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JP6649946B2 - 発酵ビール様発泡性飲料 - Google Patents

発酵ビール様発泡性飲料 Download PDF

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Description

本発明は、原麦汁エキス値が低いにもかかわらず、コクがあり、全体の香味バランスが良好な発酵ビール様発泡性飲料に関する。
本願は、2015年4月8日に、日本に出願された特願2015−079054号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ビールや発泡酒等のビール様発泡性飲料は、消費者の嗜好の多様化にともない、多種多様の商品が上市されている。特に、近年の消費者の健康志向から、低カロリーや低糖質のビール様発泡性飲料に対する需要が高まっている。発酵工程を経て製造される発酵ビール様発泡性飲料の場合には、麦芽等の発酵原料の使用量を抑え、原麦汁エキス値を下げることによって、飲料のカロリーや糖質含有量を低減させることができる。
しかしながら、発酵ビール様発泡性飲料において原麦汁エキス値を低下させると、飲料が水っぽくなり、全体のバランスが悪化するという問題がある。原麦汁エキス値が低い発酵ビール様発泡性飲料において、香味を改善する方法として、例えば特許文献1には、高温高圧水蒸気処理を行った麦芽穀皮を原料として使用する方法が開示されている。
国際公開第2009/051127号
本発明は、原麦汁エキス値が低いにもかかわらず、コクがあり、全体の香味バランスが良好な発酵ビール様発泡性飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、水溶性食物繊維を原料とし、かつリナロール濃度を特定の範囲内に調整することにより、原麦汁エキス値が低い場合であっても香味の水っぽさを解消し、コクと香味バランスを改善できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料は、下記[1]〜[]である。
[1] 原麦汁エキスが7.0〜9.0質量%であり、難消化性デキストリンが1.5〜3質量%であり、リナロール濃度が20〜40ppbである、発酵ビール様発泡性飲料。
] さらに、高甘味度甘味料を含有する、前記[1]発酵ビール様発泡性飲料。
] 前記高甘味度甘味料が、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アスパルテーム、及びスクラロースからなる群より選択される1種以上を含有する、前記[発酵ビール様発泡性飲料。
] アルコール濃度が、3容量%以上である、前記[1]〜[]のいずれかの発酵ビール様発泡性飲料。
] カロリーが、30kcal/100mL以下である、前記[1]〜[]のいずれかの発酵ビール様発泡性飲料。
本発明により、原麦汁エキス値が低いために爽快で飲みやすく、コクがあるが重すぎず、全体の香味バランスが良好な発酵ビール様発泡性飲料を提供できる。
本発明及び本願明細書における発酵ビール様発泡性飲料とは、発酵原料の種類にかかわらず、発酵原料を酵母により発酵させる発酵工程を経て製造される、ビールらしさ(香味上ビールを想起させる呈味)を有する発泡性飲料を意味する。発酵ビール様発泡性飲料のアルコール濃度は限定されず、0.5容量%以上のアルコール飲料であってもよく、0.5容量%未満のいわゆるノンアルコール飲料であってもよい。具体的には、ビール、発泡酒、ノンアルコールビール等が挙げられる。その他、発酵工程を経て製造された飲料を、アルコール含有蒸留液と混和して得られたリキュール類であってもよい。中でも、本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料としては、香味のバランスがより良好であるため、アルコール濃度が3容量%以上の発酵ビール様発泡性飲料であることが好ましい。
なお、アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、一般に蒸留酒に分類されるものを用いることができる。例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン、焼酎等を用いることができる。
本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料は、原麦汁エキスが7.0〜9.0質量%であり、水溶性食物繊維を含有し、リナロール濃度が20〜40ppbであることを特徴とする。本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料は、水溶性食物繊維を含有し、かつリナロール濃度が比較的高いため、原麦汁エキスが7.0〜9.0質量%と低いにもかかわらず、水っぽさが低減され、コクはあるが重すぎず、香味バランスが改善されている。
なお、発酵ビール様発泡性飲料の原麦汁エキスは、国際法として公定されているSCABA(Servo Chem Automatic Beer Analyzer)法にしたがって、アルコール濃度とエキス濃度から測定することができる。
発酵ビール様発泡性飲料の原麦汁エキスは、主に、発酵原料の使用量や、製造工程中の加水量を調節することにより調整することができる。本発明において用いられる発酵原料としては、穀物原料のみを用いてもよく、糖質原料のみを用いてもよく、両者を混合して用いてもよい。穀物原料としては、例えば、大麦や小麦、これらの麦芽等の麦類、米、トウモロコシ、大豆等の豆類、イモ類等が挙げられる。穀物原料は、穀物シロップ、穀物エキス等として用いてもよい。また、本発明において用いられる穀物原料としては、1種類の穀物原料であってもよく、複数種類の穀物原料を混合したものであってもよい。例えば、主原料として麦芽粉砕物を、副原料として米やトウモロコシの粉砕物を用いてもよい。糖質原料としては、例えば、液糖等の糖類が挙げられる。
本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料は、原麦汁エキスが7.0〜9.0質量%に抑えられているため、カロリーを低く抑えることができる。本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料としては、カロリーが30kcal/100mL以下であるものが好ましい。
水溶性食物繊維とは、水に溶解し、かつヒトの消化酵素により消化されない又は消化され難い炭水化物を意味する。本発明において用いられる水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、大豆食物繊維、ガラクトマンナン、イヌリン、グアーガム分解物、ペクチン、アラビアゴム等が挙げられる。本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料としては、難消化性デキストリン又はポリデキストロースを含有するものが好ましく、難消化性デキストリンを含有するものがより好ましい。
水溶性食物繊維の濃度は、原麦汁エキスを7.0〜9.0質量%に抑えた場合に、20〜40ppbリナロールによるホップ香気と共に、発酵ビール様発泡性飲料の水っぽさを解消し得る濃度であれば特に限定されるものではなく、リナロール濃度、その他の原料の種類等を考慮して適宜調節することができる。本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料の水溶性食物繊維の濃度としては、0.75〜3.0質量%が好ましく、1.5〜3質量%がより好ましい。
本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料のリナロール濃度は、20〜40ppbの範囲内であって、原麦汁エキスを7.0〜9.0質量%に抑えた場合に、水溶性食物繊維と共に、発酵ビール様発泡性飲料の水っぽさを解消し得る濃度であれば特に限定されるものではなく、水溶性食物繊維の種類及び濃度、その他の原料の種類等を考慮して適宜調節することができる。なお、発酵ビール様発泡性飲料中のリナロール濃度は、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析)により定量することができる。
リナロールは、ホップ香気の主要な香気成分である。本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料のリナロール濃度は、リナロールを添加剤として添加することにより調整してもよく、リナロールを含有する品種のホップを香り付けホップとして充分量用いることによって調整してもよい。添加剤として添加するリナロールは、合成の又は天然物から抽出・精製されたリナロールでもよく、リナロールを含有する香料であってもよい。
本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料は、甘味を調節するため、1種又は2種以上の甘味料を含有することが好ましい。当該甘味料としては、砂糖であってもよく、比較的甘味度の低いものであってもよく、高甘味度甘味料であってもよい。比較的甘味度の低い甘味料としては、具体的には、多糖類、甘味系アミノ酸が挙げられる。多糖類とは、3以上の単糖が重合した糖質を意味する。多糖類は、主にその大きさによって、でんぷん、デキストリン、及びオリゴ糖に大別される。オリゴ糖は、3〜10個程度の単糖が重合した糖質であり、デキストリンは、でんぷんを加水分解して得られる糖質であって、オリゴ糖よりも大きなものを指す。甘味系アミノ酸としては、アラニンやグリシンが挙げられ、アラニンが好ましい。高甘味度甘味料としては、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アスパルテーム、スクラロース、ステビア、酵素処理ステビア等が挙げられる。本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料としては、少量の含有量で充分な甘味を達成でき、かつカロリーも抑えられることから、高甘味度甘味料を含有することが好ましく、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アスパルテーム、及びスクラロースからなる群より選択される1種以上を含有することがより好ましい。
低原麦汁エキスによる爽快ですっきりとした香味の特徴が活かせる点から、本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料としては、糖質含有量が低いものが好ましく、糖質濃度が0.5g/100mL以下であるものがより好ましく、糖質濃度が0.5g/100mL未満であるものがさらに好ましい。
本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料は、さらに、色素を含有することが好ましい。本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料が含有する色素としては、ビールらしい色を付与可能であり、かつ飲食可能な色素であれば特に限定されるものではないが、カラメル化反応物(カラメル色素)が特に好ましい。
本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料は、さらに、苦味料を含有することが好ましい。当該苦味料としては、製品である発酵ビール様発泡性飲料において、ビールと同質若しくは近似する苦味を呈するものであれば特に限定されるものではなく、ホップ中に含まれている苦味成分であってもよく、ホップには含まれていない苦味成分であってもよい。当該苦味料としては、具体的には、マグネシウム塩、カルシウム塩、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、ナリンジン、クワシン、イソα酸、テトライソα酸、β酸の酸化物、キニーネ、モモルデシン、クエルシトリン、テオブロミン、カフェイン等の苦味付与成分、及びゴーヤ、センブリ茶、苦丁茶、ニガヨモギ抽出物、ゲンチアナ抽出物、キナ抽出物等の苦味付与素材が代表的に挙げられる。これらの苦味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料は、原麦汁エキスを7.0〜9.0質量%に抑え、水溶性食物繊維を原料とし、最終的な飲料中のリナロール濃度を20〜40ppbに調整する以外は、一般的な発酵ビール様発泡性飲料と同様にして製造できる。一般的な発酵ビール様発泡性飲料は、仕込(発酵原料液調製)、発酵、貯酒、濾過の工程で製造することができる。
まず、仕込工程(発酵原料液調製工程)として、穀物原料及び糖質原料からなる群より選択される1種以上から発酵原料液を調製する。具体的には、まず、穀物原料と糖質原料の少なくともいずれかと原料水とを含む混合物を調製して加温し、穀物原料等の澱粉質を糖化させる。当該混合物には、穀物原料等と水以外の副原料を加えてもよい。当該副原料としては、例えば、ホップ、食物繊維、酵母エキス、甘味料、果汁、苦味料、着色料、香草、香料等が挙げられる。また、必要に応じて、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ等の糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤を添加することができる。
糖化処理は、穀物原料等由来の酵素や、別途添加した酵素を利用して行う。糖化処理時の温度や時間は、用いた穀物原料等の種類、発酵原料全体に占める穀物原料の割合、添加した酵素の種類や混合物の量、目的とする発酵ビール様発泡性飲料の品質等を考慮して、適宜調整される。例えば、糖化処理は、穀物原料等を含む混合物を35〜70℃で20〜90分間保持する等、常法により行うことができる。
糖化処理後に得られた糖液を煮沸することにより、煮汁(糖液の煮沸物)を調製することができる。糖液は、煮沸処理前に濾過し、得られた濾液を煮沸処理することが好ましい。また、この糖液の濾液に替わりに、麦芽エキスに温水を加えたものを用い、これを煮沸してもよい。煮沸方法及びその条件は、適宜決定することができる。
煮沸処理前又は煮沸処理中に、香草等を適宜添加することにより、所望の香味を有する発酵ビール様発泡性飲料を製造することができる。特にホップは、煮沸処理前又は煮沸処理中に添加することが好ましい。ホップの存在下で煮沸処理することにより、ホップの風味・香気成分を効率よく煮出することができる。ホップの添加量、添加態様(例えば数回に分けて添加するなど)及び煮沸条件は、適宜決定することができる。
例えば、飲料のリナロール濃度を、香り付けホップの使用量によって調節する場合には、糖化処理後に得られた糖液に、苦味付けホップを添加して煮沸処理を行い、煮沸処理の終了直前に充分量の香り付けホップを添加し、煮沸処理を終了する。香り付けホップを添加した状態での煮沸時間が短いことにより、リナロール濃度の高い発酵ビール様発泡性飲料が得られる。香り付けホップは、煮沸処理終了後に添加してもよい。
仕込工程後、発酵工程前に、調製された煮汁から、沈殿により生じたタンパク質等の粕を除去することが好ましい。粕の除去は、いずれの固液分離処理で行ってもよいが、一般的には、ワールプールと呼ばれる槽を用いて沈殿物を除去する。この際の煮汁の温度は、15℃以上であればよく、一般的には50〜80℃程度で行われる。粕を除去した後の煮汁(濾液)は、プレートクーラー等により適切な発酵温度まで冷却する。この粕を除去した後の煮汁が、発酵原料液となる。
次いで、発酵工程として、冷却した発酵原料液に酵母を接種して、発酵を行う。冷却した発酵原料液は、そのまま発酵工程に供してもよく、所望のエキス濃度に調整した後に発酵工程に供してもよい。発酵に用いる酵母は特に限定されるものではなく、通常、酒類の製造に用いられる酵母の中から適宜選択して用いることができる。上面発酵酵母であってもよく、下面発酵酵母であってもよいが、大型醸造設備への適用が容易であることから、下面発酵酵母であることが好ましい。
発酵工程におけるアルコール発酵を抑制することにより、発酵により生成されるアルコール量がより低減される。したがって、特に、アルコール濃度が1容量%未満の発酵ビール様発泡性飲料を製造する場合には、発酵工程における発酵度を下げることも好ましい。
さらに、貯酒工程として、得られた発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させた後、濾過工程として、熟成後の発酵液を濾過することにより、酵母及び当該温度域で不溶なタンパク質等を除去して、目的の発酵ビール様発泡性飲料を得ることができる。当該濾過処理は、酵母を濾過除去可能な手法であればよく、例えば、珪藻土濾過、平均孔径が4〜5μm程度のフィルターによるフィルター濾過等が挙げられる。また、所望のアルコール濃度とするために、濾過前又は濾過後に適量の加水を行って希釈してもよい。得られた発酵ビール様発泡性飲料は、通常、充填工程により瓶詰めされて、製品として出荷される。
その他、酵母による発酵工程以降の工程において、例えばアルコール含有蒸留液と混和することにより、酒税法におけるリキュール類に相当する発酵ビール様発泡性飲料を製造することができる。アルコール含有蒸留液の添加は、アルコール濃度の調整のための加水前であってもよく、加水後であってもよい。添加するアルコール含有蒸留液は、より好ましい麦感を有する発酵ビール様発泡性飲料を製造し得ることから、麦スピリッツが好ましい。
リナロール又はこれを含有する香料を原料とする場合には、添加したリナロールが製造工程中で失われることを抑制するために、リナロール又はこれを含有する香料は、発酵工程前の煮沸処理後に添加することが好ましく、貯酒工程又はその後の濾過工程において添加することがより好ましい。
次に実施例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
なお、以降の実施例において、発酵ビール様発泡性飲料中のリナロール濃度は、GC−MSにより定量し、原麦汁エキス値は、SCABA法に従って測定した。
[製造例1]
麦芽6.5kgと砂糖19.5kgと酵母エキスを原料として常法に従って仕込を行って麦汁を製造した。得られた麦汁を濾過し、苦味付けホップを添加した後に煮沸して麦汁(穀物煮汁)を得た。次いで、80〜99℃程度の麦汁を沈降槽に移して沈殿物を分離、除去した後、冷却した。当該冷麦汁にビール酵母を接種して発酵させた後、貯酒タンク中で熟成させた。熟成後の発酵液に加水を行って濃度調整を行った後に、フィルター濾過(平均孔径:0.65μm)し、ベース液とする発酵ビール様発泡性飲料を得た。当該発酵ビール様発泡性飲料は、原麦汁エキスが7.34質量%、アルコール濃度が4.27容量%、リナロール濃度が1.9ppb、炭酸ガスが2.8gas vol.であった。
[実施例1]
製造例1で調製した発酵ビール様発泡性飲料に、水溶性食物繊維(難消化性デキストリン;松谷化学工業株式会社製)を食物繊維として0、1.5、3.0g/100mL、リナロールを1.9(無添加)、10、20、40、60ppbとなるように添加し、発酵ビール様発泡性飲料を得た。
得られた発酵ビール様発泡性飲料の香味のバランスについて官能評価を行った。官能評価は、6名の専門パネリストが、各発泡酒をそれぞれブラインドで官能試飲を行い、下記に示す5段階で評価した。
5:バランスが良い(水っぽくなく、重すぎない)。
4:ややバランスが良い。
3:どちらともいえない。
2:ややバランスが良い。
1:バランスが悪い(水っぽい、あるいは重い)。
Figure 0006649946
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各発酵ビール様発泡性飲料の6名の専門パネリストの評点の平均値を、食物繊維濃度とリナロール濃度と共に表1に示す。また、食物繊維含量1.5g/100mLの発酵ビール様発泡性飲料に対して、専門パネリストから得られた主な官能コメントを表2に示す。表2中、括弧内はコメントを述べた専門パネリストの人数を示す。この結果、食物繊維を1.5g/100mL含有し、原麦汁エキスが8.70質量%であり、かつリナロール濃度が20〜40ppbの発酵ビール様発泡性飲料では、水っぽさが解消されており、重すぎず、コクがあり香味バランスが良好であった。
[実施例2]
製造例1で調製した発酵ビール様発泡性飲料を脱気水で希釈し、炭酸ガス量を2.8gas vol.に調製した。得られた発酵ビール様発泡性飲料は、原麦汁エキスが5.37質量%、アルコール濃度が3.09容量%、リナロール濃度が1.4ppbであった。
得られた発酵ビール様発泡性飲料に、水溶性食物繊維(難消化性デキストリン;松谷化学工業株式会社製)を食物繊維として0、1.5、3.0g/100mL、リナロールを1.4(無添加)、10、20、40、60ppbとなるように添加し、発酵ビール様発泡性飲料を得た。得られた発酵ビール様発泡性飲料の香味のバランスについて、実施例1と同様にして官能評価を行った。
Figure 0006649946
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各発酵ビール様発泡性飲料の6名の専門パネリストの評点の平均値を、食物繊維濃度とリナロール濃度と共に表3に示す。また、食物繊維含量3.0g/100mLの発酵ビール様発泡性飲料に対して、専門パネリストから得られた主な官能コメントを表4に示す。表4中、括弧内はコメントを述べた専門パネリストの人数を示す。この結果、食物繊維を3.0g/100mL含有し、原麦汁エキスが8.17質量%であり、かつリナロール濃度が20〜40ppbの発酵ビール様発泡性飲料では、水っぽさが解消されており、重すぎず、コクがあり香味バランスが良好であった。
[実施例3]
製造例1で調製した発酵ビール様発泡性飲料を脱気水で希釈し、炭酸ガス量を2.8gas vol.に調製した。得られた発酵ビール様発泡性飲料は、原麦汁エキスが6.44質量%、アルコール濃度が3.73容量%、リナロール濃度が1.7ppbであった。
得られた発酵ビール様発泡性飲料に、水溶性食物繊維(難消化性デキストリン;松谷化学工業株式会社製)を食物繊維として0、0.75、1.5、2.25、3.0g/100mL、リナロールを1.7(無添加)、10、20、40、60ppbとなるように添加し、発酵ビール様発泡性飲料を得た。得られた発酵ビール様発泡性飲料の香味のバランスについて、実施例1と同様にして官能評価を行った。
Figure 0006649946
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各発酵ビール様発泡性飲料の6名の専門パネリストの評点の平均値を、食物繊維濃度とリナロール濃度と共に表5に示す。また、食物繊維含量1.5g/100mLの発酵ビール様発泡性飲料に対して、専門パネリストから得られた主な官能コメントを表6に示す。表6中、括弧内はコメントを述べた専門パネリストの人数を示す。この結果、食物繊維を0.75〜2.25g/100mL含有し、原麦汁エキスが7.13〜8.50質量%であり、かつリナロール濃度が20〜40ppbの発酵ビール様発泡性飲料では、水っぽさが解消されており、重すぎず、コクがあり香味バランスが良好であった。
[実施例4]
実施例3で調製した原麦汁エキスが6.44質量%、アルコール濃度が3.73容量%、リナロール濃度が1.7ppb、炭酸ガスが2.8gas vol.の発酵ビール様発泡性飲料に、ポリデキストロース(ダニスコ社製)を食物繊維として1.5g/100mL、リナロールを1.7(無添加)、10、20、40、60ppbとなるように添加し、発酵ビール様発泡性飲料を得た。得られた発酵ビール様発泡性飲料の香味のバランスについて、実施例1と同様にして官能評価を行った。
Figure 0006649946
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各発酵ビール様発泡性飲料の6名の専門パネリストの評点の平均値を、食物繊維濃度とリナロール濃度と共に表7に示す。また、食物繊維含量1.5g/100mLの発酵ビール様発泡性飲料に対して、専門パネリストから得られた主な官能コメントを表8に示す。表6中、括弧内はコメントを述べた専門パネリストの人数を示す。この結果、難消化性デキストリンを添加した実施例3と同様に、リナロール濃度が20〜40ppbの発酵ビール様発泡性飲料では、水っぽさが解消されており、重すぎず、コクがあり香味バランスが良好であったが、難消化性デキストリンを含有させたものと比較すると、香味バランスの評価は低かった。
[実施例5]
麦芽6.5kgと砂糖14.0kgと難消化性デキストリン(松谷化学工業株式会社製)5.5kgと酵母エキスを原料として常法に従って仕込を行って麦汁を製造した。得られた麦汁を濾過し、苦味付けホップを添加した後に煮沸して麦汁(穀物煮汁)を得た。麦汁煮沸終了後の麦汁に香り付けホップを添加した後、沈降槽に移して沈殿物を分離、除去した後、冷却した。当該冷麦汁にビール酵母を接種して発酵させた後、貯酒タンク中で熟成させた。熟成後の発酵液に加水を行って濃度調整を行った後に、フィルター濾過(平均孔径:0.65μm)し、発酵ビール様発泡性飲料を得た。麦汁煮沸終了後に添加する香り付けホップの量をふることにより、リナロール濃度の異なる5種類の発酵ビール様発泡性飲料を得た。得られた5種類の発酵ビール様発泡性飲料は、原麦汁エキスが7.70〜7.85質量%、アルコール濃度が3.53〜3.61容量%、食物繊維濃度が1.8g/100mL、リナロール濃度が2.1〜38ppb、炭酸ガスが2.8gas vol.であった。
Figure 0006649946
各発酵ビール様発泡性飲料の香味のバランスについて、実施例1と同様にして官能評価を行った。各発酵ビール様発泡性飲料の6名の専門パネリストの評点の平均値及び専門パネリストから得られた主な官能コメントを、リナロール濃度と共に表9に示す。表9中、括弧内はコメントを述べた専門パネリストの人数を示す。この結果、実施例1〜4と同様に、リナロール濃度が25〜38ppbの発酵ビール様発泡性飲料では、水っぽさが解消されており、重すぎず、コクがあり香味バランスが良好であった。また、香味バランスの評価は、麦汁煮沸終了後に香り付けホップを使用せず、リナロールを製品に添加することにより調製した実施例1〜4の場合よりも高かった。
[参考例1]
市販のビール様発泡性飲料について、原麦汁エキス値、アルコール濃度、及びリナロール濃度を測定し、さらに原材料表示より水溶性食物繊維を含有しているか否かを調べた。結果を表10及び11に示す。表の「水溶性食物繊維」の欄中、○は水溶性食物繊維が原料として含まれていることを、×は水溶性食物繊維が原料として含まれていないことを、それぞれ意味する。この結果、市販のビール様発泡性飲料には、原麦汁エキスが7.0〜9.0質量%であり、水溶性食物繊維を含有し、リナロール濃度が20〜40ppbであるものはなかった。
Figure 0006649946
Figure 0006649946

Claims (5)

  1. 原麦汁エキスが7.0〜9.0質量%であり、難消化性デキストリンが1.5〜3質量%であり、リナロール濃度が20〜40ppbである、発酵ビール様発泡性飲料。
  2. さらに、高甘味度甘味料を含有する、請求項1記載の発酵ビール様発泡性飲料。
  3. 前記高甘味度甘味料が、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アスパルテーム、及びスクラロースからなる群より選択される1種以上を含有する、請求項に記載の発酵ビール様発泡性飲料。
  4. アルコール濃度が、3容量%以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の発酵ビール様発泡性飲料。
  5. カロリーが、30kcal/100mL以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の発酵ビール様発泡性飲料。
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