JP6721940B2 - 既設pc床版の拡幅構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の方法は、既存のコンクリート床版の側端面から水平方向に横穴を穿設し、この横穴にPC鋼棒を挿入するとともにグラウトを注入して硬化させる。このPC鋼棒に、拡幅する部分に配置する緊張材を接続し、新たにコンクリートを打ち足した後に緊張材を緊張して拡幅部分の床版にプレストレスを導入するものである。一般に既存のコンクリート床版に配置された緊張材の定着端部は、定着後に短く切断されており、既存の緊張材に新たな緊張材を接続してプレストレスを導入することは難しい。上記特許文献1に記載の技術では、既存のコンクリート床版に既存の緊張材とは別に新たにPC鋼棒を埋め込んで拡幅部分の緊張材を接続するため、既存の緊張材をそのまま残して新たに打ち足したコンクリートにプレストレスを導入することができる。
特許文献1に記載の方法では、既存の床版に深い横穴を穿設する必要があり、費用が嵩むとともに既存の床版や既存の緊張材に損傷が生じる可能性がある。また、既存の緊張材とは別途に埋め込まれたPC鋼棒に拡幅部分の緊張材から緊張力が伝達されるため、新旧の床版の接続部付近で複雑な応力状態が生じることが考えられる。
また、特許文献2に記載の方法では、既存の緊張材が配置されたシース内に充分なグラウトが充填されていないと、既存の緊張材の定着具を撤去したときに緊張力の緩みが生じ、既存の床版のプレストレスが不足することになる。
一方、拡幅部分に配置する延長用緊張材は、既存の緊張材に接続するので新旧のコンクリートに連続してプレストレスを導入することができる。そして、接続には、既存の緊張材の定着具を撤去して接続に必要な範囲に限定して露出させるので、既存のコンクリートをはつる範囲が少なくなる。したがって、中間定着および緊張材の接続のために既存のコンクリートをはつる範囲を少なく抑え、既存の床版に損傷が生じるおそれを低減することができる。
図1は、本発明の床版の拡幅方法を適用することができる橋梁及び該橋梁の拡幅された状態を示す概略断面図である。
この橋梁は、コンクリートからなる複数の主桁1を有するものであり、その上部はコンクリートの床版2と連続するものとなっている。コンクリートの床版2は全ての主桁1を連結するように形成されており、床版内には橋梁の幅方向に緊張材3が配置されている。この緊張材3に緊張力を導入し、床版2の両側端部で定着することによってプレストレスが導入されている。
床版を拡幅しようとする側の側端付近で緊張材3の定着端から該緊張材3の軸線方向に離れた位置で、図2(a)及び図2(b)に示すように、床版2aのコンクリートをはつって緊張材3を露出させる。床版2aのコンクリートをはつる位置は、緊張材3が露出するまではつっても該緊張材3の緊張力が導入された状態を維持できる範囲で、できるだけ接近した位置とする。
床版のコンクリートをはつる位置が定着端に接近した位置であることによって橋梁の供用が制限される範囲を小さくすることができるが、定着端に接近しすぎた位置でコンクリートをはつると緊張材3から作用する力で定着端付近のコンクリートが損壊するおそれが生じる。定着端付近のコンクリートが損壊すると、緊張材3の緊張力に緩みが生じ、床版2のプレストレスが不足する可能性が生じる。したがって、緊張材3が露出するまではつっても緊張材3の緊張力が維持される範囲でできるだけ定着端に近い位置でコンクリートをはつり、緊張材3を露出させるものである。
図5に示す中間定着具10は、緊張力が導入されている緊張材3の中間部分に装着されるものであり、二つの半割ブロック11,12からなる定着ブロック13と、二つの半割ブロック11,12を互いに結合して一体とする結合手段である複数のボルト14と、定着ブロック13を緊張材3に固定するためのくさび15と、を備えるものである。二つの半割ブロック11,12はいずれも鋼からなるものであり、外形がほぼ直方体となっている。そして、これらを重ね合わせたときに、これらの半割ブロック11,12の間に断面形状がほぼ円形となる中空孔16が形成されるものとなっている。
この接続具20は、図6(a)に示すように、円筒状となった外周面に雄ネジが形成された雌コーン21と、雌コーン21の中空孔内に挿通された既存の緊張材3と中空孔の内周面との間に差し入れられてくさびとして機能する雄コーン22と、雌コーン21の外周面に形成された雄ネジにねじり合わされるナット23と、同じく雌コーン21の外周面に形成された雄ネジにねじり合わされるととともに、拡幅部分に配置される新たな緊張材4の端部と接続されるカプラー25と、を備えている。
例えば、中間定着具や接続具は、既存の緊張材及び拡幅部に用いる緊張材の種類等によって適宜に態様の異なるものを用いることができる。
この中間定着具30は、図5に示す中間定着具10と同様に、二つの半割ブロック32,33からなる定着ブロック31と、二つの半割ブロック32,33を互いに結合して一体とする結合手段である複数のボルト34とを備えるものである。そして、二つの半割ブロック32,33の接合部分には緊張材3を挿通する中空孔35が形成されている。この中空孔35内に挿通される緊張材3に定着ブロック31を固定する手段が、本例では中空孔35内に充填される充填材36となっている。充填材36はモルタル等を用いることができる。中空孔35の内径は緊張材3が引っ張られる方向Aに縮小していることにより、緊張材3が引っ張られたときに中空孔35の内周面から緊張材3の中心に向かって圧縮力が作用し、緊張材3をしっかりと把持するものとなっている。
中空孔35の内径は緊張材3の軸線方向に均等なものとしてもよいが、このときには充填材として膨張性を有するものを用いるのが望ましい。充填後の硬化時に生じる膨張が拘束されることによる圧縮力で緊張材を強く把持するものである。
この接続具40は、既存の床版に配置された緊張材7として外径が5mmから8mm程度の鋼線を束ねたものが用いられ、拡幅部分の床版に配置する緊張材8として鋼より線が用いられるときに採用することができるものである。
この接続具40は、既存の床版に配置されている緊張材7のそれぞれの鋼線7aが結合される鋼ブロック41と、この鋼ブロック41に設けられた鋼線挿通孔のそれぞれに装着されて鋼線7aを鋼ブロック41に固定するくさび42と、上記鋼ブロック41に連結されるロッド43と、上記ロッド43と連結される円筒状の部材であって、拡幅部分の緊張材8が結合される鋼スリーブ44と、この鋼スリーブ44の中空孔に挿入された拡幅部分の緊張材8を固定するくさび45と、で主要部が構成されている。
上記ロッド43は、一端側に設けられた雄ネジ部を鋼ブロック41に設けられている雌ネジ部にねじ込んで結合されている。ロッド43の他端側の雄ネジ部は鋼スリーブ44の中空孔に形成された雌ネジ部にねじ込んで該鋼スリーブ44と連結されている。
鋼スリーブ44の中空孔は、床版を拡幅する側の端面に向かって内径が縮小するものとなっている。この部分の内周面と中空孔内に挿入された緊張材8との間にくさび45を差し入れて鋼スリーブ44と拡幅部分の緊張材8とが結合されている。
なお、図8中の符号47は、バネ46を介してくさび42が鋼線挿通孔から抜け出すのを押さえ付ける押さえ板である。
図9(a)に示す例は、拡幅した床版51の下側を増厚又は部分的に増厚したリブ52を設けて補強するものである。また、図9(b)に示すように張り出し部分に隣接する桁55の下部から斜め支持材54によって拡幅した床版53を支持することもできる。さらに、図9(c)に示す例は、床版56とともに桁57を増設して床版50を拡幅するものである。
10:中間定着具, 11:第1の半割ブロック, 12:第2の半割ブロック, 13:定着ブロック, 14:ボルト, 15:くさび, 16:中空孔, 17:ボルト孔, 18:ボルト孔,
20:接続具, 21:雌コーン, 22:雄コーン, 23:ナット, 24:支圧板, 25:カプラー, 26:緊張用ロッド, 27:センターホールジャッキ, 28:ジャッキチェア,
30:中間定着具, 31:定着ブロック, 32:第1の半割ブロック, 33:第2の半割ブロック, 34:ボルト, 35:中空孔, 36:充填材,
40:接続具, 41:鋼ブロック, 42:くさび, 43:ロッド, 44:鋼スリーブ, 45:くさび, 46:ばね, 47:押さえ板, 48:第1の角形管部材, 49:第2の角形管部材,
50:既存の床版, 51:拡幅した床版, 52:リブ, 53:拡幅した床版, 54:斜め支持材, 55:桁, 56:拡幅した床版, 57:増設した桁
Claims (3)
- 橋梁の幅方向に緊張材が配置され、プレストレスが導入されているコンクリートの床板を拡幅する方法であって、
前記緊張材の、拡幅する側の側端付近で定着されている定着端から該緊張材の軸線方向に離れた位置であって、該緊張材の緊張力が導入された状態を維持できる範囲で前記定着端に接近した位置において該床版のコンクリートをはつり、前記緊張材を露出させる工程と、
露出した前記緊張材に中間定着具を装着する工程と、
前記床版のコンクリートをはつった部分の全域に、埋戻し用コンクリートを打設し、前記中間定着具を埋め込んでコンクリートの床版と一体に固定する工程と、
前記緊張材の拡幅する側の定着端を覆うコンクリートをはつり、既存の定着具を除去するとともに、該緊張材の端部の接続具を装着することができる長さを露出させる工程と、
該緊張材に接続具を装着し、延長用緊張材を接続する工程と、
前記床版に連続し、該床版の拡幅部分にコンクリートを打設する工程と、
打設した拡幅部分のコンクリートが硬化した後、前記延長用緊張材に緊張力を導入して拡幅部分のコンクリートにプレストレスを導入する工程と、を含むことを特徴とする床版の拡幅方法。 - 前記接続具は、中空孔内に前記緊張材が挿通される円筒状の雌コーンと、前記雌コーンの中空孔の内周面と前記緊張材の外周面との間に挿入されるくさび状の雄コーンと、前記雌コーンの外周面に形成された雄ネジにねじり合わされるナットと、を有するものとし、
前記雌コーンを把持して前記緊張材を緊張し、前記中間定着具から該接続具までに緊張力を導入する工程と、
前記ナットを回転し、前記接続具を介して前記緊張材を定着する工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の床版の拡幅方法。 - 前記緊張材は、該橋梁の軸線方向に所定の間隔をあけて複数が配置されており、
前記床版のコンクリートをはつって前記緊張材を露出させる工程は、複数の前記緊張材の一本おきに行い、
前記中間定着具を装着する工程及び前記埋戻し用コンクリートを打設する工程を行って該埋戻し用コンクリートが硬化した後に、隣接する前記緊張材を露出させる工程を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床版の拡幅方法。
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