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JPH04325095A - 抗ヒトil−6モノクロ−ナル抗体及び該抗体を使用するil−6の測定方法 - Google Patents

抗ヒトil−6モノクロ−ナル抗体及び該抗体を使用するil−6の測定方法

Info

Publication number
JPH04325095A
JPH04325095A JP12287991A JP12287991A JPH04325095A JP H04325095 A JPH04325095 A JP H04325095A JP 12287991 A JP12287991 A JP 12287991A JP 12287991 A JP12287991 A JP 12287991A JP H04325095 A JPH04325095 A JP H04325095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
pab101
hybridoma
human interleukin
pab118
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12287991A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
Kiyoshi Yasukawa
清 保川
Naoko Maruo
丸尾 直子
Takashi Saito
斎藤 貴司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP12287991A priority Critical patent/JPH04325095A/ja
Publication of JPH04325095A publication Critical patent/JPH04325095A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトインタ−ロイキン
−6(以下、特別に断らない限りヒトインタ−ロイキン
−6をIL−6と記載する)に対して親和性を有するモ
ノクロ−ナル抗体、このモノクロ−ナル抗体を産生する
ハイブリド−マ、このモノクロ−ナル抗体を使用するI
L−6のサンドイッチ免疫測定方法及びこのサンドイッ
チ免疫測定方法用の試薬キットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】IL−6は、種々の重要な生理活性を有
し、広く細胞の増殖・分化に関与する蛋白質であるが、
一方ではその異常産生が自己免疫疾患の病因因子である
可能性も報告されている(岸本、平野ら、Ann.Re
v.Immunol.,6,p485,1988年)。
【0003】従って、生体内で多用な生理活性を発揮す
るIL−6の生理的濃度を知ることができれば、IL−
6と生体内細胞の増殖・分化の具体的な相関やIL−6
と自己免疫疾患等のIL−6の関与が示唆されている疾
患の相関を具体的に知り、又はこの結果、IL−6が関
与する疾患の早期発見が可能となる。
【0004】血液等の生体試料中の蛋白質等の測定方法
については、免疫測定法と総称される測定方法が知られ
ている。例えばサンドイッチ免疫測定法とよばれる方法
では、測定しようとする物質(アナライト)に対して親
和性を有する2種の抗体(異なる部位でアナライトと結
合する)を使用する。即ち、その一方を不溶性の単体に
固定化し、他方に放射性同位元素、蛍光物質、発光物質
又は酵素等の標識物質を結合させ、これら2種の抗体で
アナライトをサンドイッチするのである。
【0005】一方IL−6に親和性を有する(IL−6
を認識する)モノクロ−ナル抗体としては、特開平2−
488号に記載されたMH−166抗体等がある。
【0006】
【従来技術の課題】IL−6の濃度と疾患の具体的な相
関関係は確立されたわけではないが、これら疾患のマ−
カ−としてIL−6が注目されていることは事実であり
、その測定方法の確立が急務である。
【0007】IL−6は、正常人血液1ml中に7から
10ピコグラムしか含有されていないが、例えばリュウ
マチ関節腔液には1ml中には20ナノグラム程度が(
T.Hiranoら、Eur.J.Immunol.1
8巻、p1797 、1988年)、AIDS無症状患
者(いわゆるキャリア)の血液1ml中には50ピコグ
ラム程度が、AIDS患者の血液中には400から50
0ピコグラム程度が含有されていると言われている( 
M.Hondaら、J.Immunol. 145巻、
p4059 、1990年)。
【0008】従って、IL−6の測定においては、少な
くとも数ピコグラムの精度でそれを測定し得ることが必
要となるから、サンドイッチ免疫測定法によりIL−6
の生体内濃度を測定する場合には、使用する2種の抗体
のIL−6との結合部位が同一であってはならないこと
は言うに及ばず、それぞれの抗体のIL−6への親和性
が高く、かつ、相性の良い2種の抗体を組み合わせるこ
とがこの目的の達成には不可欠である。
【0009】特開平2−488号に記載されたMH−1
66抗体等は、リコンビナントIL−6をマウスに免疫
して調製されたものであり、IL−6に対して高い親和
性を有することやIL−6の中和活性(共存によりIL
−6の生理活性を失なわせる活性)を有することが記載
されている。しかし、具体的に免疫測定法に供し得るの
かどうかは不明であり、特にサンドイッチ免疫測定法に
有用か否かは不明であり、またどの程度の低濃度IL−
6を測定し得るのかも不明である。
【0010】更に、サンドイッチ免疫測定法を実施して
低濃度IL−6を測定するのに相性の良い2種の抗体の
組み合わせ及びその測定限界については、従来何も知ら
れていない。
【0011】IL−6は生体内でアルファ2−マクログ
ロブリンと結合して存在している可能性が高い(T.M
atsuda ら、J.Immunol.,142,p
148,1989年)が、IL−6はインタ−ロイキン
−6レセプタ−(特開平2−288898号参照、以下
、IL−6Rと記載する)と結合することによりその生
理活性を発揮する(T.Tagaら、J.Exp.Me
d.166,p967,1987 年、K.Yamas
akiら、Science,241,p825,198
8 年)ものであるため、例えばアルファ2−マクログ
ロブリンと結合した結果、本来の生理活性は発揮し得る
ものの抗体と結合し得ないために免疫測定法では測定し
得ない場合が考えられる。前記のMH−166抗体等が
、IL−6とアルファ2−マクログロブリンの複合体に
対しても親和性を有するか否かは不明である。
【0012】本発明者らは、従来技術に鑑みて、IL−
6をサンドイッチ免疫測定法をより高精度に実施し得、
かつ、完全に遊離した状態で血液等の中に存在するIL
−6以外にも、少なくともIL−6Rと結合し得る状態
で存在するIL−6をも測定可能なIL−6のサンドイ
ッチ免疫測定方法を提供すべく鋭意検討を行った。
【0013】その結果、この目的を達成し得る、従来知
られていない性質等を有する抗IL−6モノクロ−ナル
抗体を創造し、これら抗体を産生するハイブリド−マ、
これらハイブリド−マを培養することからなる抗IL−
6モノクロ−ナル抗体の製造方法を完成し、更には新た
に創造されたモノクロ−ナル抗体の中からサンドイッチ
免疫測定により生理活性を発現し得るIL−6の濃度(
生理活性濃度)を知るのに適した相性の2種のモノクロ
−ナル抗体の組み合わせを見い出し、相性の良い2種の
モノクロ−ナル抗体を使用するIL−6のサンドイッチ
免疫測定法及びこれに用いる試薬キットを完成するに至
った。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来知られて
いない性質等を有する抗IL−6モノクロ−ナル抗体(
以下、抗体と記載する)であって、IL−6中のIL−
6Rとの結合部分と結合する抗体を使用すればその生理
的濃度を知ることが出来る、との思想に基づいてなされ
たものであり、詳しくは、IL−6に対して4.31×
105  M−1以上の親和定数を示し、免疫グロブリ
ンG1ラムダクラスに属し、その結合によりIL−6と
IL−6Rの結合を阻害し、ハイブリド−マPAB10
1(微工研菌寄第11721号)により産生される抗体
PAB101、IL−6に対して3.76×105  
M−1の親和定数を示し、免疫グロブリンG1ラムダク
ラスに属し、その結合によりIL−6とIL−6Rの結
合を阻害し、ハイブリド−マPAB102(微工研菌寄
第11722号)により産生される抗体PAB102、
IL−6に対して1.55×106  M−1の親和定
数を示し、免疫グロブリンG2bカッパ−クラスに属し
、その結合によりIL−6とIL−6Rの結合を阻害し
、ハイブリド−マPAB108(微工研菌寄第1172
3号)により産生される抗体PAB108、IL−6に
対して2.19×106  M−1以上の親和定数を示
し、免疫グロブリンG2aカッパ−クラスに属し、その
結合によりIL−6とIL−6R結合を阻害し、ハイブ
リド−マPAB109(微工研菌寄第11724号)に
より産生される抗体PAB109又はIL−6に対して
3.36×106  M−1以上の親和定数を示し、免
疫グロブリンG1ラムダクラスに属し、その結合により
IL−6とIL−6Rの結合を阻害し、ハイブリド−マ
PAB118(微工研菌寄第11977号)により産生
される抗体PAB118である。
【0015】また本発明は、前記PAB101抗体を産
生するハイブリド−マPAB101(微工研菌寄第11
721号)、前記PAB102抗体を産生するハイブリ
ド−マPAB102(微工研菌寄第11722号)、前
記PAB108抗体を産生するハイブリド−マPAB1
08(微工研菌寄第11723号)、前記PAB109
抗体を産生するハイブリド−マPAB109(微工研菌
寄第11724号)又は前記PAB118抗体を産生す
るハイブリド−マPAB118(微工研菌寄第1197
7号)である。
【0016】また本発明は、前記したPAB101、P
AB102、PAB108、PAB109又はPAB1
18のいずれかのハイブリド−マを培養することを特徴
とするPAB101、PAB102、PAB108、P
AB109又はPAB118のいずれかの抗体の製造方
法である。
【0017】また本発明は、A群(PAB101又はP
AB102)の中から選ばれたいずれかの抗体とB群(
PAB108、PAB109又はPAB118)の中か
ら選ばれたいずれかの抗体を使用することを特徴とする
ヒトインタ−ロイキン−6のサンドイッチ免疫測定方法
である。
【0018】更に本発明は、前記のサンドイッチ測定方
法に使用するための、前記A群及びB群からそれぞれ1
種ずつ選択された抗体を含むことを特徴とするヒトイン
タ−ロイキン−6のサンドイッチ免疫測定方法用試薬キ
ットである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】1.抗IL−6抗体を産生するハイブリド
−マ。本発明のハイブリド−マPAB101、PAB1
02、PAB108、PAB109又はPAB118は
、リコンビナントIL−6(Asagoeら、Biot
echnology, 6,p806,1988年)を
マウスに免疫して得た脾細胞に、マウスミエロ−マ細胞
SP2/Oをポリエチレングリコ−ルを用いて融合せし
めて調製されたものである。
【0020】これら操作は従来公知の方法、例えば免疫
実験操作法(日本免疫学会編、免疫実験操作法、197
5年)等を参照して行われた。なお、以上の全てのハイ
ブリド−マは通商産業省告示第 178号に従い、工業
技術院微生物工業技術研究所に菌寄第11721 号(
PAB101)、11722 号(PAB102)、1
1723 号(PAB108)、11724 号(PA
B109)又は11977 号(PAB118)として
寄託されている。
【0021】2.抗IL−6抗体。本発明の抗体PAB
101、PAB102、PAB108、PAB109及
びPAB118は、IL−6とIL−6Rの結合を阻害
する性質を有するものである。言い換えれば、IL−6
中のIL−6Rとの結合部分又はこの部分に非常に近い
部分と結合する性質を有するのである。
【0022】これら抗体は、実施例に示すように、固定
化されたIL−6Rに対し、標識したIL−6と共に抗
体を含むハイブリド−マの培養上清を添加し、標識から
のシグナルを測定することによりスクリ−ニングされた
ものである。
【0023】以下に本発明の抗体の特徴を列記する。
【0024】PAB101;IL−6に対して4.31
×105  M−1の親和定数を示す。       
           免疫グロブリンG1ラムダクラ
スに属する。IL−6とIL−6Rの結合を阻害する。 IL−6の活性をわずかに中和する。ハイブリド−マP
AB101により産生される。
【0025】PAB102;IL−6に対して3.76
×105  M−1の親和性を有する。       
           免疫グロブリンG1ラムダクラ
スに属する。IL−6とIL−6Rの結合を阻害する。 IL−6の活性をわずかに中和する。ハイブリド−マP
AB102により産生される。
【0026】PAB108;IL−6に対して1.55
×106  M−1の親和性を有する。       
           免疫グロブリンG2bカッパ−
クラスに属する。IL−6とIL−6Rの結合を阻害す
る。IL−6の活性を中和する。ハイブリド−マPAB
108により産生される。
【0027】PAB109;IL−6に対して2.19
×106  M−1の親和性を有する。       
           免疫グロブリンG2aカッパ−
クラスに属する。IL−6とIL−6Rの結合を阻害す
る。
【0028】IL−6の活性を中和する。ハイブリド−
マPAB109により産生される。
【0029】PAB118;IL−6に対して3.36
×106  M−1の親和性を有する。       
           免疫グロブリンG1ラムダクラ
スに属する。IL−6とIL−6Rの結合を阻害する。
【0030】IL−6の活性を中和する。ハイブリド−
マPAB118により産生される。
【0031】本発明の抗体については、上記したような
特徴以外の特徴をも有している。例えば、PAB101
抗体とPAB102抗体は、IL−6に対して互いに競
争的に結合する性質を有している。一方、PAB108
抗体、PAB109抗体及びPAB118抗体は、IL
−6に対して互いに競争的に結合する性質を有している
が、PAB101抗体又はPAB102抗体とは競争的
でない等である。
【0032】本発明の抗体は、例えばペプシン等の適当
な酵素を用いてフラッグメント化されたものも包括する
【0033】3.抗体の製造方法。本発明の抗体PAB
101、PAB102、PAB108、PAB109又
はPAB118は、それを産生するハイブリド−マPA
B101、PAB102、PAB108、PAB109
又はPAB118を培養することで製造することが出来
る。
【0034】例えばこれらのハイブリド−マを10%F
CSを添加したDMEM等の適当な培地で培養し又はB
ALB/cマウス等の適当な動物の腹腔へ接種して得た
培養上清や腹水について、必要に応じて硫酸アンモニウ
ム塩析等の常法に従った濃縮やIL−6を固定化したゲ
ルを用いたアフィニティ−クロマトグラフィ−を実施し
て製造することができる。
【0035】4.IL−6のサンドイッチ免疫測定方法
。本発明で提供されるIL−6のサンドイッチ免疫測定
方法は、A群(PAB101又はPAB102)の中か
ら選ばれたいずれかの抗体とB群(PAB108、PA
B109又はPAB118)から選ばれたいずれかの抗
体を組み合わせて使用することを特徴とするものである
【0036】それぞれの群に属する抗体は、IL−6に
対して競争的に結合する性質を有しているため、同じ群
に属する抗体を使用してサンドイッチ免疫測定方法を実
施することは出来ない。
【0037】サンドイッチ免疫測定方法では、一方の抗
体を不溶性の固相に直接又は間接的に固定化(以下、固
定化抗体という)し、他方を酵素等に代表される標識物
質と直接又は間接的に結合させる(以下、コンジュゲ−
トという)が、本発明においては比較的高い親和性を有
する等の理由から、B群から選ばれた抗体を固定化抗体
とすることが好ましく、中でもPAB118が特に好ま
しい。
【0038】これに対してA群から選ばれた抗体はコン
ジュゲ−トとすることが好ましく、中でもPAB101
が特に好ましい。
【0039】上記のように固定化抗体(B群に属する抗
体)と標識化抗体(A群に属する抗体)の組み合わせに
より良好な結果が得られ、中でもPAB118を固定化
抗体として使用するか又はPAB101を標識化抗体と
して使用した場合にはより良好なIL−6のサンドイッ
チ免疫測定方法が提供される。更に、本発明で提供され
るIL−6のサンドイッチ免疫測定方法の中でも、固定
化抗体としてPAB118を、標識化抗体としてPAB
101を使用する測定方法は、後の実施例で詳細に説明
するように最良の測定結果を導くことが可能である。
【0040】このような抗体の組み合わせ、特にPAB
101抗体とPAB118抗体の組み合わせによれば、
他の組み合わせと比較して明確に高い測定精度を達成し
得るという事実は、A群に属する抗体間には親和定数等
の免疫測定に影響を与えうる特徴にさほど大きな違いは
無く、またB群に属する抗体間の親和定数等にも大きな
違いが無いということから考えて、親和定数等以外の、
PAB101又はPAB118抗体自体に由来する特徴
によるものと考えられる。
【0041】PAB118抗体を固定化抗体として使用
することは、前記のように、いかなる理由かは不明なが
ら、より測定精度の高い免疫測定を実施するうえで好ま
しいが、このことは、同時に他の面においても好ましい
効果を達成し得る。
【0042】即ち、免疫測定において、F(ab)´化
された抗体を使用すれば、血清や尿等に含まれる成分の
非特異的吸着を防止でき、結果としてバックグラウンド
のシグナル量(測定されるべき抗原等の量に相関しない
シグナル量)を低減することが可能であるが、本発明の
PAB108、109、118抗体の中では、PAB1
18抗体が唯一、F(ab)化し得るIgG1に属する
抗体だからである。
【0043】本発明のIL−6のサンドイッチ免疫測定
方法を実施するうえで、抗体の固相への固定化や抗体と
標識物質の固定化の方法は何等制限がないが、例えばK
atohら(J.Biochem.78、235、19
75年)の方法に従うことが例示出来る。
【0044】固相としては、例えば特開昭62−197
425号等に記載されたようなものの他、例えばポリス
チレン製のカップやプレ−ト等、それ自体が反応空間を
提供する容器の内壁等、従来公知のものが制限なく使用
出来る。
【0045】標識物質としては、例えば蛍光物質、発光
物質、放射性同位元素、吸光物質等を使用することが出
来るが、被爆の危険性がなく、更には比較的大きなシグ
ナルが得られる酵素を使用すると良く、中でもアルカリ
性フォスファタ−ゼやパ−オキシダ−ゼ等に代表される
タ−ンオ−バ−数の大きなものが好ましい。
【0046】サンドイッチ免疫測定方法自体は、例えば
石川ら(酵素免疫測定法、第3版、1987年)、特開
昭57−16355号、特開昭47−18597号に記
載されたように、固定化抗体とIL−6を結合させた後
、遊離のIL−6を分離して標識化抗体を混合し、更に
遊離の標識化抗体を分離するいわゆる2ステップサンド
イッチ免疫測定方法であっても、固定化抗体、IL−6
及び標識化抗体を結合させた後、遊離の標識化抗体を分
離するいわゆる1ステップサンドイッチ免疫測定方法で
あっても良いが、後の実施例で示されるように2ステッ
プサンドイッチ法がより正確な測定を実施し得、好まし
い。
【0047】また、本発明では、F(ab)´化した抗
体を使用することに制限はない。このように、F(ab
)´化した抗体を使用することで達成される効果は、先
に記載した通りである。また例えば、抗IL−6モノク
ロ−ナル抗体抗体を作製し、これを用いて間接的に固定
化するようないわゆる第2抗体を使用するサンドイッチ
免疫測定を行っても良い。
【0048】5.IL−6のサンドイッチ免疫測定方法
用試薬キット。本発明の試薬キットは、少なくともPA
B101、PAB102、PAB108、PAB109
又はPAB118のいずれかの抗体を含む試薬キットで
ある。
【0049】より具体的に、例えば2ステップサンドイ
ッチ免疫測定方法を実施するための試薬キットは、少な
くとも固定化抗体とコンジュゲ−トを含むものである。 これら抗体の他に、例えば抗体の安定化剤等を含んでい
ても良い。モノクロ−ナル抗体は、免疫反応を行う反応
容器中に封入されていても良いし、反応容器に後から添
加できるように分離した形で包括されていても良い。
【0050】
【実施例】以下、本発明を更に詳細に説明するために実
施例を記載するが、これら実施例は本発明の一例であり
、本発明を限定するものではない。
【0051】実施例1.抗IL−6抗体の調製(1)ハ
イブリド−マの調製 Asagoeらの方法(Asagoeら、Biotec
hnology, 6,p806,1988年)に従っ
て調製したリコンビナントIL−6を1週間に一度、合
計で4回、BALB/cマウスの腹部に免疫した後、脾
細胞を取得し、ポリエチレングリコ−ルを用いてマウス
ミエロ−マ細胞株SP2/Oと融合させ、合計で20株
のハイブリド−マを樹立した。 (2)IL−6とIL−6Rの結合を阻害する抗体の選
択 2マイクロg/mlの抗IL−6R抗体MT18(Y.
Hirataら、J.Immunol.,143,p2
900,1988 年)を含むPBS溶液(1l中に、
8.0g  NaCl、0.2g  KCl、2.16
g  Na2HPO4、0.2g  KH2PO4を含
む液)を、96穴のマイクロタイタ−プレ−ト(Nun
c−Immuno  PlateCat  No.43
9454、Nunc社製)1穴当たり100マイクロl
添加し、1晩4℃で放置した。PBS溶液で穴を洗浄し
た後、約2マイクロg/mlの可溶性IL−6R(ヨ−
ロッパ公開特許EP−325474号)を添加し、2時
間放置した。
【0052】PBS溶液で穴を洗浄後、20株のハイブ
リド−マを培養して得られた上清の50マイクロlと2
0000cpmの  125Iで標識した50マイクロ
lのIL−6を同時に添加し、2時間室温で放置し、P
BS溶液で洗浄した後にガンマカウンタ−を用いて各穴
に残った  125I標識IL−6の量を測定した。
【0053】対照として、ハイブリド−マの培養上清の
代わりにハイブリド−マを培養する際に使用したDME
M(10%FCSを含むDMEM、pH7.2)培地を
添加して同様の操作を行った。
【0054】その結果、対照と比較して  125I標
識IL−6が減少したハイブリド−マが5株得られた。 これらハイブリド−マを、それぞれPAB101、PA
B102、PAB108、PAB109、PAB118
として、以下記載する。
【0055】これら5株のハイブリド−マが産生する抗
体のいずれによってもIL−6とIL−6Rの結合が阻
害された結果、測定された  125Iのシグナルが減
少していることが分かり、中でもハイブリド−マPAB
108、109及び118に由来する抗体は、他と比較
して強くIL−6とIL−6Rの結合を阻害することが
分かった。このことは即ち、これらハイブリド−マが産
生する抗体は、IL−6中のIL−6Rとの結合部分又
はこの部分に非常に近い部分に結合することを示すもの
である。
【0056】なお、PAB118については1991年
1月28日に、その他のハイブリド−マについては19
90年9月10日に、通商産業省告示第 178号に従
い、工業技術院微生物工業技術研究所に菌寄第1172
1 号(PAB101)、11722 号(PAB10
2)、11723 号(PAB108)、11724 
号(PAB109)又は11977 号(PAB118
)として寄託されている。
【0057】実施例2.IL−6の活性の中和の確認実
施例1で得られたPAB101、PAB102、PAB
108、PAB109又はPAB118抗体の、IL−
6のヒトB細胞CL4に対する生理活性に及ぼす影響を
調べた。
【0058】T.Hiranoらの方法(T.Hira
noら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A.,82,p5490, 1985年)に従い、
IL−6の生理活性を受けて免疫グロブリンMを産生す
るヒトB細胞CL4を用い、CL4に対するIL−6の
免疫グロブリンM産生促進効果に与えるPAB101、
102、108、109又は118抗体の中和活性を調
査した。
【0059】IL−6を5ng/ml濃度で使用し、0
.8マイクロg /mlの各抗体の共存下でCL4細胞
を3時間培養し、産生されたIgM量を測定した。また
、対照として抗体の含まれていないPBS溶液、IL−
6及び抗体の含まれていないPBS溶液を使用して同様
の調査を行った。
【0060】測定は、405nmの吸光度を調査して行
った。
【0061】結果を図1に示す。図1によれば、IL−
6とIL−6Rの結合を阻害する性質を有するPAB1
01、PAB102、PAB108、PAB109及び
PAB118抗体は、実際にIL−6の生理活性を中和
することが明確に示された。
【0062】また、生理活性の中和の度合いは、実施例
1で観察されたIL−6とIL−6Rの結合を阻害する
度合いに相関しており、PAB118、PAB109、
PAB108、PAB101そしてPAB102の順に
弱くなることが分かった。
【0063】実施例3.モノクロ−ナル抗体のIL−6
への親和性の測定 本発明のモノクロ−ナル抗体のIL−6への親和定数は
、免疫実験操作法(日本免疫学会編、p2691から2
706)に記載された方法を参照して行った。
【0064】0.5%のBSA及びそれぞれ0.26、
0.96、4.8、24又は120マイクロg/mlの
IL−6を含むPBS溶液を100マイクロlずつエッ
ペンドルフチュ−ブに加え、  125Iでラベルした
IL−6を16550cpm/チュ−ブとなるように加
え、更にPAB101、PAB102、PAB108、
PAB109又はPAB118抗体溶液(各々0.32
ml/mlに調製したもの)の100マイクロlを加え
て4℃で2時間反応させた後、0.6mg/mlに調製
したウサギ抗マウスIgGの50マイクロl及び12.
5マイクロg /mlに調製したマウスガンマグロブリ
ンの50マイクロlを添加し、4℃で18時間反応させ
た。  0.5%のBSAを含むPBS溶液で洗浄した
1mlのプロテインG−セファロ−ス(ファルマシア社
製)を2mlの同溶液で懸濁し、その50マイクロlを
反応終了後のチュ−ブに加え、4℃で1時間放置した後
、5000rpmで20分間遠心分離して上清を除去し
、沈殿を0.5%BSAを含むPBSで洗浄した後、そ
の中に含まれる  125Iの放射能をガンマカウンタ
−でカウントし、スキャッチャ−ド解析により親和定数
を求めた。
【0065】その結果、PAB101では4.31×1
05  M−1であり、PAB102では3.76×1
05  M−1であり、PAB108では1.55×1
06  M−1であり、PAB109では2.19×1
06  M−1であり、PAB118では3.36×1
06  M−1であった。
【0066】実施例4.IL−6のサンドイッチ免疫測
定方法 PAB101、PAB102、PAB108及びPAB
109抗体を用いて、IL−6のサンドイッチ免疫測定
方法を実施した。
【0067】固定化抗体とコンジュゲ−トの組み合わせ
は、固定化抗体(PAB101)に対してコンジュゲ−
ト(PAB108又はPAB109)、固定化抗体(P
AB102)に対してコンジュゲ−ト(PAB108又
はPAB109)、固定化抗体(PAB108)に対し
てコンジュゲ−ト(PAB101又はPAB102)及
び固定化抗体(PAB109)に対して標識抗体(PA
B101又はPAB102)である。
【0068】なお、固相としては前記したのと同様のプ
レ−ト(Nunc社製)を、標識物質としてはアルカリ
性フォスファタ−ゼ(ALP)を使用し、固相と抗体の
結合及び標識物質と抗体の結合はKatohらの方法(
J.Biochem.78、235、1975年)に従
った。
【0069】測定は、それぞれ0、1、2又は3ナノg
/ml濃度のリコンビナントIL−6を含む測定溶液(
50mM  Tris(pH8.1)、1mM  Mg
Cl2、0.15M  NaCl、0.05%Twee
n20、0.02%NaN3、1%BSA)を試料溶液
として、試料溶液、固相(固定化抗体を含む)及び標識
抗体を混合して室温で120分間反応させ、PBS溶液
で各穴を洗浄して未反応の標識抗体を除去し、ALPの
基質であるp−nitorophenyl  phos
phateを1mg/mlとなるように添加し、ALP
の酵素反応を停止させるために3N  NaOHを含む
反応停止液を添加し、基質が分解されて生じるp−ni
torophenolを405nmの吸光度をモニタ−
して行った。
【0070】結果を図2に示す。またそれぞれの抗体の
組み合わせの相性に関して、IL−6当たりの吸光度の
変化は、固定化抗体(PAB101)に対してコンジュ
ゲ−ト(PAB108又はPAB109)を使用するか
又は固定化抗体(PAB102)に対してコンジュゲ−
ト(PAB108又はPAB109)を使用した場合に
比較して、固定化抗体(PAB108)に対してコンジ
ュゲ−ト(PAB101又はPAB102)を使用する
か又は固定化抗体(PAB109)に対して標識抗体(
PAB101又はPAB102)を使用した場合の方が
はるかに大きいことが分かる。
【0071】これらのことは、例えばPAB101とP
AB108の組み合わせであってもどちらを固定化抗体
として使用するかにより期待される測定精度が大きく変
わることを示し、PAB101又はPAB102抗体を
固定化抗体として使用した場合に比較してPAB108
又はPAB109抗体を固定化抗体として使用した場合
、言い換えればPAB101又は102をコンジュゲ−
トとして使用した場合にはより好ましい結果が得られる
ことが分かる。
【0072】また、PAB101又はPAB102抗体
をコンジュゲ−トとして使用した場合を見ると、PAB
102と比較してPAB101を使用する方が好ましい
結果が得られることも分かる。
【0073】実施例5.IL−6のサンドイッチ免疫測
定方法(2) 実施例3で得られた結果を基に、標識抗体としてPAB
101を、固定化抗体としてPAB101抗体との組み
合わせで最良の相性を示したPAB108又はPAB1
18抗体を使用し、IL−6サンドイッチ免疫測定を行
った。
【0074】なお、固相、標識物質、固相と抗体の結合
、標識物質と抗体の結合、更には測定の手順等は実施例
3と同様であり、試料溶液としては100から300ピ
コg/mlのIL−6を含む溶液を使用した。
【0075】結果を図3に示す。またそれぞれの抗体の
組み合わせの相性に関して、IL−6当たりの吸光度の
変化は、PAB101とPAB118の組み合わせの方
がPAB101とPAB108の組み合わせに比較して
大きいことが分かった。
【0076】これらの結果によれば、実施例4の結果最
良の相性を示したPAB101とPAB108の組み合
わせ以上にPAB101とPAB118の組み合わせの
相性が良いことが分かり、図3に従う限り、10pg/
ml程度の低濃度IL−6を測定可能であると推定され
る。
【0077】実施例6.天然のIL−6のサンドイッチ
免疫測定方法 実施例5で使用した抗体の組み合わせ(PAB101と
PAB108の組み合わせ及びPAB101とPAB1
18の組み合わせ)を用いて、天然のIL−6のサンド
イッチ免疫測定を実施した。
【0078】天然のIL−6(nIL−6)は、特開平
1−132398号に従ってglioblastoma
から調製した。その他の固相、標識物質、固相と抗体の
結合や標識物質と抗体の結合、更には測定の手順等は実
施例4と同様である。
【0079】結果を図4に示す。また、それぞれの抗体
の組み合わせの相関に関して、IL−6当たりの吸光度
の変化は、PAB101とPAB118の組み合わせの
方がPAB101とPAB108の組み合わせより大き
いことが分かった。
【0080】これらの結果によれば、nIL−6を生物
学的検定により濃度検定すれば、nIL−6のサンドイ
ッチ免疫測定により得られるシグナルはリコビナントI
L−6の測定により得られるシグナルに比較してやや微
量ではあるものの、リコビナントIL−6を測定する場
合の抗体の組み合わせの相性は同様であり、PAB10
1とPAB108の組み合わせに比較してPAB101
とPAB118の組み合わせが優れていることが分かり
、図4からは20pg/ml程度の低濃度まで測定可能
であると推定される。
【0081】実施例7.低濃度IL−6のサンドイッチ
免疫測定方法 PAB101とPAB108の組み合わせ及びPAB1
01とPAB118の組み合わせを使用して、低濃度I
L−6のサンドイッチ免疫測定を行った。
【0082】測定の手順等は実施例4と同様であり、試
料溶液としては0、10、100、200又は300ピ
コg/mlの天然のIL−6(nIL−6)又はリコン
ビナントIL−6(rIL−6)を含む溶液を使用した
【0083】結果を図5に示す。それぞれの抗体の組み
合わせの相関に関して、IL−6当たりの吸光度の変化
は、PAB101とPAB118の組み合わせの方がP
AB101とPAB108の組み合わせより大きいこと
が分かった。
【0084】これらの結果からは、nIL−6のサンド
イッチ免疫測定により得られるシグナルは、生物学的検
定により求めたIL−6の換算値(1Uが0.2ngに
相当)と仮定して比較するならば、rIL−6の測定に
より得られるシグナルに比較して微量であった。また、
nIL−6又はrIL−6のサンドイッチ免疫測定のい
ずれの場合であっても、PAB101とPAB108の
組み合わせに比較してPAB101とPAB118の組
み合わせが優れていることが確認され、図5に従えば、
10pg/ml程度の低濃度IL−6を測定可能である
と推定される。
【0085】実施例8.微量の天然IL−6のサンドイ
ッチ免疫測定方法 PAB101とPAB118の組み合わせを使用して、
超微量の天然のIL−6(nIL−6)のサンドイッチ
免疫測定を行った。
【0086】測定の手順等は実施例4と同様であり、試
料溶液としては0から250ピコg/mlの天然のIL
−6(nIL−6)を含む溶液を使用した。
【0087】結果を図6に示す。この結果によれば、P
AB101とPAB118を組み合わせて使用すること
で4ピコgnIL−6程度のnIL−6の測定が可能な
ことが分かる。この値は正常人の血液中のnIL−6濃
度(7−10ピコg/ml)の増減を十分に測定可能で
ある。
【0088】実施例9.1ステップ又は2ステップサン
ドイッチ免疫測定方法 標識抗体にPAB101を使用し、固定化抗体にPAB
108抗体を使用して1ステップ及び2ステップのサン
ドイッチ免疫測定を行った。
【0089】1ステップによる測定の手順等は実施例4
と同様である。2ステップによる測定の手順等は、固定
化抗体とリコンビナントIL−6を含む試料溶液を混合
して免疫反応を行わせ、更に標識抗体を添加して反応さ
せ、未反応の標識抗体を洗浄して除去した以外は実施例
4と同様である。
【0090】試料溶液としては0から2000ピコg/
mlのリコンビナントIL−6を含む溶液を使用した。
【0091】結果を図7に示す。IL−6当たりの吸光
度の変化は、1ステップより2ステップの方が大きいこ
とが分かる。
【0092】これらの結果によれば、IL−6のサンド
イッチ免疫測定方法は2ステップで行うことにより、更
に高い精度で実施し得ることが分かる。
【0093】実施例10.IL−6の酵素増幅測定C.
J.Stanleyら(Journal  of  I
mmunological  Methods  83
巻、p89から95、1985年)を参照して、標識抗
体としてALPと結合させたPAB101を、固定化抗
体としてPAB118を使用してIL−6の酵素増幅測
定を行った。
【0094】それぞれ0、1、3、6、12.5、25
.0又は50.0pg/mlのIL−6を含むPBSに
PAB101抗体を加えて反応させ、PAB118抗体
を固定化した96穴プレ−トに添加し、各穴をPBSで
洗浄して未反応のPAB101抗体を除去した。
【0095】各穴に、0.4mg/mlのNADPを含
む0.1Mエタノ−ルアミン緩衝液(シグマ社製)の1
00マイクロlを加え、室温で30分間反応させ、更に
100マイクロlの酵素反応増幅液(1ml当たり、5
0マイクロgのウマ肝臓由来のアルコ−ルデヒドロゲナ
−ゼ(ベ−リンガ−社製)、50マイクロgのジアホラ
−ゼ(ベ−リンガ−社製)、50マイクロlのエタノ−
ル、0.5mgのINT−violet(シグマ社製)
を含むpH7.0の50mMリン酸緩衝液)を加えて1
0分間反応させた。
【0096】10分後、0.2Mの硫酸を添加して反応
を停止させ、492nmの吸光度を測定した。
【0097】結果を図8に示す。図8によれば、本実施
例に示した方法は、これまで説明してきた方法以上に低
濃度(1pg/ml程度)のIL−6を測定し得ること
が分かる。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、5種(PAB101、
PAB102、PAB108、PAB109及びPAB
118)の従来とは異なる抗IL−6抗体が提供される
。その使用目的がIL−6の免疫測定、IL−6の分離
又は精製、IL−6の生理活性の研究又はIL−6に起
因する疾患の治療と多種に渡る現在、優れた性質を有す
る抗IL−6抗体をより多種提供することは重要な意義
を有している。
【0099】このような意義に鑑みれば、IL−6とI
L−6Rの結合を阻害するという大きな特徴を有する本
発明の抗体は、例えば生理活性を有する形態で存在する
IL−6(天然のIL−6かリコンビナントIL−6か
を問わない)の生理活性濃度を測定し又はIL−6に起
因する疾患の治療薬として特に有効である。
【0100】事実、本発明はIL−6のサンドイッチ免
疫測定方法を提供する。本発明の免疫測定方法によれば
、例えIL−6がアルファ2−マクログロブリン等と結
合していたとしても、IL−6Rと相互作用し得る形態
、即ち生理活性を発揮し得る状態であればその濃度を測
定することが可能である。
【0101】本発明の免疫測定方法においては、PAB
101又はPAB102を標識抗体とし、PAB108
、PAB109又はPAB118を固定化抗体とするこ
とで良好な結果が得られる。サンドイッチ免疫測定方法
においては、抗体自体のIL−6への親和性等は勿論、
使用する2種の抗体の相性も重要である。
【0102】本発明の抗体に関しては、特に標識抗体と
してPAB101を、特に固定化抗体としてPAB11
8を使用することが、超微量のIL−6を測定する場合
には最良の組み合わせであることが実験的に示されてい
る。
【0103】このように、本発明のIL−6のサンドイ
ッチ免疫測定方法は、IL−6とIL−6が関与してい
ると示唆されている疾患の相関をより明確に調査する研
究用手段として、更にはIL−6との相関が明確である
疾患についてはその早期発見のための臨床的手段として
、本発明の測定方法は有効である。
【0104】以上、本発明の抗IL−6抗体は種々の効
果を有するものであるが、これら抗体はそれを産生する
5種のハイブリド−マ(ハイブリド−マPAB101、
PAB102、PAB108、PAB109及びハイブ
リド−マPAB118)により産生される。従ってこれ
らのハイブリド−マは、本発明の抗体を調製し又は本発
明のサンドイッチ免疫測定方法を実施するうえで極めて
重要である。
【0105】即ち、本発明の抗体はこれらのハイブリド
−マを適当な培地で培養し又は適当な動物腹腔内で培養
することで容易に取得することが可能である。また、例
えばIL−6に起因する疾患の治療薬を開発する目的で
、本発明の抗体をキメラ化しようとする場合にも、これ
らハイブリド−マからの遺伝子等が有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2の結果を示すものである。図
中、縦軸は405nmにおける吸光度、即ちヒトB細胞
CL4がIL−6の生理活性を受けて産生した免疫グロ
ブリンMの量を示し、横軸はCL4に添加した溶液の内
容を示す。横軸は詳しくは、左のカラムからIL−6溶
液のみを添加した場合、PBS溶液のみを添加した場合
及びそれぞれ示された抗体を含むPBS溶液を添加した
場合の結果を示すものである。図中、吸光度が大きいカ
ラムは、IL−6の生理活性を受けてヒトB細胞CL4
が免疫グロブリンMを大量に産生していることを示し、
小さいカラムは免疫グロブリンMを少量にしか産生して
いないことを示す。
【図2】図2は、本発明の実施例4の結果を示すもので
ある。図中、縦軸は405nmの吸光度、即ちALPの
酵素反応により生じた分解物の量を示し、横軸は免疫反
応に使用したIL−6の濃度を示すものである。図中、
白丸の直線はPAB101(固定化抗体)とPAB10
8抗体(標識抗体)を使用した場合の結果を示す。黒丸
の直線はPAB101(固定化抗体)とPAB109抗
体(標識抗体)を使用した場合の結果を示す。 白三角の直線はPAB102(固定化抗体)とPAB1
08抗体(標識抗体)を使用した場合を示す。 黒三角の直線はPAB102(固定化抗体)とPAB1
09抗体(標識抗体)を使用した場合を示す。 白四角の直線はPAB108(固定化抗体)とPAB1
01抗体(標識抗体)を使用した場合を示す。 黒四角の直線はPAB108(固定化抗体)とPAB1
02抗体(標識抗体)を、使用した場合を示す。 白星の直線はPAB109(固定化抗体)とPAB10
1抗体(標識抗体)を使用した場合を示す。 黒星の直線はPAB109(固定化抗体)とPAB10
2抗体(標識抗体)を、使用した場合を示す。
【図3】図3は、本発明の実施例5の結果を示すもので
ある。図中、縦軸は405nmの吸光度、即ちALPの
酵素反応により生じた分解物の量を示し、横軸は免疫反
応に使用したIL−6の濃度を示すものである。図中、
白丸の直線はPAB101(標識化抗体)とPAB11
8抗体を使用した場合の結果を示し、黒丸の直線はPA
B101(標識抗体)とPAB108抗体を使用した場
合の結果を示す。
【図4】図4は、本発明の実施例6の結果を示すもので
ある。図中、縦軸は405nmの吸光度、即ちALPの
酵素反応により生じた分解物の量を示し、横軸は免疫反
応に使用した天然のIL−6濃度を示すものである。図
中、白丸の直線はPAB101(標識抗体)とPAB1
18抗体を使用した場合の結果を示し、黒丸の直線はP
AB101(標識抗体)とPAB108抗体を使用した
場合の結果を示す。
【図5】図5は、本発明の実施例7の結果を示すもので
ある。図中、縦軸は405nmの吸光度、即ちALPの
酵素反応により生じた分解物の量を示し、横軸は免疫反
応に使用した天然またはリコンビナントのIL−6濃度
を示すものである。図中、白抜の直線は天然のIL−6
に関する結果であり、黒の直線はリコンビナントIL−
6に関するである。なお、天然のIL−6に関する結果
は、生物学的検定によって決定された濃度により示され
ている。また、丸の直線は固定化抗体としてPAB10
8抗体を使用した結果であり、四角の直線は固定化抗体
としてPAB118抗体を使用した結果である。
【図6】図6は、本発明の実施例8の結果を示すもので
ある。図中、縦軸は405nmの吸光度、即ちALPの
酵素反応により生じた分解物の量を示し、横軸は免疫反
応に使用した天然のIL−6濃度を示すものである。
【図7】図7は、本発明の実施例9の結果を示すもので
ある。図中、縦軸は405nmの吸光度、即ちALPの
酵素反応により生じた分解物の量を示し、横軸は免疫反
応に使用した天然のIL−6濃度を示すものである。図
中、黒丸の直線は2ステップによるサンドイッチ免疫測
定の結果を、白丸の直線は1ステップによるサンドイッ
チ免疫測定の結果を示すものである。
【図8】図8は、本発明の実施例10の結果を示すもの
である。図中、縦軸は492nmの吸光度、即ち増幅さ
れたALPの酵素反応の結果を示し、横軸は免疫反応に
使用したIL−6の濃度を示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】  ヒトインタ−ロイキン−6に対して4
    .31×105  M−1以上の親和定数を示し、免疫
    グロブリンG1ラムダクラスに属し、その結合によりヒ
    トインタ−ロイキン−6とヒトインタ−ロイキン−6レ
    セプタ−の結合を阻害し、ハイブリド−マPAB101
    (微工研菌寄第11721号)により産生されるモノク
    ロ−ナル抗体PAB101。 【請求項2】  ヒトインタ−ロイキン−6に対して3
    .76×105  M−1以上の親和定数を示し、免疫
    グロブリンG1ラムダクラスに属し、その結合によりヒ
    トインタ−ロイキン−6とヒトインタ−ロイキン−6レ
    セプタ−の結合を阻害し、ハイブリド−マPAB102
    (微工研菌寄第11722号)により産生されるモノク
    ロ−ナル抗体PAB102。 【請求項3】  ヒトインタ−ロイキン−6に対して1
    .55×106  M−1以上の親和定数を示し、免疫
    グロブリンG2bカッパ−クラスに属し、その結合によ
    りヒトインタ−ロイキン−6とヒトインタ−ロイキン−
    6レセプタ−の結合を阻害し、ハイブリド−マPAB1
    08(微工研菌寄第11723号)により産生されるモ
    ノクロ−ナル抗体PAB108。 【請求項4】  ヒトインタ−ロイキン−6に対して2
    .19×106  M−1以上の親和定数を示し、免疫
    グロブリンG2aカッパ−クラスに属し、その結合によ
    りヒトインタ−ロイキン−6とヒトインタ−ロイキン−
    6レセプタ−の結合を阻害し、ハイブリド−マPAB1
    09(微工研菌寄第11724号)により産生されるモ
    ノクロ−ナル抗体PAB109。 【請求項5】  ヒトインタ−ロイキン−6に対して3
    .36×106  M−1以上の親和定数を示し、免疫
    グロブリンG1ラムダクラスに属し、その結合によりヒ
    トインタ−ロイキン−6とヒトインタ−ロイキン−6レ
    セプタ−の結合を阻害し、ハイブリド−マPAB118
    (微工研菌寄第11977号)により産生されるモノク
    ロ−ナル抗体PAB118。 【請求項6】  請求項第1項のPAB101抗体を産
    生するハイブリド−マPAB101(微工研菌寄第11
    721号)。 【請求項7】  請求項第2項のPAB102抗体を産
    生するハイブリド−マPAB102(微工研菌寄第11
    722号)。 【請求項8】  請求項第3項のPAB108抗体を産
    生するハイブリド−マPAB108(微工研菌寄第11
    723号)。 【請求項9】  請求項第4項のPAB109抗体を産
    生するハイブリド−マPAB109(微工研菌寄第11
    724号)。 【請求項10】  請求項第5項のPAB118抗体を
    産生するハイブリド−マPAB118(微工研菌寄第1
    1977号)。 【請求項11】  請求項6乃至10項のいずれかのハ
    イブリド−マを培養することを特徴とするPAB101
    、PAB102、PAB108、PAB109又はPA
    B118のいずれかのモノクロ−ナル抗体の製造方法。 【請求項12】  次のA群の中から選ばれたいずれか
    のモノクロ−ナル抗体と次のB群の中から選ばれたいず
    れかのモノクロ−ナル抗体を使用することを特徴とする
    ヒトインタ−ロイキン−6のサンドイッチ免疫測定方法
    。 A群(PAB101、PAB102) B群(PAB108、PAB109、PAB118)【
    請求項13】  B群から選ばれるモノクロ−ナル抗体
    がPAB118であることを特徴とする請求項12のサ
    ンドイッチ免疫測定方法。 【請求項14】  モノクロ−ナル抗体PAB118を
    固相に固定化して使用することを特徴とする請求項13
    のサンドイッチ免疫測定方法。 【請求項15】  A群から選ばれるモノクロ−ナル抗
    体がPAB101であることを特徴とする請求項12項
    のサンドイッチ免疫測定方法。 【請求項16】  モノクロ−ナル抗体PAB101を
    検出可能な標識物質と結合させて使用することを特徴と
    する請求項15のサンドイッチ免疫測定方法。 【請求項17】  請求項12乃至15に記載のサンド
    イッチ免疫測定法を実施するための、少なくとも下記A
    群及びB群からそれぞれ1種ずつ選択されたモノクロ−
    ナル抗体を含むことを特徴とするヒトインタ−ロイキン
    −6のサンドイッチ免疫測定方法用試薬キット。 A群(PAB101、PAB102) B群(PAB108、PAB109、PAB118)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013527454A (ja) * 2010-05-19 2013-06-27 エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト 併用療法及び治療耐性評価方法

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