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JP6910851B2 - 機械式駐車装置及びその入力機能切替方法並びに入力機能切替プログラム - Google Patents

機械式駐車装置及びその入力機能切替方法並びに入力機能切替プログラム Download PDF

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Description

本発明は、機械式駐車装置及びその入力機能切替方法並びに入力機能切替プログラムに関するものである。
一般的に、機械式駐車装置の乗降室には、非常停止時にユーザによって操作される非常停止ボタンが設けられている。この非常停止ボタンは、機械的(物理的)構造により、緊急時において即時的に機械式駐車装置の動作を停止できるような構成とされている。
また、乗降室には、このような非常停止ボタンの他に入力ボタンが設けられている場合がある。例えば、特許文献1には、乗降室内の安全確認を行うための複数の安全確認ボタンを乗降室内に設け、入出庫時において安全確認ボタンがユーザによって操作されない限り、入出庫扉を閉じないように制御する機械式駐車装置が開示されている。
特開2015−48595号公報
上述のように、乗降室内には非常停止ボタン以外の入力ボタン等が配置されているが、これらの入力ボタンが操作される場面はそれほど多くはない。例えば、特許文献1に開示されている安全確認ボタンが操作されるのは、乗降室内において利用者が無人を確認する場面だけである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、乗降室内に設けられている入力手段を有効活用することのできる機械式駐車装置及びその入力機能切替方法並びに入力機能切替プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用する。
本発明は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室内に設けられ、複数の機能を備える内部入力手段と、当該機械式駐車装置の状態及び利用者による入力操作の少なくともいずれか一方に応じて前記内部入力手段の機能を切り替える機能切替手段とを具備する機械式駐車装置を提供する。
上記機械式駐車装置によれば、乗降室内に設けられた内部入力手段に複数の機能を割り当て、機械式駐車装置の状態及び利用者による入力操作の少なくともいずれか一方に応じて内部入力手段に割り当てる機能を切り替えるので、内部入力手段を有効活用することが可能となる。
上記機械式駐車装置において、前記機能切替手段は、当該機械式駐車装置の状態が予め設定されている第1状態にある場合に、前記内部入力手段を緊急停止用の入力手段として機能させることとしてもよい。
上記機械式駐車装置によれば、機械式駐車装置の状態が予め設定されている第1状態にある場合には、内部入力手段を緊急停止用の入力手段として機能させる。これにより、内部入力手段を有効活用できるだけでなく、緊急停止用の入力手段の数を一時的に増加させることができるため、安全性も高めることが可能となる。
上記機械式駐車装置において、例えば、前記第1状態は前記乗降室に設けられた出入口扉が閉じている状態を含むこととしてもよい。
上記機械式駐車装置によれば、少なくとも乗降室に設けられた出入口扉が閉じているときには、内部入力手段を緊急停止ボタンとして機能させることができる。これにより、万一、人物が乗降室内に閉じ込められるなどの非常事態が発生した場合に、利用者は非常停止ボタンだけでなく、緊急停止ボタンとして機能する内部入力手段を操作することによっても機械式駐車装置を緊急停止させることが可能となる。
上記機械式駐車装置において、前記機能切替手段は、前記乗降室内における無人確認が必要な第2状態にある場合には、前記内部入力手段を無人確認が完了した旨を入力するための入力手段として機能させることとしてもよい。
上記機械式駐車装置によれば、前記乗降室内における無人確認が必要な第2状態にある場合に、内部入力手段を無人確認が完了した旨を入力するための入力手段として機能させるので、例えば、無人確認が必要な第2状態にある場合には内部入力手段を無人確認ボタンとして機能させ、乗降室内の無人確認が必要でない第1状態にある場合には、内部入力手段を緊急停止用の入力手段として機能させることが可能となる。これにより、内部入力手段を有効活用できるとともに安全性も向上させることができる。
上記機械式駐車装置は、前記乗降室内に設けられた撮像手段を備え、前記第2状態は、前記出入口扉が開いている状態であり、かつ、前記撮像手段が故障している状態を含むこととしてもよい。
上記機械式駐車装置によれば、撮像手段が故障しており、かつ、出入口扉が開いている状態の場合に、内部入力手段を無人確認が完了した旨を入力するための入力手段として機能させることができる。
本発明は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室内に設けられ、複数の機能を備える内部入力手段とを備える機械式駐車装置に適用される入力機能切替方法であって、当該機械式駐車装置の状態及び利用者による入力操作の少なくともいずれか一方に応じて前記内部入力手段の機能を切り替える機械式駐車装置の入力機能切替方法を提供する。
本発明は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室内に設けられ、複数の機能を備える内部入力手段とを備える機械式駐車装置に適用される入力機能切替プログラムであって、当該機械式駐車装置の状態及び利用者による入力操作の少なくともいずれか一方に応じて前記内部入力手段の機能を切り替える処理をコンピュータに実行させるための機械式駐車装置の入力機能切替プログラムを提供する。
本発明によれば、乗降室内に設けられている複数の入力手段を有効活用できるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る機械式駐車装置の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る乗降室を示す斜視透視図である。 本発明の一実施形態に係る操作盤の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る機械式駐車装置の制御系統の機能ブロック図を示した図である。 本発明の一実施形態に係る入庫処理の手順を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る入庫処理の手順を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る入庫処理の手順を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る出庫処理の手順を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る出庫処理の手順を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る出庫処理の手順を示したフローチャートである。
以下、本発明の各実施形態に係る機械式駐車装置及びその入力機能切替方法並びに入力機能切替プログラムについて、図面を参照して説明する。
以下に説明する実施形態では、本発明の機械式駐車装置としてエレベータ式のタワー型機械式駐車装置を例示して説明するが、この例に限定されず、本発明の機械式駐車装置は、垂直循環式、平面往復式、水平循環式等であってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る機械式駐車装置1の縦断面図である。図1に示すように、機械式駐車装置1は、複数の車両2を収容可能なエレベータ式のタワー型立体駐車場施設であり、入出庫口3と入出庫扉(出入口扉)4とが設けられた駐車塔5を備えている。駐車塔5の地上階は、車両2を入出庫させる乗降室7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗降室7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。
駐車塔5の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状の搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔5の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる複数本のワイヤロープ15に四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17(駐車スペース)が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
リフト14と車両格納棚17の床面には、両者14,17の床面の高さが一致した時に、空荷のパレット18、または車両2が積載されたパレット18を、リフト14から車両格納棚17に、または車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
図2は、乗降室7を示す斜視透視図である。外側から見て、入出庫扉4の左側に非常用出入口20があり、入出庫扉4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。また、例えば入出庫扉4に向かって右側に操作盤22が設けられている。この操作盤22は、例えば、この機械式駐車装置1を利用する利用者や機械式駐車装置1を管理する管理人や保守員により操作される。
操作盤22の近傍には、後述するカメラ35(35A〜35D)によって撮像されたリアルタイム画像を表示するためのモニタ28が設置されている。
乗降室7の内部には、中央部にパレット18が配置されるスペースがあり、入出庫扉4の正面の壁には車両の位置をドライバー(利用者)が確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の案内を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。
乗降室7には、内部状況を撮影する4台のカメラ35(35A〜35D)が設置されている。本実施形態において、カメラ35(35A〜35D)は、例えば、ビデオカメラであり、それぞれ乗降室7の異なる壁面(4面)に取り付けられている。例えば、カメラ35Aは乗降室7内に停車した車両2の正面を撮影するように配置され、カメラ35Bは車両2の後面、カメラ35Cは車両2の左側面、カメラ35Dは車両2の右側面をそれぞれ撮影する位置に配置されている。なお、カメラの設置数については上記に限定されず、少なくとも1台のカメラが設けられていればよい。
乗降室7において、入出庫口3には、人の乗降室7への入退室を検知する入退室検知センサ30が設けられている。入退室検知センサ30は、入出庫口3の内側に設けられた一対のセンサ30Aと、入出庫口3の外側に設けられた一対のセンサ30Bとを有している。センサ30A、30Bは、例えば、送信部から送信されたビームを受信部において受信するタイプのセンサであり、このビームが車両2や人等によって遮光されるとセンサがONになり、その検知信号が後述する入退室監視制御部57(図4参照)を経て主制御部50(図4参照)に伝達されるようになっている。入退室監視制御部57は、例えば、センサ30Bからセンサ30Aの順でオン信号が入力された場合に乗降室7に人が進入したと判定し、センサ30Aからセンサ30Bの順でオン信号が入力された場合に乗降室7から人が退出したと判定する。
また、乗降室7の内部、あるいは乗降室7の外部に、この機械式駐車装置1の全体の制御を行う駐車場制御装置40が設置されている。
更に、乗降室7の内部には、複数の非常停止ボタン26(26A〜26D)及び複数の内部入力器(内部入力手段)27(27A〜27D)が設けられている。
非常停止ボタン26は、異常が発生した場合に緊急に機械式駐車装置1の動作を停止させるためのボタンである。この非常停止ボタン26は、機械的(物理的)構造により非常時において即時的に機械式駐車装置1の動作を停止させることができるような構成とされている。すなわち、非常停止ボタン26は、CPU等の制御装置を介すことなく、機械式駐車装置1の動作を停止させることができるボタンである。
内部入力器(内部入力手段)27は、例えば、カメラ35が故障したときに、乗降室内の無人確認を確認した利用者が無人確認を行った旨の情報を入力するための無人確認ボタンとして使用されるものである。また、後述するように、内部入力器27は、カメラ35が故障していないときなどには使用されないため、その期間においては緊急停止ボタンとして機能する。なお、内部入力器27の機能切替についての詳細は後述する。
本実施形態においては、非常停止ボタン26及び内部入力器27がそれぞれ4個ずつ設置されている場合を想定しているが、非常停止ボタン26及び内部入力器27の設置数や設置場所についてはこの例に限られない。
また、非常停止ボタン26及び内部入力器27は、必ずしもボタン式である必要はなく、利用者等が入力情報を入力できるような構成とされていればどのようなものでもよい。例えば、タッチパネルのような入力手段であってもよいし、レバー式の入力手段であってもよい。
乗降室7内には人に音声で情報を報知するためのスピーカや、車幅等を検出し乗降室内の異常を検知するための各種センサ(図示略)等が設けられている。
図3は、機械式駐車装置1が備える操作盤22の斜視図である。操作盤22は、例えば、風雨からの保護と悪戯防止のために金属製の筐体43に収容されており、この筐体43には施錠可能な蓋44が設けられている。利用者が操作盤22を操作する際には、例えば、専用の鍵を用いて施錠を解錠して蓋44を開き、操作盤22にアクセスする。なお、例えば利用者が携帯している専用リモコンによって利用者の接近とともに自動的に蓋44の施錠を解錠するようにしてもよい。
操作盤22には、タッチパネル45、ICカードリーダ46、利用者に操作方法を音声で案内するためのスピーカ47、機械式駐車装置1の動作を非常停止させる非常停止ボタン48等が配置される。
タッチパネル45は、表示部45aと入力部45bとを備えている。タッチパネル45の表示部には、入出庫の操作を行うための各種情報が表示されるとともに、入出庫の操作を利用者に行わせるための操作ボタン等が表示される。タッチパネル45の表示は後述する駐車場制御装置40によって制御され、また、タッチパネル45が利用者等によって操作されることにより入力された情報は、駐車場制御装置40に出力される。
ICカードリーダ46は、利用者の識別番号(以下「利用者ID」という。)が記憶されているICカードから利用者IDを読み取る。なお、ICカードは、予め登録されている利用者、管理人、及び保守業者等が所持するものである。
図4は、本実施形態に係る機械式駐車装置1の制御系統の機能ブロック図を示した図である。駐車場制御装置40は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、ネットワークに接続するための通信インターフェース等を備えている。また、駐車場制御装置40は、機械式駐車装置1を制御するために必要となる各種データが格納されている総合データベース52を備えている。総合データベース52には、在車状況、パレット形状種別、車両格納棚形状種別等の他、登録利用者ID等のデータが格納されている。
駐車場制御装置40の補助記憶装置には、機械式駐車装置1の各機構を制御するための制御プログラムやユーザ認証プログラム等が記憶されており、CPUが補助記憶装置に格納されている各種プログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、後述する各部の機能を実現させる。また、プログラムの実行にあたり、CPUは総合データベース52に格納されている各種データを参照して用いる。
上記制御プログラムは、駐車場制御装置40の製造時においてROM等の補助記憶装置に予め格納されていてもよいし、施工後などにおいて、制御プログラム等を配信するサーバ等からダウンロードしてインストールされてもよい。また、外部記憶装置を介してインストールされる態様としてもよい。このように、各種プログラムのインストール方法については特に限定されない。
駐車場制御装置40は、主制御部50を備えている。主制御部50には、上述した総合データベース52に加えて、入出庫扉制御部55、搬送機制御部56、入退室監視制御部57、カメラ制御部58、画像データベース59、車両計測・制御部61、旋回駆動制御部62等が接続されている。また、主制御部50には、操作盤22が双方向通信可能に接続されているとともに、乗降室7の内部に設置された4つの非常停止ボタン26(26A〜26D)及び内部入力器27(27A〜27D)が接続されている。
入出庫扉制御部55は、主制御部50から動作指令を受けて入出庫扉4を開閉操作し、入出庫扉センサ67から入出庫扉4の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
搬送機制御部56は、主制御部50から動作指令を受けてリフト14(搬送機)の昇降およびパレット18の積み下ろし動作を実行させ、搬送機位置センサ68からリフト14の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
入退室監視制御部57は、入退室検知センサ30からのセンサ信号及び乗降室7内部に設置された多数のセンサ(図示略)からのセンサ信号を受信し、その情報を主制御部50に出力する。
カメラ制御部58は、主制御部50から動作指令を受けて乗降室7の内部に設置されたカメラ35(35A〜35D)に画像を撮像させ、その画像情報を主制御部50に出力する。この画像情報は、画像データベース59に所定の期間蓄積される。なお、画像データベース59を総合データベース52の内部に設けたり、クラウド上に設けたりしても良い。
車両計測・制御部61は、主制御部50から動作指令を受けて、車両計測器69により、リフト14に搭載された車両の車重を計測し、車重センサ70を介してその情報を主制御部50にフィードバックする。この車重情報は、リフト14の制御等に用いられる。
旋回駆動制御部62は、主制御部50から動作指令を受けて、旋回駆動部11(ターンテーブル8)を動作させ、ターンテーブル位置センサ71によりターンテーブル8の旋回位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
主制御部50は、各制御部55,56,57,58,61,62からのフィードバック、操作盤22からの入力情報に基づいて機械式駐車装置1を運行させる。
主制御部50は、入庫制御プログラム及び出庫制御プログラムを保有しており、操作盤22から入力された情報に基づいて対応するプログラムを実行することにより、後述する入出庫制御を実現するほか、内部入力器27の機能切替制御を行う。
次に、主制御部50によって実行される機能切替制御について説明する。主制御部50は、機械式駐車装置1の状態及び利用者による入力操作の少なくともいずれか一方に応じて内部入力器27の機能を切り替える。本実施形態において、主制御部50は、機械式駐車装置1の入出庫扉4が閉じている状態(第1状態)にある場合に、内部入力器27を緊急停止用の入力手段として機能させ、入出庫扉4が開いている状態(第2状態)にある場合に、内部入力器27を無人確認が完了した旨を入力するための入力手段として機能させる。更に、カメラ35が正常に動作している場合には、後述するように、乗降室内の無人確認をモニタ28に表示されたリアルタイム画像に基づいて確認することができるため、本実施形態においては、カメラ35が正常に動作している場合には、入出庫扉4が開いている状態においても内部入力器27を緊急停止用の入力手段として機能させる。
主制御部50は、内部入力器27を緊急停止用の入力手段として機能させる第1状態と、内部入力器27を無人確認が完了した旨を入力するための入力手段として機能させる第2状態とが予め設定された情報を総合データベース52から取得し、この情報に基づいて内部入力器27の機能の切り替えを行う。このような機能切替の一態様も含め、以下、主制御部50によって行われる入庫処理及び出庫処理について図面を参照して説明する。
〔入庫処理〕
図5から図7は、主制御部50によって実行される入庫処理の手順を示したフローチャートである。なお、入出庫扉4が閉じている状態において、内部入力器27には、緊急停止ボタンとしての機能が割り当てられている。ここで、緊急停止ボタンとは、利用者によって押下された場合に、機械式駐車装置1の動作を停止させるためのボタンである。非常停止ボタン26はCPU等の制御部を介さずに機械式で機械式駐車装置1の動作を停止させるのに対し、緊急停止ボタンは、CPU等によるソフトウェアの制御により機械式駐車装置1の動作を停止させる。
入庫を行う場合、利用者は車両2を入出庫口3の前に移動させ、降車して、操作盤22に向かう。そして、専用の鍵で施錠を解錠し筐体43の蓋44を開ける。主制御部50は、蓋44が開いたことを検知すると(図5のSA1)、操作盤22のタッチパネル45に第1のユーザ認証画面を表示させる(SA2)。
利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される。主制御部50は、利用者IDが入力されると(SA3において「YES」)、入庫を行おうとしている人物が予め登録された利用者であるか否かを判定する第1のユーザ認証を行う(SA4)。
ユーザ認証が成功すると(SA4において「YES」)、主制御部50は操作盤22のタッチパネルに入庫起動確認画面を表示させる(SA5)。入庫起動確認画面において、利用者によって起動ボタンが押されると、起動ボタンが押下されたことを示す入庫起動信号が主制御部50に入力される(SA6において「YES」)。
主制御部50は、入庫起動信号を受信すると、タッチパネル45に入庫待ちの状態を示す入庫待ち確認画面を表示するとともに(SA7)、空パレットを呼び出す。
空パレットが乗降室7に到着すると、主制御部50はタッチパネル45に入出庫扉4が開くことを示す扉開画面を表示するとともに(SA8)、入出庫扉4の閉扉指示を入出庫扉制御部55(図4参照)に出力する。これにより、入出庫扉制御部55による閉扉制御が開始される。続いて、主制御部50はカメラ35が正常に動作しているか否かを判定する(SA9)。カメラ故障の判定は、例えば、カメラ制御部58からのエラー信号を主制御部50が受信しているか否かに基づいて行われる。この結果、カメラ35が正常に動作している場合には(SA9において「YES」)、内部入力器27の機能を変更せず、内部入力器27を緊急停止ボタンとして機能させたままの状態とする(SA10)。
そして、入出庫扉4が完全に開くと(SA11)、主制御部50は利用者に対して入庫を促す入庫案内画面をタッチパネル45に表示させる(SA12)。
入庫案内画面を確認した利用者は車両2に乗り込み、車両2を乗降室内に移動させ、乗降室内に搬送された空パレットに車両2を載置させると降車し、乗降室7から退出して、操作盤22に戻る。
続いて、主制御部50は、操作盤22のタッチパネル45に第2のユーザ認証画面を表示させる(SA13)。第2のユーザ認証画面を確認した利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される(SA14において「YES」)。主制御部50は利用者IDを受信すると第2のユーザ認証及び照合処理を行う(SA15)。
第2のユーザ認証では、受信した利用者IDが予め登録されている利用者IDであるか否かを判定する。また、照合処理では、第1のユーザ認証で入力された利用者IDと第2のユーザ認証で入力された利用者IDとが一定の関連性を有するか、例えば、両者が同一か否かを判定する。これにより、操作盤22を操作した利用者が操作盤22を操作する権限を持つものであるか否か、及び、入庫起動の操作を指示した利用者と同一の利用者によって後続の入力操作が行われるかを判定する。
第2のユーザ認証及び照合処理が成功すると(SA15において「YES」)、主制御部50は、乗降室内の無人確認を利用者に行わせるための無人確認画面をタッチパネル45に表示させるとともに、利用者に無人確認を行わせるためのガイダンスを行う(SA16)。無人確認画面には、例えば、モニタ28に表示されたリアルタイム画像により乗降室内の無人を確認した上で無人確認ボタンを操作するように利用者を促すガイダンスと、無人確認ボタンとが表示される。
利用者によって無人確認ボタンが押されると、無人確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は無人確認完了信号を受信すると(SA17において「YES」)、タッチパネル45に最終的な安全確認を行わせる安全確認画面を表示させる(SA18)。安全確認画面では、例えば、目視により乗降室内の無人を確認した上で安全確認ボタンを操作するように利用者を促すガイダンスと、安全確認ボタンとが表示される。なお、この安全確認画面については、ステップSA15における照合処理において、利用者IDが一致すると判定された場合に省略が可能である。
利用者によって安全確認ボタンが押されると(SA19において「YES」)、安全確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は安全確認完了信号を受信すると、タッチパネル45に入出庫扉4を閉めるための扉閉画面を表示させる(SA20)。利用者によって扉閉画面に表示されている閉扉ボタンが押されると(SA21において「YES」)、閉扉信号が主制御部50に送信される。
主制御部50は、閉扉信号を受信すると、入出庫扉制御部55(図4参照)に対して入出庫扉4の閉信号を出力する(SA22)。これにより、入出庫扉4が入出庫扉制御部55によって閉じられると、利用者は、操作盤22の蓋44を閉じて鍵を閉め、操作盤22から離れる。また、主制御部50は、入出庫扉4の閉動作が完了すると、搬送機制御部56に対して搬送信号を出力する。これにより、車両2を載置したパレットがリフト14によって搬送され車両格納棚17へ格納される。
一方、図5のステップSA9においてカメラ35が正常に動作していない、すなわち、カメラ35が故障していると判定した場合には、主制御部50は、内部入力器27の機能を緊急停止用の入力手段から無人確認用の入力手段へ切り替える。これにより、内部入力器27は無人確認ボタンとして利用されることとなる(SA23)。
そして、入出庫扉4が完全に開くと(SA24)、主制御部50は利用者に対して入庫を促す入庫案内画面をタッチパネル45に表示させる(SA25)。入庫案内画面を確認した利用者は、車両2に乗り込み、車両2を乗降室内に移動させ、乗降室内に搬送された空パレットに車両2を載置させると降車する。
主制御部50は、車両計測・制御部61等から入力される情報に基づいて、車両2が空きパレット上に載置されたことを検知すると、無人確認のガイダンスを行う(図7のSA26)。無人確認のガイダンスでは、場内の無人確認を行った上で乗降室内の内部入力器27を押下するよう利用者に対して報知する。このとき、主制御部50は、全ての内部入力器27A〜27Dを押下するように報知しても良いし、そのうちの一部の内部入力器、例えば、対角線上に配置されている内部入力器27Aと27Cの組み合わせまたは内部入力器27Bと27Dの組み合わせを押下するように報知してもよい。このように、無人確認のときに、どの内部入力器27を押下させることとするかは、事前にアルゴリズムとして設計しておけばよい。
また、報知の方法としては、例えば、内部入力器27にLED等を設けておき、利用者に押下させたい内部入力器27に設けられているLEDを点灯または点滅させる一方で押下させたくない内部入力器27に設けられている光源を消灯させ、点灯している内部入力器27を押下するよう利用者に音声によってガイダンスしても良い。なお、報知の方法についても上記に限定されない。
上記報知内容に従い利用者が乗降室内の無人を確認し、順番に内部入力器27を押下すると、押下された内部入力器27から無人確認が完了した旨の情報が主制御部50に送信される。このようにして、主制御部50は押下が必要とされた全ての内部入力器27から無人確認が完了した旨の情報を受信すると(SA27において「YES」)、主制御部50は操作盤22のタッチパネル45に第2のユーザ認証画面を表示させる(SA28)。乗降室7から退出した利用者が操作盤22に戻り、第2のユーザ認証画面を確認することでICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される(SA29において「YES」)。主制御部50は利用者IDを受信すると第2のユーザ認証及び照合処理を行う(SA30)。
第2のユーザ認証及び照合処理は、上述したステップSA14と同様である。第2のユーザ認証及び照合処理が成功すると(SA30において「YES」)、主制御部50は、タッチパネル45に安全確認を行わせる安全確認画面を表示させる(SA31)。安全確認画面では、例えば、目視により乗降室内の無人を確認した上で安全確認ボタンを操作するように利用者を促すガイダンスと、安全確認ボタンとが表示される。
利用者によって安全確認ボタンが押されると(SA32において「YES」)、安全確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は安全確認完了信号を受信すると、タッチパネル45に入出庫扉4を閉めるための扉閉画面を表示させる(SA33)。利用者によって扉閉画面に表示されている閉扉ボタンが押されると(SA34において「YES」)、閉扉信号が主制御部50に送信される。
主制御部50は、閉扉信号を受信すると、入出庫扉制御部55(図4参照)に対して入出庫扉4の閉信号を出力する(SA35)。これにより、入出庫扉4が入出庫扉制御部55によって閉じられると、主制御部50は内部入力器27に割り当てていた機能を緊急停止機能に切り替える。これにより、内部入力器27は緊急停止ボタンとして機能することとなる(SA36)。
また、主制御部50は、入出庫扉4の閉動作が完了すると、搬送機制御部56に対して搬送信号を出力する。これにより、車両2を載置したパレットがリフト14によって搬送され車両格納棚17へ格納される。
〔出庫処理〕
次に、出庫時において、主制御部50によって実行される出庫処理について図を参照して説明する。図8から図10は、主制御部50によって実行される出庫処理の手順を示したフローチャートである。なお、入出庫扉4が閉じている状態において、内部入力器27は、緊急停止ボタンとしての機能が割り当てられている。
出庫を行う場合、利用者は車両2を入出庫口3の前に移動させ、降車して、操作盤22に向かう。そして、専用の鍵で施錠を解錠し筐体43の蓋44を開ける。主制御部50は、蓋44が開いたことを検知すると(図8のSB1)、操作盤22のタッチパネル45に第1のユーザ認証画面を表示させる(SB2)。
利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される。主制御部50は、利用者IDが入力されると(SB3において「YES」)、出庫を行おうとしている人物が予め登録された利用者であるか否かを判定する第1のユーザ認証を行う(SB4)。
ユーザ認証が成功すると(SB4において「YES」)、主制御部50は操作盤22のタッチパネルに出庫起動確認画面を表示させる(SB5)。出庫起動確認画面において、利用者によって起動ボタンが押されると、起動ボタンが押下されたことを示す出庫起動信号が主制御部50に入力される(SB6において「YES」)。
主制御部50は、出庫起動信号を受信すると、タッチパネル45に出庫待ちの状態を示す出庫待ち確認画面を表示するとともに(SB7)、当該利用者の車両2が載置された実パレットを呼び出す。
実パレットが乗降室7に到着すると、主制御部50はタッチパネル45に入出庫扉4が開くことを示す扉開画面を表示するとともに(SB8)、入出庫扉4の閉扉指示を入出庫扉制御部55(図4参照)に出力する。これにより、入出庫扉制御部55による閉扉制御が開始される。続いて、主制御部50はカメラ35が正常に動作しているか否かを判定する(SB9)。カメラ故障の判定は、例えば、カメラ制御部58からのエラー信号を主制御部50が受信しているか否かに基づいて行われる。この結果、カメラ35が正常に動作している場合には(SB9において「YES」)、内部入力器27の機能を変更せず、内部入力器27を緊急停止ボタンとして機能させたままの状態とする(SB10)。
そして、入出庫扉4が完全に開くと(SB11)、主制御部50は利用者に対して出庫を促す出庫案内画面をタッチパネル45に表示させる(SB12)。また、主制御部50は、乗降室7の前に設けられている三色灯や入庫管制灯を点灯させる等して、利用者に出庫を促してもよい。
出庫案内画面を確認した利用者は乗降室内へ進入し、パレット18に載置されている車両2に乗車し、車両2を乗降室7から出庫させる。利用者は、出庫が完了すると、車両2から降りて操作盤22の前へ移動する。
続いて、主制御部50は、操作盤22のタッチパネル45に第2のユーザ認証画面を表示させる(図9のSB13)。第2のユーザ認証画面を確認した利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される(SB14において「YES」)。主制御部50は利用者IDを受信すると第2のユーザ認証及び照合処理を行う(SB15)。
第2のユーザ認証では、受信した利用者IDが予め登録されている利用者IDであるか否かを判定する。また、照合処理では、第1のユーザ認証で入力された利用者IDと第2のユーザ認証で入力された利用者IDとが一定の関連性を有するか、例えば、両者が同一か否かを判定する。これにより、操作盤22を操作した利用者が操作盤22を操作する権限を持つものであるか否か、及び、出庫起動の操作を指示した利用者と同一の利用者によって後続の入力操作が行われるかを判定する。
第2のユーザ認証及び照合処理が成功すると(SB15において「YES」)、主制御部50は、乗降室内の無人確認を利用者に行わせるための無人確認画面をタッチパネル45に表示させるとともに、利用者に無人確認を行わせるためのガイダンスを行う(SB16)。無人確認画面には、例えば、モニタ28に表示されたリアルタイム画像により乗降室内の無人を確認した上で無人確認ボタンを操作するように利用者を促すガイダンスと、無人確認ボタンとが表示される。
利用者によって無人確認ボタンが押されると、無人確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は無人確認完了信号を受信すると(SB17において「YES」)、タッチパネル45に最終的な安全確認を行わせる安全確認画面を表示させる(SB18)。安全確認画面では、例えば、目視により乗降室内の無人を確認した上で安全確認ボタンを操作するように利用者を促すガイダンスと、安全確認ボタンとが表示される。なお、この安全確認画面については、ステップSB15における照合処理において、利用者IDが一致すると判定された場合に省略が可能である。
利用者によって安全確認ボタンが押されると(SB19において「YES」)、安全確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は安全確認完了信号を受信すると、タッチパネル45に入出庫扉4を閉めるための扉閉画面を表示させる(SB20)。利用者によって扉閉画面に表示されている閉扉ボタンが押されると(SB21において「YES」)、閉扉信号が主制御部50に送信される。
主制御部50は、閉扉信号を受信すると、入出庫扉制御部55(図4参照)に対して入出庫扉4の閉信号を出力する(SB22)。これにより、入出庫扉4が入出庫扉制御部55によって閉じられると、利用者は、操作盤22の蓋44を閉じて鍵を閉め、操作盤22から離れる。また、主制御部50は、入出庫扉4の閉動作が完了すると、搬送機制御部56に対して搬送信号を出力する。これにより、車両2を載置したパレットがリフト14によって搬送され車両格納棚17へ格納される。
一方、図8のステップSB9においてカメラ35が正常に動作していない、すなわち、カメラ35が故障していると判定した場合には、主制御部50は、内部入力器27の機能を緊急停止用の入力手段から無人確認用の入力手段へ切り替える。これにより、内部入力器27は無人確認ボタンとして利用されることとなる(図8のSB23)。
そして、入出庫扉4が完全に開くと(SB24)、主制御部50は利用者に対して出庫を促す出庫案内画面をタッチパネル45に表示させる(SB25)。出庫案内画面を確認した利用者は乗降室内へ進入し、パレット18に載置されている車両2に乗車し、車両2を乗降室7から出庫させる。利用者は、出庫が完了すると、車両2から降りて操作盤22の前へ移動する。
主制御部50は、操作盤22のタッチパネル45に第2のユーザ認証画面を表示させる(SB26)。利用者は第2のユーザ認証画面を確認することでICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される(SB27において「YES」)。主制御部50は利用者IDを受信すると第2のユーザ認証及び照合処理を行う(SB28)。
第2のユーザ認証及び照合処理は、上述したステップSB15と同様である。第2のユーザ認証及び照合処理が成功すると(SB28において「YES」)、主制御部50は、タッチパネル45に無人確認を行わせる無人確認画面を表示させる(SB29)。無人確認画面では、乗降室内に進入し目視によって乗降室内の無人を確認した上で、内部入力器27を押下するよう利用者にガイダンスを行う。このとき押下させる内部入力器27の選定等については上述した入庫処理と同様である。
利用者は、このガイダンスにしたがって乗降室内に進入し、乗降室内の無人を確認した上で所定の内部入力器27を押下すると、押下された内部入力器27から無人確認が完了した旨の情報が主制御部50に送信される。このようにして、主制御部50は押下が必要とされた全ての内部入力器27から無人確認が完了した旨の情報を受信すると(SB30において「YES」)、操作盤22に戻り後続の処理を行うよう音声等によってガイダンスを行うとともにタッチパネル45に安全確認を行わせる安全確認画面を表示させる(SA31)。
安全確認画面では、例えば、目視により乗降室内の無人を確認した上で安全確認ボタンを操作するように利用者を促すガイダンスと、安全確認ボタンとが表示される。操作盤22の前に戻った利用者は、目視によりもう一度乗降室内の無人を確認し、安全確認ボタンを押下する(SA32において「YES」)。安全確認ボタンが利用者によって押下されると、安全確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は安全確認完了信号を受信すると、タッチパネル45に入出庫扉4を閉めるための扉閉画面を表示させる(SB33)。利用者によって扉閉画面に表示されている閉扉ボタンが押されると(SB34において「YES」)、閉扉信号が主制御部50に送信される。
主制御部50は、閉扉信号を受信すると、入出庫扉制御部55(図4参照)に対して入出庫扉4の閉信号を出力する(SB35)。これにより、入出庫扉4が入出庫扉制御部55によって閉じられると、主制御部50は内部入力器27に割り当てていた機能を緊急停止機能に切り替える。これにより、内部入力器27は緊急停止ボタンとして機能することとなる(SB36)。
また、主制御部50は、入出庫扉4の閉動作が完了すると、搬送機制御部56に対して搬送信号を出力する。これにより、空パレットがリフト14によって搬送され車両格納棚17へ格納される。
以上説明してきたように、本実施形態に係る機械式駐車装置1及びその入力機能切替方法並びに入力機能切替プログラムによれば、乗降室内に設けられた内部入力器27に複数の機能を割り当て、機械式駐車装置1の状態及び利用者による入力操作の少なくともいずれか一方に応じて内部入力器27に割り当てる機能を切り替えるので、内部入力器27を有効活用することができる。例えば、カメラ35が故障したときのことを想定して乗降室内に設けられた無人確認ボタン(内部入力器27)は、カメラ35が正常に動作している限り、利用される場面がない。このような場合に、無人確認ボタンを緊急停止用の入力手段として機能させることにより、無人確認ボタンを有効活用することができるとともに、緊急停止用ボタンの設置数を一時的に増加させることができるので安全性も向上させることが可能となる。また、無人確認ボタン(内部入力器27)が非常停止ボタン26の近傍に配置されている場合には、非常時において非常停止ボタン26と間違えて無人確認ボタン(内部入力器27)が押下されるおそれがある。このような誤操作が生じた場合でも、無人確認ボタンに非常停止ボタンの機能を割り当てておけば、非常停止ボタンが押下されたときと同様に機械式駐車装置1の動作を停止させることができる。これにより、機械式駐車装置1の安全性を更に高めることができる。
なお、上述した実施形態においては、内部入力器27に割り当てる機能として、緊急停止用の入力手段と無人確認用の入力手段とを例示して説明したが、これら機能についてはこの例に限定されない。例えば、3つ以上の機能を1つの内部入力器27に割り当て、機械式駐車装置1の状態及び利用者からの入力操作の少なくともいずれか一方に基づいて機能を切り替えることとしてもよい。この場合でも、機能とその機能を割り当てる機械式駐車装置1の状態等を対応付けた情報を予め総合データベース52に格納しておき、入庫処理及び出庫処理等において、主制御部50が上記情報を読み出して機能の切り替えを行えばよい。
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態で説明した入庫処理及び出庫処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることが可能である。
例えば、入庫処理において、カメラ故障の場合には、車両2を乗降室内に移動させた後に、無人確認を場内において行わせ、その後、操作盤22において第2のユーザ認証等を行うようにしたが、これに限定されず、例えば、出庫時のように、車両2を乗降室内に移動させた後に、操作盤22において第2のユーザ認証等を行うようにし、ユーザ認証及び照合処理が成功した後に、乗降室内に進入させて無人確認ボタンとして機能する内部入力器27を押下させることとしてもよい。
また、上述した実施形態においては、主制御部50によって操作盤22が制御される場合を例示したが、この例に限られず、例えば、操作盤22に操作盤制御装置を設け、操作盤制御装置と主制御部50との情報のやり取りによって、上述の入庫処理及び出庫処理が実現されるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、同一の乗降室7において入庫と出庫の両方が行われる場合を例示したが、入庫と出庫とは異なる乗降室7を用いて行うこととしても良い。
1 機械式駐車装置
4 入出庫扉
7 乗降室
26(26A〜26D) 非常停止ボタン
27(27A〜27D) 内部入力器
28 モニタ
35(35A〜35D) カメラ
40 駐車場制御装置
45 タッチパネル
50 主制御部

Claims (4)

  1. 車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、
    前記乗降室内に設けられ、複数の機能を備える内部入力手段と、
    当該機械式駐車装置の状態に応じて前記内部入力手段の機能を切り替える機能切替手段と
    を具備し、
    前記機能切替手段は、前記乗降室に設けられた出入口扉が閉じている状態にある場合に、前記内部入力手段を緊急停止用の入力手段として機能させ、前記出入口扉が開いている状態にある場合に、前記内部入力手段を無人確認が完了した旨を入力するための入力手段として機能させる機械式駐車装置。
  2. 車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、
    前記乗降室内に設けられ、複数の機能を備える内部入力手段と、
    前記乗降室内に設けられた撮像手段
    当該機械式駐車装置の状態に応じて前記内部入力手段の機能を切り替える機能切替手段と
    を具備し、
    前記機能切替手段は、前記乗降室に設けられた出入口扉が閉じている状態にある場合に、前記内部入力手段を緊急停止用の入力手段として機能させ、前記出入口扉が開いている状態であり、かつ、前記撮像手段が故障している場合に、前記内部入力手段を無人確認が完了した旨を入力するための入力手段として機能させる機械式駐車装置。
  3. 車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室内に設けられ、複数の機能を備える内部入力手段とを備える機械式駐車装置に適用される入力機能切替方法であって、
    前記乗降室に設けられた出入口扉が閉じている状態にある場合に、前記内部入力手段を緊急停止用の入力手段として機能させ、前記出入口扉が開いている状態にある場合に、前記内部入力手段を無人確認が完了した旨を入力するための入力手段として機能させる機械式駐車装置の入力機能切替方法。
  4. 車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室内に設けられ、複数の機能を備える内部入力手段とを備える機械式駐車装置に適用される入力機能切替プログラムであって、
    前記乗降室に設けられた出入口扉が閉じている状態にある場合に、前記内部入力手段を緊急停止用の入力手段として機能させ、前記出入口扉が開いている状態にある場合に、前記内部入力手段を無人確認が完了した旨を入力するための入力手段として機能させる処理をコンピュータに実行させるための機械式駐車装置の入力機能切替プログラム。
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