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JP7249198B2 - オニウム塩、組成物及びそれを用いたデバイスの製造方法 - Google Patents

オニウム塩、組成物及びそれを用いたデバイスの製造方法 Download PDF

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JP7249198B2 JP2019080437A JP2019080437A JP7249198B2 JP 7249198 B2 JP7249198 B2 JP 7249198B2 JP 2019080437 A JP2019080437 A JP 2019080437A JP 2019080437 A JP2019080437 A JP 2019080437A JP 7249198 B2 JP7249198 B2 JP 7249198B2
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Description

本発明のひとつの態様はオニウム塩に関する。また、本発明の別の態様は上記オニウム塩を含有する組成物、及び、該組成物を用いたデバイスの製造方法に関する。
近年、フォトレジストを用いるフォトリソグラフィ技術を駆使して、液晶ディスプレイ(LCD)及び有機ELディスプレイ(OLED)等の表示装置の製造並びに半導体素子の形成が盛んに行われている。上記の電子部品や電子製品のパッケージ等には、活性エネルギー線として波長365nmのi線、それより長波長のh線(405nm)及びg線(436nm)等の光が広く用いられている。
デバイスの高集積化が進み、リソグラフィ技術の微細化に対する要求が高まっており、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、極端紫外線(EUV、波長13.5nm)及び電子線(EB)のような非常に波長の短い光や粒子線が露光に使用される傾向にある。これらの波長の短い光、特にEUV又は電子線を用いたリソグラフィ技術はシングルパターニングでの製造が可能であることから、EUV又は電子線等に対し高い感応性を示すレジスト組成物の必要性は、今後更に高まると考えられる。
露光光源の短波長化に伴い、レジスト組成物には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性のリソグラフィ特性の向上が求められている。このような要求を満たすレジスト組成物として化学増幅型レジストが知られている(特許文献1)。
しかしながら、従来の化学増幅型レジストはEUV又は電子線等用の化学増幅型レジスト組成物は、EUV又は電子線の吸収が小さく、感度、解像度及びパターン性能の特性を同時に満たすことは難しい。特に、吸収が小さいことに起因する低感度によるスループット低下と、レジストの解像線幅が微細化するにつれて生じるレジストパターン倒れ及びラインパターンのラインワイズラフネス(LWR)の悪化と、を克服することは難しい。
上記の課題に対して、EUV又は電子線リソグラフィのスループット向上を目的としてEUV又は電子線等の第1活性エネルギー線を用いたリソグラフィにより酸と増感剤を生成させた後、可視光又は紫外線等の第2活性エネルギー線を照射するための光増感化学増幅レジスト組成物が提案されている。(特許文献2~3及び非特許文献1)
特開平9-90637号公報 特許第5881093号公報 特開2015-172741号公報
Proc. of SPIE Vol. 9776 977607
しかしながら、上記の光増感反応を利用した光増感化学増幅レジスト組成物を用いて上記第2活性エネルギー線によりレジスト反応を促進した場合、増感剤(電子供与体)と光酸発生剤(電子受容体)との間で生じる光誘起電子移動反応を用いるために、場合によっては数nmの電子移動反応によっても酸を発生することがある。これは、レジスト組成物中に酸拡散制御剤が含有された場合でも該酸拡散制御剤と反応することなく、意図しない発生酸の拡散が生じる等の原因となるおそれがある。それにより、LWR悪化等のパターン劣化が起こることがある。それに対し、パターン劣化抑制のために多量に酸拡散制御剤を添加した場合、上記第1活性エネルギー線で生成した酸の作用により光増感剤を生成させるプロセスでは光増感剤の生成量が少ないため、増感反応が起こりにくく、例えば1J/cm2もの多量のエネルギーを照射してもレジスト反応の促進効果が僅かとなってしまう問題がある。
本発明のいくつかの態様は、このような事情に鑑み、感度及びLWR等のパターン特性に優れる光酸発生剤及び組成物を提供することを課題とする。より詳しくは、粒子線又は電磁波等の照射を行う場合に用いる光酸発生剤として最適なオニウム塩を提供することを課題とする。また該オニウム塩と、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する特定の樹脂と、を含有する組成物を提供することを課題とする。
さらに、電子線又は極端紫外線等の第1活性エネルギー線照射後に紫外線又は可視光等の第2活性エネルギー線の露光を行う場合に用いる光酸発生剤として最適なオニウム塩を提供することを課題とする。また、本発明のいくつかの態様は、該オニウム塩を含有する光酸発生剤、該光酸発生剤を含む組成物を提供することを課題とする。また、該組成物を用いたデバイスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するオニウム塩は、紫外線又は可視光等の第2活性エネルギー線に顕著な吸収を持たず、上記第2活性エネルギー線よりも波長が短い等第1活性エネルギー線により発生した酸により構造変化することで第2活性エネルギー線に吸収を持つケトン誘導体へ変換されることを見出し、本発明のいくつかの態様を完成するに至った。
より詳しくは本発明者等は、少なくとも1つのアミノ基又はヘテロ環構造をオニウム塩の特定の部位に有することで、第2活性エネルギーに対して高い吸収を持ち且つ酸発生効率に優れることを見出し、本発明のいくつかの態様を完成するに至った。
上記オニウム塩を含有する光酸発生剤をレジスト組成物に用いることで、電子供与体と電子受容体間で生じる光増感反応を用いる特許文献3に記載のレジスト組成物と比較して、第2活性エネルギー線により高効率で酸が発生するため、高感度化及びLWR等のパターン特性に優れることを見出した。
上記課題を解決するための本発明のひとつの態様は、下記一般式(1)及び下記一般式(2)から選択されるいずれかで表されるオニウム塩である。
Figure 0007249198000001
上記式(1)中、R11及びR12は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかである。
上記R11、R12及びスルホニウム基が結合したアリール基のうちいずれか2つ以上は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
上記R11及びR12中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
13及びR14は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、かつ、これらは置換基を有していても良い。
上記R14の少なくとも1つがアミノ基であるか、又は、R14が、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基からなる群より選択されるいずれかを介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成している。
15及びR16は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルケニル基;置換基を有してもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかである。
上記R15及びR16は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びアルキレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに結合して環構造を形成してもよい。
上記R15及びR16中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
1は、直接結合;直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキレン基;炭素原子数1~12のアルケニレン基;炭素原子数6~14アリーレン基;炭素原子数4~12のヘテロアリーレン基;及びこれらの基が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子含有基を介して結合した基;からなる群より選択されるいずれかである。
及びLは独立して各々に、直接結合、炭素原子数が2のアルケニレン基、炭素原子数が2のアルキニレン基及び、カルボニル基からなる群より選択されるいずれかである。
Yは酸素原子又は硫黄原子である。
h及びiは独立して各々に1~3の整数である。
jは、hが1のとき0~4、hが2のとき0~6、hが3のとき0~8の整数である。
kは、iが1のとき0~5、iが2のとき0~7、iが3のとき0~9の整数である。
は1価の対アニオンを表す。
上記式(2)中、R11~R16、L、L~L、Y、h~k及びXは独立して各々に、上記式(1)のR11~R16、L、L~L、Y、h~k及びX各々と同じ選択肢から選択される。
17は、置換基を有していてもよいアリール基;及び、置換基を有していてもよいヘテロアリール基からなる群より選択されるいずれかであり、R17とヨードニウム基が結合したアリール基と互いに結合してこれらが結合するヨウ素原子と共に環構造を形成してもよい。
また、本発明のひとつの態様は、下記一般式(3)で表される上記オニウム塩である。なお、下記ではモノカチオンを示しているが、ポリカチオンであってもよい。
Figure 0007249198000002
上記式(3)中、R13~R16、Y及びXは独立して各々に、上記式(1)のR13~R16、Y及びX各々と同じ選択肢から選択される。
18は、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、かつ、これらは置換基を有しても良い。
2及びLは、独立して各々に、直接結合;メチレン基;酸素原子;硫黄原子;窒素原子含有基;からなる群より選択されるいずれかである。
上記メチレン基は置換基を有してもよく、且つ、L2及びLのうちどちらか一方は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基のいずれかである。
eは0~4の整数であり、fは0~3の整数であり。gは0~4の整数である。
また、本発明の他の態様は、上記一般式(1)及び上記一般式(2)から選択されるいずれか表されるオニウム塩を少なくとも含有する光酸発生剤(以下、「光酸発生剤(A)」ともいう」)である。該光酸発生剤(A)は、露光により酸を発生する。
上記課題を解決するための本発明のひとつの態様は、上記光酸発生剤(A)と、酸反応性化合物と、を含む組成物である。
好ましくは、上記組成物は酸拡散制御剤をさらに含む。
好ましくは、上記酸反応性化合物が酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)であり、
上記樹脂(B)が、下記(4a)~(4d)で表される単位の少なくともいずれかを有する、組成物である。なお、光酸発生剤(A)に含まれるオニウム塩は上記ではモノカチオンを示しているが、ポリカチオンであってもよい。
Figure 0007249198000003
上記式(4a)~(4d)中、Rは水素原子、アルキル基及びハロゲン化アルキル基からなる群より選択されるいずれかである。
及びRは独立して各々に、直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。
は置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。
上記R、R、及びRのうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
は、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキレンカルボニルオキシ基、及び、アルキレンカルボニルアミノ基からなる群より選択されるいずれかである。
上記式(4b)中、R及びLは、上記式(4a)のR及びLの各々と同じ選択肢から選択される。
及びRは独立して各々に、水素原子、及び、直鎖、分岐又は環状のアルキル基からなる群より選択されるいずれかである。
は置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。
上記R、R及びRのうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
上記式(4c)中、R~R及びLは、上記式(4a)のR~R及びLの各々と同じ選択肢から選択される。
は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかである。
のうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
lは1~2の整数である。
mは、lが1のとき0~4、lが2のとき0~6の整数である。
nは、lが1のとき1~5、lが2のとき1~7の整数である。
m+nは、lが1のとき1~5であり、lが2のとき1~7である。
上記式(4d)中、R、R~R、R、L、l及びnは、上記式(4a)~(4c)のR、R~R、R、L、l及びnの各々と同じ選択肢から選択される。
また、本発明の他の態様は、上記組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜に第1活性エネルギー線を照射する工程と、上記第1活性エネルギー線照射後のレジスト膜に第2活性エネルギー線を照射する工程と、上記第2活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法である。
本発明のいくつかの態様によれば、粒子線又は電磁波等の第1活性エネルギー線と、紫外線又は可視光等の第2活性エネルギー線と、を用いるリソグラフィプロセスのレジスト組成物として好適に用いられる、高感度でLWR等のパターン特性に優れるオニウム塩を提供できる。また、該オニウム塩を酸発生剤として含有し、粒子線又は電磁波、特に電子線又は極端紫外線等の第1活性エネルギーに対して高感度のレジスト組成物、及び、それを用いたデバイスの製造方法を提供できる。
図1は、UV吸収スペクトルを示す。
以下、本発明について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
<1>オニウム塩及び光酸発生剤
本発明のひとつの態様に係るオニウム塩は、上記一般式(1)及び上記一般式(2)から選択されるいずれかで表される。また、光酸発生剤(A)は、該オニウム塩を少なくとも1つ含む。該オニウム塩は、スルホニウム塩又はヨードニウム塩である。
本発明のひとつの態様に係るオニウム塩は、アセタール又はチオアセタール等の特定の構造を有することで、紫外線又は可視光等の上記第2活性エネルギー線に顕著な吸収を持たない。一方で、粒子線又は電磁波、特に電子線又は極端紫外線等の上記第1活性エネルギー線により発生した酸により、上記オニウム塩は光酸発生剤としての機能を損なうことなく、上記オニウム塩のアセタール又はチオアセタールが脱保護しケトン誘導体へ変換される。該ケトン誘導体は、上記第1活性エネルギー線及び第2活性エネルギー線に吸収を持つ。上記ケトン誘導体は、レジスト膜中、上記第1活性エネルギー線を照射した露光部に生成しているため、第2活性エネルギーをさらに照射することで上記第1活性エネルギー線による露光部で酸発生量を増大させることができる。
また、本発明のひとつの態様に係るオニウム塩は、少なくとも1つのアミノ基又はヘテロ環構造を特定の部位に有することで、第2活性エネルギーに対して高い吸収を持ち且つ酸発生効率に優れる。
上記式(1)中、R11及びR12は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかが好ましい。
11及びR12における直鎖、分岐鎖又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基として具体的には、それぞれ、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、t-ブチル、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタン-1-イル基、アダマンタン-2-イル基、ノルボルナン-1-イル基及びノルボルナン-2-イル基等のアルキル基等が挙げられる。
11及びR12のアルキル基において、少なくとも1つのメチレン基に代えて、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-NHCO-、-CONH-、-NH-CO-O-、-O-CO-NH-、-NH-、-N(R)-、-N(Ar)-、-S-、-SO-及び-SO2-からなる群より選ばれる1種の2価のヘテロ原子含有基を骨格に含んでいてもよい。ただし、スルホニウム基の硫黄原子(S)はヘテロ原子含有基に直接結合せずに、上記2価の炭化水素基と結合していることが好ましい。R及びArについては後述する。
11及びR12のアルケニル基は、上記アルキル基の少なくとも1つの炭素-炭素一重結合が、炭素-炭素二重結合に置換されたものが挙げられる。
11及びR12の置換基を有していてもよい炭素原子数6~14のアリール基として具体的には、単環芳香族炭化水素基、及び、該単環芳香族炭化水素が少なくとも2環縮合した縮合多環芳香族炭化水素基等を挙げることができる。これらアリール基は、置換基を有していてもよい。
上記単環芳香族炭化水素基としては、ベンゼン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記縮合多環芳香族炭化水素基としては、インデン、ナフタレン、アズレン、アントラセン及びフェナントレン等の骨格を有する基が挙げられる。
11及びR12の置換基を有してもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基としては、上記アリール基の少なくとも1つの炭素原子に代えて、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される少なくともいずれかを骨格に含むものが挙げられる。
上記ヘテロアリール基としては、単環芳香族複素環基、及び、該単環芳香族複素環の少なくとも1つが上記芳香族炭化水素基又は脂肪族複素環基等と縮合した縮合多環芳香族複素環基等を挙げることができる。これら芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。
上記単環芳香族複素環基としては、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラン、ピリジン、ピリミジン及びピラジン等の骨格を有する基が挙げられる。
縮合多環芳香族複素環基としては、インドール、プリン、キノリン、イソキノリン、クロメン、フェノキサジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン及びカルバゾール等の骨格を有する基が挙げられる。
11及びR12が有してもよい置換基(以下、「第1置換基」ともいう)としては、ヒドロキシ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシ基、カルボニル基、アルキル基(-R)、アルコキシ基(-OR)、アシル基(-COR)、アルコキシカルボニル基(-COOR)、アリール基(-Ar)、アリーロキシ基(-OAr)、アミノ基、アルキルアミノ基(-NHR)、ジアルキルアミノ基(-N(R))、アリールアミノ基(-NHAr)、ジアリールアミノ基(-N(Ar))、N-アルキル-N-アリールアミノ基(-NRAr)ホスフィノ基、シリル基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基(-Si-(R))、該トリアルキルシリル基のアルキル基の少なくとも1つがArで置換されたシリル基、アルキルスルファニル基(-SR)及びアリールスルファニル基(-SAr)等を挙げることができるが、これらに制限されない。R及びArについては後述する。
また、第1置換基として、上記基が(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有した基であってもよい。
上記R11、R12及びスルホニウム基が結合したアリール基のうちいずれか2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合するスルホニウム基の硫黄原子(S)と共に環構造を形成してもよい。ただし、スルホニウム基の硫黄原子(S)はヘテロ原子含有基に直接結合せずに、上記2価の炭化水素基と結合していることが好ましい。
上記「窒素原子含有基」としては、例えばアミノジイル基(-NH-)、アルキルアミノジイル基(-NR-)、アリールアミノジイル基(-NAr-)等の窒素原子を含む2価の基が挙げられる。R及びArについては後述する。
上記式(1)中、上記スルホニウム基が結合したアリール基とは、下記矢印で示す部分である。
Figure 0007249198000004
上記第1置換基等中の上記Rは、炭素原子数1以上のアルキル基であることが好ましい。また、炭素原子数20以下であることがより好ましい。炭素原子数1以上のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基及びn-デシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、2-エチルエキシル基等の分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタン-1-イル基、アダマンタン-2-イル基、ノルボルナン-1-イル基及びノルボルナン-2-イル基等の脂環式アルキル基;これらの水素の1つがトリメチルシリル基、トリエチルシリル基及びジメチルエチルシリル基等のトリアルキルシリル基で置換されたシリル基置換アルキル基;これらの水素原子の少なくとも1つがシアノ基又はフルオロ基等で置換されたアルキル基;等が好ましく挙げられる。上記アルキル基中の炭素-炭素一重結合が、炭素-炭素二重結合に置き換わっていてもよい。
上記第1置換基等中のArは、アリール基又はヘテロアリール基であることが好ましい。ヘテロアリール基とは、環構造中にヘテロ原子を1つ以上含むアリール基である。上記Arの具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クアテルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ペンタレニル基、インデニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラセニル基、フラニル基、チエニル基、ピラニル基、スルファニルピラニル基、ピロリル基、イミダゾイル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾイル基、及びピリジル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾフラニル基、イソクロメニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾイル基、キサンテニル基、アクアジニル基及びカルバゾイル基等の炭素原子数20以下のものが好ましく挙げられる。
11及びR12が上記第1置換基を有し、且つオニウム塩が低分子化合物である場合、R11及びR12の炭素原子数は第1置換基の炭素原子数も含めて炭素原子数1~20であることが好ましい。
なお、本発明のひとつの態様におけるオニウム塩は、樹脂の一つの単位として、すなわち、オニウム塩構造を含む単位として、ポリマーの一部に結合したポリマー成分であってもよく、また、ポリマーの単位として含まれるポリマー成分であってもよい。ポリマー成分であるときは、上記第1置換基としてはポリマーの主鎖が挙げられる。R11及びR12の上記第1置換基がポリマーの主鎖のとき、R11及びR12の炭素原子数はポリマー主鎖の炭素原子数を除いたものとする。本発明のひとつの態様におけるオニウム塩がポリマー成分である場合、ポリマー成分全体で重量平均分子量が2000~200000となるように調整することが好ましい。
本発明において、低分子化合物とは重量平均分子量が2000未満のものであり、ポリマー成分とは重量平均分子量が2000以上のものとする。
11及びR12としては、安定性の向上の点からアリール基が好ましい。
13及びR14は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12が好ましく、且つ、これらは置換基(以下、「第2置換基」ともいう)を有しても良い。また、R13及びR14のアルキル基中の炭素-炭素一重結合が、炭素-炭素二重結合に置き換わっていてもよい。
13及びR14が有してもよい第2置換基としては、上記第1置換基と同様のものが挙げられる。
13及びR14が上記第2置換基を有し、且つオニウム塩が低分子化合物である場合、R13及びR14の炭素原子数は第2置換基の炭素原子数も含めて炭素原子数1~12であることが好ましい。R13及びR14の第2置換基がポリマー主鎖の場合、R13及びR14の炭素原子数はポリマー主鎖を除いたものとする。
ただし、本発明の一つの態様であるオニウム塩は、R14の少なくとも1つがアミノ基であるか、又は、R14が、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基からなる群より選択されるいずれかを介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成している。
本発明の一つの態様である好ましいオニウム塩は、R14の少なくとも1つがアミノ基であるか、又は、R14が、窒素原子含有基を介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成しているものである。
本発明の一つの態様であるさらに好ましいオニウム塩は、R14が窒素原子含有基を介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成したものである。窒素原子含有基としては、-N(H)-等の2価の基又は=N-等の3価の基が挙げられ、該水素原子が上記第2置換基で置換されていても良い。
14が上記構成であることにより、アセタール基又はチオアセタール基が脱保護してケトン誘導体へ変換した際に、紫外線又は可視光等の第2活性エネルギー線に吸収を有するようになる。
以下、アミノ基であるR14を「R14a」とし、それ以外のR14を「R14b」ともいう。
13及びR14bにおけるアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状でよく、具体的には、上記第1置換基としてのRのアルキル基と同様のものが挙げられる。R13及びR14bにおけるアリール基及びヘテロアリール基としては、R11及びR12の第1置換基としてのArのアリール基及びヘテロアリール基と同様のものが挙げられる。R13及びR14bにおけるアルコキシ基は、上記第1置換基におけるアルコキシ基(-OR)と同様のものが挙げられる。
13及びR14bにおけるヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基としては、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基等が挙げられる。
13及びR14bにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
13及びR14bにおけるアルキル基において、少なくとも1つのメチレン基に代えて、上記R11及びR12におけるヘテロ原子含有基と同様の基を骨格に含んでいてもよい。ただし、-O-O-、-S-S-及び-O-S-等のヘテロ原子の連続した繋がりを有しないことが好ましい。
14bとして好ましくは、アルキル基が挙げられる。また、Y及びR14を有するアリーレンと結合する4級炭素に対してオルト又はパラ位となるときの、アリール基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、アリールオキシ基、アリールスルファニル基、アミノ基及びアルキルアミノ基等の電子供与性基も好ましく挙げられる。これらは365nmの吸光度を向上させる点から好ましい。
15及びR16としての置換基を有しても良い直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;が好ましく、これらは、上記R11及びR12のそれぞれと同じ選択肢から選択され。
15及びR16としての置換基(以下、「第3置換基」ともいう)は、上記第1の置換基と同様のものが挙げられる。
上記R15及びR16は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びアルキレン基からなる群より選択されるいずれかを介して互いに結合して環構造を形成してもよい。
合成の観点から、上記R15及びR16は同じであることが好ましい。
は直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキレン基;炭素原子数1~12のアルケニレン基;炭素原子数6~12のアリーレン基;炭素原子数4~12のヘテロアリーレン基;及びこれらの基が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子含有基を介して結合した基;からなる群より選択されるいずれかであることが好ましい。Lのアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基は、上記R11のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基を2価としたものが挙げられる。Lの窒素原子含有基は、R11の窒素原子含有基と同様のものが挙げられる。
が「これらの基が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子含有基を介して結合した基」である場合とは、上記アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基のいずれかが、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子含有基を介して、該スルホニウム基が結合したアリール基と結合している場合である。
上記一般式(1)中、k及びjは合成のしやすさから、独立して各々に0~3であることが好ましく、独立して各々に0~2であることがより好ましい。。
上記一般式(2)中、R13~R16、X、Y、L、L~L、h~kは独立して各々、上記式(1)のR13~R16、X、Y、L、L~L、h~kのそれぞれと同じ選択肢から選択される。
17は、置換基を有していてもよい炭素原子数6~12アリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12ヘテロアリール基であることが好ましい。R17とヨードニウム基が結合したアリール基とが互いに結合してこれらが結合するヨウ素原子と共に環構造を形成してもよい。R17のアリール基及びヘテロアリール基は、上記R11のアリール基及びヘテロアリール基のそれぞれと同じ選択肢から選択される。R17における置換基は、第1置換基と同様のものが挙げられる。
上記一般式(2)中、上記ヨードニウム基が結合したアリール基とは、下記矢印で示す部分である。
Figure 0007249198000005
及びLは独立して各々に、直接結合、炭素原子数が2のアルケニレン基、炭素原子数が2のアルキニレン基、及びカルボニル基からなる群より選択されるいずれかである。すなわち、2つのYが直接結合した4級炭素原子と2つのアリール基は直接結合していてもよく、炭素原子数が2のアルケニレン基又は炭素原子数が2のアルキニレン基を介して結合していてもよいが、炭素原子数が2のアルケニレン基又は炭素原子数が2のアルキニレン基を介した結合を少なくとも1つ含む構造である。
及びLは独立して各々に、直接結合、炭素原子数が2のアルケニレン基、炭素原子数が2のアルキニレン基、及びカルボニル基からなる群より選択されるいずれかである。すなわち、2つのYが直接結合した4級炭素原子と2つのアリール基は直接結合していてもよく、炭素原子数が2のアルケニレン基又は炭素原子数が2のアルキニレン基を介して結合していてもよいが、炭素原子数が2のアルケニレン基又は炭素原子数が2のアルキニレン基を介した結合を少なくとも1つ含む構造である。
上記式(1)又は(2)において、Yは酸素原子又は硫黄原子である。
h及びiは独立して各々に1~3の整数である。
jは、hが1のとき0~4、hが2のとき0~6、hが3のとき0~8の整数である。
kは、iが1のとき0~5、iが2のとき0~7、iが3のとき0~9の整数である。
なお、例えば、上記式(1)又は(2)においてi及び/又はhが2であるとき、上記オニウム塩はナフタレン環を有することとなる。該ナフタレン環は、Yが結合する4級炭素と1位~8位の任意の位置で結合していればよい。
また例えば、上記式(1)又は(2)においてi及び/又はhが3であるとき、上記オニウム塩はアントラセン環、フェナントレン環及びナフタセン環の少なくともいずれかを有することとなる。この場合もフェナントレン環及びナフタセン環は、Yが結合する4級炭素と1位~10位の任意の位置で結合していればよい。
本発明のいくつかの態様においてオニウム塩は、下記に示すスルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンを有するものが例示できる。しかしながら、本発明のいくつかの態様はこれに限定されない。
Figure 0007249198000006
Figure 0007249198000007
本発明のひとつの態様は、下記式(3)で示すスルホニウム塩であることが好ましい。なお、下記式(3)中のスルホニオ基に代えてヨードニオ基であるヨードニウム塩であることも好ましい。上記ヨードニオ基は具体的には、上記式(2)中の-I17が挙げられる。
Figure 0007249198000008
上記式(3)中、R13~R16、Y及びXは独立して各々、上記式(1)のR13~R16、Y及びXのそれぞれと同じ選択肢から選択される。
18はアルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12が好ましく、且つ、これらは置換基を有しても良い。R18のアルキル基中の炭素-炭素一重結合が、炭素-炭素二重結合に置き換わっていてもよい。
2及びLは、独立して各々に、直接結合;メチレン基;酸素原子;硫黄原子;窒素原子含有基;からなる群より選択されるいずれかであり、上記メチレン基は置換基を有してもよく、且つ、L2及びLのうちどちらか一方は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基のいずれかである。上記式(3)の好ましい態様は、L2が直接結合でありLが窒素原子含有基である場合である。上記式(3)の好ましい態様として具体的には、カルバゾール骨格を有するときが挙げられる。
eは0~4の整数であり、fは0~4の整数であり、gは0~5の整数である。
-はアニオンである。上記アニオンとしては特に制限はなく、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、イミドアニオン、メチドアニオン、カーボアニオン、ボレートアニオン、ハロゲンアニオン、リン酸アニオン、アンチモン酸アニオン、ヒ素酸アニオン等のアニオンが挙げられる。
より詳しくは、アニオンとして、ZAa-、(Rf)PF(6-b) 、R19 BA(4-c) 、R19 GaA(4-c) 、R20SO 、(R20SO又は(R20SOで表されるアニオンが好ましく挙げられる。Rf、R19及びR20を2個以上有する場合、Rfの2個、R19の2個及びR20の2個はそれぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、リン原子、ホウ素原子又はアンチモン原子を表す。Aはハロゲン原子(フッ素原子が好ましい。)を表す。
Pはリン原子、Fはフッ素原子、Bはホウ素原子、Gaはガリウム原子を表す。
Sはイオウ原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Nは窒素原子を表す。
Rfは、水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましく、アルキル基としては炭素原子数1~8のアルキル基が好ましい。フッ素置換によりRfとするアルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びオクチル等)、分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチル等)及びシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)等が挙げられる。Rfにおいてこれらのアルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されている割合は、もとのアルキル基が有していた水素原子のモル数に基づいて、80モル%以上が好ましく、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。
特に好ましいRfとしては、CF 、CFCF 、(CFCF、CFCFCF 、CFCFCFCF 、(CFCFCF 、CFCF(CF)CF及び(CFが挙げられる。b個のRfは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
19は、水素原子の一部が少なくとも1個のハロゲン原子又は電子求引基で置換されたフェニル基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。電子求引基としては、トリフルオロメチル基、ニトロ基及びシアノ基等が挙げられる。これらのうち、1個の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基が好ましい。c個のR19は相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
20は水素原子の一部又は全てがフッ素原子に置換されていてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、又は炭素原子数6~20のアリール基を表し、アルキル基は直鎖、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、アリール基は無置換であっても、置換基を有していてもよい。
aは4~6の整数を表す。bは1~5の整数を表し、好ましくは2~4、特に好ましくは2又は3である。cは、1~4の整数を表し、好ましくは4である。
ZA で表されるアニオンとしては、SbF 、PF 及びBF で表されるアニオン等が挙げられる。
(Rf)PF(6-b) で表されるアニオンとしては、(CFCFPF 、(CFCFPF 、((CFCF)PF 、((CFCF)PF 、(CFCFCFPF 、(CFCFCFPF 、((CFCFCFPF 、((CFCFCFPF 、(CFCFCFCFPF 及び(CFCFCFCFPF で表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CFCFPF 、(CFCFCFPF 、((CFCF)PF 、((CFCF)PF 、((CFCFCFPF 及び((CFCFCFPF で表されるアニオンが好ましい。
19cBA(4-c) で表されるアニオンとしては、(C、((CF、(CF、(CBF 、CBF 及び(Cで表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(C及び((CFで表されるアニオンが好ましい。
19 GaA(4-c) で表されるアニオンとしては、(CGa、((CFGa、(CFGa、(CGaF 、CGaF 及び(CGaで表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CGa及び((CFGaで表されるアニオンが好ましい。
20SO で表されるアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロフェニルスルホン酸アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン及びブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。これらのうち、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンが好ましい。
(R20SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO及び(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。
(R20SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO及び(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。また、2つの(R20SO)に対応する部分が互いに結合して環構造を形成した環状イミドも(R20SOで表されるアニオンとして挙げられる。
一価のアニオンとしては、上記アニオン以外に、過ハロゲン酸イオン(ClO 、BrO 等)、ハロゲン化スルホン酸イオン(FSO 、ClSO 等)、硫酸イオン(CHSO 、CFSO 、HSO 等)、炭酸イオン(HCO 、CHCO 等)、アルミン酸イオン(AlCl 、AlF 等)、ヘキサフルオロビスマス酸イオン(BiF )、カルボン酸イオン(CHCOO、CFCOO、CCOO、CHCOO、CCOO、CFCOO等)、アリールホウ酸イオン(B(C 、CHCHCHCHB(C 等)、チオシアン酸イオン(SCN)及び硝酸イオン(NO )等が使用できる。
これらアニオンは置換基を有していても良く、置換基としてアルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子等が挙げられる。
これらのアニオンのうち、スルホン酸アニオン及びカルボン酸アニオン等が好ましい
本発明のひとつの態様に係るオニウム塩は、光酸発生剤(A)の一態様として、アニオン部がポリマーの一部に結合した酸発生剤単位含有樹脂であってもよい。そのようなオニウム塩としては、例えば、上記式(1)及び(2)におけるXが下記一般式(6)で表される単位を有する樹脂が挙げられる。上記オニウム塩が酸発生剤単位含有樹脂の一つの単位として組成物に含有されることで、露光時に発生する酸の拡散が抑制されることによってLWRを抑制できる点で好ましい。
なお、上記一般式(6)で表される単位は、上記樹脂(B)に含まれていてもよく、上記樹脂(B)と異なる樹脂に含まれていてもよい。
Figure 0007249198000009
上記式(6)中、R1及びLは各々独立に、上記式(4a)のR1及びLと同じ選択肢から各々選択される。
は、炭素原子数1~12直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数1~12の直鎖又は分岐のアルケニル基、炭素原子数6~14の直鎖又は分岐のアリール基である。また、これらアルキル基、アルケニル基及びアリール基が有する一部又は全ての水素原子がフッ素原子に置換されてもよい。これらの基中の少なくとも1つのメチレン基は、2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
上記式(6)で表されるアニオン部は下記に示すものが例示できる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
Figure 0007249198000010
Figure 0007249198000011
本発明のいくつかの態様に係るオニウム塩は、365nmのモル吸光係数が1.0×10cm/mol未満であることが好ましく、1.0×10cm/mol未満であることがより好ましい。
また、本発明のいくつかの態様に係るオニウム塩のアセタール又はチオアセタールが脱保護したケトン誘導体は、365nmのモル吸光係数が1.0×10cm/mol以上であることが好ましく、1.0×10cm/mol以上であることがより好ましい。
上記ケトン誘導体の365nmのモル吸光係数は、本発明のいくつかの態様に係るオニウム塩の365nmのモル吸光係数が5倍以上となることが好ましく、10倍以上となることがより好ましく、20倍以上となることがさらに好ましい。
上記特性とするには、上記式(1)又は(2)で表されるオニウム塩とすればよい。
<2>上記オニウム塩の合成方法
本発明のひとつの態様に係るオニウム塩のうち、スルホニウム塩及びヨードニウム塩の合成方法について説明する。本発明においてはこれに限定されない。
目的とするスルホニウム塩のスルホニオ基部分にアルキル基を有する場合(上記式(1)においてR11及びR12がアルキル基である場合)、例えば、下記に示す方法が挙げられる。まず、アルキルスルファニル基含有ベンゾイルクロリド(下記式(10a)においてh=1であり、アリール基がR13基を有しても良い。)と特定のR14基を有したブロモベンゼン誘導体(下記式(10b)においてi=1である。)をグリニャール試薬を用いて反応させ、アルキルスルファニルベンゾフェノン誘導体(10c)を得る。
14基は、置換しても良いアミノ基又はR14基が結合するアリール基とヘテロ環構造を形成したものである。そのようなブロモベンゼン誘導体(10b)は容易に入手可能又は随時合成可能である。
次いで、ジメチル硫酸等のアルキル化剤(R12 SO)を加えスルホニウム塩とした後、対応するアニオンを有する塩を用いて塩交換を行い、ジアルキル-アリールスルホニウム塩(10d)を得る。その後、酸触媒とアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化することで目的とするスルホニウム塩(10e)を得る。
Figure 0007249198000012
目的とするスルホニウム塩のスルホニオ基部分にアリール基を有する場合(上記式(1)においてR11及びR12がアリール基である場合)、例えば、下記に示す方法が挙げられる。まず、特定のR14基を有するブロモベンゼン誘導体(下記式(11a)においてi=1である。)とアリールスルファニル基含有ベンゾイルクロリド(下記式(11b)においてh=1であり、アリール基がR13基を有しても良い)とをルイス酸を用いてフリーデル・クラフツ反応させ、ブロモベンゾフェノン誘導体(11c)を得る。
下記式(11a)におけるR14基は、置換しても良いアミノ基又はR14基が結合するアリール基とヘテロ環構造を形成したものである。そのようなブロモベンゼン誘導体(11a)は容易に入手可能又は随時合成可能である。
次いで、酸触媒とアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化し、アセタール体(11d)を得る。そして、グリニャール試薬を用いてR11基とR12基を有するスルホキシド体(11e)と反応させてスルホニウム塩とした後、対応するアニオンを有する塩を用いて塩交換することにより目的のスルホニウム塩(11f)を得る。
Figure 0007249198000013
ヨードニウム塩の場合、例えば、下記に示す方法が挙げられる。まず、特定のR14基含有ベンゼン(下記式(12a)においてm=1)とヨードベンゾイルクロリド(下記式(12b)においてn=1であり、アリール基がR13基を有しても良い)をルイス酸を用いてフリーデル・クラフツ反応させ、ヨードベンゾフェノン誘導体(12c)を得る。
下記式(12a)におけるR14基は、置換しても良いアミノ基又はR14基が結合するアリール基とヘテロ環構造を形成したものである。そのようなブロモベンゼン誘導体(12a)は容易に入手可能又は随時合成可能である。
次いで、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸存在下でメタクロロ過安息香酸(mCPBA)等の酸化剤と反応させた後に芳香族化合物R17H(12d)との反応によりヨードニウム塩(12e)とし、その後、酸触媒とアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化してアセタール体(12f)を得た後、必要に応じて対応するアニオンを有する塩を用いて塩交換することにより目的のヨードニウム塩(12g)を得る。
Figure 0007249198000014
オニウム塩のアニオン部がポリマーの一部と結合したポリマー成分である場合、例えば、下記に示す合成方法が挙げられる。まず、市販又は随時合成した重合性官能基を有するスルホネートと上記スルホニウム塩((10e)又は(11f)又はヨードニウム塩(12g)を塩交換することでアニオン部に重合性官能基を有するオニウム塩(重合性オニウム塩)を得る。次いで、得られた重合性オニウム塩と酸解離性化合物等をラジカル開始剤を用いて共重合することで目的のポリマー成分を得ることができる。
Figure 0007249198000015
目的とするオニウム塩がL又はLがアルケニレン基を有している場合、例えば、下記に示す合成方法が挙げられる。R13基又はR14基を有するアセチル化合物(b)とアルデヒド化合物(c)を水酸化ナトリウムを用いて、アルドール反応させることで不飽和ケトン化合物(d)を得る。
下記式(b)におけるR14基は、置換しても良いアミノ基又はR14基が結合するアリール基とヘテロ環構造を形成したものである。そのようなアセチル化合物(b)は容易に入手可能又は随時合成可能である。
次いで、前記不飽和ケトン化合物とR11基とR12基を有するスルホキシド体をメタンスルホン酸等の強酸と脱水剤を用いて反応させることでスルホニウム塩を得る。その後、酸触媒とアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化することで目的とするスルホニウム塩を得ることができる。
Figure 0007249198000016
<3>組成物
本発明のひとつの態様は、上記光酸発生剤(A)と、酸反応性化合物を含む組成物に関する。好ましくは、組成物はさらに酸拡散抑制剤を含む。
(光酸発生剤)
本発明のひとつの態様の組成物中の上記光酸発生剤の含有量は、該光酸発生剤を除くレジスト組成物成分100質量部に対し0.1~50質量部であることが好ましく、1~30質量部であることがより好ましく、3~15質量部であることがさらに好ましい。
上記光酸発生剤の含有量の算出において、有機溶剤はレジスト組成物成分100質量部中に含まないこととする。
上記光酸発生剤が一つの単位として樹脂に含まれる場合、つまり上記光酸発生剤がポリマー成分である場合は、ポリマー主鎖を除いた質量基準とする。また、上記光酸発生剤がポリマー成分であって、且つ、後述の一般式(5a)~(5b)で表される単位(以下、「単位C」ともいう)及び上記一般式(4a)~(4d)で表される単位(以下、「単位B」ともいう)からなる群より選択される少なくとも1つの単位と共に同一ポリマーの単位として含まれる場合、上記光酸発生剤として作用する単位(以下、「単位A」ともいう)は、ポリマー全単位中、0.1~40モル%であることが好ましく、1~30モル%であることがより好ましく、3~20モル%であることがさらに好ましい。
上記レジスト組成物には上記光酸発生剤を、ポリマー成分及び低分子量成分問わず、単独又は2種以上を混合してもよく、その他の光酸発生剤と併用してもよい。
上記オニウム塩を含有する光酸発生剤以外のその他の光酸発生剤としては、汎用的なイオン性光酸発生剤と非イオン性光酸発生剤が挙げられる。イオン性光酸発生剤としては、例えば、上記以外のヨードニウム塩及びスルホニウム塩等のオニウム塩化合物が挙げられる。非イオン性光酸発生剤としてはN-スルホニルオキシイミド化合物、オキシムスルホネート化合物、有機ハロゲン化合物及びスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
上記オニウム塩を含有する光酸発生剤以外の光酸発生剤を含む場合、その含有量は光酸発生剤総量を除くレジスト組成物成分100質量部に対し0.1~50質量部であることが好ましい。
(酸反応性化合物)
上記酸反応性化合物は、酸により脱保護する保護基を有する化合物、酸により重合する重合性基を有する化合物、及び、酸により架橋作用を有する架橋剤からなる群より選択される少なくともいずれかであることが好ましい。
酸により脱保護する保護基を有する化合物とは、酸によって保護基が脱保護することにより極性基を生じ、現像液に対する溶解性が変化する化合物である。例えばアルカリ現像液等を用いる水系現像の場合、アルカリ現像液に対して不溶性であるが、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において上記保護基が上記化合物から脱保護することにより、アルカリ現像液に対して可溶となる化合物である。
本発明のひとつの態様は、上記酸反応性化合物は、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)であることが特に好ましい。
(樹脂(B))
上記樹脂(B)は、酸により脱保護する保護基を有する上記(4a)~(4d)で表される単位Bの少なくともいずれかを有するものである。
上記単位Bは、酸により脱保護する保護基を有する、樹脂(B)に含まれる単位であり、酸によって保護基が脱保護することにより極性基を生じ、現像液に対する溶解性が変化する単位である。例えばアルカリ現像液等を用いる水系現像の場合、アルカリ現像液に対して不溶性であるが、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において上記保護基が上記単位Bから脱保護することにより、アルカリ現像液に対して可溶となる化合物である。
本発明においては、アルカリ現像液に限定されず、水系中性現像液又は有機溶剤現像液であってもよい。そのため、有機溶剤現像液を用いる場合は、酸により脱保護する保護基を有する化合物は、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において上記保護基が上記化合物から脱保護して極性基を生じ、有機溶剤現像液に対して溶解性が低下する化合物である。
上記極性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基及びスルホ基等が挙げられる。これらの中でも構造中に-OHを有する極性基が好ましく、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が好ましい。
酸で脱保護する保護基の具体例としては、カルボキシ基と第3級アルキルエステル基を形成する基;アルコキシアセタール基;テトラヒドロピラニル基;シロキシ基及びベンジロキシ基等が挙げられる。該保護基を有する化合物として、これら保護基がペンダントしたスチレン骨格、メタクリレート又はアクリレート骨格を有する化合物等が好適に用いられる。
上記樹脂(B)は、酸により脱保護する保護基を有する単位Bを有するポリマー成分に代えて、保護基含有低分子化合物であってもよい。
上記保護基含有低分子化合物は、上記樹脂(B)と同様に、上記(4a)~(4d)で表される単位の少なくともいずれかを有するものである。
上記式(4a)~(4d)中、Rは水素原子、アルキル基及びハロゲン化アルキル基からなる群より選択されるいずれかである。
上記アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、t-ブチル、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、これらの水素原子の一部がハロゲンに置換されていてもよい。その中でも特に水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基であることが好ましい。
上記一般式(4a)~(4d)中、下記式(a-1)又は(a-2)で示される部位は酸により脱保護する保護基(以下、「酸不安定性基」ともいう)であり、酸の作用で分解してカルボン酸又はフェノール性水酸基を生成して現像液に対する溶解性が変化する。
なお、下記式(a-1)及び(a-2)における破線は、上記式(4a)~(4d)中のL又は酸素原子との結合部を示す。下記式(a-1)及び(a-2)におけるR~R7は上記一般式(4a)~(4d)におけるR~R7と同じ選択肢から選択されることが好ましい。
Figure 0007249198000017
上記式(a-1)中、R及びRは独立して各々に直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、t-ブチル、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタン-1-イル基、アダマンタン-2-イル基、ノルボルナン-1-イル基及びノルボルナン-2-イル基等のアルキル基等が挙げられる。
は置換基を有してもよい直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり、アルキル基としてはRのアルキル基のそれぞれと同じ選択肢から選択され、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されていてもよい。前記R、R、及びRは単結合で直接に又はメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して環構造を形成してもよい。
上記式(a-2)中、R及びRは独立して各々に、水素原子、及び、直鎖又は環状のアルキル基であり、アルキル基としてはRのアルキル基のそれぞれと同じ選択肢から選択される。
は置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、アルキル基としてはRのアルキル基のそれぞれと同じ選択肢から選択され、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されていてもよい。前記R、R及びRは単結合で直接に又はメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して環構造を形成してもよい。
上記式(a-1)及び(a-2)として具体的に、下記に示す構造が例示できる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
Figure 0007249198000018
上記一般式(4c)~(4d)におけるRは、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかである。これらは、R13のそれぞれと同じ選択肢から選択される。
上記一般式(4a)~(4d)におけるLは、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、置換基を有してもよい直鎖、分岐若しくは環状のアルキレンカルボニルオキシ基又はアルキレンカルボニルアミノ基であり、カルボニルオキシ基又はカルボニルアミノ基が上記酸不安定性基と結合する。
上記式(4a)~(4d)中、lは1~2の整数であり、mは、lが1のとき0~4、lが2のとき0~6の整数であり、nは、lが1のとき1~5、lが2のとき1~7の整数であり、m+nは、lが1のとき1~5であり、lが2のとき1~7である。
上記一般式(4a)~(4d)で表される単位Bとして、具体的に下記に示すものが例示できる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
Figure 0007249198000019
上記樹脂(B)に代えて又は加えて、酸により重合する重合性基を有する化合物及び/又は酸により架橋作用を有する架橋剤を組成物に含有させてもよい。酸により重合する重合性基を有する化合物とは、酸によって重合することにより現像液に対する溶解性を変化させる化合物である。例えば水系現像の場合、水系現像液に対して可溶である化合物に対して作用し、重合後に該化合物を水系現像液に対して溶解性を低下させるものである。具体的には、エポキシ基、ビニルオキシ基及びオキセタニル基等を有する化合物が挙げられる。
酸により重合する重合性基を有する化合物は、重合性低分子化合物であっても、重合性基を有する単位含有ポリマー成分であってもよい。
酸により架橋作用を有する架橋剤とは、酸によって架橋することにより現像液に対する溶解性を変化させる化合物である。例えば水系現像の場合、水系現像液に対して可溶である化合物に対して作用し、重合後又は架橋後に該化合物を水系現像液に対して溶解性を低下させるものである。具体的には、エポキシ基、ビニルオキシ基、1-アルコキシアミノ基及びオキセタニル基等の架橋性基を有する架橋剤が挙げられる。該化合物が架橋作用を有する架橋剤であるとき、架橋する相手の化合物、つまり架橋剤と反応して現像液に対する溶解性が変化する化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられる。
酸により架橋作用を有する化合物は、架橋性低分子化合物であっても、架橋性基を有する単位含有ポリマー成分であってもよい。
上記樹脂(B)は、上記式(4a)~(4d)で表される単位Bの少なくともいずれかに加えて、レジスト組成物において通常用いられているその他の単位をポリマー成分に含有させてもよい。その他の単位としては、例えば、ラクトン骨格、スルトン骨格、スルホラン骨格及びラクタム骨格等からなる群より選択される少なくともいずれかの骨格を有する単位;エーテル構造、エステル構造、アセタール構造、及びヒドロキシ基を有する構造等からなる群より選択される少なくともいずれかの構造を有する単位;ヒドロキシアリール基含有単位;等が挙げられる。さらに、樹脂(B)は上記単位Aを含有しても良い。
上記樹脂(B)は、上記単位Bを含むホモポリマーとして、又は、上記単位Bと、上記単位A及び後述する一般式(5a)~(5b)からなる群より選択される少なくとも1つの単位Cと、を有するコポリマーとして、組成物に含まれていてもよい。樹脂(B)がコポリマーである場合、上記樹脂(B)における上記単位Bは、ポリマー全単位中、3~50モル%であることが好ましく、5~35モル%であることがより好ましく、7~30モル%であることがさらに好ましい。
(樹脂(C))
本発明のひとつの態様においては、組成物が、下記式(5a)~(5b)で表される単位Cを1種類以上含む樹脂(C)を含むか、又は、上記樹脂(B)が上記単位Cの少なくともいずれかをさらに含むことが好ましい。
Figure 0007249198000020
上記式(5a)及び(5b)中、R、R及びLは独立して各々、上記式(4a)~(4d)のR、R及びLの各々と同じ選択肢から選択される。
は、-C(O)-O-、-SO-及び-O-SO-からなる群より選択される少なくともいずれかを含む環式基である。
pは0~4の整数であり、qは1~5の整数である。
上記環式基としては、ラクトン骨格;スルトン骨格;スルホラン骨格を含有する基等が挙げられる。
上記式(5a)~(5b)で表される単位Cは、上記単位A及び/又は上記式(4a)~(4d)で表される少なくともいずれかを単位Bとして含むコポリマーに含まれていてもよく、また、別のポリマーの単位であってもよい。
上記式(5a)で表される単位はヒドロキシアリール基含有単位(以下、「単位C1」ともいう)であり、上記式(5b)で表される単位はラクトン骨格;スルトン骨格;スルホラン骨格含有単位(以下、「単位C2」ともいう)である。
ヒドロキシアリール基含有単位C1を有するポリマーを用いた場合、上記光酸発生剤が分解する際の水素源となり得、酸発生効率をより向上させることができ、高感度となるため好ましい。また、ヒドロキシアリール基含有単位C1を有するポリマーはイオン化ポテンシャルが低いため、後述する第1活性エネルギー線に電子線又は極端紫外線(EUV)を用いる場合、2次電子を生成しやすく、上記光酸発生剤の酸発生効率を向上させ、高感度となるため好ましい。
上記ヒドロキシアリール基含有単位C1は下記に示すものが例示できる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
Figure 0007249198000021
上記ヒドロキシアリール基含有単位C1が、上記単位A及び上記単位Bからなる群より選択される少なくとも1つと共に同一ポリマーの単位として含まれる場合、上記ヒドロキシアリール基含有単位C1は、水系現像のポジ型レジスト組成物用ではポリマー全単位中、3~90モル%であることが好ましく、5~80モル%であることがより好ましく、7~70モル%であることがさらに好ましい。水系現像のネガ型レジスト組成物用ではポリマー全単位中、60~99モル%であることが好ましく、70~98モル%であることがより好ましく、75~98モル%であることがさらに好ましい。
ラクトン骨格;スルトン骨格;スルホラン骨格含有単位C2は下記に示すものが例示できる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
Figure 0007249198000022
単位C2としてスルトン骨格含有単位又はスルホラン骨格含有単位を用いた場合、第1活性エネルギー線として電子線又は極端紫外線(EUV)照射によってイオン化することで酸を発生するため、本発明のいくつかの態様におけるオニウム塩のアセタールの脱保護反応に寄与して第2活性エネルギー線に吸収を持つケトン誘導体をより多く生成できる。また、上記単位Bを含む樹脂(B)との反応による極性変換にも寄与して樹脂の現像液に対する溶解性がより変化することで、高感度となるため好ましい。
単位C2としてラクトン骨格含有単位、スルトン骨格含有単位;スルホラン骨格含有単位が、上記単位A及び上記単位Bからなる群より選択される少なくとも1つと共に同一ポリマーの単位として含まれる場合、上記単位C2はポリマー全単位中、3~70モル%であることが好ましく、5~50モル%であることがより好ましく、7~40モル%であることがさらに好ましい。
本発明のひとつの態様の組成物において、上記単位A、上記単位B、及び上記単位C以外に、その他の化合物を同一ポリマーの単位として樹脂(B)及び/又は樹脂(C)に含んでいてもよい。その他の化合物としては、ArFリソグラフィ、KrF リソグラフィ、電子線リソグラフィ、EUVリソグラフィ等の樹脂組成物として一般的に使用されている化合物であれば特に限定されない。
(スルホン若しくはスルホン酸エステルを含む低分子化合物、又は、ポリマー)
本発明のひとつの態様の組成物は、スルホン若しくはスルホン酸エステルを含む低分子化合物、又は、ポリマーを含んでいても良い。
上記スルホン又はスルホン酸エステルとしては、特に制限はないが直鎖、分岐若しくは環状のアルキル、又は、アリール基を有するものが好ましい。アルキル又はアリール基の一部又はすべての水素原子がフッ素原子に置換されたものがさらに好ましい。当該化合物が含まれることで電子線又は極端紫外線の照射によりイオン化することで酸を発生するため、レジストの感度を上げることが出来る。
スルホン又はスルホン酸エステルを含む化合物の含有量は光酸発生剤総量を除くレジスト組成物成分100質量部に対し0.1~50質量部であることが好ましい。
上記スルホン又はスルホン酸エステルを含む化合物として具体的にはジメチルスルホン、イソプロピルメチルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホン、フェニルトリフルオロメチルスルホン、ビス(4-フルオロフェニル)スルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸イソプロピル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸メチル、1,3-プロパンスルトン、1-プロペン1,3-スルトン、1,4-ブタンスルトン、1,2-ビス(トシルオキシ)エタン、1,8-ナフトスルトン、等であり、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(含フッ素はっ水ポリマー)
本発明のひとつの態様の組成物は、含フッ素はっ水ポリマーを含んでいても良い。
上記含フッ素はっ水ポリマーとしては、特に制限はないが液浸露光プロセスに通常用いられるものが挙げられ、上記ポリマーよりもフッ素原子含有率が大きい方が好ましい。含フッ素はっ水ポリマーを含有した組成物を用いてレジスト膜を形成する場合に、含フッ素はっ水ポリマーのはっ水性に起因して、レジスト膜表面に上記含フッ素はっ水ポリマーを偏在化させることができる。
フッ素はっ水ポリマーのフッ素含有率としては、フッ素はっ水ポリマー中の炭化水素基における水素原子の25モル%以上がフッ素化されていることが好ましく、50モル%以上フッ素化されていることがより好ましい。
組成物中のフッ素はっ水ポリマーの含有量としては、本発明のひとつの態様の上記ポリマー(該フッ素はっ水ポリマーでないもの)100質量部に対し、0.5~10質量部であることが、レジスト膜の疎水性が向上する点から好ましい。フッ素はっ水ポリマーは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(光増感剤及びその前駆体)
本発明のひとつの態様の組成物は、光増感剤及びその前駆体を含んでいてもよい。以下、光増感剤及びその前駆体を合わせて「増感化合物」ともいう。
上記増感化合物としては、本発明のいくかの態様に係るオニウム塩の効果を低減しなければ特に制限はないが、チオキサントン誘導体及びそのアセタール化化合物、ベンゾフェノン誘導体及びそのアセタール化化合物、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体及びアルキルアルコール及びアリールアルコール等が挙げられる。
また、増感化合物として例えば下記一般式(7)で表される光増感剤前駆体を含んでいても良い。上記光増感剤前駆体が含まれることで、第1活性エネルギー線を照射することで上記光増感剤前駆体から光増感剤が生成し、その後、第2活性エネルギーを照射することで上記光増感剤と本発明のいくかの態様に係るオニウム塩との間で生じる増感反応を利用できるため、レジストの感度を上げることが出来ることから好ましい。
Figure 0007249198000023
上記式(7)中、Ar11及びAr12は、独立して各々に、置換基を有していてもよいフェニレン基であり、R21は、置換基を有していてもよいアルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基からなる群より選択されるいずれかであり、Wは、硫黄原子、酸素原子及び直接結合からなる群より選択されるいずれかであり、R22は、置換基を有していてもよいアルキル基及びアリール基のいずれかであり、Yは、独立して各々に、酸素原子及び硫黄原子のいずれかであり、R23及びR24は、独立して各々に、置換基を有してもよい直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基並びにアラルキル基からなる群より選択されるいずれかであり、上記R23及びR24は、互いに結合して式中の2つのYと環構造を形成していてもよい。
上記式(7)中のAr11及びAr12は、それぞれフェニレン基であり、それぞれR21以外又は-W-R22以外に置換基(以下、Ar11及びAr12の置換基を「第4置換基」という)を有していてもよい。なお、Ar11及びAr12は、合成の点から間接的に結合して環を形成していないことが好ましい。
上記第4置換基としては電子供与性基が挙げられる。該電子供与性基として具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシフェニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基等が挙げられる。第4置換基として、ポリエチレングリコール鎖(-(CO-)を有する長鎖アルコキシ基も挙げられる。また、第4置換基がAr11又はAr12のパラ位に結合する場合、OH基を第4置換基として有していてもよい。
なお、本発明において、Ar11又はAr12の「パラ位」等の置換位置は、上記式(7)中の2つのYとAr11とAr12と結合する4級炭素が結合する基に対する位置をいう。第4置換基だけでなく、他の基についても、「パラ位」等の置換位置の基準は上記4級炭素と結合する基に対する位置とする。
第4置換基としてのアルキル基、アルケニル基としては、上記式(1)におけるR11のアルキル基、アルケニル基と同様の選択肢から選択される。第4置換基としてのアルコキシ基としては、上記第1置換基におけるアルコキシ基(-OR)と同様の選択肢から選択される。
第4置換基としてのアルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基としては、後述するR21のアルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基と同様のものが挙げられる。
第4置換基における上記アルキル基の任意のメチレン基が-C(=O)-基又は-O-C(=O)-基で置換された基であってもよい。ただし、-C(=O)-基及び-O-C(=O)-基は、上記4置換基において、Ar11及びAr12に直接結合しないことが好ましい。また、上記第4置換基において、-O-O、-S-S-及び-S-O-等のヘテロ原子の連続した繋がりを有しないことが好ましい。
第4置換基が、アルコキシ基、アルコキシフェニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基のときは、Ar11及びAr12であるフェニレン基のオルト位及び/又はパラ位に結合していることが好ましい。その際、置換基の数は3つ以下であることが好ましい。
上記式(7)中のR21としては、置換基を有していてもよいアルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びアルキルスルファニルフェニル基からなる群より選択されるいずれかである。
21のアルキルスルファニル基として具体的には、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、n-プロピルスルファニル基、n-ブチルスルファニル基等の炭素数1~20のアルキルスルファニル基が好ましく、炭素数1~12のアルキルスルファニル基がより好ましい。
21のアリールスルファニル基として具体的には、フェニルスルファニル基、ナフチルスルファニル基等が挙げられる。
21のアルキルスルファニルフェニル基として具体的には、メチルスルファニルフェニル基、エチルスルファニルフェニル基、プロピルスルファニルフェニル基、ブチルスルファニルフェニル等の炭素数1~20のアルキルスルファニル基が結合したフェニル基が好ましく挙げられ、炭素数1~12のアルキルスルファニル基が結合したフェニル基がさらに好ましい。R21においてフェニレン基に結合するアルキルスルファニル基の置換位置としては特に制限はないが、パラ位であることが電子供与性と365nmのモル吸光係数を高める点から好ましい。上記R21は、Ar11であるフェニレン基のオルト位又はパラ位に結合していることが好ましい。
上記式(7)中のR22としては、置換基を有していてもよいアルキル基及びアリール基のいずれかであり、上記R11のそれぞれと同様の選択肢から選択される。
上記式(7)中のR21及びR22は置換基を有していてもよく、該置換基(以下、R21及びR22の置換基を「第5置換基」という)としては、特に制限されないが、上記第4置換基に加え、電子吸引性基等が挙げられる。電子吸引性基としては、ニトロ基、スルホニル基等が挙げられる。上記R21又はR22に重合性基を導入し、これを重合したものを増感作用を付与したポリマーとして用いてもよく、第5置換基がポリマー主鎖を含む構成であってもよい。上記重合性基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、ビニル基等が挙げられる。
上記式(7)のWが酸素原子又は硫黄原子であるとき、上記WがAr12のオルト位又はパラ位であることが好ましい。上記Wが直接結合であるときは、上記WがAr12のオルト位又はパラ位であることが好ましい。
上記式(7)中のR21の総炭素数は特に制限はなく、R21が置換基を有する場合、総炭素数1~20であることが好ましい。上記式(7)中のR22の総炭素数は特に制限はなく、R22が置換基を有する場合、総炭素数1~20であることが好ましい。
なお、上記光増感剤前駆体がポリマーである場合、第5置換基となるポリマー主鎖を
含む部分を除いたR21及びR22の総炭素数が1~20であることが好ましい。
Yは、独立して各々に、酸素原子及び硫黄原子のいずれかである。
23及びR24は、独立して各々に、置換基を有してもよい、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基、並びに、アラルキル基からなる群より選択されるいずれかである。R23及びR24のアルキル基、アルケニル基としては、上記式(1)におけるR11のアルキル基、アルケニル基と同様の選択肢から選択される。
23及びR24のアルキニル基としては上記R23及びR24のアルキル基の一部が三重結合になったものから選択される。R23及びRのアラルキル基としては、上記R23及びR24のアルキル基の水素の一部が、フェニル基、ナフチル基等のアリール基で置換されているものから選択される。
上記式(7)中のR23及びR24は置換基を有していてもよく、該置換基(以下、R23及びR24の置換基を「第6置換基」という)としては、特に制限されないが、上記第5置換基に加え、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等も挙げられる。
上記式(7)中のR23及びR24の総炭素数は特に制限はなく、上記光増感剤前駆体がポリマーの構成成分であってもよいが、R23又はR24が置換基を有する場合、それぞれ総炭素数1~20であることが好ましい。
上記R23及びR24は、互いに結合して式中の2つのYと環構造を形成していてもよい。
すなわち、本発明の一つの態様に係る光増感剤前駆体は下記式(8)で示される。下記式(8)において-R25-R26-は、-(CH-であることが好ましく、nは2以上の整数である。nは2以上であれば特に制限はないが、合成のしやすさから8以下であることが好ましい。R25及びR26は、上記式(7)におけるR23及びR24が互いに結合して環を形成したものに対応するものとする。
Figure 0007249198000024
上記式(8)において、R25及びR26は、上記R23及びR24と同様の上記第6置換基を有していても良い。上記R23又はR24に重合性基を導入し、これを重合したものを増感作用を付与したポリマーとして用いても良い。
なお、R23及びR24の総炭素数は1~20であることが好ましい。上記光増感剤前駆体がポリマーである場合、第6置換基となるポリマー主鎖を含む部分を除いたR23及びR24の総炭素数が1~20であることが好ましい。
上記光増感剤前駆体の酸処理後のもの、すなわち上記光増感剤前駆体が酸により脱保護された際に生成するカルボニル基を有する光増感剤は、365nmにおけるモル吸光係数が1.0×10cm/mol以上であることが好ましい。365nmにおけるモル吸光係数は高い方が好ましいが、1.0×1010cm/mol以下が現実的な値である。モル吸光係数を上記範囲とするには、光増感剤前駆体において、例えば、一つ以上のアルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニルフェニル基、又は2つ以上のアルコキシ基若しくはアリールオキシ基を含む構成とすることが挙げられる。
本発明においてモル吸光係数は、溶媒としてクロロホルムを用い、UV-VIS吸光光度計により測定された365nmにおけるものである。
なお、本発明の一つの態様に係る光増感剤前駆体は、合成のしやすさ及び吸光特性の点から、光増感剤前駆体全体において、-Y-R23及び-Y-R24、又は、-Y-R25-R26-Y-以外のアルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルコキシフェニル基、アルキルスルファニルフェニル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれる基が4つ以下であることが好ましい。
上記式(7)又は式(8)で表される光増感剤前駆体としては下記光増感剤前駆体が例示できる。下記例示中、括弧で示されたものはポリマー単位を表している。本発明のいくつかの態様における光増感剤前駆体はこれに限定されない。
Figure 0007249198000025
Figure 0007249198000026
Figure 0007249198000027
本発明の一つの態様に係る光増感剤前駆体の合成方法について説明する。本発明においてはこれに限定されない。
本発明の一つの態様に係る光増感剤前駆体が下記式(9)に示される構造の場合、例えば下記の方法により合成可能である。まず、-W-R22基を有するアルコキシベンゾイルクロリド、アルキルベンゾイルクロリド、チオアルコキシベンゾイルクロリド及びチオアルキルベンゾイルクロリド、並びに、これらのアルキル基がアリール基となったものからなる群より選択される1つと、R21基を有するハロゲン化ベンゼンとを用いて、グリニャール反応により反応させ、ベンゾフェノン誘導体を得る。次いで、該ベンゾフェノン誘導体と、アルコール及び必要に応じて脱水剤としてオルトギ酸トリアルキル(R23、R24=アルキル基)等のオルトエステルとを、0℃~還流温度で1~120時間反応させることにより、下記式(9)に示される誘導体を得ることができる。
Figure 0007249198000028
(その他の成分)
本発明のひとつの態様の組成物には、上記成分以外に必要により任意成分としてさらに、通常のレジスト組成物で用いられる酸拡散制御剤、界面活性剤、有機カルボン酸、有機溶剤、溶解抑制剤、安定剤及び色素、上記以外のポリマー等を組み合わせて含んでいてもよい。
上記酸拡散制御剤は、光酸発生剤から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を制御する効果を奏する。そのため、得られるレジスト組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れたレジスト組成物が得られる。
酸拡散制御剤としては、例えば、同一分子内に窒素原子を1個有する化合物、2個有する化合物、窒素原子を3個有する化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。また、酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
酸拡散制御剤として具体的には、特許3577743号、特開2001-215689号、特開2001-166476号、特開2008-102383号、特開2010-243773号、特開2011-37835号及び特開2012-173505号に記載の化合物が挙げられる。
酸拡散制御剤の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対して0.01~10質量部であることが好ましく、0.03~5質量部であることがより好ましく、0.05~3質量部であることがさらに好ましい。
上記界面活性剤は、塗布性を向上させるために用いることが好ましい。界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマー等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対して0.0001~2質量部であることが好ましく、0.0005~1質量%であることがより好ましい。
上記有機カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、安息香酸誘導体、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2-ナフトエ酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸等を挙げることができる。電子線露光を真空化で行う際にはレジスト膜表面より揮発して描画チャンバー内を汚染してしまう恐れがあるので、好ましい有機カルボン酸としては、芳香族有機カルボン酸、その中でも例えば安息香酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸が好適である。
有機カルボン酸の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対し、0.01~10質量部が好ましく、より好ましくは0.01~5質量部、更により好ましくは0.01~3質量部である。
有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、β-メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等が好ましい。これらの有機溶剤は単独又は組み合わせて用いられる。
レジスト組成物成分は、上記容器溶剤に溶解し、固形分濃度として、1~40質量%で溶解することが好ましい。より好ましくは1~30質量%、更に好ましくは3~20質量%である。このような固形分濃度の範囲とすることで、上記の膜厚を達成できる。
本発明のひとつの態様のレジスト組成物がポリマーを含む場合、ポリマーは、重量平均分子量が2000~200000であることが好ましく、2000~50000であることがより好ましく、2000~15000であることがさらに好ましい。上記ポリマーの好ましい分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は、感度の観点から、1.0~1.7であり、より好ましくは1.0~1.2である。上記ポリマーの重量平均分子量及び分散度は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。
本発明のひとつの態様の組成物は、上記組成物の各成分を混合することにより得られ、混合方法は特に限定されない。
<4>デバイスの製造方法
本発明のひとつの態様は、上記組成物を基板上に塗布する等してレジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜に第1活性エネルギー線を照射す工程と、上記第1活性エネルギー線照射後のレジスト膜に第2活性エネルギー線を照射する工程と、上記第2活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法である。
本発明のひとつの形態は、上記組成物を用いて、レジスト膜を形成する工程と第1活性エネルギー線を照射する工程と第2活性エネルギーを照射する工程とパターンを形成する工程とを含み、個片化チップを得る前のパターンを有する基板の製造方法であってもよい。
本発明のひとつの形態は、上記組成物を用いて基板上に塗布膜を形成する工程と、第1活性エネルギー線及び第2活性エネルギー線を用いて、上記塗布膜を露光し、層間絶縁膜を得る工程とを含むデバイスの製造方法であってもよい。
第1活性エネルギー線及び第2活性エネルギー線としては、本発明のいくつかの態様に係るオニウム塩が、第2活性エネルギー線に顕著な吸収を持たなければ特に制限はないが、第1活性エネルギー線の波長は第2活性エネルギー線よりも短い、又は、光子若しくは粒子線のエネルギーが高いことが好ましい。下記に各活性エネルギー線を例示するが、第1活性エネルギー線の波長が第2活性エネルギー線よりも短い、又は、光子若しくは粒子線のエネルギーが高ければこれに限定されない。
第1活性エネルギー線としては、レジスト膜照射後に該レジスト膜中に酸等の活性種を発生させることができれば特に制限はないが、例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、電子線又は極端紫外線(EUV)等が好ましく挙げられる。
第2活性エネルギー線としては、第1活性エネルギー線の照射後にレジスト膜中に発生した酸により、本発明のいくつかの態様に係るオニウム塩のアセタール又はチオアセタール部分が脱保護して生成したケトン誘導体を活性化して酸等の活性種を発生させ得る光であればよい。例えば、KrFエキシマレーザ光、UV、可視光線等を意味し、特にUV光のうち365nm(i線)~436nm(g線)領域の光を用いることが好ましい。
本発明のひとつの形態のデバイスの製造方法は、第1活性エネルギーを照射する工程と、第2活性エネルギー線を照射する工程との、の間に電熱線又はレーザーにより加熱する工程を有することが好ましい。この工程を有することで、オニウム塩の分解効率が向上し、さらなる感度向上につながり得る。加熱する工程はホットプレート等で実施することができ、デバイスの製造方法においてはプレベークの実施が該工程に相当する。
上記基板としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。例えば、シリコン、窒化シリコン、チタン、タンタル、パラジウム、銅、クロム、アルミニウム等の金属製の基板;ガラス基板;等が挙げられる。
本発明のひとつの態様において、LSI作成のための層間絶縁膜等を得るために用いるフォトリソグラフィ工程の露光に用いる活性エネルギー線としては、UV、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、電子線又は極端紫外線(EUV)等が好ましく挙げられる。
第1活性エネルギー線の照射量は、光硬化性組成物中の各成分の種類及び配合割合、並びに塗膜の膜厚等によって異なるが、1J/cm以下又は1000μC/cm以下であることが好ましい。
本発明のひとつの態様において、上記レジスト組成物により形成されたレジスト膜の膜厚は10~200nmであることが好ましい。上記レジスト組成物は、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布され、60~150℃で1~20分間、好ましくは80~120℃で1~10分間プリベークして薄膜を形成する。この塗布膜の膜厚は5~200nmであり、10~100nmであることが好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
<1>スルホニウム塩の合成
<スルホニウム塩1の合成>
(合成例1)3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールの合成
塩化アルミニウム5.1gを塩化メチレン48gに添加して0℃とする。これに9-エチルカルバゾール6.8gを添加し、4-ブロモベンゾイルクロリド8.4gを塩化メチレン17gに溶解して30分かけて滴下した後に、25℃で1時間撹拌する。その後、純水40gを添加し、撹拌した後に分液して有機層を回収する。有機層に純水35g添加し、撹拌しながら水層が塩基性になるまで25質量%水酸化ナトリウム水溶液5.2gを加えた後に、有機層を回収し、純水40gで3回洗浄し、有機層の塩化メチレンを留去することで3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールを8.3g得る。
Figure 0007249198000029
(合成例2)3-[(4―ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールの合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾール8.0gとオルトギ酸トリメチル1.8gとをメタノール20gに溶解した後に95質量%硫酸200mgを加え、60℃で3時間撹拌する。室温まで冷却し、トリエチルアミン1.0g加えた後にメタノールを留去する。残留物を塩化メチレン48g溶解し、純水32gで3回洗浄し、塩化メチレンを留去することで、3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールを8.8g得る。
Figure 0007249198000030
(合成例3)4―[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩1)の合成
あらかじめ乾燥させたフラスコにテトラヒドロフラン2.0gとマグネシウム360mgと1,2-ジブロモエタン50mgとを加えてマグネシウムを活性化させる。活性化したことを確認後、溶液を50℃に昇温し、そこに上記合成例2で得た3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]―9―エチルカルバゾール4.0gをTHF6.0gに溶解させたものを滴下する。滴下後、50℃で2時間撹拌し、4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を得る。ジフェニルスルホキシド2.2gとトリメチルシリルクロライド1.5gとトリエチルアミン1.5gとを塩化メチレン9.5gに溶解した溶液中に、4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を10℃以下で滴下し、その後25℃で1時間撹拌する。撹拌後、10質量%塩化アンモニウム水溶液30gを5℃以下で添加してさらに10分撹拌した後、塩化メチレン40gとノナフルオロブタンスルホン酸カリウム3.8gを添加して25℃で2時間撹拌する。これを分液して純水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで粗結晶を得る。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=90/10(体積比))により精製することで4-[ジメトキシ-(9―エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩1)を4.7g得る。
Figure 0007249198000031
<スルホニウム塩2の合成>
(合成例4)4―[ジメトキシ―(9―エチルカルバゾール-3―イル)メチル]フェニルジフェニルスルホニウムベンゾエート(スルホニウム塩2)の合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えて安息香酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジフェニルスルホニウムベンゾエート(スルホニウム塩2)を3.5g得る。
Figure 0007249198000032
<スルホニウム塩3の合成>
(合成例5)3-[2-(4-ブロモベンゾイル) -1,3-ジオキソラン-2-イル]-9-エチルカルバゾールの合成
メタノールに代えてエチレングリコールを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで3-[2-(4-ブロモベンゾイル) -1,3-ジオキソラン-2-イル]-9-エチルカルバゾールを8.6g得る。
Figure 0007249198000033
(合成例6)ジフェニル-4-[2-(9-エチルカルバゾール-3-イル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]フェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩3)の合成
3-[(4―ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールに代えて3-[2-(4-ブロモベンゾイル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]-9-エチルカルバゾールを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことでジフェニル-4-[2-(9-エチルカルバゾール-3-イル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]フェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩3)を4.5g得る。
Figure 0007249198000034
<スルホニウム塩4の合成>
(合成例7)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジベンゾチオフェニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩4)の合成
ジフェニルスルホキシドに代えてジベンゾチオフェンオキシドを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジベンゾチオフェニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩4)を3.1g得る。
Figure 0007249198000035
<スルホニウム塩5の合成>
(合成例8)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジベンゾチオフェニウム-4-(3-ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ)-1,1,2-トリフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩5)の合成
ジフェニルスルホキシドに代えてジベンゾチオフェンオキシドを用い、また、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えて4-(3-ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ)-1,1,2-トリフルオロブタンスルホン酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジベンゾチオフェニウム-4-(3-ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ)-1,1,2-トリフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩5)を3.3g得る。
Figure 0007249198000036
<スルホニウム塩6の合成>
(合成例9)3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾチオフェンの合成
9-エチルカルバゾールに代えてジベンゾチオフェンを用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾチオフェンを8.1g得る。
Figure 0007249198000037
(合成例10)3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾチオフェンの合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾチオフェンを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾチオフェンを8.6g得る。
Figure 0007249198000038
(合成例11)4-[(ジベンゾチオフェン-3-イル)ジメトキシメチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩6)の合成
3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールに代えて3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾチオフェンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[(ジベンゾチオフェン-3-イル)ジメトキシメチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩6)を4.5g得る。
Figure 0007249198000039
<スルホニウム塩7の合成>
(合成例12)3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾフランの合成
9-エチルカルバゾールに代えてジベンゾフランを用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾフランを8.1g得る。
Figure 0007249198000040
(合成例13)3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾフランの合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて3-(4-ブロモベンゾイル)ジベンゾフランを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾフランを8.4g得る。
Figure 0007249198000041
(合成例14)4-[(ジベンゾフラン-3-イル)ジメトキシメチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩7)の合成
3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールに代えて3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]ジベンゾフランを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-[(ジベンゾフラン-3-イル)ジメトキシメチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩7)を4.1g得る。
Figure 0007249198000042
<スルホニウム塩8の合成>
(合成例15)4-(4-ブロモベンゾイル)フェニルメチルフェニルアミンの合成
9-エチルカルバゾールに代えてジフェニルメチルアミンを用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで4-(4-ブロモベンゾイル)フェニルメチルフェニルアミンを8.0g得る。
Figure 0007249198000043
(合成例16)4-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]フェニルメチルフェニルアミンの合成
3-(4-ブロモベンゾイル) -9-エチルカルバゾールに代えて4-(4-ブロモベンゾイル)フェニルメチルフェニルアミンを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで4-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]フェニルメチルフェニルアミンを8.2g得る。
Figure 0007249198000044
(合成例17)4-[ジメトキシ-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニル]メチル]フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩8)の合成
3-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]-9-エチルカルバゾールに代えて4-[(4-ブロモフェニル)ジメトキシメチル]メチルフェニルアミンを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことで4-{ジメトキシ-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニル]メチル}フェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩8)を3.9g得る。
Figure 0007249198000045
<スルホニウム塩9の合成>
(合成例18)9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾールの合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾール46gとベンゼンチオール20gと炭酸カルシウム25gとをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)117gに加え、60℃で5時間撹拌する。その後、純水312gと酢酸エチル312gを加えて分液し、有機層を回収する。有機層を純水150gで2回洗浄し、酢酸エチルを留去すると粗結晶が得られる。それをイソプロピルエーテル150gに分散した後に、回収することで9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾールを40g得る。
Figure 0007249198000046
(合成例19)9-エチル-3-(4-フェニルスルフィニルベンゾイル)カルバゾールの合成
9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾール38gをギ酸228gに溶解させた後に35質量%過酸化水素水を9.0g加えて、室温で17時間撹拌する。反応液を純水1100gに滴下し、生じた粗結晶を回収する。粗結晶を塩化メチレン228gに溶解した後に純水152gを加え、撹拌しながら水層が塩基性になるまで25質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを加える。有機層を純水132gで洗浄した後に塩化メチレンを留去することで粗結晶を得る。粗結晶をジイソプロピルエーテル152gに分散した後に、回収することで9-エチル-3-(4-フェニルスルフィニルベンゾイル)カルバゾールを36g得る。
Figure 0007249198000047
(合成例20)3-[ジメトキシ-(4-フェニルスルフィニルフェニル)メチル]-9-エチルカルバゾールの合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて9-エチル-3-(4-フェニルスルフィニルベンゾイル)カルバゾールを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで3-[ジメトキシ-(4-フェニルスルフィニルフェニル)メチル]-9-エチルカルバゾールを9.0g得る。
Figure 0007249198000048
(合成例21)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-フルオロフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩9)の合成
あらかじめ乾燥させたフラスコにテトラヒドロフラン2.0gとマグネシウム330mgとを加える。そこに1-ブロモ-4-フルオロベンゼン1.4gを滴下する。滴下後、50℃で1時間撹拌し、4-フルオロフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を得る。上記合成例20で得た3-[ジメトキシ-(4-フェニルスルフィニルフェニル)メチル]-9-エチルカルバゾール2.0gとトリメチルシリルクロライド920mgとをテトラヒドロフラン10gに溶解した溶液中に、4-フルオロフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を10℃以下で滴下し、その後25℃で1時間撹拌する。撹拌後、トリエチルアミン860mgを加え、10質量%塩化アンモニウム水溶液30gを5℃以下で添加してさらに10分撹拌し、酢酸エチル7.0gを加えて分液して有機層を回収する。テトラヒドロフランと酢酸エチルを留去した後、塩化メチレン15gと純水10gとノナフルオロブタンスルホン酸カリウム1.7gとを添加して25℃で2時間撹拌する。これを分液して純水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで粗結晶を得る。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=90/10(体積比))により精製することで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-フルオロフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩9)を2.1g得る。
Figure 0007249198000049
<スルホニウム塩10の合成>
(合成例22)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-フルオロフェニルフェニルスルホニウム-p-スチレンスルホネート(スルホニウム塩10)の合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えてp-スチレンスルホン酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例21と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-フルオロフェニルフェニルスルホニウム-p-スチレンスルホネート(スルホニウム塩10)を2.1g得る。
Figure 0007249198000050
<スルホニウム塩11の合成>
(合成例23)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-メチルスルファニルフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートの合成
1-ブロモ-4-フルオロベンゼンに代えて1-ブロモ-4-メチルスルファニルベンゼンを用いる以外は上記合成例21と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-メチルスルファニルフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを2.2g得る。
Figure 0007249198000051
(合成例24)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-メチルスルホニルフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩11)の合成
上記合成例23で得た4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-メチルスルファニルフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート200mgをギ酸1.2gに溶解させた後に35質量%過酸化水素水を60mg加えて、60℃で17時間撹拌する。反応液にジクロロメタン10gと純水6gとを加え、有機層を回収する。ジクロロメタンを留去した後にメタノール10gと硫酸10mgとを加え、60℃で3時間撹拌する。室温まで冷却し、トリエチルアミン23mg加えた後にメタノールを留去する。残留物を塩化メチレン10gに溶解し、純水6gで3回洗浄し、塩化メチレンを留去することで4-[ジメトキシ- (9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-メチルスルホニルフェニルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩11)を200mg得る。
Figure 0007249198000052
<スルホニウム塩12の合成>
(合成例25)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-(1-エトキシエトキシ)フェニルフェニルスルホニウムカンファースルホネートの合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えてカンファースルホン酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例21と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-(1-エトキシエトキシ)フェニルフェニルスルホニウムカンファースルホネートを2.0g得る。
Figure 0007249198000053
(合成例26)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-ヒドロキシフェニルフェニルスルホニウムカンファースルホネート(スルホニウム塩12)の合成
4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-(1-エトキシエトキシ)フェニルフェニルスルホニウムカンファースルホネート2.0gをメタノール20gに溶解した後にカンファースルホン酸100mgを加え、60℃で3時間撹拌する。室温まで冷却し、1質量%水酸化ナトリウム水溶液5g加えた後にメタノールを留去する。残留物を塩化メチレン48g溶解し、純水32gで3回洗浄し、塩化メチレンを留去することで、4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-4-ヒドロキシフェニルフェニルスルホニウムカンファースルホネート(スルホニウム塩12)をを1.4g得る。
Figure 0007249198000054
<スルホニウム塩13の合成>
(合成例27)3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェンの合成
ベンゼンチオールに代えてN-メチルアニリンを用いる以外は合成例18と同様の操作を行うことで3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェンを28g得る。
Figure 0007249198000055
(合成例28)3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドの合成
9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾールに代えて3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェンを用いる以外は合成例19と同様の操作を行うことで3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドを20g得る。
Figure 0007249198000056
(合成例29)3-[ジメトキシ-4-(メチルフェニルアミノ)フェニルメチル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドの合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて3-[4-(メチルフェニルアミノ)フェニルカルボニル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドを用いる以外は合成例2と同様の操作を行うことで3-[ジメトキシ-4-(メチルフェニルアミノ)フェニルメチル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドを20g得る。
Figure 0007249198000057
(合成例30)フェニル-3-[ジメトキシ-(4-メチルフェニルアミノ)フェニルメチル]ジベンゾチオフェニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩13)の合成
3-[ジメトキシ-(4-フェニルスルフィニルフェニル)メチル]-9-エチルカルバゾールに代えて3-[ジメトキシ-4-(メチルフェニルアミノ)フェニルメチル]ジベンゾチオフェン-9-オキシドを用い、1-ブロモ-4-フルオロベンゼンに代えてブロモベンゼンを用いる以外は合成例21と同様の操作を行うことでフェニル-3-[ジメトキシ-(4-メチルフェニルアミノ)フェニルメチル]ジベンゾチオフェニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩13)を3.1g得る。
Figure 0007249198000058
<スルホニウム塩14の合成>
(合成例31)ジフェニル-4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルスルホニウム-4-メタクリロキシ-1,1,2-トリフルオロブタンスルホネートの合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えて4-メタクリロキシ1,1,2-トリフルオロブタンスルホン酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例21と同様の操作を行うことでジフェニル-4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルスルホニウム-4-メタクリロキシ-1,1,2-トリフルオロブタンスルホネートを1.5g得る。
Figure 0007249198000059
<スルホニウム塩15の合成>
(合成例32)4-メチルスルファニルベンゾイルクロリドの合成
4-メチルスルファニル安息香酸24.7gに塩化チオニル148gを添加して60℃で4時間撹拌する。撹拌後、塩化チオニルを減圧下で留去することで4-メチルスルファニルベンゾイルクロリドを27.5g得る。
Figure 0007249198000060
(合成例33)9-エチル-3-(4-メチルスルファニルベンゾイル)カルバゾールの合成
4-ブロモベンゾイルクロリドに代えて4-メチルスルファニルベンゾイルクロリドを用いる以外は合成例1と同様の操作を行うことで9-エチル-3-(4-メチルスルファニルベンゾイル)カルバゾールを34g得る。
Figure 0007249198000061
(合成例34)ジメチル-4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートの合成
上記合成例33で得られた9-エチル-3-(4-メチルスルファニルベンゾイル)カルバゾール1.0gをアセトニトリル7.0gに溶解し、これにジメチル硫酸920mgを添加して70℃で4時間撹拌する。撹拌後、純水20gを加えてさらに10分撹拌し、トルエン13gを加えて洗浄する。得られた水層にノナフルオロブタンスルホン酸カリウム1.5gと塩化メチレン10gとを加えて1時間程度撹拌する。これを分液して水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで粗結晶を得る。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=90/10(体積比))により精製することでジメチル-4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを1.6g得る。
Figure 0007249198000062
(合成例35)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジメチルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩15)の合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えてジメチル-4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルジメチルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(スルホニウム塩15)を1.7g得る。
Figure 0007249198000063
<ヨードニウム塩1の合成>
(合成例36)9-エチル-3-(4-ヨードベンゾイル)カルバゾールの合成
4-ブロモベンゾイルクロリドに代えて4-ヨードベンゾイルクロリドを用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことで9-エチル-3-(4-ヨードベンゾイル)カルバゾールを9.1g得る。
Figure 0007249198000064
(合成例37)4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートの合成
硫酸16gに合成例36で得られた9-エチル-3-(4-ヨードベンゾイル)カルバゾール4gを加え、その後10℃以下で過硫酸カリウム10gを少しずつ加えて30分間撹拌する。撹拌後、ベンゼン9.8gを加えて25℃で3時間さらに撹拌する。撹拌後、10℃以下で純水30gを加え、その後、塩化メチレン40gとノナフルオロブタンスルホン酸カリウム4.7gを添加して25℃で2時間程度撹拌する。これを分液して水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで粗体を得る。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=90/10(体積比))により精製することで4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートを4.5g得る。
Figure 0007249198000065
(合成例38)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート(ヨードニウム塩1)の合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて4-(9-エチルカルバゾール―3-イルカルボニル)フェニルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート(ヨードニウム塩1)を4.2g得る。
Figure 0007249198000066
<ヨードニウム塩2の合成>
(合成例39)4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニル-2,4,6-トリメチルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートの合成
ベンゼンに代えてメシチレンを用いる以外は上記合成例38と同様の操作を行うことで4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニル-2,4,6-トリメチルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートを4.4g得る。
Figure 0007249198000067
(合成例40)4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-2,4,6-トリメチルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート(ヨードニウム塩2)の合成
3-(4-ブロモベンゾイル)-9-エチルカルバゾールに代えて4-(9-エチルカルバゾール-3-イルカルボニル)フェニル-2,4,6-トリメチルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことで4-[ジメトキシ-(9-エチルカルバゾール-3-イル)メチル]フェニル-2,4,6-トリメチルフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート(ヨードニウム塩1)を4.6g得る。
Figure 0007249198000068
<ポリマーAの合成>
(合成例41)ポリマーAの合成
ポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量8000)8.0gと35質量%塩酸水溶液0.010gとを脱水ジオキサン28gに溶解する。そこに2.73gのシクロヘキシルビニルエーテルを2.80gの脱水ジオキサンに溶解して30分かけてポリヒドロキシスチレン溶液に滴下する。滴下後に40℃として2時間撹拌する。撹拌後、冷却した後にジメチルアミノピリジン0.014gを添加する。その後、溶液を純水260g中に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を純水300gで2回洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記に示すポリマーAを9.2g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000069
<ポリマーBの合成>
(合成例42)ポリマーBの合成
アセトキシスチレン7.0gとt-ブチルメタクリレート3.1gとブチルメルカプタン0.022gとジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(AIBN)0.40gとをテトラヒドロフラン(THF)35gに溶解して脱酸素する。これをあらかじめ窒素気流化で還流温度としたTHF20g中に4時間かけて滴下する。滴下後、2時間撹拌してから室温に冷却する。これをヘキサン149gとTHF12gの混合溶媒中に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体をヘキサン52gで洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーBを10.3g得る。ゲル浸透クロマトグラフィーを用いてポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は9200である。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000070
(合成例43)ポリマーCの合成
ポリマーB6.0gとトリエチルアミン6.0gとメタノール6.0gと純水1.5gとをプロピレングリコールモノメチルエーテル30gに溶解し還流温度で6時間撹拌する。その後25℃に冷却し、得られた溶液をアセトン30gと純水30gの混合液に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を純水30gで2回洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーCを4.3g得る。ゲル浸透クロマトグラフィーを用いてポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は9100である。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000071
<ポリマーDの合成>
(合成例44)ポリマーDの合成
α-メタクリルオキシ-γ-ブチロラクトン5.0gと2-メチルアダマンタン-2-メタクリレート6.0gと3-ヒドロキシアダマンタン-1-メタクリレート4.3gとジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.51gとをプロピレングリコール-1-モノメチルエーテルアセテート(PGMEA)26gに溶解して脱酸素する。これをあらかじめ85℃に加熱したPGMEA7.5gに4時間かけて滴下する。2時間撹拌した後、冷却する。冷却後にヘキサン180gに滴下することで再沈殿する。これをろ過し、ヘキサン70gで分散洗浄後に再度ろ過し、その後に真空乾燥することで、酸により反応する化合物として、下記式で表されるポリマーDを8.5g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000072
<ポリマーEの合成>
(合成例45)ポリマーEの合成
t-ブチルメタクリレートに代えてp-t-ブトキシスチレンを用いること以外は上記合成例42と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーEを10.1g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000073
(合成例46)ポリマーFの合成
ポリマーBに代えてポリマーEを用いること以外は上記合成例43と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーFを4.1g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000074
<ポリマーGの合成>
(合成例47)ポリマーGの合成
モノマーとして5-メタクリロイルオキシノルボルナン2,6-ラクトン5.5gと4-(1-エトキシエトキシ)フェニルメタクリレート6.2gと4-ヒドロキシフェニルメタクリレート4.4gとを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーGを8.0g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000075
<ポリマーHの合成>
(合成例48)ポリマーHの合成
アセトキシスチレンに代えて1-アセトキシ-4-ビニルナフタレンを用い、また、t-ブチルメタクリレートに代えて1-(2-テトラヒドロピラニルオキシ)-4-ビニルナフタレンを用いること以外は上記合成例42と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーHを10.5g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000076
(合成例49)ポリマーIの合成
ポリマーBに代えてポリマーHを用いること以外は上記合成例43と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーIを4.3g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000077
<ポリマーJの合成>
(合成例50)ポリマーJの合成
α-メタクリルオキシ-γ-ブチロラクトンに代えて2-メタクリロイルオキシ-1,3-プロパンスルトンを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーJを8.0g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000078
<ポリマーKの合成>
(合成例51)ポリマーKの合成
α-メタクリルオキシ-γ-ブチロラクトンに代えて2-メタクリロイルオキシ-1,3-プロパンスルトンを用い、また、2-メチルアダマンタン-2-メタクリレートを1-エトキシエチルメタクリレートを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーKを8.2g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000079
<ポリマーLの合成>
(合成例52)ポリマーLの合成
モノマーとして5-メタクリロイルオキシノルボルナン2,6-スルトン7.2gと2-(1-エトキシエトキシ)-6-ビニルナフタレン5.9gと2-ヒドロキシ-6-ビニルナフタレン3.0gとを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーLを8.0g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000080
<ポリマーMの合成>
(合成例53)ポリマーMの合成
モノマーとして上記合成例31で得たスルホニウム塩14を4.7gと5-メタクリロイルオキシノルボルナン2,6-ラクトン3.9gと4-(1-エトキシエトキシ)フェニルメタクリレート4.2gと4-ヒドロキシフェニルメタクリレート3.2gとを用いること以外は上記合成例44と同様の操作を行うことで下記式に示すポリマーMを7.8g得る。なお、本発明におけるポリマーの単位のモノマー比は下記に限定されない。
Figure 0007249198000081
[実施例1~7及び比較例1~2]
<電子線感度評価1>
下記のようにしてサンプルを調製した。シクロヘキサノン3000mgに、上記ポリマーA、C、D、J、K及びMから選択されるいずれかの樹脂500mgと、光酸発生剤(PAG)及び増感化合物から選択される単独又は複数で適宜選択してそれぞれ0.036mmolと、酸拡散制御剤を0.0012mmolと、の割合で添加して組成物サンプル1~9を調整した。
上記光酸発生剤(PAG)としては上記スルホニウム塩1及び4、下記に示す比較スルホニウム塩1及び2を用いた。比較スルホニウム塩1は比較増感化合物1'を合わせて用いた。
酸拡散制御剤としてはトリオクチルアミンを用いた。
Figure 0007249198000082
電子線感度評価は下記のようにして行う。あらかじめヘキサメチレンジシラザンを修飾したシリコンウェハ上に上記レジスト組成物サンプル1をスピンコートする。これを110℃のホットプレート上に1分間プレベークすることで、厚さ200nmの塗布膜が形成された基板を得る。該基板の塗布膜に対し、電子線描画装置を用いて30keVの電子線により200nmのラインアンドスペースパターンとなるように描画する。電子線照射後に60℃のホットプレート上で30秒PEBを実施した後に基板をUV露光装置(355nm~410nm)によって500mJ/cmの露光量で全面露光し、次いで、ホットプレート上で110℃で1分間加熱する。現像液(製品名:NMD-3、水酸化テトラメチルアンモニウム2.38質量%水溶液、東京応化工業(株)製)を用いて1分間現像し、その後に純水でリンスすることで200nmのラインアンドスペースパターンを得る。このときの電子線照射量をEsize[μC/cm]として電子線照射による感度を求める。上記その他のサンプル2~9に対しても、上記と同様にして感度評価を行う。サンプル組成と結果を表1に示す。
表1において、それぞれのサンプルの感度は、比較スルホニウム塩1と比較増感化合物1'を添加したサンプル8(比較例1)の感度を100として、それに対するサンプル(実施例1~7及び比較例2)の評価結果を相対値として算出した。感度は数値が小さいほど優れた効果を有することを示す。
Figure 0007249198000083
いずれのポリマーにおいても本発明のいくつかの態様に係るオニウム塩を含有するサンプルである実施例1~7は、比較例1及び比較例2(比較例2のサンプル9は、例えばWO2018/074382に開示されているオニウム塩の一つを含有するサンプルである)と比較してUV照射後の感度が高いことが分かった。理由としては下記が考えられる。スルホニウム塩1及びスルホニウム塩4は、UV波長付近(>365nm)での吸収が比較スルホニウム塩2と比較して高くなり、UV照射後の感度が高くなるためと考えられる。スルホニウム塩1及びスルホニウム塩4がUV波長付近で吸収が高くなるのは、アミノ基を有し且つ縮環構造を有することに起因すると推測される。
図1に、スルホニウム塩1と比較スルホニウム塩2とのUV吸収係数を示す。図1に示すように、スルホニウム塩1は比較スルホニウム塩2よりもUV波長での吸収が大きくなる。UV吸収係数が増加するとUV照射による酸発生効率が向上するため感度が高くなる。
スルホニウム塩8はアミノ基を有することから、スルホニウム塩1と同様にUV波長付近での吸収が比較スルホニウム塩2と比較して高くなり、UV照射後の感度が高くなる。
また、スルホニウム塩6等も、酸素原子や硫黄原子の縮環構造を有することで、スルホニウム塩1と同様にUV波長付近での吸収が比較スルホニウム塩2と比較して高くなり、UV照射後の感度が高くなる。
本発明のいくつかの態様により、電子線又は極端紫外線等の第1活性エネルギー線照射により生じる活性種によってオニウム塩をケトン誘導体に構造変化させ、第2活性エネルギー線照射によって該ケトン誘導体が活性種を発生させることができるオニウム塩を含有する樹脂組成物を提供できる。上記オニウム塩が特定の置換基又は特定の構造を有することで、具体的にはアミノ基又はヘテロ縮環構造を有することで、照射するUV波長の吸収が向上する。そのため、上記オニウム塩を含む上記樹脂組成物は、UV照射により効率よく酸を発生する高感度なレジスト組成物となり得る。

Claims (13)

  1. 下記一般式(3)で表されるオニウム塩。
    Figure 0007249198000084
    (前記式()中、R11及びR12は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数~12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかであり、
    前記R11、R12及びスルホニウム基が結合したアリール基のうちいずれか2つ以上は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよく、
    前記R11及びR12中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
    13及びR14は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、且つ、これらは置換基を有していても良く、
    14の少なくとも1つがアミノ基であるか、又は、R14が、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基からなる群より選択されるいずれかを介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成しており、
    15及びR16は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数~12のアルケニル基;置換基を有してもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかであり、
    前記R15及びR16は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びアルキレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに結合して環構造を形成してもよく、
    前記R15及びR16中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
    18 は、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、且つ、これらは置換基を有しても良く、
    2 及びL は、独立して各々に、直接結合;メチレン基;酸素原子;硫黄原子;窒素原子含有基;からなる群より選択されるいずれかであり、前記メチレン基は置換基を有してもよく、且つ、L 2 及びL のうちどちらか一方は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基のいずれかであり、
    Yは酸素原子又は硫黄原子であり、
    eは0~4の整数であり、
    fは0~3の整数であり、
    gは0~4の整数であり、
    は1価の対アニオンを表す。
  2. 請求項1に記載のオニウム塩を少なくとも含む光酸発生剤。
  3. 請求項に記載の光酸発生剤と、酸反応性化合物と、を含む組成物。
  4. 酸拡散制御剤をさらに含む請求項に記載の組成物。
  5. 前記酸反応性化合物が酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂(B)であり、
    前記樹脂(B)が、下記(4a)~(4d)で表される単位の少なくともいずれかを有する、請求項又はに記載の組成物。
    Figure 0007249198000085
    (前記式(4a)中、
    は水素原子、アルキル基及びハロゲン化アルキル基からなる群より選択されるいずれかであり、
    及びRは独立して各々に、直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、
    は置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、
    前記R、R、及びRのうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよく、
    は、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキレンカルボニルオキシ基、及び、アルキレンカルボニルアミノ基からなる群より選択されるいずれかである。
    前記式(4b)中、R及びLは、前記式(4a)のR及びLの各々と同じ選択肢から選択され、
    及びRは独立して各々に、水素原子、及び、直鎖、分岐又は環状のアルキル基からなる群より選択されるいずれかであり、
    は置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、
    前記R、R、及びRのうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
    前記式(4c)中、R~R及びLは、前記式(4a)のR~R及びLの各々と同じ選択肢から選択され、
    は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、
    のうち2つ以上が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよく、
    lは1~2の整数であり、
    mは、lが1のとき0~4、lが2のとき0~6の整数であり、
    nは、lが1のとき1~5、lが2のとき1~7の整数であり、
    m+nは、lが1のとき1~5であり、lが2のとき1~7である。
    前記式(4d)中、R、R~R、R、L、l及びnは、前記式(4a)~(4c)のR、R~R、R、L、l及びnの各々と同じ選択肢から選択される。)
  6. 前記樹脂(B)が下記一般式(5a)~(5b)で表される単位の少なくともいずれかを含む、又は、
    前記組成物が下記一般式(5a)~(5b)で表される単位の少なくともいずれかを含む樹脂(C)をさらに含む請求項に記載の組成物。
    Figure 0007249198000086
    (前記式(5a)中、R、R及びLは独立して各々、前記式(4a)のR、R及びLの各々と同じ選択肢から選択され、
    pは0~4の整数であり、qは1~5の整数である。
    前記式(5b)中、R及びLは独立して各々、前記式(4a)のR及びLの各々と同じ選択肢から選択され、
    は、-C(O)-O-、-SO-及び-O-SO-からなる群より選択される少なくともいずれかを含む環式基である。)
  7. 前記光酸発生剤が、前記オニウム塩におけるXが下記一般式(6)で表される単位を有する酸発生剤単位含有樹脂である、請求項のいずれか一項に記載の組成物。
    Figure 0007249198000087
    (前記式(6)中、R及びLは各々独立に、前記式(4a)のR及びLと同じ選択肢からそれぞれ選択され、
    は、炭素原子数1~12の直鎖又は分岐のアルキレン基、炭素原子数~12の直鎖又は分岐のアルケニレン基、及び、炭素原子数6~14のアリーレン基からなる群から選択されるいずれかであり、
    前記アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基が有する水素の一部又は全てがフッ素原子に置換されてもよく、
    前記アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基中の少なくとも1つのメチレン基が、2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。)
  8. 請求項のいずれか一項に記載の組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜に第1活性エネルギー線を照射する工程と、
    前記第1活性エネルギー線照射後のレジスト膜に第2活性エネルギー線を照射する工程と、
    前記第2活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法。
  9. 前記第1活性エネルギー線の波長が、前記第2活性エネルギー線の波長よりも短い請求項に記載のデバイスの製造方法。
  10. 前記第1活性エネルギー線が電子線又は極端紫外線である請求項又はに記載のデバイスの製造方法。
  11. 前記第1活性エネルギー線を照射する工程と、前記第2活性エネルギー線を照射する工程と、の間に、電熱線又はレーザーにより加熱する工程を含む請求項10のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  12. 前記第1活性エネルギー線照射によりレジスト膜中で前記組成物から第1活性種を発生させ、
    前記第1活性種により前記光酸発生剤を構造変化させ、
    前記第2活性エネルギー線照射により、前記構造変化した光酸発生剤から第2活性種を発生させる請求項11のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  13. 前記構造変化した光酸発生剤がケトン誘導体である請求項12に記載のデバイスの製造方法。
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