JP6955665B2 - インク組成物、及び記録方法 - Google Patents
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Description
0.15≦H−(Sp×0.25)≦3.75 (1)
(式中、Hは、前記ノニオン系界面活性剤のHLB値を示し、Spは、前記顔料の前記比表面積[m2/g]を示す。)
1.75≦Sr−(Sp×0.75)≦26.75 (2)
(式中、Srは、前記樹脂粒子の比表面積[m2/g]を示し、Spは、前記顔料の前記比表面積[m2/g]を示す。)
本実施形態のインク組成物は、水と、界面活性剤と、顔料とを含む。また、30℃でのパルスNMR法による測定から算出されるインク組成物中の顔料の比表面積(以下、単に「顔料の比表面積」ともいう。)が、10m2/g以上50m2/g以下である。
インク組成物中の顔料の比表面積を、本実施形態の上述した範囲に調整するには、例えば、該インク組成物に使用する顔料分散体の平均粒子径と水溶性基導入量とを、顔料分散体の調製時に調整することによって達成できる。
本実施形態の界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、アルキルエーテル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
0.15≦H−(Sp×0.25)≦3.75 (1)
(式中、Hは、ノニオン系界面活性剤のHLB値を示し、Spは、上述した顔料の比表面積[m2/g]を示す。)
本実施形態のインク組成物は、樹脂粒子をさらに含むことが好ましい。樹脂粒子は、インク組成物の乾燥に伴い、樹脂粒子同士及び樹脂粒子と着色成分とが互いに融着して顔料を記録媒体に固着させるため、印字物の画像部分の定着性を向上させる作用を有し、得られた印刷物の画像堅牢性が向上する。また、樹脂粒子をエマルジョンの形態としてインク組成物中に含有させることができる。
1.75≦Sr−(Sp×0.75)≦26.75 (2)
(式中、Srは、樹脂粒子の比表面積[m2/g]を示し、Spは、上述した顔料の比表面積[m2/g]を示す。)
本実施形態のインク組成物は、水を含む。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、凝集液を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより向上する傾向にある。
本実施形態のインク組成物は、有機溶剤をさらに含んでもよい。有機溶剤は、水と共に用いることができる有機溶剤であれば、特に限定されない。
本実施形態のインク組成物を用いた記録方法について説明する。本実施形態の記録方法は、本実施形態のインク組成物を、被記録媒体へ付着させる工程(塗布工程)を有する。
下記の印字物の作製において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔顔料〕
顔料分散体A(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される顔料の比表面積:31.0m2/g、平均粒子径:120nm)
顔料分散体B(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される顔料の比表面積:15.0m2/g、平均粒子径:123nm)
顔料分散体C(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される顔料の比表面積:45.0m2/g、平均粒子径:132nm)
顔料分散体D(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される顔料の比表面積:10.0m2/g、平均粒子径:130nm)
顔料分散体E(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される顔料の比表面積:50.0m2/g、平均粒子径:127nm)
顔料分散体F(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される顔料の比表面積:5.0m2/g、平均粒子径:131nm)
顔料分散体G(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される顔料の比表面積:55.0m2/g、平均粒子径:133nm)
〔界面活性剤〕
ニューコール1820(日本乳化剤社製の商品名、HLB値:15.3、ポリオキシエチレンステアリルエーテル)
ニューコール1008(日本乳化剤社製の商品名、HLB値:14.6、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル)
ニューコール1006(日本乳化剤社製の商品名、HLB値:13.4、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル)
ニューコール1004(日本乳化剤社製の商品名、HLB値:11.5、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル)
ニューコール1807(日本乳化剤社製の商品名、HLB値:10.7、ポリオキシエチレンステアリルエーテル)
ニューコール2303(日本乳化剤社製の商品名、HLB値:8.3、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
ニューコール1204(日本乳化剤社製の商品名、HLB値:7.9、ポリオキシエチレンオレイルエーテル)
ニューコール2302(日本乳化剤社製の商品名、HLB値:6.3、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
オルフィンPD−002W(エアープロダクツ社製の商品名、HLB値:9〜10)
サーフィノール104PG50(日信化学工業社製の商品名、HLB値:4)
〔樹脂粒子〕
樹脂粒子A(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される樹脂粒子の比表面積:35.0m2/g、平均粒子径:80nm)
樹脂粒子B(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される樹脂粒子の比表面積:31.0m2/g、平均粒子径:78nm)
樹脂粒子C(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される樹脂粒子の比表面積:45.0m2/g、平均粒子径:91nm)
樹脂粒子D(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される樹脂粒子の比表面積:25.0m2/g、平均粒子径:88nm)
樹脂粒子E(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される樹脂粒子の比表面積:50.0m2/g、平均粒子径:84nm)
樹脂粒子F(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される樹脂粒子の比表面積:20.0m2/g、平均粒子径:81nm)
樹脂粒子G(30℃でのパルスNMR法による測定から算出される樹脂粒子の比表面積:55.0m2/g、平均粒子径:79nm)
〔水〕
純水
[顔料分散体の調製]顔料分散体A〜H
市販のカーボンブラックであるS170(デグサ社製商品名)20gを水500gに混合して、家庭用ミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置付きの3L容のガラス容器に入れ、攪拌機で攪拌しながら、オゾン濃度8質量%のオゾン含有ガスを500mL/分導入した。その際、オゾン発生器はペルメレック電極社製の電解発生型のオゾナイザーを用いてオゾンを発生させた。また導入時間は1分〜1時間の間で調整することで、所望の表面改質することができる。得られた分散原液をガラス繊維濾紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋社製)で濾過し、さらに固形分濃度が20質量%になるまで0.1Nの水酸化カリウム溶液を添加しpH9に調整しながら濃縮を行い、自己分散型顔料分散体Aを得た。また、オゾン含有ガスの濃度と導入時間を所望量に調整すること以外は同様にして、自己分散型顔料分散体B〜Hを得た。なお、前記平均粒子径は、各顔料分散液の粒径分布をマイクロトラックMT3100II(マイクロトラック・ベル株式会社製)で測定したところの体積平均粒子径(D50)を示す。
上述で得られた各顔料分散体に対して、以下の測定条件にて、パルスNMRより得られた測定値と下記計算式を用いて、各顔料分散液中の顔料の比表面積[m2/g]を算出して求めた。
〔測定条件〕
パルスNMR:Xigo nanotools社製Acorn Drop
測定温度:30℃
測定試料:0.5mL
測定試料A1:各顔料分散体
測定試料A2:測定試料A1の遠心分離(415,000G×60分、25℃)後の上澄み液
Sp={[(Rav/Rb)−1]×Rb}/(0.0016×ψp)
(式中、Spは、インク組成物中の顔料の比表面積[m2/g]を示し、Ravは、測定試料A1を用いて得られたパルスNMRの測定値の逆数を示し、Rbは、測定試料A2を用いて得られたパルスNMRの測定値の逆数を示し、ψpは、下記式によって算出して求められる。)
ψp=(Sc/Sd)/[(1−Sc)/Td]
(式中、Scは、測定試料A1の顔料固形分濃度(質量%)を示し、Sdは、測定試料A1の顔料の密度を示し、Tdは、測定試料A2の上澄み液の密度を示す。)
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸30gを攪拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後3時間の熟成を行った。得られたサンプルを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液とを添加して固形分40質量%、pH8に調整し、エマルジョン形態としての樹脂粒子Aを得た。また、ラウリル硫酸ナトリウム、アクリルアミド、スチレン、ブチルアクリレート、及びメタクリル酸の導入量を所望量に変更する以外は同様にして、エマルジョン形態としての樹脂粒子B〜Jを得た。なお、平均粒子径は、各樹脂粒子の粒径分布をマイクロトラックMT3100II(マイクロトラック・ベル株式会社製の商品名)で測定したところの体積平均粒子径(D50)を示す。
上述で得られた各樹脂粒子に対して、以下の測定条件にて、パルスNMRより得られた測定値と下記計算式を用いて、各樹脂粒子の比表面積[m2/g]を算出して求めた。
〔測定条件〕
パルスNMR:Xigo nanotools社製Acorn Drop
測定温度:30℃
測定試料:0.5mL(固形分40質量%のエマルジョン形態として)
測定試料B1:エマルジョン形態の各樹脂粒子
測定試料B2:測定試料B1の遠心分離(415,000G×60分、25℃)後の上澄み液
Sp={[(Rav/Rb)−1]×Rb}/(0.0016×ψp)
(式中、Spは、樹脂エマルジョン中の樹脂粒子の比表面積[m2/g]を示し、Ravは、測定試料B1を用いて得られたパルスNMRの測定値の逆数を示し、Rbは、測定試料B2を用いて得られたパルスNMRの測定値の逆数を示し、ψpは、下記式によって算出して求められる。)
ψp=(Sc/Sd)/[(1−Sc)/Td]
(式中、Scは、測定試料B1の樹脂粒子固形分濃度(質量%)を示し、Sdは、測定試料B1の樹脂粒子密度を示し、Tdは、測定試料B2の上澄み液の密度を示す。)
各材料を下記の表1及び表2に示す組成で混合し、十分に撹拌し、インク組成物を得た。なお、下記の表1及び表2中、各材料の数値の単位は質量%であり、数値は固形分濃度であり、合計は100.0質量%である。
上記で調製した各インク組成物を、インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、製品名「PX−M7050」)のインクカートリッジに充填し、A4普通紙に常温及び常圧下、100%Dutyの条件で印刷し、10枚の印刷毎に1回、ノズルチェックで印刷し、下記評価基準により印字安定性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
(評価基準)
A:500枚の印刷後にも印刷ヨレの発生が確認できない。
B:200枚の印刷後にも印刷ヨレの発生が確認できず、210〜500枚の印刷後に印刷ヨレの発生が確認できる。
C:100枚の印刷後にも印刷ヨレの発生が確認できず、110〜200枚の印刷後に印刷ヨレの発生が確認できる。
D:50枚の印刷後にも印刷ヨレの発生が確認できず、60〜100枚の印刷後に印刷ヨレの発生が確認できる。
E:50枚の印刷後に印刷ヨレの発生が確認できる。
上記で調製した各インク組成物を、インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、製品名「PX−M7050」)のインクカートリッジに充填し、Xerox−P紙に常温及び常圧下、ISO/IEC 24734に指定される印刷データを印刷し、ラインマーカー(ZEBRA社製蛍光ペン「OPTEX CARE」)で印刷部をマーキングし、下記評価基準により印刷物堅牢性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
(評価基準)
A:ラインマーカーで印刷部を2回マーキングしてにじみが確認できない。
B:ラインマーカーで印刷部を1回マーキングしてにじみが確認できず、2回マーキングしてにじみが確認できる。
Claims (2)
- 水と、界面活性剤と、顔料と、樹脂粒子と、を含む、インク組成物であって、
30℃でのパルスNMRによる測定から算出される前記顔料の比表面積が、10m2/g以上50m2/g以下であり、
前記界面活性剤は、下記関係式(1)を満たすノニオン系界面活性剤を含み、
30℃でのパルスNMRによる測定から算出される前記樹脂粒子の比表面積が、下記関係式(2)を満たす、
インク組成物。
0.15≦H−(Sp×0.25)≦3.75 (1)
(式中、Hは、前記ノニオン系界面活性剤のHLB値を示し、Spは、前記顔料の前記比表面積[m2/g]を示す。)
1.75≦Sr−(Sp×0.75)≦26.75 (2)
(式中、Srは、前記樹脂粒子の比表面積[m2/g]を示し、Spは、前記顔料の前記比表面積[m2/g]を示す。) - 水と、界面活性剤と、顔料と、樹脂粒子と、を含むインク組成物を、被記録媒体へ付着させる工程を有し、
30℃でのパルスNMRによる測定から算出される前記顔料の比表面積が、10m2/g以上50m2/g以下であり、
前記界面活性剤は、下記関係式(1)を満たすノニオン系界面活性剤を含み、
30℃でのパルスNMRによる測定から算出される前記樹脂粒子の比表面積が、下記関係式(2)を満たす、
記録方法。
0.15≦H−(Sp×0.25)≦3.75 (1)
(式中、Hは、前記ノニオン系界面活性剤のHLB値を示し、Spは、前記顔料の前記比表面積[m2/g]を示す。)
1.75≦Sr−(Sp×0.75)≦26.75 (2)
(式中、Srは、前記樹脂粒子の比表面積[m 2 /g]を示し、Spは、前記顔料の前記比表面積[m 2 /g]を示す。)
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