JP6926549B2 - 電動車両の電源装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、燃料電池の発電効率を加味しつつ高負荷要求への対応を可能にした電源装置が開示されている。具体的には、燃料電池と、電気負荷に対して燃料電池と並列に接続された蓄電装置と、燃料電池の出力及び蓄電装置の充電を制御する制御装置とを含む電源装置であって、制御装置は、負荷要求が燃料電池の高効率点での電力より小さい場合には、当該高効率点にて燃料電池を駆動させると共に余剰電力を蓄電装置に充電する。一方、負荷要求が前記高効率点での電力以上の場合には、当該負荷要求に相当する電力を燃料電池から出力させるように制御する、ことが開示されている。
さらに、特許文献1には、電気よりエネルギー単価の高い水素による充電よりも車外部からの電気による充電を増やして充電コストの低減を図ること、さらに、高効率点での運転を維持するために車両側の負荷要求を制限することまでは開示されていない。
この燃料電池の燃費向上とは、水素ガス量および酸素量の低減、さらに燃料電池を発電するために必要とする補機、例えば、外気から取り込んだ空気を酸素ガスとして燃料電池のカソードへ供給する空気ブロアや、燃料電池のアノードに供給された燃料の水素ガスの未反応水素ガスを燃料電池のアノードに還流させる循環ポンプや、燃料電池の冷却水もしくは冷却風の供給ポンプ等の補機を作動する電力を低減することである。
その結果、燃料電池は最高効率出力状態での運転を維持できるため、燃料電池の燃費向上が図れる。
また、燃料電池の発電効率悪化を伴ってでも燃料電池出力を大幅に増加させて2次電池を充電するのではなく、車両出力制限部によって、燃料電池の最高効率出力に一致するように車両要求出力を制限するので、2次電池の電力消費は抑えられるとともに、燃料電池は最高効率出力状態に維持されるので燃料電池の燃費向上が図れる。
図1に示すように、電動車両1は、水素及び酸素の供給を受けて発電を行う燃料電池(FC:Fuel Cell)5と、燃料電池5で発生される電力を充電する2次電池7と、主に2次電池7からの電力の供給を受けて駆動する走行用モータ(モータ)9とを備えている。図1においては、前輪11側を走行用モータ9で駆動する例を示しているが、走行用モータ9を後輪側に設けても、前後輪両側に設けてもよい。
また、複数の発電セルの各空気極側の触媒層に酸素である空気が供給されるようになっており、各燃料極側の触媒層に燃料ガスの水素ガスが供給されるようになっている。
燃料極(アノード):H2→2H++2e-
空気極(カソード):1/2O2+2H++2e-→H2O
さらに、燃料電池5のアノードに供給される水素ガスの未反応水素ガスを燃料電池のアノードに還流させる水素ガス循環ポンプ(不図示)や、燃料電池の冷却水もしくは冷却風の供給ポンプ(不図示)等の燃料電池用の補機が設けられている。
この電源装置3によって生成された電力は、モータ9、さらに、燃料電池5の補機である空気ブロア、水素ガス循環ポンプ、燃料電池の冷却水もしくは冷却風の供給ポンプや、車両補機である車室エアコンやランプ等に供給されるようになっている。
制御装置17は、図示しない信号入力部、信号出力部、記憶部、演算部等が設けられている。信号入力部には、車両状態センサ19からの信号、例えば車速、アクセルペダルの踏込量(加速度)を検出するセンサ等からの信号、また走行モード選択スイッチ21からの走行モード信号が入力される。
また、図1に示すように、制御装置17は、2次電池制御部23、モータ制御部25、車両制御部27、燃料電池制御部(FC制御部)29を主に備えている。
例えば、走行モード選択スイッチ21は、「セーブモード」、「チャージモード」、「スーパーチャージモード」を選択可能になっており、これら走行モードを選択しない通常運転時には、電動車両1は「ノーマルモード」状態になっている。
これら各走行モードにおける燃料電池5の発電出力と2次電池7の充電状態については、図2の制御表及び図5−1〜図10のフローチャートにおいて詳述する。
制御表のNo.1は、「エマージェンシーモード」を示す。この「エマージェンシーモード」は、2次電池7の電欠を防止するモードであり、例えば、2次電池7のSOCが15%未満になった場合に、SOCが20%に達するまで、燃料電池5をFC最大出力Pmaxで発電する。
電動車両1に設けられた走行モード選択スイッチ21によって、ドライバーは「セーブモード」、「チャージモード」、「スーパーチャージモード」を選択可能になっている。これら走行モード選択スイッチ21を選択しない通常運転時には、「ノーマルモード」状態になっている。
この「ノーマルモード」は、通常運転時において下限SOCで発電を開始して目標SOCで発電を停止するモードである。例えば、SOC≦(発電条件(例25%)−A%)[下限SOC]の場合に、燃料電池5は最高効率出力Psの一定値で発電を開始しその一定値の出力状態を維持して、SOC≧30%[目標SOC]になると燃料電池5の発電を停止する。この最高効率出力Psの一定値で発電期間中は、車両要求出力は車両出力制限部28によって燃料電池5の最高効率出力Ps以下に制限される。
従って、「スーパーチャージモード」では、「チャージモード」に比べて燃費低減効果は、得られ難いが、目標SOCへの充電が行われる効果がある。
なお、「スーパーチャージモード」においても、車両要求出力は車両出力制限部28によって燃料電池5の最高効率出力Ps以下に制限される。
図5−1と図5−2に全体の制御フローチャートを示す。図5−1において、まず、ステップS1では、車両要求出力算出部26によって算出された車両側での車両要求出力を算出する。次のステップS2では、FC最高効率出力Psを読み込む。次のステップS3では、車両要求出力がFC最高効率出力Ps以上かを判定する。Yesの場合には、ステップS4に進んで、車両要求出力をFC最高効率出力Ps以下に制限する。ステップS3がNoの場合には図5−2の(A)へ進む。
まず、ステップS11で2次電池7のSOCを読み込み、ステップS12では、走行モード選択スイッチ21が操作されて所定の走行モードが選択されているかを判定する。走行モード選択スイッチ21が選択操作されていない場合にはNoとなって、ステップS13に進む。
ステップS13では、SOCが第1下限値以下か否かが判定される。この第1下限値は、例えばSOCが25%である。ステップS13で、Yesの場合には、ステップS14に進み、ステップS14ではSOCが第1下限値より小さい第2下限値未満か否かが判定される。この第2下限値は、例えばSOCが15%である。
一方、ステップS13の判定でNoの場合には、ステップS7に進んで、燃料電池5の発電は停止される。
ステップS31でノーマルモード制御が開始されると、ステップS32では、燃料電池5を最高効率出力Psで発電を行い、ステップS33では、SOCの負の時間変化を算出する。
例えば、SOC<25%(第1下限SOC)のとき、現在のSOCと(SOC25%−A%)との偏差の時間変化、即ち(SOC(現在)−(SOC25%−A%))/dtを算出する。
ステップS41でエマージェンシーモード制御が開始されると、ステップS42では、最大出力Pmaxで燃料電池5が発電を行い、ステップS43では、SOCが第2下限値(15%)以上で第1下限値(25%)より小さい第3下限値(20%)に達したかを判定する。達した場合にはYesとなりステップS44で終了し、第3下限値(20%)に達していない場合には、ステップS32に戻って繰り返される。
このように、エマージェンシーモード制御によれば、2次電池7のSOCがステップS14で第2下限値(15%)未満の場合には、最大出力Pmaxで燃料電池5が発電を行うため電欠を防止することができる。
ステップS51でセーブモード制御が開始されると、ステップS52で、SOCがSOCSAVE以下かを判定する。SOCがSOCSAVE以下の場合には、ステップS53に進んで燃料電池5を最高効率出力Psで発電を行い、ステップS54でSOCの負の時間変化を算出する。ノーマルモードの場合と同様に、例えば、SOC<SOCSAVE−B%のとき、SOCとSOCSAVE−B%との偏差の時間変化、即ち(SOC(現在)−(SOCSAVE−B%))/dtを算出する。
チャージモード制御の基本的な流れは、図8のセーブモード制御と同様であり、図8のセーブモード制御とは、セーブモード制御では目標SOCがSOCSAVEであるのに対して、図9のチャージモード制御では目標SOCがSOCCHARGEである。
スーパーチャージモード制御の基本的な流れは、図9のチャージモード制御と同様であり、図10のスーパーチャージモードのステップS92〜S98は、図9のチャージモードのステップS72〜S78と同様である。図10のステップS99のA部が相違する。
従って、スーパーチャージモードでは、燃料電池5の燃費においては、図9のチャージモードよりも、最高効率出力Psによる発電でないため燃費は悪化するものの、2次電池7への過充電を防止しつつ目標SOCへの充電を達成するように充電される。
また、目標SOCとしては、ノーマルモード制御ではSOC30%が相当し、セーブモード制御ではSOCSAVEが相当し、チャージモード制御及びスーパーチャージモードではSOCCHARGEが相当する。
また、ノーマルモードよりセーブモード、セーブモードよりチャージモードと下限充電率の減少係数が大きくなるため、高負荷運転、高速運転からの大きな減速回生時の2次電池の受入が良くなる。図4に示すように、SOCが低いほど大きな減速回生を受け入れることが出来る。よって、下限充電率の減少係数が大きくなるセーブモードおよびさらに大きくなるチャージモードでは、ノーマルモードより下限充電率を下げることで、より大きな減速回生を受けることを可能にし、燃費向上を図ることが出来る。
3 電源装置
5 燃料電池
7 2次電池
9 モータ
13 DC−DCコンバータ
15 インバータ
17 制御装置
19 車両状態センサ
21 走行モード選択スイッチ
23 2次電池制御部
25 モータ制御部
26 車両要求出力算出部
27 車両制御部
28 車両出力制限部
29 燃料電池制御部
31 充電状態検出手段
32 充電報知手段
33 発電制御部
Claims (4)
- 水素及び酸素の供給を受けて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池で発生する電力を充電する2次電池と、を備える電動車両の電源装置において、
前記2次電池の充電状態を検出する充電状態検出手段からの情報を基に前記燃料電池の発電を制御する燃料電池制御部を備え、
前記燃料電池制御部は、前記充電状態が下限充電率以下に下回ると前記燃料電池を最高効率出力で発電し、前記下限充電率より大きい目標充電率以上に達すると前記燃料電池の発電を停止する発電制御部を有し、
前記燃料電池が前記発電制御部によって最高効率出力で発電しているとき、車両側での要求電力を示す車両要求出力を前記最高効率出力以下に制限する車両出力制限部を備えたことを特徴とする電動車両の電源装置。 - 前記車両出力制限部は、前記燃料電池の最高効率出力に一致させるように車両要求出力を制限することを特徴とする請求項1に記載の電動車両の電源装置。
- 前記燃料電池制御部は、前記燃料電池の最高効率出力から車両要求出力を差引いた出力が2次電池受入電力を上回るとき、前記目標充電率に関わらず前記燃料電池の発電を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両の電源装置。
- 前記電動車両は走行モードを選択するモード選択手段を備え、前記モード選択手段によって所定充電率を維持する「スーパーチャージモード」が選択された場合には、前記発電制御部は、前記「スーパーチャージモード」の所定充電率を前記目標充電率とし、前記燃料電池制御部は、前記燃料電池の最高効率出力から車両要求出力を差引いた出力が2次電池受入電力を上回るとき、前記燃料電池の出力を車両要求出力と2次電池受入電力との合算値に制限して、前記2次電池に充電することを特徴とする請求項1に記載の電動車両の電源装置。
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