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JP2019054247A - 窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】AlGaN系の半導体により形成された多重量子井戸層を含む窒化物半導体発光素子において多重量子井戸層にVピットを形成することにより、発光出力を向上させることができる窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法を提供する。【解決手段】n型AlGaNによって形成されたn型クラッド層30と、AlGaNによって形成された障壁層52aをn型クラッド層30側に有する多重量子井戸層と、を含む窒化物半導体発光素子であって、前記n型クラッド層30及び前記障壁層52aの間に位置する、Siを含んで形成されたトリガ層40をさらに備え、前記多重量子井戸層は、複数のVピットが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法に関する。
近年、青色光を出力する発光ダイオードやレーザダイオード等の窒化物半導体発光素子が実用化されており、発光出力を向上させた窒化物半導体発光素子の開発が進められている(特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の窒化物半導体発光素子は、n型窒化物半導体層と、トリガ層と、Vピット拡大層と、発光層を形成する多重量子井戸層と、p型窒化物半導体層とがこの順で設けられて構成された窒化物半導体発光素子であって、前記多重量子井戸層には、Vピットが形成されており、前記トリガ層は、前記n型窒化物半導体層の上面を構成する材料とは異なる格子定数を有する窒化物半導体材料からなり、前記Vピット拡大層は、前記n型窒化物半導体層の上面を構成する材料とは実質的に同一の格子定数を有する窒化物半導体材料からなり、5nm以上5000nm以下の厚みを有している。
ところで、非特許文献1には、多重量子井戸層におけるVピットの作用が記載されている。具体的には、非特許文献1には、多重量子井戸層内にVピットがあると、Vピットの斜面における量子井戸幅が狭くなるため、量子準位のエネルギーが大きくなるなどの効果により、実効的なバンドギャップが大きくなり、量子井戸における電子・ホールがVピット内部に到達することが妨げられ、結果として多重量子井戸層内における非発光再結合が抑制されることが記載されている。特許文献1に記載の窒化物半導体発光素子は、この多重量子井戸層におけるVピットの作用に関わる技術思想に基づいてなされた発明に係るものである。
特許第5881393号公報
A. Hangleiter, F. Hitzel, C. Netzel, D. Fuhrmann, U. Rossow, G. Ade, and P. Hinze, "Suppression of Nonradiative Recombination by V-Shaped Pits in GaInN/GaN Quantum Wells Produces a Large Increase in the Light Emission Efficiency", Physical Review Letters 95, 127402 (2005)
特許文献1に記載の窒化物半導体発光素子では、トリガ層としてのn型窒化物半導体層の他に、Vピット拡大層としての窒化物半導体材料を含む層をさらに形成する必要があり、窒化物半導体発光素子を形成する工程が多くなるとともに、製造コストの上昇を招いていた。
そこで、本発明は、トリガ層の他にトリガ拡大層をn型窒化物半導体上に形成することなく、多重量子井戸層にVピットを形成することにより、発光出力を向上させることができる窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、n型AlGaNによって形成されたn型クラッド層と、AlGaNによって形成された障壁層をn型クラッド層側に有する多重量子井戸層と、を含む窒化物半導体発光素子であって、前記n型クラッド層及び前記障壁層の間に位置する、Siを含んで形成されたトリガ層をさらに備え、前記多重量子井戸層は、複数のVピットが形成されている、窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、トリガ層の他にトリガ拡大層をn型窒化物半導体上にさらに形成することなく、多重量子井戸層にVピットを形成することにより、発光出力を向上させることができる窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を概略的に示す断面図である。 図2は、Vピットを示す画像であり、(a)は、Vピットが形成された窒化物半導体発光素子の縦断面を示す画像であり、(b)は、(a)の一部を拡大して示すVピットの拡大画像である。 図3は、実施例及び比較例の発光波長と発光出力との関係を示す図である。 図4は、図3に示す実施例及び比較例の順方向に供給される電流及び発光出力のデータを示す表である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1から図4を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。また、各図面における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の窒化物半導体発光素子の寸法比と一致するものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を概略的に示す断面図である。窒化物半導体発光素子1(以下、単に「発光素子1」ともいう。)は、紫外領域の波長の光を発する発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。本実施の形態では、特に、中心波長が250nm〜350nmの深紫外光を発する発光素子1を例に挙げて説明する。
図1に示すように、発光素子1は、基板10と、バッファ層20と、n型クラッド層30と、トリガ層40と、多重量子井戸層50と、電子ブロック層60と、p型クラッド層70と、p型コンタクト層80と、n側電極90と、p側電極92とを含んで構成されている。
発光素子1を構成する半導体には、例えば、AlGa1−xN(0≦x≦1)にて表されるIII族窒化物半導体を用いることができる。また、これらのIII族元素の一部は、インジウム(In)、ホウ素(B)、タリウム(Tl)等で置き換えても良く、また、Nの一部をリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で置き換えても良い。
基板10は、発光素子1が発する深紫外光に対して透光性を有している。基板10は、例えば、サファイア(Al)を含むサファイア(Al)基板である。基板10には、サファイア(Al)基板の他に、例えば、窒化アルミニウム(AlN)基板や、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)基板を用いてもよい。
バッファ層20は、基板10上に形成されている。バッファ層20は、AlN層22と、AlN層22上に形成されるアンドープのu−AlGa1−pN層24(0≦p≦1)を含んで構成されている。また、基板10及びバッファ層20は、下地構造部2を構成する。なお、u−AlGa1−pN層24は、必ずしも設けなくてもよい。
n型クラッド層30は、下地構造部2上に形成されている。n型クラッド層30は、n型のAlGaN(以下、単に「n型AlGaN」ともいう。)により形成された層であり、例えば、n型の不純物としてシリコン(Si)がドープされたAlGa1−qN層(0≦q≦1)である。なお、n型の不純物としては、ゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)、テルル(Te)、炭素(C)等を用いてもよい。n型クラッド層30は、1μm〜3μm程度の厚さを有し、例えば、2μm程度の厚さを有している。n型クラッド層30は、単層でもよく、多層構造でもよい。
トリガ層40は、n型クラッド層30上に形成されている。トリガ層40は、後述する多重量子井戸層50に形成されるVピット100(図2(a)参照)を発生させる役割を担う層である。トリガ層40は、1〜100nm程度の厚さを有し、例えば、25nm程度の厚さを有している。
トリガ層40は、シリコン(Si)を含んで形成される層である。トリガ層40のSiの濃度は、n型クラッド層30内に生じる転位等の欠陥の密度に応じて適宜調整される。一例として、n型クラッド層30に1.0×10個/cmの転位が存在する場合、トリガ層40のSiの濃度は、例えば、5.0×1018cm−3〜5.0×1019cm−3である。
発光層を形成する多重量子井戸層50は、トリガ層40上に形成されている。多重量子井戸層50は、AlGa1−rNを含んで構成される多重量子井戸層のn型クラッド層30側の障壁層52aを含む3層の障壁層52a,52b,52cとAlGa1−sNを含んで構成される3層の井戸層54a,54b,54c(0≦r≦1、0≦s≦1、r>s)とを交互に積層したものである。多重量子井戸層50は、波長350nm以下の深紫外光を出力するためにバンドギャップが3.4eV以上となるように構成される。なお、本実施の形態では、多重量子井戸層50に3つの障壁層52a,52b,52c及び井戸層54a,54b,54cを設けたが、層の数は3つに限定されるものではなく、2つでもよく、4つ以上でもよい。
次に、図2を参照して、Vピット100について説明する。図2は、Vピット100を示す画像であり、(a)は、Vピット100が形成された窒化物半導体発光素子の縦断面を示す画像であり、(b)は、(a)の一部(図2(a)の円枠部分)を拡大して示すVピット100の拡大画像である。なお、図2に示す画像は、いずれもSEM(Scanning Electron Microscope)観察画像である。
図2(a)に示すように、多重量子井戸層50には、複数のVピット100が形成されている。Vピット100とは、例えば、成長中に生じ得る結晶のズレ等により発生する結晶欠陥の一種である。これら複数のVピット100は、トリガ層40を設けたことにより、n型クラッド層30に存在する転位等の欠陥から発生する。図2(b)に示すように、Vピット100は、発光素子1の厚み方向に複数の障壁層52a,52b,52c及び井戸層54a,54b,54cを介して伸び、頂点100aがn型クラッド層30側(図示下側)を向くように配置された略逆円錐形の形状を有している(図2(b)点線参照)。
換言すれば、Vピット100の縦断面は、図2(b)に示すように、電子ブロック層60側(図示上側)に向かって開く略V字型の形状を有し、横断面は、略円形状を有している。ここで、縦断面とは、発光素子1の厚み方向に平行な断面をいい、横断面とは、発光素子1の厚み方向に垂直な断面をいう。なお、Vピット100の形状は、略円錐形に限られるものではなく、六角錐形状、多角錐形状、楕円錐形状、円柱状、多角柱状等でもよい。
Vピット100の頂点100aは、n型クラッド層30中の転位から発生し、Vピット100の底面100bは、多重量子井戸層50内で終端する。好ましくは、Vピット100の底面100bの直径は、100nm以下である。なお、Vピット100の底面100bが円形状を有していない場合、Vピット100の直径とは、Vピット100の底面100bの形状を、例えば、外接円等で円形に近似したときの直径をいう。また、Vピット100は、10nm〜30nm程度の厚さを有し、例えば、20nm程度の厚さを有する。ここで、Vピットの厚さとは、Vピット100の縦断面における発光素子1の厚み方向の長さをいう。
電子ブロック層60は、多重量子井戸層50上に形成されている。電子ブロック層60は、p型のAlGaN(以下、単に「p型AlGaN」ともいう。)により形成された層である。電子ブロック層60は、1nm〜10nm程度の厚さを有している。なお、電子ブロック層60は、AlNにより形成された層を含んでもよい。また、電子ブロック層60は、必ずしもp型の半導体層に限られず、アンドープの半導体層でもよい。
p型クラッド層70は、電子ブロック層60上に形成されている。p型クラッド層70は、p型AlGaNにより形成される層であり、例えば、p型の不純物としてマグネシウム(Mg)がドープされたAlGa1−tNクラッド層(0≦t≦1)である。なお、p型の不純物としては、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等を用いてもよい。p型クラッド層70は、300nm〜700nm程度の厚さを有し、例えば、400nm〜600nm程度の厚さを有する。
p型コンタクト層80は、p型クラッド層70上に形成されている。p型コンタクト層80は、例えば、Mg等の不純物が高濃度にドープされたp型のGaN層である。
n側電極90は、n型クラッド層30の一部の領域上に形成されている。n側電極90は、例えば、n型クラッド層30の上に順にチタン(Ti)/アルミニウム(Al)/Ti/金(Au)が順に積層された多層膜で形成される。
p側電極92は、p型コンタクト層80の上に形成されている。p側電極92は、例えば、p型コンタクト層80の上に順に積層されるニッケル(Ni)/金(Au)の多層膜で形成される。
次に、発光素子1の製造方法について説明する。基板10上にバッファ層20を形成する。具体的には、基板10上に、AlN層22と、アンドープのu−Al1−pGaN層24を高温成長させる。次に、バッファ層20上にn型クラッド層30を高温成長させる。
次に、高温n型クラッド層30内に含まれる転位等の欠陥密度に応じてSiのドープ量を適宜調整しながら、n型クラッド層30上にトリガ層40を高温成長させる。例えば、Siの濃度が上述の5.0×1018cm−3〜5.0×1019cm−3になるように、Siのドープ量を調整する。次に、トリガ層40上に、多重量子井戸層50、電子ブロック層60、及びp型クラッド層70を順に高温成長させる。
n型クラッド層30、トリガ層40、多重量子井戸層50、電子ブロック層60、及びp型クラッド層70は、有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)、分子線エピタキシ法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)、ハライド気相エピタキシ法(Halide Vapor Phase Epitaxy:NVPE)等の周知のエピタキシャル成長法を用いて形成することができる。
次に、p型クラッド層70の上にマスクを形成し、マスクが形成されていない露出領域のトリガ層40、多重量子井戸層50、電子ブロック層60、及びp型クラッド層70を除去する。トリガ層40、多重量子井戸層50、電子ブロック層60、及びp型クラッド層70の除去は、例えば、プラズマエッチングにより行うことができる。n型クラッド層30の露出面30a(図1参照)上にn側電極90を形成し、マスクを除去したp型コンタクト層80上にp側電極92を形成する。n側電極90及びp側電極92は、例えば、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法などの周知の方法により形成することができる。以上により、図1に示す発光素子1が形成される。
(実施例)
上述したように、トリガ層40は、n型クラッド層30の転位等の欠陥密度に応じたドープ量のSiを含んでいる。このトリガ層40は、前記n型クラウド層30と前記n型クラッド層30側の最外層にAlGaNによって形成された障壁層52aを有する多重量子井戸層50との間に配置されている。この構成により、前記n型クラッド層30の転位等の欠陥を始端とし、前記多重量子井戸層50の複数の障壁層52a,52b,52cと井戸層54a,54b,54cとを介して伸びる略逆円錐状の前記欠陥密度に応じた複数のVピット100が、前記多重量子井戸層50の、例えば、前記電子ブロック層60側(前記n型クラッド層30と反対側)の最外層のAlGaNによって形成された井戸層54cを終端として形成される。この複数のVピット100が発光素子1の発光出力を向上することを確認した。
次に、発光出力を向上することを確認した実験について図3を参照して説明する。図3は、実施例及び比較例の順方向に供給される電流と発光出力との関係を示す図である。図3の横軸は、発光素子1に印加する電流(mA)を示し、縦軸は、発光出力(任意単位)を示す。記号Aは、実施例の場合を示し、記号Bは、比較例の場合を示している。図4は、図3に示す実施例及び比較例の順方向に供給される電流及び発光出力のデータを示す表である。なお、比較例として、上述した発光素子1からトリガ層40を除いた構成を有する発光素子を用いた。
図3及び図4に示すように、実施例では、約20mAの電流を印加したとき、おおよそ1700の発光出力が得られ、約60mAの電流を印加したとき、およそ5000の発光出力が得られ、100mAの電流を印加したとき、およそ7800の発光出力が得られ、150mAの電流を印加したとき、およそ11000の発光出力が得られた。これらに対し、比較例では、約20mAの電流を印加したとき、おおよそ1300の発光出力が得られ、約60mAの電流を印加したとき、およそ3500の発光出力が得られ、100mAの電流を印加したとき、およそ5000の発光出力が得られ、150mAの電流を印加したとき、およそ7400の発光出力が得られた。
以上をまとめると、実施例の発光出力は、20mAの電流を印加したとき、比較例の発光出力の約1.31倍となり、60mAの電流を印加したとき、比較例の発光出力の約1.43倍となり、100mAの電流を印加したとき、比較例の発光出力の約1.56倍となり、150mAの電流を印加したとき、実施例の発光出力は、比較例の発光出力の約1.49倍となった。以上のように、実施例の発光出力は、印加した電流の範囲においては、少なくとも20%以上向上している。これらの結果から、本発明により、発光素子1の発光出力が上昇することが明らかになった。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る発光素子1では、n型クラッド層30と多重量子井戸層のn型クラッド層30側の障壁層52aとの間に、n型クラッド層30の転位等の欠陥密度に応じたドープ量のSiを含むトリガ層40が設けられている。このトリガ層40により、n型クラッド層30内に発生する転位等の欠陥からVピットが発生し、多重量子井戸層50内に複数の障壁層52a,52b,52c及び井戸層54a,54b,54cを介して伸びる略逆円錐形状の複数のVピットが形成される。かかる構成により、本発明に係る発光素子1では、深紫外光の発光出力を上昇させることが可能となる。このようなトリガ層40を設けることによって多重量子井戸層内に形成されたVピットが、多重量子井戸層内に生じ得る転位による非発光再結合を抑制することができたためと考えられる。
(実施形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]n型AlGaNによって形成されたn型クラッド層(30)と、AlGaNによって形成された障壁層(52a,52b,52c)を前記n型クラッド層(30)側に有する多重量子井戸層と、を含む窒化物半導体発光素子(1)であって、前記n型クラッド層(30)及び前記障壁層(52a)の間に位置する、Siを含んで形成されたトリガ層(40)をさらに備え、前記多重量子井戸層は、複数のVピット(100)が形成されている、窒化物半導体発光素子(1)。
[2]前記Vピット(100)は、前記窒化物半導体発光素子(1)の厚み方向に伸びる略逆円錐状の形状を有する、前記[1]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[3]略逆円錐状の形状を有する前記Vピット(100)の頂点(100a)は、前記n型クラッド層(30)中の転位から発生し、前記Vピット(100)の底面(100b)は、前記多重量子井戸層(50)内で終端する、前記[2]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[4]前記Vピット(100)は、前記n型クラッド層(30)の転位を始端とし、前記多重量子井戸層(50)の前記n型クラッド層(30)と反対側の最外層のAlGaNによって形成された井戸層(54c)を終端として形成される、前記[3]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[5]前記Vピット(100)は、前記窒化物半導体発光素子(1)の厚み方向に垂直な断面において、所定の直径を有する円形状を有する、前記[2]から[4]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[6]前記所定の直径は、100nmである、前記[5]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[7]前記トリガ層(40)のSi濃度は、5.0×1018cm−3〜5.0×1019cm−3である、前記[1]から[8]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[8]基板(10)上にn型AlGaNを有するn型クラッド層(30)を形成する工程と、AlGaNを有する障壁層(52a,52b,52c)を前記n型クラッド層(30)側に有する多重量子井戸層を形成する工程と、前記n型クラッド層(30)及び前記障壁層(52a)の間に位置する、Siを含んで形成されたトリガ層(40)を形成する工程とを備え、前記トリガ層(40)を形成する工程は、前記n型クラッド層(30)に含まれる転位の密度に応じてSiの供給量を調整しながら形成することを特徴とする、窒化物半導体発光素子(1)の製造方法。
1…窒化物半導体発光素子(発光素子)
2…下地構造部
10…基板
20…バッファ層
22…AlN層
24…u−AlGa1−pN層
30…n型クラッド層
30a…露出面
40…トリガ層
50…多重量子井戸層
52,52a,52b,52c…障壁層
54,54a,54b,54c…井戸層
60…電子ブロック層
70…p型クラッド層
80…p型コンタクト層
90…n側電極
92…p側電極
100…Vピット
100a…頂点
100b…底面

Claims (8)

  1. n型AlGaNによって形成されたn型クラッド層と、
    AlGaNによって形成された障壁層を前記n型クラッド層側に有する多重量子井戸層と、
    を含む窒化物半導体発光素子であって、
    前記n型クラッド層及び前記障壁層の間に位置する、Siを含んで形成されたトリガ層をさらに備え、
    前記多重量子井戸層は、複数のVピットが形成されている、
    窒化物半導体発光素子。
  2. 前記Vピットは、前記窒化物半導体発光素子の厚み方向に伸びる略逆円錐状の形状を有する、
    請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 略逆円錐状の形状を有する前記Vピットの頂点は、前記n型クラッド層中の転位から発生し、前記Vピットの底面は、前記多重量子井戸層内で終端する、
    請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記Vピットは、前記n型クラッド層の転位を始端とし、前記多重量子井戸層の前記n型クラッド層と反対側の最外層のAlGaNによって形成された井戸層を終端として形成される、
    請求項3に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記Vピットは、前記窒化物半導体発光素子の厚み方向に垂直な断面において、所定の直径を有する円形状を有する、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記所定の直径は、100nmである、
    請求項5に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記トリガ層のSi濃度は、5.0×1018cm−3〜5.0×1019cm−3である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 基板上にn型AlGaNを有するn型クラッド層を形成する工程と、
    AlGaNを有する障壁層を前記n型クラッド層側に有する多重量子井戸層を形成する工程と、
    前記n型クラッド層及び前記障壁層の間に位置する、Siを含んで形成されたトリガ層を形成する工程とを備え、
    前記トリガ層を形成する工程は、前記n型クラッド層に含まれる転位の密度に応じてSiの供給量を調整しながら形成することを特徴とする、
    窒化物半導体発光素子の製造方法。
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