JP7249198B2 - オニウム塩、組成物及びそれを用いたデバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来の化学増幅型レジストはEUV又は電子線等用の化学増幅型レジスト組成物は、EUV又は電子線の吸収が小さく、感度、解像度及びパターン性能の特性を同時に満たすことは難しい。特に、吸収が小さいことに起因する低感度によるスループット低下と、レジストの解像線幅が微細化するにつれて生じるレジストパターン倒れ及びラインパターンのラインワイズラフネス(LWR)の悪化と、を克服することは難しい。
さらに、電子線又は極端紫外線等の第1活性エネルギー線照射後に紫外線又は可視光等の第2活性エネルギー線の露光を行う場合に用いる光酸発生剤として最適なオニウム塩を提供することを課題とする。また、本発明のいくつかの態様は、該オニウム塩を含有する光酸発生剤、該光酸発生剤を含む組成物を提供することを課題とする。また、該組成物を用いたデバイスの製造方法を提供することを課題とする。
より詳しくは本発明者等は、少なくとも1つのアミノ基又はヘテロ環構造をオニウム塩の特定の部位に有することで、第2活性エネルギーに対して高い吸収を持ち且つ酸発生効率に優れることを見出し、本発明のいくつかの態様を完成するに至った。
上記オニウム塩を含有する光酸発生剤をレジスト組成物に用いることで、電子供与体と電子受容体間で生じる光増感反応を用いる特許文献3に記載のレジスト組成物と比較して、第2活性エネルギー線により高効率で酸が発生するため、高感度化及びLWR等のパターン特性に優れることを見出した。
上記R11、R12及びスルホニウム基が結合したアリール基のうちいずれか2つ以上は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
上記R11及びR12中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
上記R14の少なくとも1つがアミノ基であるか、又は、R14が、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基からなる群より選択されるいずれかを介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成している。
上記R15及びR16は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びアルキレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに結合して環構造を形成してもよい。
上記R15及びR16中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
L4及びL5は独立して各々に、直接結合、炭素原子数が2のアルケニレン基、炭素原子数が2のアルキニレン基及び、カルボニル基からなる群より選択されるいずれかである。
h及びiは独立して各々に1~3の整数である。
jは、hが1のとき0~4、hが2のとき0~6、hが3のとき0~8の整数である。
kは、iが1のとき0~5、iが2のとき0~7、iが3のとき0~9の整数である。
X-は1価の対アニオンを表す。
R17は、置換基を有していてもよいアリール基;及び、置換基を有していてもよいヘテロアリール基からなる群より選択されるいずれかであり、R17とヨードニウム基が結合したアリール基と互いに結合してこれらが結合するヨウ素原子と共に環構造を形成してもよい。
R18は、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、かつ、これらは置換基を有しても良い。
上記メチレン基は置換基を有してもよく、且つ、L2及びL3のうちどちらか一方は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基のいずれかである。
eは0~4の整数であり、fは0~3の整数であり。gは0~4の整数である。
上記樹脂(B)が、下記(4a)~(4d)で表される単位の少なくともいずれかを有する、組成物である。なお、光酸発生剤(A)に含まれるオニウム塩は上記ではモノカチオンを示しているが、ポリカチオンであってもよい。
R2及びR3は独立して各々に、直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。
R4は置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。
上記R2、R3、及びR4のうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
L6は、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキレンカルボニルオキシ基、及び、アルキレンカルボニルアミノ基からなる群より選択されるいずれかである。
R5及びR6は独立して各々に、水素原子、及び、直鎖、分岐又は環状のアルキル基からなる群より選択されるいずれかである。
R7は置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。
上記R5、R6及びR7のうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
R8は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかである。
R8のうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
lは1~2の整数である。
mは、lが1のとき0~4、lが2のとき0~6の整数である。
nは、lが1のとき1~5、lが2のとき1~7の整数である。
m+nは、lが1のとき1~5であり、lが2のとき1~7である。
<1>オニウム塩及び光酸発生剤
本発明のひとつの態様に係るオニウム塩は、上記一般式(1)及び上記一般式(2)から選択されるいずれかで表される。また、光酸発生剤(A)は、該オニウム塩を少なくとも1つ含む。該オニウム塩は、スルホニウム塩又はヨードニウム塩である。
また、本発明のひとつの態様に係るオニウム塩は、少なくとも1つのアミノ基又はヘテロ環構造を特定の部位に有することで、第2活性エネルギーに対して高い吸収を持ち且つ酸発生効率に優れる。
R11及びR12のアルケニル基は、上記アルキル基の少なくとも1つの炭素-炭素一重結合が、炭素-炭素二重結合に置換されたものが挙げられる。
上記単環芳香族炭化水素基としては、ベンゼン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記縮合多環芳香族炭化水素基としては、インデン、ナフタレン、アズレン、アントラセン及びフェナントレン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記単環芳香族複素環基としては、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラン、ピリジン、ピリミジン及びピラジン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記「窒素原子含有基」としては、例えばアミノジイル基(-NH-)、アルキルアミノジイル基(-NR-)、アリールアミノジイル基(-NAr-)等の窒素原子を含む2価の基が挙げられる。R及びArについては後述する。
上記式(1)中、上記スルホニウム基が結合したアリール基とは、下記矢印で示す部分である。
R11及びR12が上記第1置換基を有し、且つオニウム塩が低分子化合物である場合、R11及びR12の炭素原子数は第1置換基の炭素原子数も含めて炭素原子数1~20であることが好ましい。
本発明において、低分子化合物とは重量平均分子量が2000未満のものであり、ポリマー成分とは重量平均分子量が2000以上のものとする。
R13及びR14が有してもよい第2置換基としては、上記第1置換基と同様のものが挙げられる。
R13及びR14が上記第2置換基を有し、且つオニウム塩が低分子化合物である場合、R13及びR14の炭素原子数は第2置換基の炭素原子数も含めて炭素原子数1~12であることが好ましい。R13及びR14の第2置換基がポリマー主鎖の場合、R13及びR14の炭素原子数はポリマー主鎖を除いたものとする。
本発明の一つの態様である好ましいオニウム塩は、R14の少なくとも1つがアミノ基であるか、又は、R14が、窒素原子含有基を介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成しているものである。
本発明の一つの態様であるさらに好ましいオニウム塩は、R14が窒素原子含有基を介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成したものである。窒素原子含有基としては、-N(H)-等の2価の基又は=N-等の3価の基が挙げられ、該水素原子が上記第2置換基で置換されていても良い。
R14が上記構成であることにより、アセタール基又はチオアセタール基が脱保護してケトン誘導体へ変換した際に、紫外線又は可視光等の第2活性エネルギー線に吸収を有するようになる。
以下、アミノ基であるR14を「R14a」とし、それ以外のR14を「R14b」ともいう。
R13及びR14bにおけるヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基としては、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基等が挙げられる。
R13及びR14bにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
R14bとして好ましくは、アルキル基が挙げられる。また、Y及びR14を有するアリーレンと結合する4級炭素に対してオルト又はパラ位となるときの、アリール基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、アリールオキシ基、アリールスルファニル基、アミノ基及びアルキルアミノ基等の電子供与性基も好ましく挙げられる。これらは365nmの吸光度を向上させる点から好ましい。
R15及びR16としての置換基(以下、「第3置換基」ともいう)は、上記第1の置換基と同様のものが挙げられる。
上記R15及びR16は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びアルキレン基からなる群より選択されるいずれかを介して互いに結合して環構造を形成してもよい。
合成の観点から、上記R15及びR16は同じであることが好ましい。
L1が「これらの基が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子含有基を介して結合した基」である場合とは、上記アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基のいずれかが、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子含有基を介して、該スルホニウム基が結合したアリール基と結合している場合である。
上記一般式(1)中、k及びjは合成のしやすさから、独立して各々に0~3であることが好ましく、独立して各々に0~2であることがより好ましい。。
上記一般式(2)中、上記ヨードニウム基が結合したアリール基とは、下記矢印で示す部分である。
h及びiは独立して各々に1~3の整数である。
jは、hが1のとき0~4、hが2のとき0~6、hが3のとき0~8の整数である。
kは、iが1のとき0~5、iが2のとき0~7、iが3のとき0~9の整数である。
なお、例えば、上記式(1)又は(2)においてi及び/又はhが2であるとき、上記オニウム塩はナフタレン環を有することとなる。該ナフタレン環は、Yが結合する4級炭素と1位~8位の任意の位置で結合していればよい。
また例えば、上記式(1)又は(2)においてi及び/又はhが3であるとき、上記オニウム塩はアントラセン環、フェナントレン環及びナフタセン環の少なくともいずれかを有することとなる。この場合もフェナントレン環及びナフタセン環は、Yが結合する4級炭素と1位~10位の任意の位置で結合していればよい。
Pはリン原子、Fはフッ素原子、Bはホウ素原子、Gaはガリウム原子を表す。
Sはイオウ原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Nは窒素原子を表す。
aは4~6の整数を表す。bは1~5の整数を表し、好ましくは2~4、特に好ましくは2又は3である。cは、1~4の整数を表し、好ましくは4である。
ZAa -で表されるアニオンとしては、SbF6 -、PF6 -及びBF4 -で表されるアニオン等が挙げられる。
これらのアニオンのうち、スルホン酸アニオン及びカルボン酸アニオン等が好ましい
なお、上記一般式(6)で表される単位は、上記樹脂(B)に含まれていてもよく、上記樹脂(B)と異なる樹脂に含まれていてもよい。
Z1は、炭素原子数1~12直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数1~12の直鎖又は分岐のアルケニル基、炭素原子数6~14の直鎖又は分岐のアリール基である。また、これらアルキル基、アルケニル基及びアリール基が有する一部又は全ての水素原子がフッ素原子に置換されてもよい。これらの基中の少なくとも1つのメチレン基は、2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
また、本発明のいくつかの態様に係るオニウム塩のアセタール又はチオアセタールが脱保護したケトン誘導体は、365nmのモル吸光係数が1.0×105cm2/mol以上であることが好ましく、1.0×106cm2/mol以上であることがより好ましい。
上記ケトン誘導体の365nmのモル吸光係数は、本発明のいくつかの態様に係るオニウム塩の365nmのモル吸光係数が5倍以上となることが好ましく、10倍以上となることがより好ましく、20倍以上となることがさらに好ましい。
上記特性とするには、上記式(1)又は(2)で表されるオニウム塩とすればよい。
本発明のひとつの態様に係るオニウム塩のうち、スルホニウム塩及びヨードニウム塩の合成方法について説明する。本発明においてはこれに限定されない。
R14基は、置換しても良いアミノ基又はR14基が結合するアリール基とヘテロ環構造を形成したものである。そのようなブロモベンゼン誘導体(10b)は容易に入手可能又は随時合成可能である。
次いで、ジメチル硫酸等のアルキル化剤(R12 2SO4)を加えスルホニウム塩とした後、対応するアニオンを有する塩を用いて塩交換を行い、ジアルキル-アリールスルホニウム塩(10d)を得る。その後、酸触媒とアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化することで目的とするスルホニウム塩(10e)を得る。
下記式(11a)におけるR14基は、置換しても良いアミノ基又はR14基が結合するアリール基とヘテロ環構造を形成したものである。そのようなブロモベンゼン誘導体(11a)は容易に入手可能又は随時合成可能である。
次いで、酸触媒とアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化し、アセタール体(11d)を得る。そして、グリニャール試薬を用いてR11基とR12基を有するスルホキシド体(11e)と反応させてスルホニウム塩とした後、対応するアニオンを有する塩を用いて塩交換することにより目的のスルホニウム塩(11f)を得る。
下記式(12a)におけるR14基は、置換しても良いアミノ基又はR14基が結合するアリール基とヘテロ環構造を形成したものである。そのようなブロモベンゼン誘導体(12a)は容易に入手可能又は随時合成可能である。
次いで、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸存在下でメタクロロ過安息香酸(mCPBA)等の酸化剤と反応させた後に芳香族化合物R17H(12d)との反応によりヨードニウム塩(12e)とし、その後、酸触媒とアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化してアセタール体(12f)を得た後、必要に応じて対応するアニオンを有する塩を用いて塩交換することにより目的のヨードニウム塩(12g)を得る。
下記式(b)におけるR14基は、置換しても良いアミノ基又はR14基が結合するアリール基とヘテロ環構造を形成したものである。そのようなアセチル化合物(b)は容易に入手可能又は随時合成可能である。
次いで、前記不飽和ケトン化合物とR11基とR12基を有するスルホキシド体をメタンスルホン酸等の強酸と脱水剤を用いて反応させることでスルホニウム塩を得る。その後、酸触媒とアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化することで目的とするスルホニウム塩を得ることができる。
本発明のひとつの態様は、上記光酸発生剤(A)と、酸反応性化合物を含む組成物に関する。好ましくは、組成物はさらに酸拡散抑制剤を含む。
本発明のひとつの態様の組成物中の上記光酸発生剤の含有量は、該光酸発生剤を除くレジスト組成物成分100質量部に対し0.1~50質量部であることが好ましく、1~30質量部であることがより好ましく、3~15質量部であることがさらに好ましい。
上記レジスト組成物には上記光酸発生剤を、ポリマー成分及び低分子量成分問わず、単独又は2種以上を混合してもよく、その他の光酸発生剤と併用してもよい。
上記オニウム塩を含有する光酸発生剤以外の光酸発生剤を含む場合、その含有量は光酸発生剤総量を除くレジスト組成物成分100質量部に対し0.1~50質量部であることが好ましい。
上記酸反応性化合物は、酸により脱保護する保護基を有する化合物、酸により重合する重合性基を有する化合物、及び、酸により架橋作用を有する架橋剤からなる群より選択される少なくともいずれかであることが好ましい。
酸により脱保護する保護基を有する化合物とは、酸によって保護基が脱保護することにより極性基を生じ、現像液に対する溶解性が変化する化合物である。例えばアルカリ現像液等を用いる水系現像の場合、アルカリ現像液に対して不溶性であるが、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において上記保護基が上記化合物から脱保護することにより、アルカリ現像液に対して可溶となる化合物である。
(樹脂(B))
上記樹脂(B)は、酸により脱保護する保護基を有する上記(4a)~(4d)で表される単位Bの少なくともいずれかを有するものである。
上記単位Bは、酸により脱保護する保護基を有する、樹脂(B)に含まれる単位であり、酸によって保護基が脱保護することにより極性基を生じ、現像液に対する溶解性が変化する単位である。例えばアルカリ現像液等を用いる水系現像の場合、アルカリ現像液に対して不溶性であるが、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において上記保護基が上記単位Bから脱保護することにより、アルカリ現像液に対して可溶となる化合物である。
酸で脱保護する保護基の具体例としては、カルボキシ基と第3級アルキルエステル基を形成する基;アルコキシアセタール基;テトラヒドロピラニル基;シロキシ基及びベンジロキシ基等が挙げられる。該保護基を有する化合物として、これら保護基がペンダントしたスチレン骨格、メタクリレート又はアクリレート骨格を有する化合物等が好適に用いられる。
上記アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、t-ブチル、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、これらの水素原子の一部がハロゲンに置換されていてもよい。その中でも特に水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基であることが好ましい。
なお、下記式(a-1)及び(a-2)における破線は、上記式(4a)~(4d)中のL1又は酸素原子との結合部を示す。下記式(a-1)及び(a-2)におけるR2~R7は上記一般式(4a)~(4d)におけるR2~R7と同じ選択肢から選択されることが好ましい。
上記式(4a)~(4d)中、lは1~2の整数であり、mは、lが1のとき0~4、lが2のとき0~6の整数であり、nは、lが1のとき1~5、lが2のとき1~7の整数であり、m+nは、lが1のとき1~5であり、lが2のとき1~7である。
酸により架橋作用を有する架橋剤とは、酸によって架橋することにより現像液に対する溶解性を変化させる化合物である。例えば水系現像の場合、水系現像液に対して可溶である化合物に対して作用し、重合後又は架橋後に該化合物を水系現像液に対して溶解性を低下させるものである。具体的には、エポキシ基、ビニルオキシ基、1-アルコキシアミノ基及びオキセタニル基等の架橋性基を有する架橋剤が挙げられる。該化合物が架橋作用を有する架橋剤であるとき、架橋する相手の化合物、つまり架橋剤と反応して現像液に対する溶解性が変化する化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられる。
上記樹脂(B)は、上記式(4a)~(4d)で表される単位Bの少なくともいずれかに加えて、レジスト組成物において通常用いられているその他の単位をポリマー成分に含有させてもよい。その他の単位としては、例えば、ラクトン骨格、スルトン骨格、スルホラン骨格及びラクタム骨格等からなる群より選択される少なくともいずれかの骨格を有する単位;エーテル構造、エステル構造、アセタール構造、及びヒドロキシ基を有する構造等からなる群より選択される少なくともいずれかの構造を有する単位;ヒドロキシアリール基含有単位;等が挙げられる。さらに、樹脂(B)は上記単位Aを含有しても良い。
本発明のひとつの態様においては、組成物が、下記式(5a)~(5b)で表される単位Cを1種類以上含む樹脂(C)を含むか、又は、上記樹脂(B)が上記単位Cの少なくともいずれかをさらに含むことが好ましい。
R9は、-C(O)-O-、-SO2-及び-O-SO2-からなる群より選択される少なくともいずれかを含む環式基である。
pは0~4の整数であり、qは1~5の整数である。
上記環式基としては、ラクトン骨格;スルトン骨格;スルホラン骨格を含有する基等が挙げられる。
上記式(5a)で表される単位はヒドロキシアリール基含有単位(以下、「単位C1」ともいう)であり、上記式(5b)で表される単位はラクトン骨格;スルトン骨格;スルホラン骨格含有単位(以下、「単位C2」ともいう)である。
本発明のひとつの態様の組成物は、スルホン若しくはスルホン酸エステルを含む低分子化合物、又は、ポリマーを含んでいても良い。
スルホン又はスルホン酸エステルを含む化合物の含有量は光酸発生剤総量を除くレジスト組成物成分100質量部に対し0.1~50質量部であることが好ましい。
本発明のひとつの態様の組成物は、含フッ素はっ水ポリマーを含んでいても良い。
フッ素はっ水ポリマーのフッ素含有率としては、フッ素はっ水ポリマー中の炭化水素基における水素原子の25モル%以上がフッ素化されていることが好ましく、50モル%以上フッ素化されていることがより好ましい。
本発明のひとつの態様の組成物は、光増感剤及びその前駆体を含んでいてもよい。以下、光増感剤及びその前駆体を合わせて「増感化合物」ともいう。
上記増感化合物としては、本発明のいくかの態様に係るオニウム塩の効果を低減しなければ特に制限はないが、チオキサントン誘導体及びそのアセタール化化合物、ベンゾフェノン誘導体及びそのアセタール化化合物、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体及びアルキルアルコール及びアリールアルコール等が挙げられる。
また、増感化合物として例えば下記一般式(7)で表される光増感剤前駆体を含んでいても良い。上記光増感剤前駆体が含まれることで、第1活性エネルギー線を照射することで上記光増感剤前駆体から光増感剤が生成し、その後、第2活性エネルギーを照射することで上記光増感剤と本発明のいくかの態様に係るオニウム塩との間で生じる増感反応を利用できるため、レジストの感度を上げることが出来ることから好ましい。
上記第4置換基としては電子供与性基が挙げられる。該電子供与性基として具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシフェニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基等が挙げられる。第4置換基として、ポリエチレングリコール鎖(-(CO2H4)n-)を有する長鎖アルコキシ基も挙げられる。また、第4置換基がAr11又はAr12のパラ位に結合する場合、OH基を第4置換基として有していてもよい。
第4置換基としてのアルキル基、アルケニル基としては、上記式(1)におけるR11のアルキル基、アルケニル基と同様の選択肢から選択される。第4置換基としてのアルコキシ基としては、上記第1置換基におけるアルコキシ基(-OR)と同様の選択肢から選択される。
第4置換基としてのアルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基としては、後述するR21のアルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基と同様のものが挙げられる。
第4置換基が、アルコキシ基、アルコキシフェニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基のときは、Ar11及びAr12であるフェニレン基のオルト位及び/又はパラ位に結合していることが好ましい。その際、置換基の数は3つ以下であることが好ましい。
R21のアルキルスルファニル基として具体的には、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、n-プロピルスルファニル基、n-ブチルスルファニル基等の炭素数1~20のアルキルスルファニル基が好ましく、炭素数1~12のアルキルスルファニル基がより好ましい。
R21のアリールスルファニル基として具体的には、フェニルスルファニル基、ナフチルスルファニル基等が挙げられる。
なお、上記光増感剤前駆体がポリマーである場合、第5置換基となるポリマー主鎖を
含む部分を除いたR21及びR22の総炭素数が1~20であることが好ましい。
R23及びR24は、独立して各々に、置換基を有してもよい、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基、並びに、アラルキル基からなる群より選択されるいずれかである。R23及びR24のアルキル基、アルケニル基としては、上記式(1)におけるR11のアルキル基、アルケニル基と同様の選択肢から選択される。
R23及びR24のアルキニル基としては上記R23及びR24のアルキル基の一部が三重結合になったものから選択される。R23及びR4のアラルキル基としては、上記R23及びR24のアルキル基の水素の一部が、フェニル基、ナフチル基等のアリール基で置換されているものから選択される。
上記式(7)中のR23及びR24の総炭素数は特に制限はなく、上記光増感剤前駆体がポリマーの構成成分であってもよいが、R23又はR24が置換基を有する場合、それぞれ総炭素数1~20であることが好ましい。
すなわち、本発明の一つの態様に係る光増感剤前駆体は下記式(8)で示される。下記式(8)において-R25-R26-は、-(CH2)n-であることが好ましく、nは2以上の整数である。nは2以上であれば特に制限はないが、合成のしやすさから8以下であることが好ましい。R25及びR26は、上記式(7)におけるR23及びR24が互いに結合して環を形成したものに対応するものとする。
なお、R23及びR24の総炭素数は1~20であることが好ましい。上記光増感剤前駆体がポリマーである場合、第6置換基となるポリマー主鎖を含む部分を除いたR23及びR24の総炭素数が1~20であることが好ましい。
本発明においてモル吸光係数は、溶媒としてクロロホルムを用い、UV-VIS吸光光度計により測定された365nmにおけるものである。
なお、本発明の一つの態様に係る光増感剤前駆体は、合成のしやすさ及び吸光特性の点から、光増感剤前駆体全体において、-Y-R23及び-Y-R24、又は、-Y-R25-R26-Y-以外のアルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルコキシフェニル基、アルキルスルファニルフェニル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれる基が4つ以下であることが好ましい。
本発明の一つの態様に係る光増感剤前駆体が下記式(9)に示される構造の場合、例えば下記の方法により合成可能である。まず、-W-R22基を有するアルコキシベンゾイルクロリド、アルキルベンゾイルクロリド、チオアルコキシベンゾイルクロリド及びチオアルキルベンゾイルクロリド、並びに、これらのアルキル基がアリール基となったものからなる群より選択される1つと、R21基を有するハロゲン化ベンゼンとを用いて、グリニャール反応により反応させ、ベンゾフェノン誘導体を得る。次いで、該ベンゾフェノン誘導体と、アルコール及び必要に応じて脱水剤としてオルトギ酸トリアルキル(R23、R24=アルキル基)等のオルトエステルとを、0℃~還流温度で1~120時間反応させることにより、下記式(9)に示される誘導体を得ることができる。
本発明のひとつの態様の組成物には、上記成分以外に必要により任意成分としてさらに、通常のレジスト組成物で用いられる酸拡散制御剤、界面活性剤、有機カルボン酸、有機溶剤、溶解抑制剤、安定剤及び色素、上記以外のポリマー等を組み合わせて含んでいてもよい。
上記界面活性剤は、塗布性を向上させるために用いることが好ましい。界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマー等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対して0.0001~2質量部であることが好ましく、0.0005~1質量%であることがより好ましい。
有機カルボン酸の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対し、0.01~10質量部が好ましく、より好ましくは0.01~5質量部、更により好ましくは0.01~3質量部である。
本発明のひとつの態様は、上記組成物を基板上に塗布する等してレジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜に第1活性エネルギー線を照射す工程と、上記第1活性エネルギー線照射後のレジスト膜に第2活性エネルギー線を照射する工程と、上記第2活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法である。
本発明のひとつの形態は、上記組成物を用いて基板上に塗布膜を形成する工程と、第1活性エネルギー線及び第2活性エネルギー線を用いて、上記塗布膜を露光し、層間絶縁膜を得る工程とを含むデバイスの製造方法であってもよい。
第1活性エネルギー線としては、レジスト膜照射後に該レジスト膜中に酸等の活性種を発生させることができれば特に制限はないが、例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、電子線又は極端紫外線(EUV)等が好ましく挙げられる。
本発明のひとつの態様において、LSI作成のための層間絶縁膜等を得るために用いるフォトリソグラフィ工程の露光に用いる活性エネルギー線としては、UV、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、電子線又は極端紫外線(EUV)等が好ましく挙げられる。
本発明のひとつの態様において、上記レジスト組成物により形成されたレジスト膜の膜厚は10~200nmであることが好ましい。上記レジスト組成物は、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布され、60~150℃で1~20分間、好ましくは80~120℃で1~10分間プリベークして薄膜を形成する。この塗布膜の膜厚は5~200nmであり、10~100nmであることが好ましい。
<スルホニウム塩1の合成>
(合成例1)3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールの合成
塩化アルミニウム5.1gを塩化メチレン48gに添加して0℃とする。これに9-エチルカルバゾール6.8gを添加し、4-ブロモベンゾイルクロリド8.4gを塩化メチレン17gに溶解して30分かけて滴下した後に、25℃で1時間撹拌する。その後、純水40gを添加し、撹拌した後に分液して有機層を回収する。有機層に純水35g添加し、撹拌しながら水層が塩基性になるまで25質量%水酸化ナトリウム水溶液5.2gを加えた後に、有機層を回収し、純水40gで3回洗浄し、有機層の塩化メチレンを留去することで3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールを8.3g得る。
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾール8.0gとオルトギ酸トリメチル1.8gとをメタノール20gに溶解した後に95質量%硫酸200mgを加え、60℃で3時間撹拌する。室温まで冷却し、トリエチルアミン1.0g加えた後にメタノールを留去する。残留物を塩化メチレン48g溶解し、純水32gで3回洗浄し、塩化メチレンを留去することで、3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールを8.8g得る。
あらかじめ乾燥させたフラスコにテトラヒドロフラン2.0gとマグネシウム360mgと1,2-ジブロモエタン50mgとを加えてマグネシウムを活性化させる。活性化したことを確認後、溶液を50℃に昇温し、そこに上記合成例2で得た3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]―9―エチルカルバゾール4.0gをTHF6.0gに溶解させたものを滴下する。滴下後、50℃で2時間撹拌し、4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を得る。ジフェニルスルホキシド2.2gとトリメチルシリルクロライド1.5gとトリエチルアミン1.5gとを塩化メチレン9.5gに溶解した溶液中に、4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を10℃以下で滴下し、その後25℃で1時間撹拌する。撹拌後、10質量%塩化アンモニウム水溶液30gを5℃以下で添加してさらに10分撹拌した後、塩化メチレン40gとノナフルオロブタンスルホン酸カリウム3.8gを添加して25℃で2時間撹拌する。これを分液して純水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで粗結晶を得る。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=90/10(体積比))により精製することで4-[ジメトキシ-(9―エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩1)を4.7g得る。
(合成例4)4―[ジメトキシ―(9―エチルカルバゾール-3―イル)メチル]フェニルジフェニルスルホニウムベンゾエート(スルホニウム塩2)の合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えて安息香酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジフェニルスルホニウムベンゾエート(スルホニウム塩2)を3.5g得る。
(合成例5)3-[2-(4-ブロモベンゾイル) -1,3-ジオキソラン-2-イル]-9-エチルカルバゾールの合成
メタノールに代えてエチレングリコールを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで3-[2-(4-ブロモベンゾイル) -1,3-ジオキソラン-2-イル]-9-エチルカルバゾールを8.6g得る。
3-[(4―ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールに代えて3-[2-(4-ブロモベンゾイル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]-9-エチルカルバゾールを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことでジフェニル-4-[2-(9-エチルカルバゾール-3-イル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]フェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩3)を4.5g得る。
(合成例7)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジベンゾチオフェニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩4)の合成
ジフェニルスルホキシドに代えてジベンゾチオフェンオキシドを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジベンゾチオフェニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩4)を3.1g得る。
(合成例8)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジベンゾチオフェニウム-4-(3-ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ)-1,1,2-トリフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩5)の合成
ジフェニルスルホキシドに代えてジベンゾチオフェンオキシドを用い、また、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えて4-(3-ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ)-1,1,2-トリフルオロブタンスルホン酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジベンゾチオフェニウム-4-(3-ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ)-1,1,2-トリフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩5)を3.3g得る。
(合成例9)3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾチオフェンの合成
9-エチルカルバゾールに代えてジベンゾチオフェンを用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾチオフェンを8.1g得る。
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾチオフェンを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾチオフェンを8.6g得る。
3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールに代えて3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾチオフェンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[(ジベンゾチオフェン-3-イル)ジメトキシメチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩6)を4.5g得る。
(合成例12)3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾフランの合成
9-エチルカルバゾールに代えてジベンゾフランを用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾフランを8.1g得る。
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾフランを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾフランを8.4g得る。
3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールに代えて3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾフランを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[(ジベンゾフラン-3-イル)ジメトキシメチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩7)を4.1g得る。
(合成例15)4-(4-ブロモベンゾイル)フェニルメチルフェニルアミンの合成
9-エチルカルバゾールに代えてジフェニルメチルアミンを用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで4-(4-ブロモベンゾイル)フェニルメチルフェニルアミンを8.0g得る。
3-(4-ブロモベンゾイル) -9-エチルカルバゾールに代えて4-(4-ブロモベンゾイル)フェニルメチルフェニルアミンを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで4-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]フェニルメチルフェニルアミンを8.2g得る。
3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールに代えて4-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]メチルフェニルアミンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-{ジメトキシ-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニル]メチル}フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩8)を3.9g得る。
(合成例18)9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾールの合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾール46gとベンゼンチオール20gと炭酸カルシウム25gとをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)117gに加え、60℃で5時間撹拌する。その後、純水312gと酢酸エチル312gを加えて分液し、有機層を回収する。有機層を純水150gで2回洗浄し、酢酸エチルを留去すると粗結晶が得られる。それをイソプロピルエーテル150gに分散した後に、回収することで9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾールを40g得る。
9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾール38gをギ酸228gに溶解させた後に35質量%過酸化水素水を9.0g加えて、室温で17時間撹拌する。反応液を純水1100gに滴下し、生じた粗結晶を回収する。粗結晶を塩化メチレン228gに溶解した後に純水152gを加え、撹拌しながら水層が塩基性になるまで25質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを加える。有機層を純水132gで洗浄した後に塩化メチレンを留去することで粗結晶を得る。粗結晶をジイソプロピルエーテル152gに分散した後に、回収することで9-エチル-3-(4-フェニルスルフィニルベンゾイル)カルバゾールを36g得る。
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて9-エチル-3-(4-フェニルスルフィニルベンゾイル)カルバゾールを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで3-[ジメトキシ-(4-フェニルスルフィニルフェニル)メチル]-9-エチルカルバゾールを9.0g得る。
あらかじめ乾燥させたフラスコにテトラヒドロフラン2.0gとマグネシウム330mgとを加える。そこに1-ブロモ-4-フルオロベンゼン1.4gを滴下する。滴下後、50℃で1時間撹拌し、4-フルオロフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を得る。上記合成例20で得た3-[ジメトキシ-(4-フェニルスルフィニルフェニル)メチル]-9-エチルカルバゾール2.0gとトリメチルシリルクロライド920mgとをテトラヒドロフラン10gに溶解した溶液中に、4-フルオロフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を10℃以下で滴下し、その後25℃で1時間撹拌する。撹拌後、トリエチルアミン860mgを加え、10質量%塩化アンモニウム水溶液30gを5℃以下で添加してさらに10分撹拌し、酢酸エチル7.0gを加えて分液して有機層を回収する。テトラヒドロフランと酢酸エチルを留去した後、塩化メチレン15gと純水10gとノナフルオロブタンスルホン酸カリウム1.7gとを添加して25℃で2時間撹拌する。これを分液して純水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで粗結晶を得る。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=90/10(体積比))により精製することで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-フルオロフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩9)を2.1g得る。
(合成例22)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-フルオロフェニルフェニルスルホニウム-p-スチレンスルホネート(スルホニウム塩10)の合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えてp-スチレンスルホン酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例21と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-フルオロフェニルフェニルスルホニウム-p-スチレンスルホネート(スルホニウム塩10)を2.1g得る。
(合成例23)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-メチルスルファニルフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートの合成
1-ブロモ-4-フルオロベンゼンに代えて1-ブロモ-4-メチルスルファニルベンゼンを用いる以外は上記合成例21と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-メチルスルファニルフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを2.2g得る。
上記合成例23で得た4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-メチルスルファニルフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート200mgをギ酸1.2gに溶解させた後に35質量%過酸化水素水を60mg加えて、60℃で17時間撹拌する。反応液にジクロロメタン10gと純水6gとを加え、有機層を回収する。ジクロロメタンを留去した後にメタノール10gと硫酸10mgとを加え、60℃で3時間撹拌する。室温まで冷却し、トリエチルアミン23mg加えた後にメタノールを留去する。残留物を塩化メチレン10gに溶解し、純水6gで3回洗浄し、塩化メチレンを留去することで4-[ジメトキシ- (9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-メチルスルホニルフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩11)を200mg得る。
(合成例25)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-(1-エトキシエトキシ)フェニルフェニルスルホニウムカンファースルホネートの合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えてカンファースルホン酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例21と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-(1-エトキシエトキシ)フェニルフェニルスルホニウムカンファースルホネートを2.0g得る。
4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-(1-エトキシエトキシ)フェニルフェニルスルホニウムカンファースルホネート2.0gをメタノール20gに溶解した後にカンファースルホン酸100mgを加え、60℃で3時間撹拌する。室温まで冷却し、1質量%水酸化ナトリウム水溶液5g加えた後にメタノールを留去する。残留物を塩化メチレン48g溶解し、純水32gで3回洗浄し、塩化メチレンを留去することで、4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-ヒドロキシフェニルフェニルスルホニウムカンファースルホネート(スルホニウム塩12)をを1.4g得る。
(合成例27)3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェンの合成
ベンゼンチオールに代えてN-メチルアニリンを用いる以外は合成例18と同様の操作を行うことで3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェンを28g得る。
9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾールに代えて3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェンを用いる以外は合成例19と同様の操作を行うことで3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドを20g得る。
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドを用いる以外は合成例2と同様の操作を行うことで3-[ジメトキシ-4-(メチルフェニルアミノ)フェニルメチル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドを20g得る。
3-[ジメトキシ-(4-フェニルスルフィニルフェニル)メチル]-9-エチルカルバゾールに代えて3-[ジメトキシ-4-(メチルフェニルアミノ)フェニルメチル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドを用い、1-ブロモ-4-フルオロベンゼンに代えてブロモベンゼンを用いる以外は合成例21と同様の操作を行うことでフェニル-3-[ジメトキシ-(4-メチルフェニルアミノ)フェニルメチル]ジベンゾチオフェニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩13)を3.1g得る。
(合成例31)ジフェニル-4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルスルホニウム-4-メタクリロキシ-1,1,2-トリフルオロブタンスルホネートの合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えて4-メタクリロキシ1,1,2-トリフルオロブタンスルホン酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例21と同様の操作を行うことでジフェニル-4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルスルホニウム-4-メタクリロキシ-1,1,2-トリフルオロブタンスルホネートを1.5g得る。
(合成例32)4-メチルスルファニルベンゾイルクロリドの合成
4-メチルスルファニル安息香酸24.7gに塩化チオニル148gを添加して60℃で4時間撹拌する。撹拌後、塩化チオニルを減圧下で留去することで4-メチルスルファニルベンゾイルクロリドを27.5g得る。
4-ブロモベンゾイルクロリドに代えて4-メチルスルファニルベンゾイルクロリドを用いる以外は合成例1と同様の操作を行うことで9-エチル-3-(4-メチルスルファニルベンゾイル)カルバゾールを34g得る。
上記合成例33で得られた9-エチル-3-(4-メチルスルファニルベンゾイル)カルバゾール1.0gをアセトニトリル7.0gに溶解し、これにジメチル硫酸920mgを添加して70℃で4時間撹拌する。撹拌後、純水20gを加えてさらに10分撹拌し、トルエン13gを加えて洗浄する。得られた水層にノナフルオロブタンスルホン酸カリウム1.5gと塩化メチレン10gとを加えて1時間程度撹拌する。これを分液して水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで粗結晶を得る。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=90/10(体積比))により精製することでジメチル-4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを1.6g得る。
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えてジメチル-4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジメチルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩15)を1.7g得る。
(合成例36)9-エチル-3-(4-ヨードベンゾイル)カルバゾールの合成
4-ブロモベンゾイルクロリドに代えて4-ヨードベンゾイルクロリドを用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで9-エチル-3-(4-ヨードベンゾイル)カルバゾールを9.1g得る。
硫酸16gに合成例36で得られた9-エチル-3-(4-ヨードベンゾイル)カルバゾール4gを加え、その後10℃以下で過硫酸カリウム10gを少しずつ加えて30分間撹拌する。撹拌後、ベンゼン9.8gを加えて25℃で3時間さらに撹拌する。撹拌後、10℃以下で純水30gを加え、その後、塩化メチレン40gとノナフルオロブタンスルホン酸カリウム4.7gを添加して25℃で2時間程度撹拌する。これを分液して水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで粗体を得る。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=90/10(体積比))により精製することで4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートを4.5g得る。
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて4-(9-エチルカルバゾール―3-イルカルボニル)フェニルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート(ヨードニウム塩1)を4.2g得る。
(合成例39)4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニル-2,4,6-トリメチルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートの合成
ベンゼンに代えてメシチレンを用いる以外は上記合成例38と同様の操作を行うことで4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニル-2,4,6-トリメチルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートを4.4g得る。
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニル-2,4,6-トリメチルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-2,4,6-トリメチルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート(ヨードニウム塩1)を4.6g得る。
(合成例41)ポリマーAの合成
ポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量8000)8.0gと35質量%塩酸水溶液0.010gとを脱水ジオキサン28gに溶解する。そこに2.73gのシクロヘキシルビニルエーテルを2.80gの脱水ジオキサンに溶解して30分かけてポリヒドロキシスチレン溶液に滴下する。滴下後に40℃として2時間撹拌する。撹拌後、冷却した後にジメチルアミノピリジン0.014gを添加する。その後、溶液を純水260g中に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を純水300gで2回洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記に示すポリマーAを9.2g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
(合成例42)ポリマーBの合成
アセトキシスチレン7.0gとt-ブチルメタクリレート3.1gとブチルメルカプタン0.022gとジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(AIBN)0.40gとをテトラヒドロフラン(THF)35gに溶解して脱酸素する。これをあらかじめ窒素気流化で還流温度としたTHF20g中に4時間かけて滴下する。滴下後、2時間撹拌してから室温に冷却する。これをヘキサン149gとTHF12gの混合溶媒中に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体をヘキサン52gで洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーBを10.3g得る。ゲル浸透クロマトグラフィーを用いてポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は9200である。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
ポリマーB6.0gとトリエチルアミン6.0gとメタノール6.0gと純水1.5gとをプロピレングリコールモノメチルエーテル30gに溶解し還流温度で6時間撹拌する。その後25℃に冷却し、得られた溶液をアセトン30gと純水30gの混合液に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を純水30gで2回洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーCを4.3g得る。ゲル浸透クロマトグラフィーを用いてポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は9100である。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
(合成例44)ポリマーDの合成
α-メタクリルオキシ-γ-ブチロラクトン5.0gと2-メチルアダマンタン-2-メタクリレート6.0gと3-ヒドロキシアダマンタン-1-メタクリレート4.3gとジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.51gとをプロピレングリコール-1-モノメチルエーテルアセテート(PGMEA)26gに溶解して脱酸素する。これをあらかじめ85℃に加熱したPGMEA7.5gに4時間かけて滴下する。2時間撹拌した後、冷却する。冷却後にヘキサン180gに滴下することで再沈殿する。これをろ過し、ヘキサン70gで分散洗浄後に再度ろ過し、その後に真空乾燥することで、酸により反応する化合物として、下記式で表されるポリマーDを8.5g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
(合成例45)ポリマーEの合成
t-ブチルメタクリレートに代えてp-t-ブトキシスチレンを用いること以外は上記合成例42と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーEを10.1g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
ポリマーBに代えてポリマーEを用いること以外は上記合成例43と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーFを4.1g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
(合成例47)ポリマーGの合成
モノマーとして5-メタクリロイルオキシノルボルナン2,6-ラクトン5.5gと4-(1-エトキシエトキシ)フェニルメタクリレート6.2gと4-ヒドロキシフェニルメタクリレート4.4gとを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーGを8.0g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
(合成例48)ポリマーHの合成
アセトキシスチレンに代えて1-アセトキシ-4-ビニルナフタレンを用い、また、t-ブチルメタクリレートに代えて1-(2-テトラヒドロピラニルオキシ)-4-ビニルナフタレンを用いること以外は上記合成例42と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーHを10.5g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
ポリマーBに代えてポリマーHを用いること以外は上記合成例43と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーIを4.3g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
(合成例50)ポリマーJの合成
α-メタクリルオキシ-γ-ブチロラクトンに代えて2-メタクリロイルオキシ-1,3-プロパンスルトンを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーJを8.0g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
(合成例51)ポリマーKの合成
α-メタクリルオキシ-γ-ブチロラクトンに代えて2-メタクリロイルオキシ-1,3-プロパンスルトンを用い、また、2-メチルアダマンタン-2-メタクリレートを1-エトキシエチルメタクリレートを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーKを8.2g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
(合成例52)ポリマーLの合成
モノマーとして5-メタクリロイルオキシノルボルナン2,6-スルトン7.2gと2-(1-エトキシエトキシ)-6-ビニルナフタレン5.9gと2-ヒドロキシ-6-ビニルナフタレン3.0gとを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーLを8.0g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
(合成例53)ポリマーMの合成
モノマーとして上記合成例31で得たスルホニウム塩14を4.7gと5-メタクリロイルオキシノルボルナン2,6-ラクトン3.9gと4-(1-エトキシエトキシ)フェニルメタクリレート4.2gと4-ヒドロキシフェニルメタクリレート3.2gとを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーMを7.8g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
<電子線感度評価1>
下記のようにしてサンプルを調製した。シクロヘキサノン3000mgに、上記ポリマーA、C、D、J、K及びMから選択されるいずれかの樹脂500mgと、光酸発生剤(PAG)及び増感化合物から選択される単独又は複数で適宜選択してそれぞれ0.036mmolと、酸拡散制御剤を0.0012mmolと、の割合で添加して組成物サンプル1~9を調整した。
上記光酸発生剤(PAG)としては上記スルホニウム塩1及び4、下記に示す比較スルホニウム塩1及び2を用いた。比較スルホニウム塩1は比較増感化合物1'を合わせて用いた。
酸拡散制御剤としてはトリオクチルアミンを用いた。
図1に、スルホニウム塩1と比較スルホニウム塩2とのUV吸収係数を示す。図1に示すように、スルホニウム塩1は比較スルホニウム塩2よりもUV波長での吸収が大きくなる。UV吸収係数が増加するとUV照射による酸発生効率が向上するため感度が高くなる。
また、スルホニウム塩6等も、酸素原子や硫黄原子の縮環構造を有することで、スルホニウム塩1と同様にUV波長付近での吸収が比較スルホニウム塩2と比較して高くなり、UV照射後の感度が高くなる。
Claims (13)
- 下記一般式(3)で表されるオニウム塩。
前記R11、R12及びスルホニウム基が結合したアリール基のうちいずれか2つ以上は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよく、
前記R11及びR12中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
R13及びR14は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、且つ、これらは置換基を有していても良く、
R14の少なくとも1つがアミノ基であるか、又は、R14が、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基からなる群より選択されるいずれかを介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成しており、
R15及びR16は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数2~12のアルケニル基;置換基を有してもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかであり、
前記R15及びR16は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びアルキレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに結合して環構造を形成してもよく、
前記R15及びR16中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
R 18 は、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、且つ、これらは置換基を有しても良く、
L 2 及びL 3 は、独立して各々に、直接結合;メチレン基;酸素原子;硫黄原子;窒素原子含有基;からなる群より選択されるいずれかであり、前記メチレン基は置換基を有してもよく、且つ、L 2 及びL 3 のうちどちらか一方は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基のいずれかであり、
Yは酸素原子又は硫黄原子であり、
eは0~4の整数であり、
fは0~3の整数であり、
gは0~4の整数であり、
X-は1価の対アニオンを表す。) - 請求項1に記載のオニウム塩を少なくとも含む光酸発生剤。
- 請求項2に記載の光酸発生剤と、酸反応性化合物と、を含む組成物。
- 酸拡散制御剤をさらに含む請求項3に記載の組成物。
- 前記酸反応性化合物が酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)であり、
前記樹脂(B)が、下記(4a)~(4d)で表される単位の少なくともいずれかを有する、請求項3又は4に記載の組成物。
R1は水素原子、アルキル基及びハロゲン化アルキル基からなる群より選択されるいずれかであり、
R2及びR3は独立して各々に、直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、
R4は置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、
前記R2、R3、及びR4のうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよく、
L6は、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキレンカルボニルオキシ基、及び、アルキレンカルボニルアミノ基からなる群より選択されるいずれかである。
前記式(4b)中、R1及びL6は、前記式(4a)のR1及びL6の各々と同じ選択肢から選択され、
R5及びR6は独立して各々に、水素原子、及び、直鎖、分岐又は環状のアルキル基からなる群より選択されるいずれかであり、
R7は置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、
前記R5、R6、及びR7のうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
前記式(4c)中、R1~R4及びL6は、前記式(4a)のR1~R4及びL6の各々と同じ選択肢から選択され、
R8は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、
R8のうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよく、
lは1~2の整数であり、
mは、lが1のとき0~4、lが2のとき0~6の整数であり、
nは、lが1のとき1~5、lが2のとき1~7の整数であり、
m+nは、lが1のとき1~5であり、lが2のとき1~7である。
前記式(4d)中、R1、R5~R7、R8、L6、l及びnは、前記式(4a)~(4c)のR1、R5~R7、R8、L6、l及びnの各々と同じ選択肢から選択される。) - 前記樹脂(B)が下記一般式(5a)~(5b)で表される単位の少なくともいずれかを含む、又は、
前記組成物が下記一般式(5a)~(5b)で表される単位の少なくともいずれかを含む樹脂(C)をさらに含む請求項5に記載の組成物。
pは0~4の整数であり、qは1~5の整数である。
前記式(5b)中、R1及びL6は独立して各々、前記式(4a)のR1及びL6の各々と同じ選択肢から選択され、
R9は、-C(O)-O-、-SO2-及び-O-SO2-からなる群より選択される少なくともいずれかを含む環式基である。) - 前記光酸発生剤が、前記オニウム塩におけるX-が下記一般式(6)で表される単位を有する酸発生剤単位含有樹脂である、請求項3~6のいずれか一項に記載の組成物。
Z1は、炭素原子数1~12の直鎖又は分岐のアルキレン基、炭素原子数2~12の直鎖又は分岐のアルケニレン基、及び、炭素原子数6~14のアリーレン基からなる群から選択されるいずれかであり、
前記アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基が有する水素の一部又は全てがフッ素原子に置換されてもよく、
前記アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基中の少なくとも1つのメチレン基が、2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。) - 請求項3~7のいずれか一項に記載の組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に第1活性エネルギー線を照射する工程と、
前記第1活性エネルギー線照射後のレジスト膜に第2活性エネルギー線を照射する工程と、
前記第2活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法。 - 前記第1活性エネルギー線の波長が、前記第2活性エネルギー線の波長よりも短い請求項8に記載のデバイスの製造方法。
- 前記第1活性エネルギー線が電子線又は極端紫外線である請求項8又は9に記載のデバイスの製造方法。
- 前記第1活性エネルギー線を照射する工程と、前記第2活性エネルギー線を照射する工程と、の間に、電熱線又はレーザーにより加熱する工程を含む請求項8~10のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
- 前記第1活性エネルギー線照射によりレジスト膜中で前記組成物から第1活性種を発生させ、
前記第1活性種により前記光酸発生剤を構造変化させ、
前記第2活性エネルギー線照射により、前記構造変化した光酸発生剤から第2活性種を発生させる請求項8~11のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。 - 前記構造変化した光酸発生剤がケトン誘導体である請求項12に記載のデバイスの製造方法。
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