JP6999475B2 - 製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents
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Description
〔1〕質量%で、
C:≦0.25%、
Si:1.5~4%、
Mn:≦2.0%、
P:≦0.045%、
S:≦0.0015%、
Cr:16~26%、
Ni:8.0~22.0%、
Mo:0.01~3.0%、
Cu:0.01~2.5%、
Al:0.003~0.2%、
N:≦0.1%、
Ca:0.0001~0.005%、
Mg:0.0001~0.005%、
を満足し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、かつ下記(1)で表されるCreq/Nieqが1.3以上であり、
前記のステンレス鋼中に含まれる非金属介在物として、MgO・Al2O3系、Al2O3系の介在物をいずれも含有せず、
前記の非金属介在物が、CaO、MgO、CaS、CaO-Al2O3-MgO系酸化物の1種または2種以上からなる
ことを特徴とする製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼。
Creq/Nieq=([Cr]+1.37×[Mo]+1.5×[Si])/([Ni]+0.31×[Mn]+[Cu]+22×[C]+14.2×[N])・・・(1)
但し、式中の[元素名]は、当該元素の含有質量%を意味する。
〔2〕前記非金属介在物において、CaO-Al2O3-MgO系酸化物の組成がSiO2≦10質量%且つCaO≧10質量%且つAl2O3≦70質量%を満たすことを特徴とする〔1〕に記載の製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼。
Creq/Nieq=([Cr]+1.37[Mo]+1.5[Si])/([Ni]+0.31[Mn]+[Cu]+22[C]+14.2[N])・・・(1)
但し、式中の[元素名]は、当該元素の含有質量%を意味する。
また、MgO・Al2O3系、Al2O3系の介在物をいずれも含有しない。割れに有効な介在物を含む場合であっても、MgO・Al2O3系、Al2O3系を含む場合は、生成したMgO・Al2O3やAl2O3が鋳造時の浸漬ノズルに付着してノズル閉塞を引き起こす。また、ノズル付着物の脱落に起因した表面疵に繋がるため回避する。
ここで、本発明において、「MgO・Al2O3系、Al2O3系の介在物をいずれも含有しない」とは、鋳片においては、直径(最大径)10μm以上のMgO・Al2O3系、Al2O3系の介在物をいずれも含有しないことを意味し、鋼板または線材においては、圧延によって介在物が延伸したり破砕されて小さくなっているため、1μm以上の上記介在物が存在しないことを意味する。
鋼板または線材の場合、非金属介在物の組成分析は、鋼板または線材から厚み中心を通る圧延と平行なL断面で試験片を切り出して鏡面研磨した後に、1μm以上の介在物をランダムに25個選んで日本電子製の走査型電子顕微鏡JSM-6490Aを用いてEDSにより定量分析する。
本発明に係る高Siオーステナイト系ステンレス鋼を確実に製造する事ができる方法を次に説明する。ただし、上記の化学組成および介在物により特定される本発明に係るステンレス鋼が製造する事ができる限り、他の製造方法を採用することも可能である。
A2=(103.98/47.97)×スラグ重量(kg)×{(Cr2O3)-0.3}/100×(47.97/151.95)・・・(3)
Amin(kg)=A1+A2・・・(4)
A3=(53.96/47.97)×スラグ重量(kg)×{(SiO2)-5}/100×(31.98/60.06)・・・(5)
A4(kg)={溶鋼重量(kg)×(0.1-[Al])}/(100-0.1)・・・(6)
Amax(kg)=A2+A3+A4・・・(7)
一方、MgはAODでスラグにMgOを添加してスラグ中のMgO活量を高める事で溶鋼中のAlを還元する反応3MgO+2Al→3Mg+Al2O3によりMgを溶鋼に取り込む。
このようにして溶鋼の成分と非金属介在物の組成を制御し、連続鋳造機にて鋳造する事で、鋳片の凝固割れを抑制し、製造性に優れたγ系高Siステンレス鋼が提供される。
V-AODで採取した溶鋼および鋳片の組成分析は試験片をベルト研磨後に蛍光X線分析装置により測定した。またC、Sは炭素・硫黄分析装置を、Nは酸素・窒素分析装置を用いて測定した。
発明鋼である実施例1~10は鋳片の表面1.5mm研削後に割れが無く、良好な鋳片品質であった。
比較例11は鋼中に含まれる介在物に規定する介在物が含まれていたが、Creq/Nieqが1.3を下回っており、鋳片の割れ評価は×であった。
比較例12はCreq/Nieqが1.3を下回っており、更に鋼中に含まれる介在物も規定の介在物を含んでおらず、鋳片の割れ評価は×であった。
比較例13はCreq/Nieqが1.3を超えたが、鋼中に規定する介在物が含まれておらず、鋳片の割れ評価は△であった。
比較例14はCreq/Nieqが1.3を超えたが、鋼中に規定する介在物が含まれておらず、鋳片の割れ評価は△であった。
比較例15はCreq/Nieqが1.3を下回っており、更に鋼中に含まれる介在物も規定の介在物を含んでおらず、鋳片の割れ評価は×であった。
Claims (2)
- 質量%で、
C:≦0.25%、
Si:1.5~4%、
Mn:≦2.0%、
P:≦0.045%、
S:≦0.0015%、
Cr:16~26%、
Ni:8.0~22.0%、
Mo:0.01~3.0%、
Cu:0.01~2.5%、
Al:0.003~0.2%、
N:≦0.1%、
Ca:0.0001~0.005%、
Mg:0.0001~0.005%、
を満足し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、かつ下記(1)で表されるCreq/Nieqが1.3以上であり、
前記のステンレス鋼中に含まれる非金属介在物として、MgO・Al2O3系、Al2O3系の介在物をいずれも含有せず、
前記の非金属介在物が、CaO、MgO、CaS、CaO-Al2O3-MgO系酸化物の1種または2種以上からなる
ことを特徴とする製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼。
Creq/Nieq=([Cr]+1.37×[Mo]+1.5×[Si])/([Ni]+0.31×[Mn]+[Cu]+22×[C]+14.2×[N])・・・(1)
但し、式中の[元素名]は、当該元素の含有質量%を意味する。 - 前記非金属介在物において、CaO-Al2O3-MgO系酸化物の組成がSiO2≦10質量%且つCaO≧10質量%且つAl2O3≦70質量%を満たすことを特徴とする請求項1に記載の製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼。
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