JP6905498B2 - 窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施の形態について、図1から図4を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。また、各図面における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の窒化物半導体発光素子の寸法比と一致するものではない。
上述したように、トリガ層40は、n型クラッド層30の転位等の欠陥密度に応じたドープ量のSiを含んでいる。このトリガ層40は、前記n型クラウド層30と前記n型クラッド層30側の最外層にAlGaNによって形成された障壁層52aを有する多重量子井戸層50との間に配置されている。この構成により、前記n型クラッド層30の転位等の欠陥を始端とし、前記多重量子井戸層50の複数の障壁層52a,52b,52cと井戸層54a,54b,54cとを介して伸びる略逆円錐状の前記欠陥密度に応じた複数のVピット100が、前記多重量子井戸層50の、例えば、前記電子ブロック層60側(前記n型クラッド層30と反対側)の最外層のAlGaNによって形成された井戸層54cを終端として形成される。この複数のVピット100が発光素子1の発光出力を向上することを確認した。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る発光素子1は、n型クラッド層30
と多重量子井戸層のn型クラッド層30側の障壁層52aとの間に、Vピット100を発生させるトリガ層40を備えている。また、このトリガ層40におけるSiの濃度は、n型クラッド層中の転位の密度の5.0×109〜5.0×1010倍に調整されている。このようにして、特許文献1に記載されているようなトリガ層40の他にトリガ拡大層を設けることなくVピッドを形成することができる。このため、Vピットを形成することにより発光出力を向上させつつ、トリガ拡大層を不要とすることにより製造コストを低減することができる。
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[2]前記トリガ層は、前記障壁層に接している、前記[1]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[3]前記Vピット(100)は、前記窒化物半導体発光素子(1)の厚み方向に伸びる略逆円錐状の形状を有する、前記[1]又は[2]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[4]略逆円錐状の形状を有する前記Vピット(100)の頂点(100a)は、前記n型クラッド層(30)中の前記転位から発生し、前記Vピット(100)の底面(100b)は、前記多重量子井戸層(50)内で終端する、前記[3]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[5]前記Vピット(100)は、前記多重量子井戸層(50)の前記n型クラッド層(30)と反対側の最外層のAlGaNによって形成された井戸層(54c)を終端として形成されている、前記[4]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[6]前記トリガ層(40)の前記Siの濃度は、5.0×1018cm−3〜5.0×1019cm−3である、前記[1]から[5]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[7]基板(10)上にn型AlGaNを有するn型クラッド層(30)を形成する工程と、AlGaNを有する障壁層(52a,52b,52c)を前記n型クラッド層(30)側に有する多重量子井戸層を形成する工程と、前記n型クラッド層(30)及び前記障壁層(52a)の間に位置する、Siを含んで形成されたトリガ層(40)を形成する工程とを備え、前記トリガ層(40)を形成する工程は、前記トリガ層(40)のSi濃度が前記n型クラッド層(30)中の転位の密度の5.0×109〜5.0×1010倍となるように前記Siの供給量を調整しながら形成することを特徴とする、窒化物半導体発光素子(1)の製造方法。
2…下地構造部
10…基板
20…バッファ層
22…AlN層
24…u−AlpGa1−pN層
30…n型クラッド層
30a…露出面
40…トリガ層
50…多重量子井戸層
52,52a,52b,52c…障壁層
54,54a,54b,54c…井戸層
60…電子ブロック層
70…p型クラッド層
80…p型コンタクト層
90…n側電極
92…p側電極
100…Vピット
100a…頂点
100b…底面
Claims (6)
- n型AlGaNによって形成されたn型クラッド層と、
AlGaNによって形成された障壁層を前記n型クラッド層側に有する多重量子井戸層と、を含む窒化物半導体発光素子であって、
前記n型クラッド層及び前記障壁層の間に位置する、Siを含んで形成されたトリガ層をさらに備え、
前記n型クラッド層及び前記多重量子井戸層は、複数の、前記n型クラッド層中の転位を始端とするVピットが形成されており、
前記トリガ層は、一つの層からなるとともに、前記n型クラッド層と前記障壁層との双方に接しており、
前記トリガ層における前記Siの濃度は、前記n型クラッド層中の前記転位の密度の5.0×109〜5.0×1010倍である、
窒化物半導体発光素子。 - 前記Vピットは、前記窒化物半導体発光素子の厚み方向に伸びる略逆円錐状の形状を有する、
請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。 - 略逆円錐状の形状を有する前記Vピットの頂点は、前記n型クラッド層中の前記転位から発生し、前記Vピットの底面は、前記多重量子井戸層内で終端する、
請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記Vピットは、前記多重量子井戸層の前記n型クラッド層と反対側の最外層のAlGaNによって形成された井戸層を終端として形成されている、
請求項3に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記トリガ層の前記Siの濃度は、5.0×1018cm−3〜5.0×1019cm−3である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。 - 基板上にn型AlGaNを有するn型クラッド層を形成する工程と、
AlGaNを有する障壁層を前記n型クラッド層側に有する多重量子井戸層を形成する工程と、
前記n型クラッド層と前記障壁層との双方に接するよう、Siが含まれた一つの層からなるトリガ層を形成する工程とを備え、
前記トリガ層を形成する工程は、前記トリガ層のSi濃度が前記n型クラッド層中の転位の密度の5.0×109〜5.0×1010倍となるように前記Siの供給量を調整しながら形成する、
窒化物半導体発光素子の製造方法。
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