたいときは、第1のラ
ンプ制御の傾きを大きくする(あるいは後述で触れるよ
うに棚圧を与える)ことによってこれを行うことがで
き、しかも、トルクの引き込みは、ランプが1段の場合
よりは小さい状態で上記を実現することが可能である。
【0026】又、締結ランプを2段階にできることは、
第2のランプ制御でイナーシャフェーズ開始からの引き
込みトルク波形を自在にできることとなることから、1
段の方式のものに対して、イナーシャフェーズ初期の引
き込み感を自在にコントロールすることができるように
もなる。
第2のランプ制御でイナーシャフェーズ開始からの引き
込みトルク波形を自在にできることとなることから、1
段の方式のものに対して、イナーシャフェーズ初期の引
き込み感を自在にコントロールすることができるように
もなる。
【0027】更に又、ランプ制御の切換えにおいてラン
プ速度を運転条件に応じて変化させるようにすると、よ
りきめの細かな制御を実現できる。特に、第2のランプ
速度の設定にあたり、これをスロットル開度に伴い増加
するようよすれば、スロットル開度が小さい状態ではイ
ナーシャフェーズでのランプ速度を小として滑らかな締
結を狙いつつ変速ラグが長くなるのも回避し、スロット
ル開度が大きい状態では引き込みトルクが大となるのを
避ける一方で、イナーシャフェーズでのランプを大とし
て空吹けを防止したいという要求にも容易に応えられ、
より適切な制御を達成することができる。
プ速度を運転条件に応じて変化させるようにすると、よ
りきめの細かな制御を実現できる。特に、第2のランプ
速度の設定にあたり、これをスロットル開度に伴い増加
するようよすれば、スロットル開度が小さい状態ではイ
ナーシャフェーズでのランプ速度を小として滑らかな締
結を狙いつつ変速ラグが長くなるのも回避し、スロット
ル開度が大きい状態では引き込みトルクが大となるのを
避ける一方で、イナーシャフェーズでのランプを大とし
て空吹けを防止したいという要求にも容易に応えられ、
より適切な制御を達成することができる。
【0028】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、ランプ制御の切換えによる態様で
説明したが、図7の例において瞬時t2 〜t3 間の時間
を短くするために第1のランプの傾きを大きくするのに
代えて棚圧を与えるような方法で切換え制御をするよう
にしてもよく、従って、ランプ制御の切換えだけに限定
されるものではない。又、解放側要素は、ギヤ比フィー
ドバック制御とし、ギヤ比の状態によって切換え制御を
したが、ギヤ比に限らず、例えばタービン回転その他で
あってもよい。
のではない。例えば、ランプ制御の切換えによる態様で
説明したが、図7の例において瞬時t2 〜t3 間の時間
を短くするために第1のランプの傾きを大きくするのに
代えて棚圧を与えるような方法で切換え制御をするよう
にしてもよく、従って、ランプ制御の切換えだけに限定
されるものではない。又、解放側要素は、ギヤ比フィー
ドバック制御とし、ギヤ比の状態によって切換え制御を
したが、ギヤ比に限らず、例えばタービン回転その他で
あってもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、エンジンの空吹けや深
い引き込みトルクの発生を抑制して滑らかな変速が行え
ると共に、トルクフェーズとイナーシャフェーズとで締
結摩擦要素の締結力を切換えることもできる。従って、
トルクの引き込みを小さくしつつ変速ラグを小さくする
ことも容易に実現でき、これの両立を図り、運転性の一
層の向上も可能となる。
い引き込みトルクの発生を抑制して滑らかな変速が行え
ると共に、トルクフェーズとイナーシャフェーズとで締
結摩擦要素の締結力を切換えることもできる。従って、
トルクの引き込みを小さくしつつ変速ラグを小さくする
ことも容易に実現でき、これの両立を図り、運転性の一
層の向上も可能となる。
【図1】本発明装置により変速制御すべき自動変速機の
ギヤトレーンの一実施例の構成を示す図である。
ギヤトレーンの一実施例の構成を示す図である。
【図2】同例における制御プログラムにして、信号計測
処理プログラムのフローチャートである。
処理プログラムのフローチャートである。
【図3】同じく、制御信号出力処理のためのプログラム
フローチャートである。
フローチャートである。
【図4】同じく、変速判断、及び変速制御のためのプロ
グラムフローチャートである。
グラムフローチャートである。
【図5】図4の変速制御処理のトルクフェーズでの内容
を示す制御プログラムの一例のフローチャートである。
を示す制御プログラムの一例のフローチャートである。
【図6】同変速制御でのイナーシャフェーズでの内容を
示すプログラムの一例のフローチャートである。
示すプログラムの一例のフローチャートである。
【図7】同例の変速動作タイムチャートである。
1 入力軸 2 出力軸 3 第1遊星歯車組 4 第2遊星歯車組 5 エンジン回転センサ 6 タービン回転センサ 7 出力軸回転センサ 8 スロットル開度センサ 9 変速機油温センサ 10 コントロールユニット (ATCU) T/C トルクコンバータ LR/B ローリバースブレーキ B/B バンドブレーキ H/C ハイクラッチ OR/C オーバーランクラッチ R/C リバースクラッチ
Claims (1)
- 【請求項1】 複数の摩擦要素の締結・解放切換えによ
り変速を行う自動変速機において、 変速時に回転の空吹けが所定量となるよう、解放される
べき摩擦要素の解放を進行制御する解放要素制御手段
と、 締結されることとなった摩擦要素の締結を制御する手段
であって、トルクフェーズでは第1の制御量に基づき、
イナーシャフェーズでは第2の制御量に基づき、夫々該
摩擦要素の締結制御が行われるよう制御量の設定をし、
且つ、前記第2の制御量はスロットル開度が大になる程
大きく設定する設定手段を含む締結要素制御手段とを具
備してなることを特徴とする自動変速機の変速制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4058268A JP2910384B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 自動変速機の変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4058268A JP2910384B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 自動変速機の変速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05263902A true JPH05263902A (ja) | 1993-10-12 |
JP2910384B2 JP2910384B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=13079431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4058268A Expired - Fee Related JP2910384B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 自動変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2910384B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6041275A (en) * | 1996-12-19 | 2000-03-21 | Jatco Corporation | Automatic transmission upshift control apparatus |
JP2009041626A (ja) * | 2007-08-07 | 2009-02-26 | Toyota Motor Corp | 車両の制御装置、制御方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体 |
-
1992
- 1992-03-16 JP JP4058268A patent/JP2910384B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6041275A (en) * | 1996-12-19 | 2000-03-21 | Jatco Corporation | Automatic transmission upshift control apparatus |
DE19756823B4 (de) * | 1996-12-19 | 2005-07-28 | Jatco Ltd, Fuji | Hochschaltsteuerverfahren und Hochschaltsteuervorrichtung für ein Automatikgetriebe |
JP2009041626A (ja) * | 2007-08-07 | 2009-02-26 | Toyota Motor Corp | 車両の制御装置、制御方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体 |
US8589041B2 (en) | 2007-08-07 | 2013-11-19 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control device and control method for vehicle |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2910384B2 (ja) | 1999-06-23 |
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