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JP6738156B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の車室内を空調するヒートポンプ方式の空気調和装置、特にハイブリッド自動車や電気自動車に適用可能な空気調和装置に関するものである。
近年の環境問題の顕在化から、ハイブリッド自動車や電気自動車が普及するに至っている。そして、このような車両に適用することができる空気調和装置として、冷媒を圧縮して吐出する圧縮器と、車室内側に設けられて冷媒を放熱させる内部凝縮機と、車室内側に設けられて冷媒を吸熱させる蒸発器と、車室外側に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる外部凝縮機と、この外部凝縮機に流入する冷媒を膨張させる第1膨張バルブと、蒸発器に流入する冷媒を膨張させる第2膨張バルブと、内部凝縮機及び第1膨張バルブをバイパスする配管と、圧縮器から吐出された冷媒を内部凝縮機に流すか、この内部凝縮機と第1膨張バルブをバイパスして前記配管から外部凝縮機に直接流すかを切り換える第1バルブを備え、圧縮器から吐出された冷媒を第1バルブにより内部凝縮機に流して放熱させ、この放熱した冷媒を第1膨張バルブで減圧した後、外部凝縮機において吸熱させる暖房モードと、圧縮器から吐出された冷媒を第1バルブにより内部凝縮機において放熱させ、放熱した冷媒を第2膨張バルブで減圧した後、蒸発器において吸熱させる除湿モードと、圧縮器から吐出された冷媒を第1バルブにより内部凝縮機及び第1膨張バルブをバイパスして外部凝縮機に流して放熱させ、第2膨張バルブで減圧した後、蒸発器において吸熱させる冷房モードを切り換えて実行するものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−23210号公報 特開2014−88151号公報
ここで、上記特許文献1の第1バルブを圧縮器の吐出側から分岐した各冷媒配管に設けた二つの開閉弁で構成した場合、暖房モードや除湿モードと、冷房モードとを切り換える際、各開閉弁は一方が開、他方が閉じられることになるが、これら開閉弁前後の圧力差は大きいため、開放される開閉弁に急激に流れる冷媒により、比較的大きい騒音が発生する問題がある。
ここで、暖房と冷房を切り換える際に、冷媒回路の高圧側と低圧側の圧力差を下げてから開閉弁を開放することで異音の発生を抑えるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、放熱器と室外膨張弁をバイパスするバイパス配管と、流路を切り換えるための開閉弁を備えた車両用空気調和装置において、暖房モードと除湿暖房モードの切換時に開閉弁を開く際に生じる騒音と、吹出温度の低下を解消、若しくは、低減することを目的とする。
請求項1の発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、放熱器を出て室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、圧縮機の吐出側と放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、この第1の開閉弁の上流側で分岐し、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、このバイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置と、制御装置を備え、この制御装置により、第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じることで、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室外膨張弁で減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、室外膨張弁を全閉とし、第1の開閉弁を閉じ、第2の開閉弁を開くことで、圧縮機から吐出された冷媒をバイパス配管により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させると共に、補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードを切り換えて実行するものであって、制御装置は、暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、補助加熱装置を発熱させ、当該補助加熱装置の温度が所定値以上となった場合に、室外熱交換器から出た冷媒を吸熱器に流す状態に切り換えると共に、室外膨張弁の弁開度を拡大し、且つ、圧縮機の回転数を制御することで第2の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、当該第2の開閉弁を開き、第1の開閉弁を閉じ、室外膨張弁を全閉とする騒音改善制御を開始することを特徴とする。
請求項2の発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、放熱器を出て室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、圧縮機の吐出側と放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、この第1の開閉弁の上流側で分岐し、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、このバイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置と、制御装置を備え、この制御装置により、第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じることで、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室外膨張弁で減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、室外膨張弁を全閉とし、第1の開閉弁を閉じ、第2の開閉弁を開くことで、圧縮機から吐出された冷媒をバイパス配管により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させると共に、補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードを切り換えて実行するのであって、制御装置は、暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、補助加熱装置を発熱させ、当該補助加熱装置の温度が所定値以上となった場合に、室外熱交換器から出た冷媒を吸熱器に流す状態に切り換えると共に、室外膨張弁を全開とし、且つ、圧縮機の回転数を予め定めた低い値とすることで第2の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、若しくは、圧縮機の回転数を前記低い値としてから所定時間経過後に第2の開閉弁を開き、第1の開閉弁を閉じ、室外膨張弁を全閉とする騒音改善制御を開始することを特徴とする
請求項3の発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、放熱器を出て室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、圧縮機の吐出側と放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、この第1の開閉弁の上流側で分岐し、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、このバイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置と、制御装置を備え、この制御装置により、第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じることで、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室外膨張弁で減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、室外膨張弁を全閉とし、第1の開閉弁を閉じ、第2の開閉弁を開くことで、圧縮機から吐出された冷媒をバイパス配管により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させると共に、補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードを切り換えて実行するものであって、暖房モードにおいて開き、室外熱交換器から出た冷媒を圧縮機に吸い込ませる状態とすると共に、除湿暖房モードでは閉じて室外熱交換器から出た冷媒を吸熱器に流す状態とする第3の開閉弁を更に備え、制御装置は、除湿暖房モードから暖房モードに切り換える際、第1の開閉弁前後の圧力差を縮小した後、当該第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じる騒音改善制御を実行すると共に、この騒音改善制御において、第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じてから、第3の開閉弁前後の圧力差が所定値以下となった場合に、当該第3の開閉弁を開くことを特徴とする
請求項4の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、騒音改善制御において、室外膨張弁を開き、且つ、圧縮機の回転数を制御し、若しくは、当該圧縮機を停止することで第1の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、当該第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じることを特徴とする。
請求項5の発明の車両用空気調和装置は、請求項3の発明において制御装置は、騒音改善制御において、室外膨張弁を暖房モードでの制御とし、且つ、圧縮機を停止することで第1の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、若しくは、圧縮機を停止してから所定時間経過後に第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じることを特徴とする。
請求項6の発明の車両用空気調和装置は、請求項3乃至請求項5の発明において制御装置は、騒音改善制御において、補助加熱装置の発熱を増大させ、第3の開閉弁を開いた後、補助加熱装置の発熱を低下させることを特徴とする。
請求項7の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、第3の開閉弁を開いた後、高圧側圧力が所定値以上となった場合に、補助加熱装置の発熱を低下させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、放熱器を出て室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、圧縮機の吐出側と放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、この第1の開閉弁の上流側で分岐し、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、このバイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置と、制御装置を備え、この制御装置により、第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じることで、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室外膨張弁で減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、室外膨張弁を全閉とし、第1の開閉弁を閉じ、第2の開閉弁を開くことで、圧縮機から吐出された冷媒をバイパス配管により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させると共に、補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置において、制御装置が、暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、第2の開閉弁前後の圧力差を縮小した後、当該第2の開閉弁を開き、第1の開閉弁を閉じ、室外膨張弁を全閉とする騒音改善制御を実行するようにしたので、暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、第2の開閉弁を開放したときに、バイパス配管を室外熱交換器側に向かって冷媒が急激に流れることを大幅に抑制又は解消することができる。これにより、暖房モードから除湿暖房モードへの切換時に、第2の開閉弁を開放したときに生じる騒音を解消、若しくは、低減することができるようになる。
この場合、制御装置は、騒音改善制御において、室外膨張弁の弁開度を拡大し、且つ、圧縮機の回転数を制御することで第2の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、当該第2の開閉弁を開き、第1の開閉弁を閉じ、室外膨張弁を全閉とするようにしたので、室外膨張弁の弁開度拡大により第2の開閉弁の冷媒下流側の圧力を上げ、圧縮機の回転数制御により第2の開閉弁の冷媒上流側の圧力を下げることで当該第2の開閉弁前後の圧力差を効果的に縮小させ、迅速に除湿暖房モードに切り換え、且つ、切り換え時に生じる騒音を効果的に解消、若しくは、低減することができるようなる。
特に、制御装置は、暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、補助加熱装置を発熱させ、当該補助加熱装置の温度が所定値以上となった場合に、室外熱交換器から出た冷媒を吸熱器に流す状態に切り換えると共に、騒音改善制御における室外膨張弁と圧縮機の制御を開始するようにしたので、暖房モードから除湿暖房モードへの切り換え時に生じる吹出温度の低下も抑制することができるようになる。
請求項2の発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、放熱器を出て室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、圧縮機の吐出側と放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、この第1の開閉弁の上流側で分岐し、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、このバイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置と、制御装置を備え、この制御装置により、第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じることで、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室外膨張弁で減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、室外膨張弁を全閉とし、第1の開閉弁を閉じ、第2の開閉弁を開くことで、圧縮機から吐出された冷媒をバイパス配管により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させると共に、補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置において、制御装置が、暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、第2の開閉弁前後の圧力差を縮小した後、当該第2の開閉弁を開き、第1の開閉弁を閉じ、室外膨張弁を全閉とする騒音改善制御を実行するようにしたので、暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、第2の開閉弁を開放したときに、バイパス配管を室外熱交換器側に向かって冷媒が急激に流れることを大幅に抑制又は解消することができる。これにより、暖房モードから除湿暖房モードへの切換時に、第2の開閉弁を開放したときに生じる騒音を解消、若しくは、低減することができるようになる。
また、制御装置は、騒音改善制御において、室外膨張弁を全開とし、且つ、圧縮機の回転数を予め定めた低い値とすることで第2の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、若しくは、圧縮機の回転数を前記低い値としてから所定時間経過後に第2の開閉弁を開き、第1の開閉弁を閉じ、室外膨張弁を全閉とするようにしたので、室外膨張弁の全開により第2の開閉弁の冷媒下流側の圧力を上げ、圧縮機の回転数低下により第2の開閉弁の冷媒上流側の圧力を下げることで当該第2の開閉弁前後の圧力差を迅速に縮小させ、的確に除湿暖房モードに切り換え、且つ、切り換え時に生じる騒音を効果的に解消、若しくは、低減することができるようなる。
特に、制御装置は、暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、補助加熱装置を発熱させ、当該補助加熱装置の温度が所定値以上となった場合に、室外熱交換器から出た冷媒を吸熱器に流す状態に切り換えると共に、騒音改善制御における室外膨張弁と圧縮機の制御を開始するようにしたので、暖房モードから除湿暖房モードへの切り換え時に生じる吹出温度の低下も抑制することができるようになる。
請求項3の発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、放熱器を出て室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、圧縮機の吐出側と放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、この第1の開閉弁の上流側で分岐し、放熱器及び室外膨張弁をバイパスして圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、このバイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置と、制御装置を備え、この制御装置により、第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じることで、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を室外膨張弁で減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、室外膨張弁を全閉とし、第1の開閉弁を閉じ、第2の開閉弁を開くことで、圧縮機から吐出された冷媒をバイパス配管により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させると共に、補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置において、制御装置が、除湿暖房モードから暖房モードに切り換える際、第1の開閉弁前後の圧力差を縮小した後、当該第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じる騒音改善制御を実行するようにしたので、除湿暖房モードから暖房モードに切り換える際、第1の開閉弁を開放したときに、放熱器側に向かって冷媒が急激に流れることを大幅に抑制又は解消することができる。これにより、除湿暖房モードから暖房モードへの切換時に、第1の開閉弁を開放したときに生じる騒音を解消、若しくは、低減することができるようになる。
特に、暖房モードにおいて開き、室外熱交換器から出た冷媒を圧縮機に吸い込ませる状態とすると共に、除湿暖房モードでは閉じて室外熱交換器から出た冷媒を吸熱器に流す状態とする第3の開閉弁を更に備え、制御装置は、騒音改善制御において、第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じてから、第3の開閉弁前後の圧力差が所定値以下となった場合に、当該第3の開閉弁を開くようにしたので、除湿暖房モードから暖房モードに切り換える際、第3の開閉弁を開放したときに、圧縮機側に向かって冷媒が急激に流れることも大幅に抑制又は解消することができる。
これにより、除湿暖房モードから暖房モードへの切換時に、第3の開閉弁を開放したときに生じる騒音も解消、若しくは、低減することができるようになる。
この場合、請求項4の発明の如く制御装置が、騒音改善制御において、室外膨張弁を開き、且つ、圧縮機の回転数を制御し、若しくは、当該圧縮機を停止することで第1の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、当該第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じるようにすれば、室外膨張弁を開くことにより第1の開閉弁の冷媒下流側の圧力を上げ、圧縮機の回転数制御、若しくは、停止により第1の開閉弁の冷媒上流側の圧力を下げることで当該第1の開閉弁前後の圧力差を効果的に縮小させ、迅速に暖房モードに切り換え、且つ、切り換え時に生じる騒音を効果的に解消、若しくは、低減することができるようなる。
また、請求項5の発明の如く制御装置が、騒音改善制御において、室外膨張弁を暖房モードでの制御とし、且つ、圧縮機を停止することで第1の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、若しくは、圧縮機を停止してから所定時間経過後に第1の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じるようにしても、室外膨張弁の開放により第1の開閉弁の冷媒下流側の圧力を上げ、圧縮機の停止により第1の開閉弁の冷媒上流側の圧力を下げることで当該第1の開閉弁前後の圧力差を迅速に縮小させ、的確に暖房モードに切り換え、且つ、切り換え時に生じる騒音を効果的に解消、若しくは、低減することができるようなる
更にまた、請求項6の発明の如く制御装置が、騒音改善制御において、補助加熱装置の発熱を増大させ、第3の開閉弁を開いた後、補助加熱装置の発熱を低下させるようにすれば、除湿暖房モードから暖房モードに切り換え時に生じる吹出温度の低下も抑制することができるようになる。
この場合、請求項7の発明の如く制御装置が、第3の開閉弁を開いた後、高圧側圧力が所定値以上となった場合に、補助加熱装置の発熱を低下させるようにすれば、暖房モードに切り換わった後、高圧側圧力が上昇するまでは放熱器と補助加熱装置により車室内を暖房することができるようになり、切り換え時に生じる吹出温度の低下をより一層確実に解消して、快適な車室内暖房を実現することができるようになる。
本発明を適用した一実施形態の車両用空気調和装置の構成図である(暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード及び冷房モード)。 図1の車両用空気調和装置のコントローラの電気回路のブロック図である。 図1の車両用空気調和装置のMAX冷房モード(最大冷房モード)のときの構成図である。 暖房モードから除湿暖房モードに切り換えるときに図2のコントローラが実行する騒音改善制御の一例を説明する各機器のタイミングチャートである。 除湿暖房モードから暖房モードに切り換えるときに図2のコントローラが実行する騒音改善制御の一例を説明する各機器のタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の車両用空気調和装置1の構成図を示している。本発明を適用する実施例の車両は、エンジン(内燃機関)が搭載されていない電気自動車(EV)であって、バッテリに充電された電力で走行用の電動モータを駆動して走行するものであり(何れも図示せず)、本発明の車両用空気調和装置1も、バッテリの電力で駆動されるものとする。即ち、実施例の車両用空気調和装置1は、エンジン廃熱による暖房ができない電気自動車において、冷媒回路を用いたヒートポンプ運転により暖房モードを行い、更に、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モード(最大冷房モード)の各運転モードを選択的に実行するものである。
尚、車両として電気自動車に限らず、エンジンと走行用の電動モータを供用する所謂ハイブリッド自動車にも本発明は有効であり、更には、エンジンで走行する通常の自動車にも適用可能であることは云うまでもない。
実施例の車両用空気調和装置1は、電気自動車の車室内の空調(暖房、冷房、除湿、及び、換気)を行うものであり、冷媒を圧縮する電動式の圧縮機2と、車室内空気が通気循環されるHVACユニット10の空気流通路3内に設けられ、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒が冷媒配管13Gを介して流入し、この冷媒を車室内に放熱させる放熱器4と、暖房時に冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室外膨張弁6と、車室外に設けられて冷房時には放熱器として機能し、暖房時には蒸発器として機能すべく冷媒と外気との間で熱交換を行わせる室外熱交換器7と、冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室内膨張弁8と、空気流通路3内に設けられて冷房時及び除湿時に車室内外から冷媒に吸熱させる吸熱器9と、アキュムレータ12等が冷媒配管13により順次接続され、冷媒回路Rが構成されている。
そして、この冷媒回路Rには所定量の冷媒と潤滑用のオイルが充填されている。尚、室外熱交換器7には、室外送風機15が設けられている。この室外送風機15は、室外熱交換器7に外気を強制的に通風することにより、外気と冷媒とを熱交換させるものであり、これにより停車中(即ち、車速が0km/h)にも室外熱交換器7に外気が通風されるよう構成されている。
また、室外熱交換器7は冷媒下流側にレシーバドライヤ部14と過冷却部16を順次有し、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷房時に開放される電磁弁17を介してレシーバドライヤ部14に接続され、過冷却部16の出口側の冷媒配管13Bは室内膨張弁8介して吸熱器9の入口側に接続されている。尚、レシーバドライヤ部14及び過冷却部16は構造的に室外熱交換器7の一部を構成している。
また、過冷却部16と室内膨張弁8間の冷媒配管13Bは、吸熱器9の出口側の冷媒配管13Cと熱交換関係に設けられ、両者で内部熱交換器19を構成している。これにより、冷媒配管13Bを経て室内膨張弁8に流入する冷媒は、吸熱器9を出た低温の冷媒により冷却(過冷却)される構成とされている。
また、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷媒配管13Dに分岐しており、この分岐した冷媒配管13Dは、暖房時に開放される電磁弁21を介して内部熱交換器19の下流側における冷媒配管13Cに連通接続されている。この冷媒配管13Cがアキュムレータ12に接続され、アキュムレータ12は圧縮機2の冷媒吸込側に接続されている。更に、放熱器4の出口側の冷媒配管13Eは室外膨張弁6を介して室外熱交換器7の入口側に接続されている。
また、圧縮機2の吐出側と放熱器4の入口側の間の冷媒配管13Gには後述する除湿暖房とMAX冷房時に閉じられる電磁弁30(流路切換装置を構成する)が介設されている。この場合、冷媒配管13Gは電磁弁30の上流側でバイパス配管35に分岐しており、このバイパス配管35は除湿暖房とMAX冷房時に開放される電磁弁40(これも流路切換装置を構成する)を介して室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに連通接続されている。これらバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40により本発明におけるバイパス装置45が構成される。
このようなバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40によりバイパス装置45を構成したことで、後述する如く圧縮機2から吐出された冷媒を室外熱交換器7に直接流入させる除湿暖房モードやMAX冷房モードと、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱器4に流入させる暖房モードや除湿冷房モード、冷房モードとの切り換えを円滑に行うことができるようになる。
また、吸熱器9の空気上流側における空気流通路3には、外気吸込口と内気吸込口の各吸込口が形成されており(図1では吸込口25で代表して示す)、この吸込口25には空気流通路3内に導入する空気を車室内の空気である内気(内気循環モード)と、車室外の空気である外気(外気導入モード)とに切り換える吸込切換ダンパ26が設けられている。更に、この吸込切換ダンパ26の空気下流側には、導入した内気や外気を空気流通路3に送給するための室内送風機(ブロワファン)27が設けられている。
また、図1において23は実施例の車両用空気調和装置1に設けられた補助加熱装置としての補助ヒータである。実施例の補助ヒータ23は電気ヒータであるPTCヒータにて構成されており、空気流通路3の空気の流れに対して、放熱器4の空気上流側となる空気流通路3内に設けられている。そして、補助ヒータ23に通電されて発熱すると、吸熱器9を経て放熱器4に流入する空気流通路3内の空気が加熱される。即ち、この補助ヒータ23が所謂ヒータコアとなり、車室内の暖房を行い、或いは、それを補完する。
また、補助ヒータ23の空気上流側における空気流通路3内には、当該空気流通路3内に流入し、吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気(内気や外気)を補助ヒータ23及び放熱器4に通風する割合を調整するエアミックスダンパ28が設けられている。更に、放熱器4の空気下流側における空気流通路3には、FOOT(フット)、VENT(ベント)、DEF(デフ)の各吹出口(図1では代表して吹出口29で示す)が形成されており、この吹出口29には上記各吹出口から空気の吹き出しを切換制御する吹出口切換ダンパ31が設けられている。
次に、図2において32はプロセッサを備えたコンピュータの一例であるマイクロコンピュータから構成された制御装置としてのコントローラ(ECU)であり、このコントローラ32の入力には車両の外気温度(Tam)を検出する外気温度センサ33と、外気湿度を検出する外気湿度センサ34と、吸込口25から空気流通路3に吸い込まれる空気の温度を検出するHVAC吸込温度センサ36と、車室内の空気(内気)の温度を検出する内気温度センサ37と、車室内の空気の湿度を検出する内気湿度センサ38と、車室内の二酸化炭素濃度を検出する室内CO2濃度センサ39と、吹出口29から車室内に吹き出される空気の温度を検出する吹出温度センサ41と、圧縮機2の吐出冷媒圧力(吐出圧力Pd)を検出する吐出圧力センサ42と、圧縮機2の吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ43と、圧縮機2の吸込冷媒圧力を検出する吸込圧力センサ44と、圧縮機2の吸込冷媒温度を検出する吸込温度センサ55と、放熱器4の温度(放熱器4を経た空気の温度、又は、放熱器4自体の温度:放熱器温度TH)を検出する放熱器温度センサ46と、放熱器4の冷媒圧力(放熱器4内、又は、放熱器4を出た直後の冷媒の圧力:放熱器圧力PCI)を検出する放熱器圧力センサ47と、吸熱器9の温度(吸熱器9を経た空気の温度、又は、吸熱器9自体の温度:吸熱器温度Te)を検出する吸熱器温度センサ48と、吸熱器9の冷媒圧力(吸熱器9内、又は、吸熱器9を出た直後の冷媒の圧力)を検出する吸熱器圧力センサ49と、車室内への日射量を検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ51と、車両の移動速度(車速)を検出するための車速センサ52と、設定温度や運転モードの切り換えを設定するための空調(エアコン)操作部53と、室外熱交換器7の温度(室外熱交換器7から出た直後の冷媒の温度、又は、室外熱交換器7自体の温度:室外熱交換器温度TXO)を検出する室外熱交換器温度センサ54と、室外熱交換器7の冷媒圧力(室外熱交換器7内、又は、室外熱交換器7から出た直後の冷媒の圧力:室外熱交換器圧力PXO)を検出する室外熱交換器圧力センサ56の各出力が接続されている。また、コントローラ32の入力には更に、補助ヒータ23の温度(補助ヒータ23で加熱された直後の空気の温度、又は、補助ヒータ23自体の温度:補助ヒータ温度Tptc)を検出する補助ヒータ温度センサ50の出力も接続されている。
一方、コントローラ32の出力には、前記圧縮機2と、室外送風機15と、室内送風機(ブロワファン)27と、吸込切換ダンパ26と、エアミックスダンパ28と、吹出口切換ダンパ31と、室外膨張弁6、室内膨張弁8と、補助ヒータ23、電磁弁30(除湿用)、電磁弁17(冷房用)、電磁弁21(暖房用)、電磁弁40(これも除湿用)の各電磁弁が接続されている。そして、コントローラ32は各センサの出力と空調操作部53にて入力された設定に基づいてこれらを制御する。
以上の構成で、次に実施例の車両用空気調和装置1の動作を説明する。コントローラ32は実施例では暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード及びMAX冷房モード(最大冷房モード)の各運転モードを切り換えて実行する。先ず、各運転モードにおける冷媒の流れと制御の概略について説明する。
(1)暖房モード
コントローラ32により(オートモード)或いは空調操作部53へのマニュアル操作(マニュアルモード)により暖房モードが選択されると、コントローラ32は電磁弁21(暖房用)を開放し、電磁弁17(冷房用)を閉じる。また、電磁弁30(除湿用)を開放し、電磁弁40(除湿用)を閉じる。
そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図1に破線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全ての空気が補助ヒータ23及び放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
放熱器4内で液化した冷媒は当該放熱器4を出た後、冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。室外膨張弁6に流入した冷媒はそこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる。即ち、冷媒回路Rがヒートポンプとなる。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13A及び電磁弁21及び冷媒配管13Dを経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。放熱器4(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)にて加熱された空気は吹出口29から吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。
コントローラ32は、後述する目標吹出温度TAOから算出される目標放熱器温度TCO(放熱器温度THの目標値)から目標放熱器圧力PCO(放熱器圧力PCIの目標値)を算出し、この目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI。冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて圧縮機2の回転数を制御する。また、コントローラ32は、放熱器温度センサ46が検出する放熱器4の温度(放熱器温度TH)及び放熱器圧力センサ47が検出する放熱器圧力PCIに基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度SCを制御する。前記目標放熱器温度TCOは基本的にはTCO=TAOとされるが、制御上の所定の制限が設けられる。
また、コントローラ32はこの暖房モードにおいては、車室内空調に要求される暖房能力に対して放熱器4による暖房能力が不足する場合、その不足する分を補助ヒータ23の発熱で補完するように補助ヒータ23の通電を制御する。それにより、快適な車室内暖房を実現し、且つ、室外熱交換器7の着霜も抑制する。このとき、補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、空気流通路3を流通する空気は放熱器4の前に補助ヒータ23に通風されることになる。
ここで、補助ヒータ23が放熱器4の空気下流側に配置されていると、実施例の如くPTCヒータで補助ヒータ23を構成した場合には、補助ヒータ23に流入する空気の温度が放熱器4によって上昇するため、PTCヒータの抵抗値が大きくなり、電流値も低くなって発熱量が低下してしまうが、放熱器4の空気上流側に補助ヒータ23を配置することで、実施例の如くPTCヒータから構成される補助ヒータ23の能力を十分に発揮させることができるようになる。
(2)除湿暖房モード
次に、除湿暖房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図1に破線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全ての空気が補助ヒータ23及び放熱器4に通風される状態とする。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却され、且つ、当該空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は冷却され、且つ、除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
このとき、室外膨張弁6の弁開度は全閉とされているので、圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。更に、この除湿暖房モードにおいてコントローラ32は、補助ヒータ23に通電して発熱させる。これにより、吸熱器9にて冷却され、且つ、除湿された空気は補助ヒータ23を通過する過程で更に加熱され、温度が上昇するので車室内の除湿暖房が行われることになる。
コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、補助ヒータ温度センサ50が検出する補助ヒータ温度Tptcと前述した目標放熱器温度TCOに基づいて補助ヒータ23の通電(発熱)を制御することで、吸熱器9での空気の冷却と除湿を適切に行いながら、補助ヒータ23による加熱で吹出口29から車室内に吹き出される空気温度の低下を的確に防止する。
これにより、車室内に吹き出される空気を除湿しながら、その温度を適切な暖房温度に制御することが可能となり、車室内の快適且つ効率的な除湿暖房を実現することができるようになる。また、前述した如く除湿暖房モードではエアミックスダンパ28は空気流通路3内の全ての空気を補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とされるので、吸熱器9を経た空気を効率良く補助ヒータ23で加熱して省エネ性を向上させ、且つ、除湿暖房空調の制御性も向上させることができるようになる。
尚、補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、補助ヒータ23で加熱された空気は放熱器4を通過することになるが、この除湿暖房モードでは放熱器4に冷媒は流されないので、補助ヒータ23にて加熱された空気から放熱器4が吸熱してしまう不都合も解消される。即ち、放熱器4によって車室内に吹き出される空気の温度が低下してしまうことが抑制され、COPも向上することになる。
(3)除湿冷房モード
次に、除湿冷房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を開放し、電磁弁40を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図1に破線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全ての空気が補助ヒータ23及び放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。
放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至り、開き気味で制御される室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。この除湿冷房モードではコントローラ32は補助ヒータ23に通電しないので、吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱(暖房時よりも放熱能力は低い)される。これにより車室内の除湿冷房が行われることになる。
コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、前述した冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI)を制御する。
(4)冷房モード
次に、冷房モードでは、コントローラ32は上記除湿冷房モードの状態において室外膨張弁6の弁開度を全開とする。尚、コントローラ32はエアミックスダンパ28を制御し、図1に実線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気が、補助ヒータ23及び放熱器4に通風される割合を調整する。また、コントローラ32は補助ヒータ23に通電しない。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入すると共に、放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。このとき室外膨張弁6は全開とされているので冷媒はそれを通過し、そのまま室外熱交換器7に流入し、そこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮液化する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着する。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気が吹出口29から車室内に吹き出されるので(一部は放熱器4を通過して熱交換する)、これにより車室内の冷房が行われることになる。また、この冷房モードにおいては、コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数を制御する。
(5)MAX冷房モード(最大冷房モード)
次に、最大冷房モードとしてのMAX冷房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図3に示す如く補助ヒータ23及び放熱器4に空気流通路3内の空気が通風されない状態とする。但し、多少通風されても支障はない。また、コントローラ32は補助ヒータ23に通電しない。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、同様に圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。
ここで、前述した冷房モードでは放熱器4に高温の冷媒が流れているため、放熱器4からHVACユニット10への直接の熱伝導が少なからず生じるが、このMAX冷房モードでは放熱器4に冷媒が流れないため、放熱器4からHVACユニット10に伝達される熱で吸熱器9からの空気流通路3内の空気が加熱されることも無くなる。そのため、車室内の強力な冷房が行われ、特に外気温度Tamが高いような環境下では、迅速に車室内を冷房して快適な車室内空調を実現することができるようになる。また、このMAX冷房モードにおいても、コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数を制御する。
(6)運転モードの切換
空気流通路3内を流通される空気は上記各運転モードにおいて吸熱器9からの冷却や放熱器4(及び補助ヒータ23)からの加熱作用(エアミックスダンパ28で調整)を受けて吹出口29から車室内に吹き出される。コントローラ32は外気温度センサ33が検出する外気温度Tam、内気温度センサ37が検出する車室内の温度、前記ブロワ電圧、日射センサ51が検出する日射量等と、空調操作部53にて設定された車室内の目標車室内温度(設定温度)とに基づいて目標吹出温度TAOを算出し、各運転モードを切り換えて吹出口29から吹き出される空気の温度をこの目標吹出温度TAOに制御する。
この場合、コントローラ32は、外気温度Tam、車室内の湿度、目標吹出温度TAO、放熱器温度TH、目標放熱器温度TCO、吸熱器温度Te、目標吸熱器温度TEO、車室内の除湿要求の有無、等のパラメータに基づいて各運転モードの切り換えを行うことで、環境条件や除湿の要否に応じて的確に暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード及びMAX冷房モードを切り換え、快適且つ効率的な車室内空調を実現する。
(7)暖房モードから除湿暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御
次に、図4を参照しながら、車両用空気調和装置1の運転モードを、前述した暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際にコントローラ32が実行する騒音改善制御の一例について説明する。図4のタイミングチャートは、暖房モードから除湿暖房モードに切り換わる際の電磁弁40(本発明の第2の開閉弁)の前後の圧力差ΔPdxと、吹出温度センサ41が検出する吹出温度(前述した吹出口29から車室内に吹き出される空気の温度)と、補助ヒータ温度センサ50が検出する補助ヒータ温度Tptcと、圧縮機2の回転数NCと、室外膨張弁6の弁開度と、補助ヒータ23の出力(通電量若しくは発熱量)と、電磁弁40、電磁弁30(本発明の第1の開閉弁)、電磁弁17、及び電磁弁21(本発明の第3の開閉弁)の状態を示している。
尚、電磁弁40(第2の開閉弁)の前後の圧力差ΔPdxは、吐出圧力センサ42が検出する電磁弁40の冷媒上流側(前)の圧力Pdと、室外熱交換器温度センサ54が検出する室外熱交換器7から出た直後の冷媒の温度(室外熱交換器温度TXO)から換算される電磁弁40の冷媒下流側(後)の室外熱交換器圧力PXO(実施例の如く室外熱交換器圧力センサ56が設けられている場合には、室外熱交換器圧力センサ56が検出する室外熱交換器圧力PCOを用いてもよい)との差(ΔPdx=Pd−PXO)であり、コントローラ32が算出する。
また、コントローラ32は後述する騒音改善制御における電磁弁30(第1の開閉弁)の前後の圧力差ΔPixも算出している。この場合、コントローラ32は、吐出圧力センサ42が検出する電磁弁30の冷媒上流側(前)の圧力Pdと、放熱器圧力センサ47が検出する電磁弁30の冷媒下流側(後)の圧力である放熱器圧力PCIに基づき、それらの差ΔPix(ΔPix=Pd−PCI)を電磁弁30の前後の圧力差とする。
更に、コントローラ32は後述する騒音改善制御における電磁弁21(第3の開閉弁)の前後の圧力差ΔPxsも算出している。この場合、コントローラ32は、室外熱交換器温度センサ54が検出する室外熱交換器7から出た直後の冷媒の温度(室外熱交換器温度TXO)から換算される電磁弁21の冷媒上流側(前)の室外熱交換器圧力PXO(実施例の如く室外熱交換器圧力センサ56が設けられている場合には、室外熱交換器圧力センサ56が検出する室外熱交換器圧力PCOを用いてもよい)と、吸込温度センサ55が検出する圧縮機2の吸込温度から換算される電磁弁21の冷媒下流側(後)の吸込圧力Psとの差(ΔPxs=PXO−Ps)を電磁弁21の前後の圧力差とする(以下の騒音改善制御においても同じ)。
(7−1)暖房モードから除湿暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その1)
運転モードが暖房モードから除湿暖房モードに切り換わる際、暖房モードにおいては電磁弁40の前後の圧力差ΔPdxは図4に示すように大きい値となっている。そのため、暖房モードでは閉じている電磁弁40を、係る圧力差のまま除湿暖房モードとするために開くと、圧縮機2の吐出側から電磁弁40を経て室外熱交換器7の入口側の方向にバイパス配管35内を冷媒が急激に流れ、電磁弁40において大きな音(騒音)が発生することになる。
そこで、コントローラ32は暖房モードから除湿暖房モードに運転モードを切り換える際、以下に説明する騒音改善制御を実行する。コントローラ32は暖房モードから除湿暖房モードに切り換える場合、先ず、補助ヒータ23を発熱させ、その出力(通電量、或いは、発熱量)を増大させる。この場合、コントローラ32は除湿暖房モードにおける補助ヒータ23の出力の目標値C(図4)よりも予め定めた値分高い所定値D(図4)まで増大させる。これにより、補助ヒータ温度Tptcは上昇していく。
そして、補助ヒータ温度Tptcが図4中の所定値B以上となった場合、コントローラ32は電磁弁17を開き、電磁弁21を閉じる。これにより冷媒回路Rは、室外熱交換器7から出た冷媒が、レシーバドライヤ部14、過冷却部16、内部熱交換器19、室内膨張弁8を経て吸熱器9に流れる状態に切り換わる。尚、コントローラ32はその後補助ヒータ23の出力を前述した除湿暖房モードでの目標値Cとするように制御する。
また、コントローラ32は補助ヒータ温度Tptcが所定値B以上となった場合、電磁弁40及び電磁弁30を切り換える前に、実施例では電磁弁40の前後の圧力差Pdxが所定値A(例えば、0.2MPa等)以下となるように、室外膨張弁6の弁開度を拡大し、且つ、圧縮機2の回転数NCを調整(下げる方向に制御)する。室外膨張弁6の弁開度を拡大することで、室外熱交換器圧力PXOは上昇すると共に、圧縮機2の回転数NCを下げる方向に制御することで、吐出圧力Pdは低下するため、電磁弁40の前後の圧力差Pdx(=Pd−PXO)は小さくなっていく。
そして、圧力差ΔPdxが図4中の所定値A以下に縮小した場合、コントローラ32は電磁弁40を開くと共に、電磁弁30を閉じ、室外膨張弁6を全閉状態とし、圧縮機2の制御を除湿暖房時の制御とすることで、除湿暖房モードの空調運転に移行する。
(7−2)暖房モードから除湿暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その2)
ここで、上記実施例の騒音改善制御では、コントローラ32が電磁弁40の前後の圧力差ΔPdxが所定値A以下となるように室外膨張弁6の弁開度を拡大し、且つ、圧縮機2の回転数NCを制御するようにしたが、それに限らず、室外膨張弁6の弁開度を全開(図4)とし、圧縮機2の回転数NCを予め定めた低い値である所定回転数NC1(図4。例えば、800rpm)とするようにしてもよい。室外膨張弁6を全開とし、且つ、圧縮機2の回転数NCを低い所定回転数NC1に制御することで、室外熱交換器圧力PXOは上昇し、吐出圧力Pdは低下するため、電磁弁40の前後の圧力差Pdxは小さくなっていく。そして、この場合も圧力差ΔPdxが前述した所定値A以下に縮小したとき、コントローラ32は電磁弁40を開くと共に、電磁弁30を閉じ、室外膨張弁6を全閉状態にすることで、除湿暖房モードの空調運転に移行する。
(7−3)暖房モードから除湿暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その3)
また、上記騒音改善制御で、コントローラ32により室外膨張弁6を全開とし、且つ、圧縮機2の回転数NCを所定回転数NC1としてから予め定めた所定時間(例えば、10秒等。図4)経過後に電磁弁40を開き、電磁弁30を閉じ、室外膨張弁6を全閉状態として除湿暖房モードの空調運転を開始するようにしてもよい。
このようにコントローラ32は、運転モードを暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、電磁弁40(第2の開閉弁)前後の圧力差ΔPdxを縮小した後、当該電磁弁40を開き、電磁弁30(第1の開閉弁)を閉じ、室外膨張弁6を全閉とする騒音改善制御を実行するようにしたので、暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、電磁弁40を開放したときに、バイパス配管35を室外熱交換器7側に向かって冷媒が急激に流れることを大幅に抑制又は解消することができる。これにより、暖房モードから除湿暖房モードへの切換時に、電磁弁40を開放したときに生じる騒音を解消、若しくは、低減することができるようになる。
特に、前記騒音改善制御(暖房モードから除湿暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その1))では、コントローラ32は室外膨張弁6の弁開度を拡大し、且つ、圧縮機2の回転数NCを制御することで電磁弁40の前後の圧力差ΔPdxを縮小させ、当該圧力差ΔPdxが所定値A以下となった場合に、当該電磁弁40を開き、電磁弁30を閉じ、室外膨張弁6を全閉とするようにしたので、室外膨張弁6の弁開度拡大により電磁弁40の冷媒下流側の圧力を上げ、圧縮機2の回転数NCの制御により電磁弁40の冷媒上流側の圧力を下げることで当該電磁弁40の前後の圧力差ΔPdxを効果的に縮小させ、迅速に除湿暖房モードに切り換え、且つ、切り換え時に生じる騒音を効果的に解消、若しくは、低減することができるようなる。
また、上記騒音改善制御(暖房モードから除湿暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その2)、(その3))では、コントローラ32は室外膨張弁6を全開とし、且つ、圧縮機2の回転数NCを予め定めた低い値とすることで電磁弁40の前後の圧力差ΔPdxを縮小させ、当該圧力差ΔPdxが所定値A以下となった場合に、若しくは、圧縮機2の回転数NCを低い値としてから所定時間経過後に電磁弁40を開き、電磁弁30を閉じ、室外膨張弁6を全閉とするようにしたので、室外膨張弁6の全開により電磁弁40の冷媒下流側の圧力を上げ、圧縮機2の回転数NCの低下により電磁弁40の冷媒上流側の圧力を下げることで当該電磁弁40の前後の圧力差ΔPdxを迅速に縮小させ、的確に除湿暖房モードに切り換え、且つ、切り換え時に生じる騒音を効果的に解消、若しくは、低減することができるようなる。
ここで、係る騒音改善制御では圧縮機2の回転数NCが低下するため、車室内に吹き出される空気の温度(吹出温度)が低下して快適性が悪化する危険性がある。しかしながら、前述した如く実施例では、コントローラ32は暖房モードから除湿暖房モードに切り換える際、先ず補助ヒータ23を発熱させ、当該補助ヒータ23の温度Tptcが所定値B以上となった場合に、室外熱交換器7から出た冷媒を吸熱器9に流す状態に電磁弁17及び電磁弁21を切り換えると共に、騒音改善制御における室外膨張弁6と圧縮機2の制御を開始するようにしたので、図4に示されるように吹出温度は暖房モードから除湿暖房モードに切り換わる過程でも略一定に保たれるようになる。これにより、暖房モードから除湿暖房モードへの切り換え時に生じる吹出温度の低下が抑制され、快適な車室内空調を実現することができるようになる。
(8)除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御
次に、図5を参照しながら、車両用空気調和装置1の運転モードを、前述した除湿暖房モードから暖房モードに切り換える際にコントローラ32が実行する騒音改善制御の一例について説明する。図5のタイミングチャートは、除湿暖房モードから暖房モードに切り換わる際の電磁弁21(本発明の第3の開閉弁)の前後の圧力差ΔPxsと、電磁弁30(本発明の第1の開閉弁)の前後の圧力差ΔPixと、前述した吹出温度と、補助ヒータ温度Tptcと、圧縮機2の回転数NCと、室外膨張弁6の弁開度と、補助ヒータ23の出力と、電磁弁40(本発明の第2の開閉弁)、電磁弁30、電磁弁17、及び電磁弁21の状態を示している。尚、電磁弁21の前後の圧力差ΔPxsと電磁弁30の前後の圧力差ΔPixは前述した如くコントローラ32が算出するものとする。
(8−1)除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その1)
運転モードが除湿暖房モードから暖房モードに切り換わる際、除湿暖房モードにおいては電磁弁30の前後の圧力差ΔPixは図5に示すように大きい値となっている。そのため、除湿暖房モードでは閉じている電磁弁30を、係る圧力差のまま暖房モードとするために開くと、圧縮機2の吐出側から電磁弁30を経て放熱器4の入口側の方向に冷媒配管13G内を冷媒が急激に流れ、電磁弁30において大きな音(騒音)が発生する。
除湿暖房モードにおいては電磁弁21の前後の圧力差ΔPxsも図5に示すように大きい値となっている。そのため、除湿暖房モードでは閉じている電磁弁21を、係る圧力差のまま暖房モードとするために開くと、室外熱交換器7から電磁弁21を経てアキュムレータ12の入口側の方向に冷媒が急激に流れ、同様に電磁弁21において大きな音(騒音)が発生することになる。
そこで、コントローラ32は除湿暖房モードから暖房モードに運転モードを切り換える際にも、以下に説明する騒音改善制御を実行する。コントローラ32は除湿暖房モードから暖房モードに切り換える場合にも、先ず、補助ヒータ23の出力(通電量、或いは、発熱量)を増大させる。この場合、コントローラ32は除湿暖房モードで実行している補助ヒータ23の出力の目標値C(図5)よりも予め定めた値分高い所定値D(図5)まで補助ヒータ23の出力を増大させる。これにより、補助ヒータ温度Tptcは上昇する。
また、コントローラ32は、電磁弁40及び電磁弁30を切り換える前に、実施例では電磁弁30の前後の圧力差Pixが所定値A(例えば、0.2MPa等)以下となるように、室外膨張弁6を閉弁状態から開弁状態に移行させ、且つ、圧縮機2の回転数NCを調整(下げる方向に制御)する。室外膨張弁6を開くことで、放熱器圧力PCIは上昇すると共に、圧縮機2の回転数NCを下げる方向に制御することで、吐出圧力Pdは低下するため、電磁弁30の前後の圧力差Pix(=Pd−PCI)は小さくなっていく。
そして、圧力差ΔPixが図5中の所定値A以下に縮小した場合、コントローラ32は電磁弁30を開くと共に、電磁弁40を閉じる。電磁弁30が開き、電磁弁40が閉じられることで、冷媒は放熱器4を経て室外膨張弁6で減圧されるようになるので、室外熱交換器圧力PXOは低下するので、これにより、電磁弁21の前後の圧力差ΔPxs(=PXO−Ps)も小さくなっていく。そして、コントローラ32は、電磁弁21の前後の圧力差ΔPxsが図5中の所定値E以下に縮小した場合、電磁弁21を開くと共に、電磁弁17を閉じる。これにより冷媒回路Rは、室外熱交換器7から出た冷媒が、アキュムレータ12に流れる状態に切り換わる。また、補助ヒータ23の出力(発熱)も低下(この実施例では出力停止)させて、暖房モードの空調運転に移行する。
(8−2)除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その2)
ここで、上記実施例の騒音改善制御では、コントローラ32が電磁弁30の前後の圧力差ΔPixが所定値A以下となるように室外膨張弁6を開き、且つ、圧縮機2の回転数NCを制御するようにしたが、圧力差ΔPixが所定値A以下にならない場合は、更に圧縮機2を停止(即ち、室外膨張弁6を開き、且つ、圧縮機2を停止)させるようにしてもよい(図5)。室外膨張弁6を開き、且つ、圧縮機2を停止することで、放熱器圧力PCIと吐出圧力Pdは平衡状態に向かうため、電磁弁30の前後の圧力差Pixは小さくなっていく。
そして、圧力差ΔPixが所定値A以下に縮小したとき、コントローラ32が電磁弁30を開くと共に、電磁弁40を閉じる。そして、電磁弁21の前後の圧力差ΔPxsが所定値E以下となり、電磁弁17を閉じ、電磁弁21を開いた後、圧縮機2を起動し、補助ヒータ23の出力も低下(実施例では出力を停止)させて、暖房モードの空調運転に移行する。
(8−3)除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その3)
その他にも、この場合の騒音改善制御の開始時からコントローラ32により室外膨張弁6を暖房モードでの制御状態に移行させ(図5)、且つ、圧縮機2を停止させるようにしてもよい(図5)。室外膨張弁6が開いて暖房時の制御状態となり、且つ、圧縮機2が停止することで、放熱器圧力PCIと吐出圧力Pdは平衡状態に向かうため、電磁弁30の前後の圧力差Pixは小さくなっていく。
そして、圧力差ΔPixが所定値A以下に縮小したとき、コントローラ32が電磁弁30を開くと共に、電磁弁40を閉じる。そして、電磁弁21の前後の圧力差ΔPxsが所定値E以下となり、電磁弁17を閉じ、電磁弁21を開いた後、圧縮機2を起動し、補助ヒータ23の出力も低下(実施例では出力を停止)させて、暖房モードの空調運転に移行する。
(8−4)除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その4)
また、上記騒音改善制御で、コントローラ32により室外膨張弁6を暖房時の制御状態とし、且つ、圧縮機2を停止してから予め定めた所定時間(例えば、10秒等。図5)経過後に電磁弁30を開き、電磁弁40を閉じるようにしてもよい。その場合も、電磁弁21の前後の圧力差ΔPxsが所定値E以下となり、電磁弁17を閉じ、電磁弁21を開いた後、圧縮機2を起動し、補助ヒータ23の出力も低下(実施例では出力を停止)させて、暖房モードの空調運転に移行する。
このようにコントローラ32は、除湿暖房モードから暖房モードに切り換える際、電磁弁30の前後の圧力差ΔPixを縮小した後、当該電磁弁30を開き、電磁弁40を閉じる騒音改善制御を実行するようにしたので、除湿暖房モードから暖房モードに切り換える際、電磁弁30を開放したときに、放熱器4側に向かって冷媒が急激に流れることを大幅に抑制又は解消することができる。これにより、除湿暖房モードから暖房モードへの切換時に、電磁弁30を開放したときに生じる騒音を解消、若しくは、低減することができるようになる。
特に、前記騒音改善制御(除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その1)、(その2))では、コントローラ32が騒音改善制御において、室外膨張弁6を開き、且つ、圧縮機2の回転数NCを制御し、若しくは、当該圧縮機2を停止することで電磁弁30の前後の圧力差ΔPixを縮小させ、当該圧力差ΔPixが所定値A以下となった場合に、当該電磁弁30を開き、電磁弁40を閉じるので、室外膨張弁6を開くことにより電磁弁30の冷媒下流側の圧力を上げ、圧縮機2の回転数制御、若しくは、停止により電磁弁30の冷媒上流側の圧力を下げることで当該電磁弁30の前後の圧力差を効果的に縮小させ、迅速に暖房モードに切り換え、且つ、切り換え時に生じる騒音を効果的に解消、若しくは、低減することができるようなる。
また、前記騒音改善制御(除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その3)、(その4))では、コントローラ32が騒音改善制御において、室外膨張弁6を暖房モードでの制御とし、且つ、圧縮機2を停止することで電磁弁30の前後の圧力差ΔPixを縮小させ、当該圧力差ΔPixが所定値A以下となった場合に、若しくは、圧縮機2を停止してから所定時間経過後に電磁弁30を開き、電磁弁40を閉じるので、室外膨張弁6の開放により電磁弁30の冷媒下流側の圧力を上げ、圧縮機2の停止により電磁弁30の冷媒上流側の圧力を下げることで当該電磁弁30の前後の圧力差ΔPixを迅速に縮小させ、的確に暖房モードに切り換え、且つ、切り換え時に生じる騒音を効果的に解消、若しくは、低減することができるようなる。
更にコントローラ32は、この場合の騒音改善制御に加えて、電磁弁30を開き、電磁弁40を閉じてから、電磁弁21の前後の圧力差ΔPxsが所定値E以下となった場合に、当該電磁弁21を開き、電磁弁17を開くようにしているので、除湿暖房モードから暖房モードに切り換える際、電磁弁21を開放したときに、圧縮機2側に向かって冷媒が急激に流れることも大幅に抑制又は解消することができる。これにより、除湿暖房モードから暖房モードへの切換時に、電磁弁21を開放したときに生じる騒音も解消、若しくは、低減することができるようになる。
ここで、係る騒音改善制御でも圧縮機2の回転数NCを低下させ、或いは、停止するため、車室内に吹き出される空気の温度(吹出温度)が低下して快適性が悪化する危険性がある。しかしながら、実施例ではコントローラ32は、除湿暖房モードから暖房モードに切り換える際、先ず補助ヒータ23の発熱を増大させ、電磁弁21を開いた後、発熱を低下(停止)させるようにしているので、図5に示されるように吹出温度は除湿暖房モードから暖房モードに切り換わる過程でも略一定に保たれるようになる。これにより、除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時に生じる吹出温度の低下が抑制され、快適な車室内空調を実現することができるようになる。
(8−5)除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御(その5)
ここで、上記除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御では、コントローラ32は電磁弁21を開いた後、補助ヒータ23の発熱を低下(実施例では停止)させるようにしたが、それに限らず、暖房モードに移行した後も補助ヒータ23を発熱させ、例えば、放熱器圧力PCI(高圧側圧力。放熱器温度THでもよい)が所定値(目標値でもよい)以上に上昇した段階で、発熱を低下(停止を含む)させるようにしてもよい。それにより、暖房モードに切り換わった後、冷媒回路Rの高圧側圧力が上昇するまでは放熱器4と補助ヒータ23により車室内を暖房することができるようになるので、切り換え時に生じる吹出温度の低下をより一層確実に解消して、快適な車室内暖房を実現することができるようになる。
尚、上記の如き除湿暖房モードから暖房モードへの切り換え時の騒音改善制御においては室内送風機27の風量を低下させ、暖房モードに移行後、放熱器圧力PCI(又は、放熱器温度THが目標値に上昇した後、元の風量に戻すようにしてもよい。室内送風機27の風量が低下することで、吹出温度の低下をより一層抑制することができるようになる。
また、実施例では暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、及び、MAX冷房モードの各運転モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置1に本発明を適用したが、それに限らず、暖房モードと除湿暖房モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置にも本発明は有効である。
更に、実施例で示した各運転モードの切換制御は、それに限られるものでは無く、車両用空気調和装置の能力や使用環境に応じて、外気温度Tam、車室内の湿度、目標吹出温度TAO、放熱器温度TH、目標放熱器温度TCO、吸熱器温度Te、目標吸熱器温度TEO、車室内の除湿要求の有無、等のパラメータの何れか、又は、それらの組み合わせ、それらの全てを採用して適切な条件を設定すると良い。
更にまた、補助加熱装置は、実施例で示した補助ヒータ23に限られるものでは無く、ヒータで加熱された熱媒体を循環させて空気流通路内の空気を加熱する熱媒体循環回路や、エンジンで加熱されたラジエター水を循環するヒータコア等を利用してもよい。また、上記各実施例で説明した冷媒回路Rの構成はそれに限定されるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であることは云うまでもない。
1 車両用空気調和装置
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器
21 電磁弁(第3の開閉弁)
23 補助ヒータ(補助加熱装置)
27 室内送風機(ブロワファン)
28 エアミックスダンパ
30 電磁弁(第1の開閉弁)
40 電磁弁(第2の開閉弁)
31 吹出口切換ダンパ
32 コントローラ(制御装置)
35 バイパス配管
45 バイパス装置
R 冷媒回路

Claims (7)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
    前記車室外に設けられた室外熱交換器と、
    前記放熱器を出て前記室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、
    前記圧縮機の吐出側と前記放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、
    該第1の開閉弁の上流側で分岐し、前記放熱器及び前記室外膨張弁をバイパスして前記圧縮機から吐出された冷媒を前記室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、
    該バイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、
    前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置と、
    制御装置を備え、
    該制御装置により、前記第1の開閉弁を開き、前記第2の開閉弁を閉じることで、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を前記室外膨張弁で減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、
    前記室外膨張弁を全閉とし、前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開くことで、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記バイパス配管により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させると共に、前記補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記暖房モードから前記除湿暖房モードに切り換える際、前記補助加熱装置を発熱させ、当該補助加熱装置の温度が所定値以上となった場合に、前記室外熱交換器から出た冷媒を前記吸熱器に流す状態に切り換えると共に、
    前記室外膨張弁の弁開度を拡大し、且つ、前記圧縮機の回転数を制御することで前記第2の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、当該第2の開閉弁を開き、前記第1の開閉弁を閉じ、前記室外膨張弁を全閉とする騒音改善制御を開始することを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
    前記車室外に設けられた室外熱交換器と、
    前記放熱器を出て前記室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、
    前記圧縮機の吐出側と前記放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、
    該第1の開閉弁の上流側で分岐し、前記放熱器及び前記室外膨張弁をバイパスして前記圧縮機から吐出された冷媒を前記室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、
    該バイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、
    前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置と、
    制御装置を備え、
    該制御装置により、前記第1の開閉弁を開き、前記第2の開閉弁を閉じることで、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を前記室外膨張弁で減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、
    前記室外膨張弁を全閉とし、前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開くことで、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記バイパス配管により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させると共に、前記補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記暖房モードから前記除湿暖房モードに切り換える際、前記補助加熱装置を発熱させ、当該補助加熱装置の温度が所定値以上となった場合に、前記室外熱交換器から出た冷媒を前記吸熱器に流す状態に切り換えると共に、
    前記室外膨張弁を全開とし、且つ、前記圧縮機の回転数を予め定めた低い値とすることで前記第2の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、若しくは、前記圧縮機の回転数を前記低い値としてから所定時間経過後に前記第2の開閉弁を開き、前記第1の開閉弁を閉じ、前記室外膨張弁を全閉とする騒音改善制御を開始することを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
    前記車室外に設けられた室外熱交換器と、
    前記放熱器を出て前記室外熱交換器に流入する冷媒を減圧するための室外膨張弁と、
    前記圧縮機の吐出側と前記放熱器の入口側の間に設けられた第1の開閉弁と、
    該第1の開閉弁の上流側で分岐し、前記放熱器及び前記室外膨張弁をバイパスして前記圧縮機から吐出された冷媒を前記室外熱交換器に流すためのバイパス配管と、
    該バイパス配管に設けられた第2の開閉弁と、
    前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置と、
    制御装置を備え、
    該制御装置により、前記第1の開閉弁を開き、前記第2の開閉弁を閉じることで、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を前記室外膨張弁で減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、
    前記室外膨張弁を全閉とし、前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開くことで、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記バイパス配管により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させると共に、前記補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置において、
    前記暖房モードにおいて開き、前記室外熱交換器から出た冷媒を前記圧縮機に吸い込ませる状態とすると共に、前記除湿暖房モードでは閉じて前記室外熱交換器から出た冷媒を前記吸熱器に流す状態とする第3の開閉弁を更に備え、
    前記制御装置は、前記除湿暖房モードから前記暖房モードに切り換える際、前記第1の開閉弁前後の圧力差を縮小した後、当該第1の開閉弁を開き、前記第2の開閉弁を閉じる騒音改善制御を実行すると共に、
    該騒音改善制御において、前記第1の開閉弁を開き、前記第2の開閉弁を閉じてから、前記第3の開閉弁前後の圧力差が所定値以下となった場合に、当該第3の開閉弁を開くことを特徴とする車両用空気調和装置。
  4. 前記制御装置は、前記騒音改善制御において、前記室外膨張弁を開き、且つ、前記圧縮機の回転数を制御し、若しくは、当該圧縮機を停止することで前記第1の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、当該第1の開閉弁を開き、前記第2の開閉弁を閉じることを特徴とする請求項3に記載の車両用空気調和装置。
  5. 前記制御装置は、前記騒音改善制御において、前記室外膨張弁を前記暖房モードでの制御とし、且つ、前記圧縮機を停止することで前記第1の開閉弁前後の圧力差を縮小させ、当該圧力差が所定値以下となった場合に、若しくは、前記圧縮機を停止してから所定時間経過後に前記第1の開閉弁を開き、前記第2の開閉弁を閉じることを特徴とする請求項3に記載の車両用空気調和装置。
  6. 前記制御装置は、前記騒音改善制御において、前記補助加熱装置の発熱を増大させ、前記第3の開閉弁を開いた後、前記補助加熱装置の発熱を低下させることを特徴とする請求項3乃至請求項5のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
  7. 前記制御装置は、前記第3の開閉弁を開いた後、高圧側圧力が所定値以上となった場合に、前記補助加熱装置の発熱を低下させることを特徴とする請求項6に記載の車両用空気調和装置。
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