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JP2687734B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2687734B2
JP2687734B2 JP3023903A JP2390391A JP2687734B2 JP 2687734 B2 JP2687734 B2 JP 2687734B2 JP 3023903 A JP3023903 A JP 3023903A JP 2390391 A JP2390391 A JP 2390391A JP 2687734 B2 JP2687734 B2 JP 2687734B2
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Japan
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release
value
change rate
hydraulic pressure
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裕介 皆川
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Nissan Motor Co Ltd
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Priority to DE4143429A priority patent/DE4143429C2/de
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    • F16H61/061Smoothing ratio shift by controlling rate of change of fluid pressure using electric control means
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は各種摩擦要素の選択的締結
により対応変速段を選択し、摩擦要素の締結・解放切換
えにより他の変速段への変速を行う。ところで、この変
速に当り摩擦要素の締結と、他の摩擦要素の解放とがタ
イミング良く行われないと、エンジンが空吹けしたり、
トルクの引き込みを生じ、大きな変速ショックを生じた
り、変速フィーリングの悪化を招く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで従来は、例えば
日産自動車(株)発行「RE4R01A 型オートマチックトラ
ンスミッション整備要領書」(A261C07) に記載の如く、
特に必要な締結・解放切換えについてワンウェイクラッ
チを設け、締結されるべき要素の締結時ワンウェイクラ
ッチがオーバーランすることにより、解放側要素の解放
は何時でも良いようにすることで、上記の問題を解決す
る試みが多く用いられてきた。しかし、このようにワン
ウェイクラッチを具えた自動変速機はそのギヤトレーン
が径方向及び軸線方向共に大きくなるのを免れず、コン
パクト化の要求に応えられない。又、解放側要素をリア
ルタイム制御するといった機能は有しておらず、より滑
らかな変速が望まれるときそれに対応しにくく、変速特
性の一層の向上に制限を受け易い。
【0004】本発明は摩擦要素の締結と解放とをタイミ
ング良く行い得る変速制御装置を提供し、もってエンジ
ンの空吹けやトルクの引き込みを生じないよう滑らかな
変速を実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的のため請求項1
記載の本発明変速制御装置は、複数の摩擦要素の締結・
解放切換えにより変速を行う自動変速機において、解放
されることとなった摩擦要素の解放の際、変速指令時の
変速機入力トルクに応じて求めた油圧まで低下させた状
態から該摩擦要素の油圧を漸減させるよう制御すると共
に、その油圧の漸減による該摩擦要素の解放にともなう
変速機入力回転の空吹けが第1の所定値となるよう該摩
擦要素の解放を進行制御する解放要素制御手段と、前記
空吹けが前記第1の所定値になる時、締結されるべき摩
擦要素の油圧を当該摩擦要素のリターンスプリング力相
当の第1の油圧の状態から第2の油圧に上昇させ、前記
解放側摩擦要素の解放の進行制御の間に当該締結側摩擦
要素を締結させる締結要素制御手段とを設けて構成した
ものである。又請求項2記載の本発明変速制御装置は、
複数の摩擦要素の締結・解放切換えにより変速を行う自
動変速機において、当該変速に当たり、解放されること
となった摩擦要素の解放によるトルクフェーズ中、変速
機入力軸の回転変化率が第1の所定値となるよう該摩擦
要素の解放を進行制御する解放要素制御手段と、当該変
速における前記変速機入力軸の回転変化率を用いて締結
されるべき摩擦要素の締結制御を行う締結制御手段であ
って、イナーシャフェーズ中で適用する回転変化率目標
値として所定の初期値から値0に向い上昇する第1の特
性の目標回転変化率を設定し、イナーシャフェーズ中の
前記回転変化率が該第1の特性の目標回転変化率値と一
致し該目標値を下回わるに至る状態となる場合において
両者が一致することとなった時、フィードバック制御を
開始させるよう制御する手段を有すると共に、その一致
することとなるまでの間の前記第1の特性の目標回転変
化率と実回転変化率との差の積算値を求めておき、該フ
ィードバック制御では、該積算値に基づき当該フィード
バック制御の目標回転変化率として前記回転変化率の急
激な変化が抑制されるように特性を修正した第2の特性
の目標回転変化率を設定し、該第2の特性の目標回転変
化率と実回転変化率との偏差によりフィードバック制御
を行う手段を含む、締結要素制御手段とを設けて構成し
たものである。
【0006】
【作用】請求項1記載の発明では、自動変速機が複数の
摩擦要素の締結・解放切換えにより変速を行うに際し、
解放要素制御手段は変速機入力回転の空吹けが第1の所
定値となるよう解放されることとなった解放側摩擦要素
の解放を進行制御する一方、締結側は、この空吹けがそ
の第1の所定値になる時、そのタイミングで、締結要素
制御手段は油圧を上昇させて締結されるべき締結側摩擦
要素の締結制御を実行させる。本変速制御装置では、解
放側摩擦要素の解放の際、変速指令時の変速機入力トル
クに応じて求めた油圧まで低下させた状態から解放側摩
擦要素の油圧を漸減させるよう制御すると共に、その油
圧の漸減による解放側摩擦要素の解放にともなう変速機
入力回転の空吹けが第1の所定値となるよう該摩擦要素
の解放を進行制御しつつ、その空吹けがかかる第1の所
定値になる時、締結されるべき摩擦要素の油圧をリター
ンスプリング力相当の第1の油圧の状態から第2の油圧
に上昇させ、その解放側摩擦要素の解放の進行制御の間
に締結側摩擦要素を締結させることができる。従って、
解放要素の解放を変速機入力回転の空吹けが所定値とな
るよう進行制御しつつ、締結要素を締結させることがで
きる。これにより、解放要素の解放が変速機入力回転の
規定空吹け値以上の上昇を生じないよう進行制御され、
エンジンの空吹けを確実に防止することができ、又その
進行制御の間に締結要素を締結させて、変速を実行させ
ることができ、両要素の解放・締結切換えを常時タイミ
ング良く行わせることができ、解放が早過ぎてエンジン
の空吹けを生じたり、締結が早過ぎてトルクの引き込み
を生じることがなく、エンジンの空吹けやトルクの引き
込みを生じない滑らかな変速を補償し得る。又変速ショ
ックの少ない変速フィーリングの良い滑らかな変速を実
現することができる。又請求項2記載の発明の場合は、
上記のように、解放要素制御手段は変速機入力軸の回転
変化率を制御情報とし、これに基づき、トルクフェーズ
中、解放要素を制御し、又締結要素制御手段による締結
要素の締結制御もかかる回転変化率情報を用いて行う。
本変速制御装置では、締結・解放切換えにより変速を行
うに際し、当該変速に当たり、解放されることとなった
摩擦要素の解放によるトルクフェーズ中、上記回転変化
率を用いこれが第1の所定値となるよう解放側摩擦要素
の解放を進行制御し、当該変速における上記回転変化率
を用いて締結されるべき摩擦要素の締結制御を行う場
合、イナーシャフェーズ中で適用する回転変化率目標値
として所定の初期値から値0に向い上昇する第1の特性
の目標回転変化率を設定し、イナーシャフェーズ中の上
記回転変化率がこの第1の特性の目標回転変化率値と一
致し該目標値を下回わるに至る状態となる場合において
両者が一致することとなった時、フィードバック制御を
開始させるよう制御すると共に、その一致することとな
るまでの間、その第1の特性の目標回転変化率と実回転
変化率との差の積算値を求めておき、そのフィードバッ
ク制御では、かかる積算値に基づき当該フィードバック
制御の目標回転変化率として上記回転変化率の急激な変
化が抑制されるように特性を修正した第2の特性の目標
回転変化率を設定し、この第2の特性の目標回転変化率
と実回転変化率との偏差によりフィードバック制御を行
うようにして、締結側要素の締結制御を実行させる。こ
のような変速制御によっても、同様に、解放要素により
所定量の空吹けをし続ける制御が行われ、当該変速にお
いて、その解放の進行制御の一方で締結要素の締結が行
われることとなり、両者の解放・締結切換えが良好なタ
イミングで実行され、滑らかな変速を実現する。又、イ
ナーシャフェーズ中のフィードバック制御の開始を遅延
させ得て、もしイナーシャフェーズ初期から締結要素油
圧についてフィードバック制御をするとした場合でのサ
ージトルクやハンチングをも避けることができ、イナー
シャフェーズ中のフィードバック制御は、上記第1の特
性の目標回転変化率と実回転変化率とが一致した時点か
ら行うこととすることで、締結側制御に上記回転変化率
を用いたフィードバック制御を導入する場合でも、ハン
チングの発生を抑えて高ゲインのフィードバック制御を
も容易に行うことができる。又この場合、上記のように
修正して第2の特性の目標回転変化率を設定してフィー
ドバック制御を行うため、回転変化率の急激な変化の抑
制も図ることができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基き詳細に説
明する。
【0008】図1は本発明装置により変速制御すべき自
動変速機のギヤトレーンで、前記文献に記載のギヤトレ
ーンからワンウェイクラッチを除去したものに相当す
る。即ち、1は入力軸、2は出力軸で、これら入出力軸
間に同軸に第1遊星歯車組3及び第2遊星歯車組4を介
装する。第1遊星歯車組3は第1サンギヤ3S、第1リン
グギヤ3R、第1ピニオン3P及び第1キャリア3Cよりなる
単純遊星歯車組とし、第2遊星歯車組4も第2サンギヤ
4S、第2リングギヤ4R、第2ピニオン4P及び第2キャリ
ア4Cよりなる単純遊星歯車組とする。
【0009】入力軸1はトルクコンバータT/Cを経て
図示せざるエンジンからの回転を入力され、この入力軸
を第2サンギヤ4Sに結着する。入力軸1は更にハイクラ
ッチH/Cにより第1キャリア3Cに結合可能にすると共
に、リバースクラッチR/Cにより第1サンギヤ3Sに結
合可能とする。第1サンギヤ3Sは更にバンドブレーキB
/Bにより固定可能とし、第1キャリア3Cは更にローリ
バースブレーキLR/Bにより固定可能にすると共にオーバ
ーランクラッチOR/Cにより第2リングギヤ4Rに結合可能
とする。又、第1リングギヤ3R及び第2キャリア4Cを相
互に駆動結合し、これらを出力軸2に結合する。かかる
ギヤトレーンにおいて、摩擦要素H/C, R/C, B/B, LR/C
及びOR/Cの締結(○印で示す)、解放(無印)と、選択
変速段との関係を示すと、次表の如くになる。
【0010】
【0011】次に、上記ギヤトレーンの変速制御を1→
2変速につき説明するに、この変速は上記表1から明ら
かなようにローリバースブレーキLR/Bを解放し、バンド
ブレーキB/Bを締結することで達成される。よって以
下では、LR/Bを解放要素、B/Bを締結要素と呼ぶ。
【0012】図2は当該変速制御に当り計測しておくべ
き信号の計測処理を示し、一定時間△t(例えば10m se
c )毎の定時割込みにより実行する。先ずステップ21で
は図1に夫々示すエンジン回転 Ne 、タービン回転 Nt
(変速機入力回転)、変速機出力回転 No を計測すると
共に、エンジン(図示せず)のスロットル開度TVO を計
測する。次のステップ22,23 では夫々変速機のギヤ比 g
r = Nt /No 、及びトルクコンバータ回転比e= Nt /N
e を演算し、その後ステップ24でトルクコンバータ性能
データを基に回転比eに対応したトルク比t(e) 及びト
ルク容量係数τ(e) をルックアップすると共にこれらと
Ne 2 の乗算によりタービントルク(変速機入力トル
ク) Tt = t(e) ×τ(e) × Ne 2 を演算する。
【0013】図3は後述の如く演算した解放要素LR/Bの
油圧 PL及び締結要素B/Bの油圧PH をステップ31で出
力する制御信号出力プログラムを示し、一定時間△t毎
の定時割込みにより実行する。
【0014】図4は上記油圧 PL ,PH を決定する変速制
御プログラムで、これも一定時間△t毎の定時割込みに
より処理する。ステップ41では、スロットル開度TVO 及
び変速機出力回転 NO (車速) から予めメモリしておく
変速パターンを基に好適変速段を求め、この好適変速段
と現在の選択変速段とを比較して変速を行うべきか否
か、又変速を行うべきならいかなる変速かを判断する。
次のステップ42では、変速の種類に応じて解放すべき摩
擦要素(本例ではローリバースブレーキLB/B)の油圧を
低下させ、締結すべき摩擦要素(本例ではバンドブレー
キB/B)の油圧を上昇させることにより当該変速(1
→2変速)を進行させるが、この際両者の油圧を図5の
制御プログラムにより逐次図6の如くに制御する。
【0015】即ち、図5中ステップ51で1回目と判断す
る時、換言すれば図6中の変速指令瞬時t1に1回だけ、
図5中ステップ52を実行して解放要素LR/Bの必要油圧 P
OP及び締結要素B/Bのプリ棚圧 Pprを夫々演算する。
油圧 POPの演算に当っては、解放要素LR/Bの摩擦係数を
μ、摩擦板の枚数をN、摩擦面積をA、摩擦板平均有効
径をRとする時μ×2×N×A×Rで表される係数kを
先ず求め、これと、解放要素LR/Bのトルク分担率 T
b と、タービントルク Tt とから解放要素LR/Bの必要油
圧 POPを POP= Tt × Tb /kにより演算する。又、締
結要素B/Bのプリ棚圧 Pprの演算に当っては、このプ
リ棚圧が当該要素のロスストロークを詰めておくための
ものであることから、リターンスプリング力相当の圧力
をプリ棚圧Pprとする。従って、この圧力 Pprで要素B
/Bが締結されることはない。そして、上記のように求
めた POPを解放要素LR/Bの油圧 PL にセットし、 Ppr
締結要素B/Bの油圧 PH にセットする。
【0016】2回目以後(図6中瞬時t1以後)は、図5
中ステップ53が選択されるようになり、このステップで
はギヤ gr が図6に例示した第1の所定値である空吹け
値 RO となるよう解放要素油圧 PL を PL = POP+ Pp + Pi Pp --- 比例分 Pi --- 積分分 により求め、解放要素油圧 PL を図6に示す如く漸減さ
せる。これにより解放要素油圧 PL が或る値となる瞬時
t2 より、解放要素の解放にともなうタービン回転(入
力回転) Nt の上昇(エンジンの空吹けではない)で、
ギヤ比 gr が変速前(1速)相当ギヤ比より高くなる。
このギヤ比 gr が規定空吹け値 ROになる瞬時t3迄は、
ステップ51,53,54,55 を通るループの繰返しにより解放
要素油圧PL が低下され続けるが、締結要素油圧 PH
プリ棚 Pprのままに保たれるため、ギヤ比 gr が漸増す
る。
【0017】そして、ギヤ比 gr が第2の所定値である
規定空吹け値 RO (本実施例の場合は第1の所定値=第
2の所定値= RO )だけ高くなり、これ以上だとエンジ
ンの空吹けを生ずる瞬時t3に至る時、ステップ55はステ
ップ56,57 を1度選択し、以後FLAG= 1によりステップ
54がステップ55〜57をスキップする。よって瞬時t3以後
締結要素油圧 PH がスロットル開度TVO に応じた棚圧 P
c に上昇保持され、解放要素油圧 PL はステップ53の継
続実行によりギヤ比 gr が規定空吹け値 RO を越えて高
くなることのないよう低下の進行を制御される。上記の
通り締結要素油圧 PH が棚圧 Pc にされることで、締結
要素B/Bは瞬時t4に締結を開始し、これによりタービ
ン回転 Nt の低下でギヤ比 gr も低下する。かくて、解
放要素油圧 PL は再び低下され始めるが、ステップ58で
演算する解放要素油圧偏差 Pe =POP-PL がスロットル開
度TVO に応じた設定値 Ps (TVO)以上となる瞬時t5
は、ステップ59が制御をステップ51へ戻すことにより油
圧 PL の漸減を継続する。
【0018】瞬時t5になる時、ステップ60で解放要素油
圧 PL を0にし、解放要素LR/Bを完全に解放させる。但
し、この解放は徐々に行ってもよい。一方、締結要素油
圧 PH は棚圧 Pc の維持により締結要素B/Bの締結を
引き続き進行させ、これによりギヤ比 gr は変速後(2
速)相当ギヤ比 grminに向け低下する。 gr =grminとな
る瞬時(変速終了瞬時)t6で、ステップ61はステップ62
を選択するようになり、ここで締結要素油圧 PH を最高
値 PMax にして締結要素B/Bを完全に締結させ、変速
制御を終了する。
【0019】以上の変速制御によれば、解放要素LB/Bの
解放がギヤ比gr (変速機入力回転)の規定空吹け値 R
O 以上の上昇を生じないよう進行制御されるため、エン
ジンの空吹けを確実に防止することができ、又その間に
締結要素B/Bを棚圧(Pc ) 制御により締結させて、変
速を実行させることとしたから、両要素の解放・締結切
換えを常時タイミング良く行わせることができ、エンジ
ンの空吹けやトルクの引き込みを生じない滑らかな変速
を補償し得る。又、ワンウェイクラッチを設ける仕様の
前記文献に記載のギヤトレーンによるものに比し、ワン
ウェイクラッチを用いなくても済む分、自動変速機のコ
ンパクト化を図ることもできる。なお、本実施例では、
ギヤ比が規定空吹け値となる当該値と、締結制御での締
結タイミングをみる空吹けに関する値とは、同じ場合の
例である。
【0020】次に、本発明の他の例について説明する。
図7以下に示す制御プログラム、並びにタイムチャート
に従う変速制御では、変速制御装置は、変速機入力軸の
回転又は回転要素の回転の回転変化率、例えばタービン
回転変化率を制御情報とし、これに基づき、トルクフェ
ーズ中、解放要素を制御し、又締結要素の締結制御もか
かる回転変化率情報を用いて行う。好ましくは、トルク
フェーズ中は上記回転変化率が所定値となるように解放
すべき摩擦要素の解放を制御し、イナーシャフェーズ中
は上記回転変化率が所定値を越えたとき締結すべき摩擦
要素の締結を制御する。変速制御装置は、更に、好まし
くは、イナーシャフェーズでの締結要素油圧の制御は、
目標回転変化率と実回転変化率との差(偏差)によるフ
ィードバック(F/B)制御で行う。このフィードバッ
ク制御を行うときは、より好ましくは,その制御の開始
時期は、イナーシャフェーズ初期からではなく、イナー
シャフェーズ中の実際の回転変化率が所定値を越えた時
とする。フィードバック制御の開始は、好適実施例で
は、目標回転変化率と実回転変化率が一致した時点とす
ることができる。
【0021】以下、本実施例につき要部を述べるに、本
例でも1→2変速の変速制御の場合を例として説明す
る。又自動変速機のギヤトレーンも図1と同様のもので
あってもよく、前進は摩擦要素H/C 、B/B 、LR/B、OR/C
の掛け変えにより変速を行う。図7は前記図2のものに
代えて用いられる本例での計測処理を、又図8は同じく
変速判断・変速制御処理を夫々示し、その変速制御の内
容が図9乃至図11に示される。なお、制御信号出力プロ
グラムは前記図3と同様である。
【0022】図7に示す如く、本例ではタービン回転変
化率NTd の算出処理を追加する。これは、ステップ124
でタービン回転の今回読込値Nt と前回値 Nt (OLD) か
ら NTd = (Nt -Nt (OLD))×100 で求めることとし、又今回値 Nt を次回処理での Nt (O
LD) 値として用いるためこれを記憶する(なお、ステッ
プ121 〜123,126 は前記図2の対応ステップと同様のも
のであり、ステップ125 はステップ124 で求めたNTd の
値が回転変動や誤差によりバラつくためのフィルタ処理
である)。
【0023】図8では、ステップ141 で前記図4と同様
の変速判断を行う。次のステップ142 で変速制御を実行
するが、この処理は第1のファンクションと第2のファ
ンクションから成る。前者は主としてトルクフェーズ中
の解放要素(本例では、図12に示す如き1→2変速での
ローリバースブレーキLR/B) 側の制御を実行し、後者は
イナーシャフェーズ中での締結要素(本例ではバンドブ
レーキB/B)側の制御を実行し、夫々図9,図10の制
御プログラムに従って行われる。
【0024】図9において、処理1回目とステップ151
で判断すると、ステップ152 では、前記実施例と同様の
解放要素LR/Bの必要油圧 POPの演算、並びに該 POPの解
放要素油圧 PL へのセットに加え、第1カウンタのリセ
ットと、変数の読込みを行う。ここでは、読込み変数
は、夫々、当該時点(図12中変速制御開始時t11)でのス
ロットル開度TVO に応じたもので、解放要素の油圧制御
において後述のステップ154 でフィードバック(F/
B)制御をするのに用いる解放要素側F/Bゲイン値 G
L (TVO) 、制御パラメータとして適用されるタービン回
転変化率NTd に関し設定される規定空吹け値NTd1(TVO)
、F/B制御終了値としての所定タービン回転変化率
(解放要素側F/B制御解除回転変化率)NTd2(TVO)、並
びに締結要素B/Bの油圧制御においては後述のステッ
プ155 で増加制御を行う場合に用いられる締結要素側ラ
ンプ値 Pramp(TVO) である。
【0025】2回目以後は、ステップ153 実行毎、第1
カウンタをカウントアップし(カウント値C2はステップ
155 のランプ制御に適用される)、夫々ステップ154,15
5 で解放要素油圧 PL 、締結要素油圧 PH を制御する。
トルクフェーズ中の解放要素制御は、タービン回転変化
率NTd と所定回転変化率、即ち前記の如く設定された規
定空吹け値NTd1の偏差(エラー)から油圧 PL をPI制御
するもので、タービン回転変化率を監視しこれが値NTd1
となるように解放要素油圧 PL を求めて解放要素 LR/B
側のF/B制御を行うものとする。一方、締結要素B/
B側の油圧 PH は、タービントルク Tt に応じて求めら
れる図12に例示する如き Pap(Tt ) 値を棚圧相当値とし
て、これに至る迄、前記所定ランプ値 Prampずつランプ
で増加させる。かくして、解放要素油圧 PL は POPまで
低下してから漸減を開始し、他方締結要素油圧 PH は漸
増し始める。
【0026】タービン回転変化率NTd が最初に規定空吹
け値NTd1に達する迄は、ステップ156,157 を経てステッ
プ151 に戻るループが繰返えされ、規定空吹け値NTd1
なったとステップ157 で判断された時(瞬時t12)、ステ
ップ158,159 を1度実行する。本例では、FLAG =1の処
理後のステップ159 は、タービントルク Tt 及びタービ
ン回転変化率NTd から変速前出力軸トルク TObを算出す
る。このように Tob値を求めておき、これを後述のイナ
ーシャフェーズ移行の際の目標初期タービン回転変化率
の演算(図10のステップ173 )に適用することにより、
移行時のトルク面合わせを良好なものとなす(いわゆる
イナーシャフェーズとの面とり)。
【0027】瞬時t12 後は、ステップ156 からステップ
160 へスキップして制御が進められ、解放要素油圧 PL
はステップ154 によりタービン回転変化率NTd が規定空
吹け値NTd1となるようにその低下の進行を制御されるの
である。こうして、トルクフェーズ中は、解放が上述の
如くに制御される解放要素LR/Bにより微少の空吹けをし
続ける制御が行われる。かかる過程において、締結要素
側油圧 PH は前記ランプ値による漸増が継続され、ター
ビン回転 Nt の低下に伴い回転変化率NTd が負に転ずる
に至ることになる。ステップ160 は、この間、タービン
回転変化率NTd を前記F/B終了値NTd2と比較し、回転
変化率NTd がNTd2値に達したと判断した瞬時t13 に、ス
テップ161 で解放要素油圧指令を0にする処理を行う。
即ち、ここでトルクフェーズ中の回転変化率NTd を用い
た解放要素側のF/B制御は解除し、解放要素LR/Bを解
放させる。先にも触れた如く、この場合の解放を図12の
ように徐々に行うようにしてもよい。
【0028】イナーシャフェーズでの締結要素制御は図
10の如きもので、先ず、初期(瞬時t13 〜 t14間)は、
締結要素油圧PH はタービントルク Tt の関数として読
み込まれる Pap(Tt ) 値によりオープン制御を行い、そ
の後フィードバック(F/B)制御を行う。図10のステ
ップ171 ではオープン制御のため Pap(Tt ) を締結要素
油圧 PH として指令し、又ステップ172 で本ルーチン1
回目と判断される時は、1回だけステップ173 を実行
し、後述の処理に適用される変数のリセット、必要変数
の読込み、初期目標タービン回転変化率NTd3の算出等を
行う。即ち、ステップ173 では、第2カウンタをリセッ
トし、及び後述の積算値S1(当該値S1は、オープン制御
中にステップ179 実行毎算出、更新される制御変数であ
る)の初期値を0とする。又、変数読込みは、締結要素
B/Bの油圧制御においてF/B制御に用いるF/Bゲ
インとしてスロットル開度TVO に応じたゲイン値 GH (T
VO) を読み込むと共に、締結側制御の終了時間を規定す
るタイマ値としてスロットル開度TVO に応じた値 T
i3(TVO )を読み込み、かつこれを第3カウンタにセッ
トする。更に、前記図9のステップ159で求めた変速前
出力軸トルク Tobとタービン回転変化率によりトルク面
合わせのために必要な初期タービン回転変化率NTd3を算
出する。
【0029】2回目以降はステップ172 からはステップ
174 以下が選択される。ステップ174 ではこのステップ
実行毎第2カウンタのカウントアップを行う。従って、
該カウンタは図12中瞬時t13 でスタートしてその後の時
間経過を計測するカウンタとして機能する。ステップ17
5 では、カウント値C2を前記第3カウンタ値C3と比較し
て設定された締結側制御時間(図12中のC3相当期間)内
かをチェックし、経過前(C2<C3) なら、更にステップ
176 でFLAGFB= 1かをチェックする。このFLAGFBは後述
のフィードバックサブルーチン(ステップ180 )実行1
回目で値1に設定されるものであり、従って該F/B制
御開始前のオープン制御時(瞬時t13 〜t14 間)は、処
理はステップ176 からステップ177 を経るループで進め
られる。
【0030】ステップ177 では、このステップ実行毎、
現時点のカウント値C2に応じ、目標タービン回転変化率
NTdt を、 NTdt = NTd3- NTd3 ×(C2/C3) により逐次求め、図12に示す如き傾きをもって初期目標
タービン回転変化率NTd3値から値0に向かって変化する
目標値を設定していく。具体的には、ここでの処理は、
タービン回転変化率の設定目標値に関し、前記ステップ
173 で得たトルク面合わせのためのNTd3に基づき、第2
カウンタが値1ずつカウントアップされる毎、目標ター
ビン回転変化率をNTd3/C3 の割合をもってランプで0ま
で上昇させていくことを内容としている。こうして目標
値の設定がステップ177 でなされる一方、締結要素B/
Bの油圧 PH に対するオープン制御が継続され、実ター
ビン回転変化率NTd は瞬時t13 以後図12に示すような変
化で推移し、瞬時t14 において、上記算出目標タービン
回転変化率 NTdt と実際のタービン回転変化率NTd が一
致し、更にはその目標値を下回わるに至る状態となる。
【0031】上記ステップ177 に続くステップ178 で
は、これについてのチェックを行っており、実タービン
回転変化率NTd が目標タービン回転変化率 NTdt に達す
る瞬時t14 迄は、更に、この間、ステップ179 の継続実
行により、それまでの算出目標値と実際の変化率との差
(エラー)の積算値S1、即ち瞬時t13 から瞬時t14 間で
の上記差の累積値を、 S1= (NTdt - NTd)+ S1 により演算しておく。斯くして得られるS1値は、図12の
タイムチャート上瞬時t14 までの斜線部分の面積に相当
するエネルギー分を表すもので、これを考慮して、瞬時
t14 後に開始されるF/B制御での目標タービン回転変
化率を決定する(瞬時t14 以前の斜線部分の面積と、瞬
時t14 後の斜線部分の面積が等しくなるように目標値を
設定し直す)のに用いられる。具体的には、F/B制御
開始後の変速残り時間にタービン回転変化率が急激に変
化しないよう目標タービン回転変化率を修正するために
付加される。
【0032】ここで、上記タービン回転変化率を用いる
F/B制御について述べておくに、出力軸トルク波形
は、理想的には、トルクフェーズでの乱れなどのないも
のが望ましいのであるが、実際には物理的な遅れ等から
理想的な波形にならないのが実情である。そこで、本例
では、トルク波形をできるだけ理想的なものに近ずける
ため、又イナーシャフェーズ移行に当たりそのトルクの
ばたつき等を抑えて滑らかに推移するようにするため
に、タービン回転変化率を如何にすればよいかが計算上
求まることに着目し、それを目標値として制御を行う
(即ち、実タービン回転変化率を目標値により正確に一
致させるようにする)ためF/B制御を導入する、とい
う考えに基づいている。前記図9のステップ159 での T
ob値の算出も、この一環であり、いわゆるイナーシャフ
ェーズの面とりを適切に行うのに役立つ。
【0033】更に又、そのF/B制御の開始を瞬時t14
と遅延させるのは、イナーシャフェーズ初期から締結要
素油圧についてF/B制御をすると、サージトルクやハ
ンチングが発生し易いことからである。そこで、これを
も避けるべくイナーシャフェーズ中のF/B制御は、目
標回転変化率と実回転変化率とが一致した時点から行う
こととしており、こうすることで、締結側制御に回転変
化率を用いたF/B制御を導入する場合でも、ハンチン
グの発生を抑えて高ゲインのF/B制御をも容易に行う
ことができる。
【0034】さて、ステップ178 で実回転変化率NTd が
目標値 NTdt 以下に低下したと判断した瞬時t14 にステ
ップ180 で締結要素油圧 PH のF/B制御が開始され、
以後はステップ176 がステップ177 〜179 をスキップす
る。このF/B制御は図11に示す如きもので、ステップ
201 で本サブルーチン1回目にステップ202 〜204 を1
度だけ実行する。ステップ202 では、比例分 PP 及び積
分分 Pi の初期値を0にセットし、又積算値S1と現時点
(t14) でのNTd 値(これは、実質的には,、オープン制
御からF/B制御への切換えの際の図10中のステップ17
7 での算出目標値 NTdt に等しい)とから、 Ti4= 2 ×S1/NTd(但し、NTd は絶対値) により、図12に例示する如き、目標タービン回転変化率
NTdt を変化させず一定としておく期間(瞬時t14 〜t
15 間)を設定するための、具体的には後述のステップ2
05 の判別に適用するためのタイマ値 Ti4を求める。
又、更にこの算出値 Ti4を用いて、次式 Nramp= NTdt / (C3- C2- Ti4) (但し、NTd t は絶対
値) により、 Nramp値を算出する。
【0035】ここに、上記処理での右辺分母のC2値は、
図12のタイムチャート上、t13 〜t14 間時間(F/B制
御開始までの時間)に相当し、 Ti4値は目標値を一定と
しておくべきt14 〜t15 間時間であることから、 C3- C
2- Ti4は締結側制御期間中のタイマ Ti4値相当時間経過
後の更なる残時間(t15 〜t16 間) を意味する。よっ
て、かかる残時間で NTdt 値を除して得られる上記の値
Nrampは、F/B制御で目標タービン回転変化率を0に
向けて上昇させていくときのその傾斜を規定するための
ランプ値であり、具体的には後述のステップ207 での N
Tdt 値の修正に適用される。タイマ値 Ti4とランプ値 N
rampとを上記の如くに算出し、これらを用いて本サブル
ーチン2回目以降の処理が実行されると、F/B制御期
間中の目標タービン回転変化率 NTdt は、図12の折線
(破線)で示す如き特性のものに設定されることになる
のであり、こうして設定される目標値は、瞬時t14 以降
の図の斜線部分の面積を前記積算値S1に係る斜線部分の
それと等しいものとなして既述したような回転変化率の
急激な変化の抑制が図られることになる。
【0036】又ステップ203,204 では、第2カウンタの
現時点でのカウント値C2を第4カウンタへセットし(第
4カンウタ値C4は、t13 〜t14 間時間を示す記憶値とし
て後述のステップ205 で Ti4値と共に適用される)、そ
してFLAGFBを値1にセットする。
【0037】2回目以降の処理では、先ずステップ205
において、図10のステップ174 で計時処理を継続してい
る第2カウンタの値を用いて、C2≧ Ti4+ C4により、F
/B制御開始後、タイマ Ti4期間経過後か否かをチェッ
クし、経過前ならステップ206 で目標タービン回転変化
率 NTdt と実際のタービン回転変化率 NTdとの偏差を制
御量として締結要素油圧 PH のF/B制御を継続実行す
る。これに対し、経過後即ち瞬時t15 以後は、ステップ
207 で NTdt = NTdt + Nrampにより逐次図12の如く目
標タービン回転変化率を上昇するよう算出、設定しつ
つ、ステップ208 でその目標値と実際の回転変化率の偏
差を制御量としてF/B制御を実行する。即ち、このス
テップ208 実行毎、今回比例分を Pp = (NTd - NTdt )
× GH により算出し、かつその算出値 PP と積分分前回
値 Pi との和値として今回積分分をPi =Pp + Pi によ
り得ると共に、これらと前回 PH 値とを用いて締結要素
油圧PH を、 PH = PH + Pp + Pi により求めて締結要素油圧をPI制御する。
【0038】以上により瞬時t14 以後の締結要素油圧の
F/B制御が遂行され、図12に示すように、折線の如く
修正設定される目標タービン回転変化率 NTdt を目標値
としてそれに実タービン回転変化率NTdを一致させるよ
うに締結要素油圧 PH が制御され、要素B/Bの締結を
進行させる。なお、ステップ209 では、この間、ステッ
プ207 での算出目標タービン回転変化率 NTdt をチェッ
クし、その値が負ならば引き続きF/B制御を継続させ
るようにする一方、 NTdt ≧0が成立した時点で本F/
B制御を解除(F/B制御終了)することとしている。
【0039】図10に戻り、F/B制御サブルーチンの次
のステップ181 では、前記実施例と同様にギヤ比 gr
監視し、 gr = grminとなる瞬時t16 で、ステップ182
の実行により、締結要素油圧 PH を最高値 PMax にして
締結要素B/Bを完全締結させ、変速制御を終了する。
なお、同図中のステップ175 からステップ183 へと進む
処理は、ギヤ比 gr が落ち切らないうちに規定の締結側
制御期間(カウンタC3相当時間)が経過したとした場合
の対策である。基本的には、本プログラムの場合、締結
制御の終了、従って変速制御の終了判断は前記ステップ
181 でのギヤ比によるものであるところ、可能性として
は、締結側制御が上記規定期間をこえるような場合も生
じ得る。その場合は、瞬時t13 でスタートせしめられる
計時カウンタの値C2が設定第3カンウタ値C3以上となる
ことから、そこで、かかるケースの場合には、F/B制
御を止め、目標タービン回転変化率 NTdt を強制的に値
0に設定しつつ、その時点で締結要素油圧最高値指令を
実行できるようにすることとしたものである。
【0040】以上のような変速制御によっても、前記実
施例と同様、解放要素LR/Bにより微少の空吹けをし続け
る解放制御を行うことができ、エンジンの空吹けはこれ
を確実に防止し、又締結要素はこのような解放の進行制
御の一方で、これを締結させ得て、両要素の解放・締結
切換えを常時タイミング良く行わせることができ、エン
ジンの空吹けやトルクの引き込みを生じない滑らかな変
速が実現される。又、SAE ペーバー掲載のSAE 890529(
ジ オール アダプティブ コントロールズ フォー
ザ クライスラー ウルトラドライブ トランスアクス
ル: TheAll-Adaptive Controls for the Chrysler Ult
radrive Transaxle) 、同SAE 905048(アダプティブ
コントロール ストラティギーズフォー クラッチ ト
ゥ クラッチ シフティング:Adaptive Control Strat
egies for Clutch - toClutch Shifting)には、変速制
御において、空吹けを避けようとしてインターロック方
向に締結を進行させる技術についての開示があるとこ
ろ、かかる方式によったとした場合、掛け変え変速でイ
ンターロック方向に制御するため、トルクフェーズの引
き込み時間が長く、引き込みトルクが深くなりがちで、
それ故よりスムーズな変速を望むときそれに応えにく
い。これに対し、本変速制御に従えば、解放されるべき
摩擦要素をもってこれにより微少の、即ち所定量の空吹
けを行わせしめ、かつそれを所定時間に亘り継続するよ
う制御するという空吹けをし続ける制御を行うことで、
インターロックも避ける掛け変え変速が達成されるので
あり、上記刊行物記載のものに比し、トルク引き込み時
間の増大や深い引き込みトルクの発生などもよく抑制し
て、より変速特性に優れた滑らかな変速を行うことがで
きる。なお、本発明はワンウェイクラッチを有しない形
態で実施できるのは勿論、ワンウェイクラッチを具える
場合において実施して変速性能の一層の向上を狙うこと
も妨げない。
【0041】
【発明の効果】かくして請求項1記載の本発明変速制御
装置は上述の如く、解放側摩擦要素の解放の際、変速指
令時の変速機入力トルクに応じて求めた油圧まで低下さ
せた状態から解放側摩擦要素の油圧を漸減させるよう制
御すると共に、その油圧の漸減による解放側摩擦要素の
解放にともなう変速機入力回転の空吹けが所定値となる
よう該摩擦要素の解放を進行制御しつつ、その空吹けが
かかる所定値になる時、締結されるべき摩擦要素の油圧
をリターンスプリング力相当の第1の油圧の状態から第
2の油圧に上昇させ、その解放側摩擦要素の解放の進行
制御の間に締結側摩擦要素を締結させることができる構
成としたから、当該変速において解放要素の解放が変速
機入力回転の規定空吹け値以上の上昇を生じないよう進
行制御され、エンジンの空吹けを確実に防止することが
でき、又その進行制御の間に締結要素を締結させて、変
速を実行させることができ、両要素の解放・締結切換え
を常時タイミング良く行わせ、エンジンの空吹けやトル
クの引き込みを生じない滑らかな変速を補償し得る。
又、ワンウェイクラッチを不要となして自動変速機のコ
ンパクト化を図ることもできる。又、請求項2によって
も、回転変化率を用いて、同様に解放要素により微少の
空吹けをし続ける制御を実現でき、従って当該変速にお
いて解放・締結切換えをタイミング良く行わせることが
でき、エンジンの空吹けやトルクの引き込みを生じない
滑らかな変速が行える。又、イナーシャフェーズ中のフ
ィードバック制御の開始を遅延させ得て、イナーシャフ
ェーズ初期からフィードバック制御をするとした場合で
のサージトルクやハンチングをも避けることができ、イ
ナーシャフェーズ中のフィードバック制御は、第1の特
性の目標回転変化率と実回転変化率とが一致した時点か
ら行うこととすることで、締結側制御に上記回転変化率
を用いるフィードバック制御を導入する場合でも、ハン
チングの発生を抑えて高ゲインのフィードバック制御を
も容易に行うことができる。又この場合、修正による第
2の特性の目標回転変化率を設定してフィードバック制
御を行うため回転変化率の急激な変化の抑制も図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置により変速制御すべき自動変速機の
ギヤトレーン図である。
【図2】本発明装置の一実施例を示す制御プログラムに
して、信号計測処理プログラムのフローチャートであ
る。
【図3】同じく、制御信号出力処理のためのプログラム
フローチャートである。
【図4】同じく、変速判断、及び変速制御のためのプロ
グラムフローチャートである。
【図5】図4の変速制御処理の内容を示す制御プログラ
ムの一例のフローチャートである。
【図6】同例の変速動作タイムチャートである。
【図7】本発明の他の実施例に係る制御プログラムにし
て、信号計測処理プログラムのフローチャートである。
【図8】同じく、変速判断、及び変速制御のためのプロ
グラムフローチャートである。
【図9】同変速制御での第1ファンクションの内容を示
すプログラムフローチャートである。
【図10】同じく、第2ファンクションの内容を示すプ
ログラムフローチャートである。
【図11】図10のフィードバック制御の内容を示すフ
ローチャートである。
【図12】同例の変速動作タイムチャートである。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 第1遊星歯車組 4 第2遊星歯車組 T/C トルクコンバータ LR/B ローリバースブレーキ B/B バンドブレーキ H/C ハイクラッチ OR/C オーバーランクラッチ R/C リバースクラッチ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の摩擦要素の締結・解放切換えによ
    り変速を行う自動変速機において、 解放されることとなった摩擦要素の解放の際、変速指令
    時の変速機入力トルクに応じて求めた油圧まで低下させ
    た状態から該摩擦要素の油圧を漸減させるよう制御する
    と共に、その油圧の漸減による該摩擦要素の解放にとも
    なう変速機入力回転の空吹けが第1の所定値となるよう
    該摩擦要素の解放を進行制御する解放要素制御手段と、 前記空吹けが前記第1の所定値になる時、締結されるべ
    き摩擦要素の油圧を当該摩擦要素のリターンスプリング
    力相当の第1の油圧の状態から第2の油圧に上昇させ、
    前記解放側摩擦要素の解放の進行制御の間に当該締結側
    摩擦要素を締結させる締結要素制御手段とを具備してな
    ることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 複数の摩擦要素の締結・解放切換えによ
    り変速を行う自動変速機において、 当該変速に当たり、解放されることとなった摩擦要素の
    解放によるトルクフェーズ中、変速機入力軸の回転変化
    率が第1の所定値となるよう該摩擦要素の解放を進行制
    御する解放要素制御手段と、 当該変速における前記変速機入力軸の回転変化率を用い
    て締結されるべき摩擦要素の締結制御を行う締結制御手
    段であって、イナーシャフェーズ中で適用する回転変化
    率目標値として所定の初期値から値0に向い上昇する第
    1の特性の目標回転変化率を設定し、 イナーシャフェー
    ズ中の前記回転変化率が該第1の特性の目標回転変化率
    値と一致し該目標値を下回わるに至る状態となる場合に
    おいて両者が一致することとなった時、フィードバック
    制御を開始させるよう制御する手段を有すると共に、そ
    の一致することとなるまでの間の前記第1の特性の目標
    回転変化率と実回転変化率との差の積算値を求めてお
    き、該フィードバック制御では、該積算値に基づき当該
    フィードバック制御の目標回転変化率として前記回転変
    化率の急激な変化が抑制されるように特性を修正した第
    2の特性の目標回転変化率を設定し、該第2の特性の
    標回転変化率と実回転変化率との偏差によりフィードバ
    ック制御を行う手段を含む、締結要素制御手段とを具備
    してなることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、解放さ
    れることとなった解放要素を該要素の解放が所定の解放
    状態になる時完全解放させるよう前記解放要素制御手段
    を構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装
    置。
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