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JP6999475B2 - 製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼 Download PDF

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Description

本発明は、鋳造時の割れを抑制し、製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼に関する。
高Siのオーステナイト系ステンレス鋼は、高温強度や耐酸化性、耐硝酸性や耐硫酸性に優れている事が知られている。
耐熱性、耐酸化性に優れた高Siのオーステナイト系ステンレス鋼として、特許文献1に開示される重量%で1.5~4.0質量%Siを含む耐熱鋼が開発されている。しかしながら、高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼では鋳造時に割れを生じ易く、製造性に優れたものでは無かった。
特許文献2には高Siオーステナイト系ステンレス鋼の熱間加工性を改善するために、1100℃~1250℃でソーキングして金属間化合物の固溶化を行っているが、鋳片で生じる割れを防止する手法に関しては開示されていない。
特許文献3ではAl等のB系介在物の面積率を0.03%以下、SiO等のA系介在物を0.06%以下に規定する事で、加工性と高温・高濃度硝酸環境中での耐食性向上を図っているが、B系介在物の含有量を制限する事によって間接的にCaOやCaOを含む複合介在物を抑制しているため、鋳造時の割れを十分に抑制出来ない。
このように、従来技術は耐食性の向上や耐熱性の向上、熱間圧延時の割れ抑制に関すものはあるが鋳造時の割れを防止する技術は無く、高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼の製造性に関しては改善の必要があった。
特公昭57-54543号公報 特開平5-51633号公報 特許第5212581号公報
本発明の目的は、高Siを含有するオーステナイト系ステンレス鋼の鋳造時の割れを防止し、通常の連続鋳造プロセスによって安価に、しかも安定的に提供する事を目的とする。
本発明者らは、高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼で鋳造時に割れが生じる理由を検討した結果、以下の知見を得た。
鋼中のSi、S、Pが鋳造時に液相に濃縮する事で液相が低融点化し、液相が低温まで残留する事で鋳造時の応力で割れを生じる。そのため、割れの抑制にはSi、S、Pの低減が望ましい。
Siの低減は耐熱性や耐硝酸性、耐硫酸性など材質特性の観点から添加しているため、低減は望ましく無い。Pはステンレス鋼において精錬除去が困難なため、Pの低減には[P]濃度の低い高品位の原料を用いて溶解する必要があり原料コストが上昇する。Sの低減は割れ防止に有効であり、可能な範囲で精錬による低S化することが望ましい。
上記のSi、S、Pに起因した鋳片の割れはCreq/Nieq>1.3とする事で低減する事が出来る。これはCreq/Nieq>1.3とする事で凝固末期に微量晶出したフェライト相がSi、P、Sを固定し、液相への濃縮が抑制されたためと考えられる。
更に、鋼中に含まれる非金属介在物がCaO-Al-MgO系酸化物やCaO、MgO、CaS、となる場合に鋳片の割れが抑制される。これは割れに有害なSが介在物中に固定されるため、凝固時の液相へのS濃縮が緩和されて液相の低融点化が抑制されたためと考えられる。一方、脱酸不良で生じる非金属介在物のMgO・Alや脱酸元素のAlを過剰添加した際に生じるAl、またCaO-Al-MgOスラグ系介在物でもSiO>10質量%且つCaO<10質量%且つAl>70質量%となる組成の場合には鋳片の割れ抑制効果は発現しない。これは、これらの介在物のS固定能が小さいためと考えられる。そのため、鋳片の割れを防止するには鋼中の非金属介在物をS固定能を有する組成のCaO-Al-MgO系酸化物、CaO、MgO、CaSに制御する必要がある。
即ち、本発明の高Si含有オーステナイト系ステンレス鋼は、下記の構成を要旨とする。
〔1〕質量%で、
C:≦0.25%、
Si:1.5~4%、
Mn:≦2.0%、
P:≦0.045%、
S:≦0.0015%、
Cr:16~26%、
Ni:8.0~22.0%、
Mo:0.01~3.0%、
Cu:0.01~2.5%、
Al:0.003~0.2%、
N:≦0.1%、
Ca:0.0001~0.005%、
Mg:0.0001~0.005%、
を満足し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、かつ下記(1)で表されるCreq/Nieqが1.3以上であり、
前記のステンレス鋼中に含まれる非金属介在物として、MgO・Al系、Al系の介在物をいずれも含有せず、
前記の非金属介在物が、CaO、MgO、CaS、CaO-Al-MgO系酸化物の1種または2種以上からなる
ことを特徴とする製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼。
Creq/Nieq=([Cr]+1.37×[Mo]+1.5×[Si])/([Ni]+0.31×[Mn]+[Cu]+22×[C]+14.2×[N])・・・(1)
但し、式中の[元素名]は、当該元素の含有質量%を意味する。
〔2〕前記非金属介在物において、CaO-Al-MgO系酸化物の組成がSiO≦10質量%且つCaO≧10質量%且つAl≦70質量%を満たすことを特徴とする〔1〕に記載の製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼。
本発明の高Siオーステナイト系ステンレス鋼では、鋳造時の割れを抑制出来、従来よりも安定して安価に素材を提供する事が可能となる。
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明において成分含有量は、特に注記しない限り質量%を意味する。
Cは鋼中に存在する不可避的な元素であり、その含有量が0.25%を超えると、Crと結合し炭化物を形成するため、靭性及び耐食性が劣化する。そのため、Cの含有量を0.25%以下に限定した。望ましくは0.1%以下である。
Siは耐酸化性や高温強度、硝酸や硫酸に対する耐食性向上に有効で1.5%以上添加する。一方、4%を超えて添加すると熱間加工性が著しく劣化し、製造性が損なわれる。そのため、上限を4.0%とする。
MnはNiと同様、γ相の化学的安定性を高める元素であるため、2.0%以下の量で含有させる。一方、2.0%を超えて添加すると耐食性が劣化する。そのため、上限を2.0%とする。好ましくは、0.2%以上、1.5%以下である。
Pは鋼中に不可避的に含有される元素であり、鋳造時の割れ感受性を高め、熱間加工性も劣化させるため、その含有量を0.045%以下に限定する。望ましくは0.030%以下である。
Sは鋼中に不可避的に含有される元素であって、鋳造時の割れ感受性を高め、熱間加工性も劣化させるため、その含有量を0.0015%以下に限定する。望ましくは0.0010%以下である。
Crは耐食性を確保するために必要な元素であり16.0%以上含有させる。一方で、Crを多量に含むとフェライトを含む二相組織となってしまうために熱間加工性や靭性の低下に繋がってしまうため、添加量を26.0%以下とする。好ましくは、17.0~20.0%である。
Niはγ相を安定化させる元素であり、さらに耐食性および靭性を改善するため、8.0%以上添加することが望ましい。一方高価な元素であり、過剰に添加することはコストアップにつながるため、上限を22.0%とする。好ましくは、9.0~15.0%である。
Moは0.01%以上の含有で耐食性の向上に有効な元素であるが、高価である事と金属間化合物の生成による靭性劣化に繋がる事から、上限を3%以下とする。一方、0.01質量未満とするにはスクラップの使用に制限が出るためコストアップに繋がる。好ましくは、0.1~1.6%である。
Cuは0.01%以上の含有で耐食性の向上に有効な元素であり2.5%以下で添加する。2.5%を超えて添加すると、熱間加工性低下するため上限を2.5%以下とする。一方、0.01質量未満とするにはスクラップの使用に制限が出るためコストアップに繋がる。好ましくは2.0%以下である。
Alは脱酸のために重要な元素であり、鋼中の酸素を低減し、脱硫を促進するために0.003%以上の添加が必要である。一方、0.2%を超えて添加すると靭性を劣化させるため、含有量の上限は0.2%とする。好ましくは0.005~0.1%である。
Nは耐食性を向上させるとともに、γ相の化学的安定性に有効な元素であるが、0.1%を超えて含有すると靭性を劣化させてしまう。そのため、含有量の上限を0.1%とする。好ましくは0.01%以上である。
Caは熱間加工性を改善する元素であり、0.0001%以上添加する。一方で、0.005%超の添加では逆に熱間加工性を低下させるので上限を0.005%とする。
Mgは熱間加工性を改善させる元素であり、0.0001%以上添加する。一方で、0.005%超の添加は逆に熱間加工性を低下させるため、上限0.005%とする。
また、上述してきた鋼の成分含有量は、下記(1)式で表されるCreq/Nieq値で1.3以上の範囲となるように調整する必要がある。Creq/Nieq値は、鋼中のフェライト相とオーステナイト相の安定度バランスを示す指標であり、Creq/Nieq値が1.3を超えると鋳片での割れを低減出来る。
Creq/Nieq=([Cr]+1.37[Mo]+1.5[Si])/([Ni]+0.31[Mn]+[Cu]+22[C]+14.2[N])・・・(1)
但し、式中の[元素名]は、当該元素の含有質量%を意味する。
また、本発明では、凝固割れに有害なSの固定に有効となるよう、非金属介在物がCaO、MgO、CaS、CaO-Al-MgO系酸化物の1種または2種以上から構成されることを必須条件としている。なお、CaO、MgO、CaSとはそれぞれの主要酸化物濃度が80質量%を超える物のことを意味している。
また、MgO・Al系、Al系の介在物をいずれも含有しない。割れに有効な介在物を含む場合であっても、MgO・Al系、Al系を含む場合は、生成したMgO・AlやAlが鋳造時の浸漬ノズルに付着してノズル閉塞を引き起こす。また、ノズル付着物の脱落に起因した表面疵に繋がるため回避する。
ここで、本発明において、「MgO・Al系、Al系の介在物をいずれも含有しない」とは、鋳片においては、直径(最大径)10μm以上のMgO・Al系、Al系の介在物をいずれも含有しないことを意味し、鋼板または線材においては、圧延によって介在物が延伸したり破砕されて小さくなっているため、1μm以上の上記介在物が存在しないことを意味する。
鋼板または線材の場合、非金属介在物の組成分析は、鋼板または線材から厚み中心を通る圧延と平行なL断面で試験片を切り出して鏡面研磨した後に、1μm以上の介在物をランダムに25個選んで日本電子製の走査型電子顕微鏡JSM-6490Aを用いてEDSにより定量分析する。
上記非金属介在物で鋳片の割れを抑制するためには、CaO-Al-MgO系酸化物が以下の条件を満たすことが好ましい。
CaO-Al-MgO系酸化物中のCaO濃度が10%を下回る場合、SiO濃度が10%を超えて高い場合、Al濃度が70質量%を超えて高い場合は、介在物のS吸収能が低く、十分な割れ抑制効果を得られない。鋳造時の割れ抑制効果を得るにはCaO≧10%且つSiO≦10%且つAl≦70%とする必要がある。
[製造方法]
本発明に係る高Siオーステナイト系ステンレス鋼を確実に製造する事ができる方法を次に説明する。ただし、上記の化学組成および介在物により特定される本発明に係るステンレス鋼が製造する事ができる限り、他の製造方法を採用することも可能である。
鋼中の非金属介在物をCaO、MgO、CaS、CaO-Al-MgO系酸化物に制御するには、脱酸により溶鋼中の[O]を十分に下げた上でCa-Siを添加してCaOの富化した介在物組成に制御する。脱酸不良の場合はMgO・Alを生じ、過剰脱酸の場合にはAlを生じるため、介在物の組成制御にはV-AODでの脱酸元素のAl添加量により溶鋼[Al]濃度とスラグ組成を精度良く制御する必要がある。
本発明に係る高Siオーステナイト系ステンレス鋼を製造する際の精錬における操業上望ましい条件を以下に示す。
電気炉でスクラップおよび合金原料を装入して溶解を行う。Pは精錬除去が困難なため、本発明で規定した0.045質量%以下となるように原料を選択する。
精錬工程としてV-AOD炉で脱炭を行う。脱炭は酸素と希釈ガスのArまたは窒素を吹き込み、溶鋼中のCをCOガスとして除去する。さらに減圧によってCOガス分圧を低下させてCr酸化を抑制しながら脱炭を行う。脱炭後、CaOおよびCaFを添加してスラグを形成し、Alを添加してスラグに移行したCr酸化物の還元回収と溶鋼の脱酸による脱硫を進め、[S]≦0.0015質量%に成分調整した。ここで、脱酸不良の場合はMgO・Alを生じるため、出鋼前にAl添加による脱酸を実施するが、Alを過剰添加してしまうとAlを生じてしまうため、V-AOD出鋼前に溶鋼とスラグ組成分析を行ってAl添加量を決定する。
Al添加量は、Al添加後のスラグ(SiO)濃度を5質量%以上10質量%以下、(Cr)濃度が0.3質量%以下に希釈し、溶鋼中の[Al]濃度が0.1質量%以下となる範囲を狙い、Al添加量最適範囲の下限Amin(kg)と上限Amax(kg)は下記の式で計算する。
=(53.96/47.97)×スラグ重量(kg)×{(SiO)-10}/100×(31.98/60.06)・・・(2)
=(103.98/47.97)×スラグ重量(kg)×{(Cr)-0.3}/100×(47.97/151.95)・・・(3)
min(kg)=A+A・・・(4)
=(53.96/47.97)×スラグ重量(kg)×{(SiO)-5}/100×(31.98/60.06)・・・(5)
(kg)={溶鋼重量(kg)×(0.1-[Al])}/(100-0.1)・・・(6)
max(kg)=A+A+A・・・(7)
(SiO)はスラグの(SiO)濃度、(Cr)はスラグの(Cr)濃度、[Al]は溶鋼の[Al]濃度で、溶鋼重量はクレーン重量から求めた。スラグ重量はスラグ厚さ測定値を用いて密度から推定できるが、本実施例のスラグ重量に関しては溶鋼重量60tonで操業した際の平均スラグ重量の1500kgを用いて計算した。
はスラグ(SiO)濃度を10%に希釈するのに必要なAl量、Aはスラグ(Cr)濃度を0.3%に希釈するのに必要なAl量で、Aminは正の値となる場合のA、Aを合計したものである。
はスラグ(SiO)濃度を5%に希釈するのに必要なAl量、Aは溶鋼[Al]濃度を0.1質量%とするのに必要なAl量で、Amaxは正の値となる場合のA、A、Aの値を合計したものである。
その後、LFで合金添加による成分調整とCa-Siワイヤ添加によるスラグ系介在物の組成をCaの富化した組成に制御した後、Arの底吹きで5min以上撹拌する事で均一化と過剰な介在物の浮上を行った。
一方、MgはAODでスラグにMgOを添加してスラグ中のMgO活量を高める事で溶鋼中のAlを還元する反応3MgO+2Al→3Mg+AlによりMgを溶鋼に取り込む。
このようにして溶鋼の成分と非金属介在物の組成を制御し、連続鋳造機にて鋳造する事で、鋳片の凝固割れを抑制し、製造性に優れたγ系高Siステンレス鋼が提供される。
次に、本発明の実施例を参照しながら本発明を説明する。なお、本実施例は本発明の一実施形態を示すものであり、以下の構成に限定されるものではない。
表1に示す組成の溶鋼を電気炉で溶解後、表2に示したV-AOD出鋼前成分とAl添加条件でV-AODで精錬し、LFで成分調整後に連続鋳造によりφ=180mmの丸ブルームおよび200mm厚のスラブを鋳造した。
このようにして得られた鋳片とV-AODで採取した溶鋼とスラグについて以下の評価を行った。
Figure 0006999475000001
Figure 0006999475000002
スラグ組成分析は、V-AODで採取したスラグを粉末状に砕き、蛍光X線分析装置を用いて分析を行った。
V-AODで採取した溶鋼および鋳片の組成分析は試験片をベルト研磨後に蛍光X線分析装置により測定した。またC、Sは炭素・硫黄分析装置を、Nは酸素・窒素分析装置を用いて測定した。
非金属介在物の組成分析は、鋳片から切り出した試験片を鏡面研磨し、10μm以上の介在物をランダムに1525点選んで日本電子製の走査型電子顕微鏡JSM-6490Aを用いてEDSにより定量分析した。介在物は単体酸化物の質量%が85を超えるものについては単体酸化物のCaO、CaS、MgO、Alに分類し、20%<MgO<30%且つ60%<Al<80%の場合はMgO・Alに分類し、それ以外をスラグ系のCaO-Al-MgOに分類し、種類毎にEDSで測定した組成の平均値をそれぞれの介在物組成とした。なお、同一介在物中に1μm以上の組成の異なる別種の介在物が含まれる複合介在物の場合は、それぞれ別種の介在物として分類して組成の平均値を求めた。
鋳片の割れ評価は、鋳片表層を1.5mm研削した後に、浸透探傷液を用いた簡易PTでチェックした。1.5mm研削で割れの無いものは○評価とし、追加の1mm研削で割れが除去出来たものは△評価とし、それよりも割れが深いものは×評価とした。
Figure 0006999475000003
結果を表3に示した。
発明鋼である実施例1~10は鋳片の表面1.5mm研削後に割れが無く、良好な鋳片品質であった。
比較例11は鋼中に含まれる介在物に規定する介在物が含まれていたが、Creq/Nieqが1.3を下回っており、鋳片の割れ評価は×であった。
比較例12はCreq/Nieqが1.3を下回っており、更に鋼中に含まれる介在物も規定の介在物を含んでおらず、鋳片の割れ評価は×であった。
比較例13はCreq/Nieqが1.3を超えたが、鋼中に規定する介在物が含まれておらず、鋳片の割れ評価は△であった。
比較例14はCreq/Nieqが1.3を超えたが、鋼中に規定する介在物が含まれておらず、鋳片の割れ評価は△であった。
比較例15はCreq/Nieqが1.3を下回っており、更に鋼中に含まれる介在物も規定の介在物を含んでおらず、鋳片の割れ評価は×であった。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:≦0.25%、
    Si:1.5~4%、
    Mn:≦2.0%、
    P:≦0.045%、
    S:≦0.0015%、
    Cr:16~26%、
    Ni:8.0~22.0%、
    Mo:0.01~3.0%、
    Cu:0.01~2.5%、
    Al:0.003~0.2%、
    N:≦0.1%、
    Ca:0.0001~0.005%、
    Mg:0.0001~0.005%、
    を満足し、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、かつ下記(1)で表されるCreq/Nieqが1.3以上であり、
    前記のステンレス鋼中に含まれる非金属介在物として、MgO・Al系、Al系の介在物をいずれも含有せず、
    前記の非金属介在物が、CaO、MgO、CaS、CaO-Al-MgO系酸化物の1種または2種以上からなる
    ことを特徴とする製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼。
    Creq/Nieq=([Cr]+1.37×[Mo]+1.5×[Si])/([Ni]+0.31×[Mn]+[Cu]+22×[C]+14.2×[N])・・・(1)
    但し、式中の[元素名]は、当該元素の含有質量%を意味する。
  2. 前記非金属介在物において、CaO-Al-MgO系酸化物の組成がSiO≦10質量%且つCaO≧10質量%且つAl≦70質量%を満たすことを特徴とする請求項1に記載の製造性に優れた高Si含有のオーステナイト系ステンレス鋼。
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