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JP7587041B2 - トルクセンサ - Google Patents

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JP7587041B2 JP2023531233A JP2023531233A JP7587041B2 JP 7587041 B2 JP7587041 B2 JP 7587041B2 JP 2023531233 A JP2023531233 A JP 2023531233A JP 2023531233 A JP2023531233 A JP 2023531233A JP 7587041 B2 JP7587041 B2 JP 7587041B2
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本開示は、トルクセンサに関するものである。
従来、円環状の外周部と、外周部の径方向内方に配置された円環状の内周部と、外周部と内周部との間に配置された円環状の中間部とを備えた計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
中間部には、周方向に延びる長穴形状の複数の剛性調整穴が、周方向に等間隔に設けられている。これにより、隣接する剛性調整穴同士の間には、外周部と内周部とを径方向に接続する両持ち梁状部分が、周方向に間隔をあけて複数設けられている。各両持ち梁状部分の径方向の中央位置に歪みゲージが貼り付けられることにより、トルクを計測する計測装置が構成されている。
特開2021-25956号公報
特許文献1における各両持ち梁状部分は、周方向の両側面が長穴形状の剛性調整穴の端部の円弧面によって構成されているため、外周部および内周部との接続部分において、周方向の幅寸法が大きくなりすぎて、トルクの検出感度が低下する。
一方、この円弧面の半径を小さくすることにより、トルクの検出感度は向上するが、応力集中が発生しやすくなる。
したがって、トルクの検出感度の低下を抑制しつつ、両持ち梁状部分における応力集中を低減することが望まれている。
本開示の一態様は、径方向に間隔をあけて同芯に配置された円環状の外周部および内周部と、周方向に間隔をあけて前記外周部と前記内周部との間を接続する複数の両持ち梁状の接続梁部と、前記外周部と前記内周部との間に加わる中心軸回りのトルクを検出する検出部とを備え、前記接続梁部の周方向の両側面が、前記中心軸方向から見て、前記外周部の内周面および前記内周部の外周面から前記接続梁部の長さ方向の中央に向かって、それぞれ曲率半径が漸次増大する凹状の曲面形状を有し、前記曲面形状が、長径を前記接続梁部の長さ方向に平行に配置した楕円の一部により構成されているトルクセンサである。
本開示の一実施形態に係るトルクセンサを示す平面図である。 図1のトルクセンサの接続梁部を示す部分拡大図である。 図1のトルクセンサをロボットの関節に取り付けた例を示す図である。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状を楕円弧にした場合の解析モデルの一部を示す図である。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状が円弧にした場合の解析モデルの一部を示す図である。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状(短径R=R)と、接続梁部の最大応力値の変化率との関係についての解析結果を示すグラフである。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状(短径R=R)と、接続梁部の最大応力値の変化率との関係についての解析結果を示すグラフである。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状(短径R=R)と、接続梁部の最大応力値の変化率との関係についての解析結果を示すグラフである。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状(短径R=R)と、接続梁部の変形量の変化率との関係についての解析結果を示すグラフである。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状(短径R=R)と、接続梁部の変形量の変化率との関係についての解析結果を示すグラフである。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状(短径R=R)と、接続梁部の変形量の変化率との関係についての解析結果を示すグラフである。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状(短径R=R)と、最大応力値の変化率と変形量の変化率との比を示すグラフである。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状(短径R=R)と、最大応力値の変化率と変形量の変化率との比を示すグラフである。 図2の接続梁部の両側面の輪郭形状(短径R=R)と、最大応力値の変化率と変形量の変化率との比を示すグラフである。 図1のトルクセンサの第1の変形例の接続梁部を示す部分拡大図である。 図1のトルクセンサの第2の変形例の接続梁部を示す部分拡大図である。
本開示の一実施形態に係るトルクセンサ1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るトルクセンサ1は、一定の厚さを有する金属製平板を厚さ方向に打ち抜いて形成されたセンサ本体10と、センサ本体10に装着されたひずみゲージ(検出部)20とを備えている。
センサ本体10は、図1に示されるように、軸線(中心軸)Aを中心軸とする円環状の外周部2と、外周部2の径方向内方に間隔をあけて同芯に配置された円環状の内周部3とを備えている。センサ本体10は、外周部2と内周部3との間の円環状の隙間に、軸線A回りの周方向に等間隔をあけて配列され、外周部2と内周部3とを径方向に両持ち梁状に接続する複数、例えば、4本の接続梁部4および、例えば、4本の検出梁部(検出部)5を備えている。
外周部2には、板厚方向に貫通する貫通孔6aが、周方向に間隔をあけて複数設けられている。内周部3には、板厚方向に貫通するネジ孔6bが、周方向に間隔をあけて複数設けられている。
各接続梁部4は、図2に示されるように、それぞれ軸線Aを通過する直線に沿って径方向に延びる長手軸Bを備えている。各接続梁部4の長手軸B方向の一端は、外周部2の内周面2aに接続し、他端は内周部3の外周面3aに接続している。
各接続梁部4の軸線A回りの周方向の両側面4aは、軸線A方向から見た輪郭形状が、長手軸Bに対して線対称に形成されている。各側面4aの輪郭形状は、長径を長手軸Bに平行に配置した楕円の半周分の楕円弧からなる凹状の曲線によって形成されている。楕円弧の長径は、外周部2の内周面2aと内周部3の外周面3aとの径方向の間隔と同一の長さを有している。
これにより、各側面4aは、長手軸B方向の両端から中央に向かってそれぞれ曲率半径が漸次増大する曲面形状となっている。
各検出梁部5は、それぞれ周方向に隣接する一対の接続梁部4の間に配置され、外周部2と内周部3とを径方向に接続している。検出梁部5の横断面の面積は、接続梁部4の横断面の面積と比較して十分に小さく、外周部2と内周部3との間に周方向のトルクが作用したときには、変形し易い形状を有している。これにより、トルクセンサ1の強度は主として接続梁部4によって受け持たれ、検出梁部5はトルクセンサ1の強度に影響を与えない。
ひずみゲージ20は、各検出梁部5の表面に、それぞれ1つずつ貼り付けられている。各ひずみゲージ20は、例えば、薄膜状の抵抗素子であって、各々が貼り付けられている各検出梁部5の変形に応じて抵抗値が変化する。
また、各ひずみゲージ20は、図示しないブリッジ回路を構成し、抵抗値の変化を電圧の変化として検出する。
このように構成された本実施形態に係るトルクセンサ1の作用について以下に説明する。
トルクセンサ1は、図3に示されるように、例えば、ロボットの関節100などに取り付けられ、関節100に設けられるアクチュエータ110が出力するトルクの検出に用いられる。
図3に示す例では、トルクセンサ1は、ロボットの関節100のアクチュエータ110を構成する減速機111の出力軸112と、出力軸112に固定されるロボットアーム120との間に、軸線Aを出力軸112の回転軸線に一致させて取り付けられる。具体的には、貫通孔6aを貫通させたボルト7を利用して、外周部2を減速機111の出力軸112に固定し、内周部3のネジ孔6bに締結されるボルト8により、内周部3をロボットアーム120に固定する。
これにより、トルクセンサ1は、被検出体である減速機111とロボットアーム120との間に直接固定される。
この状態において、減速機111の出力軸112が軸線A回りに回転すると、外周部2と内周部3との間に、軸線A回りの周方向のトルクが作用し、外周部2と内周部3とが、周方向に相対的に微小変位する。また、外周部2と内周部3との微小変位によって、各検出梁部5も変形させられる。
これにより、各検出梁部5に貼り付けられた各ひずみゲージ20によって、検出梁部5の変形量に応じた電圧値が検出され、減速機111の出力軸112の回転によって発生したトルクの大きさを検出することができる。
この場合において、外周部2と内周部3との間に軸線A回りのトルクが作用すると、外周部2と内周部3とを接続している各接続梁部4に応力が発生する。特に、各接続梁部4の長手軸B方向の両端には、より大きな応力が発生する。一方、長手軸B方向の中央近傍には、ほとんど応力は発生しない。
ここで、接続梁部4の各側面4aの形状と、接続梁部4に発生する応力の大きさおよび接続梁部4の変形のし易さとの関係について説明する。
図4は、接続梁部4の両側面4aの長手軸B方向の一端の軸線A方向から見た輪郭形状を楕円弧にした場合の解析モデルの一部を示す。図5は、図4の楕円弧を円弧に置き換えた場合の解析モデルの一部を示す。両解析モデルに対して、それぞれ接続梁部4の長手軸B方向の他端に周方向の一定の力を加えたときの接続梁部4に発生する最大応力値と変形量とを計算した。
図6から図8には、図4の解析モデルにおいて楕円弧の短径Rを、それぞれR,R,R(R>R>R)に一定とし、長径Raを長手軸B方向に変化させた場合の最大応力値の変化率を実線で示している。また、図5の解析モデルにおける半径Raを、図4の解析モデルの長径Raの変化に対応して変化させた場合の最大応力値の変化率を破線で示している。同様に、図9から図11は、両解析モデルの接続梁部4の変形量の変化率を比較した図である。
図6から図11における変化率とは、各長径Ra又は半径Raにおける最大応力値あるいは変形量を、図4の解析モデルにおいては長径Raを短径Rと等しくした場合、図5の解析モデルでは半径RaをRとした場合の最大応力値あるいは変形量で除算した値である。
図6に示す解析結果によれば、接続梁部4に発生する最大応力値を所定の割合Pまで減少させるには、図5の解析モデルの場合には、半径RaをR(=R)からRa1まで増大させる必要がある。一方、図4の解析モデルの場合には、短径R(=R)の寸法を増大させることなく、長径RaだけをRa1よりも大きいRa2まで増大させればよいことが分かる。
これにより、接続梁部4の両側面4aの長手軸B方向の両端の軸線A方向から見た輪郭形状を楕円弧にすることにより、接続梁部4の長手軸B方向の両端の長手軸Bに直交する方向の幅寸法を増大させることなく、接続梁部4の応力集中を低減することができる。
また、図9に示す解析結果によれば、図4の解析モデルの短径R(=R)を維持し、長径RaをRa2まで増大させた場合の接続梁部4の変形量の変化率は、図5の解析モデルの半径RaをRa1まで増大させた場合の接続梁部4の変形量の変化率よりも大きい。
すなわち、接続梁部4に発生する最大応力値を所定の割合Pまで減少させた図4の解析モデルおよび図5の解析モデルを比較すると、図4の解析モデルの方が、接続梁部4の周方向への変形のし易さが維持され、剛性の過度の増加を抑えることができる。
図7と図10および、図8と図11とからも、上記と同様の効果を得られることが分かる。
このように、本実施形態に係るトルクセンサ1によれば、外周部2と内周部3との間に周方向のトルクが作用した場合の、両者の周方向の相対的な変位および、各検出梁部5の変形量をより大きく維持しつつ、接続梁部4に発生する応力集中を低減することができる。
したがって、本実施形態に係るトルクセンサ1は、トルクの検出感度の低下を小さく抑えつつ、接続梁部4の強度を向上することができるという利点がある。
また、図12から図14は、図6から図11と同様に、両解析モデルにおける長径Raあるいは半径Raを変化させた場合の、接続梁部4の変形量の変化率に対する最大応力値の変化率の比率を示している。
図12に示されるように、図4の解析モデルにおいては、楕円弧の長径Raだけを増大させ、扁平率fを57%まで増大させた場合には、接続梁部4の変形量の変化率と最大応力値の変化率とは、互いに同程度の比率で変化する。これに対して、図5の解析モデルにおいては、半径Raを増大させた場合には、最大応力値の変化率よりも変形量の変化率の方が大きく上回っている。
また、図13および図14においても、図4の解析モデルの楕円弧の扁平率fが0%よりも大きく57%以下の範囲においては、図5の解析モデルに比べて、接続梁部4の変形量の変化率よりも最大応力値の変化率が大きく上回っている。
これらの結果からも、接続梁部4の両側面4aの長手軸B方向の両端の軸線A方向から見た輪郭形状を楕円弧とすることにより、扁平率fの値に関わらず、接続梁部4の周方向の剛性の過度の増加を抑えつつ、接続梁部4の応力集中を緩和することができると言える。
また、この場合の図4の解析モデルにおいて、楕円弧の扁平率fは、好ましくは、0%以上57%以下であり、より好ましくは、20%以上55%以下である。
なお、本実施形態においては、接続梁部4の各側面4aの軸線A方向から見た輪郭形状を、長径を長手軸Bに平行に配置した楕円の半周分の楕円弧により構成した。これに代えて、図15に示すように、接続梁部4の両側面4aの軸線A方向から見た輪郭形状を、それぞれ長手軸B方向の中央における長手軸Bに平行な直線と、長手軸B方向の両端における長手軸Bに平行な長径を有する楕円弧とからなる形状としてもよい。
これにより、接続梁部4の両側面4aのうち、最も応力が集中しやすい長手軸B方向の両端における必要最小限の範囲だけが、軸線A方向から見た輪郭形状が楕円弧となる曲面で形成される。これにより、接続梁部4の軸線A回りの周方向の剛性の増加をより小さく抑えるとともに、接続梁部4に発生する応力集中を低減することができる。
また、本実施形態においては、接続梁部4の各側面4aの長手軸B方向の両端における軸線A方向から見た輪郭形状を互いに異ならせてもよい。
これにより、例えば、接続梁部4の長手軸B方向の両端に発生する応力の分布が均等でないことが予め予見されている場合には、その予見される応力分布に応じて、接続梁部4の各側面4aの長手軸B方向の両端の曲面をそれぞれ最適な形状に設定することができる。
また、本実施形態においては、図16に示されるように、接続梁部4の各側面4aの軸線A方向から見た輪郭形状が、長手軸Bに対して傾いた方向に長径を配置した楕円弧の一部によって形成されてもよい。
また、本実施形態においては、接続梁部4を4本としたが、2本、3本あるいは5本以上であってもよい。
また、本実施形態においては、検出梁部5をセンサ本体10の一部としたが、これに代えて、検出梁部5をセンサ本体10とは別体とし、ボルト等によって外周部2と内周部3との間に径方向に跨って固定されてもよい。
また、本実施形態においては、ひずみゲージ20を検出梁部5の表面に貼り付ける構成としたが、これに代えて、各接続梁部4の表面に1つずつ貼り付けられてもよい。この場合、検出梁部5を省略することができるので、トルクセンサ1の構成をより簡易なものとすることができる。
また、検出梁部5の変形量を検出する部品として、電気抵抗式のひずみゲージ20を例示したが、これに限定されるものではなく、静電容量センサや光学センサあるいは磁歪センサ等、他の任意の方式のセンサを採用してもよい。
例えば、静電容量センサを採用した場合には、一対の対向して配置される電極を、外周部2と内周部3との間に作用する周方向のトルクによって、電極間の距離あるいは、対向面積が変化する構成とすればよい。
また、本実施形態においては、接続梁部4の各側面4aの軸線A方向から見た輪郭形状を楕円弧により構成したが、これに代えて、接続梁部4の長手軸B方向の両端から中央に向かって、曲率半径が漸次大きくなる任意の凹状の曲線によって構成してもよい。
1 トルクセンサ
2 外周部
2a 内周面
3 内周部
3a 外周面
4 接続梁部
4a 側面
5 検出梁部(検出部)
20 ひずみゲージ(検出部)
A 軸線(中心軸)
f 扁平率
Ra 長径



Claims (5)

  1. 径方向に間隔をあけて同芯に配置された円環状の外周部および内周部と、
    周方向に間隔をあけて前記外周部と前記内周部との間を接続する複数の両持ち梁状の接続梁部と、
    前記外周部と前記内周部との間に加わる中心軸回りのトルクを検出する検出部とを備え、
    前記接続梁部の周方向の両側面が、前記中心軸方向から見て、前記外周部の内周面および前記内周部の外周面から前記接続梁部の長さ方向の中央に向かって、それぞれ曲率半径が漸次増大する凹状の曲面形状を有し、
    前記曲面形状が、長径を前記接続梁部の長さ方向に平行に配置した楕円の一部により構成されているトルクセンサ。
  2. 前記接続梁部の周方向の各前記側面の前記外周部から前記内周部までの前記曲面形状が、単一の楕円の一部によって構成されている請求項1に記載のトルクセンサ。
  3. 前記接続梁部の周方向の各前記側面において、前記外周部の前記内周面から前記接続梁部の長さ方向の中央に向かう前記曲面形状と、前記内周部の前記外周面から前記接続梁部の長さ方向の中央に向かう前記曲面形状とが互いに異なる請求項1に記載のトルクセンサ。
  4. 前記楕円の扁平率が、0%より大きく57%以下である請求項1に記載のトルクセンサ。
  5. 前記楕円の扁平率が、20%以上であり55%以下である請求項1に記載のトルクセンサ。
JP2023531233A 2021-06-30 トルクセンサ Active JP7587041B2 (ja)

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