JP6710894B2 - 電池用包装材料 - Google Patents
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Description
このような状況下、本発明は、ポリアミド樹脂フィルムによって形成された基材層表面におけるインキの印刷特性に優れた電池用包装材料を提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該電池用包装材料の製造方法、及び当該電池用包装材料用いた電池を提供することも目的とする。
項1. 少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とが順次積層された積層体からなり、
前記基材層が、エチレンビスオレイン酸アミドを含むポリアミド樹脂により形成されており、
前記基材層におけるエチレンビスオレイン酸アミドの含有量が、400ppm以下である、電池用包装材料。
項2. 前記基材層表面の少なくとも一部に、インキが印刷されて使用される、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記基材層表面の少なくとも一部に、インキが印刷されている、項1に記載の電池用包装材料。
項4. 前記電池用包装材料を100℃の恒温槽中に24時間静置した後、210mm×297mmの範囲の前記基材層表面に存在するエチレンビスオレイン酸アミドが、380μg以下である、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記基材層表面のぬれ張力が、32mN/m以上である、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記ポリアミド樹脂が、2軸延伸ナイロンである、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記基材層と前記金属層との間に接着層が積層されてなる、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 前記金属層と前記シーラント層との間に接着層が積層されてなる、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
項9. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料。
項10. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜9のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
本発明の電池用包装材料は、図1に示すように、少なくとも、基材層1、金属層3、及びシーラント層4が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、基材層1が最外層になり、シーラント層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は、最外層に位置する層である。基材層1は、エチレンビスステアリン酸アミドを含むポリアミド樹脂により形成されている。
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3とを接着させるために、必要に応じて設けられる層である。
本発明の電池用包装材料において、金属層3は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層3を形成する金属としては、具体的には、アルミニウム(アルミニウム合金)、ステンレス、チタン等の金属箔が挙げられる。これらの中でも、アルミニウムまたはステンレス鋼が好適に使用される。包装材料の製造時にしわやピンホールを防止するために、本発明において金属層3として、軟質アルミニウム、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)又は(JIS A8079P−O)等を用いることが好ましい。
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、金属層3とシーラント層4を強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法が例示される。
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
<電池用包装材料の製造>
基材層1/接着層2/金属層3が順に積層された積層体に対して、共押出法で接着層5及びシーラント層4を積層させることにより、基材層1/接着層2/金属層3/接着層5/シーラント層4が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を製造した。電池用包装材料の具体的な製造条件は、以下に示す通りである。
電池セルの製造時における100℃でのベーキング工程を模倣し、実施例1−5及び比較例1で得られた電池用包装材料を100℃の恒温槽中に24時間静置し、基材層表面(A4サイズ:210mm×297mm)を30mlのメタノールで洗浄し、洗浄後のメタノールを窒素ブローにて揮発・乾燥させる。次に、乾固分にメタノールを1.5ml加えて再溶解し、GC−MS(島津製作所製のQP2010、イオン化法:電子衝突イオン化法(EI法)、検出器:四重極型検出器、カラム :Inert Cap 5MS)で撥水剤(エチレンビスステアリン酸アミドまたはエチレンビスオレイン酸アミド)の量を測定した。結果を表1に示す(表面ブリード量)。なお、撥水剤の検出限界は、30μg/A4サイズである。
前述のベーキング工程を模した処理を行った実施例1−5及び比較例1の電池用包装材料について、基材層表面にパッド印刷で図柄を印刷した。パッド印刷機は、ミシマ株式会社製SPACE PAD 6GXを使用し、インキはナビタス株式会社製のUVインキPJU−A黒色を使用した。また、アズワン製のハンディーUVランプ SUVー4で紫外線波長:254nmにて10cmの距離からUVを30秒間照射してインキを硬化させた。硬化後の印刷面を光学顕微鏡で観察し、目視確認可能な範囲で印刷の抜けが無いものを「5」、印刷の抜けが印刷柄全体の10%よりも多いものを「1」とし、その中間を「1」の評価側から順に「2」、「3」、「4」と順に評価した。なお、印字適性測定は、24℃で相対湿度50%の環境下に行った。結果を表1に示す。
前述のベーキング工程を模した処理を行った実施例1−5及び比較例1の電池用包装材料について、印字適正の比較検証を目的とし、JIS規格に準拠したぬれ試薬による電池用包装材料外装材の基材面のぬれ張力判定を実施した。試験方法は、「JIS K6768 プラスチック−フィルム及びシート−ぬれ張力試験法」に準拠した。ナカライテスク社製のぬれ張力試験用混合液を使用し、球状の脱脂綿に含ませた試薬を、電池用包装材料外装材の基材面に5cmほど線状に塗布し、2秒後に液膜が破れるか否かで判定し、破れなかったぬれ張力をその基材のぬれ性とした。なお、ぬれ張力の測定は、24℃で相対湿度50%の環境下に行った。結果を表1に示す。
2 接着層
3 金属層
4 シーラント層
5 接着層
Claims (9)
- 少なくとも、基材層と、金属層と、シーラント層とが順次積層された積層体からなり、
前記基材層が、エチレンビスステアリン酸アミドを含むポリアミド樹脂により形成されており、
前記ポリアミド樹脂の前記エチレンビスステアリン酸アミドの含有量が200ppm以上400ppm以下であり、
前記基材層表面のぬれ張力が、32mN/m以上45mN/m以下である、電池用包装材料。 - 前記基材層表面の少なくとも一部に、インキが印刷されて使用される、請求項1に記載の電池用包装材料。
- 前記基材層表面の少なくとも一部に、インキが印刷されている、請求項1に記載の電池用包装材料。
- 前記電池用包装材料を100℃の恒温槽中に24時間静置した後、210mm×297mmの範囲の前記基材層表面に存在するエチレンビスステアリン酸アミドの量が、30μg以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記ポリアミド樹脂が、2軸延伸ナイロンである、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記基材層と前記金属層との間に接着層が積層されてなる、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記金属層と前記シーラント層との間に接着層が積層されてなる、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記金属層が、アルミニウム箔またはステンレス鋼箔により形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
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